JP7416220B2 - エレベーターの課金システム、エレベーターの管理サーバ、移動体、移動体サーバ、エレベーターの課金方法、エレベーターの課金プログラム、およびエレベーターの利用プログラム - Google Patents

Description

本開示は、エレベーターの課金システム、エレベーターの管理サーバ、移動体、移動体サーバ、エレベーターの課金方法、エレベーターの課金プログラム、エレベーターの利用プログラム、エレベーターの利用要求のデータ構造、およびエレベーターの利用履歴のデータ構造に関する。

特許文献１は、エレベーターシステムの例を開示する。エレベーターシステムにおいて、自律走行ロボットは、エレベーターのかごに乗車して複数の階床の間を移動する。

日本特開平１１－１４７６７５号公報

しかしながら、特許文献１のシステムにおいて、自律走行ロボットなどの複数の移動体がかごを利用して移動する場合に、エレベーターの輸送容量が複数の移動体によって占有されうる。これに対して、移動体によるエレベーターの利用に利用料金を課すことで、人である乗客によるエレベーターの利用を妨げにくいように輸送容量が調整できる。一方、このとき課される利用料金が移動体によるエレベーターの利用の需要を反映しないことがある。

本開示は、このような課題の解決に係るものである。本開示は、移動体による利用の需要を反映した利用料金を課すことができるエレベーターの課金システム、管理サーバ、移動体、移動体サーバ、課金方法、課金プログラム、利用プログラム、および利用要求のデータ構造を提供する。

本開示に係るエレベーターの課金システムは、複数の階床の間を各々が走行することで複数の移動体の各々の輸送が可能な１つ以上のかごと、１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を各々が含み複数の移動体のいずれかに各々が対応する１つ以上の利用要求を受け付ける通信部と、通信部が受け付けた１つ以上の利用要求のうち、希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して１つ以上のかごのいずれかに割り当てる割当部と、割当部が呼びを割り当てた利用要求に対して課す利用料金を記憶する記憶部と、を備える。

本開示に係るエレベーターの管理サーバは、複数の階床の間を各々が走行することで複数の移動体の各々の輸送が可能な１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を各々が含み複数の移動体のいずれかに各々が対応する１つ以上の利用要求を受け付ける通信部と、通信部が受け付けた１つ以上の利用要求のうち、希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して１つ以上のかごのいずれかに割り当てる割当部と、割当部が呼びを割り当てた利用要求に対して課す利用料金を記憶する記憶部と、を備える。

本開示に係る移動体は、複数の階床の間を各々が走行する１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を含む利用要求を生成する要求生成部と、要求生成部が生成した利用要求を、受け付けた１つ以上の利用要求のうち希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して１つ以上のかごのいずれかに割り当てる管理サーバに送信する通信部と、を備え、通信部は、要求生成部が生成した利用要求の呼びが１つ以上のかごのいずれかに割り当てられたことを表す割当結果の通知を管理サーバから受け付けたときに、当該呼びが割り当てられたかごへの乗車前に当該利用要求の送信元との同一性を示す電子署名を管理サーバに送信する。
本開示に係る移動体は、複数の階床の間を各々が走行する１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を含む利用要求を生成する要求生成部と、要求生成部が生成した利用要求を、受け付けた１つ以上の利用要求のうち希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して１つ以上のかごのいずれかに割り当てる管理サーバに送信する通信部と、を備える移動体であり、要求生成部が生成した利用要求の呼びが１つ以上のかごのいずれかに割り当てられたことを表す割当結果の通知を管理サーバから通信部が受け付けたときに、当該呼びが割り当てられたかごを管理サーバが戸開するまで、当該かごへの乗車を待機する。

本開示に係る移動体サーバは、移動体の移動を遠隔制御する移動体制御部と、複数の階床の間を各々が走行する１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を含み移動体に対応する利用要求を生成する要求生成部と、要求生成部が生成した利用要求を、受け付けた１つ以上の利用要求のうち希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して１つ以上のかごのいずれかに割り当てる管理サーバに送信する通信部と、を備え、移動体制御部は、要求生成部が生成した利用要求の呼びが１つ以上のかごのいずれかに割り当てられたことを表す割当結果の通知を管理サーバから通信部が受け付けたときに、移動体を当該かごに乗車させるように遠隔制御を行い、要求生成部は、要求生成部が生成した利用要求の呼びが１つ以上のかごのいずれかにも割り当てられなかったことを表す割当結果の通知を管理サーバから通信部が受け付けた場合に、管理サーバが利用要求の受付を次に開始するときに、移動体に対応する利用要求の生成を再び行う。

本開示に係るエレベーターの課金方法は、複数の階床の間を各々が走行することで複数の移動体の各々の輸送が可能な１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を各々が含み複数の移動体のいずれかに各々が対応する利用要求を１つ以上受け付ける受信工程であり、１つ以上の利用要求の各々は対応する移動体の属性の情報を含む受信工程と、受信工程において受け付けた１つ以上の利用要求のうち、希望額および属性を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して１つ以上のかごのいずれかに割り当てる割当工程と、割当工程において呼びが割り当てられた利用要求に対して課す利用料金を記憶する課金工程と、を備える。

本開示に係るエレベーターの課金プログラムは、複数の階床の間を各々が走行することで複数の移動体の各々の輸送が可能な１つ以上のかごを有するエレベーターの管理サーバに、１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を各々が含み複数の移動体のいずれかに各々が対応する利用要求を１つ以上受け付ける受信ステップと、受信ステップにおいて受け付けた１つ以上の利用要求のうち、希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して１つ以上のかごのいずれかに割り当てる割当ステップと、割当ステップにおいて呼びが割り当てられた利用要求に対して課す利用料金を記憶する課金ステップと、を実行させる。

本開示に係るエレベーターの利用プログラムは、複数の階床の間を各々が走行するエレベーターの１つ以上のかごのいずれかを利用した複数の階床の間の移動が可能な移動体に、１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を含み移動体に対応する利用要求を生成する要求生成ステップと、要求生成ステップにおいて生成した利用要求を、受け付けた１つ以上の利用要求のうち希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して１つ以上のかごのいずれかに割り当てる管理サーバに送信する第１送信ステップと、要求生成ステップにおいて生成した利用要求の呼びが１つ以上のかごのいずれかに割り当てられたことを表す割当結果の通知を管理サーバから受け付けたときに、当該呼びが割り当てられたかごへの乗車前に当該利用要求の送信元との同一性を示す電子署名を管理サーバに送信する第２送信ステップと、を実行させる。
本開示に係るエレベーターの利用プログラムは、複数の階床の間を各々が走行するエレベーターの１つ以上のかごのいずれかを利用した複数の階床の間の移動が可能な移動体に、１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を含み移動体に対応する利用要求を生成する要求生成ステップと、要求生成ステップにおいて生成した利用要求を、受け付けた１つ以上の利用要求のうち希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して１つ以上のかごのいずれかに割り当てる管理サーバに送信する送信ステップと、要求生成ステップにおいて生成した利用要求の呼びが１つ以上のかごのいずれかに割り当てられたことを表す割当結果の通知を管理サーバから受け付けたときに、当該呼びが割り当てられたかごを管理サーバが戸開するまで、当該かごへの乗車を待機する待機ステップと、を実行させる。

本開示に係るエレベーターの利用プログラムは、複数の階床の間を各々が走行するエレベーターの１つ以上のかごのいずれかを利用した複数の階床の間の移動が可能な移動体の移動を遠隔制御する移動体サーバに、１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を含み移動体に対応する利用要求を生成する第１要求生成ステップと、第１要求生成ステップにおいて生成した利用要求を、受け付けた１つ以上の利用要求のうち希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して１つ以上のかごのいずれかに割り当てる管理サーバに送信する送信ステップと、第１要求生成ステップにおいて生成した利用要求の呼びが１つ以上のかごのいずれかに割り当てられたことを表す割当結果の通知を管理サーバから受け付けたときに、移動体を当該かごに乗車させるように遠隔制御を行う乗車制御ステップと、第１要求生成ステップにおいて生成した利用要求の呼びが１つ以上のかごのいずれかにも割り当てられなかったことを表す割当結果の通知を管理サーバから受け付けた場合に、管理サーバが利用要求の受付を次に開始するときに、移動体に対応する利用要求の生成を行う第２要求生成ステップと、を実行させる。

本開示に係るエレベーターの課金システム、管理サーバ、移動体、移動体サーバ、課金方法、課金プログラム、利用プログラム、または利用要求もしくは利用履歴のデータ構造によれば、移動体による利用の需要を反映した利用料金を課すことができる。

実施の形態１に係る課金システムの構成図である。 実施の形態１に係る課金システムの動作の例を示すシーケンス図である。 実施の形態１に係る移動体の動作の例を示すフローチャートである。 実施の形態１に係る管理サーバの動作の例を示すフローチャートである。 実施の形態１に係るエレベーターユニットの動作の例を示すフローチャートである。 実施の形態１に係る利用判定システムの主要部のハードウェア構成図である。 実施の形態２に係る課金システムの構成図である。 実施の形態２に係るブロックチェーンのデータ構造の例を示す図である。 実施の形態２に係る課金システムによる課金の例を示す図である。 実施の形態２に係る課金システムの動作の例を示すシーケンス図である。

本開示を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。

実施の形態１．
図１は、実施の形態１に係る課金システム１の構成図である。

課金システム１は、エレベーター２の利用について利用料金を課すシステムである。エレベーター２は、複数の階床を有する建物に適用される。

エレベーター２が適用される建物において、図示されない昇降路が設けられる。昇降路は、複数の階床にわたる空間である。各々の階床において、図示されない乗場が設けられる。乗場において、図示されない乗場ドアが設けられる。乗場ドアは、乗場および昇降路を区画するドアである。

エレベーター２は、１つ以上のエレベーターユニット３と、管理サーバ４と、を有する。この例において、エレベーター２は、複数のエレベーターユニット３を有する。各々のエレベーターユニット３は、管理サーバ４に接続される。

各々のエレベーターユニット３は、かご５と、制御盤６と、を備える。かご５は、複数の階床の間を走行することで乗客などを輸送する機器である。かご５は、かごドアを備える。かごドアは、かご５がいずれかの階床に停止しているときに、乗場との間で乗客などが乗降しうるように乗場ドアを連動させて開閉する機器である。制御盤６は、かご５の動作を制御する装置である。かご５の動作は、例えば、昇降路の走行、およびかごドアの開閉などを含む。

管理サーバ４は、エレベーター２の運行を管理する装置である。エレベーター２の運行は、例えば、いずれかのエレベーターユニット３のかご５への呼びの割当て、およびエレベーター２の利用についての利用料金の課金などを含む。管理サーバ４は、例えば一台または複数台のサーバコンピュータなどである。あるいは、管理サーバ４は、例えばクラウドサービス上の仮想サーバであってもよい。あるいは、管理サーバ４は、群管理装置であってもよい。管理サーバ４は、通信部７ａと、割当部８と、記憶部９ａと、を備える。

通信部７ａは、管理サーバ４の外部の機器または装置などとの通信を行う部分である。通信部７ａは、ネットワーク１０ａに接続される。ネットワーク１０ａは、例えばインターネットなどを含む。通信部７ａは、各々のエレベーターユニット３に接続される。

割当部８は、いずれかのエレベーターユニット３のかご５への呼びの割当てを行う部分である。

記憶部９ａは、情報を記憶する部分である。管理サーバ４による管理の履歴は、記憶部９ａに記憶される。

ここで、エレベーター２のかご５は、人である乗客の他に移動体１１を複数の階床の間で輸送する機能が搭載される。移動体１１は、エレベーター２が設けられる建物を移動してサービスを提供する機器である。移動体１１は、例えば歩行、走行または飛行などによって移動するロボットなどである。移動体１１は、例えば移動する範囲を警備する警備ロボット、食事もしくは宅配物などの物品を運ぶ搬送ロボット、または救護を要する人などを搬送する救急ロボットなどを含む。課金システム１において、複数の移動体１１がエレベーター２を利用して移動する。

管理サーバ４は、機器である移動体１１によるエレベーター２の利用について利用料金を課す。移動体１１によるエレベーター２の利用についての管理サーバ４の動作は、例えばインストールされている課金プログラムに基づいて実行される。利用料金は、例えば移動体１１を利用したサービスの提供者が負担する。あるいは、利用料金は、例えば移動体１１を利用したサービスを受ける利用者が直接負担してもよい。この例において、管理サーバ４は、人である乗客によるエレベーター２の利用について利用料金を課さない。

移動体１１において、例えば自律的に移動する機能が搭載される。例えば自律的に移動する移動体１１は、通信部７ｂと、記憶部９ｂと、要求生成部１２ｂと、を備える。

通信部７ｂは、移動体１１の外部の機器または装置などとの通信を行う部分である。通信部７ｂは、ネットワーク１０ａに接続される。

記憶部９ｂは、情報を記憶する部分である。移動体１１の情報は、記憶部９ｂに記憶される。移動体１１の情報は、例えば移動体１１を識別する移動体ＩＤ（ＩＤｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ）、および移動体１１の属性などの情報を含む。移動体１１の属性は、例えば移動体１１の利用種別、移動体１１のスケール、移動体１１の機能の有無などの情報を含む。移動体１１の利用種別は、例えば「救急」、「警備」、または「宅配」などのように、移動体１１が提供するサービスの分類を表す。移動体１１のスケールは、例えば移動体１１の大きさまたは重量などを含む。移動体１１の機能は、例えばかご５において人である乗客と同乗する機能などを含む。

要求生成部１２ｂは、移動体１１によるエレベーター２の利用要求を生成する部分である。移動体１１の要求生成部１２ｂが生成する利用要求は、当該移動体１１に対応するデータである。エレベーター２の利用についての移動体１１の動作は、例えばインストールされている利用プログラムに基づいて実行される。

また、移動体１１において、遠隔制御によって移動する機能が搭載されていてもよい。遠隔制御によって移動する移動体１１は、例えば移動体サーバ１３などの外部の装置からの制御信号に基づいて移動する。移動体サーバ１３は、１つ以上の移動体１１の移動を制御する装置である。移動体サーバ１３は、例えば一台または複数台のサーバコンピュータなどである。移動体サーバ１３は、例えばクラウドサービス上の仮想サーバであってもよい。移動体サーバ１３は、ネットワーク１０ａに接続される。移動体サーバ１３は、例えばネットワーク１０ａを通じて制御信号を送信することで移動体１１の移動を遠隔制御する。あるいは、移動体サーバ１３は、ネットワーク１０ａの他の通信網を通じて制御信号を移動体１１に送信してもよい。移動体サーバ１３は、通信部７ｃと、移動体制御部１４と、記憶部９ｃと、要求生成部１２ｃと、を備える。

通信部７ｃは、移動体サーバ１３の外部の機器または装置などとの通信を行う部分である。通信部７ｃは、ネットワーク１０ａに接続される。

移動体制御部１４は、移動体１１の移動を遠隔制御する部分である。移動体制御部１４は、通信部７ｃによって例えばネットワーク１０ａを通じて移動体１１に制御信号を送信する。

記憶部９ｃは、情報を記憶する部分である。移動体サーバ１３によって移動が制御される各々の移動体１１の情報は、記憶部９ｃに記憶される。

要求生成部１２ｃは、移動体１１によるエレベーター２の利用要求を生成する部分である。移動体サーバ１３の要求生成部１２ｃが生成する利用要求は、移動体サーバ１３が移動を制御するいずれかの移動体１１に対応するデータである。移動体サーバ１３の要求生成部１２ｃが生成する利用要求は、移動体１１の要求生成部１２ｂが生成する利用要求と同様の構造のデータである。なお、移動体サーバ１３の要求生成部１２ｃが生成する利用要求は、当該移動体サーバ１３を識別する情報を含んでもよい。制御する移動体１１によるエレベーター２の利用についての移動体サーバ１３の動作は、例えばインストールされている利用プログラムに基づいて実行される。

利用要求は、対応する移動体１１を識別する情報と、呼びの情報と、利用料金の希望額の情報と、対応する移動体１１の属性の情報と、を含む。呼びの情報は、いずれかのエレベーターユニット３のかご５への割当を割当部８に要求する当該移動体１１の呼びの情報である。移動体１１の呼びの情報は、例えば当該移動体１１の出発階および行先階の情報を含む。利用料金の希望額は、例えば移動体１１が提供するサービスなどに応じて設定される。利用料金の希望額に例えば初期値および上限値などの値が設定される場合に、これらの値は、例えば移動体１１を利用したサービスの提供者によって予め設定される。あるいは、これらの値は、例えば移動体１１を利用したサービスを受ける利用者によって予め設定されてもよい。利用要求に含まれる移動体１１の属性の情報は、当該移動体１１の属性の情報の一部であってもよい。

利用要求は、例えば対応する移動体１１がエレベーター２の乗場に進入するときに生成される。あるいは、利用要求は、対応する移動体１１がエレベーター２の乗場に進入する前に生成されてもよい。このとき、利用要求は、移動体１１の乗場への進入時刻の予測値を含んでもよい。移動体１１の要求生成部１２ｂによって生成された利用要求は、例えば当該移動体１１の通信部７ｂによってネットワーク１０ａを通じて管理サーバ４に送信される。移動体サーバ１３の要求生成部１２ｃによって生成された利用要求は、例えば移動体１１の通信部７ｃによってネットワーク１０ａを通じて管理サーバ４に送信される。

移動体１１において、利用要求によって呼びが割り当てられたかご５に乗車するときに電子署名を管理サーバ４に送信する機能が搭載される。ここで、電子署名は、当該かご５に乗車する移動体１１と、当該利用要求が対応する移動体１１との同一性を示す電子署名である。このとき、当該利用要求は、電子署名の暗号化を行う秘密鍵に対応する公開鍵の情報を含んでもよい。あるいは、公開鍵は、認証局から配布されるものであってもよい。電子署名の正当性は、例えば割当部８において検証される。

続いて、図２から図５を用いて課金システム１の動作の例を説明する。
図２は、実施の形態１に係る課金システム１の動作の例を示すシーケンス図である。
図３は、実施の形態１に係る移動体１１の動作の例を示すフローチャートである。
図４は、実施の形態１に係る管理サーバ４の動作の例を示すフローチャートである。
図５は、実施の形態１に係るエレベーターユニット３の動作の例を示すフローチャートである。

図２において、課金システム１全体の動作の例が示される。

この例において、移動体１１Ａおよび移動体１１Ｂによるエレベーター２の利用が要求される。移動体１１Ａの移動は、移動体サーバ１３によって制御される。

管理サーバ４の割当部８は、エレベーター２の状況などに基づいて、エレベーター２における輸送リソースを設定する。輸送リソースは、エレベーター２の輸送容量のうち移動体１１の輸送に充てることができる輸送容量を表す情報である。輸送リソースは、例えば移動体１１の呼びを割り当てられるかご５の数に相当する容量、すなわち、移動体１１の呼びをかご５に割り当てられるエレベーターユニット３の数に相当する容量などである。割当部８は、例えばエレベーター２においてかご５に呼びが割り当てられていないエレベーターユニット３の輸送容量を輸送リソースとしてもよい。割当部８は、エレベーター２の全てのエレベーターユニット３の輸送容量を輸送リソースとしてもよい。割当部８は、輸送リソースに算入するエレベーターユニット３を時間帯などに応じて制限してもよい。割当部８は、例えばオフィスビルの昼食時間帯などにおいて、人である乗客の輸送により多くの輸送容量を充てられるように、移動体１１の輸送に充てられるエレベーターユニット３を他の時間帯と比較して少なくしてもよい。この例において、割当部８は、かご５Ｃを有するエレベーターユニット３Ｃおよびかご５Ｄを有するエレベーターユニット３Ｄの輸送容量を輸送リソースとして設定する。

管理サーバ４は、例えば予め設定された周期ごとに利用要求の受付を開始する。管理サーバ４は、利用要求の受付を開始するときに課金システム１における各々の移動体１１、および移動体サーバ１３に例えばブロードキャストすることで通知を行う。あるいは、管理サーバ４は、各々の移動体１１または移動体サーバ１３からの問い合わせに応じて利用要求の受付が開始されていることを通知してもよい。また、管理サーバ４は、いずれかの移動体１１から利用要求が送信されたときに、利用要求の受付を開始してもよい。なお、管理サーバ４は、輸送リソースがない場合に利用要求の受付を開始しなくてもよい。すでに受付を開始した後に輸送リソースがなくなった場合に、管理サーバ４は、利用要求の受付を中止してもよい。

移動体サーバ１３の要求生成部１２ｃは、移動体１１Ａに対応する利用要求を生成する。利用料金の希望額に初期値が設定されている場合に、要求生成部１２ｃは、例えば初期値を希望額とした利用要求を生成する。利用要求の受付が開始しているときに、移動体サーバ１３の通信部７ｃは、要求生成部１２ｃが生成した利用要求を管理サーバ４に送信する。

移動体１１Ｂの要求生成部１２ｂは、移動体１１Ｂに対応する利用要求を生成する。利用料金の希望額に初期値が設定されている場合に、要求生成部１２ｂは、例えば初期値を希望額とした利用要求を生成する。利用要求の受付が開始しているときに、移動体１１Ｂの通信部７ｂは、要求生成部１２ｂが生成した利用要求を管理サーバ４に送信する。

管理サーバ４の通信部７ａは、移動体１１Ａに対応する利用要求、および移動体１１Ｂに対応する利用要求を受け付ける。

ここで、管理サーバ４は、受け付けている利用要求について、利用料金の希望額の情報を各々の移動体１１および移動体サーバ１３に開示してもよい。各々の移動体１１および移動体サーバ１３は、開示された利用料金の希望額の情報に応じて、利用料金の希望額を更新して生成された利用要求を再度送信してもよい。例えば、移動体１１Ｂの要求生成部１２ｂは、他の移動体１１に対応する利用要求について開示された希望額が自身の希望額より高い場合に、希望額をより高額に更新した利用要求を生成する。利用料金の希望額に上限値が設定されている場合に、移動体１１Ｂの要求生成部１２ｂなどは、上限値を超えない範囲の希望額の利用要求を生成する。

その後、管理サーバ４の割当部８は、例えば次のように割当処理を行う。

割当部８は、受け付けている複数の利用要求の各々について優先度を算出する。優先度は、例えば利用料金の希望額に応じて算出される。優先度は、利用料金の希望額の値そのものであってもよい。あるいは、優先度は、利用料金の希望額、および利用要求が対応する移動体１１の属性の両方に応じて算出されてもよい。優先度は、例えば利用料金の希望額の値に、属性に応じた値を加算したものであってもよい。あるいは、優先度は、移動体１１の属性に応じた他の演算または関数などを利用料金の希望額に適用することによって算出されてもよい。あるいは、割当部８は、緊急度の高い利用種別「救急」の利用要求を、利用料金の希望額に関わらずに最も高い優先度の利用要求として扱ってもよい。

また、移動体１１の乗場への進入時刻の予測値を含む利用要求について、現在時刻と進入時刻との間の時間差が予め設定される閾値を超えるときに、割当部８は、当該時間差が当該閾値より小さくなるまで当該利用要求についての割当処理を保留してもよい。

割当部８は、優先度が最も高い利用要求の呼びを、輸送リソースに算入されたいずれかのエレベーターユニット３のかご５に割り当てる。なお、割当部８は、受け付けている利用要求が１つの場合に、当該利用要求の呼びを輸送リソースに算入されたいずれかのエレベーターユニット３のかご５に割り当てる。

割当部８は、移動体１１の呼びを割り当てたかご５を当該移動体１１が利用できるかを判定する。割当部８は、例えば移動体１１のスケールに基づいてかご５の利用の可否を判定する。また、割当部８は、例えば人である乗客と同乗する機能を有していない移動体１１について、既に乗客が乗車しているかご５の利用を不可と判定する。割当部８は、移動体１１の呼びを割り当てたかご５を当該移動体１１が利用できないと判定するときに、当該移動体１１の次に優先度が高い利用要求の呼びを当該かご５に割り当て直す。この例において、割当部８は、移動体１１Ｂの呼びをかご５Ｃに割り当てる。

割当部８は、呼びを割り当てた利用要求に対して課す利用料金を管理サーバ４の記憶部９ａに記憶させる。記憶される利用料金は、例えば利用要求において提示される希望額である。課金システム１において、管理サーバ４の記憶部９ａに記憶される情報に基づいて利用料金が徴収される。利用料金の徴収の処理は、例えば割当部８によって行われる。あるいは、利用料金の徴収の処理は、決済などの処理を行う図示されない課金システム１のサーバ装置などによって行われてもよい。

管理サーバ４の通信部７ａは、エレベーターユニット３Ｃの制御盤６に、割当結果を通知する。管理サーバ４の通信部７ａは、利用要求を受け付けている移動体１１Ａの移動体サーバ１３、および移動体１１Ｂに、割当結果を通知する。

その後、割当結果が通知されたエレベーターユニット３Ｃの制御盤６は、かご５Ｃを移動体１１Ｂの出発階まで走行させる。

対応する利用要求の呼びが割り当てられた移動体１１Ｂは、かご５Ｃに乗車しうるように出発階の乗場に移動する。あるいは、既に乗場にいる場合に、移動体１１Ｂは、乗場においてかご５Ｃの到着を待機する。一方、移動体サーバ１３の要求生成部１２ｃは、次に利用要求の受付が開始されるときに、呼びが割り当てられなかった移動体１１Ａに対応する利用要求の生成を再び行う。

その後、かご５Ｃは、移動体１１Ｂの出発階に到着する。このとき、かご５Ｃは、出発階において停止した後も、かごドアの戸閉を維持する。このとき、エレベーター２は、出発階の乗場にいる人物に対して、移動体１１Ｂがかご５Ｃを利用することを周知する機能を有していてもよい。エレベーター２による周知は、例えば乗場における表示、乗場における音声アナウンス、またはかご５Ｃのかごドアに連動して開閉しうる乗場ドアまたは当該乗場ドアの前方の床面などへの投影などによって行われる。エレベーター２による周知は、移動体１１の現在位置から当該乗場ドアの前方までの床面などに矢印などの経路を表す映像をダイナミックマッピングすることによって行われてもよい。

移動体１１Ｂの通信部７ｂは、かご５Ｃに乗車するときに電子署名を管理サーバ４に送信する。ここで、電子署名を暗号化する秘密鍵は、例えば移動体１１Ｂに生成された利用要求が含む公開鍵に対応する。

管理サーバ４の通信部７ａは、移動体１１Ｂから送信された電子署名を受け付ける。割当部８は、例えば呼びを割り当てた利用要求が含む公開鍵によって電子署名の復号ができるか否かによって、移動体１１の同一性を検証する。

管理サーバ４の通信部７ａは、エレベーターユニット３Ｃの制御盤６に、電子署名の検証結果を通知する。管理サーバ４の通信部７ａは、電子署名を送信した移動体１１Ｂに、電子署名の検証結果を通知する。なお、電子署名が不正なものである場合に、管理サーバ４の通信部７ａは、電子署名の検証結果の通知を行わなくてもよい。

電子署名が不正なものである場合に、かご５Ｃは、かごドアの戸閉を維持する。かご５Ｃは、正当な電子署名の検証結果が管理サーバ４から通知されるまで、かごドアの戸開を待機する。このとき、かご５Ｃは、出発階において待機している。かご５Ｃにおいてかごドアの戸閉が維持されるので、不正な電子署名を送信した移動体１１はかご５Ｃに乗車しない。

一方、電子署名が正当なものである場合に、かご５Ｃは、かごドアを戸開する。正当な電子署名を送信した移動体１１Ｂは、かご５Ｃに乗車する。その後、かご５Ｃはかごドアを戸閉する。かご５Ｃは、移動体１１Ｂの行先階まで走行する。移動体１１Ｂは、かご５Ｃに乗車して行先階まで移動する。

図３において、移動体１１の動作の例が示される。

ステップＳ１１において、移動体１１は、通信部７ｂが通知を受けているか否かなどに基づいて、利用要求の受付が開始されているかを判定する。判定結果がＮｏの場合に、移動体１１の動作は、ふたたびステップＳ１１に進む。判定結果がＹｅｓの場合に、移動体１１の動作は、ステップＳ１２に進む。

ステップＳ１２において、移動体１１の要求生成部１２ｂは、当該移動体１１の利用要求を生成する。移動体１１の通信部７ｂは、生成された利用要求を管理サーバ４に送信する。その後、移動体１１の動作は、ステップＳ１３に進む。

ステップＳ１３において、移動体１１は、通信部７ｂが割当結果の通知を受信したかを判定する。判定結果がＮｏの場合に、移動体１１の動作は、ステップＳ１２に進む。なお、判定結果がＮｏの場合において利用料金の希望額の更新を行わないときなどに、移動体１１の動作は、ふたたびステップＳ１３に進んでもよい。一方、判定結果がＹｅｓの場合に、移動体１１の動作は、ステップＳ１４に進む。

ステップＳ１４において、移動体１１は、通信部７ｂが受信した割当結果の通知に基づいて、対応する利用要求の呼びが割り当てられたかを判定する。判定結果がＹｅｓの場合に、移動体１１の動作は、ステップＳ１５に進む。判定結果がＮｏの場合に、エレベーター２の利用についての移動体１１の動作は、終了する。

ステップＳ１５において、移動体１１は、呼びが割り当てられたかご５を利用して出発階から行先階に移動する。移動体１１は、当該かご５に乗車する前に、例えば管理サーバ４に電子署名を送信してもよい。移動体１１が行先階に到着した後に、エレベーター２の利用についての移動体１１の動作は、終了する。

なお、移動体１１の移動を制御する移動体サーバ１３は、ステップＳ１１からステップＳ１５に示される移動体１１の動作と同様に動作してもよい。

図４において、管理サーバ４の動作の例が示される。

ステップＳ２１において、割当部８は、利用要求の受付を開始するタイミングであるかを判定する。利用要求の受付を開始するタイミングは、例えば予め設定された周期ごとのタイミングなどである。判定結果がＮｏの場合に、管理サーバ４の動作は、ふたたびステップＳ２１に進む。判定結果がＹｅｓの場合に、管理サーバ４の動作は、ステップＳ２２に進む。

ステップＳ２２において、管理サーバ４の通信部７ａは、例えば複数の移動体１１および移動体サーバ１３の各々に利用要求の受付の開始を通知する。その後、管理サーバ４の動作は、ステップＳ２３に進む。

ステップＳ２３において、管理サーバ４の通信部７ａは、１つ以上の利用要求を受け付ける。その後、管理サーバ４の動作は、ステップＳ２４に進む。なお、管理サーバ４の通信部７ａは、少なくとも１つの利用要求を受け付けるまで待機してもよい。あるいは、予め設定された時間が経過するまで管理サーバ４の通信部７ａが１つも利用要求を受け付けない場合に、移動体１１によるエレベーター２の利用に係る管理サーバ４の動作は、終了してもよい。

ステップＳ２４において、割当部８は、通信部７ａが受け付けた１つ以上の利用要求についての割当処理を行う。その後、管理サーバ４の動作は、ステップＳ２５に進む。

ステップＳ２５において、管理サーバ４の通信部７ａは、利用要求を受け付けた移動体１１および移動体サーバ１３、ならびに呼びを割り当てたエレベーターユニット３に割当結果を通知する。その後、管理サーバ４の動作は、ステップＳ２６に進む。

ステップＳ２６において、割当部８は、通信部７ａが正当な電子署名を受信したかを判定する。例えば通信部７ａが電子署名を受信していない場合に、割当部８は、判定結果をＮｏとする。また、通信部７ａが受信した電子署名が不正なものであった場合、すなわち、電子署名を送信した移動体１１と呼びを割り当てた移動体１１とが同一でない場合に、割当部８は、判定結果をＮｏとする。判定結果がＮｏの場合に、管理サーバ４の動作は、ふたたびステップＳ２６に進む。一方、通信部７ａが受信した電子署名が正当なものであった場合、すなわち、電子署名を送信した移動体１１と呼びを割り当てた移動体１１とが同一である場合に、割当部８は、判定結果をＹｅｓとする。判定結果がＹｅｓの場合に、管理サーバ４の動作は、ステップＳ２７に進む。

ステップＳ２７において、管理サーバ４の通信部７ａは、電子署名を送信した移動体１１および呼びが割り当てられているかご５を含むエレベーターユニット３の制御盤６に電子署名の検証結果を通知する。その後、移動体１１によるエレベーター２の利用についての管理サーバ４の動作は、終了する。

図５において、エレベーターユニット３の動作の例が示される。

ステップＳ３１において、制御盤６は、割当結果の通知を受信したかを判定する。判定結果がＮｏの場合に、エレベーターユニット３の動作は、ふたたびステップＳ３１に進む。判定結果がＹｅｓの場合に、エレベーターユニット３の動作は、ステップＳ３２に進む。

ステップＳ３２において、制御盤６は、制御対象のかご５に移動体１１の呼びが割り当てられているかを受信した通知に基づいて判定する。判定結果がＹｅｓの場合に、エレベーターユニット３の動作は、ステップＳ３３に進む。判定結果がＮｏの場合に、移動体１１による利用に係るエレベーターユニット３の動作は、終了する。

ステップＳ３３において、制御盤６は、正当な電子署名の検証結果の通知を管理サーバ４から受信したかを判定する。判定結果がＮｏの場合に、エレベーターユニット３の動作は、ふたたびステップＳ３３に進む。判定結果がＹｅｓの場合に、エレベーターユニット３の動作は、ステップＳ３４に進む。

ステップＳ３４において、制御盤６は、割り当てられた呼びへの応答の動作を制御対象のかご５に行わせる。呼びへの応答の動作は、例えば出発階におけるかごドアの戸開、および出発階から行先階までのかご５の走行などを含む。その後、移動体１１による利用に係るエレベーターユニット３の動作は、終了する。

以上に説明したように、実施の形態１に係る課金システム１は、１つ以上のかご５と、管理サーバ４と、を備える。各々のかご５は、複数の階床の間を走行することで複数の移動体１１の各々を輸送できる。管理サーバ４は、通信部７ａと、割当部８と、記憶部９ａと、を備える。通信部７ａは、１つ以上の利用要求を受け付ける。各々の利用要求は、複数の移動体１１のいずれかに対応する。各々の利用要求は、呼びの情報を含む。利用要求に含まれる呼びの情報は、１つ以上のかご５のいずれかへの割当てを要求する呼びの情報である。各々の利用要求は、当該かご５の利用料金の希望額の情報を含む。割当部８は、通信部７ａが受け付けた１つ以上の利用要求のうち、希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して１つ以上のかご５のいずれかに割り当てる。記憶部９ａは、割当部８が呼びを割り当てた利用要求に対して課す利用料金を記憶する。
また、実施の形態１に係る移動体１１は、要求生成部１２ｂと、通信部７ｂと、を備える。要求生成部１２ｂは、移動体１１に対応する利用要求を生成する。通信部７ｂは、要求生成部１２ｂが生成した利用要求を、管理サーバ４に送信する。
また、実施の形態１に係る移動体サーバ１３は、移動体制御部１４と、要求生成部１２ｃと、通信部７ｃと、を備える。移動体制御部１４は、移動体１１の移動を遠隔制御する。要求生成部１２ｃは、当該移動体１１に対応する利用要求を生成する。通信部７ｃは、要求生成部１２ｃが生成した利用要求を、管理サーバ４に送信する。
また、実施の形態１に係るエレベーター２の課金方法は、受信工程と、割当工程と、課金工程と、を備える。受信工程は、複数の移動体１１のいずれかに各々が対応する利用要求を１つ以上受け付ける工程である。割当工程は、受信工程において受け付けた１つ以上の利用要求のうち、希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して１つ以上のかご５のいずれかに割り当てる工程である。課金工程は、割当工程において呼びが割り当てられた利用要求に対して課す利用料金を記憶する工程である。
また、実施の形態１に係る課金プログラムは、受信ステップと、割当ステップと、課金ステップとを、管理サーバ４に実行させる。受信ステップは、複数の移動体１１のいずれかに各々が対応する利用要求を１つ以上受け付けるステップである。割当ステップは、受信ステップにおいて受け付けた１つ以上の利用要求のうち、希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して１つ以上のかご５のいずれかに割り当てるステップである。課金ステップは、割当工程において呼びが割り当てられた利用要求に対して課す利用料金を記憶するステップである。
また、実施の形態１に係る利用プログラムは、要求生成ステップと、送信ステップとを、移動体１１に実行させる。要求生成ステップは、当該移動体１１に対応する利用要求を生成するステップである。送信ステップは、要求生成ステップにおいて生成した利用要求を、管理サーバ４に送信するステップである。
また、実施の形態１に係る利用プログラムは、要求生成ステップと、送信ステップとを、移動体サーバ１３に実行させる。要求生成ステップは、移動体サーバ１３が移動を遠隔制御する移動体１１に対応する利用要求を生成するステップである。送信ステップは、要求生成ステップにおいて生成した利用要求を、管理サーバ４に送信するステップである。
また、実施の形態１に係る利用要求のデータ構造は、呼びの情報を含む。利用要求に含まれる呼びの情報は、１つ以上のかご５のいずれかへの割当てを要求する呼びの情報である。利用要求のデータ構造は、当該かご５の利用料金の希望額の情報を含む。利用要求のデータ構造は、希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して１つ以上のかご５のいずれかに割り当てる割当処理に用いられる。
また、実施の形態１に係る利用履歴のデータ構造は、割当処理によって呼びが割り当てられた利用要求に対して課す利用料金の情報を含む。利用履歴のデータ構造は、利用料金を徴収する徴収処理に用いられる。

これにより、利用料金に最も高い希望額を提示した移動体１１が優先してエレベーター２を利用できるようになる。このため、市場原理に基づいて、移動体１１による利用の需要を反映した適正な利用料金が課される。また、適正な利用料金が課されることによって、移動体１１による無秩序なエレベーター２の利用が抑えられる。これにより、エレベーター２の輸送容量が適正に調整される。

また、通信部７ａが受け付ける１つ以上の利用要求の各々は、対応する移動体１１の属性の情報を含む。割当部８は、通信部７ａが受け付けた１つ以上の利用要求のうち、希望額および属性を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して１つ以上のかご５のいずれかに割り当てる。

これにより、移動体１１は、属性による緊急度などに基づいてエレベーター２を利用できるようになる。

また、通信部７ａは、いずれかの利用要求の呼びを割当部８が割り当てたかご５にいずれかの移動体１１が乗車するときに、当該移動体１１から当該移動体１１と当該利用要求が対応する移動体１１との同一性を示す電子署名を受け付ける。当該かご５は、電子署名によって移動体１１の同一性が確認されるまで当該呼びに応じた走行をせずに待機する。

これにより、移動体１１が不正な乗車または誤乗車をした場合においてもかご５が走行を開始しないので、正当な移動体１１がより確実にエレベーター２を利用できるようになる。

また、いずれかの利用要求の呼びを割当部８が割り当てたかご５は、当該呼びの出発階に到着した後に戸閉を維持する。当該かご５は、電子署名によって移動体１１の同一性が確認されるまで戸開をせずに待機する。

これにより、移動体１１の不正な乗車および誤乗車が防がれる。また、乗客の誤乗車が防がれる。これにより、正当な移動体１１がより確実にエレベーター２を利用できるようになる。また、乗客が誤って移動体１１と同じかご５に同乗することが防がれる。

また、割当部８は、複数の移動体１１のいずれかの輸送に充てられる輸送容量を、１つ以上のかご５の全体の輸送容量の一部に制限する。

これにより、乗客の利用に充てられる輸送容量が確保される。

なお、管理サーバ４は、利用要求を受け付けているときに希望額を開示しなくてもよい。エレベーター２の利用料金は、例えば呼びが割り当てられた移動体１１の提示する希望額が課される。あるいは、エレベーター２の利用料金は、例えば呼びが割り当てられた移動体１１の提示する希望額の次に高額な希望額が課されてもよい。すなわち、エレベーター２の利用料金は、例えばファーストプライスオークションまたはセカンドプライスオークションなどの方式によって設定されてもよい。

また、エレベーター２は、１つのみのエレベーターユニット３を有していてもよい。

また、管理サーバ４の一部または全部は、同一のハードウェアに搭載されていても、複数のハードウェアに分散して搭載されていてもよい。

また、移動体サーバ１３は、複数の移動体１１の移動を遠隔制御してもよい。移動体サーバ１３によって遠隔制御される移動体１１は、要求生成部１２ｂおよび記憶部９ｂの一部または全部を備えていなくてもよい。当該移動体１１の通信部７ｂは、遠隔制御の制御信号のみの通信を行ってもよい。

また、課金システム１において、すべての移動体１１が移動体サーバ１３の遠隔制御によらずに移動するものであってもよい。このとき、課金システム１は、移動体サーバ１３を含まなくてもよい。また、課金システム１において、すべての移動体１１が移動体サーバ１３の遠隔制御によって移動するものであってもよい。

続いて、図５を用いて、課金システム１のハードウェア構成の例について説明する。
図５は、実施の形態１に係る課金システム１の主要部のハードウェア構成図である。

課金システム１の各機能は、処理回路により実現し得る。処理回路は、少なくとも１つのプロセッサ１００ａと少なくとも１つのメモリ１００ｂとを備える。処理回路は、プロセッサ１００ａおよびメモリ１００ｂと共に、あるいはそれらの代用として、少なくとも１つの専用ハードウェア２００を備えてもよい。

処理回路がプロセッサ１００ａとメモリ１００ｂとを備える場合、課金システム１の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ１００ｂに格納される。プロセッサ１００ａは、メモリ１００ｂに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、課金システム１の各機能を実現する。

プロセッサ１００ａは、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ＤＳＰともいう。メモリ１００ｂは、例えば、ＲＡＭ、ＲＯＭ、フラッシュメモリ、ＥＰＲＯＭ、ＥＥＰＲＯＭなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどにより構成される。

処理回路が専用ハードウェア２００を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ＡＳＩＣ、ＦＰＧＡ、またはこれらの組み合わせで実現される。

課金システム１の各機能は、それぞれ処理回路で実現することができる。あるいは、課金システム１の各機能は、まとめて処理回路で実現することもできる。課金システム１の各機能について、一部を専用ハードウェア２００で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路は、専用ハードウェア２００、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで課金システム１の各機能を実現する。

実施の形態２．
実施の形態２において、実施の形態１で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態２で説明しない特徴については、実施の形態１で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。

課金システム１は、複数のノードを含む。各々のノードは、ネットワーク１０ｂによって互いに直接的または間接的に接続される。ネットワーク１０ｂは、例えばＰ２Ｐネットワーク（Ｐ２Ｐ：Ｐｅｅｒ ｔｏ Ｐｅｅｒ）である。各々のノードは、情報処理を行う機器である。各々のノードは、例えば管理サーバ４、エレベーターユニット３、移動体１１、または移動体サーバ１３などである。各々のノードは、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、およびモバイルコンピュータなどの汎用な機器または装置などであってもよい。各々のノードの各機能は、例えば処理回路により実現される。

課金システム１におけるエレベーター２の利用料金などの情報は、複数のノードの間で共有されるブロックチェーンのブロックに記録される。ブロックチェーンは、連鎖して連結される複数のブロックを有するデータ構造である。ブロックチェーンにおいて、複数のブロックは、順序付けられて連結される。移動体１１によるエレベーター２の利用についての情報は、ブロックチェーンの複数のブロックにわたって格納される。ブロックチェーンへのブロックの追加は、例えば複数のノードの合意によって承認される。課金システム１における合意形成は、例えばＰｏＷ（Ｐｒｏｏｆ ｏｆ Ｗｏｒｋ）、またはＰｏＳ（Ｐｒｏｏｆ ｏｆ Ｓｔａｋｅｓ）などのコンセンサスアルゴリズムに基づいて行われる。なお、ブロックチェーンは、例えば特定多数のノードの合意によってブロックの追加が承認されるデータ構造などを含む広義のブロックチェーンであってもよい。

課金システム１の各々のノードは、通信部７と、記憶部９と、ブロック生成部１５と、ブロック検証部１６と、を備える。通信部７は、ネットワーク１０ｂにおいて外部の機器または装置などとの通信を行う部分である。ここで、外部の機器または装置は、課金システム１における他のノードを含む。通信部７は、管理サーバ４の通信部７ａ、移動体１１の通信部７ｂ、および移動体サーバ１３の通信部７ｃを含む。記憶部９は、情報を記憶する部分である。課金システム１において、複数のノードの間で共有されるブロックチェーンが記憶部９に記憶される。記憶部９は、管理サーバ４の記憶部９ａ、移動体１１の記憶部９ｂ、および移動体サーバ１３の記憶部９ｃを含む。ブロック生成部１５は、ブロックチェーンに追加されるブロックを生成する部分である。ブロック検証部１６は、ブロックチェーンに追加されるブロックの妥当性を検証する部分である。なお、課金システム１における一部のノードは、ブロック生成部１５を備えていなくてもよい。

課金システム１は、例えば次のようにプログラムを各々のノードに配信してインストールさせることによって構築される。課金システム１において、移動体１１によるエレベーター２の利用についての利用プログラムは、ノードである移動体１１に配信されてインストールされる。また、課金システム１において、移動体１１によるエレベーター２の利用についての利用プログラムは、ノードである移動体サーバ１３に配信されてインストールされる。また、課金システム１において、移動体１１によるエレベーター２の利用についての課金プログラムは、ノードである管理サーバ４に配信されてインストールされてもよい。また、課金システム１において、共有されるブロックチェーンを取り扱うプログラムは、ノードである機器に配信されてインストールされる。課金システム１において配信されるプログラムは、例えば配信サーバからインターネットなどの通信網を通じて配信される。あるいは、入退管理プログラムは、例えば記憶メディアなどを用いてオフラインで配信されてもよい。

続いて、図８を用いて共有されるブロックチェーンの例を説明する。
図８は、実施の形態２に係るブロックチェーンのデータ構造の例を示す図である。

この例において、ブロックチェーンは、ブロックＢ１、およびブロックＢ２を含む複数のブロックを有する。ブロックＢ１は、ブロックＢ２の直前のブロックである。各々のブロックは、ブロックデータと、ブロックヘッダと、を含む。

ブロックデータは、ブロックチェーンに記録される情報である。ブロックデータは、利用要求と、利用履歴と、を含む。

利用要求は、管理サーバ４が受け付けたエレベーター２の移動体１１による利用の要求を表すデータである。ブロックデータにおいて、管理サーバ４の管理部によって実際に呼びが割り当てられた利用要求が記録される。利用要求は、例えば対応する移動体１１を識別する移動体ＩＤ、呼びの情報、利用料金の希望額の情報と、対応する移動体１１の属性の情報、および対応する移動体１１の電子署名の公開鍵などの情報を含む。

利用履歴は、移動体１１によるエレベーター２の利用の履歴を表すデータである。利用履歴は、例えばエレベーター２の利用について課された利用料金、エレベーター２を利用した移動体１１の移動体ＩＤ、および当該移動体１１が利用したエレベーターユニット３を識別するユニットＩＤなどの情報を含む。

ブロックヘッダは、直前のブロックの内容を表す情報を含む。例えばブロックＢ２のブロックヘッダは、直前のブロックＢ１のハッシュ値などを含む。あるいは、ブロックＢ１のブロックヘッダが同じブロックＢ１のブロックデータのハッシュ値を含む場合に、ブロックＢ２のブロックヘッダは、直前のブロックＢ１のブロックヘッダのハッシュ値を含んでもよい。このように、ブロックチェーンにおいて、例えばハッシュ値などの直前のブロックの内容を表す情報がブロックヘッダに含まれることで、複数のブロックが連鎖している。ブロックヘッダは、ブロックが生成されたタイムスタンプなどの情報を含んでもよい。

続いて、図９および図１０を用いて課金システム１の動作の例を説明する。
図９は、実施の形態２に係る課金システム１による課金の例を説明する図である。
図１０は、実施の形態２に係る課金システム１の動作の例を示すシーケンス図である。

図９に示されるように、この例において、移動体１１Ａおよび移動体１１Ｂによるエレベーター２の利用が要求される。移動体１１Ａの移動は、移動体サーバ１３によって制御される。管理サーバ４は、かご５Ｃを有するエレベーターユニット３Ｃおよびかご５Ｄを有するエレベーターユニット３Ｄを輸送リソースに算入する。

管理サーバ４は、課金システム１における各々の移動体１１、および移動体サーバ１３に例えばブロードキャストすることで、利用要求の受付の開始を通知する。

移動体サーバ１３の要求生成部１２ｃは、移動体１１Ａに対応する利用要求を生成する。移動体サーバ１３の通信部７ｃは、要求生成部１２ｃが生成した利用要求を管理サーバ４に送信する。移動体１１Ｂの要求生成部１２ｂは、移動体１１Ｂに対応する利用要求を生成する。利用要求の受付が開始しているときに、移動体１１Ｂの通信部７ｂは、要求生成部１２ｂが生成した利用要求を管理サーバ４に送信する。

管理サーバ４の通信部７ａは、移動体１１Ａに対応する利用要求、および移動体１１Ｂに対応する利用要求を受け付ける。管理サーバ４の記憶部９ａは、受け付けた利用要求を一時的に記憶する。管理サーバ４の通信部７ａが受け付けた利用要求は、管理サーバ４の他のノードの記憶部９に一時的に記憶されてもよい。管理サーバ４の割当部８は、割当処理によって、優先度が最も高い利用要求の呼びを、割当ての候補となるかご５のいずれかに割り当てる。この例において、割当部８は、移動体１１Ａの呼びをかご５Ｄに割り当てる。

管理サーバ４の割当部８は、呼びを割り当てた利用要求を記録候補データとして記憶部９ａに一時的に保持させる。記録候補データは、管理サーバ４の他のノードの記憶部９に保持されてもよい。この例において、割当部８は、移動体１１Ａに対応する利用要求を記録候補データとして記憶部９ａに保持させる。

管理サーバ４の通信部７ａは、エレベーターユニット３Ｄの制御盤６に、割当結果を通知する。管理サーバ４の通信部７ａは、利用要求を受け付けている移動体１１Ａの移動体サーバ１３、および移動体１１Ｂに、割当結果を通知する。

その後、割当結果が通知されたエレベーターユニット３Ｄの制御盤６は、かご５Ｄを移動体１１Ａの出発階まで走行させる。

移動体サーバ１３は、対応する利用要求の呼びが割り当てられた移動体１１Ａをかご５Ｄに乗車しうるように出発階の乗場に移動させる。あるいは、移動体１１Ａが既に乗場にいる場合に、移動体サーバ１３は、乗場においてかご５Ｄの到着を移動体１１Ａに待機させる。一方、移動体１１Ｂの要求生成部１２ｂは、次に利用要求の受付が開始されるときに、移動体１１Ｂに対応する利用要求の生成を再び行う。

その後、かご５Ｄは、移動体１１Ａの出発階に到着する。移動体１１Ａは、かご５Ｄに乗車するときに電子署名を例えば通信部７ｂを通じて管理サーバ４に送信する。ここで、電子署名を暗号化する秘密鍵は、例えば移動体１１Ａに対応する利用要求が含む公開鍵に対応する。

管理サーバ４の通信部７ａは、移動体１１Ａから送信された電子署名を受け付ける。割当部８は、例えば呼びを割り当てた利用要求が含む公開鍵によって電子署名の復号ができるか否かによって、移動体１１の同一性を検証する。

管理サーバ４の通信部７ａは、エレベーターユニット３Ｄの制御盤６に、電子署名の検証結果を通知する。管理サーバ４の通信部７ａは、電子署名を送信した移動体１１Ａに、電子署名の検証結果を通知する。なお、電子署名が不正なものである場合に、管理サーバ４の通信部７ａは、電子署名の検証結果の通知を行わなくてもよい。

電子署名が不正なものである場合に、かご５Ｄは、かごドアの戸閉を維持する。かご５Ｄは、正当な電子署名の検証結果が管理サーバ４から通知されるまで、かごドアの戸開を待機する。このとき、かご５Ｄは、出発階において待機している。かご５Ｄにおいてかごドアの戸閉が維持されるので、不正な電子署名を送信した移動体１１はかご５Ｄに乗車しない。

一方、電子署名が正当なものである場合に、かご５Ｄは、かごドアを戸開する。正当な電子署名を送信した移動体１１Ａは、かご５Ｄに乗車する。その後、かご５Ｄはかごドアを戸閉する。かご５Ｄは、移動体１１Ａの行先階まで走行する。移動体１１Ａは、かご５Ｄに乗車して行先階まで移動する。

移動体１１Ａがかご５Ｄを利用したときに、移動体１１Ａの利用履歴が記録候補データとして各々のノードの記憶部９に一時的に保持される。利用履歴は、例えば移動体１１Ａからの電子署名の検証を行うときに割当部８によって生成されてもよい。あるいは、利用履歴は、例えば移動体１１Ａがかご５Ｄに乗車するときにエレベーターユニット３Ｄによって生成されてもよい。

ブロック生成部１５を備えるノードは、記録候補データを含むブロックの生成を試みる。ブロック生成部１５は、例えばブロックの妥当性の条件を満たすようなナンス値の探索によってブロックの生成を試みる。ブロックの妥当性の条件は、例えばコンセンサスアルゴリズムなどに基づいて定められた値よりハッシュ値が小さいことなどである。いずれかのノードのブロック生成部１５は、ブロックの生成に成功する。ブロックの生成に成功したノードの通信部７は、生成したブロックをネットワーク１０ｂに接続されている複数のノードに送信する。

各々のノードのブロック検証部１６は、妥当性の条件を満たすかに基づいて、受信したブロックの妥当性を検証する。ブロック検証部１６によってブロックが妥当でないと判定されたブロックは、ブロックチェーンに追加されない。一方、ブロック検証部１６によってブロックが妥当であると判定されたブロックは、記憶部９に記憶されているブロックチェーンに追加される。

移動体１１に対応する利用要求と、当該移動体１１の利用履歴とは、同一のブロックに記録されてもよい。移動体１１に対応する利用要求と、当該移動体１１の利用履歴は、互いに異なるブロックに記録されてもよい。

課金システム１において、各々のノードにおいて共有されるブロックチェーンのブロックに記録される情報に基づいて利用料金が徴収される。課金システム１において、呼びが割り当てられた利用要求の利用履歴が記録されていない場合に、実際のエレベーター２の利用はされていないとして利用料金の徴収が免除されてもよい。

図１０において、課金システム１全体の動作の例が示される。

この例において、移動体１１Ａおよび移動体１１Ｂによるエレベーター２の利用が要求される。移動体１１Ａの移動は、移動体サーバ１３によって制御される。

ブロックチェーンのブロック生成についての合意形成は、例えば管理サーバ４の割当部８において割当処理が行われた後に行われる。このとき、例えば当該割当処理によって呼びが割り当てられた利用要求が記録されたブロックに追加される。当該利用要求についての利用履歴は、例えばその後に追加されるブロックに記録される。なお、ブロックチェーンのブロックの生成のタイミングは、エレベーター２の利用のタイミングと独立であってもよい。ブロックチェーンのブロックにおいて、複数の利用要求および複数の利用履歴が記録されていてもよい。

以上に説明したように、実施の形態２に係る課金システム１において、記憶部９ａは、ネットワーク１０ｂを通じて互いに接続される複数のノードの間で共有されるブロックチェーンを記憶する。記憶部９ａは、エレベーター２の利用料金をブロックチェーンのブロックへの記録によって記憶する。
また、実施の形態２に係るエレベーター２の利用履歴は、ネットワーク１０ｂを通じて互いに接続される複数のノードの間で共有されるブロックチェーンのブロックに記録される。

利用履歴がブロックチェーンに記録されることによって、利用履歴の改ざんが困難になる。これにより、利用履歴の完全性が担保される。

また、記憶部９ａは、割当部８が呼びを割り当てた利用要求をブロックチェーンのブロックへの記録によって記憶する。
また、エレベーター２の利用要求は、ブロックチェーンのブロックに記録される。

これにより、エレベーター２を利用する移動体１１などは、完全性が担保された利用要求の情報を入手できる。このため、利用料金の相場の透明性が保たれる。

また、記憶部９ａは、複数の移動体１１の少なくともいずれかとの間でブロックチェーンを共有する。また、記憶部９ａは、複数の移動体１１の少なくともいずれかの移動を遠隔制御する移動体サーバ１３との間でブロックチェーンを共有する。

ブロックチェーンを共有するノードとして、複数の移動体１１または移動体サーバ１３を含むことができる。これにより、ノードの種類および数を増やすことができる。また、ノードを管理する主体が多様になる。このため、ブロックチェーンのブロックに記録された情報の改ざんがより困難になる。

本開示に係る課金システムは、移動体によるエレベーターの利用に対する利用料金の課金に適用できる。また、本開示に係る管理サーバ、移動体、移動体サーバ、課金方法、課金プログラム、利用プログラム、ならびに利用要求および利用履歴のデータ構造は、当該課金システムに適用できる。

１ 課金システム、 ２ エレベーター、 ３、３Ｃ、３Ｄ エレベーターユニット、 ４ 管理サーバ、 ５、５Ｃ、５Ｄ かご、 ６ 制御盤、 ７、７ａ、７ｂ、７ｃ 通信部、 ８ 割当部、 ９、９ａ、９ｂ、９ｃ 記憶部、 １０ａ、１０ｂ ネットワーク、 １１、１１Ａ、１１Ｂ 移動体、 １２ｂ、１２ｃ 要求生成部、 １３ 移動体サーバ、 １４ 移動体制御部、 １５ ブロック生成部、 １６ ブロック検証部、 １００ａ プロセッサ、 １００ｂ メモリ、 ２００ 専用ハードウェア

Claims (18)

1. 複数の階床の間を各々が走行することで複数の移動体の各々の輸送が可能な１つ以上のかごと、
   前記１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を各々が含み前記複数の移動体のいずれかに各々が対応する１つ以上の利用要求を受け付ける通信部と、
   前記通信部が受け付けた前記１つ以上の利用要求のうち、前記希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てる割当部と、
   前記割当部が呼びを割り当てた利用要求に対して課す利用料金を記憶する記憶部と、
   を備えるエレベーターの課金システム。
2. 前記記憶部は、ネットワークを通じて互いに接続される複数のノードの間で共有されるブロックチェーンを記憶し、前記利用料金を前記ブロックチェーンのブロックへの記録によって記憶する
   請求項１に記載のエレベーターの課金システム。
3. 前記記憶部は、前記割当部が呼びを割り当てた利用要求を前記ブロックチェーンのブロックへの記録によって記憶する
   請求項２に記載のエレベーターの課金システム。
4. 前記記憶部は、前記複数の移動体の少なくともいずれかとの間で前記ブロックチェーンを共有する
   請求項２または請求項３に記載のエレベーターの課金システム。
5. 前記記憶部は、前記複数の移動体の少なくともいずれかの移動を遠隔制御する移動体サーバとの間で前記ブロックチェーンを共有する
   請求項２から請求項４のいずれか一項に記載のエレベーターの課金システム。
6. 前記通信部が受け付ける前記１つ以上の利用要求の各々は、対応する移動体の属性の情報を含み、
   前記割当部は、前記通信部が受け付けた前記１つ以上の利用要求のうち、前記希望額および前記属性を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てる
   請求項１から請求項５のいずれか一項に記載のエレベーターの課金システム。
7. 前記通信部は、いずれかの利用要求の呼びを前記割当部が割り当てたかごに前記複数の移動体のいずれかが乗車するときに、当該移動体から当該移動体と当該利用要求が対応する移動体との同一性を示す電子署名を受け付け、
   当該かごは、前記電子署名によって移動体の同一性が確認されるまで当該呼びに応じた走行をせずに待機する
   請求項１から請求項６のいずれか一項に記載のエレベーターの課金システム。
8. いずれかの利用要求の呼びを前記割当部が割り当てたかごは、当該呼びの出発階に到着した後に戸閉を維持し、前記電子署名によって移動体の同一性が確認されるまで戸開をせずに待機する
   請求項７に記載のエレベーターの課金システム。
9. 前記割当部は、前記複数の移動体のいずれかの輸送に充てられる輸送容量を、前記１つ以上のかごの全体の輸送容量の一部に制限する
   請求項１から請求項８のいずれか一項に記載のエレベーターの課金システム。
10. 複数の階床の間を各々が走行することで複数の移動体の各々の輸送が可能な１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を各々が含み前記複数の移動体のいずれかに各々が対応する１つ以上の利用要求を受け付ける通信部と、
    前記通信部が受け付けた前記１つ以上の利用要求のうち、前記希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てる割当部と、
    前記割当部が呼びを割り当てた利用要求に対して課す利用料金を記憶する記憶部と、
    を備えるエレベーターの管理サーバ。
11. 複数の階床の間を各々が走行する１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を含む利用要求を生成する要求生成部と、
    前記要求生成部が生成した利用要求を、受け付けた１つ以上の利用要求のうち前記希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てる管理サーバに送信する通信部と、
    を備え、
    前記通信部は、前記要求生成部が生成した利用要求の呼びが前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てられたことを表す割当結果の通知を前記管理サーバから受け付けたときに、当該呼びが割り当てられたかごへの乗車前に当該利用要求の送信元との同一性を示す電子署名を前記管理サーバに送信する、
    移動体。
12. 複数の階床の間を各々が走行する１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を含む利用要求を生成する要求生成部と、
    前記要求生成部が生成した利用要求を、受け付けた１つ以上の利用要求のうち前記希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てる管理サーバに送信する通信部と、
    を備える移動体であり、
    前記要求生成部が生成した利用要求の呼びが前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てられたことを表す割当結果の通知を前記管理サーバから前記通信部が受け付けたときに、当該呼びが割り当てられたかごを前記管理サーバが戸開するまで、当該かごへの乗車を待機する、
    移動体。
13. 移動体の移動を遠隔制御する移動体制御部と、
    複数の階床の間を各々が走行する１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を含み前記移動体に対応する利用要求を生成する要求生成部と、
    前記要求生成部が生成した利用要求を、受け付けた１つ以上の利用要求のうち前記希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てる管理サーバに送信する通信部と、
    を備え、
    前記移動体制御部は、前記要求生成部が生成した利用要求の呼びが前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てられたことを表す割当結果の通知を前記管理サーバから前記通信部が受け付けたときに、前記移動体を当該かごに乗車させるように遠隔制御を行い、
    前記要求生成部は、前記要求生成部が生成した利用要求の呼びが前記１つ以上のかごのいずれかにも割り当てられなかったことを表す割当結果の通知を前記管理サーバから前記通信部が受け付けた場合に、前記管理サーバが利用要求の受付を次に開始するときに、前記移動体に対応する利用要求の生成を再び行う、
    移動体サーバ。
14. 複数の階床の間を各々が走行することで複数の移動体の各々の輸送が可能な１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を各々が含み前記複数の移動体のいずれかに各々が対応する利用要求を１つ以上受け付ける受信工程であり、前記１つ以上の利用要求の各々は対応する移動体の属性の情報を含む受信工程と、
    前記受信工程において受け付けた前記１つ以上の利用要求のうち、前記希望額および前記属性を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てる割当工程と、
    前記割当工程において呼びが割り当てられた利用要求に対して課す利用料金を記憶する課金工程と、
    を備えるエレベーターの課金方法。
15. 複数の階床の間を各々が走行することで複数の移動体の各々の輸送が可能な１つ以上のかごを有するエレベーターの管理サーバに、
    前記１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を各々が含み前記複数の移動体のいずれかに各々が対応する利用要求を１つ以上受け付ける受信ステップと、
    前記受信ステップにおいて受け付けた前記１つ以上の利用要求のうち、前記希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てる割当ステップと、
    前記割当ステップにおいて呼びが割り当てられた利用要求に対して課す利用料金を記憶する課金ステップと、
    を実行させるエレベーターの課金プログラム。
16. 複数の階床の間を各々が走行するエレベーターの１つ以上のかごのいずれかを利用した前記複数の階床の間の移動が可能な移動体に、
    前記１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を含み前記移動体に対応する利用要求を生成する要求生成ステップと、
    前記要求生成ステップにおいて生成した利用要求を、受け付けた１つ以上の利用要求のうち前記希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てる管理サーバに送信する第１送信ステップと、
    前記要求生成ステップにおいて生成した利用要求の呼びが前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てられたことを表す割当結果の通知を前記管理サーバから受け付けたときに、当該呼びが割り当てられたかごへの乗車前に当該利用要求の送信元との同一性を示す電子署名を前記管理サーバに送信する第２送信ステップと、
    を実行させるエレベーターの利用プログラム。
17. 複数の階床の間を各々が走行するエレベーターの１つ以上のかごのいずれかを利用した前記複数の階床の間の移動が可能な移動体に、
    前記１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を含み前記移動体に対応する利用要求を生成する要求生成ステップと、
    前記要求生成ステップにおいて生成した利用要求を、受け付けた１つ以上の利用要求のうち前記希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てる管理サーバに送信する送信ステップと、
    前記要求生成ステップにおいて生成した利用要求の呼びが前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てられたことを表す割当結果の通知を前記管理サーバから受け付けたときに、当該呼びが割り当てられたかごを前記管理サーバが戸開するまで、当該かごへの乗車を待機する待機ステップと、
    を実行させるエレベーターの利用プログラム。
18. 複数の階床の間を各々が走行するエレベーターの１つ以上のかごのいずれかを利用した前記複数の階床の間の移動が可能な移動体の移動を遠隔制御する移動体サーバに、
    前記１つ以上のかごのいずれかへの割当てを要求する呼びの情報および当該かごの利用料金の希望額の情報を含み前記移動体に対応する利用要求を生成する第１要求生成ステップと、
    前記第１要求生成ステップにおいて生成した利用要求を、受け付けた１つ以上の利用要求のうち前記希望額を含む情報に基づく優先度が高い利用要求の呼びを優先して前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てる管理サーバに送信する送信ステップと、
    前記第１要求生成ステップにおいて生成した利用要求の呼びが前記１つ以上のかごのいずれかに割り当てられたことを表す割当結果の通知を前記管理サーバから受け付けたときに、前記移動体を当該かごに乗車させるように遠隔制御を行う乗車制御ステップと、
    前記第１要求生成ステップにおいて生成した利用要求の呼びが前記１つ以上のかごのいずれかにも割り当てられなかったことを表す割当結果の通知を前記管理サーバから受け付けた場合に、前記管理サーバが利用要求の受付を次に開始するときに、前記移動体に対応する利用要求の生成を行う第２要求生成ステップと、
    を実行させるエレベーターの利用プログラム。

Images