しかし、図21に示す搬送システムでは、バイオマスホッパー522から排出され、ボイラ本体531に向けて搬送されるバイオマス521は一種類だけなので、それを搬送するための搬送経路も一つだけである。図22に示す搬送システムでも、ホッパー616から排出され、ボイラ火炉626に向けて搬送されるバイオマスペレット611、611A、611B、611Cは、水分による湿潤の有無の違いはあるものの、一種類だけなので、それを搬送するための搬送経路も一つだけである。
また、図21に示す搬送システムでは、石炭ホッパー526、527から排出され、ボイラ本体531に向けて搬送される石炭525の搬送経路は二つあるが、複数種類の混焼用燃料をボイラ本体に搬送するものではなく、いずれの石炭525の搬送経路もバイオマス521の搬送経路と同じになる箇所がなく、それらの搬送経路を構成する装置も同じにならない(共通の装置にならない)。そのため、バイオマス521と石炭525は、それぞれのホッパーから排出された後、ボイラ本体531に至るまでに互いに混合することはない。ここで、複数種類の混焼用燃料における「種類」は、単位重量当たりの発熱量(以下「エネルギー密度」という場合がある)の観点で組み分けした、個々の組を意味し、その意味において、「複数種類の混焼用燃料」は、エネルギー密度が互いに異なる複数個の混焼用燃料と読み替えて差し支えない。
図22に示す搬送システムでは、バイオマスペレット611、611A、611B、611Cの搬送経路と石炭供給ライン633は位置Qを接続点とし、位置Qより下流において搬送経路が同じになり、それらの搬送経路を構成する装置も同じになる。しかし、通常、位置Qにおいてバイオマスペレット611B上に投入される石炭630の量は多いので、第二の搬送手段618は、石炭供給ライン633を構成する搬送手段が有する搬送力(重量物を搬送する能力)に比して、より強力な搬送力を有するものでなければならず、石炭630から舞い上がる粉塵への対策の強化も必要になるため、総じて、設備費がより高額になるという問題がある。
図23に示す搬送システムによれば、複数種類の混焼用燃料をガス化燃料炉設備にまで搬送することができる。しかし、この搬送システムは、バイオマス及び石炭の一方が他方と混合攪拌される下段フィーダ750、755に至るまでに必要な搬送経路は二個、合計四個の搬送経路を必要とし、しかもそれらは互いに同じになる箇所がなく、それらの搬送経路を構成する装置も同じにならない。そして、バイオマスを粉砕する粉砕装置を一個、石炭を粉砕する粉砕装置を少なくとも二個、バイオマス微粒粉と石炭微粒粉との混合攪拌を行うフィーダー750、755を二個、合計で、粉砕及び混合を行う加工装置を少なくとも五個必要とする装置構成となる。それ故、この搬送システムは、簡素な構成とはいえず、設備費がより高額になるという問題を有する。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、複数種類の化石燃料代替燃料の搬送を、全体としてより簡素な、ひいては設備費の高額化を回避可能な構成で行うことができる搬送システム又はそれを実現するための技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための、本発明の第一の形態に係る搬送システムは、貯蔵装置から排出される化石燃料代替燃料を燃料燃焼装置まで搬送するための搬送経路と該搬送経路を構成する装置を備える化石燃料代替燃料の搬送システムであって、
第一の貯蔵装置から排出される第一の化石燃料代替燃料を燃料燃焼装置まで搬送するための第一の搬送経路を構成する第一の搬送装置と、第二の貯蔵装置から排出される第二の化石燃料代替燃料を燃料燃焼装置まで搬送するための第二の搬送経路を構成する第二の搬送装置とを備え、前記第一の貯蔵装置は、固形物を収容することができ、前記固形物の排出量を制御するための第一の排出量制御手段を具備し、前記第一の排出量制御手段により制御された排出量で前記第一の化石燃料代替燃料を排出する装置であり、前記第二の貯蔵装置は、固形物を収容することができ、前記固形物の排出量を制御するための第二の排出量制御手段を具備し、前記第二の排出量制御手段により制御された排出量で前記第二の化石燃料代替燃料を排出する装置であり、前記第一の化石燃料代替燃料と前記第二の化石燃料代替燃料とは単位重量当たりの発熱量が異なり、前記第一の搬送経路の一部と前記第二の搬送経路の一部とは同じ経路であり、前記第二の搬送経路の一部と経路が同じ範囲で前記第一の搬送経路の一部を構成する前記第一の搬送装置の一部と、前記第一の搬送経路の一部と経路が同じ範囲で前記第二の搬送経路の一部を構成する前記第二の搬送装置の一部とは同じ装置である、ことを特徴とするものである。
本発明の第二の形態に係る搬送システムは、第一の形態に係る搬送システムであって、前記第一の貯蔵装置は、前記第一の化石燃料代替燃料として、前記第二の化石燃料代替燃料と同じ化石燃料代替燃料を収容することができ、前記第二の貯蔵装置は、前記第二の化石燃料代替燃料として、前記第一の化石燃料代替燃料と同じ化石燃料代替燃料を収容することができる、ことを特徴とするものである。
本発明の第三の形態に係る搬送システムは、第一又は第二の形態に係る搬送システムであって、前記第一の搬送経路は、被搬送物の粉砕及び/又は混合を行う第一の加工装置を経由して前記燃料燃焼装置に至る経路であり、前記第二の搬送経路は、被搬送物の粉砕及び/又は混合を行う第二の加工装置を経由して前記燃料燃焼装置に至る経路であり、前記第一の貯蔵装置から前記第一の加工装置に至るまでの前記第一の搬送経路の一部と、前記第二の貯蔵装置から前記第二の加工装置に至るまでの前記第二の搬送経路の一部とは同じ経路であり、前記第二の搬送経路の一部と経路が同じ範囲で第一の搬送経路の一部を構成する第一の搬送装置の一部と、前記第一の搬送経路の一部と経路が同じ範囲で前記第二の搬送経路の一部を構成する前記第二の搬送装置の一部とは同じ装置である、ことを特徴とするものである。
本発明の第四の形態に係る搬送システムは、第一乃至第三の形態のいずれか一に係る搬送システムであって、第三の貯蔵装置から排出される固形物である化石燃料を前記燃料燃焼装置まで搬送するための第三の搬送経路を構成する第三の搬送装置とを備え、前記第三の搬送経路は、前記化石燃料を、前記第一の加工装置及び/又は前記第二の加工装置を経由して前記燃料燃焼装置に至る経路である、ことを特徴とするものである。
本発明の第五の形態に係る搬送システムは、第四の形態に係る搬送システムであって、前記第一の搬送経路の一部及び/又は前記第二の搬送経路の一部と前記第三の搬送経路の一部とは同じ経路であり、前記第三の搬送経路の一部と経路が同じ範囲で前記第一の搬送経路の一部を構成する前記第一の搬送装置の一部及び/又は前記第二の搬送経路の一部を構成する前記第二の搬送装置の一部と、前記第一の搬送経路の一部及び/又は前記第二の搬送経路の一部と経路が同じ範囲で前記第三の搬送経路の一部を構成する前記第三の搬送装置の一部とは同じ装置である、ことを特徴とするものである。
本発明の第六の形態に係る搬送システムは、第四又は第五の形態に係る搬送システムであって、前記第三の搬送経路を構成する装置により搬送されている前記化石燃料が第一の加工装置及び/又は前記第二の加工装置の上流側の位置で、前記第一の化石燃料代替燃料又は前記第二の化石燃料代替燃料が前記化石燃料の上に直接降り掛かるように構成されている、ことを特徴とするものである。
本発明の第七の形態に係る搬送システムは、第四又は第五の形態に係る搬送システムであって、前記第一の貯蔵装置は前記第一の搬送経路に対して並列に配置する又は前記第二の貯蔵装置は前記第二の搬送経路に対して並列に配置する貯蔵装置S1と貯蔵装置S2を備え、前記貯蔵装置S1及び前記貯蔵装置S2は、それぞれ、固形物を収容することができ、前記固形物の排出量を制御するための第一の排出量制御手段を具備する装置であり、前記貯蔵装置S1及び/又は前記貯蔵装置S2から排出された化石燃料代替燃料が、前記第三の搬送経路に沿って又は前記第三の搬送装置により搬送されている前記化石燃料の上に直接降り掛かるように構成されており、前記貯蔵装置S1及び前記貯蔵装置S2のいずれか一方から排出される前記化石燃料代替燃料の量の減少を他方から排出される前記化石燃料代替燃料により補うように構成されている、ことを特徴とするものである。
本発明の第八の形態に係る搬送システムは、第一又は第二の形態に係る搬送システムであって、前記第一の搬送経路は、前記第一の化石燃料代替燃料を組成物として含む被搬送物の粉砕を行う第一の粉砕装置と該第一の粉砕装置により粉砕された前記被搬送物と第一の化石燃料とを混合する混合装置を経由して前記燃料燃焼装置に至る経路であり、前記第二の搬送経路は、前記第二の化石燃料代替燃料と第二の化石燃料及び前記第二の化石燃料のうちいずれか一方を選択的に組成物として含む被搬送物の粉砕を行う第二の粉砕装置を経由して前記燃料燃焼装置に至る経路であり、前記第一の化石燃料は、前記第二の化石燃料を組成物として含む被搬送物を前記第二の粉砕装置により粉砕したものであり、前記第一の貯蔵装置から前記第一の粉砕装置に至るまでの前記第一の搬送経路の一部と、前記第二の貯蔵装置から前記第二の粉砕装置に至るまでの前記第二の搬送経路の一部とは同じ経路であり、前記第二の搬送経路の一部と経路が同じ範囲で第一の搬送経路の一部を構成する第一の搬送装置の一部と、前記第一の搬送経路の一部と経路が同じ範囲で前記第二の搬送経路の一部を構成する前記第二の搬送装置の一部とは同じ装置である、ことを特徴とするものである。
なお、前記第一の化石燃料と前記第二の化石燃料は同種の化石燃料であっても異種の化石燃料であってもかまわない。
本発明の第九の形態に係る搬送システムは、第八の形態に係る搬送システムであって、第三の貯蔵装置から排出される固形物である化石燃料を前記燃料燃焼装置まで搬送するための第三の搬送経路を構成する第三の搬送装置とを備え、前記固形物は前記第二の化石燃料であり、前記第三の搬送経路は、前記第二の粉砕装置を経由して前記燃料燃焼装置に至る経路R1及び前記第二の粉砕装置及び前記混合装置を経由して前記燃料燃焼装置に至る経路R2のうちいずれか一方を選択的に備えており、前記経路R1は、前記第二の化石燃料代替燃料と前記第二の化石燃料を組成物として含む被搬送物を前記第二の粉砕装置により粉砕したものを前記燃料燃焼装置に搬送する経路を含み、前記経路R2は、前記第二の化石燃料を組成物として含む被搬送物を前記第二の粉砕装置により粉砕したものを前記混合装置に搬送する経路を含む、ことを特徴とするものである。
本発明の第十の形態に係る搬送システムは、第九の形態に係る搬送システムであって、前記第三の搬送経路を構成する装置により搬送されている前記化石燃料が第二の粉砕装置の上流側の位置で、前記第一の化石燃料代替燃料又は前記第二の化石燃料代替燃料が前記化石燃料の上に直接降り掛かるように構成されている、ことを特徴とするものである。
本発明の第十一の形態に係る搬送システムは、第九の形態に係る搬送システムであって、 前記第一の貯蔵装置は前記第一の搬送経路に対して並列に配置する又は前記第二の貯蔵装置は前記第二の搬送経路に対して並列に配置する貯蔵装置S1と貯蔵装置S2を備え、前記貯蔵装置S1及び貯蔵装置S2は、それぞれ、固形物を収容することができ、前記固形物の排出量を制御するための第一の排出量制御手段を具備する装置であり、前記貯蔵装置S1及び/又は前記貯蔵装置S2から排出された化石燃料代替燃料が、前記第三の搬送装置により搬送されている前記化石燃料の上に直接降り掛かるように構成されており、前記貯蔵装置S1及び前記貯蔵装置S2のいずれか一方から排出される前記化石燃料代替燃料の量の減少を他方から排出される前記化石燃料代替燃料により補うように構成されている、ことを特徴とするものである。
本発明の第十二の形態に係る搬送システムは、第一乃至第十一の形態のいずれか一に係る搬送システムであって、前記第一の化石燃料代替燃料及び第二の化石燃料代替燃料は、それぞれの貯蔵装置からの排出前においては水分が付与されておらず又は水分により膨潤もしくは湿潤しておらず、且つ、排出後においては、それぞれの加工装置に至るまでに他の物質中に含まれる水分により膨潤又は湿潤していない木質ペレットである、ことを特徴とするものである。
本発明の第十三の形態に係る搬送システムは、第六、第七、第十又は第十一の形態に係る搬送システムであって、前記化石燃料及びその上に直接降り掛かかる化石燃料代替燃料は、それぞれ、石炭及び木質ペレットであり、単位重量当たりの発熱量は、前記石炭を1とするとき、前記木質ペレットは0.05以下であることを特徴とするものである。
本発明の第十四の形態に係る搬送システムは、第六、第七、第十又は第十一の形態に係る搬送システムであって、前記化石燃料及びその上に直接降り掛かかる化石燃料代替燃料は、それぞれ、石炭及び木質バイオマス燃料のうちのブラックペレットであり、単位重量当たりの発熱量は、前記石炭を1とするとき、前記ブラックペレットは0.3以下である、ことを特徴とするものである。
本発明の形態M1に係る搬送システムは、貯蔵装置から排出される化石燃料代替燃料を燃料燃焼装置まで搬送するための搬送経路と該搬送経路を構成する装置を備える化石燃料代替燃料の搬送システムであって、第一の貯蔵装置から排出される第一の化石燃料代替燃料を燃料燃焼装置まで搬送するための第一の搬送経路を構成する第一の搬送装置と、第二の貯蔵装置から排出される第二の化石燃料代替燃料を燃料燃焼装置まで搬送するための第二の搬送経路を構成する第二の搬送装置とを備え、前記第一の貯蔵装置は、固形物を収容することができ、前記固形物の排出量を制御するための第一の排出量制御手段を具備し、前記第一の排出量制御手段により制御された排出量で前記第一の化石燃料代替燃料を排出する装置であり、前記第二の貯蔵装置は、固形物を収容することができ、前記固形物の排出量を制御するための第二の排出量制御手段を具備し、前記第二の排出量制御手段により制御された排出量で前記第二の化石燃料代替燃料を排出する装置であり、前記第一の化石燃料代替燃料と前記第二の化石燃料代替燃料とは単位重量当たりの発熱量が異なり、前記第一の搬送経路は、前記第一の化石燃料代替燃料を組成物として含む被搬送物の粉砕を行う第一の粉砕装置と該第一の粉砕装置により粉砕された前記被搬送物と第一の化石燃料とを混合する混合装置を経由して前記燃料燃焼装置に至る経路であり、前記第二の搬送経路は、前記第二の化石燃料代替燃料と第二の化石燃料及び前記第二の化石燃料のうちいずれか一方を選択的に組成物として含む被搬送物の粉砕を行う第二の粉砕装置を経由して前記燃料燃焼装置に至る経路であり、前記第一の化石燃料は、前記第二の化石燃料を組成物として含む被搬送物を前記第二の粉砕装置により粉砕したものである、ことを特徴とするものである。
本発明の形態M2に係る搬送システムは、形態M1に係る搬送システムであって、第三の貯蔵装置から排出される固形物である化石燃料を前記燃料燃焼装置まで搬送するための第三の搬送経路を構成する第三の搬送装置とを備え、前記固形物は前記第二の化石燃料であり、前記第三の搬送経路は、前記第二の粉砕装置を経由して前記燃料燃焼装置に至る経路R1及び前記第二の粉砕装置及び前記混合装置を経由して前記燃料燃焼装置に至る経路R2のうちいずれか一方を選択的に備えており、前記経路R1は、前記第二の化石燃料代替燃料と前記第二の化石燃料を組成物として含む被搬送物を前記第二の粉砕装置により粉砕したものを前記燃料燃焼装置に搬送する経路を含み、前記経路R2は、前記第二の化石燃料を組成物として含む被搬送物を前記第二の粉砕装置により粉砕したものを前記混合装置に搬送する経路を含む、ことを特徴とするものである。
本発明の形態M3に係る搬送システムは、形態M1又は形態M2に係る搬送システムであって、前記第一の搬送経路の一部と前記第二の搬送経路の一部とは同じ経路であり、前記第二の搬送経路の一部と経路が同じ範囲で前記第一の搬送経路の一部を構成する前記第一の搬送装置の一部と、前記第一の搬送経路の一部と経路が同じ範囲で前記第二の搬送経路の一部を構成する前記第二の搬送装置の一部とは同じ装置である、ことを特徴とするものである。
本発明の形態M4に係る搬送システムは、形態M1乃至M3のいずれか一に係る搬送システムであって、前記第三の搬送経路を構成する装置により搬送されている前記化石燃料が第一の加工装置及び/又は前記第二の加工装置の上流側の位置で、前記第一の化石燃料代替燃料又は前記第二の化石燃料代替燃料が前記化石燃料の上に直接降り掛かるように構成されている、ことを特徴とするものである。
本発明の形態M5に係る搬送システムは、形態M1又は形態M2に係る搬送システムであって、前記第一の貯蔵装置は前記第一の搬送経路に対して並列に配置する又は前記第二の貯蔵装置は前記第二の搬送経路に対して並列に配置する貯蔵装置S1と貯蔵装置S2を備え、
前記貯蔵装置S1及び貯蔵装置S2は、それぞれ、固形物を収容することができ、前記固形物の排出量を制御するための第一の排出量制御手段を具備する装置であり、前記貯蔵装置S1及び/又は前記貯蔵装置S2から排出された化石燃料代替燃料が、前記第三の搬送装置により搬送されている前記化石燃料の上に直接降り掛かるように構成されており、前記貯蔵装置S1及び前記貯蔵装置S2のいずれか一方から排出される前記化石燃料代替燃料の量の減少を他方から排出される前記化石燃料代替燃料により補うように構成されている、ことを特徴とするものである。
本発明の形態M6に係る係る搬送システムは、形態M1乃至M5のいずれか一に係る搬送システムであって、前記第一の貯蔵装置は、前記第一の化石燃料代替燃料として、前記第二の化石燃料代替燃料と同じ化石燃料代替燃料を収容することができ、前記第二の貯蔵装置は、前記第二の化石燃料代替燃料として、前記第一の化石燃料代替燃料と同じ化石燃料代替燃料を収容することができる、ことを特徴とするものである。
本発明の形態M7に係る搬送システムは、形態M1乃至M6のいずれか一に係る搬送システムであって、前記第一の化石燃料代替燃料及び第二の化石燃料代替燃料は、それぞれの貯蔵装置からの排出前においては水分が付与されておらず又は水分により膨潤もしくは湿潤しておらず、且つ、排出後においては、それぞれの加工装置に至るまでに他の物質中に含まれる水分により膨潤又は湿潤していない木質ペレットである、ことを特徴とするものである。
本発明の形態M8に係る搬送システムは、形態M3乃至M5の形態のいずれか一に係る搬送システムであって、前記化石燃料及びその上に直接降り掛かる化石燃料代替燃料は、それぞれ、石炭及び木質ペレットであり、単位重量当たりの発熱量は、前記石炭を1とするとき、前記木質ペレットは0.05以下である、ことを特徴とするものである。
本発明の形態M9に係る搬送システムは、形態M3乃至M5の形態のいずれか一に係る搬送システムであって、前記化石燃料及びその上に直接降り掛かる化石燃料代替燃料は、それぞれ、石炭及び木質バイオマス燃料のうちのブラックペレットであり、単位重量当たりの発熱量は、前記石炭を1とするとき、前記ブラックペレットは0.3以下である、ことを特徴とするものである。
なお、本発明の説明(特許請求の範囲の各請求項ならびに本発明の各形態、実施の形態及び実施例における記載を含む)において、次の(1)乃至(19)の各項に掲げる用語の定義又は解釈は、別段の説明がなされている場合を除き、当該各項で説明するとおりとする。
(1)「固形」とは、気体のみではなく、液体のみではなく、気体と液体の二つのみの混合物のみでもないものを意味し、「固形物」とは、固形の物質を意味する。
(2)「化石燃料」は、形状(塊状、粒状、顆粒状、粉状等の形状)、性状(固形、液状、ガス状、泥状等の性状)、物性(密度、含水率、エネルギー密度等)などを問わず、過去の植物や動物の遺骸が変化して生成した天然の燃料を意味する。「化石燃料」は、石炭、石油、天然ガス及びシェールガスが代表例であるが、将来「化石燃料」と認められる物質も含む。
(3)「化石燃料代替燃料」は、形状、性状等を問わず、化石燃料の代わりとなる燃料資源又は当該燃料資源の組成物を意味する。「化石燃料代替燃料」の代表例は、水素、DME及びバイオマス燃料である。「化石燃料代替燃料」は、それが化石燃料との混合又は混焼を前提とするものであるのならば、当該化石燃料と混合又は混焼が可能なものを意味する。
(4)「バイオマス燃料」は、形状、性状等を問わず、またいわゆるバイオ燃料と称されるものと区別することなく、再生可能な生物由来の有機性資源(バイオマス)を原料に、発酵、搾油、熱分解などによって作られた燃料又はその組成物を意味する。「バイオマス燃料」の代表例は、バイオマスエタノール、木質バイオマス燃料である。
(5)「木質バイオマス燃料」は、形状、性状等を問わず、木材、樹皮、枝葉や製材時に発生する端材など(以下「木材等」という)の有機性資源を原料とするバイオマス燃料又はその組成物を意味する。「木質バイオマス燃料」の代表例は、林地残材、端材、木屑、木製チップ、樹皮、木質ブリケット、木質ペレットである。
(6)「木質ペレット」は、木質バイオマス燃料のうち、木材等を顆粒状に破砕した後、小粒の塊(例えば直径6~8mm、長さ5~40mmの円筒形)に圧縮成型した固形物を意味する。「木質ペレット」のうち、木材等の粉砕後、圧縮成型前に半炭化処理を行うことで出来上がるものを「ブラックペレット」といい、木材等の粉砕後、圧縮成型前に半炭化処理その他の特別な処理を行うことなく出来上がるものを、「ブラックペレット」との対比から、「ホワイトペレット」という場合がある。
(7)「搬送経路」は、搬送される物体(被搬送物)が辿るべき移動の経路(道筋又は道順)を意味する。
(8)「搬送装置」は、被搬送物を搬送するための一個又は複数個の装置を意味し、その搬送を駆動する装置を含む。「搬送装置」の代表例は、ベルト式、プレート式又はスクリュー式のコンベア装置である。「搬送装置」は、被搬送物の搬送を駆動する装置及び搬送装置により搬送されている被搬送物を別の搬送装置に移載する機構、装置等を含む。
(9)「搬送経路を構成する装置」は、搬送経路の始点及び終点のそれぞれに相当する装置ならびにそれらの間の搬送経路を構成する搬送装置及びその他の装置を意味し、被搬送物が搬送経路に沿って搬送されている際に当該被搬送物が経由又は通過する機構、装置等を含む。例えば、搬送されている被搬送物が一時貯留手段により貯留される場合や加工装置により粉砕及び/又は混合の処理を受ける場合における、当該一時貯留手段や当該加工装置は、「搬送経路を構成する装置」に該当する。
(10)「燃料燃焼装置」は、燃焼方式(直接燃焼、専燃、混焼、石炭利用方式、粉末燃焼、ストーカ燃焼、流動層燃焼、バーナー燃焼、対向燃焼、連続燃焼、バッチ燃焼等の方式)、用途(給湯、床冷暖房、温泉施設、温風、温室栽培、プロセス蒸気、プール、融雪、発電等の用途、工業用、民生用、家庭用、業務用ほか)等を問わず、燃料を燃焼する装置又はその燃焼により熱源となる装置を意味する。「燃料燃焼装置」の代表例は、燃料燃焼用バーナーや燃料燃焼用ボイラであり、バイオマス燃料を燃料とする「燃料燃焼装置」の代表例は、バイオマス燃料燃焼用ボイラとして空気調和設備、動力設備、バイオマス発電所、石炭火力発電所等の設備の一部として組み込まれるものである。
(11)「貯蔵装置」は、収容部と排出部を備え、外部から投入された物質を被収容物として収容部で収容し、そこで一定期間保管し、その後排出部から外部に排出する装置を意味する。サイロ、ホッパー、タンク(貯蔵タンク、貯配タンクなど)等は「貯蔵装置」として利用できる装置の代表例である。排出部の数は、一個の収容部当たり一個又は複数個であり、個々の排出部は、被収容物を外部に排出する出口(以下「排出部出口」という場合がある)と当該出口から当該被収容物の外部への排出を可能又は不可能にするためのバルブ又はゲート(以下「排出バルブ」という場合がある)を具備する。排出バルブの代表例は、ロータリーバルブ、チョークバルブ、ボールバルブ及びスライドゲートである。
「貯蔵装置」の動作、制御、診断等に必要な、有益な又は関連するデータ、パラメータ、情報等(「貯蔵装置」から排出される又は排出された被収容物の重量、「貯蔵装置」から排出されていない被収容物の重量や残存レベル、ならびに「貯蔵装置」に収容されている被収容物の状態を含む)を取得又は収集するために用いられる計測装置は、後述する「排出量制御手段」に含まれる場合を除き、「貯蔵装置」に含まれるものとする。
被収容物に起因する詰まり、停留、閉塞等の障害を、収容部や排出部の内表面処理により、又は加振、打撃、空圧、特殊部材(払出材、弾性材等)の駆動等により防止又は解消するための手段(以下「ブリッジ防止手段」という場合がある)は、後述する「排出量制御手段」に含まれる場合を除き、「貯蔵装置」に含まれるものとする。
「貯蔵装置」の排出部出口から排出された直後の物質を搬送するための搬送経路を構成する装置のうち、当該物質を最終目的場所(燃料燃焼装置)までは搬送せず、当該最終目的場所までの搬送のために別の搬送装置に移載するもの(以下「フィーダー」という場合がある)は、後述する「排出量制御手段」に含まれる場合を除き、「貯蔵装置」に含まれるものとする。なお、「貯蔵装置」の被収容物を排出部出口からフィーダーに向けて行う排出を、当該フィーダーからの排出と区別して、「払出し」という場合がある。
フィーダーは、(a)「貯蔵装置」の排出部出口の直近又はその近傍の位置で、当該排出部出口から払出された被収容物を別の搬送装置に移載する装置であってもよく、(b)当該排出部出口からある程度離隔した位置で当該被収容物を別の搬送装置に移載する装置であってもよい。左記(a)の装置が構成する搬送経路の道程は相対的に短く、その代表例は、いわゆるロータリーフィーダーである。左記(b)の装置が構成する搬送経路の道程は相対的に長く、その代表例は、ベルト式、チェーン式、プレート式又はスクリュー式のコンベアである。
ある物質が「貯蔵装置から排出される」位置は、「貯蔵装置」の排出部出口から排出される物質が、フィーダーに向けてではなく、最終目的場所(燃料燃焼装置)まで搬送するための搬送経路を構成する装置に向けて排出される場合には、その排出が行なわれる位置を意味し、フィーダーに向けて排出された後、当該フィーダーにより当該搬送経路を構成する搬送装置に向けて排出される、つまり、当該フィーダーから当該搬送装置に移載される場合には、当該移載が行なわれる位置を意味する。
(12)「一時貯留手段」は、貯蔵装置の一種である。しかし、「一時的貯留手段」は、少なくとも次に掲げる(a)及び(b)の観点から、貯蔵装置から区別される:(a)貯蔵装置が配置される位置は、貯蔵装置の被収容物を最終目的場所(燃料燃焼装置)まで搬送するための搬送経路の始点又はその近傍であるのに対して、「一時的貯留手段」が配置される位置は、当該搬送経路の中間位置(当該最終目的場所よりも上流側の位置)である。(b)貯蔵装置から排出される物質は、その排出の直後、粉砕、混合、燃焼等の処理の用に供されず、当該搬送経路に沿う搬送の用に供されるのに対して、「一時貯留手段」から排出される物質は、その排出の直後、粉砕、混合、燃焼等の処理の用に供される(そして、当該最終目的場所に至る前に当該処理が施される場合には、当該処理が施された後、当該搬送経路に沿った搬送の用に供される)。「一時的貯留手段」の代表例は、被搬送物に対して粉砕、混合その他の処理を施すための装置の上流側の位置又はその近傍の位置に設けられるバンカーである。
(13)「排出量制御手段」は、貯蔵装置(一時的貯留手段を含む)から、搬送装置排出される被収容物の量を制御するための装置を意味する。「排出量制御手段」は、別段の説明がなされていない限り、当該貯蔵装置の一部を構成し、その代表例は、被収容物の排出量を一定に保つための装置(定量排出装置)である。」
「排出量制御手段」は、貯蔵装置の排出部(多くの場合、排出部出口寄りの適所)に取り付けられているバルブ又はゲートを被収容物の排出量の制御のために動作させる場合には、排出バルブを含む。
「排出量制御手段」の動作、制御、診断等に必要なデータ、パラメータ、情報等を計測装置を用いて取得又は収集する必要がある場合は、当該計測装置は「排出量制御手段」に含まれるものとする。
ブリッジ防止手段を用いて、貯蔵装置から排出される被収容物の量を制御する場合(例えば、被収容物の排出量が減少したとき、ブリッジ防止手段を動作させて、当該排出量の減少を解消する又は遅延させる場合)には、当該ブリッジ防止手段は「排出量制御手段」に含まれるものとする。
貯蔵装置の排出部出口から払出された被収容物を、フィーダーから、燃料燃焼装置まで被搬送物を搬送するための搬送経路を構成する装置へ移載する場合において、その移載量を制御するとき(例えば、当該排出部出口からの当該被収容物の払出量及び/又はフィーダーによる被搬送物の移動速度を変えることで、当該被収容物の単位時間当たりの移載量を変える又は所定の値もしくは値域内に維持するとき)は、当該フィーダーは「排出量制御手段」に含まれるものとする。
(14)「加工装置」は、被搬送物に対して、少なくとも粉砕及び/又は混合を行う装置を意味する。被搬送物の粉砕を行う「加工装置」、被搬送物の混合を行う「加工装置」ならびに被搬送物の粉砕及び混合を行う「加工装置」の代表例は、それぞれ、粉砕装置(解砕装置を含む)、混合装置及び粉砕混合装置である。被搬送物が複数の組成物を含む場合には、当該被搬送物の粉砕と同時に当該複数の組成物の混合が起こるので、被搬送物の粉砕を行う「加工装置」は、被搬送物の混合を行う「加工装置」を兼ね、故に被搬送物に対して、少なくとも粉砕及び/又は混合を行う「加工装置」に該当する。
なお、「加工装置」は、粉砕及び/又は混合に加えて、その他の処理を行う装置であってもよい。また、被搬送物と混合される物質は、特定の物質に限定して説明がなされている場合には、その物質を意味し、そのような説明がない場合には、混合の結果物を有意的に組成するものである限り、制限はない。
(15)化石燃料代替燃料の搬送システムの「運転制御装置」は、化石燃料代替燃料の搬送システムの一部又は全部の運転を制御するための一個又は複数個の装置を意味する。当該制御は、その一部に人が関わるか否かは問わない。「運転制御装置」は、当該搬送システムの一部又は全部を構成するものである限り、貯蔵装置(ブリッジ防止手段を具備する場合には、当該ブリッジ防止手段を含む)、搬送装置、排出量制御手段、加工装置等の動作を制御する。
(16)「選択的に」は、ある条件を充足したとき又は充足しなかったときを意味する。例えば、物又は事象(以下「物等」という)X及び物等Yのうちいずれか一方を「選択的に」備える、有する、含む又は製造するとは、ある条件を充足するときは物等Xを備える、有する、含む又は製造する一方で、その条件を充足しないときは物等Yを備える、有する、含む又は製造すること、換言すれば、物等Xを備える、有する、含む又は製造することと、物等Yを備える、有する、含む又は製造することとが、ある条件の充足・不充足により切り替わるという意味である。なお、「備える、有する、含む又は製造する」は、動詞の例示に過ぎない。
(17)化石燃料代替燃料が化石燃料の上に「直接降り掛かる」、「直接降り掛ける」及び「直接降り掛けられる」は、それぞれ、搬送されてきた固形の化石燃料代替燃料が、別途搬送されてきた固形の化石燃料の上表面に落下すること、落下させること、及び落下させられることを意味する。
(18)「共用経路」は、一方の搬送経路の一部もしくは全部と他方の搬送経路の一部とが同じ経路になるときの当該同じ経路を意味し、「共用装置」は、一方の搬送経路を構成する装置の一部もしくは全部と他方の搬送経路を構成する装置の一部とが同じ装置であるときの当該同じ装置を意味し、「共用」は、一方の搬送経路が他の搬送経路の一部を自己の経路の一部もしくは全部として用いること又はそのように用いている状態、あるいは、一方の搬送経路を構成する装置が他の搬送経路を構成する装置の一部を自己の装置の一部もしくは全部として用いること又はそのように用いている状態を意味する。
(19)ある装置もしくは位置又は経路の「下流側」及び「上流側」は、その装置もしくは位置又はその経路上のある位置を観測点としたとき、その観測点を物質が移動又は通過して行く方向もしくはその方向の側及びその逆の方向及びその逆の方向の側をそれぞれ意味する。
以下、本発明の効果について、その形態毎に説明するが、複数個の効果が挙げられている形態は、当該複数の効果のうち少なくとも一つを奏するものとする。
本発明の第一の形態によれば、第一の搬送経路の一部と第二の搬送経路の一部とが同じ経路となる範囲でそれぞれの搬送経路を構成する装置の一部を共用することができるので、エネルギー密度が互いに異なる複数種類の化石燃料代替燃料を燃料燃焼装置まで搬送する搬送システムを、全体としてより簡素な、ひいては設備費の高額化を回避可能な構成にすることができる。
本発明の第二の形態によれば、第一の貯蔵装置及び第二の貯蔵装置のそれぞれにおいて被収容物の量が減少したとき、第一の化石燃料代替燃料及び第二の化石燃料代替燃料のいずれをもってしても補給することができるので、燃料燃焼装置への搬送がより必要な化石燃料代替燃料の、第一の貯蔵装置及び第二の貯蔵装置のそれぞれへの補給を、中断又は遅延させることなく、行うことができる。
本発明の第三の形態は、第一の形態の具体例である。この第三の形態によれば、第一の貯蔵装置から第一の加工装置に至るまでの第一の搬送経路の一部と、第二の貯蔵装置から第二の加工装置に至るまでの第二の搬送経路の一部とが同じ経路となる範囲で、第一の形態が奏する効果を得ることができる。
本発明の第四の形態によれば、搬送システムが第三の搬送経路及びこれを構成する第三の搬送装置をさらに備える場合であっても、当該第三の搬送装置は、化石燃料の粉砕及び/又は混合を行う加工装置を自前で備えることなく、第一の化石燃料代替燃料又は第二の化石燃料代替燃料の粉砕及び/又は混合を行う第一の加工装置及び/又は第二の加工装置により代用するので、搬送システムの複雑化や設備費の高額化を抑制することができる。
本発明の第五の形態によれば、第一の搬送経路の一部及び/又は第二の搬送経路の一部と第三の搬送経路の一部が同じ経路となる範囲でそれぞれの搬送経路を構成する装置の一部を共用することができるので、エネルギー密度が互いに異なる複数種類の化石燃料代替燃料及び化石燃料を燃料燃焼装置まで搬送する搬送システムを、全体としてより簡素な、ひいては設備費の高額化を回避可能な構成にすることができる。
化石燃料と化石燃料代替燃料とを混合状態で搬送し、粉砕する場合、例えば化石燃料代替燃料の量が多いと、被搬送物や被粉砕物の総量が増えるので、化石燃料を搬送するための搬送装置やこれを粉砕するための粉砕装置の大型化や高性能化が必要になり、ひいては設備費の高額化を招来する。この問題は、化石燃料に比して化石燃料代替燃料が粉砕し難い場合に特に顕著となる。これに対して、本発明の第六の形態によれば、被搬送物や被加工物は、化石燃料と、その上に直接降り掛かる少量(例えば、化石燃料及び化石燃料代替燃料がそれぞれ石炭及び木質ペレットであれば、重量を基準として石炭を1とするとき、木質ペレットは0.069以下の量であり、木質ペレットがブラックペレットであれば、重量を基準として石炭を1とするとき、ブラックペレットは0.38以下の量)の化石燃料代替燃料とが混合状態にあるものにとどまるので、化石燃料を搬送するための搬送装置やこれを粉砕及び/又は混合するための加工装置を、(a)その又はそれらの装置に対して小規模の大型化や高性能化を行う程度で使用することができ、あるいは(b)元々の装置の性能に余裕がある場合(より具体的には、搬送性能が元々高い搬送装置である場合や加工性能が元々高い加工装置である場合)には、その又はそれらの装置をそのまま使用することができ、ひいては設備費の高額化を抑制することができる。この効果は、化石燃料を搬送するための既存の搬送経路とそれを構成する既存の搬送装置を備える搬送システムを、化石燃料と化石燃料代替燃料を組成物とする混焼用燃料を搬送するための輸送経路とそれを構成する装置を備える搬送システムに変更する工事において、工事の大規模化や高額化を抑制することを可能にするものであり、有益である。
化石燃料の上に直接降り掛かる化石燃料代替燃料の量は、本発明の第六の形態が奏するべき効果が全く得られない場合を除き、その多寡を問わないが、多くの場合、当該化石燃料と当該化石燃料代替燃料との重量比、熱量比等が一定になるように調節される。一つの目安となるのは、化石燃料が石炭で、化石燃料代替燃料が木質ペレットである場合において、単位重量当たりの発熱量を基準として石炭を1とするとき、木質ペレットの量を0.05以下(木質ペレットがブラックペレットであるときは、ブラックペレットの量を0.3以下)に調節することである。この量の木質ペレットであれば、石炭と木質ペレットの混焼率は比較的高いといえる一方で、石炭に対して十分少量であり、石炭を搬送するための搬送装置や石炭を粉砕するための粉砕装置をそのまま又は小規模の大型化や高性能化を行ったうえで使用することができる。
また、本発明の第六の形態によれば、化石燃料の上に化石燃料代替燃料が直接降り掛かるので、当該化石燃料に対する当該化石燃料代替燃料の分布が均一になるように調節し易く、引き続く粉砕及び/又は混合、ひいてはそれにより出来上がる、化石燃料と化石燃料代替燃料を組成物とする混焼用燃料の品質維持を比較的容易に行うことができる。
被搬送物の粉砕及び/又は混合するための加工装置を連続動作させる際には、当該加工装置の上流側の位置に、当該被搬送物を予め蓄えておくための一時的貯留手段を設け、その一時的貯留手段から当該被搬送物を当該加工装置に連続投入することが多い。これに対して、搬送されている化石燃料の上に直接降り掛かる化石燃料代替燃料の量が少ない場合には、相対的に量が多い化石燃料が加工装置に連続投入されている一方で、相対的に量の少ない化石燃料代替燃料を予め多量に蓄えておくための一時的貯留手段を設けておく必要もなくなってくる。従って、その場合、本発明の第六の形態によれば、化石燃料代替燃料を予め蓄えておくための一時的貯留手段を省略又は収容量が小さなものにすることができ、設備費の高額化をさらに抑制することができる。
本発明の第七の形態によれば、貯蔵装置S1及び貯蔵装置S2のいずれか一方から排出される化石燃料代替燃料の量の減少が、他方から排出される化石燃料代替燃料により補われるので、第三の搬送経路に沿って又は第三の搬送装置により搬送される化石燃料の上に直接降り掛かかる当該化石燃料代替燃料の量の変動をゼロ又は極小に抑えることができ、ひいては当該化石燃料代替燃料の下流側へ搬送を中断又は遅延させることなく、行うことができる。
また、この第七の形態によれば、化石燃料の上に化石燃料代替燃料が直接降り掛かるので、第六の形態により生じる効果を得ることができる。
なお、貯蔵装置S1及び貯蔵装置S2の「一方から排出される化石燃料代替燃料の量の減少を他方から排出される化石燃料代替燃料により補う」ことの意味は、「第三の搬送経路に沿って又は第三の搬送装置により搬送される化石燃料の上に直接降り掛かかる当該化石燃料代替燃料の量の変動をゼロもしくは極小又は一定範囲内に抑えること」(以下「制御目的」という場合がある)を達成できるものである限り、特に制限はない。
「一方から排出される化石燃料代替燃料の量の減少を他方から排出される化石燃料代替燃料により補う」場合には、当該一方から排出された化石燃料代替燃料が当該他方から排出される化石燃料代替燃料の排出位置に到達するまでの時間、当該他方から排出される化石燃料代替燃料が当該排出位置に到達するまでの時間、当該他方が備える排出量制御手段(当該他方が、排出量を制御するためにブリッジ防止手段やフィーダーを用いる場合には、当該ブリッジ防止手段や当該フィーダーを含む)の動作の特性などの複数個の因子を考慮する必要があるが、その減少分の補い方は、制御目的を達成できるものである限り、特に制限はなく、種々設計し選択することできる。
本発明の第八の形態によれば、第一の化石燃料代替燃料と第一の化石燃料とを組成物とする混焼用燃料(以下「第一の混焼用燃料」という)及び第二の化石燃料代替燃料と第二の化石燃料とを組成物とする混焼用燃料(以下「第二の混焼用燃料」という)のいずれか一方を選択的に製造することができる。また、第一の貯蔵装置から第一の粉砕装置に至るまでの第一の搬送経路の一部と、第二の貯蔵装置から第二の粉砕装置に至るまでの第二の搬送経路の一部とが同じ経路となる範囲で、第一の形態により生じる効果を得ることができる。さらに、第二の混焼用燃料を製造するために行う第二の化石燃料と第二の化石燃料代替燃料の粉砕と、第一の混焼用燃料を組成する化石燃料(第一の化石燃料)を用意するために行う第二の化石燃料の粉砕とを同じ装置(第二の粉砕装置)を用いて済ませることができ、故に設備費の高額化を抑えることができる。
本発明の第九の形態によれば、第一の混焼用燃料及び第二の混焼用燃料のいずれか一方を選択的に製造する際、第三の搬送経路に沿って又は第三の搬送装置により搬送される化石燃料(第二の化石燃料)により、第一の混焼用燃料を組成する化石燃料(第一の化石燃料)及び第二の混焼用燃料を組成する化石燃料(第二の化石燃料)の両方を賄うことができる。また、経路R1、R2はいずれも第三の搬送経路の一部であり、同じ装置(第二の粉砕装置)を経由する経路なので、第四の形態により生じる効果を得ることができる。さらに、経路R1は第二の搬送経路の一部と同じ経路であり、経路R2は、その一部が第一の搬送経路の一部と同じ経路であるので、それらの同じ経路となる範囲で、第五の形態により生じる効果を得ることができる。
本発明の第十の形態によれば、化石燃料の上に化石燃料代替燃料が直接降り掛かるので、第六の形態により生じる効果を得ることができる。
本発明の第十一の形態によれば、第七の形態により生じる効果を得ることができる。
被搬送物の外形の一部又は全部が崩れて粉化すると、(a)搬送装置の隙間に入り込み、動作不良を引き起こす、(b)粉砕装置において詰まり、ひいては動作不良を引き起こす、(c)粉塵対策の強化が必要になる等の問題が生じる。そして、水分により膨潤又は湿潤している木質ペレットは、その外形の一部又は全部が崩れて粉化し易くなり、搬送過程で受ける振動や衝撃により粉化が加速されて、当該問題の原因になる。これに対して、本発明の第十二の形態によれば、被搬送物である木質ペレットは膨潤も湿潤もしていないので、当該問題は生じない。
なお、この第十二の形態は、化石燃料の上に化石燃料代替燃料が直接降り掛かる場合(例えば、第六、第七、第十及び第十一の形態)において、当該化石燃料代替燃料が木質ペレットであるときに、特に有益である。なぜならば、木質パレットが水分を帯びている又は水分により膨潤もしくは湿潤していると、当該木質パレットを化石燃料の上に均一に降り掛けることが難しくなり、それにより、例えば、引き続く粉砕及び/又は混合に支障が生じる、粉砕及び/又は混合により出来上がる混焼用燃料の品質低下を招くなどの問題が生じるおそれがあるところ、この第十二の形態によれば、化石燃料の上に直接降り掛かる木質ペレットは膨潤も湿潤もしていないので、当該問題は生じないからである。
石炭と木質ペレットとを混合状態で粉砕する場合、粉砕装置において、石炭と木質ペレットとの間の粉砕性の違い(通常、石炭よりも木質ペレットの方が粉砕し難いこと)に起因する不具合(例えば、木質ペレットの目詰まりによる粉砕装置の動作不良)が生じ易くなり、石炭に対する木質ペレットの量が多くなるほど顕著に生じ易くなる。その対策として粉砕装置の大型化や高性能化を行うと、設備費の高額化を招来する。これに対して、(a)本発明の第十三の形態のように、木質ペレットの量が、エネルギー密度を基準にして石炭を1とするとき、0.05以下であれば、又は(b)本発明の第十四の形態のように、木質ペレットが、エネルギー密度を基準にして石炭を1とするとき、0.3以下であるブラックペレットであれば、石炭に対する木質ペレットは少量であり、上記不具合の発生を抑えることができる。
石炭の上に多量の物質を直接降り掛かけると、降り掛けられた石炭の側からの粉塵の発生や当該物質が排出される先の搬送装置において当該物質の落下衝撃による損傷が懸念されるところ、石炭の上に直接降り掛かる木質ペレットは(例えば、重量を基準にして石炭を1とするとき0.069以下の)少量なので、当該懸念があっても、対策は小規模で済み、設備費の増加を抑制することができる。
石炭の上に直接降り掛かる木質ペレットが少量で済むのであれば、石炭の上に直接降り掛けられる木質ペレットを予め蓄えておく又は予め多量に蓄えておく必要はない。また、木質ペレットの粉砕は、石炭と混合状態になった後に石炭の粉砕と同時に行われるので、木質ペレットを搬送するための搬送経路(特に貯蔵装置から排出された木質ペレットが石炭の上に直接降り掛かる位置まで搬送するための搬送経路)上に当該木質ペレットを一時的に貯留するための一時貯留手段を設ける必要もなく、設けるにしても大型の一時貯留手段である必要はない。それ故、(a)本発明の第十三の形態のように、木質ペレットの量が、エネルギー密度を基準にして石炭を1とするとき、0.05以下であれば、又は(b)本発明の第十四の形態のように、木質ペレットが、エネルギー密度を基準にして石炭を1とするとき、0.3以下であるブラックペレットであれば、当該一時貯留手段が不要になる又は小型のもので済ませることができる分、設備費を低減することができる。
なお、エネルギー密度を基準にして石炭を1とするときの(a)木質ペレットが0.05以下又は(b)木質ペレットがブラックペレットである場合には、そのブラックペレットが0.3以下であれば、石炭と木質バイオマス燃料の混焼率は比較的高いといえ、燃焼により発生する二酸化炭素の量の増加を比較的良好に抑制することができる。
本発明の形態M1によれば、第一の混焼用燃料及び第二の混焼用燃料のいずれか一方を選択的に製造することができる。また、第二の混焼用燃料を製造するために行う第二の化石燃料と第二の化石燃料代替燃料の粉砕と、第一の混焼用燃料を組成する化石燃料(第一の化石燃料)を用意するために行う第二の化石燃料の粉砕とを同じ装置(第二の粉砕装置)を用いて済ませることができ、搬送システムを簡素な、ひいては設備費の高額化を回避可能な構成にすることができる。
本発明の形態M2、M3、M4、M5、M6、M7、M8及びM9によれば、それぞれ、第九、第一、第六、第七、第二、第十二、第十三及び第十四の形態により生じる効果を得ることができる。
総じて、本発明によれば、エネルギー密度が互いに異なる複数種類の化石燃料代替燃料を搬送する搬送システムを、全体としてより簡素な、ひいては設備費の高額化を回避可能な構成にすることができる。本発明の各形態(化石燃料や化石燃料代替燃料が特定されているものは除く)により生じる効果を得るために、より好適な化石燃料は石炭であり、化石燃料代替燃料は、バイオマス燃料、木質バイオマス燃料、木質ペレットの順により好適である。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を詳細に説明する。その際、必要に応じて各図を参照しつつ説明するが、各図において同一部分又は相当する部分もしくは共通部分にはこれと同じ符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[第一の実施形態]
<基本形>
(1)図1は、第一の実施形態の基本形のブロック図である。図1において、化石燃料代替燃料の搬送システムWは、第一の搬送経路L1とそれを構成する装置、第二の搬送経路L2とそれを構成する装置、位置Naと位置Nbとの間で被搬送物を搬送するための搬送経路及びそれを構成する装置、位置Naに配置する乗継部(以下「第一乗継部」という)J1、位置Nbに配置する乗継部(以下「第二乗継部」という)J2、ならびに運転制御装置9を備えている。
第一の搬送経路L1は、第一の貯蔵装置1から排出される第一の化石燃料代替燃料を燃料燃焼装置7まで搬送することが可能な、第一の貯蔵装置1から燃料燃焼装置7に至るまでの経路である。第二の搬送経路L2は、第二の貯蔵装置2から排出される第二の化石燃料代替燃料を燃料燃焼装置7にまで搬送することが可能な、第二の貯蔵装置2から燃料燃焼装置に至るまでの経路である。つまり、第一の搬送経路L1及び第二の搬送経路L2は、それぞれを構成する装置により、複数種類の化石燃料代替燃料(第一の化石燃料代替燃料及び第二の化石燃料代替燃料)を燃料燃焼装置7に投入するための経路である。
第一の貯蔵装置1及び第二の貯蔵装置2は、それぞれ、第一の排出量制御手段及び第二の排出量制御手段(いずれも図示されていない)を具備しており、第一の貯蔵装置1からの第一の化石燃料代替燃料の排出量及び第二の貯蔵装置2からの第二の化石燃料代替燃料の排出量は、それぞれ、第一の排出量制御手段及び第二の排出量制御手段により調節されている。
第一乗継部J1は、第一の搬送経路L1を構成する装置により搬送されてきた被搬送物を位置Naと位置Nbとの間の搬送経路を構成する装置に移載させるための機構と、第二の搬送経路L2を構成する装置により搬送されてきた被搬送物を位置Naと位置Nbとの間の搬送経路を構成する装置に移載するための機構とを備えている。各機構の代表例は、上流側の搬送装置と下流側の搬送装置との間に設置され、被搬送物を下流側の搬送装置へと案内するホッパーやシュート装置である。
第一乗継部J1が備える上記の二つの機構は、公知のもので足り、(a)単一の装置であっても、(b)別々の装置であってもよい。前者(a)の例は、第一の搬送経路L1を構成する装置により搬送されてきた被搬送物と第二の搬送経路L2を構成する装置により搬送されてきた被搬送物に共通の排出先となるホッパーであり、後者(b)の例は、それぞれの被搬送物の排出先として用意した複数個のホッパーやシュート装置(特開昭62-89221号公報の図1参照)である。
第二乗継部J2は、位置Naと位置Nbとの間の搬送経路を構成する装置により搬送されてきた被搬送物を、第一の搬送経路L1及び第二の搬送経路L2のいずれか一方を構成する装置に移載するための機構を備えている。当該機構は公知のもので足り、その代表例は、上流側の搬送装置と下流側の複数個の搬送装置との間に設置され、被搬送物を下流側の複数個の搬送装置のいずれかへと案内する乗継装置である(実開昭60-16421号公報、特開平8-151116号公報、特開平8-143135号公報参照)。
第二受継部J2は、上流側から搬送されてきた被搬送物を、第一の搬送経路L1及び第二の搬送経路L2のいずれか一方を構成する装置にのみ移載する。それ故、搬送システムWでは、第二受継部J2により当該被搬送物が、第一の搬送経路L1及び第二の搬送経路L2のいずれか一方を構成する装置に移載されない場合がある。
(2)搬送システムWを構成する装置(第一乗継部J1及び第二乗継部J2を含む)の動作(装置間の連携を含む)は、手動による操作が必要なものを除き、運転制御装置9により制御されている。例えば、(a)第一の貯蔵装置1及び第二の貯蔵装置2のそれぞれが具備する排出量制御手段の動作、ならびに(b)被搬送物の排出元の変更(第一の貯蔵装置1及び第二の貯蔵装置2のうち一方から他方への変更)は、運転制御装置9により制御されている。
第一の貯蔵装置1及び第二の貯蔵装置2のそれぞれが具備する排出量制御手段が排出バルブ、フィーダー、ブリッジ防止手段、計測装置等の装置要素を含むときは、運転制御装置9により制御される当該排出量制御手段の動作には、当該装置要素の少なくとも一の動作が含まれる。また、当該排出量制御手段の動作の運転制御装置9による制御には、排出バルブの開度(開閉を含む)、フィーダーによる被搬送物の移動速度(又は単位時間当たりの搬送量)、ブリッジ防止手段の動作の程度(動作・不動作を含む)、計測装置の動作・不動作、計測装置による信号の採取や受信のタイミング、第一の貯蔵装置1又は第二の貯蔵装置2の排出部出口から払出される被収容物の払出速度(又は単位時間当たりの払出量)などの制御が含まれる。
この搬送システムWでは、第一の搬送経路L1及び第二の搬送経路L2のいずれかの経路が変更可能に構成されているか否かを問わず、第一の搬送経路L1及び第二の搬送経路L2のいずれについても経路の変更は行われない。つまり、第二乗継部J2より下流側の第一の搬送経路L1及び第二の搬送経路L2のそれぞれの経路は、固定されており、一方から他方に経路が変更されないように運転制御装置9により制御されている。より具体的には、第二乗継部J2は、上流側から搬送されてきた被搬送物が当該被搬送物が第一の化石燃料代替燃料であるか第二の化石燃料代替燃料であるかを問わず、当該被搬送物が第一の貯蔵装置1から排出されたものであるときは、当該被搬送物を第一の搬送経路L1として固定された搬送経路を構成する装置に向けて排出し、第二の貯蔵装置2から排出されたものであるときは当該被搬送物を第二の搬送経路L2として固定された搬送経路を構成する装置に向けて排出するように、運転制御装置9により制御されている。
(3)第一の搬送経路L1と第二の搬送経路L2は、エネルギー密度が互いに異なる第一の化石燃料代替燃料と第二の化石燃料代替燃料を搬送することが可能な経路であるとともに、燃料燃焼装置7に至るまでの範囲で、より具体的には、位置Naと位置Nbとの間の経路の範囲で同じ経路であり、その範囲で同じ装置(位置Na及び位置Nbのそれぞれに配置する第一乗継部J1及び第二乗継部J2を含む)により構成されている。
つまり、この搬送システムWは、第一の搬送経路L1と第二の搬送経路L2が燃料燃焼装置7に至るまでの範囲で共用経路を有し、その範囲で、第一の搬送経路L1を構成する装置の一部と第一の搬送経路L1を構成する装置の一部が共用装置を成しているので、より簡素な、ひいては設備費の高額化を回避可能な構成となっている。
<変形例1>
(1)図2は、第一の実施形態の変形例1のブロック図である。図2に示す化石燃料代替燃料の搬送システムWは、原材料受入・供給設備V0を第一の貯蔵装置1及び第二の貯蔵装置2の上流側に備えていることを除き、図1に示すもの(基本形)と同じである。
原材料受入・供給設備V0は、少なくとも、第一の化石燃料代替燃料の受入・供給設備11、第二の化石燃料代替燃料の受入・供給設備12、第一の化石燃料代替燃料の受入・供給設備11から排出される第一の化石燃料代替燃料を第一の貯蔵装置1又は第二の貯蔵装置2まで搬送する第一の供給ライン及びそれを構成する装置、ならびに第二の化石燃料代替燃料の受入・供給設備12から排出される第二の化石燃料代替燃料を第一の貯蔵装置1又は第二の貯蔵装置2まで搬送する第二の供給ライン及びそれを構成する装置を備えている。
第一の供給ラインは、第一の化石燃料代替燃料を第一の貯蔵装置1に補給するための供給経路L11と第一の化石燃料代替燃料を第二の貯蔵装置2に補給するための供給経路L12を備えている。第二の供給ラインは、第二の化石燃料代替燃料を第一の貯蔵装置1に補給するための供給経路L21と第二の貯蔵装置2に補給するための搬送経路L22を備えている。
第一の化石燃料代替燃料は、第一の化石燃料代替燃料の受入・供給設備11から排出され、第一の供給ラインL11、L12を構成する装置により、第一の貯蔵装置1及び第二の貯蔵装置2のいずれか一方又は両方に選択的に供給される。第二の化石燃料代替燃料は、第二の化石燃料代替燃料の受入・供給設備12から排出され、第二の供給ラインL21、L22を構成する装置により、第一の貯蔵装置1及び第二の貯蔵装置2のいずれか一方又は両方に選択的に供給される。
(2)原材料受入・供給設備V0を構成する装置及び搬送システムWを構成するその他の装置の動作(装置間の連携を含む)は、手動による操作が必要なものを除き、図示されていない運転制御装置9により制御されている。例えば、第一の化石燃料代替燃料及び第二の化石燃料代替燃料それぞれの、第一の貯蔵装置1及び第二の貯蔵装置2のいずれか一方又は両方への選択的供給は、運転制御装置9により制御されている。
(3)この搬送システムWは、原材料受入・供給設備V0を用いて、第一の化石燃料代替燃料及び第二の化石燃料代替燃料それぞれを第一の貯蔵装置1及び第二の貯蔵装置2のいずれか一方又は両方に選択的に供給することにより、燃料燃焼装置7への搬送がより必要な化石燃料代替燃料を第一の貯蔵装置及び第二の貯蔵装置のそれぞれに補給し、当該燃料燃焼装置7への搬送を、中断又は遅延させることなく、行うものとなっている。
<変形例2>
(1)図3は、第一の実施形態の変形例2のブロック図である。図3に示す化石燃料代替燃料の搬送システムWは、少なくとも次に掲げる(a)乃至(c)を除き、図2に示すもの(変形例1)と同じである:(a)第一の搬送経路L1における位置Nbと燃料燃焼装置7との間に第一の加工装置4を備えていること、(b)第二の搬送経路L2における位置Nbと燃料燃焼装置7との間に第二の加工装置5を備えていること、及び(c)第一の搬送経路L1及び第一の搬送経路L2は、それぞれを構成する装置(第一の加工装置4及び第二の加工装置5を含む)により、粉砕及び/又は混合の処理が施された複数種類の化石燃料代替燃料(第一の化石燃料代替燃料及び第二の化石燃料代替燃料)を、燃料燃焼装置7に投入する経路であること。
なお、第二乗継部J2は、上流側から搬送されてきた被搬送物を、第一の搬送経路L1及び第二の搬送経路L2のいずれか一方を構成する装置にのみ移載する。それ故、この搬送システムWでは、第一の加工装置4及び第二の加工装置5のいずれか一方に当該被搬送物が投入されない場合がある。
(2)第一の加工装置4及び第二の加工装置5ならびに搬送システムWを構成するその他の装置の動作(装置間の連携を含む)は、手動による操作が必要なものを除き、図示されていない運転制御装置9により制御されている。
(3)第一の搬送経路L1は、第一の貯蔵装置1から第一の加工装置4に至るまでの経路の範囲で第二の搬送経路L2の一部と共用経路を有し、第二の搬送経路L2は、第二の貯蔵装置2から第二の加工装置5に至るまでの経路の範囲で第一の搬送経路L1の一部と共用経路を有し、それらの範囲で、第一の搬送経路L1を構成する装置の一部と第一の搬送経路L1を構成する装置の一部が互いに共用装置を成している。それ故、この搬送システムWは、より簡素な、ひいては設備費の高額化を回避可能な構成となっている。
<変形例3>
(1)図4は、第一の実施形態の変形例3のブロック図である。図4に示す化石燃料代替燃料の搬送システムWは、少なくとも次に掲げる(a)乃至(e)を除き、図3に示すもの(変形例2)と同じである:(a)第三の貯蔵装置3から排出される化石燃料を燃料燃焼装置7まで搬送するための第三の搬送経路L3及びそれを構成する装置を有すること、(b)原材料受入・供給設備Vを備えており、第三の貯蔵装置3への化石燃料の補給が可能であること、(c)位置Nbに配置する受継部J2#より下流側の第一の搬送経路L1及び第二の搬送経路L2のそれぞれは、搬送経路として固定されておらず、一方から他方への変更が可能であること、(d)第二の搬送経路L2(又は、受継部J2#の動作次第では、第一の搬送経路L1)と第三の搬送経路L3は、いずれも、第二の加工装置5を経由又は通過していること、ならびに(e)複数種類の混焼用燃料(第一の混焼用燃料及び第二の混焼用燃料)を製造し、燃料燃焼用装置7に投入することができること。
原材料受入・供給設備Vは、原材料受入・供給設備V0の構成に加えて、化石燃料の受入・供給設備13ならびに化石燃料の受入・供給設備13から排出される化石燃料を第三の貯蔵装置3まで搬送する第三の供給ラインL33及びそれを構成する装置を備えている。
第三の貯蔵装置3は、図示されていない排出量制御手段を具備しており、第三の貯蔵装置3からの化石燃料の排出量は当該排出量制御手段により調整されている。
第三の搬送経路L3は、第二の加工装置5の上流側において第一の搬送経路L1及び第二の搬送経路L2のいずれとも経路を同じにすることはなく、第二の搬送経路L2(又は運転制御装置9による制御次第では、第一の搬送経路L1)とは別個に第二の加工装置5に接続し、第二の加工装置5の下流側、つまり第二の加工装置5と燃料燃焼装置7との間において、、第二の搬送経路L2(又は第一の搬送経路L1)と同じ経路を成している。
受継部J2#は、第二乗継部J2と同様に、位置Naと位置Nbとの間の搬送経路を構成する装置により搬送されてきた被搬送物を、第一の搬送経路L1及び第二の搬送経路L2のいずれか一方を構成する装置に移載するための機構を備えている。当該機構は公知のもので足りる。また、当該機能故に、この搬送システムWでは、第一の加工装置4及び第二の加工装置5のいずれか一方に当該被搬送物が投入されない場合がある。
第二の搬送経路L2(又は、受継部J2#の動作次第では、第一の搬送経路L1)と第三の搬送経路L3は、互いに、第二の加工装置5より上流側で同じ経路と成すことなく異なる箇所で第二の加工装置5に接続しているが、いずれも、第二の加工装置5を経由又は通過している。その場合、化石燃料と化石燃料代替燃料を第二の加工装置5に同時に投入することも択一的に投入することもできるが、択一的に投入する場合には、予め粉砕/混合された化石燃料及び化石燃料代替燃料が択一的に燃料燃焼装置7に向けて搬送され、同時に投入する場合には、化石燃料と化石燃料代替燃料を組成物とする混焼用燃料が燃料燃焼装置7に向けて搬送されることになる。
(2)この搬送システムWを構成する装置(第一乗継部J1及び受継部J2#を含む)の動作(装置間の連携を含む)は、手動による操作が必要なものを除き、図示されていない運転制御装置9により制御されている。例えば、(a)第三の貯蔵装置3が具備する排出量制御手段の動作、(b)受継部J2#の動作、(c)受継部J2#より下流側の搬送経路の選択的変更、ならびに(d)化石燃料及び/又は化石燃料代替燃料の、第二の加工装置5への投入の仕方(同時投入か択一的投入かの選択を含む)は、図示されていない運転制御装置9により制御されている。
第三の貯蔵装置3が具備する排出量制御手段が排出バルブ、フィーダー、ブリッジ防止手段、計測装置等の装置要素を含むときは、運転制御装置9により制御される当該排出量制御手段の動作には、当該装置要素の少なくとも一の動作が含まれる。また、当該排出量制御手段の動作の運転制御装置9による制御には、第三の貯蔵装置3から排出される化石燃料の排出速度(又は単位時間当たりの排出量)の制御が含まれる。
この搬送システムWでは、変形例2の場合と異なり、第一の搬送経路L1及び第二の搬送経路L2のそれぞれが変更可能な経路になっており、より具体的には、受継部J2#より下流側において搬送経路の変更が選択的に行われる場合がある。その選択的変更は、上流から搬送されてくる被搬送物が第一の化石燃料代替燃料であるか、第二の化石燃料代替燃料であるかによって、運転制御装置9により制御されている。例えば、第一の化石燃料代替燃料は第一の加工装置4により、第二の化石燃料代替燃料は第二の加工装置5により粉砕及び/又は混合の処理を行うものと設定されている場合、又は第一の搬送経路L1及び第二の搬送経路L2がそれぞれ第一の加工装置4及び第二の加工装置5を経由又は通過すべきものと設定される場合において、(a)第一の貯蔵装置1から排出された被搬送物が第二の化石燃料代替燃料であり、受継部J2#より下流側の搬送経路が第一の搬送経路であるときは、これを第二の搬送経路に変更し、(b)第二の貯蔵装置2から排出された被搬送物が第一の化石燃料代替燃料であり、受継部J2#より下流側の搬送経路が第二の搬送経路であるときは、これを第一の搬送経路に変更している。
受継部J2#は、上流側から搬送されてきた被搬送物が第一の化石燃料代替燃料であるときは、第一の加工装置4を経由又は通過する第一の搬送経路L1(第二の搬送経路L2から変更された第一の搬送経路L1を含む)を構成する装置に向けて当該被搬送物を排出し、第二の化石燃料代替燃料であるときは第二の加工装置5を経由又は通過する第一の搬送経路L2(第一の搬送経路L1から変更された第二の搬送経路L2を含む)を構成する装置に向けて当該被搬送物を排出するように、運転制御装置9により制御されている。
(3)第二の搬送経路L2(又は運転制御装置9による制御次第では、第一の搬送経路L1)と第三の搬送経路L3は、いずれも、第二の加工装置5を経由又は通過しており、故に第二の加工装置5を共用しており、しかも、第二の加工装置5の下流側、つまり第二の加工装置5と燃料燃焼装置7との間の範囲で第二の搬送経路L2(又は第一の搬送経路L1)の一部と第三の搬送経路L3の一部は共用経路を成し、その共用経路を構成する装置(第二の加工装置5は除く)を共用している。それ故、この搬送システムWは、より簡素な、ひいては設備費の高額化を回避可能な構成となっている。
(4)この搬送システムWは、第一の加工装置4で処理された化石燃料代替燃料、第二の加工装置5で処理された化石燃料及び/又は化石燃料代替燃料を燃料燃焼装置7に投入することを可能にしているできるだけでなく、化石燃料と化石燃料代替燃料を第二の加工装置5に同時に投入してそこで処理することにより、当該化石燃料と当該化石燃料代替燃料から組成される混焼用燃料を製造し、それを燃料燃焼装置7に投入することを可能にしている。また、この搬送システムWは、エネルギー密度が互いに異なる複数種類の化石燃料代替燃料(第一の化石燃料代替燃料及び化石燃料代替燃料)から選んだものと化石燃料を第二の加工装置5で処理することにより、エネルギー密度が異なる混焼用燃料(第一の混焼用燃料及び第二の混焼用燃料)を作り分け、それを燃料燃焼装置7に投入することが可能な構成になっている。
<変形例4>
(1)図5は、第一の実施形態の変形例4のブロック図である。図5に示す化石燃料代替燃料の搬送システムWは、次に掲げる(a)及び(b)を除き、図4に示すもの(変形例3)と同じである:(a)第二の加工装置5の上流側にある位置Ncに配置する乗継部(以下「第三乗継部」という)J3を備えていること、及び(b)位置Ncと第二の加工装置5との間で、第二の搬送経路L2(又は、図示されていない運転制御装置9による制御次第では、第一の搬送経路L1)と第三の搬送経路L3が同じ経路を成し、そのため第二の搬送経路L2(又は第一の搬送経路L1)と第三の搬送経路L3が第二の加工装置5が接続する箇所は一か所であること。
第三乗継部J3は、位置Ncにおいて、第三の搬送経路L3を構成する装置により搬送されてきた被搬送物を第二の搬送経路L2(又は第一の搬送経路L1)を構成する装置に、又は第二の搬送経路L2(又は第一の搬送経路L1)を構成する装置により搬送されてきた被搬送物を第三の搬送経路L3を構成する装置に移載するための機構を備えている。当該機構の代表例は、上流側の搬送装置と下流側の搬送装置との間に設置され、被搬送物を下流側の搬送装置へと案内するホッパーやシュート装置である。一方の被搬送物を他方の被搬送物に落下させることにより一方の搬送装置から他方の搬送装置に移載する装置も、当該機構の代表例である。当該機構の基本機能は、第一乗継部J1が備える二つの機構(既述)のいずれかの基本機能と同じなので、説明は省略する。
受継部J2#は、上流側から搬送されてきた被搬送物を第一の搬送経路L1及び第二の搬送経路L2のいずれか一方を構成する装置のみに移載するので、受継部J2#の下流側に配置する第三乗継部J3に化石燃料代替燃料が搬送されず、従って第二の加工装置5に投入されない場合がある。その場合、第二の加工装置5では、化石燃料のみの粉砕及び/又は混合が行なわれる。
第二の搬送経路L2(又は第一の搬送経路L1)と第三の搬送経路L3は、第二の加工装置5を経由又は通過しており、化石燃料と化石燃料代替燃料を第二の加工装置5に同時に投入することも択一的に投入することもできる。それ故、図4に示すもの(変形例3)と同様に、択一的に投入する場合には、予め粉砕/混合された化石燃料及び化石燃料代替燃料が択一的に燃料燃焼装置7に向けて搬送され、同時に投入する場合には、化石燃料と化石燃料代替燃料を組成物とする混焼用燃料が燃料燃焼装置7に向けて搬送されることになる。
化石燃料と化石燃料代替燃料を第二の加工装置5に択一的に投入する場合には、第三乗継部J3により、(a)第三の搬送経路L3を構成する装置により搬送されてきた化石燃料を、第二の搬送経路L2(又は第一の搬送経路L1)を構成する装置であって被搬送物を搬送していないものに移載するか、(b)第二の搬送経路L2(又は第一の搬送経路L1)を構成する装置により搬送されてきた第二の化石燃料代替燃料(又は第一の化石燃料代替燃料)を、第三の搬送経路L3を構成する装置であって被搬送物を搬送していないものに移載することになる。一方、化石燃料と化石燃料代替燃料を第二の加工装置5に同時に投入する場合には、第三乗継部J3により、(a)第三の搬送経路L3を構成する装置により搬送されてきた化石燃料を、第二の搬送経路L2(又は第一の搬送経路L1)を構成する装置に移載するか、(b)第二の搬送経路L2(又は第一の搬送経路L1)を構成する装置により搬送されてきた化石燃料代替燃料(第二の化石燃料代替燃料又は第二の化石燃料代替燃料)を、第三の搬送経路L3を構成する装置に移載することになるが、いずれの場合であれ、別途混合装置を設けない限り、第二の加工装置5に投入されるまでは、化石燃料と化石燃料代替燃料は両物質が混合することなく併存する状態(例えば、一方の物質の上に他方の物質が層状に堆積した又は薄く分散した状態)で、搬送される。
(2)この搬送システムWを構成する装置(第三乗継部J3を含む)の動作(装置間の連携を含む)は、手動による操作が必要なものを除き、図示されていない運転制御装置9により制御されている。
(3)位置Ncと第二の加工装置5との間の範囲において、第二の搬送経路L2(又は第一の搬送経路L1)の一部と第三の搬送経路L3の一部は共用経路を成し、その共用経路を構成する装置を共用している。それ故、この搬送システムWは、変形例3に劣らず、より簡素で、設備費の高額化を回避可能な構成となっている。
<変形例5>
(1)図6は、第一の実施形態の変形例5のブロック図である。図6に示す化石燃料代替燃料の搬送システムWは、位置Ncが、第二の搬送経路L2(又は運転制御装置9による制御次第で、第一の搬送経路L1)を構成する装置により搬送されてきた化石燃料代替燃料(第一の化石燃料代替燃料又は第二の化石燃料代替燃料)が、第三の搬送経路L3を構成する装置により搬送されてきた化石燃料の上に、直接降り掛かる位置(降り掛け位置Qf)であること、換言すれば、第三乗継部J3が、化石燃料代替燃料が化石燃料の上に直接降り掛かる機構に限定されていること(図5中の位置Nc近傍の構成が[Z1]から[Z2]の構成に変更されていること)を除き、図5に示すもの(変形例4)と同じである。
(2)この搬送システムWでは、化石燃料及びその化石燃料に直接降り掛かっている化石燃料代替燃料は、それぞれ、石炭及び木質ペレットであり、重量を基準として石炭を1とするとき、木質ペレットは0.069以下と少量なので、降り掛け位置Qf又はその上流側の第二の搬送経路L2(又は第一の搬送経路L1)には一時的貯留手段(バンカー)は設けていない。周辺壁面への付着も問題として顕在化しにくく、発生する粉塵も多くはないので、格段の付着物対策や粉塵対策は行っていないが、何らかの対策を行うにしても、小規模なもので足りる。
化石燃料代替燃料が降り掛かっている化石燃料の重量は、降り掛かる前の化石燃料の重量の高々1.069倍であるので、化石燃料代替燃料が降り掛かっていない化石燃料を搬送するための搬送装置をそのまま、少量の化石燃料代替燃料が降り掛かっている化石燃料を搬送するための第三の搬送経路を構成する装置として使用している。また、化石燃料代替燃料が降り掛かっていない化石燃料を粉砕及び/又は混合する際に加工装置に生じる負荷と、少量の化石燃料代替燃料が降り掛かっている化石燃料を粉砕及び/又は混合する際に加工装置に生じるそれとの間に(加工装置の大型化や高性能化が必要になるほどの)大差はないので、化石燃料代替燃料が降り掛かっていない化石燃料を粉砕及び/又は混合するための加工装置をそのまま、少量の化石燃料代替燃料が降り掛かっている化石燃料をを粉砕及び/又は混合するための第二の加工装置5(又は第一の加工装置4)として使用している。
特に、化石燃料が石炭で、化石燃料代替燃料が木質バイオマス燃料のうちのブラックペレットである場合には、ブラックペレットの量を、単位重量当たりの発熱量を基準として石炭を1とするとき、0.3以下に調整する。このブラックペレットの量であれば、ブラックペレットの混焼率は比較的高くなり好ましい。加えて、このブラックペレットの量は、(a)石炭を搬送するための搬送装置や石炭を粉砕するための粉砕装置に対して小規模の大型化又は高性能化を行えば足りる、あるいは、(b)元々の装置の性能に余裕がある場合(より具体的には、搬送性能が元々高い搬送装置である場合や粉砕性能が元々高い粉砕装置である場合)には、そのまま使用できる、ほどに少量であり、好ましい。
なお、化石燃料代替燃料が降り掛かっていない化石燃料を搬送するための搬送装置や粉砕及び/又は混合するための加工装置に性能の余裕がない場合や劣化により当初の余力が低下してきた場合には、そのままでは、化石燃料代替燃料が降り掛かっている化石燃料を搬送するための装置や粉砕及び/又は混合するための装置として使用することができないので、当該装置の性能増強又はより大型もしくは高性能の搬送装置や加工装置の導入が必要になってくる。しかし、降り掛かっている化石燃料代替燃料は少量であるので、性能増強又は大型もしくは高性能は小規模で済み、設備費の高額化も抑えることができる。
(3)この搬送システムWを構成する装置(第三乗継部J3を含む)の動作(装置間の連携を含む)は、手動による操作が必要なものを除き、図示されていない運転制御装置9により制御されている。例えば、搬送される化石燃料の上に直接降り掛かる化石燃料代替燃料の量は、化石燃料と化石燃料代替燃料との熱量比又は重量比が所定の値又は値域内になるように、その量に影響する装置の動作とともに運転制御装置9により制御されている。当該所定の値又は値域は、化石燃料や化石燃料代替燃料の形状、性状、物性等の内的要素(化石燃料と化石燃料代替燃料が混合可能又は混焼可能である場合における、化石燃料代替燃料の混合率又は混焼率を含む)と、貯蔵装置の排出部が備える出口からの被収容物の払出速度(又は単位時間当たりの払出量)、貯蔵装置から排出された被収容物を搬送経路を構成する搬送装置が搬送する速度(又は単位時間当たりの搬送量)、燃料燃焼装置の燃焼条件等の外的要素を総合的に勘案して予め決めておいたものである。
(4)搬送されている化石燃料の上に化石燃料代替燃料(第一の化石燃料代替燃料又は第二の化石燃料代替燃料)を降り掛ける際には、化石燃料に対する化石燃料代替燃料の分布が均一になるようにしている。分布が均一であれば、引き続く粉砕及び/又は混合を安定に行ない易くなり、それにより出来上がる、化石燃料と化石燃料代替燃料を組成物とする混焼用燃料の品質も安定し、維持し易くなるからである。
化石燃料の上に化石燃料代替燃料を降り掛けること自体、化石燃料に対する化石燃料代替燃料の分布を均一にする調整を容易にする手法ではあるので、この搬送システムでは格段の調整手段を採用していないが、必要に応じて公知の調整手段を採用して、積極的に分布の均一化を図ってもよい。例えば、搬送装置がベルトコンベア装置である場合には、降り掛け位置Qfを相対的に変動させることで分布の均一化を図ることができる(特開平6-227640号公報、特開平8-151116号公報、特開2000-313518号公報参照)。
<変形例6>
(1)図7は、第一の実施形態の変形例6のブロック図である。図7に示す化石燃料代替燃料の搬送システムWは、次に掲げる(a)及び/又は(b)を除き、図6に示すもの(変形例5)と同じである:(a)第一の貯蔵装置1が第一の搬送経路L1に対して並列に配置する複数個の貯蔵装置Sa、Sbを備えること、及び/又は(b)第二の貯蔵装置2が第一の搬送経路L2に対して並列に配置する複数個の貯蔵装置Sc、Sdを備えていること。
図7では、上記(a)及び(b)の両方が描写されているが、図7に示す搬送システムWでは、上記(a)及び(b)の構成のうち少なくとも一を有すれば足りる。図7中の位置Nc近傍は図6中の[Z2]の構成になっているが、図5中の[Z1]の構成であってもよい。
(2)図7中、原材料受入・供給設備Vから貯蔵装置Sa、Sbに供給されるものは、第一の化石燃料代替燃料及び第二の化石燃料代替燃料のうちいずれか一方のみであり、貯蔵装置Sc、Sdに供給されるものは、その他方のみである。つまり、第一の供給ラインのうちの経路L11を通じて第一の化石燃料代替燃料が貯蔵装置Sa、Sbに供給されるときは、第二の供給ラインのうちの経路L22を通じて第二の化石燃料代替燃料が貯蔵装置Sc、Sdに供給され、第二の供給ラインのうちの経路L21を通じて第二の化石燃料代替燃料が貯蔵装置Sa、Sbに供給されるときは、第一の供給ラインのうちの経路L12を通じて第一の化石燃料代替燃料が貯蔵装置Sc、Sdに供給される。
貯蔵装置Sa、Sb、Sc、Sdは、それぞれ、少なくとも、排出部20(20a、20b、20c、20d)及び排出量制御手段を備えおり、その排出量制御手段は、排出バルブ21(21a、21b、21c、21d)、フィーダー22(22a、22b、22c、22d)、ブリッジ防止手段23(23a、23b、23c、23d)及び図示されていない計測装置を備えている。
貯蔵装置Saの排出部出口から払出される物質はフィーダー22aにより、貯蔵装置Sbの排出部出口から払出される物質はフィーダー22bにより、いずれも、排出量制御手段を備えるホッパーH1に搬送され、収容される。ホッパーH1は、当該物質を、被収容物として一定量保有し続けながら、位置Q1において、ホッパーH1の排出部から、第一の搬送経路L1を構成する搬送装置に向けて排出する。
貯蔵装置Scの排出部出口から払出される物質はフィーダー22cにより、貯蔵装置Sdの排出部出口から払出される物質はフィーダー22dにより、いずれも、排出量制御手段を備えるホッパーH2に搬送され、収容される。ホッパーH2は、被収容物である当該物質を、被収容物として一定量保有し続けながら、位置Q2において、ホッパーH2の排出部から、第二の搬送経路L2を構成する搬送装置に向けて排出する。
(3)ホッパーH1から第一の搬送経路L1を構成する搬送装置に向けて排出される物質の量は、排出量制御手段により所定の値又は値域内に維持される必要があるので、貯蔵装置Sa及び貯蔵装置Sbのいずれか一方の収容部に収容されている被収容物の量が減少してきたときは、ホッパーH1に収容される被収容物の量の過大な変動を抑制しつつ、被収容物の排出源を当該一方から他方へと切替える必要がある。貯蔵装置Sc及び貯蔵装置Sdについても同様であり、いずれか一方の収容部に収容されている被収容物の量が減少してきたときは、ホッパーH2に収容される被収容物の量の過大な変動を抑制しつつ、被収容物の排出源を当該一方から他方へと切替える必要がある。
図8は、図7に示す搬送システムにおいて採用可能な、一方の貯蔵装置(以下「貯蔵装置S1」と呼称する)からの被収容物の排出を他方の貯蔵装置(以下「貯蔵装置S2」と呼称する)からの排出に切替えるための制御の一例の概要説明図である。貯蔵装置S1及び貯蔵装置S2は、それぞれ、貯蔵装置Sa及び貯蔵装置Sbのいずれか一方及び他方を代表し、また貯蔵装置Sc及び貯蔵装置Sdのいずれか一方及び他方を代表している。
(ア)図8において、横軸は時間、縦軸は、貯蔵装置S1及び貯蔵装置S2のそれぞれからホッパーに排出される物質又はその排出によりホッパーに投入される当該物質の量であり、従って、図8(a)中、k1及びk2は、それぞれ、貯蔵装置S1及び貯蔵装置S2からの被収容物の排出量の経時的変化を示しており、図8(b)中、ktは、k1とk2の合計の量を示している。
(イ)貯蔵装置S1からの被収容物の当初の排出量(100相当の量)は、時刻T0から減少を開始し、その後時刻T4まで減少し、時刻T4以降排出量はゼロに至る。貯蔵装置S1は、時刻T4以降の適当なタイミングで原材料受入・供給設備Vから物質の補給を受け、再度100相当の排出が可能な状態にされる。
当初100相当であった貯蔵装置S1からの排出量が、時刻T1において所定値Y1まで低下したことが計測装置により検知されると、その検知結果に基づき運転制御装置9は、貯蔵装置S2が備える排出量制御手段に対して被収容物の排出を命令する信号を送る。貯蔵装置S2からの被収容物の排出量は、当該信号を受信した排出量制御手段より、不可避的な応答の遅れ(時刻T1から時刻T2に至るまでの時間の経過)の後、時刻T2から増加し、その後時刻T4まで増加し、貯蔵装置S1からの被収容物の排出量の減少を補い、時刻T4以降排出量は100相当に至る。
貯蔵装置S1からの被収容物の排出量は、計測装置によりY1として検知された後、時刻T1から時刻T2に至るまでの時間の経過により、Y2まで減少しているので、運転制御装置9により又は運転制御装置9において実行されているコンピュータプログラムを修正することにより、当該減少分が貯蔵装置S2からの被収容物の排出量により補われるようにk2の軌跡が調整される。具体的には、運転制御装置9からの信号に基づく排出量制御手段の動作により、貯蔵装置S2からの被収容物の単位時間当たりの排出量(k2の勾配)が、時刻T2から時刻T3までの間の方が時刻T3から時刻T4までのそれよりも大きくなるように調整される。
平常運転時のホッパーは、物質の投入と排出の均衡の結果として一定量ktの被収容物を保有し続けているので、一定量ktをk1とk2の合計とすると、ktは、図8(b)に示すように経時的に変動し、その変動はY2からY4までの範囲となる。このとき、ktの変動幅(Y2からY4までの変動範囲)は、それが許容変動範囲内になるように、運転制御装置9により制御される。例えば、図8(a)に示す場合であれは、k1に関しては、貯蔵装置S1が備える排出量制御手段(特にブリッジ防止手段)の稼働により時刻T4がより遅い時刻になるように制御され、k2に関しては、k1の減少分をk2の増加分により補えるように、閾値Y1の値、時刻T3の値(時刻T2と時刻T3との間の勾配)などが制御される。
かくして、貯蔵装置S1から貯蔵装置S2への排出源の切替えが完了する。
(ウ)その後は、上記(イ)の説明中の「貯蔵装置S1」及び「貯蔵装置S2」をそれぞれ「貯蔵装置S2」及び「貯蔵装置S1」と読み替えた内容により、貯蔵装置S2からの被収容物の排出量の減少が、ホッパーに収容される被収容物の量の変動幅が極力抑えられながら、貯蔵装置S1からの排出により補われ、それにより、貯蔵装置S2から貯蔵装置S1への排出の切替えが行なわれる。そして、以後、貯蔵装置S1と貯蔵装置S2との間で被収容物の排出の切替えが繰り返えし行われる。
<変形例7>
(1)図9は、第一の実施形態の変形例7のブロック図である。図9に示す化石燃料代替燃料の搬送システムWは、次に掲げる(a)及び/又は(b)を除き、図7に示すもの(変形例6)と同じである:(a)貯蔵装置Sa、Sbが備えるフィーダー22a、22bと第一の搬送経路L1を構成する搬送装置との間に、ホッパーH1が介設されていないこと、そのため、貯蔵装置Sa、Sbの排出部20a、20bが具備する出口からフィーダー22a、22bに排出された化石燃料代替燃料は、フィーダー22a、22bにより搬送された後、ホッパーH1に収容されることなく、フィーダー22a、22bから第一の搬送経路L1を構成する搬送装置に移載されること、及び/又は(b)貯蔵装置Sc、Sdが備えるフィーダー22c、22dと第二の搬送経路L2を構成する搬送装置との間に、ホッパーH2が介設されていないこと、そのため、貯蔵装置Sc、Sdの排出部20c、20dが具備する出口からフィーダー22c、22dに排出された化石燃料代替燃料は、フィーダー22c、22dにより搬送された後、ホッパーH2に収容されることなく、フィーダー22c、22dから第二の搬送経路L2を構成する搬送装置に移載されること。
図9では、上記(a)及び(b)の両方が描写されているが、図9に示す搬送システムWでは、上記(a)及び(b)の構成のうち少なくとも一を有すれば足りる。図9中の位置Nc近傍は図6中の[Z2]の構成になっているがであるが、図5中の[Z1]の構成であってもよい。
(2)図10乃至図13は、図9に示す搬送システムにおいて採用可能な、一方の貯蔵装置(以下「貯蔵装置S1*」と呼称する)からの被収容物の排出を他方の貯蔵装置(以下「貯蔵装置S2*」と呼称する)からの排出に切替えるための制御の一例の概要説明図である。この制御は、運転制御装置9により実行される。なお、貯蔵装置S1*及び貯蔵装置S2*ならびに位置Q1及び位置Q2は、それぞれ、貯蔵装置Sa及び貯蔵装置Sbのいずれか一方及び他方ならびに位置Qa及び位置Qbを代表し、また貯蔵装置Sc及び貯蔵装置Sdのいずれか一方及び他方ならびに位置Qc及び位置Qdを代表している。
貯蔵装置S1*及び貯蔵装置S2*のそれぞれの収容部には、被収容物の残存レベルの低下及びその傾向を把握し易くするために、収容部の高さ方向に沿って互いに離隔する複数個の位置で残存レベルを計測するための複数個の接触式レベル計測装置と、収容部の上方から被収容物の位置を計測するための一個又は複数個の非接触式レベル計測装置が設置されている。前者の接触式レベル計測装置は、収容部の上部から吊り下げるもの及び収容部の側面に取り付けるものを含む。後者の非接触式のレベル計測装置は、収容部の上方から被収容物を撮影して得た画像情報の処理を伴うものを含む。
レベル計測装置による計測値により正確な値が求められるときは、当該計測値は、運転制御装置9により、他の一個又は複数個のレベル計測装置による計測値に基づきより校正される。レベル計測装置の計測位置と別のレベル計測装置の計測位置との間の残存レベルは、運転制御装置9により、複数個及び/又は複数種のレベル計測装置からの信号に基づき演算される。
なお、(a)被収容物がある残存レベルに達した時刻のような基準となる時刻から、貯蔵装置の排出部出口から払出される被収容物の払出量が減少し始める時刻までの時間、(b)当該基準となる時刻から、被収容物の払出量の減少が終了する時刻(例えば、当該払出量がゼロ又は所定値になるまで減少する時刻)までの時間、(c)被収容物の払出量が減少し始める時刻からその減少が終了する時刻までの時間における被収容物の払出量の減少の経時的変化、(d)左記(a)乃至(c)のそれぞれに対するブリッジ防止手段の稼働及び/又は後述する払出量減少遅延化措置の実行の効果(有無の影響を含む)、ならびに(e)左記(a)乃至(d)に係るデータを考慮して取り決めた種々の条件判断などは、貯蔵装置S1*及び貯蔵装置S2*のそれぞれについての実測データの収集と分析、数理モデルによるシミレーション等を通じて予め把握されており、貯蔵装置S1*及び貯蔵装置S2*のそれぞれに固有のデータとして、運転制御装置9の記憶部に、その演算部により参照可能な形式で記録されている。
被搬送物の搬送方向に沿ってより上流側に配置する位置Q1とより下流側に配置する位置Q2との間の距離、従って被搬送物が位置Q1から位置Q2に至るまでに要する時間は、少なくとも、以下に説明する貯蔵装置S1*と貯蔵装置S2*との間で排出を切替えるための制御の妨げにはならない範囲で設定されている。
(2-1)図10及び図11は、上流側の貯蔵装置S1*からの排出量の減少を、下流側の貯蔵装置S2*からの排出により補い、それにより貯蔵装置S1*から貯蔵装置S2*へと排出を切替えるための制御の一例の概要説明図である。各図中(A)及び(B)は、貯蔵装置S1*及び貯蔵装置S2*がそれぞれ関係する制御工程を説明するものである。
(2-1-1)まず、上流側の貯蔵装置S1*では、フィーダー及びその他の排出量制御手段は稼働中であり、当該その他の排出量制御手段により、排出部の排出バルブが開の状態にあり、収容部内の被収容物が、排出部出口からフィーダーに向けて払出され、フィーダーにより位置Q1まで搬送され、位置Q1で、燃料燃焼装置7に向かって被搬送物を搬送するための搬送経路を構成する搬送装置に移載され、当該搬送装置により位置Q2を経由してさらに下流側の最終目的場所(燃料燃焼装置7)に向けて搬送されている(工程s101)。当該搬送装置により搬送されている被搬送物の量を、仮に、100とする。
排出部出口からの被収容物の払出しに伴い、収容部内の被収容物の残存レベルが低下し、予め設定された残存レベル1に達すると、その時点で、レベル計測装置は、残存レベル1に対応する信号1を発信する(工程s102)。貯蔵装置S1*の収容部内の被収容物がさらに減少し、予め設定された残存レベル2に達すると、その時点で、レベル計測装置は、残存レベル2に対応する信号2を発信する(工程s103)。信号1及び信号2の発信先は、運転制御装置9である。
収容部内の被収容物が残存レベル2に達した後、ブリッジ防止手段の稼働が開始される(工程s104)。ブリッジ防止手段の稼働の開始のタイミングや稼働のさせ方については、被収容物の排出源を切替えるという制御の目的を達成できるものである限り、特に制限はなく、例えば、収容部内の被収容物が残存レベル2に達する前の稼働開始でもよく、常時稼働でも、一時的又は断続的な稼働でもよい。
排出部出口からフィーダーへ払出される被収容物は、その払出量が減少し始め、引き続き減少しながら(工程s105)、減少の開始前の工程s101の場合と同様に、フィーダーにより位置Q1へ搬送され、そこで、搬送経路を構成する搬送装置へ移載され、さらに当該搬送装置により位置Q2へ、そして位置Q2より下流側に向けて搬送される(工程s106)。それ故、被収容物は、その払出しの減少が開始された部分(以下「減少開始部分」という)及びそれに引き続く減少部分の順に搬送されて、被搬送物として位置Q2に到達する(工程s107、工程s108)。当該被収容物は、位置Q2において初めて、貯蔵装置S2*から排出された被収容物と一緒になり、一緒に同じ当該同じ搬送装置により位置Q2の下流側に向けて搬送される。
(2-1-2)他方、下流側の貯蔵装置S2*では、当初、排出部出口は全閉で、収容部は被収容物が原材料受入・供給設備Vにより補給された状態にあり、フィーダーは稼働していないが(工程S201)、信号1を受信した運転制御装置9から発信された命令信号に基づき、貯蔵装置S2*は稼働準備に入り、準備完了後、次の命令信号を待つ待機状態になり、フィーダの稼働は開始される(工程s202)。
次いで、貯蔵装置S2*では、信号2を受信した運転制御装置9から発信された命令信号に基づき、当該命令信号受信に引き続く所定の遅延時間Pt[s2*]の経過後に排出部の排出バルブが開くことになり、排出部出口からフィーダーへの被収容物の払出しが開始され、その払出量は増加してゆく(工程s203)。開の状態にある排出バルブの開度及び被収容物の払出量の増加のそれぞれの程度(その経時的変化を含む)は、運転制御装置9による制御の下で、排出量制御手段により調整される。
フィーダーへ払出された被収容物は、当該フィーダーにより位置Q2へ搬送される(工程s204)。それ故、被収容物は、その払出しの増加が開始された部分(以下「増加開始部分」という)及びそれに引き続く増加部分の順に搬送されて、被搬送物として位置Q2に到達する(工程s205、工程s206)。当該被収容物は、位置Q2において初めて、貯蔵装置S1*から排出された被収容物と一緒になり、一緒に同じ当該同じ搬送装置により位置Q2の下流側に向けて搬送される。
(2-1-3)位置Q2において一緒になる、貯蔵装置S1*から排出された被収容物と貯蔵装置S2*から排出された被収容物という排出源が異なる被収容物の総量は、運転制御装置9により、許容変動範囲(例えば、より望ましい総量(100相当)を中心として許容変動範囲がプラス・マイナス10%の範囲)に収まるように制御される。当該総量が許容変動範囲に収まっている限り、例えば、貯蔵装置S1*から排出された被収容物の減少開始部分と貯蔵装置S2*から排出された被収容物が位置Q2において初めて一緒になる到達する時刻は、貯蔵装置S2*から排出された被収容物の増加開始部分と貯蔵装置S1*から排出された被収容物が位置Q2において初めて一緒になる到達する時刻と一致している必要はない。
当該総量が許容変動範囲に収まらない場合には、収まるように、運転制御装置9により又は運転制御装置9において実行されているコンピュータプログラムを修正することにより、(a)残存レベル2、信号2の発信タイミング、工程s203における遅延時間Pt[s2*]などを変更する、(b)貯蔵装置S1*から排出される被収容物の減少量の経時的変化を変更する、(c)貯蔵装置S2*から排出される被収容物の増加量の経時的変化を変更する、などの調節が行なわれる。左記(b)に関しては、例えば、工程s105における、貯蔵装置S1*の排出部出口からフィーダーへの被収容物の排出量の減少の経時的変化を、当該被収容物を自然落下により払出す場合の軌跡や直線状の軌跡ではなく、時間の経過に伴い傾斜が変化する又は一段もしくは二段以上の階段状に変化する軌跡になるように排出量制御手段を制御する。左記(c)に関しては、例えば、工程s203における、貯蔵装置S2*の排出部出口からフィーダーへの被収容物の排出量の増加の経時的変化を、直線状の軌跡ではなく、時間の経過に伴い傾斜が変化する又は一段もしくは二段以上の階段状に変化する軌跡になるように排出量制御手段を制御する。
(2-1-4)貯蔵装置S1*の排出部出口から払出された被収容物であって、フィーダー及び搬送経路を構成する搬送装置により位置Q2へ搬送されていた被搬送物の量が、その位置でゼロもしくはそれに近い所定値まで減少した段階で又は予め設定された一定時間の経過後、排出部の排出バルブは全閉にされ、それにより、位置Q2における当該被搬送物の減少は終了となる(工程s109)。一方、貯蔵装置S2*の排出部出口から払出された被収容物であって、フィーダーにより位置Q2へ搬送されていた被搬送物の量が、その位置で100又はそれに近い所定値にまで増加した段階で、位置Q2における当該被搬送物の増加は終了となる(工程s207)。
工程s109における被搬送物の減少の終了の時刻は、位置Q2において一緒になる排出源が異なる被収容物との総量が許容変動範囲に収まっている限り、工程s207における被搬送物の増加の終了の時刻と一致している必要はない。
(2-1-5)かくして、位置Q2における、工程s107乃至工程s109ならびに工程s205乃至工程s207を通じて、貯蔵装置S1*から貯蔵装置S2*への排出源の切替えが完了する(工程s110、工程s208)。
その後、貯蔵装置S1*では、ブリッジ防止手段及びフィーダーが稼働停止となり(工程s111)、原材料受入・供給設備Vからの被収容物の補給が開始される(工程s112)。
(2-2)図12及び図13は、下流側の貯蔵装置S2*からの排出量の減少を、上流側の貯蔵装置S1*からの排出により補い、それにより貯蔵装置S2*から貯蔵装置S1*へと排出を切替えるための制御の一例の概要説明図である。各図中(A)及び(B)は、貯蔵装置S2*及び制御装置S1*がそれぞれ関係する制御工程を説明するものである。
(2-2-1)まず、下流側の貯蔵装置S2*では、フィーダー及びその他の排出量制御手段は稼働中であり、当該その他の排出量制御手段により、排出部の排出バルブが開の状態にあり、収容部内の被収容物が、排出部出口からフィーダーに向けて払出され、フィーダーにより位置Q2まで搬送され、位置Q2で、燃料燃焼装置7に向かって被搬送物を搬送するための搬送経路を構成する搬送装置に移載され、当該搬送装置により位置Q2を経由してさらに下流側の最終目的場所(燃料燃焼装置7)に向けて搬送されている(工程s131)。当該搬送装置により搬送されている被搬送物の量を、仮に、100とする。
排出部出口からの被収容物の払出しに伴い、収容部内の被収容物の残存レベルが低下し、予め設定された残存レベルAに達すると、その時点で、レベル計測装置は、残存レベルAに対応する信号Aを発信する(工程s132)。貯蔵装置S2*の収容部内の被収容物がさらに減少し、予め設定された残存レベルBに達すると、その時点で、レベル計測装置は、残存レベルBに対応する信号Bを発信する(工程s133)。信号A及び信号Bの発信先は、運転制御装置9である。
残存レベルAは、工程s102における残存レベル1と比べて、同じレベル又は高いレベル(排出部出口からの被収容物の払出しの開始からより短い時間で到達するレベル)である。一方、残存レベルBは、工程s103における残存レベル2と比べて、高いレベル(排出部出口からの被収容物の払出しの開始からより短い時間で到達するレベル)である。これは、下流側の貯蔵装置から上流側の貯蔵装置への排出源の切替えの方が、逆の場合よりも、制御に時間的な余裕がないため、後述する工程s233をより早期に実行する必要があるためである。
収容部内の被収容物が残存レベルBに達した後、ブリッジ防止手段の稼働が開始される(工程s134)。ブリッジ防止手段の稼働の開始のタイミングや稼働のさせ方については、工程s104におけるブリッジ防止手段の場合と同様、被収容物の排出源を切替えるという制御の目的を達成できるものである限り、特に制限はない。
排出部出口からフィーダーへ払出される被収容物は、その払出量が減少し始め、引き続き減少しながら(工程s135)、減少の開始前の工程s131の場合と同様に、フィーダーにより位置Q2へ搬送され、そこで、搬送経路を構成する搬送装置へ移載され、当該搬送装置により位置Q2より下流側に向けて搬送される(工程s136)。それ故、被収容物は、その払出しの減少開始部分及びそれに引き続く減少部分の順に搬送されて、被搬送物として位置Q2に到達する(工程s137、工程s138)。
(2-2-2)工程s135では、払出量減少遅延化措置も実行される。払出量減少遅延化措置は、運転制御装置9による制御の下で実行される、排出部出口からフィーダーへの被収容物の払出しの開始及び/又は終了を遅らせる措置を意味する。工程s135で実行される払出量減少遅延化措置は、例えば、当初の払出量(100相当)が予め設定された閾値(仮に90相当とする)に達したことを計測装置により検知したとき、排出量制御手段により(特に排出部の排出バルブをある程度閉めて)、払出量を予め設定された目標値(仮に30相当とする)まで強制的に低下させ、被収容物の残量がゼロもしくはそれに近い値になるまで又は一定時間が経過するまで、その30相当の目標値を維持することで、被収容物の払出しの終了を遅らせる措置である(図14(a)参照)。
ブリッジ防止手段の稼働は、貯蔵装置S2*の収容部内の被収容物の詰まり、停留、閉塞等を排出部内に移動させるので、被収容物の払出量の減少の開始や終了を遅延させる効果も奏する。それ故、工程s134で開始されたブリッジ防止手段の稼働が工程s135の実行時においても継続している場合には、当該ブリッジ防止手段の稼働は、工程s135で実行される払出量減少遅延化措置に含まれる。
払出量減少遅延化措置により、排出源の切替え制御における時間的な余裕のなさが解消又は緩和される。
(2-2-3)他方、上流側の貯蔵装置S1*では、当初、排出部出口は全閉で、収容部は被収容物が原材料受入・供給設備Vにより補給された状態にあり、フィーダーは稼働していないが(工程S231)、信号Aを受信した運転制御装置9から発信された命令信号に基づき、貯蔵装置S1*は稼働準備に入り、準備完了後、次の命令信号を待つ待機状態になり、フィーダの稼働は開始される(工程s232)。
次いで、貯蔵装置S1*では、信号Bを受信した運転制御装置9から発信された命令信号に基づき、当該命令信号の受信直後に又はその受信に引き続く所定の遅延時間Pt[s1*]の経過後に排出部の排出バルブが開となり、排出部出口からフィーダーへの被収容物の払出しが開始され、その払出量は増加してゆく(工程s233)。開の状態にある排出バルブの開度及び被収容物の払出量の増加のそれぞれの程度(その経時的変化を含む)は、運転制御装置9による制御の下で、排出量制御手段により調整される。
工程s233における被収容物の払出量の増加の開始とそれに引き続く増加は、工程s135における被収容物の払出量の減少の開始とそれに引き続く減少を可能な限り補うように、排出量制御手段により設定される。例えば、工程s135における払出量の減少が、払出量減少遅延化措置により、図14(a)に示すような「当初100相当であった払出量がある基準時刻T0[s2*]から時間Pt[1]が経過した時点で90相当の閾値に達し、その直後に30相当に低下し、その後時間Pt[2]が経過するまで30相当の払出量が維持される」という経時的変化に設定されたときは、工程s233における払出量の増加は、「図14(b)に示すような「ある基準時刻T0[s1*]から時間Pt[1]が経過するまでの間はゼロから10相当に増加し、時間Pt[1]経過直後に70相当に増加し、その後Pt[2]が経過するまで70相当の払出量が維持される」という経時的変化になるように、運転制御装置9による制御の下で、排出量制御手段により調整される。
フィーダーへ払出された被収容物は、当該フィーダーにより位置Q1へ搬送され、そこで、搬送経路を構成する搬送装置へ移載され、さらに当該搬送装置により位置Q2へ搬送される(工程s234)。それ故、被収容物は、その払出しの増加開始部分及びそれに引き続く増加部分の順に搬送されて、被搬送物として位置Q2に到達する(工程s235、工程s236)。当該被収容物は、位置Q2において初めて、貯蔵装置S2*から排出された被収容物と一緒になり、一緒に同じ当該搬送装置により位置Q2の下流側に向けて搬送される。
(2-2-4)位置Q2において一緒になる、貯蔵装置S2*から排出された被収容物と貯蔵装置S1*から排出された被収容物という排出源が異なる被収容物の総量は、運転制御装置9により、許容変動範囲(例えば、より望ましい総量(100相当)を中心として許容変動範囲がプラス・マイナス10%の範囲)に収まるように制御される。当該総量が許容変動範囲に収まっている限り、例えば、貯蔵装置S2*から排出された被収容物の減少開始部分と貯蔵装置S1*から排出された被収容物が位置Q2において初めて一緒になる到達する時刻は、貯蔵装置S1*から排出された被収容物の増加開始部分と貯蔵装置S2*から排出された被収容物が位置Q2において初めて一緒になる到達する時刻と一致している必要はない。
当該総量が許容変動範囲に収まらない場合には、収まるように、運転制御装置9により又は運転制御装置9において実行されているコンピュータプログラムを修正することにより、残存レベルB、信号Bの発信タイミング、工程s233における遅延時間Pt[s1*]などを変更する、(b)貯蔵装置S2*から排出される被収容物の減少量の経時的変化を変更する、(c)貯蔵装置S1*から排出される被収容物の増加量の経時的変化を変更する、などの調節が行なわれる。左記(b)に関しては、例えば、工程s135における、貯蔵装置S2*の排出部出口からフィーダーへの被収容物の排出量の減少の経時的変化を、払出量減少遅延化措置の実行により又はその実行とは独立に、当該被収容物を自然落下により払出す場合の軌跡や直線状の軌跡ではなく、時間の経過に伴い傾斜が変化する又は一段もしくは二段以上の階段状に変化する軌跡になるように排出量制御手段を制御する。左記(c)に関しては、例えば、工程s233における、貯蔵装置S1*の排出部出口からフィーダーへの被収容物の排出量の増加の経時的変化を、直線状の軌跡ではなく、時間の経過に伴い傾斜が変化する又は一段もしくは二段以上の階段状に変化する軌跡になるように排出量制御手段を制御する。
(2-2-5)貯蔵装置S2*の排出部出口から払出された被収容物であって、フィーダーにより位置Q2へ搬送されていた被搬送物の量が、その位置でゼロもしくはそれに近い所定値まで減少した段階で又は予め設定された一定時間の経過後、排出部の排出バルブは全閉にされ、それにより、位置Q2における当該被搬送物の減少は終了となる(工程s139)。一方、貯蔵装置S1*の排出部出口から払出された被収容物であって、フィーダー及び搬送経路を構成する搬送装置により位置Q2へ搬送されていた被搬送物の量が、その位置で100又はそれに近い所定値にまで増加した段階で、位置Q2における当該被搬送物の増加は終了となる(工程s237)。
工程s139における被搬送物の減少の終了の時刻は、位置Q2において一緒になる排出源が異なる被収容物との総量が許容変動範囲に収まっている限り、工程s237における被搬送物の増加の終了の時刻と一致している必要はない。
(2-2-6)かくして、位置Q2における、工程s137乃至工程s139ならびに工程s235乃至工程s237を通じて、貯蔵装置S2*から貯蔵装置S1*への排出源の切替えが完了する(工程s140、工程s238)。
その後、貯蔵装置S2*では、ブリッジ防止手段及びフィーダーが稼働停止となり(工程s141)、原材料受入・供給設備Vからの被収容物の補給が開始される(工程s142)。
(2-3)以降は、上流側の貯蔵装置S1*と下流側の貯蔵装置S2*との間で、上記(2-1)及び(2-2)で説明した制御により、排出源の切替えが円滑に繰り返される。
[第二の実施形態]
<基本形>
(1)図15は、第二の実施形態の基本形のブロック図である。図15に示す化石燃料代替燃料の搬送システムWは、位置Nb及び位置Ncよりも下流側を除き、位置Nc近傍が[Z1]の構成である場合には、図5に示すもの(第一の実施形態の変形例4)と同じであり、位置Nc近傍が[Z2]の構成である場合には、図6に示すもの(第一の実施形態の変形例5)と同じである。
この搬送システムWは、(a)位置Nb及び位置Ncよりも下流側は、位置Nbから第一の粉砕装置41及び混合装置42を順に経由して燃料燃焼装置7に至る第一の搬送経路L1(又は、受継部J2#の動作次第では、第二の搬送経路L2)及びそれを構成する装置(第一の粉砕装置41及び混合装置42を含むが、受継部J2#は含まない)、(b)位置Ncから第二の粉砕装置51、位置Ndに配置する第四受継部J4及び混合装置42を順に経由して燃料燃焼装置7に至る第二の搬送経路L1(又は、受継部J2#の動作次第では、第一の搬送経路L2)及びそれを構成する装置(第二の粉砕装置51、第四受継部J4及び混合装置42を含むが、第三受継部J3は含まない)、(c)位置Ncから第二の粉砕装置51及び第四受継部J4を順に経由して且つ混合装置42を経由することなく燃料燃焼装置7に至る第二の搬送経路L2(又は、受継部J2#の動作次第では、第一の搬送経路L1)及びそれを構成する装置(第二の粉砕装置51及び第四受継部J4を含むが、第三受継部J3及び混合装置42は含まない)、(d)第三の搬送経路L3の一部である経路R1及びこれを構成する装置、ならびに(e)第三の搬送経路L3の一部である経路R2及びこれを構成する装置、を備えている。
上記(d)は、位置Ncから第二の粉砕装置51、第四受継部J4を順に経由して且つ混合装置42を経由することなく、燃料燃焼装置7に至る第三の搬送経路L3及びそれを構成する装置(第二の粉砕装置51及び第四受継部J4を含むが、第三受継部J3及び混合装置42は含まない)であり、上記(e)は、位置Ncから第二の粉砕装置51、第四受継部J4及び混合装置42を順に経由して燃料燃焼装置7に至る第三の搬送経路L3及びそれを構成する装置(第二の粉砕装置51、第四受継部J4及び混合装置42を含むが、第三受継部J3は含まない)である。
受継部J2#が、第一の粉砕装置41を経由する搬送経路を構成する装置のみへの化石燃料代替燃料の受け継がせ又は移載を行う場合には、第三受継部J3は、第三の搬送装置L3)を構成する装置への化石燃料代替燃料の受け継がせ又は移載を行わず、化石燃料のみが第二の粉砕装置51に投入され、そこで粉砕され、下流側の第四受継部J4に向けてさらに搬送される。受継部J2#が、第一の粉砕装置41を経由しない(位置Nbと位置Ncとの間の)搬送経路を構成する装置のみへの化石燃料代替燃料の受け継がせ又は移載を行う場合には、第三受継部J3は、第三の搬送装置L3)を構成する装置への化石燃料代替燃料の受け継がせ又は移載を行い、化石燃料と化石燃料代替燃料が混合状態で第二の粉砕装置51に投入され、そこで粉砕され、下流側の第四受継部J4に向けてさらに搬送される。
なお、化石燃料と化石燃料代替燃料が混合状態で第二の粉砕装置51に投入され、そこで粉砕されると、両物質の混合が進行する。その点を考慮すると、第二の粉砕装置51は粉砕混合装置に該当するといって差し支えない。
第四受継部J4は、第二の粉砕装置51から排出され、位置Ndに搬送されてきた被搬送物を、経路R1及び経路R2のいずれかを構成する装置に選択的に移載するための機構を備えている。当該機構は、受継部J2#の機構と同様に、公知のもので足りる。
第四受継部J4は、搬送されてきた被搬送物が第二の粉砕装置51により粉砕された化石燃料のみである場合には、当該被搬送物を経路R2を構成する装置に移載し、搬送されてきた被搬送物が、第二の粉砕装置51により粉砕された化石燃料と化石燃料代替燃料である場合には、経路R2を構成する装置に移載する。
第二の搬送経路L2(又は運転制御装置9による制御次第では、第一の搬送経路L1)と第三の搬送経路L3は、いずれも、位置Ncの下流側において、第二の粉砕装置51及び第四受継部J4を経由又は通過して燃料燃焼装置7に至っており、故に第二の粉砕装置51及び四受継部J4を共用しており、しかも、位置Ncと燃料燃焼装置7に至るまでの第二の粉砕装置51の下流側、つまり第二の粉砕装置51と燃料燃焼装置7との間の範囲で第二の搬送経路L2(又は第一の搬送経路L1)の一部と第三の搬送経路L3の一部は共用経路を成し、その共用経路を構成する装置(第二の粉砕装置51及び四受継部J4は除く)を共用している。また、第二の搬送経路L2(又は運転制御装置9による制御次第では、第一の搬送経路L1)と第三の搬送経路L3は、いずれも、混合装置42を経由又は通過して燃料燃焼装置7に至っており、故に混合装置42を共用しており、しかも、混合装置42と燃料燃焼装置7との間の範囲で第二の搬送経路L2(又は第一の搬送経路L1)の一部と第三の搬送経路L3の一部は共用経路を成し、その共用経路を構成する装置(混合装置42は除く)を共用している。
それ故、この搬送システムWは、より簡素な、ひいては設備費の高額化を回避可能な構成となっている。
<変形例1>
図16は、第二の実施形態の変形例1のブロック図である。図16に示す化石燃料代替燃料の搬送システムWは、次に掲げる(a)及び/又は(b)を除き、図15に示すもの(第二の実施形態の基本形)と同じである:(a)第一の貯蔵装置1が第一の搬送経路L1に対して並列に配置する複数個の貯蔵装置Sa、Sbを備えること、及び/又は(b)第二の貯蔵装置2が第一の搬送経路L2に対して並列に配置する複数個の貯蔵装置Sc、Sdを備えていること。
図16では、上記(a)及び(b)の両方が描写されているが、図16に示す搬送システムWでは、上記(a)及び(b)の構成のうち少なくとも一を有すれば足りる。図16中の位置Nc近傍は[Z2]の構成になっているがであるが、[Z1]の構成であってもよい。
上記(a)及び/又は(b)は、図7に示すもの(第一の実施形態の変形例6)が、第一の貯蔵装置1として備える貯蔵装置Sa、Sb、及び/又は貯蔵装置2として備える貯蔵装置Sc、Sdと同じである。それ故、図8に基づく、一方の貯蔵装置からの被収容物の排出を他方の貯蔵装置からの排出に切替えるための制御についての説明は、この搬送システムWに関しても当てはまる。
<変形例2>
図17は、第二の実施形態の変形例2のブロック図である。図17に示す化石燃料代替燃料の搬送システムWは、次に掲げる(a)及び/又は(b)を除き、図16に示すもの(第二の実施形態の変形例1)と同じである:(a)貯蔵装置Sa、Sbが備えるフィーダー22a、22bと第一の搬送経路L1を構成する搬送装置との間に、ホッパーH1が介設されていないこと、そのため、貯蔵装置Sa、Sbの排出部20a、20bが具備する出口からフィーダー22a、22bに排出された化石燃料代替燃料は、フィーダー22a、22bにより搬送された後、ホッパーH1に収容されることなく、フィーダー22a、22bから第一の搬送経路L1を構成する搬送装置に移載されること、及び/又は(b)貯蔵装置Sc、Sdが備えるフィーダー22c、22dと第二の搬送経路L2を構成する搬送装置との間に、ホッパーH2が介設されていないこと、そのため、貯蔵装置Sc、Sdの排出部20c、20dが具備する出口からフィーダー22c、22dに排出された化石燃料代替燃料は、フィーダー22c、22dにより搬送された後、ホッパーH2に収容されることなく、フィーダー22c、22dから第二の搬送経路L2を構成する搬送装置に移載されること。
図17では、上記(a)及び(b)の両方が描写されているが、図17に示す搬送システムWでは、上記(a)及び(b)の構成のうち少なくとも一を有すれば足りる。図17中の位置Nc近傍は[Z2]の構成になっているがであるが、[Z1]の構成であってもよい。
上記(a)及び(b)は、それぞれ、図9における貯蔵装置Sa、Sb及び貯蔵装置Sc、Sdと同じである。それ故、図10及び図11に基づく、一方の貯蔵装置からの被収容物の排出を他方の貯蔵装置からの排出に切替えるための制御についての説明は、この搬送システムWに関しても当てはまる。
[第三の実施形態]
<基本形>
(1)図18は、第三の実施形態の基本形のブロック図である。図18に示す化石燃料代替燃料の搬送システムWは、次に掲げる(a)及び(b)を除き、図15に示すもの(第二の実施形態の基本形)と同じである:(a)第一の貯蔵装置1と第一の粉砕装置41との間の範囲及び第二の貯蔵装置2と第二の粉砕装置51との間の範囲において、第一の搬送経路L1の一部と第二の搬送経路L2の一部は共用経路を成しておらず、共用装置を構成しているものがなく、従って位置Na及び位置Nbに相当する箇所はなく(それ故、当然、位置Naと位置Nbとの間に搬送経路は存在せず)、第一受継部J1、第二受継部J2及び受継部J2#も備えていないこと、ならびに(b)第一の搬送経路L1は、第一の貯蔵装置1から排出された第一の化石燃料代替燃料が第一の粉砕装置41及び混合装置42を順に経由又は通過して燃料燃料装置7に至る経路であり、第二の搬送経路L3は、第二の貯蔵措置2から排出された第二の化石燃料代替燃料が、位置NCに配置する第三受継部J3、第二の粉砕装置51及び位置Ndに配置する第四受継部J4を順に経由又は通過して燃料燃料装置7に至る経路であること。
位置Nc近傍は、図15に示すものと同様に、[Z1]の構成であっても、[Z2]の構成であってもよい。
第一の粉砕装置41及びその下流から燃料燃料装置7に至るまでの範囲、ならびに第二の粉砕装置51及びその下流から燃料燃料装置7に至るまでの範囲は、図9に示すものと同じである。そのため、第二の搬送経路L2(又は運転制御装置9による制御次第では、第一の搬送経路L1)と第三の搬送経路L3は、第二の粉砕装置51及び四受継部J4を共用しており、第二の粉砕装置51と燃料燃焼装置7との間の範囲で第二の搬送経路L2(又は第一の搬送経路L1)の一部と第三の搬送経路L3の一部は共用経路を成し、その共用経路を構成する装置(第二の粉砕装置51及び四受継部J4は除く)を共用している。また、第二の搬送経路L2(又は運転制御装置9による制御次第では、第一の搬送経路L1)と第三の搬送経路L3は、混合装置42を共用しており、混合装置42と燃料燃焼装置7との間の範囲で第二の搬送経路L2(又は第一の搬送経路L1)の一部と第三の搬送経路L3の一部は共用経路を成し、その共用経路を構成する装置(混合装置42は除く)を共用している。それ故、この搬送システムWは、図15に示すものと同様に、より簡素な、ひいては設備費の高額化を回避可能な構成となっている。
<変形例1>
図19は、第二の実施形態の変形例1のブロック図である。図19に示す化石燃料代替燃料の搬送システムWは、次に掲げる(a)及び/又は(b)を除き、図18に示すもの(第三の実施形態の基本形)と同じである:(a)第一の貯蔵装置1が第一の搬送経路L1に対して並列に配置する複数個の貯蔵装置Sa、Sbを備えること、及び/又は(b)第二の貯蔵装置2が第一の搬送経路L2に対して並列に配置する複数個の貯蔵装置Sc、Sdを備えていること。
図19では、上記(a)及び(b)の両方が描写されているが、図19に示す搬送システムWでは、上記(a)及び(b)の構成のうち少なくとも一を有すれば足りる。図19中の位置Nc近傍は[Z2]の構成になっているがであるが、[Z1]の構成であってもよい。
上記(a)及び/又は(b)は、図7に示すもの(第一の実施形態の変形例6)が、第一の貯蔵装置1として備える貯蔵装置Sa、Sb、及び/又は貯蔵装置2として備える貯蔵装置Sc、Sdと同じである。それ故、図8に基づく、一方の貯蔵装置からの被収容物の排出を他方の貯蔵装置からの排出に切替えるための制御についての説明は、この搬送システムWに関しても当てはまる。
<変形例2>
図20は、第三の実施形態の変形例2のブロック図である。図20に示す化石燃料代替燃料の搬送システムWは、次に掲げる(a)及び(b)を除き、図19に示すもの(第三の実施形態の変形例1)と同じである:(a)貯蔵装置Sa、Sbが備えるフィーダー22a、22bと第一の搬送経路L1を構成する搬送装置との間に、ホッパーH1が介設されていないこと、そのため、貯蔵装置Sa、Sbの排出部20a、20bが具備する出口からフィーダー22a、22bに排出された化石燃料代替燃料は、フィーダー22a、22bにより搬送された後、ホッパーH1に収容されることなく、フィーダー22a、22bから第一の搬送経路L1を構成する搬送装置に移載されること、及び/又は(b)貯蔵装置Sc、Sdが備えるフィーダー22c、22dと第二の搬送経路L2を構成する搬送装置との間に、ホッパーH2が介設されていないこと、そのため、貯蔵装置Sc、Sdの排出部20c、20dが具備する出口からフィーダー22c、22dに排出された化石燃料代替燃料は、フィーダー22c、22dにより搬送された後、ホッパーH2に収容されることなく、フィーダー22c、22dから第二の搬送経路L2を構成する搬送装置に移載されること。
図20では、上記(a)及び(b)の両方が描写されているが、図20に示す搬送システムWでは、上記(a)及び(b)の構成のうち少なくとも一を有すれば足りる。図20中の位置Nc近傍は[Z2]の構成になっているがであるが、[Z1]の構成であってもよい。
上記(a)及び(b)は、それぞれ、図9における貯蔵装置Sa、Sb及び貯蔵装置Sc、Sdと同じである。それ故、図10及び図11に基づく、一方の貯蔵装置からの被収容物の排出を他方の貯蔵装置からの排出に切替えるための制御についての説明は、この搬送システムWに関しても当てはまる。
以上、本発明の第一乃至第三の実施形態では、複数種類の化石燃料代替燃料の搬送を、全体としてより簡素な、ひいては設備費の高額化を回避可能な構成で実現している。
本発明は、第一乃至第三の実施形態に限定されず、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができ、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
本明細書における各用語の意味又は解釈は、本発明の技術的範囲が均等の範囲にまで及ぶことを妨げるものではない。