JP7414274B2 - 粉体塗料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、外観および耐候性に優れた塗膜を形成できる粉体塗料組成物に関する。
一般に、粉体塗料は溶剤系塗料よりも外観の面で劣っているため、ガスボンベや建材外装といった、美観がそれほど要求されない用途で主に使用されてきた。近年、塗料業界において、従来の溶剤型塗料に代わり得るものとして、揮発性有機化合物(VOC)を全く含まず、排気処理や廃水処理が不要で回収再利用も可能な環境に優しい塗料が求められており、外観に優れた粉体塗料の開発ニーズが高まっている。
粉体塗料を構成する主体樹脂として、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ふっ素樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される。このうち、ポリエステル樹脂やフッ素樹脂を主体樹脂とする粉体塗料は、耐候性、機械物性等の諸性能のバランスに優れているが、直近の市場要求の外観を達成するには至っていない。一方、エポキシ樹脂を主体樹脂とする粉体塗料は、外観に優れている反面、耐候性に難があるので、市場からの要望に十全に応えることができない。このように、耐候性に優れる特長をもった粉体塗料、もしくは外観に優れる特長を持った粉体塗料は知られているが、それらを高度に両立した粉体塗料はいまだ知られていないのが現状である。
特許文献1および2には、フッ素樹脂およびポリエステル樹脂を含有し、耐候性に優れた粉体塗料が記載されているが、外観の点から満足のいくものではない。
特開2017-179091号公報 特開2011-11117号公報
本発明は、外観および耐候性に優れた塗膜を形成できる粉体塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、所定の酸価を有するポリエステル樹脂、硬化剤、紫外線吸収剤、およびヒンダードアミン系光安定剤を含有する粉体塗料組成物が、外観に優れ、かつ一般的なポリエステル樹脂含有粉体塗料を上回る耐候性を有することを見出した。さらに、好ましい態様においては、良好な付着性、耐衝撃性、塗膜硬度、およびリコート性を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は
〔1〕下記成分(A)および下記成分(B)の合計量100質量部に対し、下記成分(B)を1.0~15.0質量部、下記成分(C)を0.1~5.0質量部、下記成分(D)を0.1~5.0質量部、下記成分(E)を0.5~5.0質量部含有する粉体塗料組成物、
成分(A):酸価が30~60mg/KOHのポリエステル樹脂
成分(B):硬化剤
成分(C):紫外線吸収剤
成分(D):ヒンダードアミン系光安定剤
成分(E):レベリング剤
〔2〕前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が50~70℃である、〔1〕記載の粉体塗料組成物、
〔3〕前記ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)が1000~10000である、〔1〕または〔2〕記載の粉体塗料組成物、
〔4〕前記硬化剤がβ-ヒドロキシアルキルアミドである、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の粉体塗料組成物、
〔5〕前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤および/またはヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の粉体塗料組成物、
〔6〕エポキシ樹脂を含有しない、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の粉体塗料組成物、に関する。
本発明によれば、外観および耐候性に優れた塗膜を形成できる粉体塗料組成物を提供することができる。
<粉体塗料組成物>
本実施形態に係る粉体塗料組成物は、酸価が30~60mg/KOHのポリエステル樹脂、硬化剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、およびレベリング剤を必須の成分として含有する。なお、本明細書においては、酸価が30~60mg/KOHのポリエステル樹脂を「成分(A)」;硬化剤を「成分(B)」;紫外線吸収剤を「成分(C)」;ヒンダードアミン系光安定剤を「成分(D)」;レベリング剤を「成分(E)」と称する場合がある。
本明細書において、「~」を用いて数値範囲を示す場合、その両端の数値を含むものとする。
[成分(A):酸価が30~60mg/KOHのポリエステル樹脂]
本実施形態に係る粉体塗料組成物は、外観および耐候性を両立した塗膜を形成する観点から、酸価が30~60mg/KOHのポリエステル樹脂を含有することを特徴とする。
本実施形態に係るポリエステル樹脂は、例えば、多塩基酸成分および多価アルコール成分とのエステル化反応またはエステル交換反応によって製造することができる。
多塩基酸成分としては、例えば、脂環族多塩基酸、脂肪族多塩基酸、芳香族多塩基酸等を使用することができ、芳香族多塩基酸が好ましい。なお、多塩基酸成分は、酸無水物やエステル等、反応系中において多塩基酸と等価なものであってもよい。すなわち、ポリエステル樹脂は、典型的には、多塩基酸に由来する構造単位と、多価アルコールに由来する構造単位とを含む。
脂環族多塩基酸は、一般に1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4~6員環)と2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸、3-メチル-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、4-メチル-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5-シクロヘキサントリカルボン酸等が挙げられ、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、および4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸が好ましく、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸がより好ましい。これらは、単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。
脂肪族多塩基酸は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族化合物であり、炭素数4~18のアルキレン鎖を有するジカルボン酸が好ましい。脂肪族多塩基酸成分の具体例としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸、クエン酸等が挙げられる。これらは、単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。
芳香族多塩基酸としては、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられ、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、および無水フタル酸が好ましい。これらは、単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。
多価アルコール成分としては、1分子中に2個以上の水酸基を有する多価アルコールを好適に使用することができる。上記多価アルコールとしては、例えば、脂環族ジオール、脂肪族ジオール、芳香族ジオール、および3価以上の多価アルコール等が挙げられる。
脂環族ジオールは、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4~6員環)と2個の水酸基を有する化合物であり、例えば、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の2価アルコール;これらの2価アルコールにε-カプロラクトン等のラクトン化合物を付加したポリラクトンジオール等が挙げられる。これらは、単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。
脂肪族ジオールは、一般に、分子中に2個の水酸基を有する脂肪族化合物であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、3-メチル-1,2-ブタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2,3-ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルジオール化合物等が挙げられ、エチレングリコールおよびネオペンチルグリコールが好ましい。これらは、単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。
芳香族ジオールは、一般に、1分子中に2個の水酸基を有する芳香族化合物である。該芳香族ジオールとしては、例えば、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール化合物;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらは、単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。
3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニット等の3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε-カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させたポリラクトンポリオール化合物;トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2-ヒドロキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2-ヒドロキシブチル)イソシアヌレート等のトリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレート等が挙げることができる。これらのうち、特に、トリメチロールプロパンが好ましい。
本実施形態に係るポリエステル樹脂の製造方法は、特に限定されないが、例えば、前記多塩基酸成分と多価アルコール成分とを、窒素気流中150~250℃で5~10時間反応させて、エステル化反応またはエステル交換反応を行なうことにより製造することができる。前記エステル化またはエステル交換反応の際には、反応を促進させるために、触媒を用いてもよい。触媒としては、ジブチル錫オキサイド、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の既知の触媒を使用することができる。
本実施形態に係るポリエステル樹脂は、該樹脂の調製中、もしくはエステル化反応後またはエステル交換反応後に、脂肪酸、油脂、モノエポキシ化合物、モノアルコール化合物、ポリイソシアネート化合物等で変性することができる。
脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等の脂肪酸;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
油脂としては、例えば、ヤシ油、綿実油、麻実油、米ぬか油、魚油、トール油、大豆油、アマニ油、桐油、ナタネ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、サフラワー油等が挙げられる。
上記変性に用いられるポリイソシアネート化合物としては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン-2,4-ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン-2,6-ジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;リジントリイソシアネート等の3価以上のポリイソシアネート等の有機ポリイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した各有機ジイソシアネート同士の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビゥレット型付加物等が挙げられる。これらは、単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
本実施形態に係るポリエステル樹脂は、所定の酸価を有する観点から、カルボキシル基等の酸基を有することが好ましい。また、水酸基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、イソシアネート基、アリル基等を有していてもよい。これらの官能基は、後述する硬化剤の選択にあわせることもできる。
本実施形態に係るポリエステル樹脂の酸価は、30~60mgKOH/gであり、33~60mgKOH/gが好ましい。ポリエステル樹脂の酸価を前記の範囲とすることにより、外観および耐候性をバランスよく向上させることができる。なお、本実施形態において、酸価は、樹脂1g中に含まれる酸性遊離官能基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数を、フェノールフタレインを指示薬としたアルカリ中和滴定に基づく常法により求めたものであり、電位差滴定法(JIS K 0070:1992)により測定され得る。
本実施形態に係るポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、塗膜が堅く脆くなり耐衝撃性が低下することを防止する観点から、1000以上が好ましく、1500以上がより好ましい。また、ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、塗膜が柔らかくなり表面の硬度が低下することを防止する観点から、10000以下が好ましく、7000以下がより好ましく、4000以下がさらに好ましい。なお、本明細書において、数平均分子量(Mn)は、は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン換算の値として測定することができる。
本実施形態に係るポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、機械物性の観点から、50℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましい。また、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、外観に優れる観点から、70℃以下が好ましく、65℃以下がより好ましい。なお、本明細書において、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)により測定される。
ポリエステル樹脂は、公知の方法により製造することができる。また、DIC(株)、ダイセル・オルネクス(株)、日本ユピカ(株)、DSM社等より市販されているものも使用することができる。前記で列挙されたポリエステル樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[成分(B):硬化剤]
本実施形態に係る粉体塗料組成物は、前記のポリエステル樹脂とともに硬化剤を含有する。ポリエステル樹脂は、該樹脂が有する水酸基やカルボキシル基と硬化剤との反応により架橋結合を形成することができる。
本実施形態において使用可能な硬化剤としては、例えば、β-ヒドロキシアルキルアミド、ブロックイソシアネート、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。ブロックイソシアネートのブロック剤は毒性があることが知られている。また、トリグリシジルイソシアヌレートには、皮膚刺激性がある事が知られている。塗料の安全性と環境負荷を鑑み、β-ヒドロキシアルキルアミドを硬化剤とすることが好ましい。塗膜硬度や耐加水分解性を重視する場合は、ブロックイソシアネートを硬化剤とすることが好ましい。硬化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
β-ヒドロキシアルキルアミドは、アミド基のβ位の炭素にヒドロキシ基が置換している化合物であれば特に限定されず、例えば、1分子中に、アミド基のβ位の炭素にヒドロキシ基が置換している構造を1つ以上(好ましくは2~6個)含む化合物を用いることができる。
β-ヒドロキシアルキルアミドの具体例としては、例えば、N,N-ジ(β-ヒドロキシエチル)アセトアミド、ビス(β-ヒドロキシエチル)アジポアミド、ビス(β-ヒドロキシプロピル)アジポアミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシエチル)]アジポアミド、ビス[N,N-(β-ヒドロキシプロピル)]アジポアミド等が挙げられる。市販のβ-ヒドロキシアルキルアミドとしては、例えば、EMS-CHEMIE社製のPrimid XL-552、QM-1260、SF-4510、SIR社製のPROSID H、S、411、H30A、H50A、Hungzhou Right Chemical社製のHAA Hardner KC522、MEGARA RESINS社製のMagamid XL等が挙げられる。
ブロックイソシアネートとしては、例えば、脂肪族、芳香族または芳香脂肪族のジイソシアネートと、活性水素を有する低分子化合物とを反応させて得たポリイソシアネートをブロック剤と反応させ、マスキングすることにより製造することができる。前記ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。前記活性水素を有する低分子化合物としては、例えば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソシアヌレート、ウレチジオン、ヒドロキシル基を含有する低分子量ポリエステル、ポリカプロラクトン等が挙げられる。また、ブロック剤としては、例えば、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類;フェノール、クレゾーン等のフェノール類;カプロラクタム、ブチロラクタム等のラクタム類;シクロヘキサノン、オキシム、メチルエチルケトオキシム等のオキシム類等が挙げられる。ブロックイソシアネートの具体例としては、ε-カプロラクタムでブロックされたイソホロンジイソシアネート(エボニック社製のベスタゴン B1530、バイエル社製のクレラン UI)等が挙げられる。
トリグリシジルイソシアヌレートの具体例としては、例えば、ハンツマン社製のAraldite等が挙げられる。
前記成分(A)および前記成分(B)の合計量100質量部中の前記成分(B)の含有量は、耐候性、付着性、および耐衝撃性の観点から、1.0質量部以上であり、3.0質量部以上が好ましく、5.0質量部以上がより好ましい。一方、外観向上の観点からは、15.0質量部以下であり、12.0質量部以下が好ましく、10.0質量部以下がより好ましい。
成分(B)がβ-ヒドロキシアルキルアミドの場合、ポリエステル樹脂が有するカルボキシル基(-COOH)の数に対する、β-ヒドロキシアルキルアミドが有する水酸基(-OH)の数((-OH)/(-COOH))は、0.5以上が好ましく、0.7以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましく、0.9以上が特に好ましい。(-OH)/(-COOH)が0.5未満の場合、耐候性や機械物性が低下する傾向がある。また、(-OH)/(-COOH)は、1.5以下が好ましく、1.4以下がより好ましく、1.3以下がさらに好ましく、1.2以下が特に好ましい。(-OH)/(-COOH)が1.5超の場合、耐候性や耐水性が低下する傾向がある。
[成分(C):紫外線吸収剤]
本実施形態に係る粉体塗料組成物は、耐候性の観点から、紫外線吸収剤を含有する。紫外線吸収剤は、塗膜に有害な290~380nmの紫外線を吸収し、無害の熱エネルギーに変換し、塗膜に存在する限り半永久的に効果を示すことが知られており、主体樹脂の光沢保持および顔料の変退色に効果を発揮する。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、マロン酸エステル系、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤等が挙げられ、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤および/またはヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が好ましく、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤がより好ましい。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、BASF社製のTinuvin PS、99-2、326、328、384-2、900、928、1130、ダブルボンドケミカル社製のチソーブ5571、多木化学(株)製のライトエースUV-710、730、750、大和化学工業(株)製のDAINSORB Tシリーズ、(株)ダイセル製のプラクセルUVA-103、城北化学工業(株)製のJF-77、7980、83、シプロ化成(株)製のシーソーブ700シリーズ、山南合成化学(株)製のRPA-0010、0016、クラリアント社製のホスタビン3310、3315等が挙げられる。ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、BASF社製のTinuvin400、405、460、477、479、シプロ化成(株)製のシーソーブ100、101、102、103、015、106、107、151、(株)ADEKA製のアデカスタブLA-32、LA-36等が挙げられる。前記の紫外線吸収剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記成分(A)および前記成分(B)の合計量100質量部に対する紫外線吸収剤の含有量は、耐候性の観点から、0.1質量部以上であり、0.3質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、0.7質量部以上がさらに好ましく、0.9質量部以上が特に好ましい。また、効果の頭打ちおよびコストの観点から、5.0質量部以下であり、4.0質量部以下が好ましく、3.0質量部以下がより好ましく、2.0質量部以下がさらに好ましく、1.5質量部以下が特に好ましい。
[成分(D):ヒンダードアミン系光安定剤]
本実施形態に係る粉体塗料組成物は、耐候性の観点から、紫外線吸収剤とともにヒンダードアミン系光安定剤(Hindered Amine Light Stabilizer:HALS)が好適に使用される。HALSは、290nm以上の光を吸収せず、主体樹脂が紫外線や熱により劣化することにより発生するラジカルを捕捉することが知られている。
HALSの具体例としては、例えば、BASF社製のTinuvin111FDL、144、292、5100、(株)ADEKA製のアデカスタブLA-63P、LA-72、LA-77Y、LA-81等が挙げられる。前記のHALSは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記成分(A)および前記成分(B)の合計量100質量部に対するHALSの含有量は、耐候性の観点から、0.1質量部以上であり、0.2質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.4質量部以上がさらに好ましく、0.5質量部以上が特に好ましい。また、効果の頭打ちおよびコストの観点から、5.0質量部以下であり、3.0質量部以下が好ましく、2.0質量部以下がより好ましく、1.2質量部以下がさらに好ましく、0.9質量部以下が特に好ましい。
[成分(E):レベリング剤]
本実施形態に係る粉体塗料組成物は、外観をより向上させる観点から、レベリング剤を含有する。
レベリング剤としては、例えば、オレフィン系重合体(重量平均分子量[以下Mwと記載]500~5,000、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン);オレフィン系共重合体[Mw500~20,000、例えばエチレン-(メタ)アクリル共重合体];(メタ)アクリル共重合体[Mw1,000~20,000];ポリビニルピロリドン(Mw1,000~20,000);シリコーン系レベリング剤[Mw1,000~20,000、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルシロキサン、カルボキシル、エーテル、エポキシ等で変性されたポリジメチルシロキサン、フッ素化シリコーン]等が挙げられる。前記のレベリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記成分(A)および前記成分(B)の合計量100質量部に対するレベリング剤の含有量は、外観に優れる観点から、0.5質量部以上であり、0.6質量部以上が好ましく、0.7質量部以上がより好ましい。また、効果の頭打ちおよびコストの観点から、5.0質量部以下であり、3.0質量部以下が好ましく、2.0質量部以下がより好ましい。
(その他の添加剤)
本実施形態に係る粉体塗料組成物は、上述した成分に加えて、さらに、ポリエステル樹脂以外の樹脂成分、顔料、表面調整剤、流動調整剤、シリコーン、ワックス、消泡剤、顔料分散剤、酸化防止剤、磁性粉、ベンゾインなどのワキ防止剤、可塑剤、帯電制御剤、抗菌剤、防カビ剤、防虫剤、防藻剤、撥水剤、カップリング剤等を配合してもよい。
前記成分(A)および前記成分(B)の合計量100質量部に対するフッ素樹脂の含有量は、例えば、5.0質量部未満、2.0質量部未満、1.0質量部未満、0.5質量部未満、0.1質量部未満、0.01質量部未満とすることができ、フッ素樹脂を含有しない粉体塗料組成物としてもよい。
前記成分(A)および前記成分(B)の合計量100質量部に対するエポキシ樹脂の含有量は、例えば、2.0質量部未満、1.0質量部未満、0.5質量部未満、0.1質量部未満、0.01質量部未満とすることができ、エポキシ樹脂を含有しない粉体塗料組成物としてもよい。
本実施形態に係る粉体塗料組成物は、着色のために顔料を含有していてもよい。顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。顔料としては、例えば、酸化チタン、ビスマス、酸化鉄、アルミ粉、ガラス、金属粉、カーボンブラック、パールマイカ、透明パールマイカ、着色マイカ、干渉マイカ等の無機系顔料;キナクリドン系、ジケトピロロピロール系、ナフトールAS系、キノキサリン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、インダンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ベンゾイミダゾロン系、キノフタロン系、アントラピリミジン系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アゾ顔料(アゾメチン金属錯体、縮合アゾ等)、銅フタロシアニン、群青、縮合多環類顔料等の有機系顔料が挙げられる。耐熱性および耐候性の観点からは、酸化チタン、ビスマス、酸化鉄、アルミ粉、ガラス、金属粉、カーボンブラック、パールマイカ、透明パールマイカ、着色マイカ、干渉マイカ等の無機系顔料;キナクリドン系、ジケトピロロピロール系、ナフトールAS系、キノキサリン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、インダンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ベンゾイミダゾロン系、キノフタロン系、アントラピリミジン系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アゾメチン金属錯体、銅フタロシアニン等の有機系顔料が好ましい。なお、リン酸金属塩等の防錆顔料や硫酸バリウム等の体質顔料は、耐候性や光沢を低下させる傾向があることから、含有しないことが好ましい。
顔料分散剤としては、顔料に対して吸着性を有する極性基を含有した高分子型分散剤等が挙げられ、例えば、特開平11-80647号公報に例示したものを挙げることができる。また、市販されているものも使用することもできる。該分散剤の分子量は、通常1000~100万である。顔料に対して吸着性を有する極性基としては、リン酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、スルファミン酸基等の酸性基およびその中和塩基、アミノ基およびアミノ基の中和塩基、4級アンモニウム塩基、アミド基、イミド基等があげられる。高分子型分散剤の主骨格としては、アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル等のビニル系モノマーの(共)重合体、ポリエステル、ポリアミドポリアミン等が挙げられる。前記の顔料分散剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
顔料分散剤を含有する場合の前記成分(A)および前記成分(B)の合計量100質量部に対する含有量は、0.1~10.0質量部が好ましく、0.3~5.0質量部がより好ましく、0.5~3.0質量部がさらに好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤等が挙げられる。前記の酸化防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸化防止剤を含有する場合の前記成分(A)および前記成分(B)の合計量100質量部に対する含有量は、0.1~10.0質量部が好ましく、0.3~5.0質量部がより好ましく、0.5~3.0質量部がさらに好ましい。
ワキ防止剤としてベンゾインを含有する場合の前記成分(A)および前記成分(B)の合計量100質量部に対する含有量は、0.1~10.0質量部が好ましく、0.3~5.0質量部がより好ましく、0.5~3.0質量部がさらに好ましい。
流動調整剤を含有する場合の前記成分(A)および前記成分(B)の合計量100質量部に対する含有量は、0.1~1.0質量部が好ましく、0.2~0.5質量部がより好ましい。
<粉体塗料組成物の製造方法>
本実施形態に係る粉体塗料組成物は、前記成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)およびその他添加剤の混合物を、ヘンシェルミキサー等でドライブレンドした後、混練機を用いて、例えば100~160℃にて溶融混練し、得られた混練物を冷却後、ハンマー式衝撃粉砕機で微粉砕し、フルイで分級することにより製造することができる。
<粉体塗料組成物の塗装方法>
得られた粉体塗料組成物は、公知の静電塗装法や流動浸漬塗装法等により被塗物に塗装、焼き付けされ、焼き付け後の乾燥膜厚が30~150μm、好ましくは50~80μmmとなるように塗装することができる。焼き付けは、例えば170~230℃で10~30分間の条件で行うことができる。粉体塗料組成物が塗装可能な基材は特に限定されず、例えば、亜鉛、鉄、アルミニウム、マグネシウム、鋼およびこれらの合金、亜鉛めっき鋼板等の金属基材、これらの金属表面に化成処理被膜が形成されたもの、これらの金属表面を陽極酸化処理したもの、これらの金属基材に必要に応じてプライマー塗装や電着塗装等を施した塗装金属基材等が挙げられる。上記化成処理被膜を形成するために用いる化成処理液としては、例えば、リン酸塩処理液、ジルコニウム処理液およびクロメート処理液等が挙げられる。
本実施形態に係る粉体塗料組成物は、建設機械、農機、ストックハウス等の外観と耐候性を要求される用途に好適に使用される。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例において用いた各種材料をまとめて示す。
ポリエステル樹脂1~5、7、8:後述の製造例1で製造したポリエステル樹脂
ポリエステル樹脂6:ダイセル・オルネクス(株)製のCRYLCOAT 2630-2(酸価:33mg/KOH、Tg:62℃、Mn:2500)
エポキシ樹脂:DIC(株)製のEPICLON 4050
硬化剤:EMS-CHEMIE AG社製のPrimid XL-552(β-ヒドロキシアルキルアミド)
紫外線吸収剤1:BASF社製のTinuvin326(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤2:BASF社製のTinuvin400(ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤)
HALS:BASF社製のTinuvin292
レベリング剤:ビックケミー・ジャパン(株)製のBYK 360P(二酸化ケイ素に吸着したポリアクリレート)
防錆顔料:テイカ(株)製のK-WHITE ♯105
顔料分散剤:ビックケミー・ジャパン(株)製のBYK 3951P
酸化防止剤:BASF社製のIrganox 245
製造例1:ポリエステル樹脂1~5、7、8の合成
テレフタル酸20mol(3320g)、イソフタル酸80mol(13280g)、水10質量%混合ネオペンチルグリコール100mol(11556g)、およびエチレングリコール20mol(1240g)を反応槽に仕込み、圧力をかけ、温度260℃で4時間エステル化反応を行った。得られたエステル化物を重縮合反応槽に移送した後、重縮合触媒としてジブチルスズオキサイドを添加し、減圧し、280℃で4時間重縮合反応を行い、極限粘度の樹脂を得た。次いで、得られた樹脂に、イソフタル酸8.5mol(l(1411g)を添加して、常圧下、250℃で2時間解重合反応を行い、ポリエステル樹脂1を得た。また、ポリエステル樹脂1と同様の方法で仕込み組成を変更し、ポリエステル樹脂2~5、7、8を得た。得られた各ポリエステル樹脂の酸化(mg/KOH)、ガラス転移温度(Tg)、および数平均分子量(Mn)を下表に示す。
Figure 0007414274000001
(実施例および比較例)
表2に示す配合処方に従い、各配合剤をヘンシェルミキサーでドライブレンドした後、混練機を用いて、約100℃で溶融混練した。得られた混練物を冷却後、ハンマー式衝撃粉砕機で微粉砕し、200メッシュの金網で分級することにより、実施例1~9および比較例1~9の粉体塗料組成物を調製した。なお、表2中の(-OH)/(-COOH)は、ポリエステル樹脂が有するカルボキシル基(-COOH)の数に対する、β-ヒドロキシアルキルアミドが有する水酸基(-OH)の数を示す。
<試験板の作製>
冷延鋼板(70mm×150mm×0.8mm)にリン酸亜鉛系化成処理を施して化成処理皮膜を形成した。次いで、該化成処理皮膜上に、各粉体塗料組成物を、静電塗装機PG-1(旭サナック(株)製)を使用して乾燥膜厚が70μmになるように静電粉体塗装した。次いで、被塗物表面温度160℃で保持時間20分間の条件で加熱乾燥を行って各試験板を得た。
<外観の評価>
BYK-Gardner社製のマイクロウェーブスキャンを用いて、塗膜を形成した表面のWave Scan値のロングウェーブ(Lw値)を測定した。Lw値は凹凸量を示す指標であり、Lw値が小さいほど塗膜表面が平滑であることを示す。Lw値は50以下を性能目標値とする。
<耐候性の評価>
キセノンアークランプ式耐候性試験機(XWOM)を用い、JIS K 5600-7-7:2008に準拠し、照射強度180W/m2にて720時間の促進曝露試験を行った。曝露前の試験板を基準に、光沢保持率および色差ΔE*を測定した。なお、色差の測定には、色差計(コニカミノルタ(株)製のCM-3500d)を用いた。光沢の測定には、BYK-Gardner社製のマイクロトリグロス光沢計を用いた。光沢値は20度光沢を評価した。光沢保持率は70%以上、色差ΔE*は2.5以下をそれぞれ性能目標値とする。
<付着性の評価>
JIS K 5600-5-6:1999に記載の碁盤目テープ法に準じて、塗装板の塗膜面に素地に達するようにナイフを使用して2mmの間隔で縦、横それぞれ平行に11本の切目を入れてゴバン目を形成し、その表面にセロハン粘着テープを貼着し、テープを急激に剥離した後のゴバン目塗面を評価した。100個のゴバン目のうち、ゴバン目中50%以上の塗膜が残存するゴバン目を数えた。100/100を性能目標値とする。
<耐衝撃性(耐おもり落下性)の評価>
JIS K 5600-5-3(デュポン式)に準拠し、落下高50cmに対する塗膜の抵抗性について評価するため、ポンチΦ1/2インチおよび500gのおもりを用いて塗膜の割れ、剥離を観察した。塗膜に割れおよび剥離がないものを「+」、塗膜に割れおよび/または剥離があるものを「-」と表示した。
<塗膜硬度(鉛筆硬度)の評価>
試験板の塗膜硬度について、JIS K 5600-5-4:1999に規定する鉛筆引っかき試験を行い、塗膜の破れによる評価を行った。塗膜が破れる鉛筆硬度がH以上であることを性能目標値とする。
<リコート性の評価>
溶剤系補修用塗料(川上塗料(株)製のウレオール600)を前記の試験板に塗り重ねた。得られた試験板につき、上記付着性試験を行い、テープを急激に剥離した後のゴバン目塗面を評価した。
Figure 0007414274000002
表2の結果より、本発明の粉体塗料組成物は、良好な外観および耐候性を有することがわかる。さらに、好ましい態様においては、良好な付着性、耐衝撃性、塗膜硬度、およびリコート性を有することがわかる。なお、比較例5では、塗膜表面が余りにも平滑性に劣るためLw値を測定できなかった。
本発明の粉体塗料組成物は、良好な外観および耐候性を有することから、特に建設機械、農機、ストックハウス等に用いる塗料として有用である。

Claims (10)

  1. 下記成分(A)および下記成分(B)の合計量100質量部に対し、下記成分(B)を1.0~15.0質量部、下記成分(C)を0.1~5.0質量部、下記成分(D)を0.1~5.0質量部、下記成分(E)を0.5~5.0質量部含有し、
    下記酸価が30~60mg/KOHのポリエステル樹脂が、多塩基酸に由来する構造単位として1,4-シクロヘキサンジカルボン酸を含み、かつ多価アルコールに由来する構造単位として脂環族ジオールを含むポリエステル樹脂でない粉体塗料組成物(ただし、α-メチルスチレン、イソプロペニルトルエン、インデンからなる群から選択される少なくとも一種類の芳香族系単量体を必須として構成される芳香族系炭化水素樹脂を含有する粉体塗料組成物を除く)。
    成分(A):酸価が30~60mg/KOHのポリエステル樹脂
    成分(B):硬化剤
    成分(C):紫外線吸収剤
    成分(D):ヒンダードアミン系光安定剤
    成分(E):レベリング剤
  2. 前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が50~70℃である、請求項1記載の粉体塗料組成物。
  3. 前記ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)が1000~10000である、請求項1または2記載の粉体塗料組成物。
  4. 前記硬化剤がβ-ヒドロキシアルキルアミドである、請求項1~3のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物。
  5. 前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤および/またはヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤である、請求項1~4のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物。
  6. エポキシ樹脂を含有しない、請求項1~5のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物。
  7. さらに顔料を含有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物。
  8. 成分(A)および成分(B)の合計量100質量部に対する成分(C)の含有量が0.1~2.0質量部である、請求項1~7のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物。
  9. 成分(A)および成分(B)の合計量100質量部に対する成分(D)の含有量が0.1~3.0質量部である、請求項1~8のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物。
  10. 前記酸価が30~60mg/KOHのポリエステル樹脂が、多塩基酸に由来する構造単位として芳香族多塩基酸を含むポリエステル樹脂である、請求項1~9のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物。
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