JP6545060B2 - ガラス素子、およびガラス素子の製造方法 - Google Patents

ガラス素子、およびガラス素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、概略的には、ガラス素子、およびガラス素子の製造方法に関する。
プレス成形によってレンズ等のガラス素子を製造する方法として、プレス成形された成形体に芯取り加工を施し目的のガラス素子とする製造方法が知られている。
一般に、芯取り加工には高い精度が要求されるが、特に小径のレンズにおいては、芯取り加工の際にレンズが破損し易い、芯取り加工の際に芯出しの精度を高くすることが難しい等の理由から、芯取り加工を省略できるプレス成形が求められていた。
そして、芯取り加工を省略できるプレス成形として、レンズの外周部を胴型などの型部材によって成形するプレス成形方法が提案されている。
一方、プレス成形で使用されるガラス素材は、特に小容量の場合に、体積を一定にすることが困難となるため、上述したような、レンズの外周部も胴型などの型部材によって確定するプレス成形方法では、ガラス素材が所定体積より小さい場合に、レンズ外縁近傍に不均一な形状が生じる可能性があった。
このようなガラス素材の体積のバラツキを吸収するため、下型の成形面と上型の成形面の少なくとも一方で光学有効径の外側に平面転写部を形成し、この平面転写部のさらに外側に、対向する成形面に向かって突出する凸部を形成した成形型が提案されている(特許文献1)。
この成形型では、平面転写部にはガラス素材が接触させられ、凸部の少なくとも一部にはガラス素材が接触しないようにしてプレス成形が行われる。この結果、プレス成形におけるガラス素材の体積のバラツキを吸収しつつ、製造されたガラス光学素子が、芯取り加工無しで高い精度で光学機器に位置決め可能となっている。
特許第4792139号公報
しかしながら、ガラス素子を大量に生産する生産現場では、多数の成形型が使用されるため、例えば、特に高い精度が要求される小径のガラス光学素子(レンズ等)の成形においては、プレス成形用のガラス素材の体積のバラツキに加え、複数の成形型間での寸法のバラツキが問題になることがある。
すなわち、成形型を構成する上型と下型との間に形成される成形空間(キャビティ)の容積が、所定容積より大きいと、プレス成形時にガラス素材が成形空間の外周部に十分に行き渡らず成形されたガラス光学素子の外径が不足する等の不具合が起こる。
一方、成形型を構成する上型と下型との間に形成される成形空間(キャビティ)の容積が、所定容積より小さいと、またはガラス素材が所望のガラス素子の外径を超えてはみ出してガラス素子の外周部に予期せぬ突起を生じさせ、この突起が後工程において離脱し成形面に悪影響を及ぼす等の不具合が起こる。
そして、このような不具合が生じると、ガラス素子の歩留まりが著しく低下するため、改善の余地を有していた。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、複数のガラス素子成形用成形型間に寸法差が存在する場合であっても、ガラス素子の製造歩留まり低下を抑制できるガラス素子の製造方法を提供する。
また、本発明は、このような製造方法によって製造されたガラス素子を提供する。
本発明にガラス素子製造方法は、
一対の成形型を用いたプレス成形によってガラス素子を製造するガラス素子の製造方法であって、
一対の成形型の一方の成形型の成形面と他方の成形型の成形面との間にガラス素材を配置するガラス素材配置工程と、
一方の成形型と他方の成形型とを所定温度まで昇温させる昇温工程と、
一方の成形型と他方の成形型とを、一方の成形型の周縁部と他方の成形型の周縁部との間に所定幅の隙間が形成される位置まで相対接近させ、一方の成形型の成形面と他方の成形型の成形面との間の成形空間内でガラス素材をプレス成形して一部をガラス素子に成形するとともに、ガラス素材の残部を隙間から成形空間の外にはみ出させて環状のはみ出し部を形成するプレス工程と、
一方の成形型と他方の成形型との温度を降下させ、はみ出し部をガラス素子から割断により分離する割断工程と、を備える、
ガラス素子の製造方法。
このような構成の本発明によれば、プレス成形時に、一方の成形型と他方の成形型との間の隙間から、ガラス素材の一部がはみ出る構成である。したがって、プレス成形時にガラス素材が成形空間部の外周部に十分に行き渡らず成形されたガラス光学素子の外径が不足する等の不具合が起こることはない。
また、はみ出し部は、プレス工程の後に行われる割断工程で、ガラス素子から確実に分離されるので、その後にガラス素子に対して行われる処理等の際に、はみ出し部がガラス素子から離脱して、ガラス素子の成形面等に悪影響を及ぼすことがない。
本発明のガラス素子は、
互いに反対方向を向く2つの主面と、2つの主面を連結する環状の側端面とを備え、
側端面が、主面の一方に連結された環状の第1面と、第1面と主面の他方との間に配置された環状の第2面と有し、
第1面の表面粗さRa1は、第2面の表面粗さRa2より小さく、かつ、自由表面の表面粗さRaFより大きい、
ガラス素子。
本発明によれば、複数のガラス素子成形用成形型間に寸法差が存在する場合であっても、ガラス素子の製造歩留まり低下を抑制できるガラス素子の製造方法を提供することができる。
また、本発明は、このような製造方法によって製造されたガラス素子を提供することができる。
本発明の一実施形態のガラス素子の製造方法のガラス素材配置工程を説明するための模式的な断面図である。 本発明の一実施形態のガラス素子の製造方法における上型と下型の関係を説明するための模式的な断面図である。 本発明の一実施形態のガラス素子の製造方法のプレス工程を説明するための模式的な断面図である。 本発明の一実施形態のガラス素子の製造方法のプレス工程を説明するための模式的な断面図である。 本発明の一実施形態のガラス素子の製造方法の割断工程を説明するための模式的な断面図である。 本発明の一実施形態のガラス素子の製造方法で製造されたガラス素子の模式的な断面図である。
以下、本発明のガラス素子の製造方法の実施形態を図面に沿って説明する。本実施形態のガラス素子の製造方法では、成形型によってガラス素材をプレス成形することによってガラス素子が製造される。図1、図3〜図5は、本実施形態のガラス素子の製造方法の各工程を示す模式的な断面図である。
なお、本明細書における「ガラス素子」とは、光学機能を有する、ガラスレンズ、及び赤外線領域等の特定の波長領域の光のみを吸収又は透過するガラスフィルター等のガラス光学素子を含む。加えて、スマートフォン、モバイルコンピュータ等の携帯用デジタル機器の画像表示面等を保護するための、光学機能を有さないカバーガラス(板状ガラス)も含むものとする。
本実施形態のガラス素子の製造方法では、上型2と下型4とを備えた成形型6を備えたプレス成形機(図示せず)が使用される。プレス成形機において、成形型6は、互いに対向して配置された上型2および下型4が、ガラス素材をプレス成形する公知の成形型と同様に相対的に離間接近可能であり、上型2と下型4の間に配置されたガラス素材8を所望形状の凹メニスカスレンズ(ガラス光学素子)にプレス成形するように構成されている。
尚、本実施形態のガラス素子の製造方法では、上型と下型の外方に配置される所謂胴型は使用されない。
本実施形態のガラス素子の製造方法は、厚さ1mm以下、直径2以上、かつ6mm以下程度の小径レンズに適用される。しかしながら、本願発明は、このような小径レンズの製造のみに限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態のガラス素子の製造方法のガラス素材配置工程を説明するための模式的な断面図である。まず、図1に示されているように、一対の成形型の一方の成形型である上型2の上型成形面2aと、他方の成形型である下型4の下型成形面4bとの間に球状のガラス素材(プレス成形用ガラス素材)8が配置される。
ガラス素材8の材料、形状や製造方法は、特に制限されない。ガラス素材の材料としては、例えば、ホウ酸を主成分とするホウ酸希土類系ガラス、リン酸を主成分とするリン酸塩ガラス、シリカを主成分とするシリカ系ガラス、フッ素を主成分とするフツリン酸塩ガラス等の種々のガラス材料が使用可能である。
また、ガラス素材8の形状は、図1に示す球状に限定されるものではなく、他の形状、例えば扁平な形状であってもよい。
さらに、本実施形態では、ガラス素材8は、熔融したガラス材料をノズルから滴下させる熱間加工によって製造されたものである。しかしながら、本発明で使用されるガラス素材は、このような製造方法によって製造されたガラス素材に限定されるものではなく、例えば、他の熱間加工、またはガラス材料を研磨加工等する冷間加工によって製造されたガラス素材でもよい。
次に、成形型の構成について、説明する。図1に示されているように、上型2の下部は、全体として下方に向かって凸状に形成され、下面に略円形の上型成形面2aが形成されている。そして、上型成形面2aの中央には下方に向かって凸状となる略円形の上側成形面2bが形成されている。また、上側成形面2bの周囲は円環状の平坦面とされている。
一方、下型4の上部は、上型2に向かって延びる環状の立上がり部4aと、立上がり部4aに囲まれた凹状領域の底部に形成された略円形の下型成形面4bとを備えている。そして、下型成形面4bの中央には下方に向かって凸状となる略円形の下側成形面4cが形成されている。下側成形面4cの周囲も円環状の平坦面とされている。
また、立上がり部4aと、立上がり部4aに囲まれた凹状領域内に、内周面4eを備えている。この内周面4eはガラス素子の外形寸法を規制する役割を担うことになる。これにより、ガラス素子の外径精度が向上する。さらに、上型と下型の外方の外周に胴型を設ける場合には、この胴型によりガラス素子の外径を規制する構成に比べて、胴型と成形型との間に設けられる所定の隙間を考慮するする必要がないため、特に光学機能を有するガラス光学素子における、偏心精度の向上に寄与することができる。
上側成形面2bおよび下側成形面4cは、プレス成形されるガラス素子がガラス光学素子である場合には、ガラス光学素子のそれぞれの光学面と相捕的な形状を有している。
また、成形型6において、上型成形面2aと下型成形面4bとは同心状に配置され、また、上側成形面2bと下側成形面4cも同心状に配置されている。
成形型6では、上型2の上型成形面2aの直径D2は、下型4の環状の立上がり部4aの先端4dが描く円の直径D4より小さく設定されている。なお、直径D2と直径D4とは、同じ長さ又は直径D2は直径D4よりも大きく設定してもよいが、割断工程におけるはみ出し部の効率的な形成、及びはみ出し部の割断後のガラス素子の端部形状の観点から、直径D2は直径D4よりも小さく設定した方が好ましい。
プレス成形工程で上型2と下型4とが最も接近した押し切り時には、上型成形面2aと、下型成形面4bと、上型2に向かって垂直に延びる立上がり部4aの内周面4eとによって、上型2と下型4の間に成形空間が形成されることになる。
本実施形態では、立上がり部4aと立上がり部4aに囲まれた凹状領域は、下型4に設けられているが、上型2に設けてもよい。すなわち、凹状領域は、上型2又は下型4のいずれか一方に設けられるのが好ましい。プレス工程における、はみ出し部の形成をより効率的に行うことができるからである。
また、本実施形態の上型2と下型4のそれぞれは、例示として図1のような形状を示したが、製造するガラス素子の形状により適宜変更することができる。例えば、上型成形面2aおよび上側成形面2bから構成されている上型2の下面の全体が凸状、凹状又は平坦状のいずれかの成形面であってもよい。また、上側成形面2bは図1のように凸状であっても、凹状であってもよい。
同様に、図1の下型4の凹状領域の底面は下型成形面4b及び下型成形面4cから構成されているが、底面の全体が凸状、凹状又は平坦状のいずれかの成形面であってもよい。また、下型成形面4cは図1のように凸状であっても、凹状であってもよい。
図2は、本発明の実施形態のガラス素子の製造方法における上型と下型の関係を説明するための模式的な断面図である。本実施形態のガラス素子の製造方法で使用される成形型6では、プレス成形工程の押し切り時に、図2に示されているように、上型2と下型4とが、上型2の上型成形面2aの周縁2cと下型4の立上がり部4aの先端4dとの間の直線距離が所定距離(所定幅)d1になる位置まで相対接近するように構成されている。この所定距離d1は、立上がり部4aの高さ4ah(上型2および下型4の相対移動方向の長さ)の1/4以上、かつ1/2以下が好ましく、1/3程度がより好ましい。
また、上型2の端面と下型4の立上がり部4aの内周面4eとの間の径方向の水平距離d2は、立上がり部4aの高さ4ahの1/4以上、かつ1/2以下が好ましく、1/3程度がより好ましい。
また、後述する成形空間からの「はみ出し部」を形成するため、ガラス素材8の体積は、押切り時の、即ち上型と下型とが最も接近した状態での成形空間の容積より大きく設定されている。具体的には、ガラス素材8の体積は、成形型の押切り時の成形空間の容積の1.1倍以上、かつ1.8倍以下に設定されるのが好ましく、1.2倍程度がより好ましい。
次に、成形型6の温度を所定温度に昇温させる昇温工程に移る。所定温度とは、ガラス素材8の粘度が、105〜109dPa・s程度となる温度であり、例えば、ガラス素材の屈伏点の温度と屈伏点の温度プラス50℃程度の温度との間の温度である。
図3及び図4は、本発明の一実施形態のガラス素子の製造方法のプレス工程を説明するための模式的な断面図である。まず、図3に示されるように、上型2及び下型4が相対接近するように上型2及び下型4が相対移動させられ、ガラス素材8が上型2の上型成形面2aと下型4の下型成形面4bとの間で挟持され、プレス工程が開始される。
上型2の上型成形面2aと下型4の下型成形面4bとが更に接近すると、上型成形面2aと下型成形面4bとの間で、ガラス素材8が変形し始める。
上型2及び下型4がさらに接近すると、変形したガラス素材8の一部が成形空間を満たし、さらには、ガラス素材の残部が、上型2の上型成形面2aの周縁2cと下型4の立上がり部4aの先端4dとの間の間隙を通して成形空間の外部にはみ出し、成形空間外にはみ出したガラス材料によって、はみ出し部が形成され始める(図3)。
次に、図4に示されるように、上型2と下型4とが、最も相対接近した位置である押切り位置に達すると、上型2と下型4の相対移動は停止し、プレス工程が終了する。上型2と下型4が押切り位置に達すると、上型成形面2aと下型成形面4bとの間の成形空間内のガラス素材8は、所定のガラス素子8aとなり、成形空間外にはみ出したガラス素材8は、環状のはみ出し部8bとなる。環状のはみ出し部8bの厚さ(上型2および下型4の相対移動方向の長さ)は、上型2の上型成形面2aの周縁2cと下型4の立上がり部4aの先端4dとの間の間隙の幅(上型2および下型4の相対移動方向の長さ)より大きくなる。
上述したように、本実施形態では、押切り位置は、上型2の上型成形面2aの周縁2cと下型4の立上がり部4aの先端4dとの間の径方向の直線距離d1が、立上がり部4aの高さ4ahの約1/3になるように設定されている。
このように、上型成形面2aの周縁2cと立上がり部4aの先端4dとの直線距離d1は、立上がり部4aの高さ4ah等との相対関係で設定されるが、10μm未満であると、プレス成形時にガラス素材の一部のはみ出しが効率よく行われず、他方、250μmを超えると、はみだし部は形成されるが、後述するはみ出し部の割断が効率よく行われなくなるので、10μm以上、かつ250μm以下の範囲であるのが好ましい。
図5は、本発明の一実施形態のガラス素子の製造方法の割断工程を説明するための模式的な断面図である。プレス工程に続き、上型成形面2aと下型成形面4bとの間の成形空間内のガラス素子8aから、成形空間外のはみ出し部8bを割断により分離する割断工程が行われる。
割断工程は、上型2と下型4の相対位置関係を維持した状態で、成形型6を冷却することによって実施される。成形型6の冷却は、例えば成形型を加熱する加熱装置(不図示)の作動を停止させることによる自然冷却等による。
成形型6の冷却に伴い、プレス成形されたガラス素子8a、およびはみ出し部8bの温度も低下する。この結果、ガラス素子8a、およびはみ出し部8bには、図5に矢印Aで示す方向(径方向内方)への収縮力が働く。はみ出し部8bの幅が、上型成形面2aの周縁2cと立上がり部4aの先端4dとの間隙の幅より大きいため、収縮の際、はみ出し部8bは、径方向内方に移動することができず、上型成形面2aの周縁2cと立上がり部4aの先端4dの間に形成されたガラス素子8aとの連結部で割断される。この結果、はみ出し部8bは、矢印Bで示すように落下し、ガラス素子8aから分離されることになる。
その後、成形型6からはみ出し部8bが取り外され、略円板状のガラス素子8aが得られる。この略円板状のガラス素子8aは、互いに反対方向を向き略円形状の2枚の主面12、14と、2枚の主面12、14を連結する環状の側端面16とを備えている(図6)。さらに、側端面16は、一方の主面12に連結された環状の第1面18と、第1面18と他方の主面14との間に配置された環状の第2面20と備える。環状の第1面18は、割断によって生成された面取り面状に傾斜した割断面18であり、一方、環状の第2面20は、下型4の立上がり部4aの内周面4eでプレス成形された所謂転写面である。
割断面18は、光軸に対して傾斜した面取り状の平面、すなわち断面視で略直線状あり、したがって、第2面20と主面12とを直線的に連結している。また、割断面18の斜面に沿った長さ(ガラス素子8aの径方向の長さ)は、第2面20の長さ(ガラス素子8aの厚さ方向長さ)より短く、第2面の幅の1/2乃至1/4である。
また、割断面18は、表面粗さRa1が、転写面である第2面20の表面粗さRa2よりも小さい。一方、割断面18の表面粗さRa1は、熔融ガラスが、成形型等の他の部材に接触することなく固化した際の表面である「自由表面」の表面粗さRaFよりは大きい。
図6は、本発明の一実施形態のガラス素子の製造方法で製造されたガラス素子の模式的な断面図である。このガラス素子8aの各面の表面粗さを、非接触表面形状測定機(ZYGO社製 NewViewTM 7300)を用いて測定した結果、割断面18は表面粗さ(Ra1)が、0.60nm(スキャン幅:70μm)、転写面である第2面の表面粗さ(Ra2)が1.40nm(スキャン幅:70μm)であった。これに対し、一般の自由表面の表面粗さ(RaF)は、0.29nm(スキャン幅:70μm)であった。ここで、用いられた「表面粗さ(Ra)」とは、JIS規格B0601に基づく、算術平均粗さである。
したがって、本発明の一実施形態のガラス素子の製造方法によって製造したガラス素子8aにおいて、割断面18の表面粗さRa1は、転写面である第2面20の表面粗さRa2よりも小さく、「自由表面」の表面粗さRaFよりは大きいことがわかる。
このような構成を有する本実施形態によれば、ガラス素子の製造方法、およびガラス素子において、成形型の容量バラツキやガラス素材の体積バラツキがあった場合においても、プレス成形後の芯取り加工を経ることなく、成形精度が良好なガラス素子を安定に製造することができる。
特に、ガラス素子においては、端部形状にバラツキがなく安定しているため、撮像カメラの鏡筒や携帯用デジタル機器の外枠等に設置、固定する際の安定性の観点から、有用である。
本発明の前記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内で種々の変更、変形が可能である。
上記実施形態において、ガラス素子であるガラスレンズは、略円形のガラス素子であったが、本発明は略円形のガラス素子に限定されるものではなく、楕円形、四角形、またはレンズアレイ等のガラス素子の製造にも適用可能である。
また、プレス工程は、ガラス素材を105〜109dPa・sの粘度相当の温度に昇温させた後、ガラス素材の粘度で109〜1012dPa・s相当の温度に成形型を昇温しておき、ガラス素材を成形型の間に配置した後にプレス成形する非等温プレス成形で行なってもよい。
以下、図面を参照しながら、本発明を総括する。
本発明は、図1に示すように、一対の成形型2、4を用いたプレス成形によってガラス素子8aを製造するガラス素子の製造方法である。一対の成形型の一方の成形型の成形面と他方の成形型の成形面との間にガラス素材8を配置し、一方の成形型と他方の成形型とを所定温度まで昇温させる。さらに、一方の成形型と他方の成形型(2、4)とを、一方の成形型の周縁部と他方の成形型の周縁部(2c、4d)との間に所定距離dの隙間が形成される位置まで相対接近させ、一方の成形型の成形面と他方の成形型の成形面との間の成形空間内でガラス素材8をプレス成形して一部をガラス素子8aに成形するとともに、ガラス素材の残部を隙間から成形空間の外に、はみ出させて環状のはみ出し部8bを形成する。さらに、一方の成形型と他方の成形型との温度を降下させ、はみ出し部8bをガラス素子8aから割断により分離する。
又、本発明のガラス素子は、図6に示されているように、互いに反対方向を向く2つの主面12、14と、2つの主面を連結する環状の側端面16とを備えている。側端面16は、主面の一方12に連結された環状の第1面18と、第1面18と主面の他方14の間に配置された環状の第2面20と有している。そして、第1面18の表面粗さRa1は、第2面20の表面粗さRa2より小さく、かつ、自由表面の表面粗さRaFより大きい。
2:上型
2a:上型成形面
2b:上側成形面
4:下型
4a:立上がり部
4b:下型成形面
4c:下側成形面
6:成形型
8:ガラス素材
8a:ガラス素子
8b:はみ出し部

Claims (3)

  1. 一対の成形型を用いたプレス成形によってガラス素子を製造するガラス素子の製造方法であって、
    前記一対の成形型の一方の成形型の成形面と他方の成形型の成形面との間にガラス素材を配置するガラス素材配置工程と、
    前記一方の成形型と前記他方の成形型とを所定温度まで昇温させる昇温工程と、
    前記一方の成形型と前記他方の成形型とを、前記一方の成形型の周縁部と前記他方の成形型の周縁部との間に所定幅の隙間が形成される位置まで相対接近させ、前記一方の成形型の成形面と他方の成形型の成形面との間の成形空間内で前記ガラス素材をプレス成形して一部をガラス素子に成形するとともに、前記ガラス素材の残部を前記隙間から前記成形空間の外にはみ出させて環状のはみ出し部を形成するプレス工程と、
    前記一方の成形型と前記他方の成形型との温度を降下させ、前記はみ出し部を前記ガラス素子から割断により分離する割断工程と、を備え、
    前記隙間の幅が、前記ガラス素子の外周部の厚さの1/4以上、かつ1/2以下の長さである、
    ガラス素子の製造方法。
  2. 一対の成形型を用いたプレス成形によってガラス素子を製造するガラス素子の製造方法であって、
    前記一対の成形型の一方の成形型の成形面と他方の成形型の成形面との間にガラス素材を配置するガラス素材配置工程と、
    前記一方の成形型と前記他方の成形型とを所定温度まで昇温させる昇温工程と、
    前記一方の成形型と前記他方の成形型とを、前記一方の成形型の周縁部と前記他方の成形型の周縁部との間に所定幅の隙間が形成される位置まで相対接近させ、前記一方の成形型の成形面と他方の成形型の成形面との間の成形空間内で前記ガラス素材をプレス成形して一部をガラス素子に成形するとともに、前記ガラス素材の残部を前記隙間から前記成形空間の外にはみ出させて環状のはみ出し部を形成するプレス工程と、
    前記一方の成形型と前記他方の成形型との温度を降下させ、前記はみ出し部を前記ガラス素子から割断により分離する割断工程と、を備え
    前記一方の成形型が成形面を有する上型であり、
    前記他方の成形型が成形面を有する下型であり、
    前記下型の成形面の直径が前記上型の成形面の直径より大きい、
    ガラス素子の製造方法。
  3. 一対の成形型を用いたプレス成形によってガラス素子を製造するガラス素子の製造方法であって、
    前記一対の成形型の一方の成形型の成形面と他方の成形型の成形面との間にガラス素材を配置するガラス素材配置工程と、
    前記一方の成形型と前記他方の成形型とを所定温度まで昇温させる昇温工程と、
    前記一方の成形型と前記他方の成形型とを、前記一方の成形型の周縁部と前記他方の成形型の周縁部との間に所定幅の隙間が形成される位置まで相対接近させ、前記一方の成形型の成形面と他方の成形型の成形面との間の成形空間内で前記ガラス素材をプレス成形して一部をガラス素子に成形するとともに、前記ガラス素材の残部を前記隙間から前記成形空間の外にはみ出させて環状のはみ出し部を形成するプレス工程と、
    前記一方の成形型と前記他方の成形型との温度を降下させ、前記はみ出し部を前記ガラス素子から割断により分離する割断工程と、を備え
    前記上型の成形面の中央に凸状成形面が形成され、
    前記下型の成形面の中央に凹状成形面が形成され、
    前記凹状成形面と前記凸状成形面とが同心状に配置される、
    ガラス素子の製造方法。
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