JP7405684B2 - 蓄熱材組成物及び建築物の冷暖房用の蓄熱システム - Google Patents

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Description

本発明は、蓄熱材組成物及び建築物の冷暖房用の蓄熱システムに関する。
従来、液体から固体への相変化時や固体から液体への相変化時に発生又は吸収する潜熱を利用した潜熱蓄熱材組成物が知られている。潜熱蓄熱材組成物は、例えば、建築物の冷暖房の蓄熱システムに用いられる。以下、潜熱蓄熱材組成物を、単に「蓄熱材組成物」という。
蓄熱材組成物には、必要な温度領域で安定して十分な蓄熱効果を有することが望まれる。このため、例えば蓄熱材組成物が建築物の冷暖房の蓄熱システムに用いられる場合、蓄熱材組成物には、以下のことが望まれる。すなわち、蓄熱材組成物には、蓄熱材組成物の相変化が建築物の冷暖房での使用温度に合致する又は近似する温度領域で生じること、及び、この温度領域における狭い温度幅で蓄熱量が大きいことが望まれる。
ここで、「建築物の冷暖房での使用温度に合致する又は近似する温度領域」を示す指標としては、例えば、この温度領域の下限温度を示す「5℃幅下限温度T5L」を用いることができる。また、「狭い温度幅で蓄熱量が大きいこと」を示す指標としては、例えば、「5℃幅融解潜熱H」を用いることができる。
本明細書において、「5℃幅融解潜熱H」とは「温度幅5℃の範囲での融解潜熱の総量」を意味し、ある温度TからT+5℃の温度範囲における融解潜熱の総量Qについて、Qが最大値になるようにTを変化させた際に算出されるQの最大値である。また、「5℃幅下限温度T5L」とは上記温度幅5℃の範囲の下限値の温度、「5℃幅上限温度T5H」とは上記温度幅5℃の範囲の上限値の温度、である。
なお、狭い温度幅でない全体の蓄熱量を示す指標としては、一般的に、全体融解潜熱Hが用いられる。全体融解潜熱Hとは、蓄熱材組成物全てが固体から液体へと相変化する際に発生した潜熱の総和を意味する。具体的には、全体融解潜熱Hは、示差走査熱量計(DSC)にて測定されるヒートフローを時間で積分した場合のピーク面積から算出される。全体融解潜熱Hは、加熱時に潜熱蓄熱材組成物が融解を開始する温度(融解下限温度T)と、加熱時に潜熱蓄熱材組成物が融解を終了する温度(融解上限温度T)との間における融解潜熱の総量である。5℃幅融解潜熱Hは全体融解潜熱H以下の値をとる。
建築物の冷暖房の蓄熱システムに用いられる蓄熱材組成物は、融点が20~27℃の範囲内にあると、外気との熱の交換効率がよくなるため好ましい。また、蓄熱材組成物の5℃幅融解潜熱Hが170J/g以上であると、蓄熱材組成物が有する潜熱を最大限に利用することができるため好ましい。
これに対し、従来の蓄熱材組成物として、特許文献1に、CaCl・6HOにKBr及びKNOのうちの一種以上のカリウム塩を加えた蓄熱材が開示されている。
特開昭59-109578号公報
しかしながら、特許文献1の蓄熱材組成物は、5℃幅融解潜熱Hが小さいという問題があった。また、蓄熱材組成物は、水等の融点調整剤を含まないと、相分離が抑制されるため、好ましい。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、融点が20~27℃の範囲内にありかつ5℃幅融解潜熱Hが170J/g以上である蓄熱材組成物、及びこの蓄熱材組成物を含む建築物の冷暖房用の蓄熱システムを提供することにある。
本発明の態様に係る蓄熱材組成物は、塩化カルシウム6水和物、塩化アンモニウム、及び塩化カリウムからなる主剤を含み、前記主剤100質量%中に、前記塩化カルシウム6水和物が89.0~96.5質量%、前記塩化アンモニウムが2.0~6.0質量%、及び前記塩化カリウムが0.4~5.0質量%含まれる。
蓄熱材組成物は、塩化ストロンチウム6水和物、水酸化ストロンチウム8水和物、水酸化バリウム8水和物、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、黒鉛、アルミニウム、二酸化チタン、ヘクトライト、スメクタイトクレイ、ベントナイト、ラポナイト、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エチレンジアミン四酢酸、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルリン酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキルリン酸カリウムからなる群より選択される少なくとも1種の過冷却抑制剤をさらに含むことが好ましい。
蓄熱材組成物は、ラポナイト、キサンタンガム、及び高分子凝集剤からなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤をさらに含むことが好ましい。
蓄熱材組成物は、水をさらに含むことが好ましい。
蓄熱材組成物は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、及び臭化ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種の融点降下剤をさらに含むことが好ましい。
本発明の態様に係る建築物の冷暖房用の蓄熱システムは、上記蓄熱材組成物を用いた蓄熱材モジュールを具備する。
本発明によれば、融点が20~27℃の範囲内にありかつ5℃幅融解潜熱Hが170J/g以上である蓄熱材組成物、及びこの蓄熱材組成物を含む建築物の冷暖房用の蓄熱システムを提供することができる。
潜熱蓄熱材組成物の5℃幅融解潜熱Hを説明する図である。 潜熱蓄熱材組成物の全体融解潜熱Hを説明する図である。 主剤における、塩化カルシウム6水和物、塩化アンモニウム、及び塩化カリウムの含有量の好適な範囲を示す三元系状態図である。 図3の一部を拡大して示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る蓄熱材組成物及び建築物の冷暖房用の蓄熱システムについて詳細に説明する。
[蓄熱材組成物]
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、主剤を含む。主剤は、塩化カルシウム6水和物、塩化アンモニウム、及び塩化カリウムからなる。
<塩化カルシウム6水和物>
塩化カルシウム6水和物(CaCl・6HO)としては、公知のものを用いることができる。
本実施形態に係る蓄熱材組成物では、主剤100質量%中に、塩化カルシウム6水和物が、通常89.0~96.5質量%含まれる。ここで、主剤100質量%とは、塩化カルシウム6水和物、塩化アンモニウム、及び塩化カリウムの合計量が100質量%であることを意味する。塩化カルシウム6水和物の含有量が上記範囲内にあると、蓄熱材組成物の融点が20~27℃の範囲内にありかつ5℃幅融解潜熱Hが170J/g以上になりやすい。
ここで、5℃幅融解潜熱Hとは、前述の通り「温度幅5℃の範囲での融解潜熱の総量」を意味し、ある温度TからT+5℃の温度範囲における融解潜熱の総量Qについて、Tを変化させた際のQの最大値として定義される。具体的には、示差走査熱量計(DSC)にて測定されるヒートフローをある瞬間(時間t,温度T)から温度T+5℃となった瞬間(時間t,温度T+5)まで時間積分し、その最大値として導出される。
また、全体融解潜熱Hとは、蓄熱材組成物全てが固体から液体へと相変化する際に発生した潜熱の総和を意味する。具体的には、全体融解潜熱Hは、示差走査熱量計(DSC)にて測定されるヒートフローを時間で積分した場合のピーク面積から算出される。5℃幅融解潜熱Hは全体融解潜熱H以下の値をとる。
<塩化アンモニウム>
塩化アンモニウム(NHCl)は、塩化カルシウム6水和物(CaCl・6HO)及び塩化カリウム(KCl)と共通するClを添加し、共通イオン効果で蓄熱材組成物の溶解度を小さくすることにより、蓄熱材組成物の融点を下げるものである。塩化アンモニウム(NHCl)としては、公知のものを用いることができる。
本実施形態に係る蓄熱材組成物では、主剤100質量%中に、塩化アンモニウムが、通常2.0~6.0質量%含まれる。塩化アンモニウムの含有量が上記範囲内にあると、蓄熱材組成物の融点が20~27℃の範囲内にありかつ5℃幅融解潜熱Hが170J/g以上になりやすい。
<塩化カリウム>
塩化カリウム(KCl)は、塩化カルシウム6水和物(CaCl・6HO)及び塩化アンモニウム(NHCl)と共通するClを添加し、共通イオン効果で蓄熱材組成物の溶解度を小さくすることにより、蓄熱材組成物の融点を下げるものである。塩化カリウムとしては、公知のものを用いることができる。
本実施形態に係る蓄熱材組成物では、主剤100質量%中に、塩化カリウムが、通常0.4~5.0質量%含まれる。塩化カリウムの含有量が上記範囲内にあると、蓄熱材組成物の融点が20~27℃の範囲内にありかつ5℃幅融解潜熱Hが170J/g以上になりやすい。
蓄熱材組成物は、好ましくは、主剤100質量%中に、塩化カルシウム6水和物が89.0~96.5質量%、塩化アンモニウムが2.0~6.0質量%及び塩化カリウムが0.4~5.0質量%含まれる。塩化カルシウム6水和物等の各物質の含有量が上記範囲内にあると、蓄熱材組成物の融点が20~27℃の範囲内でかつ5℃幅融解潜熱Hが170J/g以上になりやすい。
(過冷却抑制剤)
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、特定の過冷却抑制剤をさらに含むと、主剤の過冷却が抑制されるため好ましい。過冷却抑制剤としては、例えば、塩化ストロンチウム6水和物、水酸化ストロンチウム8水和物、水酸化バリウム8水和物、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、黒鉛、アルミニウム、二酸化チタン、ヘクトライト、スメクタイトクレイ、ベントナイト、ラポナイト、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エチレンジアミン四酢酸、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルリン酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキルリン酸カリウムからなる群より選択される少なくとも1種の過冷却抑制剤が用いられる。過冷却抑制剤は、主剤100質量部に対して、好ましくは0.3~3.0質量部、より好ましくは0.3~1.0質量部添加される。
(増粘剤)
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、特定の増粘剤をさらに含むと、主剤の相分離が抑制されるため好ましい。増粘剤としては、例えば、ラポナイト、キサンタンガム、及び高分子凝集剤からなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤が用いられる。増粘剤は、主剤100質量部に対して、好ましくは0.5~5.0質量部、より好ましくは0.5~1.0質量部添加される。
(水)
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、水をさらに含むと、主剤の融点が降下するため好ましい。水は、主剤100質量部に対して、好ましくは0.5~3.0質量部、より好ましくは0.5~1.0質量部添加される。
(融点降下剤)
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、特定の融点降下剤をさらに含むと、主剤の融点が降下するため好ましい。融点降下剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、及び臭化ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種の融点降下剤が用いられる。融点降下剤は、主剤100質量部に対して、好ましくは0.5~3.0質量部、より好ましくは0.5~1.0質量部添加される。
(特性)
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、融点が20~27℃の範囲内にありかつ建築物の冷暖房用の蓄熱システムの潜熱蓄熱材組成物として好適な温度範囲で蓄熱性能を発現する。このため、本実施形態に係る蓄熱材組成物は、建築物の冷暖房用の蓄熱システムの潜熱蓄熱材組成物として好適である。
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、融点が、20~27℃、好ましくは20~25.5℃にある。本実施形態に係る蓄熱材組成物は、融点が上記数値範囲内にあるため、建築物の冷暖房用の蓄熱システムの潜熱蓄熱材組成物として好適な温度範囲で蓄熱性能を発現する。このため、本実施形態に係る蓄熱材組成物は、建築物の冷暖房用の蓄熱システムの潜熱蓄熱材組成物として好適である。
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、5℃幅融解潜熱Hが170J/g以上、好ましくは180J/g以上である。本実施形態に係る蓄熱材組成物は、5℃幅融解潜熱Hが上記数値範囲内にあるため、建築物の冷暖房用の蓄熱システムの潜熱蓄熱材組成物として好適である。
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、全体融解潜熱Hが、好ましくは175J/g以上、より好ましくは185J/g以上である。本実施形態に係る蓄熱材組成物は、全体融解潜熱Hが上記数値範囲内にあるため、建築物の冷暖房用の蓄熱システムの潜熱蓄熱材組成物として好適である。
ここで、全体融解潜熱Hとは、前述の通り、蓄熱材組成物全てが固体から液体へと相変化する際に発生した潜熱の総和を意味する。具体的には、全体融解潜熱Hは、示差走査熱量計(DSC)にて測定されるヒートフローを時間で積分した場合のピーク面積から算出される。5℃幅融解潜熱Hは全体融解潜熱H以下の値をとる。
(発明の効果)
本実施形態に係る蓄熱材組成物によれば、融点が20~27℃の範囲内にありかつ5℃幅融解潜熱Hが170J/g以上である蓄熱材組成物が得られる。
[建築物の冷暖房用の蓄熱システム]
本実施形態に係る建築物の冷暖房用の蓄熱システムは、上記本実施形態に係る蓄熱材組成物を用いた蓄熱材モジュールを具備する。
(蓄熱材モジュール)
蓄熱材モジュールとしては、例えば、前記蓄熱材組成物を十分な密封性を有する容器に充填させた蓄熱材パックからなり、この蓄熱材パックを単数ないしは複数積層させるとともに、適切な流路を設け、モジュール化したものが用いられる。蓄熱材パックに用いる容器としては、例えば、アルミシートに樹脂製シートを積層して形成されたアルミパックシートを熱溶着することで形成されたアルミパック等が挙げられる。蓄熱材モジュールは、建築物中の空間を区切る床面、壁面、天井面の少なくとも一部に設置される。
このように設置された蓄熱材モジュールは、モジュール表面とこのモジュール表面を通気した雰囲気との熱交換、日射による日射熱、夜間電力を利用した空調システム等によって蓄熱(蓄冷)される。例えば、昼間においては、蓄熱材モジュール中の蓄熱材組成物は、建築物中の空間から得た熱によって融解し、その分のエンタルピーを蓄熱材組成物の内部に保留する。その後、夜間に外気温度が下がってくると、融解していた蓄熱材組成物は凝固し、建築物中の空間へ熱を放出する。このように、蓄熱材モジュールを建物内に設置すると、蓄熱材組成物の融解・凝固の作用により、冷暖房のためのエネルギー負荷を低減することができる。
(発明の効果)
本実施形態に係る蓄熱システムによれば、モジュール表面とこのモジュール表面を通気した雰囲気との熱交換、日射による日射熱、夜間電力を利用した空調システム等によって蓄熱(蓄冷)されるため、冷暖房のためのエネルギー負荷を低減することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(蓄熱材組成物の作製)
塩化カルシウム6水和物(キシダ化学株式会社製、特級)と、塩化アンモニウム(キシダ化学株式会社製、特級)と、塩化カリウム(キシダ化学株式会社製、特級)とを用意した。
20mlのガラス製サンプル瓶に、塩化カルシウム6水和物と、塩化アンモニウムと、塩化カリウムを、合計約5gになるように所定量混合した。塩化カルシウム6水和物、塩化アンモニウム、及び塩化カリウムの量は、得られる蓄熱材組成物の組成が表1に示す組成になるような量で配合した。
得られた混合物を50℃以上で湯煎したところ、蓄熱材組成物が得られた(試料No.A3)。
結果を表1に示す。
Figure 0007405684000001
(融点、全体融解潜熱H、融解下限温度T、融解上限温度T、5℃幅融解潜熱H、5℃幅下限温度T5L、及び5℃幅上限温度T5Hの測定)
蓄熱材組成物から約10mg試料を採取し、DSC(示差走査熱量計)としてメトラートレド株式会社製DSC3+を用いて、蓄熱材組成物の全体融解潜熱H、5℃幅融解潜熱H、5℃幅下限温度T5Lを測定した。
融点は、固体の蓄熱材組成物を-10℃から50℃まで0.67℃/分で加熱する加熱工程において、蓄熱材組成物が融解する温度とした。融点は、DSCを用いて測定した。
全体融解潜熱Hは、示差走査熱量計(DSC)にて測定されるヒートフローを時間で積分した場合のピーク面積から算出した。融解下限温度Tは、全体融解潜熱Hの算出の際の下限温度として導出した。融解上限温度T、全体融解潜熱Hの算出の際の上限温度として導出した。
5℃幅融解潜熱Hは、示差走査熱量計(DSC)にて測定されるヒートフローをある瞬間(時間t,温度T)から温度T+5℃となった瞬間(時間t,温度T+5)まで時間積分し、その最大値として導出した。また、5℃幅下限温度T5Lは、5℃幅融解潜熱Hの算出の際の下限温度(温度T)として導出した。5℃幅上限温度T5Hは、5℃幅融解潜熱Hの算出の際の上限温度(温度T+5)として導出した。
これらの結果を表1に示す。
[実施例2~21、比較例1及び2]
得られる蓄熱材組成物が表1又は表2に示す組成になるように、塩化カルシウム6水和物、塩化アンモニウム、及び塩化カリウムの配合量を変えた以外は、実施例1と同様にして、蓄熱材組成物を得た(試料No.A1、A2、A4~A23)。
Figure 0007405684000002
また、試料No.A1、A2、A4~A23につき、実施例1と同様にして、融点、全体融解潜熱H、融解下限温度T、融解上限温度T、5℃幅融解潜熱H、5℃幅下限温度T5L、及び5℃幅上限温度T5Hを算出した。結果を表1及び表2に示す。
表1及び表2より、試料No.A3~A23は、融点が20~27℃の範囲内にありかつ5℃幅融解潜熱Hが170J/g以上の蓄熱材組成物であることが分かった。
また、表1及び表2より、試料No.A1及びA2は、5℃幅融解潜熱Hが170J/g未満であることが分かった。
(三元系組成図)
図3は、主剤における、塩化カルシウム6水和物、塩化アンモニウム、及び塩化カリウムの含有量の好適な範囲を示す三元系組成図である。図4は、図3の一部を拡大して示す図である。
試料No.A1~A23の蓄熱材組成物の組成を図3及び図4にプロットした。
図3及び図4において、融点が20~27℃の範囲内にありかつ5℃幅融解潜熱Hが170J/g以上である蓄熱材組成物のプロットを記号○で示す。記号○は、特性が良好である蓄熱材組成物を示す。
図3及び図4において、5℃幅融解潜熱Hが170J/g未満である蓄熱材組成物のプロットを記号×で示す。記号×は、特性が不良である蓄熱材組成物を示す。
また、図3及び図4に示す記号○の蓄熱材組成物は、下記(ア)~(ウ)の条件を全て満たすことが分かった。
(ア)主剤100質量%中に、塩化カルシウム6水和物が89.0~96.5質量%含まれる。
(イ)主剤100質量%中に、塩化アンモニウムが2.0~6.0質量%含まれる。
(ウ)主剤100質量%中に、塩化カリウムが0.4~5.0質量%含まれる。
試料No.A3~A23の蓄熱材組成物は、融点が20~27℃の範囲内にありかつ5℃幅融解潜熱Hが170J/g以上であり、建築物の冷暖房の蓄熱システムの蓄熱材組成物として良好であることが分かった。
試料No.A1及びA2の蓄熱材組成物は、5℃幅融解潜熱Hが170J/g未満ため、建築物の冷暖房の蓄熱システムの蓄熱材組成物として良好でないことが分かった。
以上、本発明を実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
融解下限温度
融解上限温度
5L 5℃幅下限温度
5H 5℃幅上限温度
全体融解潜熱
5℃幅融解潜熱

Claims (6)

  1. 塩化カルシウム6水和物、塩化アンモニウム、及び塩化カリウムからなる主剤を含み、
    前記主剤100質量%中に、
    前記塩化カルシウム6水和物が89.0~96.5質量%、
    前記塩化アンモニウムが2.0~6.0質量%、及び
    前記塩化カリウムが0.4~5.0質量%含まれる蓄熱材組成物。
  2. 塩化ストロンチウム6水和物、水酸化ストロンチウム8水和物、水酸化バリウム8水和物、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、黒鉛、アルミニウム、二酸化チタン、ヘクトライト、スメクタイトクレイ、ベントナイト、ラポナイト、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エチレンジアミン四酢酸、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルリン酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキルリン酸カリウムからなる群より選択される少なくとも1種の過冷却抑制剤をさらに含む請求項1に記載の蓄熱材組成物。
  3. ラポナイト、キサンタンガム、及び高分子凝集剤からなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤をさらに含む請求項1又は2に記載の蓄熱材組成物。
  4. 水をさらに含む請求項1から3のいずれか一項に記載の蓄熱材組成物。
  5. 塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、及び臭化ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種の融点降下剤をさらに含む請求項1から4のいずれか一項に記載の蓄熱材組成物。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の蓄熱材組成物を用いた蓄熱材モジュールを具備する、建築物の冷暖房用の蓄熱システム。
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