JP7407713B2 - 軽質炭化水素合成触媒構造体、軽質炭化水素製造装置及び軽質炭化水素の製造方法 - Google Patents

軽質炭化水素合成触媒構造体、軽質炭化水素製造装置及び軽質炭化水素の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、軽質炭化水素合成触媒構造体、軽質炭化水素製造装置、及び軽質液体炭化水素の製造方法に関し、特に、一酸化炭素と水素から選択的に軽質炭化水素を合成可能な、軽質炭化水素合成触媒構造体、軽質炭化水素製造装置、及び軽質液体炭化水素の製造方法に関する。
石油の代替燃料である合成油、合成燃料等の液体もしくは固体燃料製品の原料として利用される炭化水素化合物を製造する方法として、一酸化炭素ガス(CO)及び水素ガス(H)を主成分とする合成ガスから触媒反応を利用して炭化水素、特に液体もしくは固体炭化水素を合成するフィッシャー・トロプシュ合成反応(以下、「FT合成反応」ということもある。)が知られている。このFT合成反応に使用される触媒として、例えば、特許文献1には、シリカ、アルミナ等の担体上に、コバルト、鉄等の活性金属を担持した触媒が開示され、特許文献2には、コバルト、ジルコニウム又はチタン、及びシリカを含有する触媒が開示されている。
FT合成反応に用いる触媒は、例えば、シリカ、アルミナ等の担体に、コバルト塩、ルテニウム塩等を含浸させ、これを焼成することによって、コバルト酸化物及び/又はルテニウム酸化物が担持された触媒(未還元触媒)として得ることができる。このようにして得られた触媒がFT合成反応に対して十分な活性を発現するために、特許文献3に開示されているように、該触媒を水素ガス等の還元ガスに接触させて還元処理し、活性金属であるコバルト及び/又はルテニウムを酸化物の状態から、金属の状態へと変換する必要がある。
ところで、FT合成反応を行う反応器においては、炭素数が比較的多い重質炭化水素が主に液体成分として、炭素数が比較的少ない軽質炭化水素が主にガス成分として合成される。しかしながら、FT合成反応では、様々な炭素数を有する炭化水素が合成されるため、所望の炭化水素を得るには、合成プロセス後に、分解プロセス、精製プロセス等の余分なプロセスを行う必要がある。そのため、FT合成反応において、生成物の炭素数分布をできるだけ制御できることが望ましい。
特許文献4には、FT合成触媒をなすコア部と、炭化水素を分解して軽質化するシェル部からなるコア-シェル型の触媒を用いて、コア部のFT合成触媒で炭化水素を成長させ、シェル部の炭化水素を分解する触媒でFT合成反応により得られた生成物を分解することにより、生成した炭化水素を軽質化する技術が開示されている。しかしながら、特許文献4には、主に炭素数が5以上の炭化水素を対象とした炭素数分布しか開示されていない。また、コア部のコバルト触媒で合成した炭化水素の炭素数をシェル部のゼオライト表面の反応で調整しているため、シェル部で生成物の軟質化を調製した後も、コア部または隣接するシェル部などと再度反応する場合がある。そのため、特定の範囲の炭素数を有する炭化水素の選択性の制御が困難であり、特に、より炭素数が少ない軽質炭化水素を対象とした炭素数分布の制御が困難である。
一方、FT合成反応においてガス成分として生成されるプロピレン、ブテン等の軽質炭化水素は、種々の化学製品の基礎原料として使用されることで知られている。FT合成反応では、このような軽質炭化水素も生成され得るものの、その選択性は依然として低い。すなわち、FT合成反応により得られる生成物において、重質炭化水素よりも軽質炭化水素の選択性を高める技術は未だ確立されていない。また、このような技術を開発することにより、軽質炭化水素の選択性を向上させるだけでなく、従来の合成プロセスで要していた精製プロセス等の追加操作を省き、生産効率の向上を図ることも望まれる。
特開平4-227847号公報 特開昭59-102440号公報 国際公開第2015/072573号 国際公開第2014/142282号
本発明の目的は、炭化水素の合成において、軽質炭化水素の選択性を高めることができる軽質炭化水素合成触媒構造体、該触媒構造体を用いた軽質炭化水素の製造方法、及び該触媒構造体を有する軽質炭化水素製造装置を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体と、前記担体に内在する少なくとも1つの金属微粒子と、を備え、前記担体が、該担体の外部と連通する通路を有し、前記通路の一部における平均内径が0.95nm以下であり、前記金属微粒子が、前記平均内径が0.95nm以下の通路に存在している触媒構造体を使用することによって、炭化水素の合成、特に、FT合成反応において、軽質炭化水素の選択性を高めることができることを見出した。
すなわち、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
[1] ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体と、
前記担体に内在する少なくとも1つの金属微粒子と、を備え、
前記担体が、該担体の外部と連通する通路を有し、
前記通路の一部における平均内径が0.95nm以下であり、
前記金属微粒子が、平均内径が0.95nm以下の通路に存在していることを特徴とする軽質炭化水素合成触媒構造体。
[2] 前記通路の一部における平均内径が0.75nm以下である、上記[1]に記載の軽質炭化水素合成触媒構造体。
[3] 前記通路の一部における平均内径が0.55nm以上0.75未満である、上記[1]または[2]に記載の軽質炭化水素合成触媒構造体。
[4] 前記通路の一部における平均内径が0.63nm以上0.75未満である、上記[1]または[2]に記載の軽質炭化水素合成触媒構造体。
[5]前記通路の一部における平均内径が0.39nmより大きく0.68nm未満である、上記[1]または[2]に記載の軽質炭化水素合成触媒構造体。
[6] 前記通路は、前記ゼオライト型化合物の骨格構造によって画定される一次元孔、二次元孔及び三次元孔のうちのいずれかと、前記一次元孔、前記二次元孔及び前記三次元孔のうちのいずれとも異なる拡径部とを有し、且つ
前記金属微粒子が、少なくとも前記拡径部に存在している、上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の軽質炭化水素合成触媒構造体。
[7] 前記拡径部は、前記一次元孔、前記二次元孔及び前記三次元孔のうちのいずれかを構成する複数の孔同士を連通している、上記[6]に記載の軽質炭化水素合成触媒構造体。
[8] 前記金属微粒子の平均粒径が、前記通路の全体の平均内径よりも大きく、且つ前記拡径部の内径以下である、上記[6]または[7]に記載の軽質炭化水素合成触媒構造体。
[9] 前記金属微粒子の金属元素(M)が、前記軽質炭化水素合成触媒構造体に対して0.5質量%以上含有されている、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の軽質炭化水素合成触媒構造体。
[10] 前記金属微粒子の原料である金属含有水溶液の仕込み量が、前記金属含有水溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、前記担体の原料である前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の比(原子数比Si/M)に換算して、10以上1000以下である、上記[1]~[9]のいずれか1つに記載の軽質炭化水素合成触媒構造体。
[11] 前記金属微粒子が、Co、Fe、Ni、Ruまたはそれら少なくとも1種を含む合金を含んでいる、上記[1]~[10]のいずれか1つに記載の軽質炭化水素合成触媒構造体。
[12] 上記[1]~[11]のいずれか1つに記載の軽質炭化水素合成触媒構造体を有する軽質炭化水素製造装置。
[13] 合成する軽質炭化水素の炭素数に応じて、前記通路の一部における平均内径の範囲が異なる軽質炭化水素合成触媒構造体を備える、上記[12]に記載の軽質炭化水素製造装置。
[14] 上記[1]~[11]のいずれか1つに記載の軽質炭化水素合成触媒構造体を用いて、一酸化炭素と水素から軽質炭化水素を合成する軽質炭化水素の製造方法。
[15] 合成する軽質炭化水素の炭素数に応じて、前記通路の一部における平均内径の範囲が異なる軽質炭化水素合成触媒構造体を用いる、上記[14]に記載の軽質炭化水素の製造方法。
本発明によれば、炭化水素の合成、特に、FT合成反応において、軽質炭化水素の選択性を高めることができる軽質炭化水素合成触媒構造体、該触媒構造体を用いた軽質炭化水素の製造方法、及び該触媒構造体を有する軽質炭化水素製造装置を提供することができる。また、例えば、このような触媒構造体をFT合成反応に利用することにより、従来の合成プロセスで要していた精製プロセス等の追加操作を省くことができ、その結果、生産効率を向上させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る軽質炭化水素合成触媒構造体の内部構造が分かるように概略的に示したものであって、図1(a)は斜視図(一部を横断面で示す。)、図1(b)は部分拡大断面図である。 図2は、図1の軽質炭化水素合成触媒構造体の機能の一例を説明するための部分拡大断面図であり、図2(a)は篩機能、図2(b)は触媒能を説明する図である。 図3は、図1の軽質炭化水素合成触媒構造体の製造方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[軽質炭化水素合成触媒構造体の構成]
図1は、本発明の実施形態に係る軽質炭化水素合成触媒構造体(以下、単に「触媒構造体」ともいう。)の構成を概略的に示す図であり、(a)は斜視図(一部を横断面で示す。)、(b)は部分拡大断面図である。なお、図1における触媒構造体は、その一例を示すものであり、本発明に係る各構成の形状、寸法等は、図1のものに限られないものとする。
図1(a)に示されるように、触媒構造体1は、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体10と、該担体10に内在する、少なくとも1つの金属微粒子20とを備える。
触媒構造体1において、複数の金属微粒子20,20,・・・は、担体10の多孔質構造の内部に包接されている。金属微粒子20は、触媒能(触媒活性)を有する触媒物質である。金属微粒子については、詳しくは後述する。また、金属微粒子20は、金属酸化物や金属の合金、またはこれらの複合材料を含む粒子であってもよい。
担体10は、多孔質構造であり、図1(b)に示すように、好適には複数の孔11a,11a,・・・が形成されることにより、担体10の外部と連通する通路11を有する。ここで、担体10の通路11の一部における平均内径は0.95nm以下であり、金属微粒子20は、平均内径が0.95nm以下の通路11に存在しており、好ましくは平均内径が0.95nm以下の通路11に保持されている。
このような構成により、炭化水素の合成、特に、FT合成反応において、軽質炭化水素の選択性を高めることができる。また、担体10内での金属微粒子20の移動が規制され、金属微粒子20,20同士の凝集が有効に防止される。これにより、金属微粒子20としての有効表面積の減少を効果的に抑制することができ、金属微粒子20の触媒活性を長期にわたって持続できる。その結果、触媒構造体1により、金属微粒子20の凝集による触媒活性の低下を抑制でき、触媒構造体1の長寿命化を図ることができる。また、触媒構造体1の長寿命化により、触媒構造体1の交換頻度を低減でき、使用済みの触媒構造体1の廃棄量を大幅に低減することができ、省資源化を図ることができる。
通常、触媒構造体1を、流体(例えば、合成ガスなど)の中で用いる場合、流体から外力を受ける可能性がある。金属微粒子20が、担体10の外表面に付着状態で保持されているだけである場合、流体からの外力の影響で担体10の外表面から離脱しやすいという問題がある。これに対し、触媒構造体1では、金属微粒子20は担体10の少なくとも通路11に存在しているため、流体による外力の影響を受けたとしても、担体10から金属微粒子20が離脱しにくい。すなわち、触媒構造体1が流体内にある場合、流体は担体10の孔11aから、通路11内に流入するため、通路11内を流れる流体の速さは、流路抵抗(摩擦力)により、担体10の外表面を流れる流体の速さに比べて、遅くなると考えられる。このような流路抵抗の影響により、通路11内に保持された金属微粒子20が流体から受ける圧力は、担体10の外部において金属微粒子が流体から受ける圧力に比べて低くなる。そのため、担体10に内在する金属微粒子20が離脱することを効果的に抑制でき、金属微粒子20の触媒活性を長期的に安定して維持することが可能となる。なお、上記のような流路抵抗は、担体10の通路11が、曲がりや分岐を複数有し、担体10の内部がより複雑で三次元的な立体構造となっているほど、大きくなると考えられる。
また、通路11は、ゼオライト型化合物の骨格構造によって画定される一次元孔、二次元孔及び三次元孔のうちのいずれかと、上記一次元孔、上記二次元孔及び上記三次元孔のうちのいずれとも異なる拡径部12とを有していることが好ましく、このとき、金属微粒子20は、少なくとも拡径部12に存在していることが好ましく、少なくとも拡径部12に包接されていることがより好ましい。また、拡径部12は、上記一次元孔、上記二次元孔及び上記三次元孔のうちのいずれかを構成する複数の孔11a,11a同士を連通しているのが好ましい。これにより、担体10の内部に、一次元孔、二次元孔又は三次元孔とは異なる別途の通路が設けられるので、金属微粒子20の機能をより発揮させることができる。尚、ここでいう一次元孔とは、一次元チャンネルを形成しているトンネル型またはケージ型の孔、もしくは複数の一次元チャンネルを形成しているトンネル型またはケージ型の複数の孔(複数の一次元チャンネル)を指す。また、二次元孔とは、複数の一次元チャンネルが二次元的に連結された二次元チャンネルを指し、三次元孔とは、複数の一次元チャンネルが三次元的に連結された三次元チャンネルを指す。これにより、金属微粒子20の担体10内での移動がさらに規制され、金属微粒子20の離脱、金属微粒子20,20同士の凝集をさらに有効に防止することができる。包接とは、金属微粒子20が担体10に内包されている状態を指す。このとき金属微粒子20と担体10とは、必ずしも直接的に互いが接触している必要はなく、金属微粒子20と担体10との間に他の物質(例えば、界面活性剤等)が介在した状態で、金属微粒子20が担体10に間接的に保持されていてもよい。
図1(b)では金属微粒子20が拡径部12に包接されている場合を示しているが、この構成だけには限定されず、金属微粒子20は、その一部が拡径部12の外側にはみ出した状態で通路11に保持されていてもよい。また、金属微粒子20は、拡径部12以外の通路11の部分(例えば通路11の内壁部分)に部分的に埋設され、または固着等によって保持されていてもよい。
また、通路11は、担体10の内部に、分岐部または合流部を含んで三次元的に形成されており、拡径部12は、通路11の上記分岐部または合流部に設けられるのが好ましい。
担体10に形成された通路11の全体の平均内径Dは、上記一次元孔、二次元孔及び三次元孔のうちのいずれかを構成する孔11aの短径及び長径の平均値から算出され、例えば0.10nm以上1.50nm以下であり、好ましくは0.38nm以上0.95nm以下である。また、FT合成反応により軽質炭化水素を合成する場合、FT合成反応では、一酸化炭素と水素が原料であり、一酸化炭素の分子サイズは約0.38nm、水素の分子サイズは約0.29nmである。そのため、通路11の全体の平均内径Dは、0.40nm以上1.50nm以下であることが好ましく、0.49nm以上0.95nm以下であることがより好ましく、0.49nm以上0.70nm以下であることがさらに好ましい。また、拡径部12の内径Dは、例えば0.5nm以上50nm以下であり、好ましくは1.1nm以上40nm以下、より好ましくは1.1nm以上3.3nm以下である。拡径部12の内径Dは、例えば後述する前駆体材料(A)の細孔径、及び包接される金属微粒子20の平均粒径Dに依存する。拡径部12の内径Dは、金属微粒子20を包接し得る大きさである。
担体10は、ゼオライト型化合物で構成される。ゼオライト型化合物としては、例えば、ゼオライト(アルミノケイ酸塩)、陽イオン交換ゼオライト、シリカライト等のケイ酸塩化合物、アルミノホウ酸塩、アルミノヒ酸塩、ゲルマニウム酸塩等のゼオライト類縁化合物、リン酸モリブデン等のリン酸塩系ゼオライト類似物質などが挙げられる。中でも、ゼオライト型化合物はケイ酸塩化合物であることが好ましい。
ゼオライト型化合物の骨格構造は、FAU型(Y型またはX型)、MTW型、MFI型、FER型(フェリエライト)、LTA型(A型)、MWW型(MCM-22)、MOR型(モルデナイト)、LTL型(L型)、BEA型(ベータ型)、CHA型などの中から選択される。これらの中でも、選択率を向上させたい生成物の分子拡散が十分に可能な孔径、という観点から、MFI型、MOR型、BEA型、CHA型が好ましく、MFI型、MOR型、BEA型がより好ましい。
ゼオライト型化合物には、各骨格構造に応じた孔径を有する孔が複数形成されている。例えば、MFI型([010]軸)の孔径においては、短い孔径が0.53nm(5.30Å)であり、長い孔径が0.56nm(5.60Å)であるため、平均孔径(平均内径)は約0.55nm(5.50Å)である。また、CHA型([001]軸)の孔径においては、短い孔径が0.38nm(3.8Å)であり、長い孔径が0.38(短辺長辺なし)nm(3.8Å)であるため、平均孔径(平均内径)は約0.38nm(3.8Å)である。一方、ゼオライト型化合物の骨格構造に依存する担体10の内部に存在する通路11の内径が、得られる生成物の大きさ、例えば分子サイズ(鎖長サイズ)よりも小さい場合、通路11を介したこのような生成物の移動が制限される。また、炭化水素の合成では、ゼオライト型化合物の細孔内部に存在する触媒に反応物質が接触することより炭素鎖が成長する。そのため、通路11の一部、すなわち、触媒物質としての金属微粒子20を内在させる通路における平均内径Dが0.95nm以下であるゼオライト型化合物から構成される担体10を使用する。これにより、ゼオライト型化合物に形成されている細孔サイズに基づき、炭素鎖の成長が抑制され、比較的大きい分子サイズの重質炭化水素の生成が抑制される。このように、金属微粒子20が存在する通路11の平均内径Dを0.95nm以下に制御することにより、炭化水素の合成、例えば、フィッシャー・トロプシュ合成反応において、炭素数が7以上の重質炭化水素の生成を抑制しつつ、炭素数が6以下の軽質炭化水素の選択性を高めることができる。尚、平均内径Dは、ゼオライト型化合物の骨格構造に応じて異なるものの、炭素数が2以上の生成物が様々な合成物質の原料として有用である観点から、平均内径Dの下限値は0.38nm以上が好ましく、炭素数が3以上の生成物が石化原料として有用である観点から、平均内径Dの下限値は0.39nmより大きいことがより好ましい。また、ゼオライト型化合物に存在する細孔は、必ずしも円形とは限らず多角形である場合もある。そのため、平均内径Dは、例えば、各細孔において、長い孔径(長軸)と短い孔径(短軸)を足して等分した値から算出してもよい。
平均内径Dをより厳密に制御することにより、生成される軽質炭化水素の選択性をより高めることができ、特に平均内径Dと同等の鎖長サイズ(分子の長軸方向の長さ)を有する軽質炭化水素の選択性を高めることが可能となる。例えば、炭素数が2の形質炭化水素の鎖長サイズ(分子の長軸方向の長さ)は0.36nm以上0.43nm未満、炭素数が3の軽質炭化水素の鎖長サイズ(分子の長軸方向の長さ)は0.49nm以上0.59nm未満、炭素数が4の軽質炭化水素の鎖長サイズ(分子の長軸方向の長さ)は0.50nm以上0.70nm未満、炭素数が5の軽質炭化水素の鎖長サイズ(分子の長軸方向の長さ)は0.50nm以上0.79nm未満、炭素数が6の軽質炭化水素の鎖長サイズ(分子の長軸方向の長さ)は0.59nm以上0.95nm未満である。また、炭素数が6のn-ヘキセンの鎖長サイズ(分子の長軸方向の長さ)は約0.91nmであり、炭素数が5のn-ペンテンの鎖長サイズ(分子の長軸方向の長さ)は約0.78nmであり、炭素数が4のn-ブテンの鎖長サイズ(分子の長軸方向の長さ)は約0.65nmであり、炭素数が3のプロピレンの鎖長サイズ(分子の長軸方向の長さ)は約0.52nmであり、炭素数が2のエチレンの鎖長サイズ(分子の長軸方向の長さ)は約0.39nmである。そのため、生成物として炭素数が4以下の炭化水素、特にオレフィンの選択性を高める場合、通路11の一部における平均内径Dは0.75nm以下であることが好ましく、炭素数が4の炭化水素、例えばブテン(n-ブテン及びイソブテン)の選択性を高める場合、通路11の一部における平均内径Dは0.75nm未満であることがより好ましく、0.55nm以上0.75nm未満であることがさらに好ましい。特に、炭素数が3の炭化水素よりも炭素数が4の炭化水素の選択性が高く、ブテン(n-ブテン及びイソブテン)の回収をより選択的に行える観点から、通路11の一部における平均内径Dは0.63nm以上0.75nm未満であることが特に好ましい。生成物として炭素数が3の炭化水素、例えばプロピレンの選択性を高める場合、通路11の一部における平均内径Dは0.68nm未満であることが好ましく、0.39nmより大きく0.68nm未満であることがより好ましい。また、生成物として炭素数が2の炭化水素、例えばエチレンの選択性を高める場合、通路11の一部における平均内径Dは0.38nm以上、0.55nm未満であることが好ましい。また、軽質炭化水素の選択性は、ゼオライト型化合物に形成されている細孔サイズだけでなく、ゼオライト型化合物の骨格構造、生成される軽質炭化水素の分子運動等の影響も受ける場合がある。例えば、ゼオライト型化合物の骨格構造がMFI型である場合、プロピレン、ブテン(n-ブテン及びイソブテン)等のオレフィンの選択性が高まる傾向にある。このように、平均内径Dよりも大きい鎖長サイズ(分子の長軸方向の長さ)を有する軽質炭化水素であっても、これらの影響により、選択性を高めることができる。
金属微粒子20は、一次粒子である場合と、一次粒子が凝集して形成した二次粒子である場合とがあるが、金属微粒子20の平均粒径Dは、好ましくは通路11の全体の平均内径Dよりも大きく、且つ拡径部12の内径D以下である(D<D≦D)。このような金属微粒子20は、通路11内では、好適には拡径部12に存在しており、担体10内での金属微粒子20の移動が規制される。よって、金属微粒子20が流体から外力を受けた場合であっても、担体10内での金属微粒子20の移動が抑制され、担体10の通路11に分散配置された拡径部12,12,・・のそれぞれに存在する金属微粒子20,20,・・同士が接触するのを有効に防止することができる。
また、金属微粒子20の平均粒径Dは、一次粒子および二次粒子のいずれの場合も、好ましくは0.08nm以上である。また、通路11の全体の平均内径Dに対する金属微粒子20の平均粒径Dの割合(D/D)は、好ましくは0.05以上300以下であり、より好ましくは0.1以上30以下であり、更に好ましくは1.1以上30以下であり、特に好ましくは1.4以上3.6以下である。また、金属微粒子20の金属元素(M)は、触媒構造体1に対して0.5質量%以上で含有されていることが好ましく、触媒構造体1に対して0.5質量%以上2.5質量%以下で含有されていることがより好ましく、1.5質量%以下で含有されていることがさらに好ましい。例えば、金属元素(M)がCoである場合、Co元素の含有量(質量%)は、{(Co元素の質量)/(触媒構造体1の全元素の質量)}×100で表される。
上記金属微粒子は、酸化されていない金属で構成されていればよく、例えば、単一の金属で構成されていてもよく、あるいは2種以上の金属の混合物で構成されていてもよい。なお、金属微粒子を構成する(材質としての)「金属」は、1種の金属元素(M)を含む単体金属と、2種以上の金属元素(M)を含む金属合金とを含み、1種以上の金属元素を含む金属の総称を意味する。
このような金属としては、例えば白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、セリウム(Ce)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)等が挙げられ、上記のいずれか1種以上を主成分とすることが好ましい。これらの金属の中でも、FT合成反応における有用性の観点から、金属微粒子は、Co、Fe、Ni、Ruまたはそれら少なくとも1種を含む合金を含んでいることが好ましく、選択性の向上の観点から、Co、Fe、Ruまたはそれら少なくとも1種を含む合金を含んでいることがより好ましく、製造コストの観点から、Co、Feまたはそれら少なくとも1種を含む合金を含んでいることがさらに好ましい。
また、金属微粒子20を構成する金属元素(M)に対する、担体10を構成するケイ素(Si)の割合(原子数比Si/M)は、10以上1000以下であることが好ましく、50以上200以下であることがより好ましく、100以上200以下であることがさらに好ましい。上記割合が1000より大きいと、活性が低いなど、金属微粒子の触媒物質としての作用が十分に得られない可能性がある。一方、上記割合が10よりも小さいと、金属微粒子20の割合が大きくなりすぎて、担体10の強度が低下する傾向がある。なお、ここでいう金属微粒子20は、担体10の内部に保持され、または担持された微粒子をいい、担体10の外表面に付着した金属微粒子を含まない。また、触媒構造体1における金属微粒子20の含有量は、後述する触媒構造体1の製造方法において使用される金属含有水溶液と前駆体材料(A)とから算出してもよい。この場合、金属微粒子20の原料である金属含有水溶液の仕込み量が、金属含有水溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、担体10の原料である前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の比(原子数比Si/M)に換算して、10以上1000以下であることが好ましく、50以上200以下であることがより好ましく、100以上200以下であることがさらに好ましい。
[軽質炭化水素合成触媒構造体の機能]
触媒構造体1は、上記のとおり、多孔質構造の担体10と、担体に内在する少なくとも1つの金属微粒子20とを備える。触媒構造体1は、担体に内在する金属微粒子20が流体と接触することにより、金属微粒子20の触媒能を発揮する。具体的には、触媒構造体1の外表面10aに接触した流体は、外表面10aに形成された孔11aから担体10内部に流入して通路11内に誘導され、通路11内を通って移動し、他の孔11aを通じて触媒構造体1の外部へ出る。流体が通路11内を通って移動する経路において、通路11のうち平均内径が0.95nm以下の通路に存在している金属微粒子20と接触することによって、金属微粒子20による触媒反応が生じる。また、触媒構造体1は、担体が多孔質構造であることにより、分子篩能を有する。
まず、触媒構造体1の分子篩能について、図2(a)を用いて、説明する。図2(a)に示すように、孔11aの孔径以下、言い換えれば、通路11の内径以下の大きさを有する分子15aは、担体10内に浸入することができる。一方、孔11aの孔径を超える大きさを有する分子15bは、担体10内へ浸入することができない。このように、流体が複数種類の化合物を含んでいる場合に、担体10内に浸入することができない化合物の反応は規制され、担体10内に浸入することができる化合物を反応させることができる。
反応によって担体10内で生成した化合物のうち、孔11aの孔径以下の大きさを有する分子で構成される化合物が孔11aを通じて担体10の外部へ出ることができ、反応生成物として得られる。一方、孔11aから担体10の外部へ出ることができない化合物は、担体10の外部へ出ることができる大きさの分子で構成される化合物に変換されれば、担体10の外部へ出すことができる。また、生成した化合物の分子運動により、孔11aの孔径より大きな分子も、分子の伸縮運動をしながら担体10の外部に出ることができる。このように、孔11aの孔径、特に金属微粒子の存在する孔径を制御した触媒構造体1を用いることにより、特定の反応生成物を選択的に得ることができる。
触媒構造体1では、図2(b)に示すように、通路11の拡径部12に金属微粒子20が包接されている。金属微粒子の平均粒径Dが、通路11の一部における平均内径Dよりも大きく、拡径部12の内径Dよりも小さい場合には(D<D<D)、金属微粒子と拡径部12との間に小通路13が形成される。そこで、図2(b)中の矢印に示すように、小通路13に浸入した流体が金属微粒子と接触する。各金属微粒子は、拡径部12に包接されているため、担体10内での移動が制限されている。これにより、担体10内における金属微粒子同士の凝集が防止される。その結果、金属微粒子と流体との大きな接触面積を安定して維持することができる。
具体的には、通路11に浸入した分子が金属微粒子20に接触すると、触媒反応によって分子(被改質物質)が改質される。本発明では、通路11の一部における平均内径Dを制御した触媒構造体1を用いることにより、例えば、水素と一酸化炭素とを主成分とする混合ガスを原料として、軽質炭化水素(CHを除く)、好ましくはC6以下の軽質炭化水素、特に常温で気体の軽質炭化水素(C3~C4の炭化水素)を選択的に製造することができる。また、水素と一酸化炭素とを主成分とするこのFT合成反応は、例えば180℃~350℃の高温下で行われるが、金属微粒子20は担体10に内在しているため、加熱による影響を受けにくい。特に、金属微粒子20は拡径部12に存在しているため、金属微粒子20の担体10内での移動がより制限され、金属微粒子20同士の凝集(シンタリング)がさらに抑制される。その結果、触媒活性の低下がより抑制され、触媒構造体1のさらなる長寿命化を実現することができる。また、触媒構造体1を長期にわたって使用することにより、触媒活性が低下しても、金属微粒子20は担体10に結合していないため、金属微粒子20の活性化処理(還元処理)を容易に行うことができる。
[軽質炭化水素合成触媒構造体の製造方法]
図3は、図1の触媒構造体1の製造方法を示すフローチャートである。
(ステップS1:準備工程)
図3に示すように、先ず、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体を得るための前駆体材料(A)を準備する。前駆体材料(A)は、好ましくは規則性メソ細孔物質であり、触媒構造体の担体を構成するゼオライト型化合物の種類(組成)に応じて適宜選択できる。
ここで、触媒構造体の担体を構成するゼオライト型化合物がケイ酸塩化合物である場合には、規則性メソ細孔物質は、細孔径1nm以上50nm以下の細孔が1次元、2次元または3次元に均一な大きさかつ規則的に発達したSi-O骨格からなる化合物であることが好ましい。このような規則性メソ細孔物質は、合成条件によって様々な合成物として得られるが、合成物の具体例としては、例えばSBA-1、SBA-15、SBA-16、KIT-6、FSM-16、MCM-41等が挙げられ、中でもMCM-41が好ましい。なお、SBA-1の細孔径は10nm以上30nm以下、SBA-15の細孔径は6nm以上10nm以下、SBA-16の細孔径は6nm、KIT-6の細孔径は9nm、FSM-16の細孔径は3nm以上5nm以下、MCM-41の細孔径は1nm以上10nm以下である。また、このような規則性メソ細孔物質としては、例えばメソポーラスシリカ、メソポーラスアルミノシリケート、メソポーラスメタロシリケート等が挙げられる。
前駆体材料(A)は、市販品および合成品のいずれであってもよい。前駆体材料(A)を合成する場合には、公知の規則性メソ細孔物質の合成方法により行うことができる。例えば、前駆体材料(A)の構成元素を含有する原料と、前駆体材料(A)の構造を規定するための鋳型剤とを含む混合溶液を調製し、必要に応じてpHを調整して、水熱処理(水熱合成)を行う。その後、水熱処理により得られた沈殿物(生成物)を回収(例えば、ろ別)し、必要に応じて洗浄および乾燥し、さらに焼成することで、粉末状の規則性メソ細孔物質である前駆体材料(A)が得られる。ここで、混合溶液の溶媒としては、例えば水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶媒等を用いることができる。また、原料は、担体の種類に応じて選択されるが、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)等のシリカ剤、フュームドシリカ、石英砂等が挙げられる。また、鋳型剤としては、各種界面活性剤、ブロックコポリマー等を用いることができ、規則性メソ細孔物質の合成物の種類に応じて選択することが好ましく、例えば、MCM-41を作製する場合には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等の界面活性剤が好適である。水熱処理は、例えば、密閉容器内で、80~800℃、5時間~240時間、0~2000kPaの処理条件で行うことができる。焼成処理は、例えば、空気中で、350~850℃、2~30時間の処理条件で行うことができる。
(ステップS2:含浸工程)
次に、準備した前駆体材料(A)に、金属含有溶液を含浸させ、前駆体材料(B)を得る。
金属含有溶液は、触媒構造体の金属微粒子を構成する金属元素(M)に対応する金属成分(例えば、金属イオン)を含有する溶液であればよく、例えば、溶媒に、金属元素(M)を含有する金属塩を溶解させることにより調製できる。このような金属塩としては、例えば、塩化物、水酸化物、酸化物、硫酸塩、硝酸塩等の金属塩が挙げられ、中でも硝酸塩が好ましい。溶媒としては、例えば水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶媒等を用いることができる。
前駆体材料(A)に金属含有溶液を含浸させる方法は、特に限定されないが、例えば、後述する焼成工程の前に、粉末状の前駆体材料(A)を撹拌しながら、前駆体材料(A)に金属含有溶液を複数回に分けて少量ずつ添加することが好ましい。また、前駆体材料(A)の細孔内部に金属含有溶液がより浸入し易くなる観点から、前駆体材料(A)に、金属含有溶液を添加する前に予め、添加剤として界面活性剤を添加しておくことが好ましい。このような添加剤は、前駆体材料(A)の外表面を被覆する働きがあり、その後に添加される金属含有溶液が前駆体材料(A)の外表面に付着することを抑制し、金属含有溶液が前駆体材料(A)の細孔内部により浸入し易くなると考えられる。
このような添加剤としては、例えばポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、分子サイズが大きく前駆体材料(A)の細孔内部には浸入できないため、細孔の内部に付着することは無く、金属含有溶液が細孔内部に浸入することを妨げないと考えられる。非イオン性界面活性剤の添加方法としては、例えば、後述する焼成工程の前に、非イオン性界面活性剤を、前駆体材料(A)に対して50質量%以上500質量%以下添加するのが好ましい。非イオン性界面活性剤の前駆体材料(A)に対する添加量が50質量%未満であると上記の抑制作用が発現し難く、非イオン性界面活性剤を前駆体材料(A)に対して500質量%よりも多く添加すると粘度が上がりすぎるので好ましくない。よって、非イオン性界面活性剤の前駆体材料(A)に対する添加量を上記範囲内の値とする。
また、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量は、前駆体材料(A)に含浸させる金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)の量(すなわち、前駆体材料(B)に内在させる金属元素(M)の量)を考慮して、適宜調整することが好ましい。例えば、後述する焼成工程の前に、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量を、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の比(原子数比Si/M)に換算して、10以上1000以下となるように調整することが好ましく、50以上200以下となるように調整することがより好ましく、100以上200以下となるように調整することがさらに好ましい。例えば、前駆体材料(A)に金属含有溶液を添加する前に、添加剤として界面活性剤を前駆体材料(A)に添加した場合、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量を、原子数比Si/Mに換算して50以上200以下とすることで、金属微粒子の金属元素(M)を、触媒構造体に対して0.5質量%以上で含有させることができ、例えば、0.5質量%以上2.5質量%以下の範囲で含有させることが可能である。前駆体材料(B)の状態で、その細孔内部に存在する金属元素(M)の量は、金属含有溶液の金属濃度、上記添加剤の有無、その他温度や圧力等の諸条件が同じであれば、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量に概ね比例する。また、前駆体材料(B)に内在する金属元素(M)の量は、触媒構造体の担体に内在する金属微粒子を構成する金属元素の量と比例関係にある。したがって、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量を上記範囲に制御することにより、前駆体材料(A)の細孔内部に金属含有溶液を十分に含浸させることができ、ひいては、触媒構造体の担体に内在させる金属微粒子の量を調整することができる。
前駆体材料(A)に金属含有溶液を含浸させた後は、必要に応じて、洗浄処理を行ってもよい。洗浄溶液として、水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶液を用いることができる。また、前駆体材料(A)に金属含有溶液を含浸させ、必要に応じて洗浄処理を行った後、さらに乾燥処理を施すことが好ましい。乾燥処理としては、一晩程度の自然乾燥や、150℃以下の高温乾燥が挙げられる。なお、金属含有溶液に含まれる水分や、洗浄溶液の水分が、前駆体材料(A)に多く残った状態で、後述の焼成処理を行うと、前駆体材料(A)の規則性メソ細孔物質としての骨格構造が壊れる恐れがあるので、十分に乾燥するのが好ましい。
(ステップS3:焼成工程)
次に、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体を得るための前駆体材料(A)に金属含有溶液が含浸された前駆体材料(B)を焼成して、前駆体材料(C)を得る。
焼成処理は、例えば、空気中で、350~850℃、2~30時間の処理条件で行うことが好ましい。このような焼成処理により、規則性メソ細孔物質の孔内に含浸された金属成分が結晶成長して、孔内で金属微粒子が形成される。
(ステップS4:水熱処理工程)
次いで、前駆体材料(C)と構造規定剤とを混合した混合溶液を調製し、前記前駆体材料(B)を焼成して得られた前駆体材料(C)を水熱処理して、触媒構造体を得る。
構造規定剤は、触媒構造体の担体の骨格構造を規定するための鋳型剤であり、例えば界面活性剤を用いることができる。構造規定剤は、触媒構造体の担体の骨格構造に応じて選択することが好ましく、例えばテトラメチルアンモニウムブロミド(TMABr)、テトラエチルアンモニウムブロミド(TEABr)、テトラプロピルアンモニウムブロミド(TPABr)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAOH)等の界面活性剤が好適である。
前駆体材料(C)と構造規定剤との混合は、本水熱処理工程時に行ってもよいし、水熱処理工程の前に行ってもよい。また、上記混合溶液の調製方法は、特に限定されず、前駆体材料(C)と、構造規定剤と、溶媒とを同時に混合してもよいし、溶媒に前駆体材料(C)と構造規定剤とをそれぞれ個々の溶液に分散させた状態にした後に、それぞれの分散溶液を混合してもよい。溶媒としては、例えば水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶媒等を用いることができる。また、混合溶液は、水熱処理を行う前に、酸または塩基を用いてpHを調整しておくことが好ましい。
水熱処理は、公知の方法で行うことができ、例えば、密閉容器内で、80~800℃、5時間~240時間、0~2000kPaの処理条件で行うことが好ましい。また、水熱処理は、塩基性雰囲気下で行われることが好ましい。ここでの反応メカニズムは必ずしも明らかではないが、前駆体材料(C)を原料として水熱処理を行うことにより、前駆体材料(C)の規則性メソ細孔物質としての骨格構造は次第に崩れるが、前駆体材料(C)の細孔内部での金属微粒子の位置は概ね維持されたまま、構造規定剤の作用により、触媒構造体の担体としての新たな骨格構造(多孔質構造)が形成される。このようにして得られた触媒構造体は、多孔質構造の担体と、担体に内在する金属微粒子を備え、さらに担体はその多孔質構造により複数の孔が互いに連通した通路を有し、金属微粒子はその少なくとも一部分が担体の通路に存在している。また、本実施形態では、上記水熱処理工程において、前駆体材料(C)と構造規定剤とを混合した混合溶液を調製して、前駆体材料(C)を水熱処理しているが、これに限らず、前駆体材料(C)と構造規定剤とを混合することなく、前駆体材料(C)を水熱処理してもよい。
水熱処理後に得られる沈殿物(触媒構造体)は、回収(例えば、ろ別)後、必要に応じて洗浄、乾燥および焼成することが好ましい。洗浄溶液としては、水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶液を用いることができる。乾燥処理としては、一晩程度の自然乾燥や、150℃以下の高温乾燥が挙げられる。尚、沈殿物に水分が多く残った状態で、焼成処理を行うと、触媒構造体の担体としての骨格構造が壊れる恐れがあるので、十分に乾燥するのが好ましい。また、焼成処理は、例えば、空気中で、350~850℃、2~30時間の処理条件で行うことができる。このような焼成処理により、触媒構造体に付着していた構造規定剤が焼失する。また、触媒構造体は、使用目的に応じて、回収後の沈殿物を焼成処理することなくそのまま用いることもできる。例えば、触媒構造体の使用する環境が、酸化性雰囲気の高温環境である場合には、使用環境に一定時間晒すことで、構造規定剤は焼失し、焼成処理した場合と同様の触媒構造体が得られるので、そのまま使用することが可能となる。
上記で説明した製造方法は、前駆体材料(A)に含浸させる金属含有溶液に含まれる金属元素(M)が、酸化され難い金属種(例えば、貴金属)である場合の一例である。
前駆体材料(A)に含浸させる金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)が、酸化され易い金属種(例えば、Fe、Co、Cu等)である場合には、上記水熱処理工程後に、水熱処理された前駆体材料(C)に還元処理を行うことが好ましい。金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)が、酸化され易い金属種である場合、含浸処理(ステップS2)の後の工程(ステップS3~S4)における熱処理により、金属成分が酸化されてしまう。そのため、水熱処理工程(ステップS4)で形成される担体には、金属酸化物微粒子が内在することになる。そのため、担体に金属微粒子が内在する触媒構造体を得るためには、上記水熱処理後に、回収した沈殿物を焼成処理し、さらに水素ガス等の還元ガス雰囲気下で還元処理することが望ましい。還元処理を行うことにより、担体に内在する金属酸化物微粒子が還元され、金属酸化物微粒子を構成する金属元素(M)に対応する金属微粒子が形成される。その結果、担体に金属微粒子が内在する触媒構造体が得られる。なお、このような還元処理は、必要に応じて行えばよく、例えば、触媒構造体の使用する環境が、還元雰囲気である場合には、使用環境に一定時間晒すことで、金属酸化物微粒子は還元されるため、還元処理した場合と同様の触媒構造体が得られるので、担体に酸化物微粒子が内在した状態でそのまま使用することが可能となる。
本発明において、触媒を用いて、一酸化炭素と水素から軽質炭化水素を合成する軽質炭化水素の製造方法が提供される。このような触媒は、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体10と、担体10に内在する少なくとも1つの金属微粒子20と、を備え、担体10が、担体外部と連通する通路11を有し、通路11の一部における平均内径が0.95nm以下であり、金属微粒子20が、平均内径が0.95nm以下の通路11に存在している触媒構造体1を含んでいる。すなわち、本発明では、上述の軽質炭化水素合成触媒構造体を用いて、一酸化炭素と水素から軽質炭化水素を合成する軽質炭化水素の製造方法が提供される。
例えば、FT合成反応を利用して軽質炭化水素を製造する際の原料としては、分子状水素及び一酸化炭素を主成分とする合成ガスであれば特に制限はないが、水素/一酸化炭素のモル比が1.5~2.5である合成ガスが好適であり、該モル比が1.8~2.2である合成ガスがより好適である。また、FT合成反応の反応条件についても、特に制限はなく、公知の条件にて行うことができる。例えば、反応温度としては200~500℃、200~350℃が好ましく、圧力(絶対圧力)としては0.1~3.0MPaが好ましい。
FT合成反応は、フィッシャー・トロプシュ合成の反応プロセスとして公知のプロセス、例えば、固定床、超臨界固定床、スラリー床、流動床等で実施することができる。好ましいプロセスとしては、固定床、超臨界固定床、スラリー床を挙げることができる。
本発明において、上記触媒構造体を有する軽質炭化水素製造装置が提供されていてもよい。このような軽質炭化水素製造装置は、上記触媒構造体を利用して軽質炭化水素を合成できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、反応装置、反応カラム等の通常使用される製造装置を使用することができる。本発明に係る触媒構造体をこのような軽質炭化水素製造装置に用いることにより、当該製造装置も上記と同様の効果を奏することができる。
また、上記触媒構造体を用いた軽質炭化水素の製造方法及び上記触媒構造体を有する軽軽質炭化水素製造装置において、一酸化炭素と水素から軽質炭化水素を合成する際、合成する軽質炭化水素の炭素数に応じて、通路11の一部における平均内径Dの範囲が異なる触媒構造体を用いることが好ましい。これにより、生成される軽質炭化水素の選択性をより高めることができ、特に平均内径Dと同等の大きさの軽質炭化水素の選択性を高めることが可能となる。また、所望とする軽質炭化水素が複数ある場合には、予め複数の反応カラムを準備し、目的とする軽質炭化水素に応じて、各反応カラムに平均内径Dの範囲が異なる触媒構造体を使用してもよい。また、反応カラムで既に使用している触媒構造体を、平均内径Dの範囲が異なる他の触媒構造体で交換してもよく、あるいは、触媒構造体を備える反応カラムを、平均内径Dの範囲が異なる他の触媒構造体を備える反応カラムで交換してもよい。
以上、本発明の実施形態に係る触媒構造体、その製造方法及び該触媒構造体を用いた炭化水素の製造方法、並びに該触媒構造体を有する炭化水素製造装置について述べたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
(実施例1~24)
[前駆体材料(A)の合成]
シリカ剤(テトラエトキシシラン(TEOS)、和光純薬工業社製)と、鋳型剤としての界面活性剤とを混合した混合水溶液を作製し、適宜pH調整を行い、密閉容器内、80~350℃で100時間、水熱処理を行った。その後、生成した沈殿物をろ別し、水およびエタノールで洗浄し、さらに600℃で24時間、空気中で焼成して、表1に示される種類および孔径の前駆体材料(A)を得た。なお、界面活性剤は、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)(和光純薬工業社製)を用いた。
[前駆体材料(B)および(C)の作製]
次に、表1に示される種類の金属微粒子を構成する金属元素(M)に応じて、該金属元素(M)を含有する金属塩を水に溶解させて、金属含有水溶液を調製した。なお、金属塩は、金属微粒子の種類に応じて(「金属微粒子:金属塩」)、以下のものを用いた。
・Co:硝酸コバルト(II)六水和物(和光純薬工業社製)
・Ni:硝酸ニッケル(II)六水和物(和光純薬工業社製)
・Fe:硝酸鉄(III)九水和物(和光純薬工業社製)
・Ru:塩化ルテニウム(III)無水物(東京化成工業社製)
次に、粉末状の前駆体材料(A)に、金属含有水溶液を複数回に分けて少量ずつ添加し、室温(20℃±10℃)で12時間以上乾燥させて、前駆体材料(B)を得た。
また、表1に示す添加剤の有無の条件を「有り」とし、金属含有水溶液を添加する前の前駆体材料(A)に対して、添加剤としてのポリオキシエチレン(15)オレイルエーテル(NIKKOL BO-15V、日光ケミカルズ社製)の水溶液を添加する前処理を行い、その後、上記のように金属含有水溶液を添加した。
また、前駆体材料(A)に添加する金属含有水溶液の添加量(仕込み量)は、該金属含有水溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の比(原子数比Si/M)に換算したときの数値が、表1の値になるように調整した。
次に、上記のようにして得られた金属含有水溶液を含浸させた前駆体材料(B)を、600℃で24時間、空気中で焼成して、前駆体材料(C)を得た。
上記のようにして得られた前駆体材料(C)と、表1に示す構造規定剤とを混合して混合水溶液を作製し、密閉容器内で、80~350℃、表1に示すpHおよび時間の条件で、水熱処理を行った。その後、生成した沈殿物をろ別し、水洗し、100℃で12時間以上乾燥させ、さらに600℃、24時間、空気中で焼成した。その後、焼成物を回収し、水素ガスの流入下で、500℃、60分間、還元処理して、表1に示す担体と触媒物質としての金属微粒子とを有する触媒構造体を得た(実施例1~24)。
(比較例1)
比較例1では、MFI型シリカライトに平均粒径50nm以下の酸化コバルト粉末(II,III)(シグマ アルドリッチ ジャパン合同会社製)を混合し、実施例と同様にして水素還元処理を行って、担体としてのシリカライトの外表面に、触媒物質として活性の高いコバルト微粒子を付着させた触媒構造体を得た。MFI型シリカライトは、金属を添加する工程以外は、実施例1と同様の方法で合成した。
[評価]
上記実施例の触媒構造体および比較例のシリカライトについて、以下に示す条件で、各種特性評価を行った。
[A]断面観察
上記実施例の触媒構造体および比較例のシリカライトについて、粉砕法にて観察試料を作製し、透過電子顕微鏡(TEM)(TITAN G2、FEI社製)を用いて、断面観察を行った。その結果、上記実施例の触媒構造体では、シリカライトまたはゼオライトからなる担体の内部に触媒物質が内在し、保持されていることが確認された。一方、比較例1のシリカライトでは、触媒物質が担体の外表面に付着しているのみで、担体の内部には存在していなかった。
また、上記実施例のうち金属が鉄微粒子(Fe)である触媒構造体については、FIB(集束イオンビーム)加工により断面を切り出し、SEM(SU8020、日立ハイテクノロジーズ社製)、EDX(X-Max、堀場製作所製)を用いて断面元素分析を行った。その結果、担体内部からFe元素が検出された。上記TEMとSEM/EDXによる断面観察の結果から、担体内部に鉄微粒子が存在していることが確認された。
[B]担体の通路の平均内径および触媒物質の平均粒径
上記評価[A]で行った断面観察により撮影したTEM画像にて、担体の通路を、任意に500個選択し、それぞれの長径および短径を測定し、その平均値からそれぞれの内径を算出し(N=500)、さらに内径の平均値を求めて、担体の通路の全体の平均内径Dとした。また、触媒物質についても同様に、上記TEM画像から、触媒物質を、任意に500個選択し、それぞれの粒径を測定して(N=500)、その平均値を求めて、触媒物質の平均粒径Dとした。結果を表1に示す。また、平均内径Dは、ゼオライト構造のデータベース(http://www.iza-structure.org/databases/)に記載の文献値に基づき、各ゼオライト構造が有する各細孔について、各細孔における長軸と短軸を足して等分した値から算出した。
また、触媒物質の平均粒径及び分散状態を確認するため、SAXS(小角X線散乱)を用いて分析した。SAXSによる測定は、Spring-8のビームラインBL19B2を用いて行った。得られたSAXSデータは、Guinier近似法により球形モデルでフィッティングを行い、粒径を算出した。粒径は、金属が鉄微粒子である触媒構造体について測定した。また、比較対象として、市販品である鉄微粒子(Wako製)をSEMにて観察、測定した。
この結果、市販品では粒径約50nm~400nmの範囲で様々なサイズの鉄微粒子がランダムに存在しているのに対し、TEM画像から求めた平均粒径が1.2nm~2.0nmの鉄微粒子を用いた各実施例の触媒構造体では、SAXSの測定結果においても粒径が10nm以下の散乱ピークが検出された。SAXSの測定結果とSEM/EDXによる断面の測定結果から、担体内部に、粒径10nm以下の触媒物質が、粒径が揃い且つ非常に高い分散状態で存在していることが分かった。
[C]金属含有溶液の添加量と担体内部に包接された金属量との関係
原子数比Si/M=100、200(M=Co、Fe、Ru、Ni)の添加量で、触媒物質として金属微粒子を担体内部に包接させた触媒構造体を作製した。その後、上記添加量で作製した各触媒構造体の担体内部に包接された金属量(質量%)を測定した。また、原子数比Si/M=100、200、1000の触媒構造体を、実施例1~24における原子数比Si/M=100、200の触媒構造体と同様の方法で金属含有溶液の添加量を調整して別途作製し、各触媒構造体の担体内部に包接された金属量(質量%)を測定した。さらに、原子数比Si/M=50の触媒構造体を、金属含有溶液の添加量を異ならせたこと以外は、原子数比Si/M=100、200の触媒構造体と同様の方法で別途作製し、触媒構造体の担体内部に包接された金属量(質量%)を測定した。
金属量の定量は、ICP(高周波誘導結合プラズマ)単体か、或いはICPとXRF(蛍光X線分析)を組み合わせて行った。XRF(エネルギー分散型蛍光X線分析装置「SEA1200VX」、エスエスアイ・ナノテクノロジー社製)は、真空雰囲気、加速電圧15kV(Crフィルター使用)或いは加速電圧50kV(Pbフィルター使用)の条件で行った。XRFは、金属の存在量を蛍光強度で算出する方法であり、XRF単体では定量値(質量%換算)を算出できない。そこで、Si/M=100で金属を添加した触媒構造体の金属量を、ICP分析により定量し、Si/M=50および100未満で金属を添加した触媒構造体の金属量を、XRF測定結果とICP測定結果を元に算出した。
この結果、少なくとも原子数比Si/Mが50以上1000以下の範囲内で、金属含有溶液の添加量の増加に伴って、触媒構造体に包接された金属量が増大していることが確認された。
[D]性能評価
上記実施例の触媒構造体および比較例のシリカライトについて、触媒物質がもつ触媒能を評価した。結果を表1に示す。
<軽質炭化水素の選択性>
まず、触媒構造体を、常圧流通式反応装置に70mg充填し、水素(8ml/分)と一酸化炭素(4ml/分)を供給し、250℃、常圧(0.1MPa)で加熱しながら、フィッシャー・トロプシュ合成を1時間行った。常圧流通式反応装置は、シングルマイクロリアクター(フロンティアラボ社製、Rx-3050SR)を使用した。
反応終了後に、回収した生成ガスおよび生成液を、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)により成分分析した。なお、生成ガスの分析装置には、TRACE 1310GC(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、検出器:熱伝導度検出器)を用いた。
分析の結果、反応生成物のうち、炭素数が3の炭化水素を含むC3化合物群(以下、単に「C3」ともいう。)または炭素数が4の炭化水素を含むC4化合物群(以下、単に「C4」ともいう。)の選択率が20%以上である場合を、軽質炭化水素の選択性が優れていると判定して「◎」、C3またはC4の選択率が10%以上、20%未満である場合を、軽質炭化水素の選択性が良好であると判断して「○」、C3またはC4の選択率が5%以上、10%未満である場合を、軽質炭化水素の選択性が合格レベル(可)であると判断して「△」、C3またはC4の選択率が5%未満である場合を、軽質炭化水素の選択性が劣る(不可)と判定して「×」とした。尚、C3化合物群に含まれる化合物として、プロパン、プロピレン、プロパノール等が挙げられ、C4化合物群に含まれる化合物として、n-ブタン、n-ブテン、イソブタン、イソブテン、n-ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。
また、プロピレンまたはブテン(n-ブテン及びイソブテン)の選択率が10%以上である場合を、軽質炭化水素の選択性が優れていると判定して「◎」、プロピレンまたはブテン(n-ブテン及びイソブテン)の選択率が5%以上、10%未満である場合を、軽質炭化水素の選択性が良好であると判断して「○」、プロピレンまたはブテン(n-ブテン及びイソブテン)の選択率が3%以上、5%未満である場合を、軽質炭化水素の選択性が合格レベル(可)であると判断して「△」、プロピレンまたはブテン(n-ブテン及びイソブテン)の選択率が3%未満である場合を、軽質炭化水素の選択性が劣る(不可)と判定して「×」とした。
C3またはC4の選択率は、以下の式(1)より算出した。
{生成したC3(mol)またはC4(mol)/全生成物(mol)}×100・・・(1)
プロピレンまたはブテン(n-ブテン及びイソブテン)の選択率は、以下の式(2)より算出した。
{生成したプロピレン(mol)またはブテン(n-ブテン及びイソブテン)(mol)/全生成物(mol)}×100・・・(2)
比較例1についても、上記と同様の性能評価を行った。
Figure 0007407713000001
また、軽質炭化水素の選択性は、主に、ゼオライト型化合物の骨格構造に依存する細孔径(平均内径D)と関係している。そのため、実施例1~24では、所望とする軽質炭化水素の分子サイズに応じて適切な骨格構造を有するゼオライトを選択することにより、軽質炭化水素の選択性を向上させることができた。
また、実施例1、2、7、8、13、14、19、20においては、骨格構造がMFI型のゼオライトからなる担体が使用されている。そのため、オレフィンとしてのプロピレン、ブテン(n-ブテン及びイソブテン)の選択性が向上する傾向にある。特に、MFI型のゼオライトは、[010]軸の平均内径Dが0.55nm、[100]軸の平均内径Dが0.53nmであり、各軸の平均内径Dがn-ブテンの分子サイズよりも小さいにもかかわらず、ブテン(n-ブテン及びイソブテン)について、良好な選択性又は優れた選択性を示した。
さらに、Co、Fe、Ruの触媒活性は、Niよりも高い。そのため、金属微粒子としてCo、Fe又はRuを使用している実施例1~18は、金属微粒子としてNiを使用している実施例19~24よりも軽質炭化水素の選択性の性能が優れていた。
上記結果より、触媒構造体(実施例1~24)は、炭化水素の合成、特に、一酸化炭素と水素から軽質炭化水素を合成するFT合成反応において、優れた軽質炭化水素の選択性を示すことが分かった。また、このような触媒構造体をFT合成反応に利用することにより、従来の合成プロセスで要していた精製プロセス等の追加操作を省くことができ、その結果、生産効率を向上させることができる。
1 軽質炭化水素合成触媒構造体
10 担体
10a 外表面
11 通路
11a 孔
12 拡径部
13 小通路
20 金属微粒子
平均粒径
平均内径
内径

Claims (11)

  1. ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体と、
    前記担体に内在する少なくとも1つの金属微粒子と、を備え、
    前記担体が、該担体の外部と連通する通路を有し、
    前記通路は、前記ゼオライト型化合物の骨格構造によって画定される一次元孔、二次元孔及び三次元孔のうちのいずれかと、前記一次元孔、前記二次元孔及び前記三次元孔のうちのいずれとも異なる拡径部とを有し、且つ前記金属微粒子が、少なくとも前記拡径部に存在し、
    前記金属微粒子が、Co、Fe、Ni、Ruまたはそれら少なくとも1種を含む合金を含み、
    前記金属微粒子の平均粒径が、前記通路の全体の平均内径よりも大きく、且つ前記拡径部の内径以下であり、
    前記通路の平均内径が0.95nm以下であり、
    前記金属微粒子が、さらに、前記一次元孔、二次元孔及び三次元孔のうちのいずれかを構成する孔の短径及び長径の平均値から算出される平均内径が0.95nm以下の通路に存在していることを特徴とする炭素数が6以下の軽質炭化水素合成触媒構造体。
  2. 前記通路の平均内径が0.75nm以下である、請求項1に記載の軽質炭化水素合成触媒構造体。
  3. 前記通路の平均内径が0.55nm以上0.75nm未満である、請求項1または2に記載の軽質炭化水素合成触媒構造体。
  4. 前記通路の平均内径が0.63nm以上0.75nm未満である、請求項1または2に記載の軽質炭化水素合成触媒構造体。
  5. 前記通路の平均内径が0.39nmより大きく0.68nm未満である、請求項1または2に記載の軽質炭化水素合成触媒構造体。
  6. 前記拡径部は、前記一次元孔、前記二次元孔及び前記三次元孔のうちのいずれかを構成する複数の孔同士を連通している、請求項1~5のいずれか1項に記載の軽質炭化水素合成触媒構造体。
  7. 前記金属微粒子の金属元素(M)が、前記軽質炭化水素合成触媒構造体に対して0.5質量%以上含有されている、請求項1~のいずれか1項に記載の軽質炭化水素合成触媒構造体。
  8. 請求項1~のいずれか1項に記載の軽質炭化水素合成触媒構造体を有する軽質炭化水素製造装置。
  9. 合成する軽質炭化水素の炭素数に応じて、前記通路の平均内径の範囲が異なる軽質炭化水素合成触媒構造体を備える、請求項に記載の軽質炭化水素製造装置。
  10. 請求項1~のいずれか1項に記載の軽質炭化水素合成触媒構造体を用いて、一酸化炭素と水素から軽質炭化水素を合成する軽質炭化水素の製造方法。
  11. 合成する軽質炭化水素の炭素数に応じて、前記通路の平均内径の範囲が異なる軽質炭化水素合成触媒構造体を用いる、請求項10に記載の軽質炭化水素の製造方法。
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