JP7405540B2 - 粒子状の制汗成分を含有する非含水化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子状の制汗成分を含有する非含水化粧料に関する。特に、粒子径分布の異なる粒子状の制汗成分を併用した非含水化粧料に関する。
腋臭を防止し、毛穴の収れん作用による発汗抑制製品として制汗剤等の化粧料が知られている。制汗剤に含有される成分としては、収れん性を有する粒子状の成分が主に用いられ、毛穴等に直接作用して、汗の発生を抑制することで、その効果を発揮することが知られている。
例えば、特許文献1には、抗菌性ゼオライトとミョウバン及び/又は焼ミョウバン粒子とを含有する皮膚外用剤が提案されている。
また、特許文献2には、焼ミョウバン粒子が腋窩からの発汗や異臭を抑制するための制汗成分として広く使用されていることが記載されている。
特開2004-307375号公報 特開平4-103519号公報
制汗成分を含有する化粧料には、使用後すぐに制汗性を発揮する即効性と、使用後数時間以上効果が持続する持続性が求められている。しかしながら、これまで提案された化粧料等は、未だ十分な制汗効果、特に即効性に関する制汗効果が発揮できていなかった。
そこで、本発明の課題は、制汗効果として即効性及び持続性に優れた非含水化粧料を提供することである。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討したところ、粒子径分布の異なる粒子状の制汗成分を非含水化粧料に用いることで、前記課題を解決できること見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の非含水化粧料である。
本発明の課題を解決できる非含水化粧料は、制汗成分を含有する非含水化粧料であって、前記制汗成分は、体積平均径が4.0~6.0μmである粒子状の制汗成分(A)と、体積平均径が1.5~3.95μmである粒子状の制汗成分(B)とを併用することを特徴とするものである。
体積平均径が1.5~3.95μmである粒子状の制汗成分(B)を用いることで、汗等の水分に対して溶解速度を高めることができ、より即効性の高い制汗効果を得ることができる。一方、体積平均径が4.0~6.0μmである粒子状の制汗成分(A)は、制汗成分(B)より粒子径が大きいため、制汗成分(B)と比べて汗等の水分に対する溶解速度が遅い。すなわち、持続性の高い制汗効果を奏することができる。
よって、本発明の特徴によれば、体積平均径が4.0~6.0μmである粒子状の制汗成分(A)と、体積平均径が1.5~3.95μmである粒子状の制汗成分(B)とを併用させることで、制汗効果として即効性及び持続性に優れた非含水化粧料を提供することできるという効果を奏する。
さらに、体臭の原因物質は、汗と共に皮膚の皮溝や毛穴に溜まっているため、より粒子径小さい制汗成分を皮溝や毛穴にアプローチさせることにより、効果的な消臭作用を発揮することができる。
さらに、本発明の非含水化粧料の一実施態様としては、制汗成分が、アルミニウム化合物、亜鉛化合物及びジルコニウム化合物から選択される1種以上であることを特徴とするものである。
この特徴によれば、アルミニウム化合物、亜鉛化合物及びジルコニウム化合物から選択される1種以上の制汗成分が、毛穴に侵入して収れん作用を発揮し、非含水化粧料の制汗効果をより発揮することができる。
さらに、本発明の非含水化粧料の一実施態様としては、非含水化粧料はスティック型制汗剤であることを特徴とするものである。
この特徴によれば、非含水スティック型制汗剤に、即効性及び持続性に優れた制汗効果を付与することができる。
さらに、本発明の非含水化粧料の一実施態様としては、非含水化粧料はクリーム型制汗剤であることを特徴とするものである。
この特徴によれば、非含水クリーム型制汗剤に、即効性及び持続性に優れた制汗効果を付与することができる。
さらに、本発明の非含水化粧料の一実施態様としては、非含水化粧料はパウダー型制汗剤であることを特徴とするものである。
この特徴によれば、非含水パウダー型制汗剤に、即効性及び持続性に優れた制汗効果を付与することができる。
本発明によれば、制汗効果として即効性及び持続性に優れた非含水化粧料を提供することができる。
焼ミョウバン粒子の粒子径分布の累積を示す分布図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を含めて説明する。
[非含水化粧料]
本発明の非含水化粧料は、制汗成分を含有する非含水化粧料であって、前記制汗成分は、体積平均径が4.0~6.0μmである粒子状の制汗成分(A)と、体積平均径が1.5~3.95μmである粒子状の制汗成分(B)とを併用することを特徴とするものである。
本発明の非含水化粧料は、非含水組成物である。ここで、「非含水」とは、通常、水和された制汗成分の水和水以外の水分含有量が10質量%未満のことをいう。水和水以外の水分含有量は、好ましくは8質量%未満であり、より好ましくは5質量%未満であり、更に好ましくは3質量%未満である。但し、化粧料を開封した後に、大気中の水分を吸収して水分量が10質量%以上となった場合の化粧料においても、非含水化粧料に含まれる。
<制汗成分>
本発明の非含水化粧料において、制汗成分は、皮膚や毛穴に作用して制汗性を示す成分であれば特に限定されないが、好ましくは、アルミニウム化合物、亜鉛化合物及びジルコニウム化合物から選択される1種以上の成分である。これら制汗成分は、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。さらに、(A)成分又は(B)成分として、同一の成分を用いても良いし、異なる成分を用いても良い。
アルミニウム化合物としては、例えば、硫酸アルミニウムアンモニウム(アンモニウムミョウバン)、硫酸アルミニウムナトリウム(ナトリウムミョウバン)、硫酸アルミニウムカリウム(カリウムミョウバン)、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、フェノールスルホン酸アルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、イソステアリン酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、酸化アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ミリスチン酸アルミニウムなどが挙げられる。これらアルミニウム化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。
亜鉛化合物としては、例えば、パラフェノールスルホン酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、炭酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛などが挙げられる。これら亜鉛化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。
ジルコニウム化合物としては、例えば、酸化ジルコニウム、クロルヒドロキシジルコニウムなどが挙げられる。これらジルコニウム化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。
本発明の非含水化粧料に含まれる制汗成分は、水和物又は非水和物のどちらを用いても良いが、湿気等に対して安定した品質を保つことができるため、非水和物を用いることが好ましい。
例えば、水和物とは、水を含む物質の総称であり、水和水の個数によって、1水和物、2水和物等の水和物が挙げられる。例えば、上記アルミニウム化合物として例示されたミョウバンの水和物としては、8水和物や12水和物が知られており、一般的にミョウバンといえば水和物のことを示す。そして、非水和物とは、このような水和物を加熱して、水和水を除いたものであり、例えばミョウバンから水和水を除いた焼ミョウバンが挙げられる。
<粒子状の制汗成分(A)>
さらに、本発明の非含水化粧料は、体積平均径が4.0~6.0μmである粒子状の制汗成分(A)を含有することを特徴とするものである。粒子状の制汗成分(A)における体積平均径の下限値としては、好ましくは4.2μm以上であり、より好ましくは4.4μm以上であり、更に好ましくは4.6μm以上である。上限値としては、好ましくは5.5μm以下であり、より好ましくは5.0μm以下である。
本発明の非含水化粧料において、粒子状の制汗成分(A)における体積平均径を4.0~6.0μmとすることで、制汗効果として持続性に優れた非含水化粧料とすることができる。
ここで、体積平均径とは、粒子径分布測定装置:計測器本体:HELOS/R、分散ユニット:RODOS/Lを用いて、ソフトウェア:WINDOX5を用いて、乾式気流式分散で分散圧5.0BARで分散させた粒子をレーザー回折式粒度分布計によって測定された、VMD(Volume Mean Diameter)を示す。
VMDとは、下記式によって表される値であって、体積で重みづけされた平均径である。
(式中、V1、V2、Vnは、一つの粉体の集団における、粒子径の小さい順からの体積を表し、d1、d2、dnは、粒子径の小さい順からの粒子径を表す。例えば、dnはn個目の粒子の粒子径であり、Vnはn個目の粒子の体積である。)
さらに本発明の非含水化粧料において、前記粒子状の制汗成分(A)の粒子径分布は、好ましくは下記(a)~(c)を満たすものである。
(a)累積50%粒子径(D50)が3.7~4.2μm
(b)累積10%粒子径(D10)が0.6~1.0μm
(c)累積90%粒子径(D90)が9.0~10.0μm
前記D10、D50、D90は、体積基準における積算粒子径分布の小粒子径側からの累積体積が10%、50%、90%となる粒子径である。
本発明の非含水化粧料において、粒子状の制汗成分(A)のD50は、好ましくは3.7~4.2μmである。粒子状の制汗成分(A)におけるD50の下限値としては、より好ましくは3.8μm以上であり、更に好ましくは3.9μm以上である。上限値としては、より好ましくは4.1μm以下であり、更に好ましくは4.0μm以下である。
本発明の非含水化粧料において、粒子状の制汗成分(A)のD10は、好ましくは0.6~1.0μmである。粒子状の制汗成分(A)におけるD10の下限値としては、より好ましくは0.7μm以上である。上限値としては、より好ましくは0.9μm以下であり、より好ましくは0.8μm以下である。
本発明の非含水化粧料において、粒子状の制汗成分(A)のD90は、好ましくは9.0~10.0μm以下である。粒子状の制汗成分(A)におけるD90の下限値としては、より好ましくは9.2μm以上であり、更に好ましくは9.4μm以上である。上限値としては、より好ましくは9.8μm以下であり、より好ましくは9.6μm以下である。
なお、本発明における粒子径分布の測定は、レーザー回析/散乱法(粒子径分布測定装置:計測器本体:HELOS/R、分散ユニット:RODOS/L、ソフトウェア:WINDOX5を用いて、乾式気流式分散で分散圧5.0BARで分散させた粒子をレーザー回折式粒度分布計で測定。)を用いて測定された値である。
<粒子状の制汗成分(B)>
さらに、本発明の非含水化粧料は、粒子径分布において、体積平均径が1.50~3.95μmである粒子状の制汗成分(B)を含有することを特徴とするものである。粒子状の制汗成分(B)における体積平均径の上限値としては、好ましくは3.7μm以下であり、より好ましくは3.6μm以下である。下限値としては、好ましくは1.7μm以上であり、より好ましくは2.5μm以上であり、更に好ましくは3.0μm以上である。
本発明の非含水化粧料において、粒子状の制汗成分(B)の体積平均径を1.5~3.95μmとすることで、汗等の水分に対する溶解性が優れ、制汗効果として即効性に優れた非含水化粧料とすることができる。
さらに本発明の非含水化粧料において、前記粒子状の制汗成分(B)の粒子径分布は、好ましくは下記(d)~(f)を満たすものである。
(d)累積50%粒子径(D50)が1.0~3.5μm
(e)累積10%粒子径(D10)が0.1~1.0μm
(f)累積90%粒子径(D90)が4.0~8.0μm
前記D10、D50、D90は、体積基準における積算粒子径分布の小粒子径側からの累積体積が10%、50%、90%となる粒子径である。
本発明の非含水化粧料において、粒子状の制汗成分(B)のD50は、好ましくは1.0~3.5μmである。粒子状の制汗成分(B)におけるD50の上限値としては、より好ましくは3.3μm以下であり、更に好ましくは3.1μm以下である。下限値としては、好ましくは1.0μm以上であり、より好ましくは1.5μm以上であり、更に好ましくは2.0μm以上である。
本発明の非含水化粧料において、粒子状の制汗成分(B)のD10は、好ましくは0.1~1.0μmである。粒子状の制汗成分(B)におけるD10の上限値としては、より好ましくは0.9μm以下であり、更に好ましくは0.8μm以下であり、特に好ましくは0.7μm以下である。下限値としては、特に限定されないが、好ましくは0.1μm以上であり、より好ましくは0.3μm以上であり、更に好ましくは0.5μm以上である。
本発明の非含水化粧料において、粒子状の制汗成分(B)のD90は、好ましくは4.0~8.0μmである。粒子状の制汗成分(B)におけるD90の上限値としては、好ましくは7.8μm以下であり、より好ましくは7.5μm以下である。下限値としては、好ましくは4.0μm以上であり、より好ましくは5.0μm以上である。
また、前記粒子状の制汗成分(B)における、体積平均径、D10、D50、D90は、前記粒子状の制汗成分(A)で説明したものと同様の測定装置を用いて測定したものである。
<粒子状の制汗成分(B)の製造方法>
本発明の非含水化粧料に含まれる粒子状の制汗成分は、粒子径の大きい制汗成分を機械的に粉砕し、さらに微細化することで製造することができる。機械的に粉砕し微細化できる粉砕機としては、例えばスクリーン型(スクリーンミル)、回転盤型、軸流型の微粉砕機が挙げられ、好ましくはボールミル、ロッドミル、又はジェットミルであり、より好ましくはジェットミルである。
ジェットミルとしては、株式会社セイシン企業製等のジェットミル装置等が挙げられる。
また、本発明の非含水化粧料に含まれる粒子状の制汗成分(B)の製造に関して、粒子径分布を制御したい場合は、装置に投入する粒子径の大きい制汗成分(例えば、焼ミョウバン粒子)の量を制御すればよい。
例えば、1時間で処理を行う場合、10kg投入するか、80kg投入するかで粒子径分布を制御することができ、10kgの場合はより小さい粒子径分布の焼ミョウバン粒子を得ることができ、80kgの場合は、10kgの場合に比べて大きい粒子径分布の焼ミョウバン粒子を得ることができる。
本発明の非含水化粧料において、制汗成分(A)と制汗成分(B)との含有比は、好ましくは質量比で1:20~20:1であり、より好ましくは1:10~10:1であり、更に好ましくは1:5~5:1である。
また、本発明の非含水化粧料において、制汗成分(A)及び(B)の合計含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.1質量%以上である。制汗成分(A)及び(B)の合計含有量の下限値としては、より好ましくは1質量%以上あり、更に好ましくは5質量%以上である。上限値としては、特に限定されないが、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下である。
焼ミョウバン粒子の含有量を前記下限値以上とすることで、より効果的に制汗作用を発揮することができる。
<その他の配合物>
本発明の非含水化粧料は、化粧下地、ファンデーション、コントロールカラー、コンシーラー、制汗剤等の用途に応じて、化粧料に通常使用される他の成分を含有することができる。例えば、無機顔料、高分子粉体、油性原料、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、ポリマー類、紫外線防止剤、酸化防止剤、酸化防止助剤、金属イオン封鎖剤、ステアリン酸マグネシウム等の金属石けん、美白用薬剤、抗シワ剤、肌荒れ改善剤、ニキビ用薬剤、防臭用薬剤、清涼化剤、収れん剤、抗菌剤、有機顔料、天然色素、香料、ビタミン類、皮膚軟化剤等が挙げられる。
無機顔料としては、体質顔料、着色顔料、白色顔料等が挙げられる。
体質顔料は、製品の剤型を保つために用いられるものであり、これにより製品の使用性(伸展性、付着性)や光沢などを調節することができる。具体的には、マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、合成金雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト等が例示される。
着色顔料は、製品の色調を調整するものであり、具体的には、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、群青、紺青、カーボンブラック等が例示される。
白色顔料は、製品の色調を調整する役割のほか、隠蔽力を調整することができるものであり、具体的には、二酸化チタン、酸化亜鉛、オキシ塩化ビスマス、窒化ホウ素等が例示される。
高分子粉体としては、具体的には、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタラート・ポリメチルメタクリレート積層末、ナイロンパウダー、ポリウレタンパウダー、シリコーンパウダー等が例示される。
油性原料としては、油脂、ロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、シリコーン油等が挙げられる。更に具体的には、油脂としては、オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油等、ロウ類としては、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリン等、炭化水素としては、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等、高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等、高級アルコールとしては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール等、エステル類としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、2-エチルヘキサン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル等、シリコーン油としては、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、パルミチン酸デキストリン等が例示される。
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤が挙げられる。更に具体的には、アニオン界面活性剤としては、高級脂肪酸石けん、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アシルN-メチルタウリン塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N-アシルアミノ酸塩、POEラウリルエーテルリン酸Na等、カチオン界面活性剤としては、ジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム等、両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等、非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン型、多価アルコールエステル型、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、水添ヒマシ油、セスキイソステアリン酸ソルビタン、パルミチン酸オクチル、トリオクタン酸グリセリル等が例示される。
保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、乳酸ナトリウム、2-ピロリドン-5-カルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、クインスシードガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。
ポリマー類としては、例えば、ポリアクリル酸アルキル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ニトロセルロース、高分子シリコーン等が挙げられる。
紫外線防止剤としては、例えば、ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体等の紫外線吸収剤、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化鉄等の紫外線散乱剤が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ビタミンE等を含むトコフェロール類、BHT、没食子酸エステル類、チオタウリン、ヒポタウリン等が挙げられる。また、酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマール酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等が挙げられる。
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルコン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等が挙げられる。
美白用薬剤としては、例えば、ビタミンC類、アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、ルシノール等が挙げられる。
抗シワ剤としては、例えば、レチノイド(ビタミンA類)、α-ヒドロキシ酸等が挙げられる。
肌荒れ改善剤としては、例えば、βグリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体(VII)、アラントイン、アズレン、ヒドロコルチゾン(VIII)等の抗炎症剤、プロテアーゼ阻害剤等が挙げられる。
ニキビ用薬剤としては、例えば、エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、ビタミンB6等の皮脂抑制成分、イオウ、サリチル酸(X)、レゾルシン(XI)等の角質剥離・溶解成分、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ハロカルバン、2,4,4-トリクロロ-2-ヒドロキシフェノール等の殺菌成分、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸等の抗炎症成分等が挙げられる。
防臭用薬剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ハロカルバン、塩酸クロルヘキシジン等の殺菌成分、ポリフェノール系カキタンニン、茶カテキン等の消臭成分等が挙げられる。
清涼化剤としては、例えば、メントール(XII)、カンフル、メンチルグリセリルエーテル、乳酸メンチル等が挙げられる。
抗菌剤としては、安息香酸及びその塩類、サリチル酸及びその塩類塩、フェノール、ソルビン酸及びその塩類、デヒドロ酢酸及びその塩類、パラベン、クロルクレゾール、ヘキサクロロフェン、レゾルシン、イソプロピルメチルフェノール、オルトフェニルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、臭化アルキルイソキノリニウム、トリクロロカルバニリド、ハロカルバン、感光素201号、フェノキシエタノール、トリクロサン、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液、ビサボロール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、トリクロロ・サリチルアニリド、トリブロモ・サリチルアニリド、水銀系化合物、ホルマリン、白降こう、ビチオノール、ホウ酸・ホウ砂、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、ハロゲン化サリチルアニリド等が挙げられる。
<剤型・形態>
本発明の非含水化粧料の剤型は、特に制限されず、使用目的に合わせて、粉末状、固形粉末、油性状、油性固形状、多層状、ゲル状等の剤型とすることができる。
また、製品の形態についても特に制限されず、パウダー型、コンパクト型、スティック型、クリーム型、ロールオン型、エアゾール型、ノンエアゾール型としてもよく、スティック型、クリーム型の形態がより好ましい。
本発明の非含水化粧料は、好ましくはスティック型制汗剤である。スティック型制汗剤とは、例えば、正方形、長方形、台形、円形、楕円形を有する板状、円柱、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱等の棒状、球状等のスティック形状を有する制汗剤である。
その使用方法としては、直接、腋の下、腕、額、首筋、胸、背中、足、指等の皮膚に塗布し、制汗作用を発揮させるものである。
さらに本発明のスティック型制汗剤は、汗を拭き取った肌に直接塗布することでより効果的に使用できる。対象とする皮膚上の箇所に、一日に約0.1~2g、特に0.1~1g塗布することが好ましい。
本発明におけるスティック型制汗剤は、制汗成分を含む上記の成分を混合させて、公知の方法により製造することができる。例えば、上記油性原料が溶解する温度まで加熱して、液体状態とし、制汗成分や香料等を加えて分散させて、成型容器に流し込み、室温下又は冷却条件下で固化させる方法、制汗成分を含む成分を加熱して、冷却したものを粉砕して、成型容器に充填し圧縮プレス機を用いて固化させる方法等が挙げられる。
また、本発明の非含水化粧料は、好ましくはクリーム型制汗剤である。クリーム型制汗剤とは、クリーム性の塗布しやすく拡げ易い柔らかい材質であり、上記制汗成分を油性原料や溶媒等に微分散させた形態の制汗剤である。
その使用方法としては、直接、腋の下、腕、額、首筋、胸、背中、足、指等の皮膚に塗布し、制汗作用を発揮させるものである。
さらに本発明のクリーム型制汗剤は、3回程度にわけて少しずつムラなく伸ばして塗布することが好ましく、例えば、両脇に対して、0.5g程度塗布することが好ましい。更に、汗を拭き取った肌に直接塗布することでより効果的に使用することができる。
本発明におけるクリーム型制汗剤は、制汗成分を含む上記の成分を混合させて、公知の方法により製造することができる。例えば、上記制汗成分と上記増粘剤や界面活性剤、無水エタノール等を混合して、制汗成分を微分散させることで製造される。
また、本発明の非含水化粧料は、好ましくはパウダー型制汗剤である。
その使用方法としては、直接、腋の下、腕、額、首筋、胸、背中、足、指等の皮膚に直接又はパフ等を用いて塗布し、制汗作用を発揮させるものである。さらに本発明のパウダー型制汗剤は、汗を拭き取った肌に直接塗布することでより効果的に使用することができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。
<粒子状の制汗成分(B)の製造>
焼ミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム:タイエースK20:大明化学工業株式会社製)をそれぞれ7kg、10kg、40kg、80kg投入し、ジェットミル(株式会社セイシン企業製ジェットミルSTJ-200型)を用いて、1時間、微細粉砕した。
10kg投入して、微細粉砕して得られた焼ミョウバン粒子の粒子径分布を示したグラフを図1に示す。また、微細粉砕前の焼ミョウバン粒子についても同様に図1に示す。
また、表1に、微細粉砕前後における焼ミョウバン粒子の体積平均径(VMD)、累積50%粒子径(D50)、累積10%粒子径(D10)、累積90%粒子径(D90)、累積99%粒子径(D99)を示す。
<溶解率測定試験>
500mLビーカーに水400gを計量し、湯浴(220mm×290mm×40mmSUSバット)と投げ込みヒーターを用いて38℃に昇温した。
次に、スターラーにて回転子(25mm×8mmΦ)を用いた撹拌(500rpm)を行いながら、ECメーター(TOA/DKK CM-25R)の電極を先端より40mmまで液面に浸した後、焼ミョウバン4gを投入し、電気伝導率(μS/cm)の変化を経時で測定した。溶解率は、4g全量溶解した際の電気伝導率を100%とし、各時間での電気伝導率から算出した。
粉砕前の焼ミョウバンと、それぞれ粉砕後の焼ミョウバンに関して水に対する溶解率を表2に示す。
表2の結果より、粉砕後の焼ミョウバン粒子は、粉砕前の焼ミョウバン粒子に比べて、より迅速に水に溶解することがわかった。また、粉砕後の焼ミョウバン粒子、体積平均径が小さいほど、より速く水に溶解することがわかった。
さらに、10kg投入して粉砕後の焼ミョウバン粒子は、粉砕前の焼ミョウバン粒子に比べて、約2倍の速さで水に溶解することがわかった。
この結果より、より粒子径の小さい粉砕後の焼ミョウバン粒子は汗等の水分に対して溶解性を高めることができ、より即効性の高い制汗効果を得ることができることがわかった。一方、粉砕前の焼ミョウバン粒子は、粉砕後の焼ミョウバン粒子より粒子径が大きいため、粉砕後の焼ミョウバン粒子と比べて汗等の水分に対する溶解速度が遅いため、持続性の高い制汗効果を奏することができることがわかった。
<非含水スティック型制汗剤の製造>
10kg投入して微細粉砕して得られた焼ミョウバン粒子を用いて、スティック型制汗剤を製造した。
製造方法としては、油脂等の融点が高いものを90℃で融解させ、焼ミョウバンを加えてホモミキサーで混合した。混合後、容器に充填し、冷蔵庫5℃で24時間冷却し、長さ4cm、直径25mmのスティック型制汗剤を製造した。
[処方例]
次に、微細粉砕前の焼ミョウバン粒子(A)と、微細粉砕後の焼ミョウバン粒子(B)を併用して、スティック型制汗剤等に適用した配合処方の例を示す。但し、これらの処方例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。また、焼ミョウバン粒子(B)として、10kg投入して微細粉砕して得られた焼ミョウバン粒子を用いた。
(処方例1)
下記処方で制汗剤(スティック型)を調製した。
成分名 配合量(質量%)
焼ミョウバン粒子(A) 7.50
焼ミョウバン粒子(B) 7.50
塩化ベンザルコニウム 0.10
銀含有ゼオライト 5.00
イソプロピルメチルフェノール 0.10
シクロペンタシロキサン 19.35
ジメチコン 2.00
ステアリルアルコール 25.00
POP-ブチルエーテル-1 20.00
窒化ホウ素 3.00
セスキイソステアリン酸ソルビタン 2.50
マイクロクリスタリンワックス 3.00
メントール 0.30
リンゴ酸ジイソステアリル 1.00
ジイソステアリン酸グリセリン 2.50
ブチルヒドロキシトルエン 0.05
水酸化アルミニウム 0.10
酸化チタン 1.00
(処方例2)
下記処方で制汗剤(スティック型)を調製した。
成分名 配合量(質量%)
焼ミョウバン粒子(A) 10.00
焼ミョウバン粒子(B) 5.00
塩化ベンザルコニウム 0.10
銀含有ゼオライト 5.00
イソプロピルメチルフェノール 0.10
シクロペンタシロキサン 19.35
ジメチコン 2.00
ステアリルアルコール 25.00
POP-ブチルエーテル-1 20.00
窒化ホウ素 3.00
セスキイソステアリン酸ソルビタン 2.50
マイクロクリスタリンワックス 3.00
メントール 0.30
リンゴ酸ジイソステアリル 1.00
ジイソステアリン酸グリセリン 2.50
ブチルヒドロキシトルエン 0.05
水酸化アルミニウム 0.10
酸化チタン 1.00
(処方例3)
下記処方で制汗剤(スティック型)を調製した。
成分名 配合量(質量%)
焼ミョウバン粒子(A) 14.00
焼ミョウバン粒子(B) 1.00
塩化ベンザルコニウム 0.10
銀含有ゼオライト 5.00
イソプロピルメチルフェノール 0.10
シクロペンタシロキサン 19.35
ジメチコン 2.00
ステアリルアルコール 25.00
POP-ブチルエーテル-1 20.00
窒化ホウ素 3.00
セスキイソステアリン酸ソルビタン 2.50
マイクロクリスタリンワックス 3.00
メントール 0.30
リンゴ酸ジイソステアリル 1.00
ジイソステアリン酸グリセリン 2.50
ブチルヒドロキシトルエン 0.05
水酸化アルミニウム 0.10
酸化チタン 1.00
(処方例5)
下記処方で制汗剤(スティック型)を調製した。
成分名 配合量(質量%)
焼ミョウバン粒子(A) 11.00
焼ミョウバン粒子(B) 11.00
イソプロピルパルミテート 15.00
水素化ヒマシ油 3.00
シクロペンタシロキサン 20.00
ポリデセン 18.00
PEG-8ジステアレート 1.50
ステアリルアルコール 17.00
香料 0.50
PPG-14ブチルエーテル 残部
(処方例6)
下記処方で制汗剤(スティック型)を調製した。
成分名 配合量(質量%)
焼ミョウバン粒子(A) 8.00
焼ミョウバン粒子(B) 8.00
イソプロピルメチルフェノール 0.10
シクロペンタシロキサン 27.45
ジメチコン 2.00
ステアリルアルコール 20.00
POP-ブチルエーテル-1 20.00
オキシ塩化ビスマス 2.00
板状アルミナ 1.00
セスキイソステアリン酸ソルビタン 2.50
水添ヒマシ油 2.00
マイクロクリスタリンワックス 2.00
メントール 0.30
リンゴ酸ジイソステアリル 1.00
ジイソステアリン酸グリセリン 2.50
ブチルヒドロキシトルエン 0.05
水酸化アルミニウム 0.10
酸化チタン 1.00
(処方例7)
下記処方で制汗剤(エアゾール型)を調製した。
成分名 配合量(質量%)
焼ミョウバン粒子(A) 1.25
焼ミョウバン粒子(B) 1.25
ステアラルコニウムベントナイト 0.50
イソプロピルパルミテート 2.50
香料 1.00
イソブタン 85.00
シクロペンタシロキサン 0.50
トリエチルシトレート 1.00
シクロペンタシロキサン 残部
(処方例8)
下記処方で制汗剤(クリーム型)を調製した。
成分名 配合量(質量%)
焼ミョウバン粒子(A) 10.35
焼ミョウバン粒子(B) 7.65
イソプロピルメチルフェノール 0.10
天然ビタミンE 0.05
無水ケイ酸 10.00
ヒドロキシアパタイト 3.00
エタノール 0.40
パルミチン酸オクチル 15.35
トリオクタン酸グリセリル 13.00
マイクロクリスタリンワックス 8.00
ポリアクリル酸アルキル 12.00
メチルフェニルポリシロキサン 5.00
ジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト 4.00
パルミチン酸デキストリン 2.00
POEラウリルエーテルリン酸Na 1.10
シクロペンタシロキサン 8.00
(処方例9)
下記処方で制汗剤(クリーム型)を調製した。
成分名 配合量(質量%)
焼ミョウバン粒子(A) 14.75
焼ミョウバン粒子(B) 11.75
イソプロピルメチルフェノール 0.10
ティーツリーオイル 0.05
メントール 0.65
天然ビタミンE 0.05
結晶セルロース 7.80
パルミチン酸エチルヘキシル 12.70
トリエチルヘキサン酸グリセリル 9.50
無水ケイ酸 12.50
マイクロクリスタリンワックス 8.00
ポリアクリル酸アルキル 2.50
メチルフェニルポリシロキサン 2.00
ジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト 3.00
パルミチン酸デキストリン 2.75
POEラウリルエーテルリン酸Na 0.80
エタノール 0.60
シクロペンタシロキサン 10.50
(処方例10)
下記処方で制汗剤(パウダー型)を調製した。
成分名 配合量(質量%)
焼ミョウバン粒子(A) 7.25
焼ミョウバン粒子(B) 7.25
オクテニルコハク酸コーンスターチAI 75.40
茶エキス-1 0.01
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 4.99
メチルシロキサン網状重合体 2.00
無水ケイ酸 2.00
ケイ酸Ca 1.00
香料 0.10
本発明の非含水化粧料は、粒子径分布の異なる制汗成分を併用して含有するため、制汗効果として即効性及び持続性に優れた非含水化粧料とすることができる。

Claims (4)

  1. 制汗成分を含有する非含水化粧料であって、
    前記制汗成分は、焼ミョウバン粒子であって、体積平均径が4.0~6.0μmである粒子状の制汗成分(A)と、体積平均径が1.5~3.95μmである粒子状の制汗成分(B)とを併用することを特徴とする、非含水化粧料。
  2. 前記非含水化粧料は、スティック型制汗剤であることを特徴とする、請求項に記載の非含水化粧料。
  3. 前記非含水化粧料は、クリーム型制汗剤であることを特徴とする、請求項に記載の非含水化粧料。
  4. 前記非含水化粧料は、パウダー型制汗剤であることを特徴とする、請求項に記載の非含水化粧料。
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