JP2022185304A - 蓄熱材、及び太陽熱利用蓄熱システム - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄熱及び放熱に関連する温度である融点が1個で、太陽熱利用蓄熱システムに適した融解開始温度及び融解終了温度を有し、かつ狭い温度領域内での融解潜熱が大きい蓄熱材及び太陽熱利用蓄熱システムを提供する。【解決手段】蓄熱材は、メタホウ酸ナトリウム4水和物及び尿素からなる主剤を含み、融解開始温度が53~57℃の範囲内にあり、融解終了温度が56~60℃の範囲内にあり、3℃幅融解潜熱が200J/g以上である。太陽熱利用蓄熱システムは、前記蓄熱材を用いた蓄熱材モジュールを具備する。【選択図】なし
Description
本発明は、蓄熱材、及び太陽熱利用蓄熱システムに関する。
従来、液体から固体への相変化時や固体から液体への相変化時に発生又は吸収する潜熱を利用した潜熱蓄熱材が知られている。潜熱蓄熱材は、例えば、太陽熱利用蓄熱システム、建造物の冷暖房等の蓄熱システムに用いられる。
潜熱蓄熱材には、一般的に、融点が所定の温度領域内にあること、蓄熱量が大きいこと、長期間安定であること、安価であること、毒性がないこと、腐触性がないこと等の特性が要求される。
また、潜熱蓄熱材は、利用目的に応じた融解開始温度及び融解終了温度を有することが好ましい。潜熱蓄熱材が太陽熱利用蓄熱システムに用いられる場合、例えば、潜熱蓄熱材の融解開始温度が53~57℃の範囲内にあり融解終了温度が56~60℃の範囲内にあると好ましい。潜熱蓄熱材の融解開始温度及び融解終了温度が上記範囲内にあると、太陽熱で加熱された部材の熱を効率よく蓄熱、発熱可能となる。
また、潜熱蓄熱材は、単位重量当たりにどれだけ多くの熱を貯められるかを意味する融解潜熱の大きいことが好ましい。融解潜熱が大きいと、少ない量の潜熱蓄熱材で充分な蓄熱を達成することができるため好ましい。
さらに、潜熱蓄熱材は、狭い温度範囲で熱を吸放熱するものであると好ましい。狭い範囲で熱を吸放熱できる潜熱蓄熱材は、無駄な吸放熱を起こすことなく、材料の持つ潜熱をシステムの目的とする温度範囲にて利用できるため好ましい。
「狭い温度範囲で熱を吸放熱できる特性」を表す指標としては、例えば3℃幅融解潜熱H3が用いられる。3℃幅融解潜熱H3とは「3℃の温度幅での融解潜熱の総量」を意味する。3℃幅融解潜熱H3は、ある温度TからT+3℃の温度範囲における融解潜熱の総量Q3についてTを変化させたときにQ3が最大値をとるときの融解潜熱の総量Q3maxとして定義される。
具体的には、温度範囲の限定のない融解潜熱の総量である全体融解潜熱HTは、示差走査熱量計(DSC)にて測定されるヒートフローを時間で積分した場合のピーク面積から算出される。これに対し、3℃幅融解潜熱H3は、示差走査熱量計(DSC)にて測定されるヒートフローをある瞬間(時間t1,温度T1)から温度T1+3℃となった瞬間(時間t2,温度T1+3)まで時間積分し、その最大値として導出される。
特許文献1には、酢酸ナトリウム及び尿素、グリシン及び水よりなる蓄熱材が開示されている。また、特許文献1には、多数の蓄熱材の実験例が開示されている。
しかしながら、特許文献1には、転移点の開示があるものの融解する温度幅の具体的な開示がなく、融解開始温度及び融解終了温度が不明である。このため、特許文献1に開示された蓄熱材が、どのような用途に適したものであるかは不明である。
また、特許文献1に開示された多数の蓄熱材の実験例は、複数個の転移点を有する。例えば、特許文献1に開示された実験例のうち、25個以上の実験例が2個又は3個の転移点を有する。転移点は蓄熱及び放熱に関連する温度である。
しかし、特許文献1に開示された蓄熱材は、転移点が複数個あり、蓄熱及び放熱に関連する温度が複数あるため、蓄熱材の設計が困難になるという問題が生じる。また、特許文献1に開示された蓄熱材は、複数個の転移点の各転移点の融解開始温度及び融解終了温度が不明である上、融解潜熱が十分に大きくなく、狭い温度領域内における融解潜熱の数値も不明である。
このため、特許文献1に開示された蓄熱材には、具体的な用途利用したい温度域で蓄熱効果を最大限に発揮させることが困難であるという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。本発明は、蓄熱及び放熱に関連する温度である融点が1個で、太陽熱利用蓄熱システムに適した融解開始温度及び融解終了温度を有し、かつ狭い温度領域内での融解潜熱が大きい蓄熱材及び太陽熱利用蓄熱システムを提供することを目的とする。
本発明の態様に係る蓄熱材は、メタホウ酸ナトリウム4水和物及び尿素からなる主剤を含み、融解開始温度が53~57℃の範囲内にあり、融解終了温度が56~60℃の範囲内にあり、3℃幅融解潜熱が200J/g以上である。
本発明によれば、蓄熱及び放熱に関連する温度である融点が1個で、太陽熱利用蓄熱システムに適した融解開始温度及び融解終了温度を有し、かつ狭い温度領域内での融解潜熱が大きい蓄熱材及び太陽熱利用蓄熱システムを提供することができる。
以下、本実施形態に係る蓄熱材、及び太陽熱利用蓄熱システムについて詳細に説明する。
[蓄熱材]
本実施形態に係る蓄熱材は、メタホウ酸ナトリウム4水和物及び尿素からなる主剤を含む。
本実施形態に係る蓄熱材は、メタホウ酸ナトリウム4水和物及び尿素からなる主剤を含む。
(主剤)
主剤は、メタホウ酸ナトリウム4水和物及び尿素を所定量含む。
主剤は、メタホウ酸ナトリウム4水和物及び尿素を所定量含む。
蓄熱材は、主剤100質量%中、好ましくは、メタホウ酸ナトリウム4水和物を80~100質量%、尿素を0~20質量%含む。また、蓄熱材は、主剤100質量%中、より好ましくは、メタホウ酸ナトリウム4水和物を80~95質量%、尿素を5~20質量%含む。蓄熱材の組成が上記範囲内にあると、蓄熱材の融点が1個で、融解開始温度が53~57℃の範囲内にあり、融解終了温度が56~60℃の範囲内にあり、3℃幅融解潜熱が200J/g以上になりやすい。
(融点降下剤)
本実施形態に係る蓄熱材は、特定の融点降下剤をさらに含むと、主剤の融点が降下するため好ましい。融点降下剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、及び尿素からなる群より選択される少なくとも1種の融点降下剤が用いられる。
本実施形態に係る蓄熱材は、特定の融点降下剤をさらに含むと、主剤の融点が降下するため好ましい。融点降下剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、及び尿素からなる群より選択される少なくとも1種の融点降下剤が用いられる。
(過冷却抑制剤)
本実施形態に係る蓄熱材は、特定の過冷却抑制剤をさらに含むと、主剤の過冷却が抑制されるため好ましい。過冷却抑制剤としては、例えば、水酸化ストロンチウム8水和物、水酸化ストロンチウム、塩化ストロンチウム6水和物、塩化ストロンチウム、オクタデカン、ブロモオクタデカン、デカン酸、ビスコースレーヨン、リン酸モノドデシルナトリウム、リン酸ドデシルナトリウム、アルミナ、2-プロパノール、1-プロパノール、ホウ砂Na2B4O5(OH)4・8H2O、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、黒鉛、アルミニウム、二酸化チタン、ヘクトライト、スメクタイトクレイ、ベントナイト、ラポナイト、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エチレンジアミン四酢酸、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルリン酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキルリン酸カリウムからなる群より選択される少なくとも1種の過冷却抑制剤が用いられる。
本実施形態に係る蓄熱材は、特定の過冷却抑制剤をさらに含むと、主剤の過冷却が抑制されるため好ましい。過冷却抑制剤としては、例えば、水酸化ストロンチウム8水和物、水酸化ストロンチウム、塩化ストロンチウム6水和物、塩化ストロンチウム、オクタデカン、ブロモオクタデカン、デカン酸、ビスコースレーヨン、リン酸モノドデシルナトリウム、リン酸ドデシルナトリウム、アルミナ、2-プロパノール、1-プロパノール、ホウ砂Na2B4O5(OH)4・8H2O、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、黒鉛、アルミニウム、二酸化チタン、ヘクトライト、スメクタイトクレイ、ベントナイト、ラポナイト、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エチレンジアミン四酢酸、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルリン酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキルリン酸カリウムからなる群より選択される少なくとも1種の過冷却抑制剤が用いられる。
(相分離抑制剤)
本実施形態に係る蓄熱材は、特定の相分離抑制剤をさらに含むと、主剤の相分離が抑制されるため好ましい。相分離抑制剤としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、水ガラス、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、アクリルアミド・アクリル酸・ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド4級塩の共重合物、ポリアクリル酸エステル系化合物、ポリアクリルアミド、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリカルボキシレートポリエーテルポリマー、アクリル酸・マレイン酸共重合体ナトリウム、アクリル酸・スルホン酸系モノマー共重合体ナトリウム、アクリルアミド・ジメチルアミノエチルメタクリラートジメチル硫酸塩共重合物、アクリルアミド・アクリル酸ソーダ共重合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、高吸水樹脂(SAP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMCの誘導体、カラギーナン、カラギーナンの誘導体、キサンタンガム、キサンタンガムの誘導体、ペクチン、ペクチンの誘導体、デンプン、デンプンの誘導体、コンニャク、寒天、層状ケイ酸塩、及びこれらの物質の複合物質からなる群より選択される少なくとも1種の相分離抑制剤が用いられる。
本実施形態に係る蓄熱材は、特定の相分離抑制剤をさらに含むと、主剤の相分離が抑制されるため好ましい。相分離抑制剤としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、水ガラス、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、アクリルアミド・アクリル酸・ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド4級塩の共重合物、ポリアクリル酸エステル系化合物、ポリアクリルアミド、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリカルボキシレートポリエーテルポリマー、アクリル酸・マレイン酸共重合体ナトリウム、アクリル酸・スルホン酸系モノマー共重合体ナトリウム、アクリルアミド・ジメチルアミノエチルメタクリラートジメチル硫酸塩共重合物、アクリルアミド・アクリル酸ソーダ共重合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、高吸水樹脂(SAP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMCの誘導体、カラギーナン、カラギーナンの誘導体、キサンタンガム、キサンタンガムの誘導体、ペクチン、ペクチンの誘導体、デンプン、デンプンの誘導体、コンニャク、寒天、層状ケイ酸塩、及びこれらの物質の複合物質からなる群より選択される少なくとも1種の相分離抑制剤が用いられる。
(特性)
本実施形態に係る蓄熱材は、融解開始温度が53~57℃の範囲内にあり、融解終了温度が56~60℃の範囲内にあり、太陽熱を用いる蓄熱システムの一般的な設定温度よりやや低めの温度領域で融解・凝固が生じる。
本実施形態に係る蓄熱材は、融解開始温度が53~57℃の範囲内にあり、融解終了温度が56~60℃の範囲内にあり、太陽熱を用いる蓄熱システムの一般的な設定温度よりやや低めの温度領域で融解・凝固が生じる。
また、本実施形態に係る蓄熱材は、3℃幅融解潜熱が200J/g以上であり、狭い温度領域内での融解潜熱が大きい。このため、本実施形態に係る蓄熱材は、太陽熱を用いる蓄熱システムの潜熱蓄熱材として好適である。
本実施形態に係る蓄熱材は、3℃幅融解潜熱が200J/g以上、好ましくは240J/g以上、より好ましくは250J/g以上、さらに好ましくは270J/g以上である。このため、本実施形態に係る蓄熱材は、太陽熱を用いる蓄熱システムの潜熱蓄熱材として好適である。
(発明の効果)
本実施形態に係る蓄熱材によれば、融解開始温度が53~57℃の範囲内にあり、融解終了温度が56~60℃の範囲内にあり、3℃幅融解潜熱が200J/g以上である蓄熱材が得られる。
本実施形態に係る蓄熱材によれば、融解開始温度が53~57℃の範囲内にあり、融解終了温度が56~60℃の範囲内にあり、3℃幅融解潜熱が200J/g以上である蓄熱材が得られる。
[太陽熱利用蓄熱システム]
本実施形態に係る太陽熱利用蓄熱システムは、上記本実施形態に係る蓄熱材を用いた蓄熱材モジュールを具備する。
本実施形態に係る太陽熱利用蓄熱システムは、上記本実施形態に係る蓄熱材を用いた蓄熱材モジュールを具備する。
(蓄熱材モジュール)
蓄熱材モジュールとしては、例えば、前記蓄熱材を十分な密封性を有する容器に充填させた蓄熱材パックからなり、この蓄熱材パックを単数ないしは複数積層させるとともに、適切な流路を設け、モジュール化したものが用いられる。蓄熱材パックに用いる容器としては、例えば、アルミシートに樹脂製シートを積層して形成されたアルミパックシートを熱溶着することで形成されたアルミパック等が挙げられる。蓄熱材モジュールは、例えば、建物の天井面に設置される。
蓄熱材モジュールとしては、例えば、前記蓄熱材を十分な密封性を有する容器に充填させた蓄熱材パックからなり、この蓄熱材パックを単数ないしは複数積層させるとともに、適切な流路を設け、モジュール化したものが用いられる。蓄熱材パックに用いる容器としては、例えば、アルミシートに樹脂製シートを積層して形成されたアルミパックシートを熱溶着することで形成されたアルミパック等が挙げられる。蓄熱材モジュールは、例えば、建物の天井面に設置される。
このように設置された蓄熱材モジュールは、日射による日射熱によって蓄熱される。例えば、昼間においては、蓄熱材モジュール中の蓄熱材は、日射により直接得た熱、又は日射を集熱したパネルを介して得た熱で融解し、その分のエンタルピーを蓄熱材の内部に保留する。その後、夜間に外気温度が下がってくると、融解していた蓄熱材は凝固し、屋内空間へ熱を放出することにより、暖房効果を得ることができる。このように、蓄熱材モジュールを建物内に設置すると、蓄熱材の融解・凝固の作用により、屋内空間の暖房のためのエネルギー負荷を低減することができる。
(発明の効果)
本実施形態に係る蓄熱システムによれば、モジュール表面とこのモジュール表面を通気した雰囲気との熱交換、日射による日射熱、夜間電力を利用した空調システム等によって蓄熱される。このため、本実施形態に係る蓄熱システムによれば、屋内空間の暖房のためのエネルギー負荷を低減することができる。
本実施形態に係る蓄熱システムによれば、モジュール表面とこのモジュール表面を通気した雰囲気との熱交換、日射による日射熱、夜間電力を利用した空調システム等によって蓄熱される。このため、本実施形態に係る蓄熱システムによれば、屋内空間の暖房のためのエネルギー負荷を低減することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(蓄熱材の作製)
メタホウ酸ナトリウム4水和物(キシダ化学株式会社製)と、尿素(キシダ化学株式会社製)とを用意した。20mlのガラス製サンプル瓶に、メタホウ酸ナトリウム4水和物と、尿素と、水(イオン交換水)とを、合計約5gになるように所定量混合した。
なお、メタホウ酸ナトリウム4水和物、尿素及び水の量は、得られる蓄熱材の組成が表1に示す組成になる量で配合した。
得られた混合物を50℃以上で湯煎したところ、蓄熱材が得られた(試料No.A1)。
(蓄熱材の作製)
メタホウ酸ナトリウム4水和物(キシダ化学株式会社製)と、尿素(キシダ化学株式会社製)とを用意した。20mlのガラス製サンプル瓶に、メタホウ酸ナトリウム4水和物と、尿素と、水(イオン交換水)とを、合計約5gになるように所定量混合した。
なお、メタホウ酸ナトリウム4水和物、尿素及び水の量は、得られる蓄熱材の組成が表1に示す組成になる量で配合した。
得られた混合物を50℃以上で湯煎したところ、蓄熱材が得られた(試料No.A1)。
(融解開始温度、融解終了温度及び3℃幅融解潜熱の測定)
蓄熱材から約20mg試料を採取し、DSC(示差走査熱量計)を行い、蓄熱材の融解下限温度及び融解上限温度を測定した。得られた融解下限温度を融解開始温度とし、融解上限温度を融解終了温度とした。
また、DSCの吸熱ピークを用い、ある温度T1℃からT1+3℃における蓄熱量の総量を算出した。そして、T1の値を変化させた場合の蓄熱量の総量の変化を求め、その場合の蓄熱量の総量が最大となる値を3℃幅融解潜熱とした。
融解開始温度、融解終了温度及び3℃幅融解潜熱の結果を表1に示す。
蓄熱材から約20mg試料を採取し、DSC(示差走査熱量計)を行い、蓄熱材の融解下限温度及び融解上限温度を測定した。得られた融解下限温度を融解開始温度とし、融解上限温度を融解終了温度とした。
また、DSCの吸熱ピークを用い、ある温度T1℃からT1+3℃における蓄熱量の総量を算出した。そして、T1の値を変化させた場合の蓄熱量の総量の変化を求め、その場合の蓄熱量の総量が最大となる値を3℃幅融解潜熱とした。
融解開始温度、融解終了温度及び3℃幅融解潜熱の結果を表1に示す。
[実施例2~4、比較例1]
得られる蓄熱材が表1に示す組成になるように、各成分の配合量を変えた以外は実施例1と同様にして蓄熱材を得た(試料No.A2~A4(実施例2~4)、試料No.A5(比較例1))。
得られる蓄熱材が表1に示す組成になるように、各成分の配合量を変えた以外は実施例1と同様にして蓄熱材を得た(試料No.A2~A4(実施例2~4)、試料No.A5(比較例1))。
(融解開始温度、融解終了温度及び3℃幅融解潜熱の測定)
試料No.A2~A5につき、実施例1と同様にして、融解開始温度、融解終了温度及び3℃幅融解潜熱を測定した。
結果を表1に示す。
試料No.A2~A5につき、実施例1と同様にして、融解開始温度、融解終了温度及び3℃幅融解潜熱を測定した。
結果を表1に示す。
表1より、試料No.A1~A4は、融解開始温度、融解終了温度及び3℃幅融解潜熱が良好であることが分かった。具体的には、試料No.A1~A4の蓄熱材は、融解開始温度が53~57℃の範囲内にあり、融解終了温度が56~60℃の範囲内にあり、3℃幅融解潜熱が200J/g以上になっていることが分かった。
一方、試料No.A5は、融解終了温度が60℃以上のため、良好でないことが分かった。
以上、本発明を実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
Claims (7)
- メタホウ酸ナトリウム4水和物及び尿素からなる主剤を含み、
融解開始温度が53~57℃の範囲内にあり、
融解終了温度が56~60℃の範囲内にあり、
3℃幅融解潜熱が200J/g以上である蓄熱材。 - 前記主剤100質量%中、メタホウ酸ナトリウム4水和物を80~100質量%、尿素を0~20質量%含む請求項1に記載の蓄熱材。
- 前記主剤100質量%中、メタホウ酸ナトリウム4水和物を80~95質量%、尿素を5~20質量%含む請求項2に記載の蓄熱材。
- 塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、及び尿素からなる群より選択される少なくとも1種の融点降下剤をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄熱材。
- 水酸化ストロンチウム8水和物、水酸化ストロンチウム、塩化ストロンチウム6水和物、塩化ストロンチウム、オクタデカン、ブロモオクタデカン、デカン酸、ビスコースレーヨン、リン酸モノドデシルナトリウム、リン酸ドデシルナトリウム、アルミナ、2-プロパノール、1-プロパノール、ホウ砂Na2B4O5(OH)4・8H2O、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、黒鉛、アルミニウム、二酸化チタン、ヘクトライト、スメクタイトクレイ、ベントナイト、ラポナイト、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エチレンジアミン四酢酸、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルリン酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキルリン酸カリウムからなる群より選択される少なくとも1種の過冷却抑制剤をさらに含む請求項1~4のいずれか1項に記載の蓄熱材。
- ケイ酸ナトリウム、水ガラス、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、アクリルアミド・アクリル酸・ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド4級塩の共重合物、ポリアクリル酸エステル系化合物、ポリアクリルアミド、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリカルボキシレートポリエーテルポリマー、アクリル酸・マレイン酸共重合体ナトリウム、アクリル酸・スルホン酸系モノマー共重合体ナトリウム、アクリルアミド・ジメチルアミノエチルメタクリラートジメチル硫酸塩共重合物、アクリルアミド・アクリル酸ソーダ共重合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、高吸水樹脂(SAP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMCの誘導体、カラギーナン、カラギーナンの誘導体、キサンタンガム、キサンタンガムの誘導体、ペクチン、ペクチンの誘導体、デンプン、デンプンの誘導体、コンニャク、寒天、層状ケイ酸塩、及びこれらの物質の複合物質からなる群より選択される少なくとも1種の相分離抑制剤をさらに含む請求項1~5のいずれか1項に記載の蓄熱材。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の蓄熱材を用いた蓄熱材モジュールを具備する太陽熱利用蓄熱システム。
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