JP7417420B2 - 車両の着座装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、車両に乗車した乗員は、座面クッションについての正しい着座位置に常に着座しているとは限らない。たとえば車両に乗って最初に着座装置に着座する際に、正しい着座位置の前へずれて着座することがある。また、着座中の車両の挙動などにより、着座位置がずれることがある。そして、そのようなずれに気づくことなくその後に長時間にわたって着座し続けてしまうことがある。
図1(A)は、上面図である。図1(B)は、左側面図である。
図1の自動車1は、車体2の前後方向の中央部分に乗員室3が設けられる。乗員室3には、自動車1に乗り込んだ乗員が着座する着座装置としてのシート4が設けられる。図1には、前後に並ぶシート4のうちで、前側の独立シートが図示されている。シート4は、乗員の臀部が乗る座面クッション5、座面クッション5の後縁から立設される背面クッション6、を有する。
シート4に着座した乗員の前には、ダッシュボードから後向きにハンドル7が突出して設けられる。乗員は、シート4に着座したまま、ハンドル7、不図示のフットペダル、シフトレバーを操作して、自動車1の走行などを操作する。
このように正しい着座位置に着座することにより、乗員は、長時間の着座においても疲れ難い。
このように、自動車1に乗車した乗員は、座面クッション5についての正しい着座位置に常に着座しているとは限らない。
たとえば図2(B)に示すように、自動車1に乗って最初にシート4に着座する際に、正しい着座位置の前へずれて着座することがある。
また、着座中の自動車1の挙動などにより、図2(A)の状態から図2(B)の状態へ変化して、着座位置がずれることがある。乗員は、着座状態が変化したことに気づくことなく、その後に長時間にわたって着座し続けてしまうことがある。
これらの場合、乗員の腰への負担が大きくなる。乗員は、疲れ易くなる。
このように自動車1のシート4は、改善することが望まれる。
図3(A)は、座面クッション5の上面図である。図3(B)は、座面クッション5の側面図である。
図3の座面クッション5は、自動車1に乗車した乗員が着座するクッション本体11、遅変形フォーム12、支持部材13、を有する。
遅変形フォーム12は、座面クッション5の他の部分であるクッション本体11と比べて圧縮変形が進みにくい低反発素材を用いて形成する。低反発素材を用いることにより、遅変形フォーム12は、瞬時的な荷重により圧縮変形し難くなる。遅変形フォーム12は、ある程度の時間において継続的に荷重が作用することにより、圧縮変形が進む。遅変形フォーム12は、クッション本体11と比べて遅れて圧縮変形が進む、硬い特性となる。これにより、座面クッション5に着座した乗員の荷重は、クッション本体11より遅変形フォーム12に対して効率的に作用するようになる。遅変形フォーム12は、座面クッション5の座面についての乗員の臀部が乗る部分から腿部が乗る部分までにかけて設けられる。
円板形状の支持部材13は、円形の遅変形フォーム12と中心が一致するように、円形の遅変形フォーム12の上に重ねて設けられる。支持部材13は、円形の遅変形フォーム12とともに、クッション本体11の上面との間で略平らな座面を形成する。これにより、支持部材13は、座面クッション5についての乗員の臀部が乗る部分に設けられる。支持部材13には、乗員の荷重がかかるようになる。
また、円板形状の支持部材13の周囲には、円形の遅変形フォーム12の外周部分が座面に露出する。遅変形フォーム12は、座面クッション5についての少なくとも支持部材13の下側から支持部材13の前側までにかけて設けられる。
これにより、乗員の臀部が着座している円板形状の支持部材13の位置は、図4(A)の着座開始時より下がる。円板形状の支持部材13は、遅変形フォーム12に沈み込む。この状態で、座面は安定する。
また、中央部分が圧縮されている遅変形フォーム12では、円板形状の支持部材13により抑えられていない外周部分が膨張する。遅変形フォーム12は、円板形状の支持部材13の周縁の外側において、上へ膨出する。遅変形フォーム12は、支持部材13の少なくとも前側において上へ膨出する。遅変形フォーム12についての座面から上へ突出した部分14は、図4(A)での座面より上へ突出する。支持部材13の前側において上へ膨出する部分14は、着座している乗員の腿部に下からあたり、支えることができる。また、支持部材13の後側において上へ膨出する部分15は、着座している乗員の臀部の後ろに突出する。これにより、臀部は、後方へずれ難くなる。
この他にもたとえば、円板形状の支持部材13は、円形の遅変形フォーム12と中心が一致しないように、円形の遅変形フォーム12の上に重ねて設けられてよい。
さらに他にもたとえば、円板形状の支持部材13は、円形の遅変形フォーム12の上に重ねるのではなく、円形の遅変形フォーム12の内部に設けてもよい。
図5(A)は、座面クッション5の後部の正しい着座位置に乗員が着座し始めた状態である。
この場合でも、支持部材13は、円形の遅変形フォーム12とともに、クッション本体11の上面との間で略平らな座面を形成する。支持部材13は、座面クッション5についての乗員の臀部が乗る部分に設けられる。支持部材13には、乗員の荷重がかかるようになる。支持部材13は、乗員の荷重により遅変形フォーム12の上において沈み込むようになる。
ただし、乗員が着座し続けた場合での円形の遅変形フォーム12の圧縮変形の状態は、上述した実施形態とは異なる。図5(B)は、座面クッション5の後部の正しい着座位置に乗員が着座し続けた状態である。このように円形の遅変形フォーム12は、支持部材13の前側において上へ膨出する。遅変形フォーム12についての座面から上へ突出した部分14は、図5(A)での座面より上へ突出する。支持部材13の前側において上へ膨出する部分14は、着座している乗員の腿部に下からあたり、支えることができる。
Claims (5)
- 車両に乗車した乗員が座面クッションに着座する着座装置であって、
クッション本体と、
乗員が着座する前記座面クッションの少なくとも一部に、前記クッション本体の上面に形成される上面凹部に収容されることにより設けられ、荷重が継続的に作用することにより変形が進む遅変形部と、
前記遅変形部の上に重ねて設けられることにより、前記座面クッションに着座する乗員の荷重がかかるように前記遅変形部の上に設けられる支持部材と、
有し、
前記支持部材は、前記座面クッションについての乗員の臀部が乗る部分に設けられ、
前記遅変形部は、前記座面クッションについての少なくとも前記支持部材の下側から前記支持部材の前側までにかけて設けられて、前記支持部材の前側において露出し、
前記支持部材が乗員の荷重により前記遅変形部の上において沈み込むことにより、前記遅変形部が変形して前記支持部材の少なくとも前側において前記クッション本体の上面より上へ膨出する、
車両の着座装置。
- 前記遅変形部は、前記支持部材が乗員の荷重により前記遅変形部の上において沈み込むことにより変形して、前記支持部材の少なくとも前側および後側において上へ膨出し、前記支持部材の前側において膨出により上へ突出する部分が、前記支持部材の前側において前記支持部材に臀部を乗せている乗員の腿部に下からあたり、前記支持部材の後側において膨出により上へ突出する部分が、前記支持部材の後側において前記支持部材に臀部を乗せている乗員の臀部の後ろに突出する、
請求項1記載の車両の着座装置。
- 前記遅変形部は、前記座面クッションの座面についての乗員の臀部が乗る部分から腿部が乗る部分までにかけて設けられる、
請求項1または2記載の車両の着座装置。
- 前記遅変形部は、低反発素材を用いて形成されている、
請求項1から3のいずれか一項記載の車両の着座装置。
- 前記支持部材は、前記遅変形部より変形し難い硬質素材により形成される、
請求項1から4のいずれか一項記載の車両の着座装置。
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