JP7416591B2 - 研磨方法 - Google Patents

研磨方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7416591B2
JP7416591B2 JP2019169746A JP2019169746A JP7416591B2 JP 7416591 B2 JP7416591 B2 JP 7416591B2 JP 2019169746 A JP2019169746 A JP 2019169746A JP 2019169746 A JP2019169746 A JP 2019169746A JP 7416591 B2 JP7416591 B2 JP 7416591B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
workpiece
polishing pad
holding table
notch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019169746A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021045821A (ja
Inventor
雄貴 井上
洋平 若林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Disco Corp
Original Assignee
Disco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Disco Corp filed Critical Disco Corp
Priority to JP2019169746A priority Critical patent/JP7416591B2/ja
Publication of JP2021045821A publication Critical patent/JP2021045821A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7416591B2 publication Critical patent/JP7416591B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、研磨方法に関する。
研削時に形状の制御がしやすい円錐状の保持テーブルを、研削及び研磨で兼用する研削研磨装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2015-150642号公報
研磨パッドが被加工物の全面を覆うため、円錐状の保持テーブルを使用して研磨する場合、保持テーブルの円錐の頂点において被加工物が一番研磨されやすく、保持テーブルの外周に行くほど被加工物が研磨されにくいという研磨レートのばらつきが発生するという問題があった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、適切に研磨レートのばらつきを低減できる研磨パッド及び研磨方法を提供することである。
述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の研磨方法は、スピンドルの先端に固定された研磨パッドによって、保持テーブルに保持された被加工物を研磨する研磨方法であって、該保持テーブルの形状を基に研磨ステップを実施中に被加工物の面内においてかかる圧力のばらつきを算出する圧力算出ステップと、該圧力算出ステップにおいて測定された圧力に基づき、被加工物にかかる圧力が被加工物の面内で最大となる領域で該研磨パッドの被加工物との接触面の周方向の幅が最大となり、該幅が該領域から中心または外縁に向かうにしたがって減少する切り欠けを、該接触面に形成する切り欠け形成ステップと、該保持テーブルに被加工物を保持する保持ステップと、該保持テーブルに保持された被加工物に該切り欠けが形成された研磨パッドを接触させ、該保持テーブルと該研磨パッドの少なくとも一方を回転させながら被加工物を研磨する研磨ステップと、を備えることを特徴とする。
研磨方法において、該保持テーブルは円錐形状であり、被加工物にかかる圧力は、保持テーブルの中心に近い程大きくなっていてもよい。
本願発明は、適切に研磨レートのばらつきを低減できる。
図1は、実施形態1に係る研磨パッドを使用する装置の一例である研削研磨装置の構成例を示す斜視図である。 図2は、図1の研削研磨装置の要部を示す断面図である。 図3は、図1の研削研磨装置の研磨ユニットの要部を示す上面図である。 図4は、図3のIV-IV断面図である。 図5は、実施形態1に係る研磨パッドを示す平面図である。 図6は、図5のVI-VI断面図である。 図7は、実施形態1に係る研磨方法の流れを示すフローチャートである。 図8は、図7の研磨方法の圧力算出ステップで得られる圧力分布の一例を示すグラフである。 図9は、実施形態2に係る研磨パッドを示す平面図である。 図10は、実施形態3に係る研磨方法における圧力算出ステップを示す断面図である。 図11は、実施例に係る被加工物の研磨量のばらつきを示すグラフである。 図12は、比較例に係る被加工物の研磨量のばらつきを示すグラフである。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る研磨パッド1及び研磨方法を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係る研磨パッド1を使用する装置の一例である研削研磨装置100の構成例を示す斜視図である。図2は、図1の研削研磨装置100の要部を示す断面図である。図3は、図1の研削研磨装置100の研磨ユニット40の要部を示す上面図である。図4は、図3のIV-IV断面図である。
研削研磨装置100は、図1に示すように、装置本体10と、第1の研削ユニット20と、第2の研削ユニット30と、研磨ユニット40と、ターンテーブル50と、ターンテーブル50上に設置された例えば4つの保持テーブル60と、研磨ユニット40の近傍に設けられた圧力測定ユニット70と、制御ユニット80と、カセット91,92と、位置合わせユニット93と、搬入ユニット94と、搬出ユニット95と、洗浄ユニット96と、搬出入ユニット97とを主に備えている。
研削研磨装置100の加工対象である被加工物200は、本実施形態では、例えば、シリコン、サファイア、ガリウムヒ素などを母材とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等である。被加工物200は、表面201にデバイスが形成されていてもよいし、デバイス形成前のアズスライスウエーハであってもよい。
ターンテーブル50は、装置本体10の上面に設けられた円盤状のテーブルであり、水平面内で回転可能に設けられ、所定のタイミングで回転駆動される。このターンテーブル50上には、例えば4つの保持テーブル60が、例えば90°の位相角で等間隔に配設されている。これらの4つの保持テーブル60は、ターンテーブル50の回転によって、搬入搬出位置301、粗研削位置302、仕上げ研削位置303、研磨位置304、搬入搬出位置301に順次移動される。
これら4つの保持テーブル60は、ターンテーブル50上において、ターンテーブル50とは独立して回転可能に設けられている。これら4つの保持テーブル60は、保持面61で被加工物200の表面201側を吸引保持する。これら4つの保持テーブル60は、本実施形態では、図2及び図3に示すように、保持テーブル60の回転中心である中心60-1を頂点とし、外周が僅かに低い円錐形状に形成されている。このため、被加工物200は、表面201側が円錐形状に形成された保持テーブル60の保持面61で吸引保持されることにより、表面201側に凹、裏面202側に凸の湾曲が付与された状態となる。また、これら4つの保持テーブル60は、図2に示すように、保持テーブル60の回転軸を鉛直方向と平行なZ軸方向に対して傾斜させる回転軸調整ユニット62を備える。
第1の研削ユニット20は、図1に示すように、スピンドル21の下端に装着された研削砥石22を有する研削ホイール23を回転させながら粗研削位置302の保持テーブル60に保持された被加工物200の裏面202に、Z軸送りユニット24により鉛直方向と平行なZ軸方向に沿って押圧することによって、被加工物200の裏面202を粗研削するためのものである。第1の研削ユニット20は、本実施形態では、具体的には、図2に示すように、回転軸調整ユニット62により保持テーブル60の回転軸をZ軸方向に対して所定の角度だけ傾斜させて、研削ホイール23による研削面と、保持テーブル60の保持面61とが互いに接している状態で、被加工物200の裏面202を粗研削する。
第2の研削ユニット30は、第1の研削ユニット20と概ね同様に、スピンドル31の下端に装着された研削砥石32を有する研削ホイール33を回転させながら仕上げ研削位置303に位置する保持テーブル60に保持された粗研削済みの被加工物200の裏面202に、Z軸送りユニット34によりZ軸方向に沿って押圧することによって、被加工物200の裏面202を仕上げ研削するためのものである。第2の研削ユニット30は、第1の研削ユニット20と概ね同様に、回転軸調整ユニット62により保持テーブル60の回転軸を傾斜させて、研削ホイール33による研削面と、保持テーブル60の保持面61とが互いに接している状態で、被加工物200の裏面202を仕上げ研削する。
第1の研削ユニット20及び第2の研削ユニット30は、本実施形態では、被加工物200の裏面202側に純水等の研削液を供給しながら、被加工物200の裏面202側を研削する。
研磨ユニット40は、図2に示すように、スピンドル41の下端に装着された研磨工具42における本実施形態に係る研磨パッド1を、保持テーブル60の保持面61に対向して配置させる。研磨ユニット40は、研磨工具42を回転させながら、研磨位置304に位置する保持テーブル60の保持面61で保持された仕上げ研削済みの被加工物200の裏面204に、研磨工具42の研磨パッド1側をZ軸送りユニット44によりZ軸方向に沿って押圧することによって、被加工物200の裏面204を研磨するためのものである。
研磨ユニット40は、保持テーブル60と、研磨パッド1とが、研磨中に研磨パッド1の研磨面である接触面5が保持テーブル60に保持された被加工物200の裏面202に接触することで、被加工物200にかかる圧力が被加工物200の面内で異なる位置関係に配置された状態で、被加工物200の裏面204を研磨する。研磨ユニット40は、本実施形態では、具体的には、図3に示すように、研磨工具42及び研磨パッド1の回転軸と被加工物200を保持する保持テーブル60の保持面61の回転軸とを水平方向であるY軸方向に間隔を開けた状態とすることで、被加工物200にかかる圧力が被加工物200の面内で異なる状態を実現している。
研磨パッド1は、図3及び図4に示すように、保持テーブル60よりも水平方向の径が大きい。研磨パッド1の接触面5の外縁9の一部9-1は、図3及び図4に示すように、保持テーブル60の外縁69の一部69-1と、Z軸方向に重なっている。保持テーブル60の中心60-1を挟んで外縁69の一部69-1の反対側の外縁69の他の一部69-2は、図3に示すように、研磨パッド1の接触面5の中心1-1よりも、外縁69の一部69-1から離れた側の位置に配置されている。保持テーブル60の外縁69の一部69-1と他の一部69-2とを結ぶ直径方向が、図3及び図4に示すように、研磨パッド1の径方向に重なっている。より詳細には、図3に示すように、研磨パッド1の接触面5の外縁9は、保持テーブル60の外縁69に対して外接している。
研磨ユニット40は、本実施形態では、研磨液として砥粒を含むスラリーを供給しながら研磨パッド1を用いて被加工物200の裏面202を研磨するが、本発明ではこれに限定されず、研磨液として純水を供給しながら固定砥粒を有する研磨パッド1を用いて被加工物200の裏面202を研磨しても良く、研磨液としてアルカリ性の研磨液を供給しながら研磨パッド1を用いて化学的機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)を実施しても良く、研磨液を供給しないで研磨パッド1を用いて被加工物200の裏面202に対してドライ研磨を実施してもよい。
図5は、実施形態1に係る研磨パッド1を示す平面図である。図6は、図5のVI-VI断面図である。研磨パッド1は、図5に示すように、研磨パッド1の被加工物200との接触面5の中心1-1から外縁9に渡って、切り欠け2が形成されている。切り欠け2は、中心1-1と外縁9との間に接触面5の周方向の幅4が最大となる最大部3-1を備え、中心1-1から最大部3-1に向かうにしたがって周方向の幅4が徐々に広くなり、最大部3-1から外縁9に向かうにしたがって周方向の幅4が徐々に狭くなっている。
研磨パッド1の接触面5に形成された切り欠け2は、実施形態1では、具体的には、中心1-1から距離3の付近に幅4が最大となる最大部3-1を有している。ここで、最大部3-1は、中心1-1に対して距離3の円周及びその近傍の領域を指す。最大部3-1は、保持テーブル60の中心60-1にある円錐形状の頂点に起因して、被加工物200にかかる圧力が被加工物200の面内で最大となる領域に相当している。また、研磨パッド1の接触面5に形成された切り欠け2は、実施形態1では、接触面5の周方向の幅4が、中心1-1及び外縁9で0となっている。保持テーブル60の中心となる円錐形状の頂点が、研磨パッド1の直径の1/3の位置にくる構成の場合、研磨パッド1の直径の1/3上の円周が最大部3-1になることが好ましい。
切り欠け2は、実施形態1では、形状及び面積の等しい4箇所に分割されて、研磨パッド1の被加工物200との接触面5に配設されている。切り欠け2は、本発明ではこれに限定されず、1箇所以上であればよい。なお、切り欠け2は、製造にかかる工数を検討すると、8箇所以下に分割されて配設されることが好ましく、この場合、研磨パッド1の接触面5に好適に形成することができる。また、切り欠け2は、加工中に研磨パッド1の接触面5に生じる熱の影響を均等にするためには、分割された各部分が等間隔に配設されている方が好ましいが、本発明ではこれに限定されず、不均一な間隔に配設してもよい。
研磨パッド1に形成された切り欠け2の深さ6は、実施形態1では、図6に示すように、研磨パッド1の厚み7と等しい。すなわち、研磨パッド1に形成された切り欠け2は、研磨パッド1において貫通孔として形成されている。なお、研磨パッド1に形成された切り欠け2の深さ6は、本発明ではこれに限定されず、接触面5に研磨パッド1の厚み7よりも浅い非貫通の凹部として形成されてもよい。切り欠け2は、例えば、不図示の切断装置や研削装置を用いて、研磨パッド1の接触面5に形成することができる。
カセット91,92は、図1に示すように、複数の被加工物200を収容するための収容器である。また、位置合わせユニット93は、カセット91から取り出された被加工物200が仮置きされて、その中心位置合わせを行うためのテーブルである。
搬入ユニット94は、吸着パッドを有し、位置合わせユニット93で位置合わせされた研削研磨前の被加工物200を吸着保持して搬入搬出位置301に位置する保持テーブル60上に搬入する。搬出ユニット95は、搬入搬出位置301に位置する保持テーブル60上に保持された研削研磨後の被加工物200を吸着保持して洗浄ユニット96に搬出する。洗浄ユニット96は、研削研磨後の被加工物200を洗浄し、研削及び研磨された加工面に付着している研削屑及び研磨屑等のコンタミネーションを除去する。
搬出入ユニット97は、例えば円形型ハンド97-1を備えるロボットピックであり、円形型ハンド97-1によって被加工物200を吸着保持して被加工物200を搬送する。具体的には、搬出入ユニット97は、研削研磨前の被加工物200をカセット91から位置合わせユニット93へ搬出するとともに、研削研磨後の被加工物200を洗浄ユニット96からカセット92へ搬入する。
制御ユニット80は、研削研磨装置100を構成する上述した構成要素をそれぞれ制御するものである。即ち、制御ユニット80は、被加工物200に対する研削研磨動作を研削研磨装置100に実行させるものである。制御ユニット80は、コンピュータプログラムを実行可能なコンピュータである。制御ユニット80は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有する。制御ユニット80の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムを実行して、研削研磨装置100を制御するための制御信号を生成する。制御ユニット80の演算処理装置は、生成した制御信号を入出力インタ-フェース装置を介して研削研磨装置100の各構成要素に出力する。
図7は、実施形態1に係る研磨方法の流れを示すフローチャートである。実施形態1に係る研磨方法は、図7に示すように、圧力算出ステップST1と、切り欠け形成ステップST2と、保持ステップST3と、研磨ステップST4と、を備える。
圧力算出ステップST1は、保持テーブル60の形状を基に、後述する研磨ステップST4を実施中に被加工物200の面内においてかかる圧力のばらつきを算出するステップである。
圧力算出ステップST1では、制御ユニット80が、保持テーブル60の円錐形状の傾斜量と、保持テーブル60の円錐の頂点が研磨パッド1の接触面5のどの位置に接触するかという保持テーブル60と研磨パッド1との位置関係と、に基づいて、接触面5の圧力分布Pを算出する。
図8は、図7の研磨方法の圧力算出ステップST1で得られる圧力分布Pの一例を示すグラフである。圧力算出ステップST1では、本実施形態では、被加工物200を保持する保持テーブル60が、その回転中心を頂点とし、外周が僅かに低い円錐形状に形成されていることに伴い、制御ユニット80が、例えば、図8に示すように、被加工物200の回転中心である中心200-1(保持テーブル60の中心60-1)からの距離に応じて、Z軸方向に沿って印加される圧力が概ね直線状に単調減少する圧力分布Pを得る。なお、図8に示す圧力分布Pでは、本実施形態では、例えば、被加工物200の中心200-1付近では30kPaとなり、被加工物200の外周付近(保持テーブル60の外縁69付近)では21kPaとなっている。
切り欠け形成ステップST2は、圧力算出ステップST1の後に実施される。切り欠け形成ステップST2は、圧力算出ステップST1において算出された圧力分布Pに基づき、被加工物200にかかる圧力が被加工物200の面内で最大となる領域に研磨パッド1の接触面5の周方向の幅4が最大となる最大部3-1を設け、最大部3-1から中心1-1または外縁9に向かうにしたがって幅4が減少する切り欠け2を、研磨パッド1の被加工物200との接触面5に形成するステップである。
切り欠け形成ステップST2では、具体的には、圧力算出ステップST1において算出された圧力分布Pに基づき、被加工物200にかかる圧力が被加工物200の面内で最大となる領域に対応させて最大部3-1を設けている。切り欠け形成ステップST2では、切り欠け2の形状は、算出された圧力分布Pから、最大部3-1を設ける位置と、研磨パッド1の径方向の複数位置における切り欠けの幅4と、を適切に決定するが、このとき、最大部3-1から中心1-1向かうにしたがって周方向の幅4が減少するとともに、最大部3-1から外縁9に向かうにしたがって周方向の幅4が減少するように、切り欠け2の形状を決定する。切り欠け形成ステップST2では、切り欠け2の形状を決定した後、不図示の切断装置や研削装置を用いて、決定した形状の切り欠け2を、研磨パッド1の接触面5に形成する。
切り欠け形成ステップST2で研磨パッド1の接触面5に切り欠け2を形成することにより、研磨中(追って説明する研磨ステップST4)に被加工物200にかかる圧力と研磨パッド1が接触する時間との積が、被加工物200の全面で均等化される。実施形態1の例では、例えば、被加工物200の中心200-1付近では切り欠け2の幅4が大きいため研磨パッド1が接触する時間が約0.7倍となり、被加工物200の外周付近(保持テーブル60の外縁69付近)では切り欠け2の幅4が小さくほとんどないため研磨パッド1が接触する時間が約1.0倍で保持される。このため、研磨中に被加工物200にかかる圧力と研磨パッド1が接触する時間との積が、被加工物200の中心200-1付近では30kPa×(切り欠け2形成前の接触時間)×約0.7倍となり、被加工物200の外周付近(保持テーブル60の外縁69付近)では21kPa×(切り欠け2形成前の接触時間)×約1.0倍となって、互いに概ね等しくなるので、均質化されていることがわかる。
保持ステップST3は、保持テーブル60に被加工物200を保持するステップである。なお、保持ステップST3の前に、圧力シート移動ユニット72が、圧力算出ステップST1で圧力測定位置に載置した圧力シート71を、退避位置に退避させる。また、後述する研磨ステップST4の前までに、切り欠け形成ステップST2で切り欠け2を形成した研磨パッド1を研磨工具42に装着し、この研磨パッド1を装着した研磨工具42をスピンドル41の下端に装着する。
研磨ステップST4は、保持ステップST3の後に実施され、保持テーブル60に保持された被加工物200に切り欠け2を形成した研磨パッド1を接触させ、保持テーブル60と研磨パッド1の少なくとも一方を回転させながら被加工物200を研磨するステップである。研磨ステップST4では、切り欠け形成ステップST2で研磨パッド1に切り欠け2を形成する際にした研磨の設定に従って研磨することが好ましく、本実施形態では、研磨パッド1側をスピンドル41により、被加工物200側を保持テーブル60に設けられた回転機構により、それぞれ回転させながら、研磨パッド1で被加工物200を研磨する。
実施形態1に係る研磨方法は、切り欠け形成ステップST2で、圧力算出ステップST1において算出された圧力に基づき、被加工物200にかかる圧力が被加工物200の面内で最大となる領域に幅4が最大となる最大部3-1を設け、最大部3-1から中心1-1または外縁9に向かうにしたがってつれて幅4が減少する切り欠け2を、研磨パッド1の被加工物200との接触面5に形成する。また、実施形態に係る研磨パッド1は、以上のような構成を有するので、中心1-1と外縁9との間に接触面5の周方向の幅4が最大となる最大部3-1を備え、中心1-1から最大部3-1に向かうにしたがって周方向の幅4が徐々に広くなり、最大部3-1から外縁9に向かうにしたがって周方向の幅4が徐々に狭くなっている切り欠け2が、研磨パッド1の被加工物200との接触面5に形成されている。このため、実施形態に係る研磨方法及び研磨パッド1は、研磨パッド1の被加工物200との接触面5に形成された切り欠け2により、研磨中に被加工物200にかかる圧力と研磨パッド1が接触する時間との積が、被加工物200の全面で均等化されるので、これに伴い、被加工物200にかかる圧力が被加工物200の面内で異なる位置関係に配置されている場合でも、適切に研磨レートのばらつきを低減することができるという作用効果を奏する。
また、本実施形態は、保持テーブル60と研磨パッド1とが、研磨中に研磨パッド1が保持テーブル60に保持された被加工物200に接触することで、被加工物200にかかる圧力が被加工物200の面内で異なる位置関係に配置されている形態が、保持テーブル60が円錐形状であり、被加工物200にかかる圧力が、保持テーブル60の中心60-1に近い程大きくなっている。実施形態に係る研磨方法及び研磨パッド1は、このような保持テーブル60が円錐形状の場合でも、適切に研磨レートのばらつきを低減することができるという作用効果を奏する。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係る研磨パッド1-2を図面に基づいて説明する。図9は、実施形態2に係る研磨パッド1-2を示す平面図である。図9は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態2に係る研磨パッド1-2は、図9に示すように、実施形態1に係る研磨パッド1において、切り欠け2に代えて切り欠け2-2を、被加工物200との接触面5に形成したものである。切り欠け2-2は、切り欠け2と同様に、中心1-1と外縁9との間に接触面5の周方向の幅4が最大となる最大部3-1を備え、中心1-1から最大部3-1に向かうにしたがって周方向の幅4が徐々に広くなり、最大部3-1から外縁9に向かうにしたがって周方向の幅4が徐々に狭くなっている。実施形態1に係る切り欠け2が4箇所に分割されて90°の位相角で等間隔に配設されている一方で、切り欠け2-2は、2箇所に分割されて180°の位相角で等間隔に配設されている点で、実施形態1に係る切り欠け2と異なる。
実施形態2に係る研磨パッド1-2は、以上のように、実施形態1に係る研磨パッド1において、切り欠け2-2の分割する箇所数を変更したものであり、その他の構成は同様である。このため、実施形態2に係る研磨パッド1-2は、実施形態1と同様の作用効果を奏するものとなる。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3に係る研磨方法を図面に基づいて説明する。図10は、実施形態3に係る研磨方法における圧力算出ステップST1を示す断面図である。図10は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態3に係る研磨方法は、実施形態1に係る研磨方法において、圧力算出ステップST1を変更したものである。実施形態3に係る圧力算出ステップST1は、図10に示すように、圧力測定ユニット70を使用して、保持テーブル60の形状を基に、後述する研磨ステップST4を実施中に被加工物200の面内においてかかる圧力のばらつきを算出するステップである。
圧力測定ユニット70は、図10に示すように、圧力シート71と、圧力シート移動ユニット72と、を備える。圧力シート71は、印加された圧力を測定する圧力測定部材であり、板状に形成されており、ロール状に巻き取り可能である。圧力シート移動ユニット72は、圧力シート71を研磨パッド1と被加工物200との間の圧力測定位置と、圧力シート71を圧力測定位置から退避した退避位置との間で、移動させる。圧力シート移動ユニット72は、圧力シート71を板状に広げた状態で圧力測定位置に載置するとともに、圧力シート71をロール状に巻き取った状態で退避位置に退避させる。
実施形態3に係る圧力算出ステップST1では、図10に示すように、まず、圧力シート移動ユニット72が、圧力シート71を、研磨パッド1と被加工物200との間の圧力測定位置に載置する。実施形態3に係る圧力算出ステップST1では、次に、Z軸送りユニット44が、スピンドル41の下端に装着された研磨工具42における本実施形態に係る研磨パッド1を回転させない状態で、Z軸方向に沿って、圧力シート71を介して被加工物200の裏面204に押圧する。実施形態3に係る圧力算出ステップST1では、圧力シート71が、この研磨パッド1を圧力シート71を介して被加工物200に押圧した状態で、研磨パッド1と被加工物200との間でZ軸方向に沿って印加されている圧力を測定して、圧力の測定結果を制御ユニット80に送信する。実施形態3に係る圧力算出ステップST1では、実施形態1に係る圧力算出ステップST1と同様の圧力分布Pが得られる。
実施形態3に係る研磨方法は、以上のように、実施形態1に係る研磨方法において圧力算出ステップST1を変更したものであり、その他の構成は同様である。このため、実施形態3に係る研磨方法は、実施形態1と同様の作用効果を奏するものとなる。
〔実施例〕
次に、本発明の発明者らは、実施形態1に係る研磨パッド1及び研磨方法の効果を確認した。確認においては、切り欠け2を形成した研磨パッド1を使用する実施例と、切り欠け2を形成していない従来の研磨パッドを使用する比較例とのそれぞれにおいて、研磨ユニット40により被加工物200の裏面202を研磨した。図11は、実施例に係る被加工物200の研磨量のばらつきを示すグラフである。図12は、比較例に係る被加工物200の研磨量のばらつきを示すグラフである。図11及び図12は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
切り欠け2を形成した研磨パッド1を使用した実施例では、図11に示すように、研磨後の被加工物200の研磨面において研磨量の最大値と最小値との差分である研磨量のばらつきは、研磨量差300となった。一方、従来の研磨パッドを使用した比較例では、図12に示すように、研磨後の被加工物200の研磨面において中心200-1で研磨量が概ね最大となり、外周で研磨量が概ね最小となり、被加工物200の研磨面において研磨量のばらつきは図11に示す実施例の研磨量差300より大きい研磨量差400となった。
実施例と比較例との各結果は、双方の間に設けた条件上の差異である切り欠け2の効果により、保持テーブル60が円錐形状に形成されたことによって被加工物200に印加される圧力が不均一になっているにもかかわらず、研磨中に被加工物200にかかる圧力と研磨パッド1が接触する時間との積が、被加工物200の全面で均等化されることに伴い、被加工物200の全面において、研磨量のばらつきを低減することが分かった。すなわち、切り欠け2により、適切に研磨レートのばらつきを低減することができることがわかった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。実施形態1及び実施形態2では、最大部3-1は、保持テーブル60の中心60-1上に位置し、切り欠け2の周方向の幅4は、中心1-1及び外縁9で0となっているが、本発明では、最大部3-1は、保持テーブル60の中心60-1上から離れても良く、切り欠け2の周方向の幅4は、中心1-1及び外縁9で0となっていなくても良い。要するに、本発明では、切り欠け2は、中心1-1と外縁9との間に接触面5の周方向の幅4が最大となる最大部3-1を備え、中心1-1から最大部3-1に向かうに従って周方向の幅4が徐々に広くなり、最大部3-1から外縁9に向かうにしたがって徐々に周方向の幅4が狭くなっていれば良い。
また、実施形態1及び実施形態2に係る研磨方法は、圧力算出ステップST1を実施しているが、本発明の研摩方法はこれに限定されず、圧力算出ステップST1を実施せずに、切り欠け形成ステップST2において、中心1-1と外縁9との間に接触面5の周方向の幅4が最大となる最大部3-1を備え、中心1-1から最大部3-1に向かうにしたがって周方向の幅4が徐々に広くなり、最大部3-1から外縁9に向かうにしたがって周方向の幅4が徐々に狭くなる切り欠け2を形成してもよい。
1,1-2 研磨パッド
1-1,60-1,200-1 中心
2,2-2 切り欠け
3 距離
3-1 最大部
4 幅
5 接触面
6 深さ
7 厚み
9,69 外縁
40 研磨ユニット
41 スピンドル
42 研磨工具
60 保持テーブル
61 保持面
80 制御ユニット
100 研削研磨装置
200 被加工物

Claims (2)

  1. スピンドルの先端に固定された研磨パッドによって、保持テーブルに保持された被加工物を研磨する研磨方法であって
    保持テーブルの形状を基に研磨ステップを実施中に被加工物の面内においてかかる圧力のばらつきを算出する圧力算出ステップと、
    該圧力算出ステップにおいて測定された圧力に基づき、被加工物にかかる圧力が被加工物の面内で最大となる領域で該研磨パッドの被加工物との接触面の周方向の幅が最大となり、該幅が該領域から中心または外縁に向かうにしたがって減少する切り欠けを、該接触面に形成する切り欠け形成ステップと、
    該保持テーブルに被加工物を保持する保持ステップと、
    該保持テーブルに保持された被加工物に該切り欠けが形成された研磨パッドを接触させ、該保持テーブルと該研磨パッドの少なくとも一方を回転させながら被加工物を研磨する研磨ステップと、
    を備えることを特徴とする研磨方法。
  2. 該保持テーブルは円錐形状であり、被加工物にかかる圧力は、保持テーブルの中心に近い程大きくなることを特徴とする請求項に記載の研磨方法。
JP2019169746A 2019-09-18 2019-09-18 研磨方法 Active JP7416591B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019169746A JP7416591B2 (ja) 2019-09-18 2019-09-18 研磨方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019169746A JP7416591B2 (ja) 2019-09-18 2019-09-18 研磨方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021045821A JP2021045821A (ja) 2021-03-25
JP7416591B2 true JP7416591B2 (ja) 2024-01-17

Family

ID=74877307

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019169746A Active JP7416591B2 (ja) 2019-09-18 2019-09-18 研磨方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7416591B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001121405A (ja) 1999-10-25 2001-05-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 研磨パッド
JP2015150642A (ja) 2014-02-14 2015-08-24 株式会社ディスコ 研削研磨装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001121405A (ja) 1999-10-25 2001-05-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 研磨パッド
JP2015150642A (ja) 2014-02-14 2015-08-24 株式会社ディスコ 研削研磨装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021045821A (ja) 2021-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5276823B2 (ja) ウェーハの研削加工装置
US7278903B2 (en) Processing method for wafer and processing apparatus therefor
EP2762272B1 (en) Wafer polishing apparatus and method
JP2023017278A (ja) 硬質ウェーハの研削方法
KR102344807B1 (ko) 기판의 연마 장치 및 연마 방법
JP7046573B2 (ja) 被加工物の加工方法
TWI748069B (zh) 晶圓研磨方法及研磨裝置
KR102507675B1 (ko) 웨이퍼의 가공 방법
JP2008258554A (ja) ウェーハの研削加工装置
JP6271339B2 (ja) 研削研磨装置
US11400563B2 (en) Processing method for disk-shaped workpiece
JP7417400B2 (ja) 円板状ワークの加工方法
JP7416591B2 (ja) 研磨方法
TWI762680B (zh) 晶圓加工方法
US20220088742A1 (en) Grinding method for workpiece and grinding apparatus
JP6851761B2 (ja) 板状物の加工方法
JP6832738B2 (ja) ウエーハの研磨方法、研磨パッド及び研磨装置
JP6843692B2 (ja) 研削砥石のドレッシング方法
JP7206578B2 (ja) ウェーハ研削方法及びウェーハ研削装置
JP7477330B2 (ja) 研削装置及び被加工物の研削方法
JP5484172B2 (ja) 研磨パッドのテーパ面形成方法
JP7154690B2 (ja) 研削砥石の目立て方法
US20030045208A1 (en) System and method for chemical mechanical polishing using retractable polishing pads
JP2023076289A (ja) 被加工物の加工方法
JP2022159750A (ja) 被加工物の研削方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220715

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230925

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7416591

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150