JP7407874B2 - 柱状ガラス、柱状ガラスの製造方法、及び柱状ガラスの製造装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献1乃至3は、上記のとおり、6mm以下の丸棒ガラスは開示されていないが、それは、特許文献1乃至3の技術のみでは、6mm以下(例えば、3.5mm以下)の丸棒ガラスを製造できないからである。3本ローラで成形する場合、ローラ径が40mmの場合は、構造上、最小でも6.5mmの丸棒ガラスしか製造できず、ローラ径が直径20mmの場合は、構造上、最小3.5mmの丸棒ガラスしか製造できない。しかし、ローラ径が20mmではローラ自体が圧力に耐えられ破損することが考えられる。ローラの長さを短くし、圧力に耐えられるようにすることも考えられるが、その場合は長い丸棒ガラスを製造できない。したがって、特許文献1乃至3に記載の技術では、直径3.5mm以下であり、所定の長さの丸棒ガラスを製造することができない。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] ガラス材料から柱状ガラスを製造する製造方法であって、
第一開口と、前記第一開口と連通しており、第一開口の開口面積よりも小さい開口面積を有する第二開口とを有する筒状の胴型を準備する工程と、
ガラス材料を前記胴型内に配置する工程と、
配置された前記ガラス材料を加熱して軟化させる工程と、
ガラスプレス面を有する第一金型を、前記ガラスプレス面が前記ガラス材料に接するように前記第一開口から挿入する工程と、
前記第一金型及び前記胴型の少なくとも一方を移動させることにより、軟化したガラス材料をプレスして、前記第二開口から柱状ガラスとして、ガラスを排出させる工程とを含む、製造方法。
[2] 前記胴型はガラス通路を有する第二金型を内部に備えており、軟化した前記ガラス材料は、前記ガラス通路を通過し、前記柱状ガラスとして前記第二開口から排出される、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記第二金型は、前記ガラス通路を一つ又は複数個を有する、[2]に記載の製造方法。
[4] 前記柱状ガラスの断面は、多角形、円、又は楕円の断面形状を有する、[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の製造方法。
[5] 第一開口と、前記第一開口と連通しており、第一開口の開口面積よりも小さい開口面積を有する第二開口とを有する筒状の胴型と、
前記胴型の内部に配置するガラス材料を押し込むための第一金型であって、前記第一開口部から前記胴型に挿入することができるようなガラスプレス面を有する第一金型と、
前記第一金型をガラス材料にプレスするためのプレス手段と、
前記ガラス材料を軟化させるための加熱手段と、を有する柱状ガラス製造装置。
[6] 前記胴型はガラス通路を有する第二金型を内部に備えており、前記第二金型は、軟化した前記ガラス材料が前記ガラス通路を通過し、前記柱状ガラスとして前記第二開口から排出されるように配置されている、請求項5に記載の柱状ガラス製造装置。
[7] 側面が0.001~0.20μmの算術平均粗さRa、及び0.01~1.2μmの十点平均粗さRzを有する、柱状ガラス。
[8] 結晶化ピーク温度Tcと、logη=5.3となる温度との差((結晶化ピーク温度Tc)-(logη=5.3となる温度))が、0℃以上である、[7]に記載の柱状ガラス。
[9] 長手方向に対する垂直断面の形状が同一又は略同一である、[7]又は[8]に記載の柱状ガラス。
[10] ガラス材料から柱状ガラスを製造する製造方法であって、
少なくとも一つの開口を有する筒状の胴型を準備する工程と、
前記胴型内に前記開口より、ガラスプレス面を有する金型の前記ガラスプレス面と、前記ガラス材料とを接触させた状態で挿入する工程と、
前記ガラス材料を加熱、軟化する工程と、
前記金型又は前記胴型の少なくとも一方を移動させることにより、前記ガラス材料をプレスして、プレスにより、前記金型に設けたガラス排出口から柱状ガラスとして排出する工程とを含む、製造方法。
[11] 前記金型はガラス通路を有し、プレスされたガラスは前記ガラス通路を通過し、前記柱状ガラスとして前記ガラス排出口から排出される、[10]に記載の製造方法。
[12] 前記金型は、前記ガラス通路を一つ又は複数個を有する、[11]に記載の製造方法。
[13] 前記柱状ガラスの断面は、多角形、円、又は楕円の断面形状を有する、[10]に記載の製造方法。
[14] 少なくとも一つの開口を有する筒状の胴型と、
前記胴型の内部に向かってガラス材料を押し込むための金型であって、前記開口から前記胴型に挿入することができるとともに、プレス時にガラスを排出するガラス排出口を有する金型と、
前記金型によりガラス材料をプレスするためのプレス手段と、
前記ガラス材料を軟化させるための加熱手段と、を有する柱状ガラス製造装置。
[15] ガラス材料から柱状ガラスを製造する製造方法であって、
第一開口と、前記第一開口と連通する第二開口とを有する筒状の胴型であって、内部に第二金型を備える胴型を準備する工程と、
ガラス材料を前記胴型内に配置する工程と、
配置された前記ガラス材料を加熱して軟化させる工程と、
ガラスプレス面を有する第一金型を、前記ガラスプレス面が前記ガラス材料に接するように前記第一開口から挿入する工程と、
前記第一金型及び前記胴型の少なくとも一方を移動させることにより、軟化したガラス材料をプレスして、前記第二開口から柱状ガラスとして、ガラスを排出させる工程とを含む、製造方法。
[16] 前記第二金型はガラス通路を有し、軟化されたガラスは前記ガラス通路を通過し、前記柱状ガラスとして前記第二開口から排出される、[15]に記載の製造方法。
[17] 前記第二金型は、前記ガラス通路を一つ又は複数個を有する、[16]に記載の製造方法。
[18] 前記柱状ガラスの断面は、多角形、円、又は楕円の断面形状を有する、[16]に記載の製造方法。
[19] 第一開口と、前記第一開口と連通する第二開口とを有する筒状の胴型と、
前記胴型の内部に配置するガラス材料を押し込むための第一金型であって、前記第一開口部から前記胴型に挿入することができるようなガラスプレス面を有する第一金型と、
前記第一金型をガラス材料にプレスするためのプレス手段と、
前記胴型の内部に備えられている第二金型と、
前記ガラス材料を軟化させるための加熱手段と、を有する柱状ガラス製造装置。
[20] 前記第二金型は、ガラス材料を排出するガラス通路を有する、[19]に記載の柱状ガラス製造装置。
[21] 前記第二金型は、前記ガラス通路を一つ又は複数個を有する、[20]に記載の柱状ガラス製造装置。
このようにして得られた柱状ガラスは、当然のことながら、研削傷がなく、そのまま工場から出荷が可能である。断面を円形にすることにより、柱状ガラスを長さ方向に略垂直に切断することで、切断されたガラスはそのままレンズ材料として使用することができ、ガラスを削る量、すなわち、ガラス廃棄量を抑えながら、所定の大きさのガラスレンズ材料を製造することができる。
さらに、本発明の柱状ガラス製造方法は、結晶化しやすい温度にまで温度を上げることなく、柱状ガラスを製造できるため、ガラス内部に結晶を発生することを抑え、品質の高い柱状ガラスを得ることができる。
本発明の柱状ガラスを製造する製造方法は、固化しているガラス材料から柱状ガラスを製造する製造方法であって、第一開口と、前記第一開口と連通しており、第一開口の開口面積よりも小さい開口面積を有する第二開口を有する筒状の胴型を準備する工程と、ガラス材料を前記胴型内に配置する工程と、配置された前記ガラス材料を加熱して軟化させる工程と、ガラスプレス面を有する第一金型を、前記ガラスプレス面が前記ガラス材料に接するように前記第一開口から挿入する工程と、前記第一金型及び前記胴型の少なくとも一方を移動させることにより、軟化したガラス材料をプレスして、前記第二開口から柱状ガラスとして、排出させる工程とを含む、製造方法である。以下、図面を参考にして詳細に説明する。
胴型3は、図2に示すように、第一開口33と、第一開口33に連通しており、第一開口33の開口面積よりも小さい開口面積を有する第二開口34を有する。つまり胴型3は、2つの開口を有し、さらに、第一開口33と第二開口34とを連通させる、材料ガラス1を配置できる内部空間を有する。内部空間の断面形状は、円形、楕円形又は多角形にすることができるが、成形後に内部に残存するガラスを少なくするためには、円形であることが好ましい。なお、胴型3の外側の形状は、特に限定されないが、円筒形状や角筒形状が好ましい。
第二開口34は、軟化したガラス材料1が柱状形状として、胴型3から排出させるための開口部である。したがって、D1及びD2の態様において、第二開口34の形状は、排出される柱状ガラス11の断面形状と同じ形状であることが好ましい。例えば、柱状ガラスを丸棒ガラスにするのであれば、第二開口34の断面形状は、円形であることが好ましい。第二開口34の断面の面積は、材料として投入する材料ガラス1が下方向に落下しない面積であることが好ましい。また、第二開口34は、1つであってもよいし、複数あってもよい。
柱状ガラスを製造するためには、第二開口34に通ずるガラス排出路35を備えることが好ましい。所定の長さのガラス排出路35があることにより、排出時のガラス形状を安定させることができる。
コンテナ5の内部の断面形状も、胴型3の内部の断面形状と同様に、円形、楕円形又は多角形にすることができ、第一金型2を第二金型4まで押し込むためには、後述する環状切欠き部52以外の部分において、コンテナ5の内部の断面形状はどの位置(高さ)でも略同一であることが好ましい。 材料ガラス1を圧縮する胴型3の内部表面は加熱及び圧力により劣化しやすい。したがって、胴型3に対して分離可能なコンテナ5を内部に配置することにより、損傷してもコンテナ5のみを交換すれば、劣化のない内部表面にすることができる。
なお、コンテナ5は、コンテナ第一開口51を有し、製造装置D2を用いる場合は、第一開口33の内側にあるコンテナ第一開口51(図1参照)から材料ガラス1及び第一金型2を挿入する。
第二金型4は、胴型2やコンテナ5と分離可能である。胴型3の内部の最下部に位置させ、第二金型4の上面である第二金型ガラスプレス面43は、ガラス1と接し、大きな圧力がかかるため、損傷の大きい部分の一つであるが、分離可能とすることで、損傷が大きくなった第二金型4は、損傷のないものと交換することができる。
第二金型4は、ガラス通路41を備える。ガラス通路41は、コンテナ5の内部(第二金型ガラスプレス面43)と、ガラス排出路35及び第二開口34とを通じている通路である。ガラス通路41の形状は特に限定されるものではないが、胴型3のガラス排出路35と同じ形状にすることが、ガラスを安定して排出できる点で好ましい。
なお、図5(b)-(d)に示す第二金型を使用する場合、ガラス排出路35と第二開口34も対応する形状にするのが好ましい。
第二金型4の第二金型ガラスプレス面43の端部は外周に環状切欠き部42が形成されていて、コンテナ5の内周に形成された環状切欠き部52と係合するようになっていて、ガラスの漏出を抑制している。
ローラーガイド7は、図6のように二つの円盤を互いにガラスを下方へひっぱるように回転させる。
胴型3は下部が開放されており、貫通するガラス通路41を備える第二金型4を挿入可能になっている。第二金型4は、ガラス通路41の出口に干渉しないような位置で、一つ又は複数の伸縮部8(第一伸縮部81と、第二伸縮部82から構成される)により支持されている。伸縮部8は、第二金型4及び第二金型4の上に配置されているガラス材料1を上昇させることができるものであれば、この態様に限定されるものではなく、様々な機構の上昇手段を使うことができる。
なお、製造装置D3についても、製造装置D1、D2と同様に、筒型33の周囲には加熱手段を備え、内部のガラスを加熱することができる。
製造装置D4及びD5を用いて得られる柱状ガラスの断面形状は、ガラス排出口44の形状と同じ形状になる。
また、図5(b)乃至(d)の第二金型変形例及び図6のローラは、製造装置D1乃至D5に適用可能である。
次に本発明の柱状ガラス11の製造方法について図4を用いて説明する。
図4で用いている製造装置D4では、第一開口から所定の大きさの塊状の材料ガラス1を投入し、その上から第一金型2で下方向にプレスする。
投入した材料ガラス1は、プレスする前は、コンテナ5の内部にぴったり収まるものではなくてもよい。所定の大きさの材料ガラス1をコンテナ5に挿入した後、上部から第一金型2をコンテナ第一開口51に配置する(図4(a))。なお、本発明の製造方法では、材料ガラス1が融着するほどの高温にしないため、粉末状の窒化ホウ素(BN)等の離型剤を添加しない。このため、本発明の製造方法は、ガラス組成の変動に敏感なガラスに対して非常に好適である。なお、離型剤は使用しないことが好ましいが、使用を妨げるものではなく、事情により使用することも可能である。
軟化した材料ガラス1に対し、下方向にプレスすることにより、材料ガラス1は変形する。挿入時が胴型2の内部にぴったりとした形状でない場合であっても、プレスにより長手方向に対して垂直方向(横方向)に広がり、横方には隙間なくガラスが充填されることになる(図4(b))。
このときのガラスの粘度は、1.0×104Pa・s~5.0×105Pa・s程度である。
胴型3は下部が開口しており、第二金型4を胴型3に挿入可能になっており、第二金型4及び第二金型4の上のガラス材料1の上昇により、第二金型4及び第二金型4の上のガラス材料1を筒型33に挿入する。図示されていないが、加熱手段により、筒型33の内部のガラスを加熱成形できる温度まで加熱する。
伸縮部8は、第二金型4及び第二金型4の上に配置されているガラス材料1が、胴型3の内部の上部(開口と反対側の位置)に配置される第一金型2に接触させるまでさらに上昇させる。さらに上昇させると、加熱されたガラス材料1が変形し、ガラス通路41に通じるガラス排出口44及び胴型3の開口から柱状ガラス11を排出させる。
本発明の製造装置及び製造方法により得られる柱状ガラス11について説明する。本発明の一形態では、製造装置に挿入する材料ガラス1つに対して、1本または複数本の柱状ガラス11が得られる。すなわち、材料ガラス1のガラス体積は、得られる柱状ガラス11の体積と実質的に同じである(材料ガラス11の一部が製造装置内に残る場合を除く)。
本発明の製造方法で得られる柱状ガラス11の表面は、研磨しない状態でも出荷できる。例えば、柱状ガラスを分割するだけで複数個の精密プレス成形のガラス素材(プリフォームと呼ばれることがある)を作製することもできる。研磨しない状態であれば、算術平均粗さRaが0.001~0.20μmであり、十点平均粗さRzが0.01~1.2μmである。本明細書では、算術平均粗さRa,十点平均粗さRzは表面粗さ・輪郭形状測定器(株式会社東京精密製、SURFCOM 2900 SD3-12)で測定した値とする。なお、算術平均粗さRa、十点平均粗さRzの測定は、柱状ガラスの側面を長手方向に平行してスキャンニングして行う。
本発明の製造方法で得られた柱状ガラス11は、長手方向に直線状のスジが形成される場合がある。軟化したガラスを圧力で押し出すからである。長手方向に直線状のスジが入ることにより、柱状ガラスを複数個に分割するために切断するとき、切断刃の滑り止めになる効果を発揮する。なお、上記した通り、離型剤を使用する必要がないため。ガラスの表面及び内部には、離型剤由来の異物が入ることがない。
一般的に、結晶化ピーク温度と、logη=5.3となる温度との差が大きいほうが、成形時に失透しにくい。そのような観点から結晶化ピーク温度と、logη=5.3となる温度との差は前記したように、0℃を超えることが好ましく、50℃以上がより好ましく、100℃、150℃、200℃以上の順に一層好ましい。一方、結晶化ピーク温度と、logη=5.3となる温度との差が200℃以下のガラスであっても本発明によれば成形時の失透を抑制できるので、本発明の方法と、結晶化ピーク温度と、logη=5.3となる温度との差が200℃以下のガラスの組み合わせは好適である。
このようなガラスは、粘性領域で安定性が高く、本発明の製造方法及び製造装置により好適に製造することができる。なお、結晶化ピーク温度は、一般的な光学ガラスの示唆熱分析のグラフを示す図8において、Tcの部分である。
熱的安定性が高く、加熱時に結晶化しにくいガラスは、DSC曲線に明瞭な結晶化ピークが現れないか、結晶化ピークが存在しても、結晶化ピーク温度TcとT(logη=5.3)との差が大きな値となる。一方、Tc-T(logη=5.3)が200℃以下であるガラスは、加熱、軟化して成形する際に失透しやすく、耐失透性が十分でないガラスであるが、本発明によれば失透することなしに高品質の柱状ガラスを得ることができるため、Tc-T(logη=5.3)が200℃以下のガラスの成形方法として、本発明の柱状ガラス製造方法は特に優位である。
条件は下記の通りである。なおガラスを軟化するために加熱をしているが、その際の温度は、下記の粘度の範囲内になるように適宜調整した。なお、表1中、結晶化ピーク温度(Tc)-(logη=5.3となる温度)[℃]については、結晶化しやすいガラスの中にあっては比較的結晶化し難く、結晶化ピーク温度のばらつきがやや大きいものに関しては範囲を持たせて記載している。
使用ガラス:光学ガラス1~4(得られる柱状ガラスの形状は下記表1に示すとおりである)
速度:10mm/min
荷重:770~12315N
温度:550~860℃
ガラス粘度:2.0×104Pa・s~1.0×105Pa・s
光学ガラス1乃至4のいずれのガラス材料から所定の形状の柱状ガラスを得た。いずれの柱状ガラスの側面にも、長手方向のスジが見られた。
また、実施例1の柱状ガラスについては、Raが0.025μm、Rzが0.845μmであり、3μm以上の結晶等の異物は見つからなかった。なお、実施例1の光学ガラス1の諸特性を表2に記載し、実施例1の拡大写真を図9に示す。
1 材料ガラス
11 柱状ガラス
2 第一金型
3 胴型
4 第二金型
5 コンテナ
7 ローラーガイド
Claims (8)
- 第一開口と、前記第一開口と連通する第二開口とを有する筒状の胴型と、
前記胴型の内部に配置するガラス材料を押し込むための第一金型であって、前記第一開口から前記胴型に挿入することができるようなガラスプレス面を有する第一金型と、
前記第一金型をガラス材料にプレスするためのプレス手段と、
前記胴型の内部に備えられており、ガラス通路を有し、軟化した前記ガラス材料が前記ガラス通路を通過し、柱状ガラスとして前記第二開口から排出されるように配置されている第二金型と、
前記ガラス材料を軟化させるための加熱手段と、を有し、
前記第二金型は、前記胴型と分離可能の状態で胴型内部で胴型に係止されている、柱状ガラス製造装置。 - 前記第二金型は、前記ガラス通路を一つ又は複数個有する、請求項1に記載の柱状ガラス製造装置。
- 前記胴型の内部にさらに筒状コンテナを備える、請求項1に記載の柱状ガラス製造装置。
- 前記第二金型は環状切欠き部を備え、前記第二金型は前記コンテナと係合している、請求項3に記載の柱状ガラス製造装置。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の柱状ガラス製造装置を用いたガラス材料から柱状ガラスを製造する製造方法であって、
前記ガラス材料を前記胴型内に配置する工程と、
配置された前記ガラス材料を加熱して軟化させる工程と、
ガラスプレス面を有する第一金型を、前記ガラスプレス面が前記ガラス材料に接するように前記第一開口から挿入する工程と、
前記第一金型及び前記胴型の少なくとも一方を移動させることにより、軟化したガラス材料をプレスして、前記第二開口から柱状ガラスとして、ガラスを排出させる工程とを含む、製造方法。 - 前記柱状ガラスの側面が0.001~0.20μmの算術平均粗さRa、及び0.01~1.2μmの十点平均粗さRzを有する、請求項5に記載の製造方法。
- 前記柱状ガラスの結晶化ピーク温度Tcと、前記柱状ガラスのlogη=5.3となる温度との差((結晶化ピーク温度Tc)-(logη=5.3となる温度))が、0℃以上である、請求項5に記載の製造方法。
- 前記柱状ガラスの長手方向に対する垂直断面の形状が同一又は略同一である、請求項5に記載の製造方法。
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