JP2020196816A - 蓄熱材組成物及び建築物の冷暖房用の蓄熱システム - Google Patents

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Abstract

【課題】5℃幅下限温度T5Lが15℃以上20℃未満の範囲内にあり、5℃幅融解潜熱H5が100J/g以上である蓄熱材組成物及び建築物の冷暖房用の蓄熱システムを提供する。【解決手段】蓄熱材組成物は、塩化カルシウム6水和物、臭化アンモニウム、及び臭化カルシウム6水和物からなる主剤を含み、5℃幅下限温度T5Lが15℃以上20℃未満の範囲内にあり、5℃幅融解潜熱H5が100J/g以上である。蓄熱材組成物は、主剤100質量%中に、塩化カルシウム6水和物が71.4〜89.5質量%、臭化アンモニウムが2.4〜14.3質量%、臭化カルシウム6水和物が3.8〜24.3質量%が含まれる。【選択図】図6

Description

本発明は、蓄熱材組成物及び建築物の冷暖房用の蓄熱システムに関し、詳しくは、建造物の冷暖房の蓄熱システムに好適な蓄熱材組成物及びこれを含む建築物の冷暖房用の蓄熱システムに関する。
従来、液体から固体への相変化時や固体から液体への相変化時に発生又は吸収する潜熱を利用した潜熱蓄熱材組成物が知られている。潜熱蓄熱材組成物は、例えば、建造物の冷暖房の蓄熱システムに用いられる。
潜熱蓄熱材組成物には、一般的に、蓄熱量が大きいこと、所定の温度範囲で融解・凝固すること、長期間安定であること、安価であること、毒性がないこと、腐触性がないこと等の特性が要求される。
建造物の冷暖房用の蓄熱システム用の潜熱蓄熱材組成物には、単位重量当たりにどれだけ多くの熱を貯められるかを意味する全体融解潜熱Hに加えて、狭い温度範囲で熱を吸放熱することが求められる。全体融解潜熱Hが大きいと、少ない量で充分な蓄熱が達成できるため好ましい。狭い範囲で熱を吸放熱できると、無駄な吸放熱を起こすことなく、材料の持つ潜熱をシステムの目的とする温度範囲にて利用できるため好ましい。
「狭い温度範囲で熱を吸放熱できる特性」を表す指標として例えば5℃幅融解潜熱Hが用いられる。5℃幅融解潜熱Hとは「5℃の温度幅での融解潜熱の総量」を意味し、ある温度TからT+5℃の温度範囲における融解潜熱の総量Qについて、Tを変化させた際のQの最大値として定義される。
上記全体融解潜熱Hは、示差走査熱量計(DSC)にて測定されるヒートフローを時間で積分した場合のピーク面積から算出される。これに対し、5℃幅融解潜熱Hは、同様に示差走査熱量計(DSC)にて測定されるヒートフローをある瞬間(時間t,温度T)から温度T+5℃となった瞬間(時間t,温度T+5)まで時間積分し、その最大値として導出される。
図1は、建造物の冷暖房用の蓄熱システムに好適な潜熱蓄熱材組成物Mにおける融解潜熱を発現する温度と蓄熱量との関係の一例を示すグラフである。図1中の曲線は、建造物の冷暖房用の蓄熱システムに好適な潜熱蓄熱材組成物Mの示す曲線である。また、図2は、建造物の冷暖房用の蓄熱システムに好適でない潜熱蓄熱材組成物Mにおける融解潜熱を発現する温度と蓄熱量との関係の一例を示すグラフである。図2中の曲線は、建造物の冷暖房用の蓄熱システムに好適でない潜熱蓄熱材組成物Mの示す曲線である。
図1及び図2に示す例では、加熱時に潜熱蓄熱材組成物が融解を開始する温度(融解下限温度T)は、15℃を超え20℃未満の範囲内にあり、適切である。なお、潜熱蓄熱材組成物が建造物の冷暖房の蓄熱システムに用いられる場合、潜熱蓄熱材組成物の融解下限温度が低すぎると蓄熱材を凝固させて、冷熱を貯めることが困難となる。また、潜熱蓄熱材組成物の融解下限温度が高すぎると、外気との熱の交換効率が悪くなる。したがって、潜熱蓄熱材組成物が建造物の冷暖房の蓄熱システムに用いられる場合、図1及び図2に示すように、蓄熱材が融解を開始する温度は15℃以上20℃の範囲にあることが好ましい。
具体的には、図1に示すように、潜熱蓄熱材組成物Mでは、融解下限温度Tと、加熱時に融解を終了する温度(融解上限温度T)との差が小さく、融解上限温度Tが26℃未満にある。このような場合、外部の雰囲気温度が融解上限温度Tをわずかに上回る温度(例えば26℃)となった場合でも、図1中に斜線領域Aとして表される蓄熱量、すなわち蓄熱材組成物が本来有する蓄熱量の全て、を冷熱として用いることができる。このように潜熱蓄熱材組成物Mは、本来有する蓄熱量の全てを冷熱として発揮できるため、冷房用の蓄熱システム用の蓄熱材組成物として好適である。
一方、図2に示すように潜熱蓄熱材組成物Mでは、融解下限温度Tと融解上限温度Tとの差異が大きく、融解上限温度Tが26℃を超える。この場合、上述と同様に外部の雰囲気温度が26℃となったとき、26℃から融解上限温度Tまでの温度範囲での蓄熱量は、冷房に寄与しないこととなる。すなわち、潜熱蓄熱材組成物MBでは、外部温度が26℃を超える場合、図2に斜線領域Aとして示される蓄熱量、すなわち蓄熱材組成物が本来有する蓄熱量の一部のみ、しか冷熱として用いることができない。このように潜熱蓄熱材組成物Mは、冷房用の蓄熱システム用の蓄熱材組成物として好ましくない。
このように冷房用の蓄熱システム用の蓄熱材組成物は、15℃以上20℃の範囲にて融解し、かつ狭い温度範囲で多量の熱を吸熱する特性が求められる。ここで、「狭い温度範囲で多量の熱を吸熱する特性」を表す指標としての5℃幅融解潜熱Hについて、図3及び図4を用いて説明する。図3は、建造物の冷暖房用の蓄熱システムに好適な潜熱蓄熱材組成物の5℃幅融解潜熱Hを説明する図である。図3中の曲線は、建造物の冷暖房用の蓄熱システムに好適な潜熱蓄熱材組成物Mの示す曲線である。図4は、建造物の冷暖房用の蓄熱システムに好適でない潜熱蓄熱材組成物の5℃幅融解潜熱Hを説明する図である。図4中の曲線は、建造物の冷暖房用の蓄熱システムに好適でない潜熱蓄熱材組成物Mの示す曲線である。
5℃幅融解潜熱Hとは前述の通り、「5℃の温度幅での融解潜熱の総量」を意味し、ある温度TからT+5℃の温度範囲における融解潜熱の総量QについてTを変化させた際のQの最大値として定義される。ここで、その際の温度の下限値を5℃幅下限温度T5L、上限値を5℃幅上限温度T5Hと定義する。
潜熱蓄熱材組成物Mでは図3中の斜線領域Aの総和が5℃幅融解潜熱Hとなる。潜熱蓄熱材組成物Mでは狭い温度範囲において鋭い蓄熱量のピークが存在することから、結果として5℃幅融解潜熱Hは大きな値を示す。同様に潜熱蓄熱材組成物Mにおいても図4中の斜線領域Aの総和が5℃幅融解潜熱Hとなる。しかし、潜熱蓄熱材組成物Mではピークの形状が緩やかであるため、5℃幅融解潜熱Hは小さな値を示す。
このように狭い温度範囲で多量の熱を吸熱する蓄熱材ほど、5℃幅融解潜熱Hは大きな値を示すことから、5℃幅融解潜熱Hを「狭い温度範囲で多量の熱を吸熱する」特性の指標として用いることができる。
また、前述のように、蓄熱材が融解を開始する温度は15℃以上20℃の範囲にあることが好ましいが、図5に示すように融解下限温度Tと5℃幅下限温度T5Lとが大きく異なる場合がある。蓄熱材が図5に示す特性を有するの場合、蓄熱材が融解を開始する温度は融解下限温度Tとなるが、蓄熱材の大部分が融解する下限温度は5℃幅下限温度T5Lである。したがって、蓄熱材が図5に示す特性を有する場合は、蓄熱材の融解を開始する温度として融解下限温度Tよりも5℃幅下限温度T5Lを用いることが適切である。
従来の潜熱蓄熱材組成物として、例えば、特許文献1に、塩化カルシウム6水和物に、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、及び硝酸アンモニウムの1種以上を加えた蓄熱材組成物が開示されている。
特開昭59−109578号公報
しかしながら、特許文献1及び2の蓄熱材組成物は、塩化カルシウム6水和物以外の添加物の配合量が多いと、5℃幅下限温度T5Lは15℃以上20℃未満の範囲内となるが、全体融解潜熱及び5℃幅融解潜熱Hが小さいという問題があった。このように、特許文献1の蓄熱材組成物において、5℃幅下限温度T5Lが15℃以上20℃未満の範囲内にあり、かつ5℃幅融解潜熱が大きい配合は見出されていなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。本発明は、5℃幅下限温度T5Lが15℃以上20℃未満の範囲内にあり、5℃幅融解潜熱Hが100J/g以上である蓄熱材組成物及び建築物の冷暖房用の蓄熱システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る蓄熱材組成物は、塩化カルシウム6水和物、臭化アンモニウム、及び臭化カルシウム6水和物からなる主剤を含み、5℃幅下限温度T5Lが15℃以上20℃未満の範囲内にあり、5℃幅融解潜熱Hが100J/g以上である。
本発明の第2の態様に係る蓄熱材組成物は、第1の態様に係る蓄熱材組成物において、前記主剤100質量%中に、前記塩化カルシウム6水和物が71.4〜89.5質量%、前記臭化アンモニウムが2.4〜14.3質量%、前記臭化カルシウム6水和物が3.8〜24.3質量%含まれる。
本発明の第3の態様に係る蓄熱材組成物は、第1又は第2の態様に係る蓄熱材組成物において、前記主剤100質量%中の、前記塩化カルシウム6水和物の含有量をX質量%、前記臭化アンモニウムの含有量をY質量%、前記臭化カルシウム6水和物の含有量をZ質量%と規定したとき、X、Y、及びZが下記式(1)〜(6)を満たす。
[数1]
X+Y+Z=100 (1)
[数2]
−0.105X−Y+11.80≦0 (2)
[数3]
−3.786X−Y+341.22≧0 (3)
[数4]
−1.064X−Y+101.48≧0 (4)
[数5]
+0.408X−Y−19.13≧0 (5)
[数6]
+8.571X−Y−607.70≧0 (6)
本発明の第4の態様に係る蓄熱材組成物は、第1〜第3のいずれかの態様に係る蓄熱材組成物において、有機不飽和カルボン酸、有機不飽和スルホン酸、有機不飽和リン酸、有機不飽和アミド、有機不飽和アルコール、有機不飽和カルボン酸塩、有機不飽和スルホン酸塩、及び有機不飽和リン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の単量体と、多官能性単量体と、を重合させて得られる第1の相分離抑制剤をさらに含む。
本発明の第5の態様に係る蓄熱材組成物は、第1〜第4のいずれかの態様に係る蓄熱材組成物において、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、及び尿素からなる群より選択される少なくとも1種の融点降下剤をさらに含む。
本発明の第6の態様に係る蓄熱材組成物は、第1〜第5のいずれかの態様に係る蓄熱材組成物において、水酸化ストロンチウム八水和物、水酸化ストロンチウム、塩化ストロンチウム、塩化ストロンチウム六水和物、オクタデカン、デカン酸、ビスコースレーヨン、ブロモオクタデカン、リン酸モノドデシルナトリウム、アルミナ、プロパノール、2−プロパノール、1−プロパノール、リン酸ドデシルNa、ホウ砂Na(OH)・8HO、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、黒鉛、アルミニウム、二酸化チタン、ヘクトライト、スメクタイトクレイ、ベントナイト、ラポナイト、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エチレンジアミン四酢酸、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルリン酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキルリン酸カリウムからなる群より選択される少なくとも1種以上の過冷却抑制剤をさらに含む。
本発明の第7の態様に係る蓄熱材組成物は、第1〜第6のいずれかの態様に係る蓄熱材組成物において、ケイ酸ナトリウム、水ガラス、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、アクリルアミド・アクリル酸・DMAEA−MeClの共重合物、ポリアクリル酸エステル系、ポリアクリルアミド、ポリ塩化アルミニム、硫酸アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリカルボキシレートポリエーテルポリマー、アクリル酸・マイレン酸共重合体ナトリウム、アクリル酸・スルホン酸系モノマー共重合体ナトリウム、アクリルアミド・ジメチルアミノエチルメタクリラートジメチル硫酸塩共重合物、アクリルアミド・アクリル酸ソーダ共重合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、高吸水樹脂(SAP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMCの誘導体、カラギーナン、カラギーナンの誘導体、キサンタンガム、キサンタンガムの誘導体、ペクチン、ペクチンの誘導体、デンプン、デンプンの誘導体、コンニャク、寒天、層状ケイ酸塩、及びこれらの物質の複合物質からなる群より選択される少なくとも1種の第2の相分離抑制剤をさらに含む。
本発明の第8の態様に係る建築物の冷暖房用の蓄熱システムは、第1〜第7のいずれかの態様に係る蓄熱材組成物を用いた蓄熱材モジュールを具備する。
本実施形態に係る蓄熱材組成物によれば、5℃幅下限温度T5Lが15℃以上20℃未満の範囲内にあり、5℃幅融解潜熱Hが100J/g以上である蓄熱材組成物及び建築物の冷暖房用の蓄熱システムを提供することができる。
建造物の冷暖房用の蓄熱システムに好適な潜熱蓄熱材組成物Mにおける融解潜熱を発現する温度と蓄熱量との関係の一例を示すグラフである。 建造物の冷暖房用の蓄熱システムに好適でない潜熱蓄熱材組成物Mにおける融解潜熱を発現する温度と蓄熱量との関係の一例を示すグラフである。 建造物の冷暖房用の蓄熱システムに好適な潜熱蓄熱材組成物の5℃幅融解潜熱Hを説明する図である。 建造物の冷暖房用の蓄熱システムに好適でない潜熱蓄熱材組成物の5℃幅融解潜熱Hを説明する図である。 潜熱蓄熱材組成物の融解下限温度Tと5℃幅下限温度T5Lを説明する図である。 主剤における、塩化カルシウム6水和物、臭化アンモニウム、及び臭化カルシム6水和物の含有量の好適な範囲を示す三元系組成図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る蓄熱材組成物、及び蓄熱システムについて詳細に説明する。
[蓄熱材組成物]
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、塩化カルシウム6水和物、臭化アンモニウム、及び臭化カルシウム6水和物からなる主剤を含む。
<塩化カルシウム6水和物>
塩化カルシウム6水和物(CaCl・6HO)としては、公知のものを用いることができる。
本実施形態に係る蓄熱材組成物では、主剤100質量%中に、塩化カルシウム6水和物が、通常71.4〜89.5質量%含まれる。ここで、主剤100質量%とは、塩化カルシウム6水和物、臭化アンモニウム、及び臭化カルシウム6水和物の合計量が100質量%であることを意味する。塩化カルシウム6水和物の含有量が上記範囲内にあると、蓄熱材組成物の5℃幅下限温度T5Lが15℃以上20℃未満の範囲内にあり、5℃幅融解潜熱Hが100J/g以上になる。
ここで、5℃幅融解潜熱Hとは、前述の通り「温度幅5℃の範囲での融解潜熱」を意味し、ある温度TからT+5℃の温度範囲における融解潜熱の総量H5Aについて、Tを変化させた際のH5Aの最大値として定義される。具体的には、示差走査熱量計(DSC)にて測定されるヒートフローをある瞬間(時間t,温度T)から温度T+5℃となった瞬間(時間t,温度T+5)まで時間積分し、その最大値として導出される。
また、全体融解潜熱Hとは、蓄熱材組成物全てが固体から液体へと相変化する際には制した潜熱の総和を意味する。具体的には、全体融解潜熱Hは、示差走査熱量計(DSC)にて測定されるヒートフローを時間で積分した場合のピーク面積から算出される。
本実施形態に係る蓄熱材組成物では、主剤100質量%中に、塩化カルシウム6水和物が、好ましくは71.4〜89.5質量%含まれる。この場合、蓄熱材組成物の蓄熱量(5℃幅融解潜熱量)がより大きくなる。また、本実施形態に係る蓄熱材組成物では、主剤100質量%中に、塩化カルシウム6水和物が、より好ましくは71.4〜89.5質量%含まれる。この場合、蓄熱材組成物の融解上限温度がより低くなる。
<臭化アンモニウム>
臭化アンモニウム(NHBr)としては、公知のものを用いることができる。
本実施形態に係る蓄熱材組成物では、主剤100質量%中に、臭化アンモニウムが、通常2.4〜14.3質量%含まれる。臭化アンモニウムの含有量が上記範囲内にあると、蓄熱材組成物の5℃幅下限温度T5Lが15℃以上20℃未満の範囲内にあり、5℃幅融解潜熱Hが100J/g以上になる。
本実施形態に係る蓄熱材組成物では、主剤100質量%中に、臭化アンモニウムが、好ましくは2.4〜14.3質量%含まれる。この場合、蓄熱材組成物の蓄熱量(5℃幅融解潜熱H)がより大きくなり、蓄熱材組成物の5℃幅下限温度T5Lがより低くなる。
<臭化カルシウム6水和物>
臭化カルシウム6水和物(CaBr・6HO)としては、公知のものを用いることができる。
本実施形態に係る蓄熱材組成物では、主剤100質量%中に、臭化カルシウム6水和物が、通常3.8〜24.3質量%含まれる。臭化カルシウム6水和物の含有量が上記範囲内にあると、蓄熱材組成物の5℃幅下限温度T5Lが15℃以上20℃未満の範囲内にあり、5℃幅融解潜熱Hが100J/g以上になる。
本実施形態に係る蓄熱材組成物では、主剤100質量%中に、臭化カルシウム6水和物が、好ましくは3.8〜24.3質量%含まれる。この場合、蓄熱材組成物の蓄熱量(5℃幅融解潜熱H)がより大きくなり、蓄熱材組成物の5℃幅下限温度T5Lがより低くなる。
蓄熱材組成物は、好ましくは、主剤100質量%中に、塩化カルシウム6水和物が71.4〜89.5質量%、臭化アンモニウムが2.4〜14.3質量%、臭化カルシウム6水和物が3.8〜24.3質量%含まれる。塩化カルシウム6水和物等の各物質の含有量が上記範囲内にあると、蓄熱材組成物の5℃幅下限温度T5Lが15℃以上20℃未満の範囲内にあり、5℃幅融解潜熱Hが100J/g以上になる。
<蓄熱材組成物の組成>
蓄熱材組成物では、主剤混合物におけるX、Y及びZが下記式(1)〜(6)を満たすことが好ましい。ここで、X、Y及びZは、主剤100質量%中の塩化カルシウム6水和物の含有量をX質量%、臭化アンモニウムの含有量をY質量%、前記臭化カルシウム6水和物の含有量をZ質量%と規定したものである。
[数7]
X+Y+Z=100 (1)
[数8]
−0.105X−Y+11.80≦0 (2)
[数9]
−3.786X−Y+341.22≧0 (3)
[数10]
−1.064X−Y+101.48≧0 (4)
[数11]
+0.408X−Y−19.13≧0 (5)
[数12]
+8.571X−Y−607.70≧0 (6)
図6は、主剤混合物における、塩化カルシウム6水和物、臭化アンモニウム、及び臭化カルシウム6水和物の含有量の好適な範囲を示す三元系状態図である。図6に示す五角形R及びその内部は、上記式(1)〜(6)を満たす範囲である。
本実施形態に係る蓄熱材組成物において、上記X、Y及びZが式(1)〜(6)を満たすと、蓄熱材組成物の5℃幅下限温度T5Lが15℃以上20℃未満の範囲内にあり、5℃幅融解潜熱Hが100J/g以上になる。
(第1の相分離抑制剤)
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、特定の第1の相分離抑制剤をさらに含むと、主剤が保湿下で保存されるため好ましい。特定の第1の相分離抑制剤は、特定の単量体と、多官能性単量体と、を重合させて得られる。
<単量体>
特定の単量体としては、有機不飽和カルボン酸、有機不飽和スルホン酸、有機不飽和リン酸、有機不飽和アミド、有機不飽和アルコール、有機不飽和カルボン酸塩、有機不飽和スルホン酸塩、及び有機不飽和リン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の単量体が用いられる。
有機不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸からなる群より選択される1種以上の不飽和カルボン酸が用いられ、好ましくはアクリル酸が用いられる。
有機不飽和スルホン酸としては、例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、スルホエチルメタクリレート、アリルスルホン酸及びメタアリルスルホン酸からなる群より選択される1種以上の有機不飽和スルホン酸が用いられる。
有機不飽和カルボン酸塩としては、例えば上記不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩やアンモニウム塩が用いられる。上記不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩としては、例えば、上記不飽和カルボン酸のナトリウム塩が用いられる。上記不飽和カルボン酸のナトリウム塩としては、好ましくは、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウムが用いられる。
有機不飽和スルホン酸塩としては、例えば、上記有機不飽和スルホン酸のアルカリ金属塩やアンモニウム塩が用いられる。上記有機不飽和スルホン酸のアルカリ金属塩としては、例えば、上記有機不飽和スルホン酸のナトリウム塩が用いられる。
上記特定の単量体は、そのまま重合すると特定の単量体が重合した重合体を形成する。
<多官能性単量体>
多官能性単量体は、特定の単量体が重合した重合体を架橋させるものである。多官能性単量体としては、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N,N’−ジメチレンビスアクリルアミド、N,N’−ジメチレンビスメタクリルアミドが用いられ、好ましくはN,N’−メチレンビスアクリルアミド又はN,N’−メチレンビスメタクリルアミドが用いられる。
(融点降下剤)
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、特定の融点降下剤をさらに含むと、主剤の融点が降下するため好ましい。融点降下剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、及び尿素からなる群より選択される少なくとも1種の融点降下剤が用いられる。
(過冷却抑制剤)
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、特定の過冷却抑制剤をさらに含むと、主剤の過冷却が抑制されるため好ましい。過冷却抑制剤としては、例えば、水酸化ストロンチウム八水和物、水酸化ストロンチウム、塩化ストロンチウム、塩化ストロンチウム六水和物、オクタデカン、デカン酸、ビスコースレーヨン、ブロモオクタデカン、リン酸モノドデシルナトリウム、アルミナ、プロパノール、2−プロパノール、1−プロパノール、リン酸ドデシルNa、ホウ砂Na(OH)・8HO、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、黒鉛、アルミニウム、二酸化チタン、ヘクトライト、スメクタイトクレイ、ベントナイト、ラポナイト、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エチレンジアミン四酢酸、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルリン酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキルリン酸カリウムからなる群より選択される少なくとも1種の過冷却抑制剤が用いられる。
(第2の相分離抑制剤)
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、特定の第2の相分離抑制剤をさらに含むと、主剤の相分離が抑制されるため好ましい。第2の相分離抑制剤としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、水ガラス、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、アクリルアミド・アクリル酸・DMAEA−MeClの共重合物、ポリアクリル酸エステル系、ポリアクリルアミド、ポリ塩化アルミニム、硫酸アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリカルボキシレートポリエーテルポリマー、アクリル酸・マイレン酸共重合体ナトリウム、アクリル酸・スルホン酸系モノマー共重合体ナトリウム、アクリルアミド・ジメチルアミノエチルメタクリラートジメチル硫酸塩共重合物、アクリルアミド・アクリル酸ソーダ共重合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、高吸水樹脂(SAP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMCの誘導体、カラギーナン、カラギーナンの誘導体、キサンタンガム、キサンタンガムの誘導体、ペクチン、ペクチンの誘導体、デンプン、デンプンの誘導体、コンニャク、寒天、層状ケイ酸塩、及び上記物質の複合物質からなる群より選択される少なくとも1種の第2の相分離抑制剤が用いられる。
(特性)
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、5℃幅下限温度T5Lが15℃以上20℃未満の範囲内にあり、建造物の冷暖房用の蓄熱システムの潜熱蓄熱材組成物として好適な温度範囲で蓄熱性能を発現する。このため、本実施形態に係る蓄熱材組成物は、建造物の冷暖房用の蓄熱システムの潜熱蓄熱材組成物として好適である。
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、5℃幅下限温度T5Lが、20℃以下、好ましくは15℃以上20℃未満の範囲内にある。本実施形態に係る蓄熱材組成物は、5℃幅下限温度T5Lが上記数値範囲内にあるため、建造物の冷暖房用の蓄熱システムの潜熱蓄熱材組成物として好適な温度範囲で蓄熱性能を発現する。このため、本実施形態に係る蓄熱材組成物は、建造物の冷暖房用の蓄熱システムの潜熱蓄熱材組成物として好適である。
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、5℃幅融解潜熱Hが100J/g以上、好ましくは140J/g以上、より好ましくは160J/g以上である。また、本実施形態に係る蓄熱材組成物は、全体融解潜熱Hが特に好ましくは170J/g以上である。本実施形態に係る蓄熱材組成物は、5℃幅融解潜熱Hが上記数値範囲内にあるため、建造物の冷暖房用の蓄熱システムの潜熱蓄熱材組成物として好適である。
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、5℃幅融解潜熱Hが100J/g以上、好ましくは140J/g以上、より好ましくは160J/g以上である。本実施形態に係る蓄熱材組成物は、5℃幅融解潜熱Hが上記数値範囲内にあるため、建造物の冷暖房用の蓄熱システムの潜熱蓄熱材組成物として好適である。
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、5℃幅下限温度T5Lが、20℃未満、好ましくは15℃以上20℃未満にある。また、本実施形態に係る蓄熱材組成物は、5℃幅下限温度が、特に好ましくは15℃以上18℃未満、より特に好ましくは15℃以上17℃未満にある。本実施形態に係る蓄熱材組成物は、5℃幅下限温度が上記数値範囲内にあるため、建造物の冷暖房用の蓄熱システムの潜熱蓄熱材組成物として好適な温度範囲で蓄熱性能を発現する。このため、本実施形態に係る蓄熱材組成物は、建造物の冷暖房用の蓄熱システムの潜熱蓄熱材組成物として好適である。
(発明の効果)
本実施形態に係る蓄熱材組成物によれば、5℃幅下限温度T5Lが15℃以上20℃未満の範囲内にあり、5℃幅融解潜熱Hが100J/g以上である蓄熱材組成物が得られる。
[建築物の冷暖房用の蓄熱システム]
本実施形態に係る建築物の冷暖房用の蓄熱システムは、上記本実施形態に係る蓄熱材組成物を用いた蓄熱材モジュールを具備する。
(蓄熱材モジュール)
蓄熱材モジュールとしては、例えば、前記蓄熱材組成物を十分な密封性を有する容器に充填させた蓄熱材パックからなり、この蓄熱材パックを単数ないしは複数積層させるとともに、適切な流路を設け、モジュール化したものが用いられる。蓄熱材パックに用いる容器としては、例えば、アルミシートに樹脂製シートを積層して形成されたアルミパックシートを熱溶着することで形成されたアルミパック等が挙げられる。蓄熱材モジュールは、建造物中の空間を区切る床面、壁面、天井面の少なくとも一部に設置される。
このように設置された蓄熱材モジュールは、モジュール表面とこのモジュール表面を通気した雰囲気との熱交換、日射による日射熱、夜間電力を利用した空調システム等によって蓄熱(蓄冷)される。例えば、昼間においては、蓄熱材モジュール中の蓄熱材組成物は、建造物中の空間から得た熱によって融解し、その分のエンタルピーを蓄熱材組成物の内部に保留する。その後、夜間に外気温度が下がってくると、融解していた蓄熱材組成物は凝固し、建造物中の空間へ熱を放出する。このように、蓄熱材モジュールを建物内に設置すると、蓄熱材組成物の融解・凝固の作用により、冷暖房のためのエネルギー負荷を低減することができる。
(発明の効果)
本実施形態に係る蓄熱材システムによれば、モジュール表面とこのモジュール表面を通気した雰囲気との熱交換、日射による日射熱、夜間電力を利用した空調システム等によって蓄熱(蓄冷)されるため、冷暖房のためのエネルギー負荷を低減することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(蓄熱材組成物の作製)
塩化カルシウム(キシダ化学株式会社製、特級)と、臭化アンモニウム(キシダ化学株式会社製、特級)と、臭化カルシウム2水和物(キシダ化学株式会社製、特級)とを用意した。20mlのガラス製サンプル瓶に、塩化カルシウムと、臭化アンモニウムと、臭化カルシウム2水和物を、合計約5gになるように所定量混合した。塩化カルシウム、臭化アンモニウム、臭化カルシウム2水和物及び純水の量は、得られる蓄熱材組成物の組成が表1に示す組成になるような量で配合した。この際の純水の量は塩化カルシウムと臭化カルシウム2水和物が全て6水和物になるように所定量秤量し、混合した。この際の純水の添加量は塩化カルシウム添加量から算出される公称添加量に対して、±1%以下の差異であった。得られた混合物を50℃以上で湯煎したところ、蓄熱材組成物が得られた(試料No.A11)。
また、蓄熱材組成物の調製時の沈殿の生成の有無を調べた。蓄熱材組成物の調製時に沈殿が生成することは、凝固・融解を繰り返したときの蓄熱材組成物の特性安定性が低いことを示す指標である。試料No.A11の蓄熱材組成物では、沈殿は生成しなかった。結果を表1に示す。
Figure 2020196816
(全体融解潜熱H、5℃幅融解潜熱H、5℃幅下限温度T5Lの測定)
蓄熱材組成物から約10mg試料を採取し、DSC(示差走査熱量計)による蓄熱材組成物の全体融解潜熱H、5℃幅融解潜熱H、5℃幅下限温度T5Lの測定を実施した。全体融解潜熱Hは、示差走査熱量計(DSC)にて測定されるヒートフローを時間で積分した場合のピーク面積から算出した。5℃幅融解潜熱Hは、示差走査熱量計(DSC)にて測定されるヒートフローをある瞬間(時間t,温度T)から温度T+5℃となった瞬間(時間t,温度T+5)まで時間積分し、その最大値として導出した。また5℃幅下限温度T5Lについては、その際の下限温度として導出した。これらの結果を表1に示す。
[実施例2〜16、比較例1〜10]
得られる蓄熱材組成物が表1又は表2に示す組成になるように、各成分の添加量を調整し、実施例1と同様の手順にて蓄熱材組成物を作製した(試料No.A1〜A10、A12〜A26)。
試料No.A1〜A10はそれぞれ比較例1〜10の蓄熱材組成物、試料No.A12〜A26はそれぞれ実施例2〜16の蓄熱材組成物である。
Figure 2020196816
試料No.A1〜A10及びA12〜A26につき、実施例1と同様にして、全体融解潜熱H、5℃幅融解潜熱H、5℃幅下限温度T5Lの測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
(三元系組成図)
図6は、主剤混合物における、塩化カルシウム6水和物、臭化アンモニウム、及び臭化カルシウム6水和物の含有量の好適な範囲を示す三元系状態図である。
試料No.A1〜A26の蓄熱材組成物の組成を図6にプロットした。
試料No.A11〜A26(実施例1〜16)の蓄熱材組成物は、5℃幅下限温度T5Lが15℃以上20℃未満の範囲内にあり、5℃幅融解潜熱Hが100J/g以上であった。図6に、試料No.A11〜A26の蓄熱材組成物のプロットを記号○で示す。
試料No.A1〜A10(比較例1〜10)の蓄熱材組成物は、調製時に沈殿が生成した。図6に、試料No.A1〜A10の蓄熱材組成物のプロットを記号×で示す。
上記記号○及び×は、前者ほど好ましいことを示す。
図6において、五角形の領域Rは、プロット記号○の試料No.A11〜A26(実施例1〜16)が存在する領域である。
図6において、五角形の領域Rは、X、Y、及びZが下記式(1)〜(6)を満たす領域である。なお、式(1)〜(6)において、主剤100質量%中の、塩化カルシウム6水和物の含有量をX質量%、臭化アンモニウムの含有量をY質量%、臭化カルシウム6水和物の含有量をZ質量%規定した。
[数13]
X+Y+Z=100 (1)
[数14]
−0.105X−Y+11.80≦0 (2)
[数15]
−3.786X−Y+341.22≧0 (3)
[数16]
−1.064X−Y+101.48≧0 (4)
[数17]
+0.408X−Y−19.13≧0 (5)
[数18]
+8.571X−Y−607.70≧0 (6)
図6に示す五角形の領域Rは、プロット記号○の試料No.A11〜A26(実施例1〜16)が存在する領域である。すなわち、領域Rは、5℃幅下限温度T5Lが15℃以上20℃未満の範囲内にあり、5℃幅融解潜熱Hが100J/g以上である蓄熱材組成物が存在する領域である。このため、X、Y、及びZが上記式(1)〜(6)を満たす領域Rは、好適な蓄熱材組成物が得られる領域を示すものである。
以上、本発明を実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
融解下限温度
融解上限温度
5L 5℃幅下限温度
5H 5℃幅上限温度
全体融解潜熱
5℃幅融解潜熱

Claims (8)

  1. 塩化カルシウム6水和物、臭化アンモニウム、及び臭化カルシウム6水和物からなる主剤を含み、
    5℃幅下限温度T5Lが15℃以上20℃未満の範囲内にあり、
    5℃幅融解潜熱Hが100J/g以上であることを特徴とする蓄熱材組成物。
  2. 前記主剤100質量%中に、
    前記塩化カルシウム6水和物が71.4〜89.5質量%、
    前記臭化アンモニウムが2.4〜14.3質量%、
    前記臭化カルシウム6水和物が3.8〜24.3質量%含まれることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱材組成物。
  3. 前記主剤100質量%中の、前記塩化カルシウム6水和物の含有量をX質量%、前記臭化アンモニウムの含有量をY質量%、前記臭化カルシウム6水和物の含有量をZ質量%と規定したとき、X、Y及びZが下記式(1)〜(6)を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄熱材組成物。
    [数1]
    X+Y+Z=100 (1)
    [数2]
    −0.105X−Y+11.80≦0 (2)
    [数3]
    −3.786X−Y+341.22≧0 (3)
    [数4]
    −1.064X−Y+101.48≧0 (4)
    [数5]
    +0.408X−Y−19.13≧0 (5)
    [数6]
    +8.571X−Y−607.70≧0 (6)
  4. 有機不飽和カルボン酸、有機不飽和スルホン酸、有機不飽和リン酸、有機不飽和アミド、有機不飽和アルコール、有機不飽和カルボン酸塩、有機不飽和スルホン酸塩、及び有機不飽和リン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の単量体と、
    多官能性単量体と、
    を重合させて得られる第1の相分離抑制剤をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄熱材組成物。
  5. 塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、及び尿素からなる群より選択される少なくとも1種の融点降下剤をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄熱材組成物。
  6. 水酸化ストロンチウム八水和物、塩化ストロンチウム、塩化ストロンチウム六水和物、オクタデカン、デカン酸、ビスコースレーヨン、ブロモオクタデカン、リン酸モノドデシルナトリウム、アルミナ、プロパノール、2−プロパノール、1−プロパノール、リン酸ドデシルNa、ホウ砂Na(OH)・8HO、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、黒鉛、アルミニウム、二酸化チタン、ヘクトライト、スメクタイトクレイ、ベントナイト、ラポナイト、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エチレンジアミン四酢酸、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルリン酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキルリン酸カリウムからなる群より選択される少なくとも1種の過冷却抑制剤をさらに含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄熱材組成物。
  7. ケイ酸ナトリウム、水ガラス、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、アクリルアミド・アクリル酸・DMAEA−MeClの共重合物、ポリアクリル酸エステル系、ポリアクリルアミド、ポリ塩化アルミニム、硫酸アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリカルボキシレートポリエーテルポリマー、アクリル酸・マイレン酸共重合体ナトリウム、アクリル酸・スルホン酸系モノマー共重合体ナトリウム、アクリルアミド・ジメチルアミノエチルメタクリラートジメチル硫酸塩共重合物、アクリルアミド・アクリル酸ソーダ共重合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、高吸水樹脂(SAP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMCの誘導体、カラギーナン、カラギーナンの誘導体、キサンタンガム、キサンタンガムの誘導体、ペクチン、ペクチンの誘導体、デンプン、デンプンの誘導体、コンニャク、寒天、層状ケイ酸塩、及びこれらの物質の複合物質からなる群より選択される少なくとも1種の第2の相分離抑制剤をさらに含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄熱材組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の蓄熱材組成物を用いた蓄熱材モジュールを具備することを特徴とする建築物の冷暖房用の蓄熱システム。
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