JP7408988B2 - 閃光照射装置 - Google Patents
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Description
このような閃光照射装置としては、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、ランプ間に働く電磁力(ローレンツ力)を軽減するために、各フラッシュランプを、隣接するランプ間で電流が逆向きに流れるように配設する技術である。
つまり、上記従来の閃光照射装置では、装置の両サイドに作業スペースを設ける必要があり、その分、装置の設置スペースが必要であった。
このように、接続端子をフラッシュランプの長手方向一端側に集約して給電端子台に接続するので、接続端子の結線等の配線作業を装置の片側からのアクセスのみで行うことができる。また、接続端子が、極性毎に異なる端子接続面に接続されているので、極性の異なる端子間で沿面放電しないようにすることができ、短絡しないようにすることができる。
この場合、第1のリード線(ランプリード線)を、フラッシュランプの長手方向の他端側から一端側へ引き回す必要がない。そのため、その分、ランプリード線の長さを短くすることができ、配線抵抗の影響を抑制することができる。
例えば、2本のフラッシュランプを直列接続した光源部とした場合には、端子固定部の数とフラッシュランプの数とは等しく、端子固定部のピッチとフラッシュランプのピッチとを等しくすることができる。端子固定部を、第1のリード線が引き出されるフラッシュランプに対応する位置に設けることで、各第1のリード線(ランプリード線)を、それぞれフラッシュランプの長手方向に沿って引き出し、互いに平行なまま給電端子台に接続することができるので、各ランプリード線の長さを極力短くできるとともに、光源部間においてランプリード線の長さを揃えることができる。そのため、配線抵抗の影響をより適切に抑制することができる。
また、上記の閃光照射装置において、前記ランプハウスの前記一側面は、前記フラッシュランプの長手方向に対して直交する面であり、前記光源ユニットは、前記ランプハウスの前記一側面側から、前記フラッシュランプの長手方向に抜き差し可能に構成されていてもよい。この場合、ランプハウスの一側面側からのアクセスのみで、光源ユニットの配線作業と交換作業とを適切に行うことができる。
この場合、ランプリード線の配線作業と併せて始動用補助電極のリード線(トリガーリード線)の配線作業も行うことができる。例えば、始動用補助電極の一端から引き出されるトリガーリード線を、ランプリード線と同方向から引き出してもよい。
この場合、コンデンサは光源部の数に対応させて設ければよく、フラッシュランプの数に対応したコンデンサは不要となる。例えば、2本のフラッシュランプを直列接続した光源部とした場合、直列接続無しの場合と比較して、コンデンサを半数まで削減することができる。また、複数のコンデンサで電源を共通とするので、複数のコンデンサを同時に充電することができる。
図1は、本実施形態における閃光照射装置10の外観図である。
この図1に示すように、閃光照射装置10は、例えば直方体状のランプハウス11を備える。ランプハウス11内の下側空間である第1の空間12には、複数のフラッシュランプを備える光源ユニット20が収容され、ランプハウス11内の上側空間である第2の空間13には、光源ユニット20へ給電するための後述する給電端子台等が収容される。
また、ランプハウス11には、吸排気口16が設けられている。図1において、一方の吸排気口16は吸気口、他方の吸排気口16は排気口である。吸排気口16によって、ランプハウス11内部への冷却風の吸気、およびランプハウス11外部への排気風の排気が行われ、ランプハウス11内部に配置される光源ユニット20等が空冷される。
なお、以下の説明においては、図1のX方向を「幅方向」、図1のY方向を「長手方向」、図1のZ方向を「高さ方向」という。
光源ユニット20は、複数のフラッシュランプ21を備える。本実施形態では、光源ユニット20は、10本のフラッシュランプ21を備える場合について説明する。フラッシュランプ21は、管型の発光管内にキセノンガスが封入されたキセノンフラッシュランプとすることができる。
複数のフラッシュランプ21は、互いに管軸が平行となるように平面状に配列されている。これら複数のフラッシュランプ21は、光源ユニット20がランプハウス11内に収容された状態において、それぞれ長手方向(管軸方向)を閃光照射装置10の長手方向(Y方向)に一致させ、閃光照射装置10の幅方向(X方向)に例えば等間隔に配列される。
本実施形態では、複数のフラッシュランプ21は、互いに隣接するフラッシュランプ21同士で電流の流れる方向が逆向きとなるように配列されている。また、本実施形態では、フラッシュランプ21が2本ずつ直列接続された構成を有する。つまり、図3に示す光源ユニット20は、直列接続された2本のフラッシュランプ21を1つの光源単位(光源部)とし、当該光源部が5個併設された構成を有する。
トリガー電極22は、ガラス管内に導電性部材(金属棒)が封入され、金属棒の一端に外部リード線の一端が接続された構成を有する。トリガー電極22は、外部リード線から金属棒にパルス電圧が印加されることで、フラッシュランプ21の発光管内で部分的な絶縁破壊を引き起こし、放電の道筋を作る役割を果たす。
照射窓25は、フラッシュランプ21からの放射光に対して透明な部材により構成されている。例えば、照射窓25は、石英ガラスにより構成することができる。
つまり、光源ユニット20は、図4に示すように、ランプハウス11の一側面側(フラッシュランプ21の長手方向に対して直交する面側)から、長手方向に抜き差し可能に構成されている。
また、各光源部は、外部リード線27aおよび27bが、長手方向の一端側から引き出されるように配置されている。
ランプリード線27aおよび27bは、1つの光源部を構成する直列接続された2本のフラッシュランプ21の両端から引き出される第1のリード線に対応し、ランプリード連結線27cは、1つの光源部を構成する2本のフラッシュランプ21同士を接続する第2のリード線に対応している。
ランプリード線用端子台30は、光源ユニット20へ給電するためのランプ用の給電端子台であり、図5に示すように、ランプハウス11の第2の空間13に設置されている。なお、この図5では、ランプハウス11の第2の空間13を囲む側板を取り外した状態を示している。
陽極用端子台31は、図3に示すように、端子固定部31a、31bを備える。端子固定部31aにはランプリード線27aが有する接続端子27a´が接続され、端子固定部31bにはランプ給電線35aが有する接続端子35a´が接続される。なお、ランプ給電線35aの接続端子35a´は、端子固定部31bに対して固定されていてもよいし、着脱可能であってもよい。
ランプ給電線35a、35bの他端は、集約されて閃光照射装置10外部に引き出され、図5に示す給電線14となって装置外部に設置された電源盤に接続される。
つまり、図3において、光源ユニット20はXY平面図、ランプリード線用端子台30はXZ平面図を示している。
この図6に示すように、給電端子台であるランプリード線用端子台30は、陰極端子台32の端子接続面上に陽極端子台31を固定した構成を有し、陰極端子台32が陽極端子台31よりも高さ方向に張り出す段差形状となっている。
陽極端子台31の端子接続面(端子固定部31a、31bが設けられた面)と、陰極端子台32の端子接続面(端子固定部32a、32bが設けられた面)とは、ともに側板11bに対向する垂直面となっており、両端子接続面は、陽極端子台31の厚さ分だけ長手方向に離間した平行面となっている。
そのため、接続端子27a´、27b´、35a´および35b´のうち、同一極性の接続端子は、ランプリード線用端子台30における同一の端子接続面に接続される。より具体的には、各接続端子は、極性毎に分けて、ランプリード線用端子台30における高さの異なる端子接続面に接続される。したがって、極性の異なる端子間で沿面放電しないようにすることができ、短絡しないようにすることができる。
これにより、ランプリード線27a、27bを、それぞれフラッシュランプ21の長手方向に沿って引き出し、互いに平行なままランプリード線用端子台30に接続することができる。そのため、各光源部のランプリード線27a、27bの長さを極力短くすることができる。また、光源部間において、ランプリード線27a、27bの長さを同じにすることができる。
トリガーリード線用端子台33は、端子固定部33a、33bを備える。端子固定部33aにはトリガー電極22から引き出された外部リード線22a(以下、「トリガーリード線」という。)が有する接続端子22a´が接続され、端子固定部33bにはトリガー給電線35cが有する接続端子35c´が接続される。なお、トリガー給電線35cの接続端子35c´は、端子固定部33bに対して固定されていてもよいし、着脱可能であってもよい。
トリガーリード線用端子台33は、ランプリード線用端子台30と同様に、端子固定部33aが設けられた端子接続面を、ランプハウス11の一側面、具体的には、ランプハウス11の側板11bが取り付けられる面に対向させて配置されている。
なお、本実施形態では、給電端子台である陽極端子台31、陰極端子台32およびトリガーリード線用端子台33がそれぞれ別の部材により構成されている場合について説明したが、これらの端子台は一体的に構成されていてもよい。
なお、リード線挿入孔20aの形状や数は、図4および図5に示す形状および数に限定されるものではない。
トリガーリード線22aは、トリガー電極22の片側からのみ引き出される。本実施形態では、トリガー電極22は、トリガーリード線22aがランプリード線27a、27bと同方向から引き出されるように配置される。
フラッシュランプ21およびトリガー電極22は、ランプリード線27a、27bおよびトリガーリード線22aが引き出された側の端部を第1固定台28aにより固定され、反対側(ランプリード連結線27cが引き出された側)の端部を第2固定台28bにより固定されている。
また、トリガー電極22は、先端部(トリガーリード線22aが引き出されていない側の端部)を第2固定台28bに形成された突き当て部28cに突き当てることで、長手方向における位置決めがなされる。
しかしながら、このチップ痕と、フラッシュランプ21を保持する固定台とが接触すると、発光管21cが破裂するおそれもあることから、チップ痕のある発光管21c端部と固定台との間にシム(shim)等を挿入して位置決めをした後フラッシュランプ21を保持することが好ましい。
そのため、各フラッシュランプ21にそれぞれトリガー電極22を沿わせて配置した場合、フラッシュランプ21の陽極21a側からトリガーリード線22aが引き出されるトリガー電極22と、フラッシュランプ21の陰極21b側からトリガーリード線22aが引き出されるトリガー電極22とが存在することになる。
しかしながら、フラッシュランプ21の陽極21a側にトリガーリード線22aの接続部が配置される場合、トリガーリード線22aの接続部とランプリード線27aの接続部との間で沿面放電し、フラッシュランプ21の点灯に不具合が生じるおそれがある。そこで、上記不具合の発生を防止するために、フラッシュランプ21の陽極21a側にトリガーリード線22aの接続部が配置される場合には、当該トリガーリード線22aの接続部まで絶縁距離を伸ばしたり、トリガーリード線22aの接続部に絶縁物(熱収縮チューブなど)を設けたりすることで、絶縁性を保つようにすることが好ましい。
さらに、図8(c)に示すように、フラッシュランプ21の陽極21a側にはトリガーリード線22aの接続部を形成しないようにしてもよい。つまり、陽極21aからランプリード線27aが引き出されているフラッシュランプ21に対しては、トリガーコイル34に接続しないトリガー管を沿わせておくだけでもよい。
この図9において、Vは点灯電源、Cはコンデンサ、Lはインダクタンスである。ここで、インダクタンスLは、パルス幅調整用として使用される。コンデンサCは電源Vにより充電され、フラッシュランプ21にエネルギー(電荷)を供給する。なお、図9において、直列接続された2本のフラッシュランプ21は、1本で示している。
本実施形態では、複数の光源部のそれぞれに対応して1つのコンデンサCが接続されている。また、複数の光源部のそれぞれに対応する複数のコンデンサCを充電する電源Vは共通である。
各光源部の接続端子27a´、27b´は、フラッシュランプ21の長手方向の一端側に集約されて、極性毎に給電端子台であるランプリード線用端子台30の異なる端子接続面に着脱可能に接続されている。
本実施形態では、隣り合うフラッシュランプ21に流れる電流の向きが互いに逆向きになるように複数のフラッシュランプ21を配置するので、上記の電磁力の影響を軽減させることができる。
さらに、接続端子27a´、27b´を、極性毎に異なる端子接続面に接続するので、極性の異なる端子間で沿面放電しないようにすることができ、短絡しないようにすることができる。
その結果、上述したような、配線抵抗に違いによる電流値の違いを抑制し、ランプにかかる力を均一化することができる。
したがって、ランプハウス11の片側からのアクセスのみで、光源ユニット20の配線作業と交換作業とを行うことができる。
なお、ランプリード線27a、27bは、極性に応じて色分けされていてもよい。この場合、配線作業を行う作業者は、ランプリード線の極性を容易に見分けることができ、作業効率を向上させることができる。
ここで、トリガーリード線22aは、ランプリード線27a、27bと同方向から引き出し、トリガーリード線22aの接続端子22a´を、ランプリード線27a、27bの接続端子27a´、27b´と同じ側に集約することができる。この場合、片側からのアクセスのみで、ランプリード線27a、27bの配線作業と併せてトリガーリード線22aの配線作業も行うことができる。
上記実施形態においては、光源ユニット20が、直列接続した2本のフラッシュランプ21がU字状に配置された光源部を複数備え、すべての光源部を、ランプリード線27a、27bが長手方向の一端側から引き出されるように配置する場合について説明した。しかしながら、接続端子27a´、27b´が長手方向の一端側に集約されていれば、一部の光源部は、ランプリード線27a、27bが長手方向の他端側から引き出されるように配置されていてもよい。
この場合、上記一部の光源部から引き出されたランプリード線27a、27bは、長手方向の他端側から一端側へ引き回されることになるが、装置の片側からのアクセスのみでのランプの配線作業および交換作業は実現することができる。但し、上述したように、ランプリード線27a、27bを引き回す場合には配線抵抗の影響を受けるため、すべての光源部を、ランプリード線27a、27bが長手方向の一端側から引き出されるように配置することが好ましい。
Claims (7)
- 複数のフラッシュランプを備えた閃光照射装置であって、
偶数本の前記フラッシュランプが直列接続されてなる光源部を複数備える光源ユニットと、
前記光源部の接続端子が着脱可能に接続される端子接続面を有する給電端子台と、を備え、
前記複数のフラッシュランプは、それぞれ互いに平行にかつ平面状に配列されるとともに、隣接する前記フラッシュランプに流れる電流が互いに逆向きになるように配置されており、
前記接続端子は、前記フラッシュランプの長手方向の一端側に集約されて、極性毎に、前記給電端子台における異なる前記端子接続面に接続され、異なる前記端子接続面の間に段差があることを特徴とする閃光照射装置。 - 前記光源部は、
直列接続された前記偶数本のフラッシュランプの両端から引き出され、前記接続端子を有する第1のリード線と、
前記偶数本のフラッシュランプ同士を接続するU字状の第2のリード線と、を備え、
前記第1のリード線が前記一端側から引き出されるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の閃光照射装置。 - 前記給電端子台は、前記フラッシュランプの長手方向の前記一端側に配置され、前記端子接続面に、前記接続端子を着脱可能に接続する複数の端子固定部を備え、
前記複数の端子固定部は、前記複数のフラッシュランプが配列する方向において、前記第1のリード線が引き出される前記フラッシュランプに対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の閃光照射装置。 - 前記光源ユニットを収容するランプハウスを備え、
前記給電端子台は、前記ランプハウス内において、前記ランプハウスの一側面に前記端子接続面を対向させて配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の閃光照射装置。 - 前記ランプハウスの前記一側面は、前記フラッシュランプの長手方向に対して直交する面であり、
前記光源ユニットは、前記ランプハウスの前記一側面側から、前記フラッシュランプの長手方向に抜き差し可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の閃光照射装置。 - 前記フラッシュランプに放電を開始させるための始動用補助電極をさらに備え、
前記始動用補助電極の接続端子は、前記給電端子台に着脱可能に接続されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の閃光照射装置。 - 複数の前記光源部のそれぞれに対応して設けられ、前記光源部を構成する前記偶数本のフラッシュランプにエネルギーを供給するコンデンサと、
前記複数の光源部のそれぞれに対応する複数の前記コンデンサを充電する共通の電源と、を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の閃光照射装置。
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