JP2020090401A - 機能性構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機能性物質の機能低下を抑制して長寿命化を実現することができる機能性構造体を、有機構造規定剤を使用せずに、低コストで容易に製造し得る機能性構造体の製造方法を提供する。【解決手段】機能性構造体の製造方法は、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体を得るための前駆体材料(A)に金属含有溶液が含浸された前駆体材料(B)を焼成する焼成工程と、前記前駆体材料(B)を焼成して得られた前駆体材料(C)に、構造規定剤を添加して水熱処理する水熱処理工程と、を有し、前記構造規定剤は無機塩基性化合物からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質構造の担体(骨格体)と機能性物質とを備える機能性構造体の製造方法に関し、特に無機塩基性化合物を構造規定剤として用いた機能性構造体の製造方法に関する。
石油コンビナートの製油所では、原油から、ナフサと呼ばれる石油化学原料や、重油、軽油、灯油、ガソリン、LPガス等の各種燃料が製造されている。原油は、上記の石油化学原料や各種燃料の他、様々な不純物が混ざり合った混合物であるため、原油に含まれる各成分を蒸留、分離する工程が必要となる。
そこで石油精製プロセスでは、各成分の沸点差を利用し、常圧蒸留装置における塔内の棚段で原油を加熱して成分毎に分離し、分離後の各物質を濃縮している。これにより、LPガス、ナフサ等の低沸点物質が常圧蒸留装置の上部棚段で取り出されると共に、重油等の高沸点物質が常圧蒸留装置の底部から取り出される。そして、分離、濃縮された各物質に脱硫等の二次処理を施すことにより、各種燃料製品が製造される。
一般に、石油改質用触媒は、上記石油精製プロセスにおいて低沸点のナフサ等を効率良く改質してオクタン価の高いガソリン等を製造するために使用されている。原油中のナフサ留分はそのままではオクタン価が低く、車両を走らせるガソリンとしては不適合であるため、ナフサ留分中のオクタン価の低いパラフィン分およびナフテン分を、石油改質用触媒を用いてオクタン価の高い芳香族分に改質することにより、車両の燃料に適した性状の改質ガソリンを製造している。
また、原油の重質化に伴い、重質油を直脱装置、間脱装置などの水素化脱硫装置にて水素化脱硫処理して得られる脱硫重油、脱硫重質軽油等を更に分解して、脱硫ナフサ、脱硫灯油、脱硫軽油等を増産する水素化分解処理が行われている。例えば、常圧蒸留残渣油を水素化分解処理することにより、脱硫灯軽油留分、脱硫ナフサ留分の得率を増大して脱硫重油を低減し、且つ、その脱硫重油を接触分解装置にてLPG留分、FCCガソリン留分、LCO留分を生産することによって残渣油を低減し、軽質油留分を増大させる。このとき、代表的なゼオライトである結晶性アルミノシリケート担体からなる触媒や、ゼオライトと多孔性無機酸化物とを特定の割合で含む水素化分解触媒が提案されている。
例えば、水素化分解触媒として、Y型ゼオライトからなる担体の表面に、Pd、Pt、Co、Fe、Cr、Mo、W及びこれらの混合物から選択される材料からなる金属が沈着されてなる触媒が開示されている(特許文献1)。
また、自動車分野においては、ディーゼルエンジンを搭載した車両の排気ガス用触媒構造体として、基材セラミック表面にセラミック担体を配置し、該セラミック担体に主触媒成分及び助触媒成分の双方を担持してなるセラミック触媒体が提案されている。このセラミック触媒体では、γ−アルミナからなるセラミック担体の表面に、結晶格子中の格子欠陥等からなる多数の細孔が形成されており、Ce−Zr、Pt等からなる主触媒成分がセラミック担体の表面近傍に直接担持された構成を有している(特許文献2)。
米国特許出願公開第2016/0030934号明細書 米国特許出願公開第2003/0109383号明細書
しかしながら、上記のような触媒構造体では、触媒粒子が担体の表面或いは表面近傍に担持されているため、改質処理中に被改質物質等の流体から受ける力や熱などの影響に因って触媒粒子が担体内で移動し、触媒粒子同士の凝集(シンタリング)が発生し易い。触媒粒子同士の凝集が生じると、触媒としての有効表面積が減少することで触媒活性が低下することから寿命が通常よりも短くなるため、触媒構造体自体を短期間で交換・再生しなければならず、交換作業が煩雑であると共に、省資源化を図ることができないという問題がある。また、石油改質用触媒は、通常、常圧蒸留装置の下流側に連結されて石油精製プロセスにおいて連続的に使用されるため、触媒の再活性化技術を適用し難く、仮に再活性化技術を適用できたとしても作業が非常に煩雑となる。また、このような機能の経年的な低下の抑制或いは防止は、触媒分野のみならず様々な技術分野での課題として挙げられており、機能の長期的な維持を図るべく解決策が望まれている。
一方で、上記のような多孔質構造の骨格体の製造工程においては、細孔を形成するために、例えばアミン類などの有機化合物からなる構造規定剤(有機構造規定剤)が一般的に用いられている。しかしながら、有機構造規定剤は一般に高価であり、工業的に製造コストを増大させる要因となっている。加えて、この有機構造規定剤は、触媒構造体の合成後に焼成して有機化合物の構造規定剤を除去するプロセスが余計に必要であり、この点においても製造コストを増大させる要因となっている。また、この焼成によりNOxなど環境に影響を及ぼし得る物質を排出するため、有機構造規定剤を使用せず触媒構造体を合成できる方法が望まれている。
本発明の目的は、機能性物質の機能低下を抑制して長寿命化を実現することができる機能性構造体を、有機構造規定剤を使用せずに、低コストで容易に製造し得る機能性構造体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の骨格体と、前記骨格体に内在する少なくとも1つの機能性物質と、を備え、前記骨格体が、互いに連通する通路を有し、前記機能性物質が、前記骨格体の少なくとも前記通路に保持されている機能性構造体によって、機能性物質の機能低下を抑制し、長寿命化を実現できること、およびそのような機能性構造を、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体を得るための前駆体材料(A)に金属含有溶液が含浸された前駆体材料(B)を焼成する焼成工程と、前記前駆体材料(B)を焼成して得られた前駆体材料(C)に、構造規定剤を添加して水熱処理する水熱処理工程と、を有し、前記構造規定剤は、水酸化物イオン(OH)を有する無機塩基性化合物からなる製造方法によって有機構造規定剤を使用せずに、低コストで製造できることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
[1]ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体を得るための前駆体材料(A)に金属含有溶液が含浸された前駆体材料(B)を焼成する焼成工程と、前記前駆体材料(B)を焼成して得られた前駆体材料(C)に、構造規定剤を添加して水熱処理する水熱処理工程と、を有し、前記構造規定剤は、無機塩基性化合物からなることを特徴とする機能性構造体の製造方法。
[2]前記水熱処理工程において、少なくとも前記前駆体材料(C)と前記構造規定剤を含み、水酸化物イオン(OH)濃度が0.1mol/L以上の範囲の混合溶液に水熱処理することを特徴とする、[1]に記載の機能性構造体の製造方法。
[3]前記焼成工程の前に、非イオン性界面活性剤を、前記前駆体材料(A)に対して50〜500質量%添加することを特徴とする、[1]又は[2]に記載の機能性構造体の製造方法。
[4]前記焼成工程の前に、前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を複数回に分けて添加することで、前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を含浸させることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の機能性構造体の製造方法。
[5]前記焼成工程の前に前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を含浸させる際に、前記前駆体材料(A)に添加する前記金属含有溶液の添加量を、前記前駆体材料(A)に添加する前記金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、前記前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の原子数比(Si/M比)に換算して、10〜1000となるように調整することを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の機能性構造体の製造方法。
[6]前記水熱処理工程が塩基性雰囲気下で行われることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の機能性構造体の製造方法。
本発明によれば、機能性物質の機能低下を抑制して長寿命化を実現することができる機能性構造体を、低コストで容易に製造し得る機能性構造体の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る機能性構造体の内部構造が分かるように概略的に示したものであって、図1(a)は斜視図(一部を横断面で示す。)、図1(b)は部分拡大断面図である。 図2は、図1の機能性構造体の機能の一例を説明するための部分拡大断面図であり、図2(a)は篩機能、図2(b)は触媒機能を説明する図である。 図3は、本発明の実施形態に係る機能性構造体の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図4は、図1の機能性構造体の変形例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[機能性構造体の構成]
図1は、本発明の実施形態に係る機能性構造体の製造方法(詳細は後述する)で製造される機能性構造体の構成を概略的に示す図であり、(a)は斜視図(一部を横断面で示す。)、(b)は部分拡大断面図である。なお、図1における機能性構造体は、その一例を示すものであり、本発明に係る各構成の形状、寸法等は、図1のものに限られないものとする。
図1(a)に示されるように、機能性構造体1は、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体である骨格体10と、該骨格体10に内在する少なくとも1つの機能性物質20とを備える。
機能性物質20は、単独で、または骨格体10と協働することで、一又は複数の機能を発揮する物質である。また、上記機能の具体例としては、触媒機能、発光(または蛍光)機能、吸光機能、識別機能等が挙げられる。機能性物質20は、例えば触媒機能を有する触媒物質であることが好ましい。なお、機能性物質20が触媒物質であるとき、骨格体10は、触媒物質を担持する担体である。
機能性構造体1において、複数の機能性物質20,20,・・・は、骨格体10の多孔質構造の内部に包接されている。機能性物質20の一例である触媒物質は、好ましくは金属酸化物微粒子および金属微粒子の少なくとも一方である。金属酸化物微粒子および金属微粒子については、詳しくは後述する。また、機能性物質20は、金属酸化物や金属の合金、またはこれらの複合材料を含む粒子であってもよい。
骨格体10は、多孔質構造であり、図1(b)に示すように、好適には複数の孔11a,11a,・・・が形成されることにより、互いに連通する通路11を有する。ここで機能性物質20は、骨格体10の少なくとも通路11に存在しており、好ましくは骨格体10の少なくとも通路11に保持されている。
このような構成により、骨格体10内での機能性物質20の移動が規制され、機能性物質20、20同士の凝集が有効に防止されている。その結果、機能性物質20としての有効表面積の減少を効果的に抑制することができ、機能性物質20の機能は長期にわたって持続する。すなわち、機能性構造体1によれば、機能性物質20の凝集による機能の低下を抑制でき、機能性構造体1としての長寿命化を図ることができる。また、機能性構造体1の長寿命化により、機能性構造体1の交換頻度を低減でき、使用済みの機能性構造体1の廃棄量を大幅に低減することができ、省資源化を図ることができる。
通常、機能性構造体を、流体(例えば、重質油や、NOx等の改質ガスなど)の中で用いる場合、流体から外力を受ける可能性がある。この場合、機能性物質が、骨格体10の外表面に付着状態で保持されているだけであると、流体からの外力の影響で骨格体10の外表面から離脱しやすいという問題がある。これに対し、機能性構造体1では、機能性物質20は骨格体10の少なくとも通路11に保持されているため、流体による外力の影響を受けたとしても、骨格体10から機能性物質20が離脱しにくい。すなわち、機能性構造体1が流体内にある場合、流体は骨格体10の孔11aから、通路11内に流入するため、通路11内を流れる流体の速さは、流路抵抗(摩擦力)により、骨格体10の外表面を流れる流体の速さに比べて、遅くなると考えられる。このような流路抵抗の影響により、通路11内に保持された機能性物質20が流体から受ける圧力は、骨格体10の外部において機能性物質が流体から受ける圧力に比べて低くなる。そのため、骨格体11に内在する機能性物質20が離脱することを効果的に抑制でき、機能性物質20の機能を長期的に安定して維持することが可能となる。なお、上記のような流路抵抗は、骨格体10の通路11が、曲がりや分岐を複数有し、骨格体10の内部がより複雑で三次元的な立体構造となっているほど、大きくなると考えられる。
また、通路11は、ゼオライト型化合物の骨格構造によって画定される一次元孔、二次元孔及び三次元孔のうちのいずれかと、上記一次元孔、上記二次元孔及び上記三次元孔のうちのいずれとも異なる拡径部12とを有していることが好ましく、このとき、機能性物質20は、少なくとも拡径部12に存在していることが好ましく、少なくとも拡径部12に包接されていることがより好ましい。ここでいう一次元孔とは、一次元チャンネルを形成しているトンネル型またはケージ型の孔、もしくは複数の一次元チャンネルを形成しているトンネル型またはケージ型の複数の孔(複数の一次元チャンネル)を指す。また、二次元孔とは、複数の一次元チャンネルが二次元的に連結された二次元チャンネルを指し、三次元孔とは、複数の一次元チャンネルが三次元的に連結された三次元チャンネルを指す。
これにより、機能性物質20の骨格体10内での移動がさらに規制され、機能性物質20の離脱や、機能性物質20、20同士の凝集をさらに有効に防止することができる。包接とは、機能性物質20が骨格体10に内包されている状態を指す。このとき機能性物質20と骨格体10とは、必ずしも直接的に互いが接触している必要はなく、機能性物質20と骨格体10との間に他の物質(例えば、界面活性剤等)が介在した状態で、機能性物質20が骨格体10に間接的に保持されていてもよい。
図1(b)では機能性物質20が拡径部12に包接されている場合を示しているが、この構成だけには限定されず、機能性物質20は、その一部が拡径部12の外側にはみ出した状態で通路11に保持されていてもよい。また、機能性物質20は、拡径部12以外の通路11の部分(例えば通路11の内壁部分)に部分的に埋設され、または固着等によって保持されていてもよい。
また、拡径部12は、上記一次元孔、上記二次元孔及び上記三次元孔のうちのいずれかを構成する複数の孔11a,11a同士を連通しているのが好ましい。これにより、骨格体10の内部に、一次元孔、二次元孔又は三次元孔とは異なる別途の通路が設けられるので、機能性物質20の機能をより発揮させることができる。
また、通路11は、骨格体10の内部に、分岐部または合流部を含んで三次元的に形成されており、拡径部12は、通路11の上記分岐部または合流部に設けられるのが好ましい。
骨格体10に形成された通路11の平均内径Dは、上記一次元孔、二次元孔及び三次元孔のうちのいずれかを構成する孔11aの短径及び長径の平均値から算出され、例えば0.1nm〜1.5nmであり、好ましくは0.5nm〜0.8nmである。また、拡径部12の内径Dは、例えば0.5nm〜50nmであり、好ましくは1.1nm〜40nm、より好ましくは1.1nm〜3.3nmである。拡径部12の内径Dは、例えば後述する前駆体材料(A)の細孔径、及び包接される機能性物質20の平均粒径Dに依存する。拡径部12の内径Dは、機能性物質20を包接し得る大きさである。
骨格体10は、ゼオライト型化合物で構成される。ゼオライト型化合物としては、例えば、ゼオライト(アルミノケイ酸塩)、陽イオン交換ゼオライト、シリカライト等のケイ酸塩化合物、アルミノホウ酸塩、アルミノヒ酸塩、ゲルマニウム酸塩等のゼオライト類縁化合物、リン酸モリブデン等のリン酸塩系ゼオライト類似物質などが挙げられる。中でも、ゼオライト型化合物はケイ酸塩化合物であることが好ましい。
ゼオライト型化合物の骨格構造は、FAU型(Y型またはX型)、MTW型、MFI型(ZSM−5)、FER型(フェリエライト)、LTA型(A型)、MWW型(MCM−22)、MOR型(モルデナイト)、LTL型(L型)、BEA型(ベータ型)などの中から選択され、好ましくはMFI型である。ゼオライト型化合物には、各骨格構造に応じた孔径を有する孔が複数形成されており、例えばMFI型の最大孔径は0.636nm(6.36Å)、平均孔径0.560nm(5.60Å)である。
以下、機能性物質20が金属酸化物微粒子および金属微粒子の少なくとも一方(以下、総称して「微粒子」ということがある。)である場合について詳しく説明する。
機能性物質20が上記微粒子である場合、微粒子20は一次粒子である場合と、一次粒子が凝集して形成した二次粒子である場合とがあるが、微粒子20の平均粒径Dは、好ましくは通路11の平均内径Dよりも大きく、且つ拡径部12の内径D以下である(D<D≦D)。このような微粒子20は、通路11内では、好適には拡径部12に包接されており、骨格体10内での微粒子20の移動が規制される。よって、微粒子20が流体から外力を受けた場合であっても、骨格体10内での微粒子20の移動が抑制され、骨格体10の通路11に分散配置された拡径部12、12、・・のそれぞれに包接された微粒子20、20、・・同士が接触するのを有効に防止することができる。
機能性物質20が金属酸化物微粒子である場合には、金属酸化物微粒子20の平均粒径Dは、一次粒子および二次粒子のいずれの場合も、好ましくは0.1nm〜50nmであり、より好ましくは0.1nm以上30nm未満であり、さらに好ましくは0.4nm〜14.0nm、特に好ましくは1.0nm〜3.3nmである。また、通路11の平均内径Dに対する金属酸化物微粒子20の平均粒径Dの割合(D/D)は、好ましくは0.06〜500であり、より好ましくは0.1〜36であり、更に好ましくは1.1〜36であり、特に好ましくは1.7〜4.5である。
また、機能性物質20が金属酸化物微粒子である場合、金属酸化物微粒子の金属元素(M)は、機能性構造体1に対して0.5〜2.5質量%で含有されているのが好ましく、機能性構造体1に対して0.5〜1.5質量%で含有されているのがより好ましい。例えば、金属元素(M)がCoである場合、Co元素の含有量(質量%)は、(Co元素の質量)/(機能性構造体1の全元素の質量)×100で表される。
上記金属酸化物微粒子は、金属酸化物で構成されていればよく、例えば、単一の金属酸化物で構成されていてもよく、あるいは2種以上の金属酸化物の混合物で構成されていてもよい。なお、本明細書において、金属酸化物微粒子を構成する(材質としての)「金属酸化物」は、1種の金属元素(M)を含む酸化物と、2種以上の金属元素(M)を含む複合酸化物とを含む意味であり、1種以上の金属元素(M)を含む酸化物の総称である。
このような金属酸化物としては、例えば酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(FeO)、酸化銅(CuO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化セリウム(CeO)、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ニオブ(NbO)、酸化チタン(TiO)、酸化ビスマス(BiO)、酸化モリブデン(MoO)、酸化バナジウム(VO)、酸化クロム(CrO)等が挙げられ、上記のいずれか1種以上を主成分とすることが好ましい。
また、機能性物質20が金属微粒子である場合には、金属微粒子20の平均粒径Dは、一次粒子および二次粒子のいずれの場合も、好ましくは0.08〜30nmであり、より好ましくは0.08nm以上25nm未満であり、さらに好ましくは0.4nm〜11.0nmであり、特に好ましくは0.8〜2.7nmである。また、通路11の平均内径Dに対する金属微粒子20の平均粒径Dの割合(D/D)は、好ましくは0.05〜300であり、より好ましくは0.1〜30であり、更に好ましくは1.1〜30であり、特に好ましくは1.4〜3.6である。
機能性物質20が金属微粒子である場合、金属微粒子の金属元素(M)は、機能性構造体1に対して0.5〜2.5質量%で含有されているのが好ましく、機能性構造体1に対して0.5〜1.5質量%で含有されているのがより好ましい。
上記金属微粒子は、酸化されていない金属で構成されていればよく、例えば、単一の金属で構成されていてもよく、あるいは2種以上の金属の混合物で構成されていてもよい。なお、本明細書において、金属微粒子を構成する(材質としての)「金属」は、1種の金属元素(M)を含む単体金属と、2種以上の金属元素(M)を含む金属合金とを含む意味であり、1種以上の金属元素を含む金属の総称である。また、金属微粒子と金属元素が同じ金属酸化物が使用環境で還元され結果的に金属微粒子が組成になる場合、前記金属酸化物は実質的に金属微粒子とみなすことができる。
このような金属としては、例えば白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、セリウム(Ce)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)等が挙げられ、上記のいずれか1種以上を主成分とすることが好ましい。
なお、機能性物質20は、耐久性の観点では、金属酸化物微粒子であることが好ましい。
また、微粒子20を構成する金属元素(M)に対する、骨格体10を構成するケイ素(Si)の割合(原子数比Si/M)は、10〜1000であるのが好ましく、50〜200であるのがより好ましい。上記割合が1000より大きいと、活性が低いなど、機能性物質としての作用が十分に得られない可能性がある。一方、上記割合が10よりも小さいと、微粒子20の割合が大きくなりすぎて、骨格体10の強度が低下する傾向がある。なお、ここでいう微粒子20は、骨格体10の内部に保持され、または担持された微粒子をいい、骨格体10の外表面に付着した微粒子を含まない。
[機能性構造体の機能]
機能性構造体1は、上記のとおり、多孔質構造の骨格体10と、骨格体に内在する少なくとも1つの機能性物質20とを備える。機能性構造体1は、骨格体に内在する機能性物質20が流体と接触することにより、機能性物質20に応じた機能を発揮する。具体的に、機能性構造体1の外表面10aに接触した流体は、外表面10aに形成された孔11aから骨格体10内部に流入して通路11内に誘導され、通路11内を通って移動し、他の孔11aを通じて機能性構造体1の外部へ出る。流体が通路11内を通って移動する経路において、通路11に保持された機能性物質20と接触することによって、機能性物質20の機能に応じた反応(例えば、触媒反応)が生じる。また、機能性構造体1は、骨格体が多孔質構造であることにより、分子篩能を有する。
まず、機能性構造体1の分子篩能について、図2(a)を用いて、流体がベンゼン、プロピレン及びメシチレンを含む液体である場合を例として説明する。図2(a)に示すように、孔11aの孔径以下、言い換えれば、通路11の内径以下の大きさを有する分子で構成される化合物(例えば、ベンゼン、プロピレン)は、骨格体10内に浸入することができる。一方、孔11aの孔径を超える大きさを有する分子で構成される化合物(例えば、メシチレン)は、骨格体10内へ浸入することができない。このように、流体が複数種類の化合物を含んでいる場合に、骨格体10内に浸入することができない化合物の反応は規制され、骨格体10内に浸入することができる化合物を反応させることができる。
反応によって骨格体10内で生成した化合物のうち、孔11aの孔径以下の大きさを有する分子で構成される化合物のみが孔11aを通じて骨格体10の外部へ出ることができ、反応生成物として得られる。一方、孔11aから骨格体10の外部へ出ることができない化合物は、骨格体10の外部へ出ることができる大きさの分子で構成される化合物に変換させれば、骨格体10の外部へ出すことができる。このように、機能性構造体1を用いることにより、特定の反応生成物を選択的に得ることができる。
機能性構造体1では、図2(b)に示すように、好適には通路11の拡径部12に機能性物質20が包接されている。機能性物質20が金属酸化物微粒子であるとき、金属酸化物微粒子の平均粒径Dが、通路11の平均内径Dよりも大きく、拡径部12の内径Dよりも小さい場合には(D<D<D)、金属酸化物微粒子と拡径部12との間に小通路13が形成される。そこで、図2(b)中の矢印に示すように、小通路13に浸入した流体が金属酸化物微粒子と接触する。各金属酸化物微粒子は、拡径部12に包接されているため、骨格体10内での移動が制限されている。これにより、骨格体10内における金属酸化物微粒子同士の凝集が防止される。その結果、金属酸化物微粒子と流体との大きな接触面積を安定して維持することができる。
次に、機能性物質20が触媒機能を有する場合について説明する。具体的に、機能性物質20が鉄(Fe)微粒子である場合、機能性構造体1は、例えばフィッシャー・トロプシュ反応用触媒として用いることができる。このフィッシャー・トロプシュ反応は、一酸化炭素と水素から触媒反応を用いて液体炭化水素を合成する反応であり、概略、以下の式で表されるものである。
(2n+1)H+nCO→C2n+2+nH
[機能性構造体の製造方法]
図3は、本発明の実施形態に係る機能性構造体1の製造方法を示すフローチャートである。以下、担体(骨格体)に内在する機能性物質が金属酸化物微粒子である場合を例に、機能性構造体の製造方法の一例を説明する。
(ステップS1:準備工程)
図3に示すように、先ず、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の骨格体を得るための前駆体材料(A)を準備する。前駆体材料(A)は、好ましくは規則性メソ細孔物質であり、機能性構造体の骨格体を構成するゼオライト型化合物の種類(組成)に応じて適宜選択できる。
ここで、機能性構造体の骨格体を構成するゼオライト型化合物がケイ酸塩化合物である場合には、規則性メソ細孔物質は、細孔径1〜50nmの細孔が1次元、2次元または3次元に均一な大きさかつ規則的に発達したSi−O骨格からなる化合物であることが好ましい。このような規則性メソ細孔物質は、合成条件によって様々な合成物として得られるが、合成物の具体例としては、例えばSBA−1、SBA−15、SBA−16、KIT−6、FSM−16、MCM−41等が挙げられ、中でもMCM−41が好ましい。なお、SBA−1の細孔径は10〜30nm、SBA−15の細孔径は6〜10nm、SBA−16の細孔径は6nm、KIT−6の細孔径は9nm、FSM−16の細孔径は3〜5nm、MCM−41の細孔径は1〜10nmである。また、このような規則性メソ細孔物質としては、例えばメソポーラスシリカ、メソポーラスアルミノシリケート、メソポーラスメタロシリケート等が挙げられる。
前駆体材料(A)は、市販品および合成品のいずれであってもよい。前駆体材料(A)を合成する場合には、公知の規則性メソ細孔物質の合成方法により行うことができる。例えば、前駆体材料(A)の構成元素を含有する原料と、前駆体材料(A)の構造を規定するための鋳型剤とを含む混合溶液を調製し、必要に応じてpHを調整して、水熱処理(水熱合成)を行う。その後、水熱処理により得られた沈殿物(生成物)を回収(例えば、ろ別)し、必要に応じて洗浄および乾燥し、さらに焼成することで、粉末状の規則性メソ細孔物質である前駆体材料(A)が得られる。ここで、混合溶液の溶媒としては、例えば水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶媒等を用いることができる。また、原料は、骨格体の種類に応じて選択されるが、例えばテトラエトキシシラン(TEOS)等のシリカ剤、フュームドシリカ、石英砂等が挙げられる。また、鋳型剤としては、各種界面活性剤、ブロックコポリマー等を用いることができ、規則性メソ細孔物質の合成物の種類に応じて選択することが好ましく、例えばMCM−41を作製する場合にはヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等の界面活性剤が好適である。水熱処理は、例えば、密閉容器内で、80〜800℃、5時間〜240時間、0〜2000kPaの処理条件で行うことができる。焼成処理は、例えば、空気中で、350〜850℃、2〜30時間の処理条件で行うことができる。
(ステップS2:含浸工程)
次に、準備した前駆体材料(A)に、金属含有溶液を含浸させ、前駆体材料(B)を得る。
金属含有溶液は、機能性構造体の金属酸化物微粒子を構成する金属元素(M)に対応する金属成分(例えば、金属イオン)を含有する溶液であればよく、例えば、溶媒に、金属元素(M)を含有する金属塩を溶解させることにより調製できる。このような金属塩としては、例えば、塩化物、水酸化物、酸化物、硫酸塩、硝酸塩等の金属塩が挙げられ、中でも硝酸塩が好ましい。溶媒としては、例えば水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶媒等を用いることができる。
前駆体材料(A)に金属含有溶液を含浸させる方法は、特に限定されないが、例えば、後述する焼成工程の前に、粉末状の前駆体材料(A)を撹拌しながら、金属含有溶液を複数回に分けて少量ずつ添加することが好ましい。また、前駆体材料(A)の細孔内部に金属含有溶液がより浸入し易くなる観点から、前駆体材料(A)に、金属含有溶液を添加する前に予め、添加剤として界面活性剤を添加しておくことが好ましい。このような添加剤は、前駆体材料(A)の外表面を被覆する働きがあり、その後に添加される金属含有溶液が前駆体材料(A)の外表面に付着することを抑制し、金属含有溶液が前駆体材料(A)の細孔内部により浸入し易くなると考えられる。
このような添加剤としては、例えばポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、分子サイズが大きく前駆体材料(A)の細孔内部には浸入できないため、細孔の内部に付着することは無く、金属含有溶液が細孔内部に浸入することを妨げないと考えられる。非イオン性界面活性剤の添加方法としては、例えば、後述する焼成工程の前に、非イオン性界面活性剤を、前駆体材料(A)に対して50〜500質量%添加するのが好ましい。非イオン性界面活性剤の前駆体材料(A)に対する添加量が50質量%未満であると上記の抑制作用が発現し難く、非イオン性界面活性剤を前駆体材料(A)に対して500質量%よりも多く添加すると粘度が上がりすぎるので好ましくない。よって、非イオン性界面活性剤の前駆体材料(A)に対する添加量を上記範囲内の値とする。
また、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量は、前駆体材料(A)に含浸させる金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)の量(すなわち、前駆体材料(B)に内在させる金属元素(M)の量)を考慮して、適宜調整することが好ましい。例えば、後述する焼成工程の前に、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量を、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の比(原子数比Si/M)に換算して、10〜1000となるように調整することが好ましく、50〜200となるように調整することがより好ましい。例えば、前駆体材料(A)に金属含有溶液を添加する前に、添加剤として界面活性剤を前駆体材料(A)に添加した場合、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量を、原子数比Si/Mに換算して50〜200とすることで、金属酸化物微粒子の金属元素(M)を、機能性構造体に対して0.5〜2.5質量%で含有させることができる。前駆体材料(B)の状態で、その細孔内部に存在する金属元素(M)の量は、金属含有溶液の金属濃度や、上記添加剤の有無、その他温度や圧力等の諸条件が同じであれば、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量に概ね比例する。また、前駆体材料(B)に内在する金属元素(M)の量は、機能性構造体の骨格体に内在する金属酸化物微粒子を構成する金属元素の量と比例関係にある。したがって、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量を上記範囲に制御することにより、前駆体材料(A)の細孔内部に金属含有溶液を十分に含浸させることができ、ひいては、機能性構造体の骨格体に内在させる金属酸化物微粒子の量を調整することができる。
前駆体材料(A)に金属含有溶液を含浸させた後は、必要に応じて、洗浄処理を行ってもよい。洗浄溶液として、水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶液を用いることができる。また、前駆体材料(A)に金属含有溶液を含浸させ、必要に応じて洗浄処理を行った後、さらに乾燥処理を施すことが好ましい。乾燥処理としては、一晩程度の自然乾燥や、150℃以下の高温乾燥が挙げられる。なお、金属含有溶液に含まれる水分や、洗浄溶液の水分が、前駆体材料(A)に多く残った状態で、後述の焼成処理を行うと、前駆体材料(A)の規則性メソ細孔物質としての骨格構造が壊れる恐れがあるので、十分に乾燥するのが好ましい。
(ステップS3:焼成工程)
次に、ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の骨格体を得るための前駆体材料(A)に金属含有溶液が含浸された前駆体材料(B)を焼成して、前駆体材料(C)を得る。
焼成処理は、例えば、空気中で、350〜850℃、2〜30時間の処理条件で行うことが好ましい。このような焼成処理により、規則性メソ細孔物質の孔内に含浸された金属成分が結晶成長して、孔内で金属酸化物微粒子が形成される。
(ステップS4:水熱処理工程)
次いで、前記前駆体材料(B)を焼成して得られた前駆体材料(C)に、構造規定剤を添加して、混合溶液を調製し、前記前駆体材料(C)を水熱処理して、機能性構造体を得る。
構造規定剤は、機能性構造体の骨格体の骨格構造を規定するための鋳型剤であり、機能性構造体の骨格体の骨格構造に応じて構造規定剤の種類を選択することが好ましい。ここで、構造規定剤は、界面活性剤などからなり従来から水熱処理時に使用されている有機構造規定剤と、水酸化物イオン(OH)を有する無機塩基性化合物とに分けられる。そして、本発明において、構造規定剤として水酸化物イオン(OH)を有する無機塩基性化合物を使用する。
水酸化物イオン(OH)を有する無機塩基性化合物は、例えば代表的なものはアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物であり、たとえば水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ルビジウム(Rb(OH))、水酸化カルシウム(Ca(OH))、水酸化ストロンチウム(Sr(OH))などが好適である。
上述したとおり、構造規定剤は無機塩基性化合物からなる。したがって、構造規定剤としては、従来公知の界面活性剤などからなる有機構造規定剤は含まない。なお、有機構造規定剤としては、例えばテトラメチルアンモニウムブロミド(TMABr)、テトラエチルアンモニウムブロミド(TEABr)、テトラプロピルアンモニウムブロミド(TPABr)等が挙げられる。
少なくとも前駆体材料(C)と構造規定剤とを含む混合溶液中の水酸化物イオン(OH)濃度、すなわち水熱処理時の混合溶液中の水酸化物イオン(OH)濃度は、0.1mol/L以上であることが好ましい。このような範囲にOH濃度を調整ことにより、結晶性が優れた骨格体を製造することができる。また、水酸化物イオン(OH)濃度は、より好ましくは0.2mol/L以上2mol/L以下である。このような範囲内にOH濃度を調整することで、特に結晶性が優れた機能性構造体を製造することができる。
水熱処理工程S4において、無機塩基性化合物の水酸化物イオン(OH)/SiOのモル比は0.1以上が好ましい。このモル比が上記範囲内であると、ゼオライトが結晶化する。このモル比が0.1未満であると、ゼオライトの結晶成長が十分に進まず、機能性構造体の機能を十分に発揮することができない。
前駆体材料(C)と構造規定剤との混合は、本水熱処理工程時に行ってもよいし、水熱処理工程の前に行ってもよい。また、上記混合溶液の調製方法は、特に限定されず、前駆体材料(C)と、構造規定剤と、溶媒とを同時に混合してもよいし、溶媒に前駆体材料(C)と構造規定剤とをそれぞれ個々の溶液に分散させた状態にした後に、それぞれの分散溶液を混合してもよい。溶媒としては、例えば水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶媒等を用いることができる。
水熱処理は、公知の方法で行うことができ、例えば、密閉容器内で、80〜800℃、5時間〜240時間、0〜2000kPaの処理条件で行うことが好ましい。また、水熱処理は、塩基性雰囲気下で行われることが好ましい。
ここでの反応メカニズムは必ずしも明らかではないが、前駆体材料(C)を原料として水熱処理を行うことにより、前駆体材料(C)の規則性メソ細孔物質としての骨格構造は次第に崩れるが、前駆体材料(C)の細孔内部での金属酸化物微粒子の位置は概ね維持されたまま、構造規定剤の作用により、機能性構造体の骨格体としての新たな骨格構造(多孔質構造)が形成される。このようにして得られた機能性構造体は、多孔質構造の骨格体と、骨格体に内在する金属酸化物微粒子を備え、さらに骨格体はその多孔質構造により複数の孔が互いに連通した通路を有し、金属酸化物微粒子はその少なくとも一部分が骨格体の通路に保持されている。
本発明の実施形態に係る機能性構造体の製造方法は、通常のゼオライト型化合物の合成プロセスとは異なり、水熱処理を施す対象である混合溶液に、規則性メソ細孔物質などの多孔質構造の骨格体であり、その内部に金属元素が含浸された前駆体材料(B)を添加する。上述したとおり、この反応メカニズムは明らかではないが、前駆体材料(C)の細孔内部での金属酸化物微粒子の位置は概ね維持されたままであることからすると、単に原料の溶解−再析出のメカニズムによって骨格体が形成される一般的なゼオライト型化合物の合成プロセスとは異なるメカニズムで骨格体が形成されていると言える。本発明においては、驚くべきことに、このようなメカニズムにおいて、有機構造規定剤を使用せずに目的とする機能性構造体が得られる。
そして、このような水熱処理による機能性構造体の製造方法においては、水酸化物イオン(OH)を有する無機塩基性化合物を構造規定剤として用いることにより、通常のゼオライト型化合物の合成プロセスにおいて必要とされる有機構造規定剤を必要としない。これにより、一般的に高価な有機構造規定剤を使用せずに機能性構造体を製造することができ、また焼成による有機構造規定剤の除去プロセスを省略することができるため、その製造におけるコストの大幅な削減が期待される。さらに、このようにして得られる機能性構造体は、有機構造規定剤を含有しないため、NOxなどの環境に影響を及ぼし得る物質を排出しない。
水熱処理後に得られる沈殿物(機能性構造体)は、回収(例えば、ろ別)後、必要に応じて洗浄、乾燥することが好ましい。洗浄溶液としては、水、またはアルコール等の有機溶媒、若しくはこれらの混合溶液を用いることができる。乾燥処理としては、一晩程度の自然乾燥や、150℃以下の高温乾燥が挙げられる。
以上、機能性物質が金属酸化物微粒子である場合の機能性構造体の製造方法を例に説明してきたが、機能性物質が金属微粒子である場合も概ね上記と同様に、機能性構造体を作製することができる。例えば、上記のようにして金属酸化物粒子を有する機能性構造体を得た後、水素ガス等の還元ガス雰囲気下で還元処理することで、骨格体に金属微粒子が内在する機能性構造体を得ることができる。この場合、骨格体に内在する金属酸化物微粒子が還元され、金属酸化物微粒子を構成する金属元素(M)に対応した金属微粒子が形成される。あるいは、前駆体材料(A)に含浸させる金属含有溶液に含まれる金属元素(M)を、酸化され難い金属種(例えば、貴金属)とすることにより、焼成工程(ステップS3)にて金属微粒子を結晶成長させることができ、その後に水熱処理を行うことで、骨格体に金属微粒子が内在する機能性構造体を得ることができる。
[機能性構造体1の変形例]
図4は、図1の機能性構造体1の変形例を示す模式図である。
図1の機能性構造体1は、骨格体10と、骨格体10に内在する機能性物質20とを備える場合を示しているが、この構成だけには限定されず、例えば、図4に示すように、機能性構造体2が、骨格体10の外表面10aに保持された他の機能性物質30を更に備えていてもよい。
この機能性物質30は、一又は複数の機能を発揮する物質である。他の機能性物質30が有する機能は、機能性物質20が有する機能と同一であってもよいし、異なっていてもよい。他の機能性物質30が有する機能の具体例は、機能性物質20について説明したものと同様であり、中でも触媒機能を有することが好ましく、このとき機能性物質30は触媒物質である。また、機能性物質20,30の双方が同一の機能を有する物質である場合、他の機能性物質30の材料は、機能性物質20の材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。本構成によれば、機能性構造体2に保持された機能性物質の含有量を増大することができ、機能性物質の機能発揮を更に促進することができる。
この場合、骨格体10に内在する機能性物質20の含有量は、骨格体10の外表面10aに保持された他の機能性物質30の含有量よりも多いことが好ましい。これにより、骨格体10の内部に保持された機能性物質20による機能が支配的となり、安定的に機能性物質の機能が発揮される。
以上、本発明の実施形態に係る機能性構造体について述べたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
(実施例1〜7)
[前駆体材料(A)の合成]
シリカ剤(テトラエトキシシラン(TEOS)、和光純薬工業株式会社製)と、鋳型剤としての界面活性剤とを混合した混合水溶液を作製し、適宜pH調整を行い、密閉容器内で、80〜350℃、100時間、水熱処理を行った。その後、生成した沈殿物をろ別し、水およびエタノールで洗浄し、さらに600℃、24時間、空気中で焼成して、表1に示される種類および孔径の前駆体材料(A)を得た。なお、界面活性剤は、前駆体材料(A)の種類に応じて(「前駆体材料(A)の種類:界面活性剤」)以下のものを用いた。
・MCM−41:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)(和光純薬工業株式会社製)
[前駆体材料(B)および(C)の作製]
次に、表1に示される種類の金属酸化物微粒子を構成する金属元素(M)に応じて、該金属元素(M)を含有する金属塩を、水に溶解させて、金属含有水溶液を調製した。なお、金属塩は、金属酸化物微粒子の種類に応じて(「金属酸化物微粒子:金属塩」)以下のものを用いた。
・CoO:硝酸コバルト(II)六水和物(和光純薬工業株式会社製)
次に、粉末状の前駆体材料(A)に、金属含有水溶液を複数回に分けて少量ずつ添加し、室温(20℃±10℃)で12時間以上乾燥させて、前駆体材料(B)を得た。
なお、表1に示すいずれの実施例においても、金属含有水溶液を添加する前の前駆体材料(A)に対して、添加剤としてのポリオキシエチレン(15)オレイルエーテル(NIKKOL BO−15V、日光ケミカルズ株式会社製)の水溶液を添加する前処理を行い、その後、上記のように金属含有水溶液を添加した。
また、前駆体材料(A)に添加する金属含有水溶液の添加量は、該金属含有水溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の比(原子数比Si/M)に換算したときの数値が、表1の値になるように調整した。
次に、上記のようにして得られた金属含有水溶液を含浸させた前駆体材料(B)を、600℃、24時間、空気中で焼成して、前駆体材料(C)を得た。
[機能性構造体の合成]
上記のようにして得られた前駆体材料(C)と、水酸化物イオンを有する無機塩基性化合物を構造規定剤として混合して混合水溶液を作製し、密閉容器内で、170℃、表1に示すpHおよび時間の条件で、水熱処理を行った。なお、この際、有機構造規定剤は添加しなかった。その後、生成した沈殿物をろ別し、水洗し、100℃で12時間以上乾燥させて、表1に示す骨格体と機能性物質としての金属酸化物微粒子とを有する機能性構造体を得た(実施例1〜7)。
(比較例1)
比較例1では、構造規定剤として有機化合物であるTPABrを使用し、また、水熱処理の温度を150℃としたこと以外は実施例1と同様の方法で機能性構造体C1を合成した。
(比較例2)
比較例2では、MFI型シリカライトに平均粒径50nm以下の酸化コバルト粉末(II,III)(シグマ アルドリッチ ジャパン合同会社製)を混合し、骨格体としてのシリカライトの外表面に、機能性物質として酸化コバルト微粒子を付着させた機能性構造体C2を得た。MFI型シリカライトは、金属を添加する工程以外は、実施例1と同様の方法で合成した。
[評価]
上記実施例の機能性構造体、比較例1の機能性構造体C1、および比較例2の機能性構造体C2(機能性物質付着シリカライト)について、以下に示す条件で、各種特性評価を行った。
[A]断面観察
上記実施例の機能性構造体、比較例1の機能性構造体C1、および比較例2の機能性構造体C2(酸化コバルト微粒子付着シリカライト)について、粉砕法にて観察試料を作製し、透過電子顕微鏡(TEM)(TITAN G2、FEI社製)を用いて、断面観察を行った。
その結果、上記実施例の機能性構造体および比較例1の機能性構造体C1では、ゼオライトからなる骨格体の内部に機能性物質が内在し、保持されていることが確認された。一方、比較例2の機能性構造体C2では、機能性物質が骨格体の外表面に付着しているのみで、骨格体の内部には存在していなかった。
また、上記のうち金属酸化物が酸化コバルト微粒子(CoOx)である機能性構造体について、FIB(集束イオンビーム)加工により断面を切り出し、SEM(SU8020、日立ハイテクノロジーズ社製)、EDX(X−Max、堀場製作所製)を用いて断面元素分析を行った。その結果、骨格体内部からCo元素が検出された。
上記TEMとSEM/EDXによる断面観察の結果から、骨格体内部に酸化コバルト微粒子が存在していることが確認された。
[B]骨格体の通路の平均内径および機能性物質の平均粒径
上記評価[A]で行った断面観察により撮影したTEM画像にて、骨格体の通路を、任意に500個選択し、それぞれの長径および短径を測定し、その平均値からそれぞれの内径を算出し(N=500)、さらに内径の平均値を求めて、骨格体の通路の平均内径Dとした。また、機能性物質についても同様に、上記TEM画像から、機能性物質を、任意に500個選択し、それぞれの粒径を測定して(N=500)、その平均値を求めて、機能性物質の平均粒径Dとした。結果を表1に示す。
また、機能性物質の平均粒径及び分散状態を確認するため、SAXS(小角X線散乱)を用いて分析した。SAXSによる測定は、Spring−8のビームラインBL19B2を用いて行った。得られたSAXSデータは、Guinier近似法により球形モデルでフィッティングを行い、粒径を算出した。粒径は、金属酸化物が酸化コバルト微粒子である機能性構造体について測定した。また、比較対象として、市販品である酸化コバルト微粒子(Wako製)をSEMにて観察、測定した。
この結果、市販品では粒径約50nm〜400nmの範囲で様々なサイズの酸化コバルト微粒子がランダムに存在しているのに対し、各実施例の機能性構造体および比較例1の機能性構造体C1では、骨格体内部に、粒径10nm以下の機能性物質が、粒径が揃いかつ非常に高い分散状態で存在していることが分かった。
[C]金属含有溶液の添加量と骨格体内部に包接された金属量との関係
原子数比Si/M=100(M=Co)の添加量で、金属酸化物微粒子を骨格体内部に包接させた機能性構造体を作製し、その後、上記添加量で作製された機能性構造体の骨格体内部に包接された金属量(質量%)を測定した。
Siと金属(M)の元素量の定量は、ICP(高周波誘導結合プラズマ)単体か、或いはICPとXRF(蛍光X線分析)を組み合わせて行った。XRF(エネルギー分散型蛍光X線分析装置「SEA1200VX」、エスエスアイ・ナノテクノロジー社製)は、真空雰囲気、加速電圧15kV(Crフィルター使用)或いは加速電圧50kV(Pbフィルター使用)の条件で行った。
XRFは、Siと金属(M)の元素の存在量を蛍光強度で算出する方法であり、XRF単体では定量値(質量%換算)を算出できない。そこで、Si/M=100で金属(M)を添加した機能性構造体の金属量は、ICP分析により定量し、Si/M=50および100未満で金属を添加した機能性構造体の金属量は、XRF測定結果とICP測定結果の双方の結果に基づいて算出した。
なお、表1の実施例では示していないが、少なくとも原子数比Si/Mが50〜1000の範囲内で、金属含有溶液の添加量の増加に伴って、機能性構造体に包接された金属酸化物微粒子中の金属(M)の含有量が増大していることが確認された。
[D]性能評価
上記実施例1〜7及び比較例1の機能性構造体C1並びに比較例2の機能性構造体C2(酸化コバルト微粒子付着シリカライト)について、機能性物質(触媒物質)がもつ触媒能(性能)を評価した。結果を表1に示す。
(1)触媒活性
触媒活性は、以下の条件で評価した。
まず、機能性構造体を、常圧流通式反応装置に70mg充填し、水素(8ml/分)と一酸化炭素(4ml/分)を供給し、100〜700℃、0.1MPaで1時間加熱しながら、フィッシャー・トロプシュ合成を行った。常圧流通式反応装置は、シングルマイクロリアクター(フロンティアラボ社、Rx−3050SR)を使用した。
反応終了後に、回収した生成ガスおよび生成液を、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)により成分分析した。なお、生成ガスの分析装置には、TRACE 1310GC(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製、検出器:熱伝導度検出器)を用いた。
250℃で炭化水素(CHを除く、以下同じ)の生成が確認できた場合(つまり、反応開始温度が250℃以下の場合)を、FT合成反応における触媒活性が優れていると判定して「◎」、300℃で炭化水素の生成が確認できた場合(つまり、反応開始温度が250℃より高く、300℃以下の場合)を、触媒活性が良好であると判断して「○」、350℃で炭化水素の生成が確認できた場合(つまり、反応開始温度が300℃より高く、350℃以下の場合)を、触媒活性が劣ると判断して「△」、400℃で炭化水素の生成が確認できた場合(つまり、反応開始温度が350℃より高く、400℃以下の場合)又はFT合成反応が起こらなかった場合を、触媒活性が非常に劣る(不可)と判定して「×」とした。
実施例1〜7の機能性構造体はいずれも、構造規定剤として有機化合物を使用した比較例1と同等レベルの触媒活性が得られた。一方、骨格体の外表面にのみ機能性物質を付着させた比較例2の機能性構造体C2は、実施例1〜7の機能性構造体に比べて、触媒としての耐久性は劣っていた。
すなわち、有機構造規定剤を用いずとも、合格レベルに達する機能性構造体を安価で容易に製造できることが分かった。
なお、比較例1の機能性構造体C1は、触媒としての性能は合格レベルに達しているが、有機構造規定剤を使用するため、実施例1〜7の機能性構造体に比べて製造に高いコストを要する。
また、上記評価[C]で測定された機能性構造体の骨格体内部に包接された金属量(質量%)と、上記評価(1)の触媒活性との関係を評価した。評価方法は、上記[D]「性能評価」における「(1)触媒活性」で行った評価方法と同じとした。その結果、表1には示していないが、前駆体材料(A)に添加する金属含有溶液の添加量が、原子数比Si/Mに換算して50〜200(機能性構造体に対する金属微粒子の金属元素(M)の含有量が0.5〜2.5質量%)であると、FT合成反応において触媒活性が向上する傾向にあることが分かった。
Figure 2020090401
1 機能性構造体
10 骨格体
10a 外表面
11 通路
11a 孔
12 拡径部
20 機能性物質
30 機能性物質
平均粒径
平均内径
内径

Claims (6)

  1. ゼオライト型化合物で構成される多孔質構造の担体を得るための前駆体材料(A)に金属含有溶液が含浸された前駆体材料(B)を焼成する焼成工程と、
    前記前駆体材料(B)を焼成して得られた前駆体材料(C)に、構造規定剤を添加して水熱処理する水熱処理工程と、
    を有し、
    前記構造規定剤は無機塩基性化合物からなることを特徴とする機能性構造体の製造方法。
  2. 前記水熱処理工程において、少なくとも前記前駆体材料(C)と前記構造規定剤を含み、水酸化物イオン(OH)濃度が0.1mol/L以上の範囲の混合溶液に水熱処理することを特徴とする、請求項1に記載の機能性構造体の製造方法。
  3. 前記焼成工程の前に、非イオン性界面活性剤を、前記前駆体材料(A)に対して50〜500質量%添加することを特徴とする、請求項1又は2に記載の機能性構造体の製造方法。
  4. 前記焼成工程の前に、前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を複数回に分けて添加することで、前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を含浸させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性構造体の製造方法。
  5. 前記焼成工程の前に前記前駆体材料(A)に前記金属含有溶液を含浸させる際に、前記前駆体材料(A)に添加する前記金属含有溶液の添加量を、前記前駆体材料(A)に添加する前記金属含有溶液中に含まれる金属元素(M)に対する、前記前駆体材料(A)を構成するケイ素(Si)の原子数比(Si/M比)に換算して、10〜1000となるように調整することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能性構造体の製造方法。
  6. 前記水熱処理工程が塩基性雰囲気下で行われることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の機能性構造体の製造方法。
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