JP2017145374A - 塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 塗料安定性に優れ、かつ低温硬化性、塗膜硬度、鏡面光沢度、耐衝撃性、耐候性、防食性、耐アルカリ性及び耐酸性が良好な塗膜を形成できる塗料組成物を見出すこと。【解決手段】5〜40質量%の油長を有する脂肪酸変性樹脂(A)、イミノ基含有メラミン樹脂(B)及び活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)を含有する塗料組成物であって、上記(A)成分と上記(B)成分及び上記(C)成分の固形分合計質量を基準にして、脂肪酸変性樹脂(A)60〜85質量部、イミノ基含有メラミン樹脂(B)9〜30質量部、活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)3〜15質量部を含有し、かつB成分/C成分=1.0〜3.0(質量比)である塗料組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、塗料安定性に優れ、かつ低温硬化性、塗膜硬度、鏡面光沢度、耐衝撃性、耐候性、防食性、耐アルカリ性及び耐酸性が良好な塗膜を形成できる塗料組成物に関する。
トラックなどの産業用運搬車両における運転台や荷物架台には、種々の塗料組成物が使用されている。しかし、塗膜の焼付け乾燥に際して、1.被塗物の熱容量が大きく、被塗物に乾燥炉の熱が十分に伝達せず、低温硬化性を要求される、2.戸外の厳しい環境下で使用される為、防食性、耐アルカリ性及び耐酸性がいっそう要求される等の課題がある。
従来から、例えば、特許文献1には、(A)水酸基含有アクリル樹脂および水酸基含有ポリエステル樹脂から選ばれた水酸基含有樹脂、(B)アミノ樹脂及び(C)ブロック化ポリイソシアネート化合物を主成分とする熱硬化性塗料組成物が開示されている。しかし、特許文献1に記載された塗料組成物では、低温焼付けにおいては、良好な塗膜性能を得ることが困難であった。
また、特許文献2には、ヒドロキシル基含有合成樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、活性メチレンブロックされたポリイソシアネート(C)及び顔料(D)を含有する塗料組成物が開示されている。しかし、特許文献2に記載された塗料組成物は、140℃焼付けにては塗膜性能が得られるが、110℃での焼付けでは、十分な塗膜性能を得ることができず、特に、耐アルカリ性及び耐酸性が不十分であった。
特開平2−242867号公報 特表平9−503796号公報
本発明が解決しようとする課題は、塗料安定性に優れ、かつ低温焼付けにて、良好な塗膜性能を得ることができる塗料組成物を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、特定の脂肪酸変性樹脂(A)、イミノ基含有メラミ
ン樹脂(B)及び活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)を含有する塗料組成物によって、上記課題の解決が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1.5〜40質量%の油長を有する脂肪酸変性樹脂(A)、イミノ基含有メラミン
樹脂(B)及び活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)を含有する塗料組成物であって、上記(A)成分と上記(B)成分及び上記(C)成分の固形分合計質量を基準にして、脂肪酸変性樹脂(A)60〜85質量部、イミノ基含有メラミン樹脂(B)9〜30質量部、活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)3〜15質量部を含有し、かつB成分/C成分=1.0〜3.0(質量比)である塗料組成物、
2.5〜40質量%の油長を有する脂肪酸変性樹脂(A)、イミノ基含有メラミン樹
脂(B)及び活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)の固形分合計100質量部を基準にして、ヒュームドシリカ(D)を0.1〜10質量部含有する1項に記載の塗料組成物、
3.脂肪酸変性樹脂(A)、イミノ基含有メラミン樹脂(B)及び活性メチレンブロッ
ク化ポリイソシアネート化合物(C)の固形分合計100質量部を基準にして、下記特徴の二酸化チタンを10〜150質量部含有する1又は2に記載の塗料組成物、
二酸化チタン:二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムの少なくとも2種類の表面処理を施
した二酸化チタンであって、該二酸化チタンの固形分に基づいて、二酸化ケイ素1.0〜8.0質量%及び酸化アルミニウム2.0〜4.5質量%の割合で表面処理されてなる二酸化チタン顔料
4.脂肪酸変性樹脂(A)が、脂肪酸変性ポリエステル樹脂である1〜3のいずれか1項に記載の塗料組成物、
5.化成処理が施されていてもよい金属板上に、プライマー塗膜を施し又はプライマー
塗膜を施さずに、その上に1〜4項のいずれか1項に記載の塗料組成物による塗膜を形成する塗膜形成方法、
6.化成処理が施されていてもよい金属板上に、プライマー塗膜を施し又はプライマー
塗膜を施さずに、その上に1〜4項のいずれか1項に記載の塗料組成物による塗膜を形成し、さらに該塗膜上に少なくとも1層の塗膜を形成する塗膜形成方法、
7.5項又は6項に記載の塗膜形成方法によって得られた塗装物品、に関する。
本発明の塗料組成物は、塗料安定性に優れ、かつ低温焼付けにおいて良好な塗膜性能を得ることができる。詳しくは、1.110℃20分焼付けで十分に硬化することができる為、熱容量が大きい被塗物にも塗装可能である、2.防食性、耐アルカリ性及び耐酸性に優れる塗膜を形成できる為、戸外での使用にも有用である、3.さらには、塗膜硬度、鏡面光沢度、耐衝撃性及び耐候性に優れる塗膜を提供できる、という発明の効果を奏する。具体的には、車体や部品などの金属部材用の塗料組成物として好適である。
本発明は、5〜40質量%の油長を有する脂肪酸変性樹脂(A)、イミノ基含有メラ
ミン樹脂(B)及び活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)を特定量含有する塗料組成物である。以下、詳細に説明する。
5〜40質量%の油長を有する脂肪酸変性樹脂(A): 本発明の塗料組成物における5〜40質量%(好ましくは10〜40質量%)の油長を有する脂肪酸変性樹脂(A)(以下、脂肪酸変性樹脂(A)と略することがある)は、イミノ基含有メラミン樹脂(B)及び活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)との相溶性に優れ、かつ得られた塗膜における、防食性、耐アルカリ性及び耐酸性の為に必須成分である。
脂肪酸変性樹脂(A)としては、脂肪酸変性ポリエステル樹脂、脂肪酸変性アクリル樹脂及び脂肪酸変性エポキシ樹脂などが挙げられる。特に、本発明の課題を達成する為には、脂肪酸変性ポリエステル樹脂を用いることが望ましい。
なお、上記脂肪酸変性アクリル樹脂としては、例えば、脂肪酸変性アクリル系モノマー及びその他の不飽和モノマーを共重合して得られる樹脂が使用できる。 以下、脂肪酸変性ポリエステル樹脂について述べる。
脂肪酸変性ポリエステル樹脂
上記脂肪酸変性ポリエステル樹脂としては、ポリエステル樹脂の調製中、もしくはエステル化反応後又はエステル交換反応後に、脂肪酸及び/又は油脂を加えて反応させて得られる樹脂を使用することができる。また、上記樹脂の調整中、もしくはエステル化反応後又はエステル交換反応後に、必要に応じて、ラジカル重合性不飽和モノマーを加えて、反応させて得られる樹脂を使用することができる。上記ラジカル重合性不飽和モノマーは、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基などを有するモノマーが挙げられる。
ポリエステル樹脂
上記ポリエステル樹脂は、通常、多塩基酸成分及び多価アルコール成分とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができる。上記多塩基酸成分としては、例えば、脂環族多塩基酸成分、脂肪族多塩基酸成分、芳香族多塩基酸成分等を使用することができる。
上記脂環族多塩基酸成分としては、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4〜6員環)と2個以上のカルボキシル基を有する化合物、該化合物の酸無水物及び該化合物のエステル化物である。該脂環族多塩基酸成分としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;これら脂環族多価カルボン酸の無水物;これら脂環族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。脂環族多塩基酸成分は、単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。
脂環族多塩基酸成分としては、特に、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物を好適に使用することができる。上記のうち、耐加水分解性の観点から、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物を特に好適に使用することができる。
上記脂肪族多塩基酸成分は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族化合物、該脂肪族化合物の酸無水物及び該脂肪族化合物のエステル化物であって、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸、クエン酸等の脂肪族多価カルボン酸;これら脂肪族多価カルボン酸の無水物;これら脂肪族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。脂肪族多塩基酸成分は、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記脂肪族多塩基酸成分としては、炭素数4〜18のアルキレン鎖を有するジカルボン酸を使用することが好ましい。上記炭素数4〜18のアルキレン鎖を有するジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸等が挙げられ、なかでもアジピン酸を好適に使用することができる。
上記芳香族多塩基酸成分としては、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物、該芳香族化合物の酸無水物及び該芳香族化合物の低級アルキルエステル化物であって、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸;これら芳香族多価カルボン酸の無水物;これら芳香族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。芳香族多塩基酸成分は、単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
前記多価アルコール成分としては、1分子中に2個以上の水酸基を有する多価アルコールを好適に使用することができる。上記多価アルコールとしては、例えば、脂環族ジオール、脂肪族ジオール、芳香族ジオール及び3価以上の多価アルコール等を挙げることができる。
上記脂環族ジオールは、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4〜6員環)と2個の水酸基を有する化合物である。該脂環族ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の2価アルコール;これらの2価アルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加したポリラクトンジオール等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
上記脂肪族ジオールは、一般に、1分子中に2個の水酸基を有する脂肪族化合物である。該脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリブチレングリコール等のポリエーテルジオール化合物等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
上記芳香族ジオールは、一般に、1分子中に2個の水酸基を有する芳香族化合物である。該芳香族ジオールとしては、例えば、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール化合物;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニット等の3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させたポリラクトンポリオール化合物;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシブチル)イソシアヌレート等のトリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレート等が挙げることができる。これらのうち、特に、トリメチロールプロパンが好ましい。
なおポリエステル樹脂の製造は、特に限定されるものではなく、通常の方法に従って行なうことができる。例えば、前記多塩基酸成分を必須成分とする酸成分と多価アルコール成分とを窒素気流中、150〜250℃で5〜10時間反応させて、エステル化反応又はエステル交換反応を行なうことにより製造することができる。
上記エステル化反応又はエステル交換反応では、上記酸成分及びアルコール成分を一度に添加してもよいし、数回に分けて添加してもよい。また、はじめにカルボキシル基含有ポリエステル樹脂を合成した後、上記アルコール成分を用いて、該カルボキシル基含有ポリエステル樹脂中のカルボキシル基の一部をエステル化してもよい。さらに、はじめにポリエステル樹脂を合成した後、酸無水物を反応させて、ポリエステル樹脂をハーフエステル化させてもよい。
前記エステル化又はエステル交換反応の際には、反応を促進させるために、触媒を用いてもよい。触媒としては、ジブチル錫オキサイド、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の既知の触媒を使用することができる。
脂肪酸変性樹脂(A)としては、ポリエステル樹脂の調製中、もしくはエステル化反応後又はエステル交換反応後に、脂肪酸、油脂、必要に応じて、ラジカル重合性不飽和モノマーを加えて、反応させて得られる樹脂を使用することができる。
脂肪酸
前記脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等の脂肪酸;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等を挙げることができる。
油脂
前記油脂としては、例えば、ヤシ油、綿実油、麻実油、米ぬか油、魚油、トール油、大豆油、アマニ油、桐油、ナタネ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、サフラワー油等が挙げられる。なお、得られた脂肪酸変性樹脂(A)の油長は、10〜40質量%、好ましくは15〜35質量%の範囲であることが、塗膜硬度、耐アルカリ性及び防食性の観点から必要である。
また、水酸基価は30〜200mgKOH/g、好ましくは10〜100mgKOH/gの範囲内が望ましい。酸価は30mgKOH/g以下、好ましくは1〜20mgKOH/gの範囲内が望ましい。数平均分子量は、1,000以上かつ7,000以下であり、好ましくは1,200以上4,000以下の範囲内が望ましい。上記範囲であることが、塗膜硬度、耐アルカリ性及び防食性の観点からも望ましい。
ここで明細書中の「数平均分子量」は、JIS K 0124−83に記載の方法に準じ、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフは、「HLC8120GPC」(東ソー社製)を使用した。カラムとしては、「TSKgel G−4000HXL」「TSKgel G−3000HXL」「TSKgel G−2500HXL」「TSKgel G−2000HXL」(いずれも東ソー株式会社社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1ml/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
イミノ基含有メラミン樹脂(B)
上記イミノ基含有メラミン樹脂(B)は、その1分子中にイミノ基を必須に含有するメラミン樹脂であり、通常、イミノ基(−NH)の他、メチロール基(−CHOH)及び/又はアルキルエーテル基(−CHOR)〔式中、例えば、Rは炭素数1〜7のアルキル基〕を有するメラミン樹脂である。
イミノ基含有メラミン樹脂(B)において、イミノ基は平均して1分子中に0.3〜3.5個、好ましくは1.0〜3.5個であることが望ましい。イミノ基含有メラミン樹脂(B)の重量平均分子量は、200〜4,000、好ましくは250〜3,000の範囲内であることが、硬化性や防食性から望ましい。
なおイミノ基含有メラミン樹脂(B)の市販品としては、例えば、ユーバン125(三
井化学社製、商品名)、ユーバン225(三井化学社製、商品名)、サイメル254、サイメル325、サイメル327、サイメル701、サイメル703(ダイセル・オルネクス社製、商品名)、マイコート508(ダイセル・オルネクス社製、商品名)、スーパーベッカミンL−116、スーパーベッカミンME−44P、スーパーベッカミンME−609P(以上、DIC社製、商品名)等をあげることができる。上記イミノ基含有メラミン樹脂(B)は、それぞれ単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
また、イミノ基含有メラミン樹脂(B)が関与する硬化反応を促進するため、必要に応
じて、硬化触媒を使用することができる。この硬化反応を促進するための硬化触媒としては、一般に、スルホン酸化合物、スルホン酸化合物の中和物及びリン酸化合物等を使用することができる。
スルホン酸化合物としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、
ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸等を挙げることができる。スルホン酸化合物の中和物における中和剤としては、1級アミン、2級アミン、3級アミン、アンモニア、苛性ソーダ、苛性カリなどの塩基性化合物を挙げることができる。
活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)
活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)としては、1分子中に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(c1)と活性メチレン化合物(c2)とを反応させて得られる、イソシアネート基の一部が活性メチレン化合物でブロック化されたポリイソシアネート化合物を使用できる。
ポリイソシアネート化合物(c1)
上記ポリイソシアネート化合物(c1)としては、例えば、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ジイソシアネートペンタン(MPDI)、1,6−ジイソシアネートヘキサン(HDI)、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイソシアネート、1−イソシアネート−3,5,5−トリメチル−3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4´−ジイソシアネート(HMDI)、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ジイソシアネートノルボルナン、ジ(イソシアネートメチル)ノルボルナンなどの炭素数4〜25のジイソシアネート類;2−(イソシアネートエチル)−2,6−ジイソシアネートカプロエ−ト(LTI)などの炭素数6〜30のトリイソシアネート類;これらジまたはトリイソシアネート類と多官能水酸基含有化合物や1官能アルコールもしくは水等との付加物;これらジまたはトリイソシアネート類;またはその付加物から誘導される、ウレタン構造含有ポリイソシアネート、ビウレット構造含有ポリイソシアネート、イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート、アロファネート構造含有ポリイソシアネート、ウレトジオン構造含有ポリイソシアネートなどであって、数平均分子量が300〜20,000で、1分子中の平均イソシアネート官能基数が2〜100であるポリイソシアネート; (メタ)アクリロイルイソシアネート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α´−ジメチルベンジルイソシアネート、水酸基含有ビニル系モノマーと前記ジイソシアネート類との1:1付加物などのイソシアネート基含有ビニル系モノマーを単独重合、もしくは該イソシアネート基含有ビニル系モノマーと(メタ)アクリル酸エステルやビニル芳香化合物などの他のビニル系モノマーと共重合させて得られる、数平均分子量が1,000〜20,000で、1分子中の平均イソシアネート官能基数が2〜100であるポリイソシアネート;などが挙げられ、これらは1種又は2種以上併用してもよい。
これらポリイソシアネート化合物(c1)のうち、特にジイソシアネート類のイソシアヌレート型ポリイソシアネート、あるいはジイソシアネート類と多官能水酸基含有化合物や1官能アルコールもしくは水等との付加物のイソシアヌレート型ポリイソシアネートが好適である。多官能水酸基含有化合物や1官能アルコールもしくは水による変性は、イソシアネート基とのウレタン化反応であって、ポリイソシアネートをイソシアヌレート化反応する前又は反応後のいずれでも行なうことができる。イソシアヌレート化反応には、触媒を用いても良い。
触媒としては、金属ヒドロキシド、金属アルコキシド、金属カルボキシレート、金属アセチルアセトネート、オニウム塩の水酸化物、オニウムカルボキシレート、活性メチレン化合物の金属塩、活性メチレン化合物のオニウム塩などの塩基性化合物や有機スズ化合物などのルイス酸が良い。オニウム塩としてはアンモニウム塩、ホスホニウム塩やスルホニウム塩が好適である。
上記触媒量は、通常、イソシアネート化合物に対して10〜10,000ppm、特に20〜5,000ppmの範囲内が適当である。反応は0℃〜150℃で行うことができる。反応が目的どおり進行したならば酸を添加することで触媒の塩基性化合物を中和し、反応を停止させてもよい。未反応のイソシアネート類は、イソシアヌレート化反応終了後に除去してもよい。
また上記多官能水酸基含有化合物は、数平均分子量が60〜10,000で、1分子中に2個以上の水酸基をもつポリオールであり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、メチルプロパンジオール、ペンタンジオール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、2−エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ヒドロキシピバリン酸-ネオペンチルグリコールエステル、ジメチロールプロパン酸、ジメチロールブタン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の1分子中に2個以上の水酸基をもつ化合物;これら化合物と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、ラクトン及びシクロカーボネートから選ばれる少なくとも1種の開環付加物; 1分子中にアミノ基と水酸基の両方をもつ化合物とエポキシ基含有化合物の反応生成物、 1分子中にアミノ基と水酸基の両方をもつ化合物とポリイソシアネートの反応生成物、水酸基含有ポリエステル、水酸基含有ポリウレタン、水酸基含有ビニル系共重合体、エポキシ樹脂などが挙げられる。
活性メチレン化合物(c2)
上記活性メチレン化合物(c2)としては、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジsec−ブチル、マロン酸ジt−ブチル、マロン酸ジ(2−エチルヘキシル)、マロン酸メチルイソプロピル、マロン酸エチルイソプロピル、マロン酸メチルn−ブチル、マロン酸エチルn−ブチル、マロン酸メチルイソブチル、マロン酸エチルイソブチル、マロン酸メチルsec−ブチル、マロン酸エチルsec−ブチルなどのマロン酸ジエステル類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−ブチル、 アセト酢酸イソブチル、アセト酢酸sec−ブチル、アセト酢酸t−ブチルなどのアセト酢酸エステル類;アセチルアセトンなどのβ−ジケトン等が挙げられ、これらは1種でまたは2種以上併用して使用することができる。これらのうち、特に、マロン酸ジエチルやアセト酢酸エチルが好ましい。
上記活性メチレン化合物(c2)によるイソシアネート基のブロック化反応は、必要に応じて反応触媒を用いることができる。該反応触媒としては、例えば金属ヒドロキシド、金属アルコキシド、金属カルボキシレート、金属アセチルアセチネート、オニウム塩の水酸化物、オニウムカルボキシレート、活性メチレン化合物の金属塩、活性メチレン化合物のオニウム塩、アミノシラン類、アミン類、ホスフィン類などの塩基性化合物が良い。これらのうち、オニウム塩としてはアンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩が好適である。触媒量は、通常、イソシアネート化合物と活性メチレン化合物の合計量に対し10〜10,000ppm、特に20〜5,000ppmの範囲内が適当である。上記反応は0℃〜150℃で行うことができ、溶媒を用いても良い。この場合、溶媒としては非プロトン性溶剤が好ましく、特に、エステル、エーテル、N−アルキルアミド、ケトンなどが好ましい。反応が目的どおり進行したならば酸成分を添加することで、触媒である塩基性化合物を中和し、反応を停止させてもよい。
上記活性メチレン化合物(c2)の使用量は、特には限定されないが、ポリイソシアネート化合物(c1)中のイソシアネート基1当量に対して0.1〜3当量、好ましくは0.2〜2当量用いるのが好ましく、未反応の活性メチレン化合物(c2)は、ブロック反応終了後に除去することができる。
また上記活性メチレン化合物(c2)以外に、例えば、アルコール系、フェノール系、オキシム系、アミン系、酸アミド系、イミダゾール系、ピリジン系、メルカプタン系などのブロック剤を低温硬化性を阻害しない範囲内で併用してもよい。
また上記ポリイソシアネート化合物(c1)中の一部のイソシアネート基に、前述の多官能水酸基含有化合物、水及び1官能アルコールから選ばれる少なくとも1種を反応させてもよく、特に1官能アルコールを反応させることが基体樹脂成分との相溶性の点から好適である。
上記1官能アルコールとしては、例えば、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノールおよびこれらの異性体アルコールなどの脂肪族アルコール類;エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、テトラエチレングリコールモノアルキルエーテルなどのモノ(もしくはオリゴ)エチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、テトラプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどのモノ(もしくはオリゴ)プロピレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノエステル、ジエチレングリコールモノエステル、トリエチレングリコールモノエステル、テトラエチレングリコールモノエステルなどのモノ(もしくはオリゴ)エチレングリコールモノエステル類;プロピレングリコールモノエステル、ジプロピレングリコールモノエステル、トリプロピレングリコールモノエステル、テトラプロピレングリコールモノエステルなどのモノ(もしくはオリゴ)プロピレングリコールモノエステル類;などが挙げられ、これらは1種又は2種以上併用してもよい。
なおポリイソシアネート化合物(c1)と活性メチレン化合物(c2)との反応の順序は、活性メチレン化合物(c2)でイソシアネート基の必要量をブロックした後、残りのイソシアネート基に1官能アルコールを反応させる、あるいはその逆、もしくは活性メチレン化合物(c2)及び1官能アルコールを同時にイソシアネート基に反応させてもよい。該1官能アルコールとしては、例えばプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、2-エチルヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、トリデカノール、ステアリルアルコールおよびこれらの異性体、 モノ(オリゴもしくはポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル類、 モノ(オリゴもしくはポリ)プロピレングリコールモノアルキルエーテル類などが挙げられる。該1官能アルコールの使用量は、多く用いると硬化性が低下する場合があるのでポリイソシアネート化合物(c1)中のイソシアネート基1当量に対して0.6当量以下、好ましくは0.4当量以下が適当である。ポリイソシアネート化合物(C)は、通常、上記ポリイソシアネート化合物(c1)に、上記活性メチレン化合物(c2)を反応させて得られる。得られたポリイソシアネート化合物(C)は、通常、数平均分子量が500〜20,000、好ましくは800〜18,000の範囲内であることが望ましい。ポリイソシアネート化合物(C)の市販品としては、例えば、デュラネートMF−K60X、デュラネートMF−K60B(以上、旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。
このようにして得られた活性メチレンブロック化されたポリイソシアネート化合物(C)は、脂肪酸変性樹脂(A)やイミノ基含有メラミン樹脂(B)に対する相溶性が良好で、塗料安定性の向上に望ましい。
ヒュームドシリカ(D)
本発明の塗料組成物は、必要に応じて、ヒュームドシリカ(D)を含有することができる。ヒュームドシリカ(D)は、ケイ素塩化物を気化し、高温の水素炎中において気相反応によって合成される乾式シリカで、アモルファスのガラス状で、かつ球状で細孔のないシリカである。このようなヒュームドシリカ(D)の平均一次粒径は、通常、5〜100nm、好ましくは20〜50nmことが適している。
ヒュームドシリカ(D)の平均一次粒径は、電子顕微鏡を観察することによって測定できる。また、ヒュームドシリカ(D)の比表面積は、100〜1,000m/g、好ましくは100〜200m/gの範囲が、塗料安定性の面から望ましい。比表面積は、BET法により測定できる。
ヒュームドシリカ(D)の市販品は、例えば、AEROSIL 130、AEROSIL 200、AEROSIL R202、AEROSIL 300、AEROSIL 300CF、AEROSIL 380PE、AEROSIL R805、AEROSIL R811、AEROSIL R812、AEROSIL R971、AEROSIL R972、AEROSIL R974(以上、いずれも日本アエロジル(株)製の商品名)などが挙げられる。
本発明の塗料組成物において、ヒュームドシリカ(D)を配合する場合、その配合割合は、脂肪酸変性樹脂(A)、イミノ基含有メラミン樹脂(B)及び活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)の固形分合計100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部であることが、塗料安定性の向上、防食性、耐アルカリ性及び耐酸性の面から望ましい。
二酸化チタン
本発明の塗料組成物は、必要に応じて、二酸化チタンを含有することができる。二酸化チタンは、二酸化チタン粒子の表面を二酸化ケイ素と酸化アルミニウムによる表面処理を施した顔料であって、二酸化チタンの質量に対して、二酸化ケイ素1.0〜8.0質量%、好ましくは1.3〜6.6質量%の範囲、酸化アルミニウム2.0〜4.5質量%、好ましくは2.5〜4.4質量%の割合で表面処理を施した二酸化チタン顔料であることが好適である。上記範囲であることが、耐候性と塗料安定性の面から望ましい。
なお上記二酸化チタンにおける、二酸化ケイ素、酸化アルミニウムの表面処理の割合は、EDX−700HS(島津製作所社製)を用いて、エネルギー分散型X線分析法による元素分析によって求めた。
このような二酸化チタンの市販品としては、例えば、TI−SELECT TS−6200(Du Pont株式会社製、商品名、SiO/Al=2.4/3.4(質量%))、TI−PURE R−960(Du Pont株式会社製、商品名、SiO/Al=6.5/3.5(質量%))、TI−PURE R902+(Du Pont株式会社製、商品名、SiO/Al=1.4/4.3(質量%))、タイペークCR−95(石原産業社製、商品名、SiO/Al=3.7/2.6(質量%))
などが挙げられる。
本発明の塗料組成物における二酸化チタンを配合する場合、その配合割合としては、脂肪酸変性樹脂(A)、イミノ基含有メラミン樹脂(B)及び活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)の固形分合計100質量部を基準にして、10〜150質量部、好ましくは40〜120質量部であることが、塗料安定性、塗膜硬度及び耐候性の為に望ましい。
塗料組成物
本発明の塗料組成物は、脂肪酸変性樹脂(A)、イミノ基含有メラミン樹脂(B)及び
活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)を含有する塗料組成物であって、上記(A)成分、上記(B)成分及び上記(C)成分の固形分合計100質量部を基準にして、脂肪酸変性樹脂(A)60〜85質量部、好ましくは65〜80質量部、イミノ基含有メラミン樹脂(B)9〜30質量部、好ましくは15〜25質量部、活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)3〜15質量部、好ましくは5〜10質量部を含有し、かつB成分/C成分=1.0〜3.0(質量比)、好ましくは2.0〜2.9であることによって、塗料安定性に優れ、かつ低温硬化性、防食性、耐アルカリ性及び耐酸性に優れる塗膜を得ることができる。なお、本発明の塗料組成物には、上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分に加え、必要に応じて、その他の成分を加えることができる。
その他の成分
本発明の塗料組成物におけるその他の成分としては、酸化鉄、カーボンブラック、キナクリドンマゼンダ、ベンガラ等の着色顔料;クレー、マイカ、炭酸カルシウム等の体質顔料;酸化亜鉛、シリカ微粉末、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム等の防錆顔料;アルミニウム粉、マイカ等の光輝性顔料;紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、顔料分散剤、表面調整剤、界面活性剤、硬化触媒、増粘剤、防腐剤、凍結防止剤、艶消し剤、その他の樹脂等を挙げることができる。
例えば、上記硬化触媒としては、ジブチル錫ジベンゾエート、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイドなどの錫系触媒;p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などのスルホン酸系触媒;リン酸モノブチル、リン酸ジブチル、リン酸ジイソプロピル、リン酸モノオクチル、リン酸モノデシル、リン酸ジデシル、メタリン酸、オルトリン酸、オルトリン酸エステルなどのリン酸系触媒;などを好適に使用することができる。
塗膜形成方法(1)
本発明の塗膜形成方法としては、例えば、化成処理が施されていてもよい金属板上に、プライマー塗膜を施し又はプライマー塗膜を施さずに、前記本発明の塗料組成物による塗膜を形成する方法が挙げられる。
なお上記金属板は、冷延鋼板、黒皮鋼板、合金化亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム等が挙げられる。さらに必要に応じて、ショットブラスト、表面調整、化成処理等を施すことができる。
上記プライマー塗膜は、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹脂及びメラミン樹脂などのバインダ成分、着色顔料、体質顔料及び防錆顔料などの顔料成分、さらに必要に応じて、表面調整剤、触媒などを含有するプライマー塗料を塗装し、例えば、50〜160℃、好ましくは90〜130℃で、10〜120分間、好ましくは15〜50分間の焼付け乾燥することによって形成することができる。
当該塗料組成物による塗膜は、従来から公知の塗装方法、例えば、浸漬塗り、刷毛塗り、ロール刷毛塗り、スプレーコート、ロールコート、スピンコート、ディップコート、バーコート、フローコート、静電塗装、エアレス塗装、電着塗装、ダイコート等の塗装方法によって、乾燥膜厚10μm〜150μm、好ましくは30μm〜80μmの範囲内になるように塗装した被塗物を、例えば、50〜160℃、好ましくは90〜130℃で、10〜120分間、好ましくは15〜50分間の焼付け乾燥することによって形成することができる。
塗膜形成方法(2)
他に、本発明の塗膜形成方法としては、前記本発明の塗料組成物による塗膜を形成した後、該塗膜上に、さらに少なくとも1層の塗膜を形成する方法が挙げられる。上記着色塗膜又はクリヤ塗膜は、例えば、アクリル樹脂、架橋剤等を溶媒に溶解もしくは分散し、必要に応じて顔料成分を配合して得られた熱硬化性塗料を、乾燥塗膜5〜50μm、好ましくは15〜40μmとなるように塗装し、90〜180℃、好ましくは110〜150℃の温度で、約5〜60分間、好ましくは10〜40分間加熱乾燥することによって得ることができる。
以下、製造例、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。各例中の「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
脂肪酸変性樹脂(A)
製造例1 脂肪酸変性ポリエステル樹脂溶液No.1の製造
加熱装置、攪拌機、窒素導入管及び分留塔を有する反応装置に、大豆油脂肪酸252部、無水フタル酸222部、ドデカン二酸207部、トリメチロールプロパン164部、1,6−ヘキサンジオール240部、2−ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール48部を仕込み、乾燥窒素下で加熱を開始し、230℃まで徐々に昇温してエステル化反応を行った。230℃を保持し、樹脂酸価2mgKOH/gとなるまでエステル化反応を行った後、170℃まで冷却し、エチレングリコールモノブチルエーテルを加えて、樹脂固形分80質量%の脂肪酸変性ポリエステル樹脂No.1溶液を得た。
脂肪酸変性ポリエステル樹脂No.1溶液の樹脂固形分は、酸価2mgKOH/g、油長24質量%、水酸基価80mgKOH/g、 数平均分子量1,750であった。
製造例2〜5 脂肪酸変性ポリエステル樹脂溶液No.2〜No.5の製造
表1の配合内容とする以外は、製造例1と同様にして脂肪酸変性ポリエステル樹脂No.2〜No.5を得た。
比較製造例1〜4 脂肪酸変性ポリエステル樹脂溶液No.6〜No.9の製造
表1の配合内容とする以外は、製造例1と同様にして脂肪酸変性ポリエステル樹脂No.6〜No.9を得た。
Figure 2017145374
活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)の製造例
製造例6 ポリイソシアネート化合物No.1の製造
工程1
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器、滴下ポンプ等を備え付けた2Lフラスコに、スミジュールN−3300(注1)605部、マロン酸ジエチル413部、酢酸エチル181部を配合し、窒素気流下でナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液を7.0g加え、60℃で12時間保温した。その後、NCO価を測定したところ、イソシアネート含有量は0.2%であった。これに酢酸エチル99部を加え、樹脂(A−1)溶液を得た。該樹脂(A−1)の数平均分子量は約3,000であった。
(注1)スミジュールN−3300:住化バイエルウレタン株式会社製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソシアネートの含有量21.8%
工程2
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器、滴下ポンプ、除去溶媒簡易トラップ等を備え付けた2Lフラスコに、工程1で得た樹脂(A−1)溶液505部およびプロピレングリコールモノプロピルエーテル450部を入れ、90℃に昇温した。これを減圧条件下で、系の温度を80〜90℃に保ちながら2時間かけて溶剤を留出・除去し、プロピレングリコールモノプロピルエーテルで固形分を調整して固形分50質量%の活性メチレンでブロック化されたポリイソシアネート化合物溶液No.1を得た。除去溶媒簡易トラップには、エタノールが42部含まれていた。ポリイソシアネート化合物No.1の数平均分子量は約3,500であった。
製造例7 ポリイソシアネート化合物No.2の製造
工程1
製造例6と同様の2Lフラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネート4,000部、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール32部を加え窒素気流下100℃で1時間保持した。その後、イソシアヌレート化の触媒としてテトラメチルアンモニウムラウリレートを60℃で加え、収率が23.0%になったところでジブチルリン酸を加えイソシアヌレート化反応を停止させた。こののち薄膜蒸留装置を用いて未反応のヘキサメチレンジイソシアネートを除去したところ、イソシアネート含有量が22.8%、数平均分子量約600のポリイソシアネートが得られた。
2Lフラスコに、このポリイソシアネート605部、マロン酸ジエチル413部、酢酸エチル181部を配合し、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液を8.0部加え、60℃で12時間保温した。その後、NCO価を測定したところ、イソシアネート含有量は0.1%であった。これに酢酸エチル99部を加え、樹脂(A−2)溶液を得た。樹脂(A−2) の数平均分子量は約3,000であった。
工程2
工程1で得た樹脂(A−2)溶液505部及びプロピレングリコールモノプロピルエーテル450部を入れ、90℃に昇温した。これを減圧条件下で、系の温度を80〜90℃に保ちながら2時間かけて溶剤を留出・除去し、プロピレングリコールモノプロピルエーテルで固形分を調整して固形分50%の活性メチレンでブロック化されたポリイソシアネート化合物溶液No.2を得た。除去溶媒簡易トラップには、エタノールが43部含まれていた。ポリイソシアネート化合物No.2の数平均分子量は約3,500であった。
製造例8 ポリイソシアネート化合物No.3(カプロラクタムブロック化ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体)の製造例
製造例6と同様の2Lフラスコに、100部のスミジュールN−3300(注1)、脱水したジエチレングリコールジメチルエーテル72.0部を仕込み、40℃に加温した。次いで、ε−カプロラクタムを67.9部加え、130℃に加温してその温度を保ちながら経時でサンプリングし、FT−IR測定にてイソシアネート基が検出されなくなるまで反応させた。その後、ジエチレングリコールジメチルエーテルで固形分を調整して固形分50%のポリイソシアネート化合物溶液No.3を得た。
塗料組成物の製造
実施例1 塗料組成物No.1の製造
製造例1で得られた脂肪酸変性ポリエステル樹脂溶液No.1溶液を75部(固形分)、スーパーベッカミンL−166(注2)18部(固形分)及びデュラネートMF−K60B(注6)を7部(固形分)均一に混合し、スワゾール1000(商品名、丸善石油化学社製、石油系炭化水素溶剤)を添加して固形分を調整して、塗料固形分30%の塗料組成物No.1を得た。
実施例2〜30 塗料組成物No.2〜塗料組成物No.30の製造
下記表2及び表3の配合内容とする以外は、実施例1と同様にして、塗料固形分30%の塗料組成物No.2〜No.30を得た。
Figure 2017145374
Figure 2017145374
比較例1 塗料組成物No.31の製造
製造例1で得られた脂肪酸変性ポリエステル樹脂溶液No.1溶液を75部(固形分)、スーパーベッカミンL−166(注2)を10部(固形分)、デュラネートMF−K60B(注6)を15部(固形分)、AEROSIL R972(注9)0.5部及びTi−Pure R902+(注11)50部を均一に混合し、スワゾール1000を添加して固形分を調整して、塗料固形分30%の塗料組成物No.31を得た。
比較例2〜16
下記表4の配合内容とする以外は、比較例1と同様にして、塗料固形分30%の塗料組成物No.32〜No.46を得た。
Figure 2017145374
(注2)スーパーベッカミンL−166:DIC株式会社製、商品名、イミノ基含有メチルエーテル化メラミン樹脂
(注3)スーパーベッカミンME−609P:DIC株式会社製、商品名、イミノ基含有メチルエーテル化メラミン樹脂
(注4)スーパーベッカミンME−040:DIC株式会社製、商品名、イミノ基含有メチルエーテル化メラミン樹脂
(注5)サイメル303:ダイセル・オルネクス株式会社製、商品名、メチルエーテル化メラミン樹脂
(注6)サイメル235:ダイセル・オルネクス社製、商品名、メチル・ブチル混合エーテル化メラミン樹脂
(注7)デュラネートMF−K60B:旭化成ケミカルズ社製、商品名、活性メチレンでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネート
(注8)デュラネートMF−K60X:旭化成ケミカルズ社製、商品名、活性メチレンでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネート
(注9)デスモジュールBL−3175:住化バイエルウレタン社製、メチルエチルケトオキシムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、NCO 含有量11%
(注10)AEROSIL R972:日本アエロジル社製、商品名、ヒュームドシリカ、比表面積110m/g
(注11)AEROSIL R130:日本アエロジル社製、商品名、ヒュームドシリカ、比表面積130m/g
(注12)Ti−Pure R902+:Du Pont株式会社製、商品名、二酸化チタン顔料(コーティング量SiO/Al=1.4/4.3 質量%)
(注13)Ti−Pure R−960:Du Pont株式会社製、商品名、二酸化チタン顔料(コーティング量SiO/Al=6.5/3.5 質量%)
(注14)TI−SELECT TS−6200:Du Pont株式会社製、商品名、二酸化チタン顔料(コーティング量SiO/Al=2.4/3.4 質量%)
(注15)タイペークCR−95:石原産業社製、商品名、二酸化チタン顔料(コーティング量(SiO/Al=3.7/2.6 質量%)
(注16)UT−771:石原産業社製、商品名、二酸化チタン顔料(コーティング量SiO/Al=0.1/2.1 質量%)
(注17)TITONE R−7E:堺化学工業株式会社製、商品名、二酸化チタン顔料(コーティング量SiO/Al=7/2.5 質量%)
なお試験板の作成及び性能評価は、下記に従って行った。結果を表2〜4に併せて示す。
試験板(1)の作成
リン酸亜鉛化成処理を施した冷延鋼板(100mm×300mm×2.0mm)に、プライマー塗料(ワンコ−トエナメル#600TGアイボリー、商品名、関西ペイント社製、1液型エポキシ系のプライマー塗料)を乾燥膜厚20μmとなるようにスプレー塗装した。
その塗膜上に、上記の実施例及び比較例にて得た各塗料組成物を乾燥膜厚50μmとなるようにスプレー塗装した。次いで、電気熱風乾燥機を用いて、110℃で20分間加熱乾燥して、試験板(1)を得た。
試験板(2)の作成
試験板(1)の焼付け温度及び時間を100℃で20分間とする以外は、試験板(1)と同様にして、試験板(2)を得た。
試験板(3)の作成
リン酸亜鉛化成処理を施した冷延鋼板(100mm×300mm×2.0mm)に、プライマー塗料(ワンコ−トエナメル#600TGアイボリー、商品名、関西ペイント社製、1液型エポキシ系のプライマー塗料)を乾燥膜厚20μmとなるようにスプレー塗装した。その塗膜上に、上記の実施例及び比較例にて得た各塗料組成物を乾燥膜厚50μmとなるようにスプレー塗装した。次いで、電気熱風乾燥機を用いて、110℃で20分間加熱乾燥して硬化塗膜を得た。
さらに、該塗膜上にアミラック1026(関西ペイント社製、商品名、アルキッド・メラミン樹脂系のクリヤ塗料)を乾燥膜厚25μmとなるようにスプレー塗装し、130℃で20分間加熱乾燥して、試験板(3)を得た。
性能評価
(注18)塗料安定性:
各塗料組成物を1000mLのガラス容器に入れ、35℃にて35日間容器中に密閉して貯蔵した。その後の状態を以下の基準で判断した。
◎は、貯蔵前と変化なく良好である
○は、やや粘度上昇がみられるが、1分間以下のモーター撹拌(直径2cmの攪拌羽根、回転数300rpm)でもとの状態に戻る
△は、粘度上昇がみられ、1分間を超えて10分間以下のモーター撹拌(直径2cmの攪拌羽根、回転数300rpm)でもとの状態に戻る
×は、層分離がみられ塗料として使用できない。
(注19)低温硬化性:
ブリキ板(100mm×150mm×0.3mm)に、実施例及び比較例によって得られた各塗料組成物を乾燥膜厚50μmとなるようにスプレー塗装した。次いで、電気熱風乾燥機を用いて、110℃20分間で加熱乾燥した。次いでアマルガム法によって乾燥塗膜を剥離し、300メッシュの金網に入れ、アセトン/メタノール=1/1の溶媒を用いて還流温度で6時間抽出した後、次式に従ってゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=[(抽出後の塗膜重量)/(抽出前の塗膜重量)]×100
◎は、ゲル分率が93%以上
〇は、ゲル分率が90%以上でかつ93%未満
△は、ゲル分率が85%以上でかつ90%未満
×は、ゲル分率が85%未満。
(注20)塗膜硬度:
試験板(1)を用いて、JIS K 5600−5−4に準じて、試験板の塗膜面に対し約45°の角度に鉛筆の芯を当て、芯が折れない程度に強く試験板の塗膜面に押し付けながら前方に均一な速さで約10mm動かした。塗膜が破れなかったもっとも硬い鉛筆の硬度記号を鉛筆硬度とした。
(注21)鏡面光沢度:
試験板(1)を用いて、JIS K 5600−4−7(1999)の「60度鏡面光沢度」に従い、入射角と受光角とがそれぞれ60度のときの反射率を試験板(1)の長手方向に約2.5cm間隔で10回測定して、鏡面光沢度の「平均値」を求め、下記基準に従って評価した。
◎は、鏡面光沢度が90°以上、
〇は、鏡面光沢度差が85°以上でかつ90°未満、
△は、鏡面光沢度差が75°以上でかつ85°未満、
×は、鏡面光沢度差が75°未満。
(注22)耐衝撃性:
試験板(1)を、デュポン式衝撃試験機を用いて、撃心の直径:1/2インチ、落錘高さ:50cm、測定雰囲気:20℃の条件で試験を行ない、衝撃により生じた凸部及び凹部を、以下の基準に従って目視で観察した。
◎は、凸部及び凹部の両方とも異常なし
〇は、凸部に細かな亀裂が少し観察される
△は、凸部及び凹部の両方に亀裂が観察される
×は、衝撃を受けた面の全面に割れが観察される。
(注23)耐候性:
試験板(1)を、JIS B−7533に規定されたサンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験において、照射時間が最大1,200時間となるまで試験を行った。試験板(1)の塗膜における、試験前の光沢に対する光沢保持率が80%となる照射時間を測定した。
◎は、照射時間が1,200時間となっても光沢保持率が80%以上である
○は、光沢保持率が80%を割る照射時間が1,000時間以上、かつ1200時間未満、
△は、光沢保持率が80%を割る照射時間が800時間以上、かつ1,000時間未満、
×は、光沢保持率が80%を割る照射時間が800時間未満。
(注24)防食性:
試験板(1)の塗膜にナイフでクロスカット傷を入れ、これをJISZ−2371に準じて120時間耐塩水噴霧試験を行い、ナイフ傷からの錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
◎は、錆、フクレの最大幅が、カット部から2mm未満(片側)、
○は、錆、フクレの最大幅が、カット部から2mm以上でかつ3mm未満(片側)、
△は、錆、フクレの最大幅が、カット部から3mm以上でかつ4mm未満(片側)、
×は、錆、フクレの最大幅が、カット部から4mm以上(片側)。
(注25)耐アルカリ性:
試験板(1)又は試験板(2)を用い、5%水酸化ナトリウム水溶液(20℃)に24時間浸漬し、試験板の塗膜において、試験前の光沢に対する光沢保持率を測定した。
◎は、光沢保持率が90%以上、
○は、光沢保持率が80%以上、
△は、光沢保持率が50%以上、
×は、光沢保持率が50%未満。
(注26)耐酸性(1):
試験板(1)又は試験板(2)を用い、5%塩酸水溶液(20℃)に24時間浸漬し、試験板の塗膜において、試験前の光沢に対する光沢保持率を測定した。
◎は、光沢保持率が90%以上、
○は、光沢保持率が80%以上、
△は、光沢保持率が50%以上、
×は、光沢保持率が50%未満。
(注27)耐酸性(2):
試験板(3)を用い、5%塩酸水溶液(20℃)に48時間浸漬し、試験板の塗膜において、試験前の光沢に対する光沢保持率を測定した。
◎は、光沢保持率が90%以上、
○は、光沢保持率が80%以上、
△は、光沢保持率が50%以上、
×は、光沢保持率が50%未満。
本発明の塗料組成物は、塗膜硬度、鏡面光沢度、耐衝撃性、耐候性、防食性、耐アルカリ性及び耐酸性が良好な塗装物品を提供できる。

Claims (7)

  1. 5〜40質量%の油長を有する脂肪酸変性樹脂(A)、イミノ基含有
    メラミン樹脂(B)及び活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)を含有する塗料組成物であって、上記(A)成分と上記(B)成分及び上記(C)成分の固形分合計質量を基準にして、脂肪酸変性樹脂(A)60〜85質量部、イミノ基含有メラミン樹脂(B)9〜30質量部、活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)3〜15質量部を含有し、かつB成分/C成分=1.0〜3.0(質量比)である塗料組成物。
  2. 5〜40質量%の油長を有する脂肪酸変性樹脂(A)、イミノ基含有
    メラミン樹脂(B)及び活性メチレンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)の固形
    分合計100質量部を基準にして、ヒュームドシリカ(D)を0.1〜10質量部含有す
    る請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 脂肪酸変性樹脂(A)、イミノ基含有メラミン樹脂(B)及び活性メチ
    レンブロック化ポリイソシアネート化合物(C)の固形分合計100質量部を基準にして、下記特徴の二酸化チタンを10〜150質量部含有する請求項1又は2に記載の塗料組成物。
    二酸化チタン:二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムの少なくとも2種類の表面処
    理を施した二酸化チタンであって、該二酸化チタンの固形分に基づいて、二酸化ケイ素1.0〜8.0質量%及び酸化アルミニウム2.0〜4.5質量%の割合で表面処理されてなる二酸化チタン顔料
  4. 脂肪酸変性樹脂(A)が、脂肪酸変性ポリエステル樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  5. 化成処理が施されていてもよい金属板上に、プライマー塗膜を施し又は
    プライマー塗膜を施さずに、その上に請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物による塗膜を形成する塗膜形成方法。
  6. 化成処理が施されていてもよい金属板上に、プライマー塗膜を施し又は
    プライマー塗膜を施さずに、その上に請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物による塗膜を形成し、さらに該塗膜上に少なくとも1層の塗膜を形成する塗膜形成方法。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の塗膜形成方法によって得られた塗装物品。
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