JP2007126428A - 化粧料 - Google Patents

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Takahiko Ikeda
隆彦 池田
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Abstract

【課題】 顔料の分散性と感触に優れる化粧料用の油性基剤を提供する。
【解決手段】 ヤシ油脂肪酸ブチレングリコールを含有することを特徴とする化粧料。
【選択図】図1

Description

本発明は化粧料、特に、使用感触、顔料分散性に優れるエステル油を含有した化粧料に関する。
従来、化粧料には種々のエステル油が配合される。その機能は柔軟性・すべり等を付与する感触向上剤、エモリエント剤、艶付与剤、或いは製剤上から、他の成分の溶解剤、相溶性補助剤、粉末・顔料類の分散剤といったことがあげられ、ミリスチン酸オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸グリセリル等が使用されている。
しかしながら、これらのエステル油は前記の機能全ての点において必ずしも満足できるものではなく、特に使用感触と顔料の分散性に優れる油性基剤が望まれていた。
本発明は、前記のような状況下でなされたものであり、顔料の分散性と感触に優れる化粧料用の油性基剤を提供することを課題とする。
本発明は、ヤシ油脂肪酸ブチレングリコールを含有することを特徴とする化粧料である。
本発明はまた、ヤシ油脂肪酸ブチレングリコールの含有量が0.1〜95.0重量%あることを特徴とする化粧料である。
本発明のエステル油は、化粧料にツヤ、うるおい感(エモリエント効果)、さらっとした使用感触を付与することにおいて優れたものである。
更に、本発明の化粧料のエステル油は、顔料の分散性(図1参照)、他の成分との相溶性に優れる。従って特に、顔料分散系の化粧料を製造する際、ローラー処理が短時間で済み、且つ、色ムラのない非常に均一な混練物が得られる。
以下、本発明について詳述する。本発明のヤシ油脂肪酸ブチレングリコールとはヤシ油脂肪酸と1,3−ブチレングリコールとのエステル化反応物であり、モノエステル、ジエステルそれぞれの単一物、或いは混合物を示す。混合物である時の組成割合は特に限定されない。
本発明の化粧料において、ヤシ油脂肪酸ブチレングリコールの配合量は化粧料の種類、剤型によって異なるが、一般的には、0.1〜95.0重量%(以下単に%と表す)、好ましくは0.5〜60.0%配合される。
本発明の化粧料には上記成分以外に、目的に応じて通常化粧料に使用される他の成分を配合することができる。かかる他の成分としては下記成分が例示され、一種又は二種以上を配合して常法に準じて製造される。
油性成分として次のものを挙げることができる。オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アボガド油、小麦胚芽油、サフラワー油、モリンガ油、綿実油、大豆油、茶実油、ヒマワリ油、月見草油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、牛脂、馬脂、カカオ脂、モクロウ等の油脂類、カルナバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリン等のロウ類、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等の炭化水素、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の高級脂肪酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、バチルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール等の高級アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、オクタン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セチル、ペンタエリスリトールテトラエステル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリエチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸フィトステアリル、エトキシジグリコールベヘネート、エトキシジグリコールオレエート等のエステル類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルシリコーン油、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、3次元網目構造シリコーン、シリコーンゴム等のシリコーン。
多価アルコールとして次のものを挙げることができる。グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ヘプタンジオール、オクタンジオール等。
糖類として次のものを挙げることができる。ソルビトール、マンニトール、ショ糖、乳糖、キシリトール、マルチトール、トレハロース等。
高分子化合物として次のものを挙げることができる。グアーガム、クインスシード、ペクチン、マンナン、カンテン、カラギ−ナン、キサンタンガム、カードラン、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン等の天然高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、POE・POP共重合体等の合成高分子、ベントナイト、ラポナイト等の無機系高分子、両性メタクリル酸エステル共重合体、カチオン化セルロース、ポリ塩化ジメチルピペリジニウム、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、高分子シリコーン、シリコーンレジン等の被膜形成性高分子。
界面活性剤として次のものを挙げることができる。高級脂肪酸石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アシルN−メチルタウリン塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩、α・オレフィンスルホン酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩等のアニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム等のカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤、グリセリルモノ脂肪酸エステル、ソルビトールモノ脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、砂糖脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POEアルキルフェニルエーテル、アルカノールアミド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、POE硬化ヒマシ油誘導体、アルキルアミンオキサイド等のノニオン界面活性剤。
粉体および色剤として次のものを挙げることができる。タルク、カオリン、雲母、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、無水ケイ酸、酸化チタン、雲母チタン、亜鉛華、ゼオライト等の無機粉体、ナイロンパウダー、ポリエチレン末、セルロースパウダー、シルクパウダー等の有機粉体、金属石鹸、無機顔料、パール顔料、有機顔料、タール色素、天然色素等。
動植物抽出物として次のものを挙げることができる。ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のムコ多糖類、キチン・キトサン、コラーゲン、エラスチン、ペプチド等の動物抽出物、アロエエキス、オオバクエキス、オドリコソウエキス、カモミラエキス、カンゾウエキス、クルミの種子エキス、シコンエキス、シラカバエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、茶エキス、トウキエキス、ニンニクエキス、ニンジンエキス、ハマメリスエキス、ヒノキチオール、ビワ葉エキス、ブナの木の幼芽エキス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ヤナギランエキス、ケーパーエキス、キバナオランダセンニチエキス、モモ葉エキス、ユーカリエキス、ローズ水等の植物抽出物。
殺菌・防腐剤として次のものを挙げることができる。安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル(エチルパラベン、ブチルパラベン等)、トリクロロカルバニリド、フェノキシエタノール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン、ジンクピリチオン、トリクロサン等。
酸化防止剤として次のものを挙げることができる。没食子酸エステル、亜硫酸水素ナトリウム等。酸化防止助剤としては次のものを挙げることができる。リン酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマール酸、ケファリン、フィチン酸、EDTA等。
金属封鎖剤として次のものを挙げることができる。エデト酸塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸、リン酸、クエン酸、コハク酸、フィチン酸等。
紫外線吸収剤として次のものを挙げることができる。2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等のベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸オクチル、ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等のメトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸オクチル等のサリチル酸誘導体、ウロカニン酸等。
各種薬剤として次のものを挙げることができる。アルブチン、コウジ酸、ビタミンC類等の美白剤、センブリエキス、γ−オリザノール、トウガラシチンキ、ニコチン酸ベンジルエステル、エストラジオール、エチニルエストラジオール、パントテン酸、感光素301等の育毛用薬剤、β−グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、ε−アミノカプロン酸、酸化亜鉛、硫酸アルミニウム、タンニン酸、乳酸、メントール、副腎皮質ホルモン、抗ヒスタミン剤等の肌荒れ防止用薬剤、イオウ、サリチル酸、レゾルシン、塩化ベンザルコニウム、ハロカルバン等のニキビ用薬剤、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、酸化亜鉛等の制汗剤、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル(塩)、アスコルビン酸ジパルミテート等のビタミンC類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート、ビタミンEニコチネート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、タウリン、アルギニン、ヒスチジン等のアミノ酸とこれらの塩酸塩。
本発明の化粧料の剤型は液状、粘稠液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状、粉末状、固形状、ミスト状、フォーム状、粉末分散系、シート含浸タイプ等の形態のシャンプー、リンス、ヘアコンディショナー、石鹸、ボディーシャンプー、マッサージオイル、クレンジングフォーム、パック・マスク、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、フェースパウダー、ファンデーション、口紅、アイライナー、マスカラ、アイシャドー、ネールエナメル、育毛剤、ヘアスタイリング剤、ヘアカラー、パーマネントウェーブ剤、入浴剤、芳香剤、サンケア剤、デオドラント剤等に展開することができる。
次に本発明について、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。配合量は特に断りがない限り重量%で示す。
<実施例1および比較例1 口紅 >
下記表1に示した処方の口紅を定法にて調製した。
Figure 2007126428
表1の口紅の使用性評価は、下記評価基準に従ってパネル10名にて行った。
評価基準
A:10名中8乃至10名が良好と評価
B:10名中4乃至7名が良好と評価
C:10名中3名以下が良好と評価
評価結果を表2に示す。
Figure 2007126428
本発明品のヤシ油脂肪酸ブチレングリコールを含有した実施例1は、比較例1に比べて、うるおい感、べたつきの点で優れるものであった。
また、表1の口紅を調製する際、顔料のローラー処理が、実施例1は比較例1に比べて短時間で終了した。
<実施例2 リンス>
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.50
セチルアルコール 1.20
ステアリルアルコール 0.80
ヤシ油脂肪酸ブチレングリコール 2.00
メチルフェニルポリシロキサン 1.00
グリセリン 5.00
防腐剤、金属封鎖剤 適量
pH調整剤 適量
香料、色素 適量
精製水 to100
このリンスは、さっぱりタイプでうるおい感の優れるものであった。
<実施例3 マッサージオイル>
エチルマカデミエート 20.00
ホホバ油 15.00
ヒマワリ油 15.00
ヤシ油脂肪酸ブチレングリコール 30.00
オリーブ油 20.00
このマッサージオイルはライトタイプで肌上で適度なすべり易さを有するものであった。
<実施例4 エモリエントクリーム>
ステアリルアルコール 4.00
セチルアルコール 2.00
ステアリン酸 2.00
水添ラノリン 4.00
流動パラフィン 3.00
ヤシ油脂肪酸ブチレングリコール 5.00
オクチルドデカノール 10.00
1,3−ブチレングリコール 6.00
PEG1500 4.00
POE(25)セチルアルコールエーテル 3.00
モノステアリン酸グリセリン 2.00
α−トコフェロール 0.01
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 to100
このエモリエントクリームはさっぱりタイプであって、うるおい感の優れるものであった。
<実施例5 リキッドタイプファンデーション>
ステアリン酸 2.00
イソヘキサデシルアルコール 6.00
モノステアリン酸グリセリン 2.00
ヤシ油脂肪酸ブチレングリコール 2.00
流動パラフィン 5.00
タルク 3.00
二酸化チタン 5.00
ベンガラ 0.50
黄酸化鉄 1.20
黒酸化鉄 0.10
ベントナイト 0.50
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.90
トリエタノールアミン 1.00
プロピレングリコール 8.00
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 to100
このファンデーションはなめらかな使用性であって、うるおい感に優れるものであった。
<実施例6 ヘアオイル>
流動パラフィン 89.98
ヤシ油脂肪酸ブチレングリコール 10.00
香料 適量
トコフェロール 0.02
このヘアオイルは塗布し易く、つやが出る優れるものであった。
<実施例7 サンタンジェル>
流動パラフィン 70.95
ヤシ油脂肪酸ブチレングリコール 12.00
オリーブ油 10.00
有機変性モンモリロナイト 5.00
パラメトキシケイ皮酸オクチル 2.00
BHT 0.05
香料、色素 適量
このサンタンジェルはサッパリ感のあるジェル状であって、紫外線防止効果に優れるものであった。
図1はヤシ油脂肪酸ブチレングリコールの顔料分散性を示す。一定量の油性成分と顔料(黄色W1501)とを混練した時、顔料の割合(横軸)が増加するに従い、混練物の粘度(縦軸)が増加する。従来の油性成分としてヒマシ油及びカプリル酸/カプリン酸トリグリセライドを用いた場合、30〜40%で粘度が急上昇するのに対し、ヤシ油脂肪酸ブチレングリコールでは分散性が良好である為、不均一な凝集が起こらず、粘度上昇がないことが判る。

Claims (2)

  1. ヤシ油脂肪酸ブチレングリコールを含有することを特徴とする化粧料。
  2. ヤシ油脂肪酸ブチレングリコールの含有量が0.1〜95.0重量%であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014097931A (ja) * 2012-11-13 2014-05-29 Milbon Co Ltd 毛髪用処理剤
WO2024162373A1 (ja) * 2023-01-31 2024-08-08 ロート製薬株式会社 水中油型外用組成物

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