JP2016108305A - 外用剤組成物 - Google Patents

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Takahiko Ikeda
隆彦 池田
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Abstract

【課題】 精油のティーツリーオイルは油状で水に溶けない為、外用剤組成物の中に処方設計するには、制約があった。【解決手段】 本発明は、(1)ティーツリーオイルとシクロデキストリンとの複合体を含有することを特徴とする外用剤組成物(2)ティーツリーオイルとシクロデキストリンとの複合体が0.001〜95.0質量%である(1)記載の外用剤組成物なる手段によって前記課題を解決するものである。

Description

本発明はティーツリーオイルとシクロデキストリンとの複合体を含有する外用剤組成物に関する。ここで外用剤組成物とは、シャンプー、リンス、洗顔フォーム等の洗浄剤、クリーム、化粧水、美容液等の基礎化粧品、ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧品、ヘアスタイリング剤、育毛剤等の毛髪化粧品、芳香化粧品、ボディー化粧品等の化粧品、医薬部外品、医薬品を含む。
洗浄剤、化粧品、医薬品等の外用剤組成物には皮膚からの水分の蒸散を抑制したり、毛髪をセットしたり、使用感触を向上させる、などの目的で油性成分が配合されるが、中でも植物から抽出して得られる精油は賦香の他、抗酸化、細胞賦活、鎮痒、抗菌などを目的として配合される。
これらの精油の中でティーツリーオイルは主にオーストラリアに自生する低木から得られ、強い抗菌性があるので、先住民の間で伝統薬として広く用いられて来た。しかしながら、このティーツリーオイルは油状で水に溶けない為、水系の外用剤組成物に無理に配合しても分離し易い不安定な組成物になったり、或いは界面活性剤を併用するとしても、その最適なものを選択するのに困難な場合があって、外用剤組成物として処方設計するには、制約があった。
本発明は、上記のような状況下でなされたものであり、ティーツリーオイルとシクロデキストリンとを複合化して粉末状の形状にして配合することにより、ティーツリーオイルの処方設計上の制約を解決しようとするものである。
本発明は、
(1)ティーツリーオイルとシクロデキストリンとの複合体を含有することを特徴とする外用剤組成物
(2)前記のティーツリーオイルとシクロデキストリンとの複合体が0.001〜95.0質量%である(1)記載の外用剤組成物
なる手段によって前記課題を解決するものである。
本発明に配合する、ティーツリーオイルとシクロデキストリンとの複合体は、粉末状の形体であることにより、粉末状または固形状の外用剤組成物に容易に配合することができる。或いは、工程的に粉末状の形体の特長を利用して他の剤型の外用剤組成物にも配合することができる。この場合、粉末状、固形状でなくても、その後の工程で目的の剤型が得られるのであれば、液状、クリーム状、ゲル状などを含むどのような剤型の外用剤組成物にも配合できる。
また、本発明の複合体は「粉末状」として配合するので、主要成分は精油でありながら、さらさら感の強い使用感触を持つ外用剤組成物を設計、製造することが出来る。
以下、本発明について詳述する。
本発明に配合するティーツリーオイルは主にオーストラリアに自生するティーツリーとよばれる低木(学名Melaleuca alternifolia)の葉を水蒸気蒸留して精油として得られる。「複合体」はこの精油約10部とシクロデキストリン約90部、トコフェロール等の安定化剤とを混合することによって得ることができるが、化学的には一種の包接化合物が生成されているものと思われる。このものは、オーストラリア国サザンクロスボタニカルズ社の市販原料「メラフレッシュ T10−SLR(Melafresh T10−SLR)」の商品名で入手することができる。
本発明の外用剤組成物において、ティーツリーオイルの複合体の好ましい配合量はその剤型、機能にもよるが、外用剤組成物中0.001〜95.0質量%、より好ましくは0.1〜10.0質量%である。0.001質量%未満では抗菌成分としての機能を発揮するには不十分である。また、95.0質量%を超えて配合しても配合量に見合う効果が期待できない。
本発明の外用剤組成物には上記の必須成分以外に、通常、化粧品や医薬品等の外用剤組成物に使用される他の成分を配合することができる。かかる他の成分としては下記成分が例示される。本発明の外用剤組成物は、上記必須成分にこれらの一種又は二種以上を配合して常法に従って製造される。
油性成分として次のものを挙げることができる。オリーブ油、ツバキ油、山茶花油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アボガド油、小麦胚芽油、サフラワー油、モリンガ油、綿実油、大豆油、茶実油、ヒマワリ油、月見草油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、牛脂、馬脂、カカオ脂、モクロウ等の油脂類、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリン等のワックス類、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等の炭化水素、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の高級脂肪酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、バチルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール等の高級アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、オクタン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セチル、ペンタエリスリトールテトラエステル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリエチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸フィトステアリル、エトキシジグリコールベヘネート、エトキシジグリコールオレエート、ヤシ油脂肪酸ブチレングリコール等のエステル類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルシリコーン油、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、3次元網目構造シリコーン、シリコーンゴム等のシリコーン。
多価アルコールとして次のものを挙げることができる。グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール等。
糖類として次のものを挙げることができる。ソルビトール、マンニトール、ショ糖、乳糖、キシリトール、マルチトール、トレハロース等。
高分子化合物として次のものを挙げることができる。グアーガム、クインスシード、ペクチン、マンナン、カンテン、カラギ−ナン、キサンタンガム、カードラン、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、アルカリゲネス産生多糖体等の天然高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、POE・POP共重合体等の合成高分子、ベントナイト、ヘクトライト、マグネシウムケイ酸ナトリウム等の無機系増粘剤、両性メタクリル酸エステル共重合体、カチオン化セルロース、ポリ塩化ジメチルピペリジニウム、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、高分子シリコーン、シリコーンレジン等の被膜形成性高分子。
界面活性剤として次のものを挙げることができる。高級脂肪酸石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アシルN−メチルタウリン塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩、α‐オレフィンスルホン酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩等のアニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム等のカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン、リゾレシチン等の両性界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油、POEアルキルエーテル、POEPOPアルキルエーテル、POEアルキルアミン・脂肪酸アミド、PEG脂肪酸エステル、アルキルアミンオキサイド等のノニオン界面活性剤。
色剤及び粉体、粒体として次のものを挙げることができる。黒酸化鉄、ベンガラ、黄酸化鉄、群青、カーボンブラック等の無機顔料、パール顔料、有機顔料、タール色素、天然色素等の色素、タルク、カオリン、雲母、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、無水ケイ酸、酸化チタン、雲母チタン、亜鉛華、ゼオライト等の無機粉体、ナイロンパウダー、ポリエチレン末、セルロースパウダー、シルクパウダー等の有機粉体、ナイロン、ポリエチレン、セルロース、ワックス、脂肪酸エステル、天然物からなる粒体。
動植物抽出物として次のものを挙げることができる。ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のムコ多糖類、キチン・キトサン、コラーゲン、エラスチン、ペプチド等の動物抽出物、アスパラゴプシスアルマタエキス、アロエエキス、オオバクエキス、オオヒレアザミ、オオムギエキス、オドリコソウエキス、カカドゥプラム抽出物、カモミラエキス、カンゾウエキス、キバナオランダセンニチエキス、キャビアライム抽出物、クルミの種子エキス、ケーパーエキス、シコンエキス、シラカバエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、タスマニアンペッパーの果実抽出物、茶エキス、トウキエキス、ニンニクエキス、ニンジンエキス、ハマメリスエキス、ヒノキチオール、ビワ葉エキス、ブナの木の幼芽エキス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、マヌカオイル、モモ葉エキス、ヤナギランエキス、ユーカリエキス、ローズ水等の植物抽出物。
鉱物抽出物として次のものを挙げることができる。孔雀石、菱マンガン鉱石、菱亜鉛鉱石、赤鉄鉱等の抽出物。
殺菌・防腐剤として次のものを挙げることができる。安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル(メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等)、トリクロロカルバニリド、フェノキシエタノール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン、ジンクピリチオン、トリクロサン、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン等。
酸化防止剤として次のものを挙げることができる。没食子酸エステル、亜硫酸水素ナトリウム等、リン酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマール酸、ケファリン、フィチン酸等。
金属封鎖剤として次のものを挙げることができる。エデト酸塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸、リン酸、クエン酸、コハク酸、フィチン酸等。
紫外線吸収剤として次のものを挙げることができる。2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等のベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸エチルヘキシル、ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等のメトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸オクチル等のサリチル酸誘導体、ウロカニン酸等。
pH調整剤として次のものを挙げることができる。水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール等のアルカリ剤、クエン酸、リン酸等の酸。
各種薬剤して次のものを挙げることができる。アルブチン、コウジ酸、ビタミンC類等の美白剤、センブリエキス、γ―オリザノール、トウガラシチンキ、ニコチン酸ベンジルエステル、エストラジオール、エチニルエストラジオール、パントテン酸、感光素301等の育毛用薬剤、β―グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、ε―アミノカプロン酸、酸化亜鉛、硫酸アルミニウム、タンニン酸、乳酸、メントール、副腎皮質ホルモン、抗ヒスタミン剤等の肌荒れ防止用薬剤、イオウ、サリチル酸、レゾルシン、塩化ベンザルコニウム、ハロカルバン等のニキビ用薬剤、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、酸化亜鉛等の制汗剤、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル(塩)、アスコルビン酸ジパルミテート等のビタミンC類、α―トコフェロール、β―トコフェロール、γ―トコフェロール、ビタミンEアセテート、ビタミンEニコチネート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、タウリン、アルギニン、ヒスチジン等のアミノ酸とこれらの塩酸塩。
本発明の外用剤組成物の剤型は粉末状、固形、粉末分散系、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、エアゾールフォーム状、など、通常外用剤組成物として用いられる形態をとることができる。
次に本発明について、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。配合量は特に断りがない限り質量%で示す。
実施例1 粉白粉
タルク 65.0
カオリン 7.0
二酸化チタン 3.0
ミリスチン酸亜鉛 5.0
炭酸マグネシウム 5.0
セリサイト 7.0
メラフレッシュ T10−SLR*1) 8.0
着色顔料 適量
香料 適量
100.0
*1)「メラフレッシュ T10−SLR」:ティーツリーオイルとシクロデキストリンとの複合体(サザンクロスボタニカルズ社商品)
実施例2 パウダリーファンデーション
タルク 18.3
マイカ 34.0
カオリン 5.0
二酸化チタン 10.0
雲母チタン 3.0
ステアリン酸亜鉛 1.0
ベンガラ 1.0
黄酸化鉄 3.0
黒酸化鉄 0.2
ナイロンパウダー 10.0
メラフレッシュ T10−SLR*1) 3.0
スクワラン 6.0
酢酸ラノリン 1.0
ミリスチン酸オクチルドデシル 2.0
ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール 2.0
モノオレイン酸ソルビタン 0.5
防腐剤、酸化防止剤 適量
香料 適量
100.0
実施例3 油性ファンデーション
タルク 16.8
カオリン 15.0
二酸化チタン 15.0
ベンガラ 1.0
黄酸化鉄 3.0
黒酸化鉄 0.2
メラフレッシュ T10−SLR*1) 1.0
固形パラフィン 3.0
マイクロクリスタリンワックス 6.0
ミツロウ 2.0
ワセリン 12.0
スクワラン 6.0
酢酸ラノリン 1.0
パルミチン酸イソプロピル 18.0
酸化防止剤 適量
香料 適量
100.0
実施例4 W/O乳化型ファンデーション
セリサイト 5.5
カオリン 4.0
二酸化チタン 9.0
ベンガラ 0.4
黄酸化鉄 0.8
黒酸化鉄 0.2
メラフレッシュ T10−SLR*1) 0.5
流動パラフィン 5.0
デカメチルシクロペンタンシロキサン 11.5
POE変性ジメチルポリシロキサン 4.0
精製水 52.0
分散剤 0.1
1,3ブチレングリコール 5.0
安定化剤 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
100.0
実施例5 固形アイシャドー
タルク 43.5
マイカ 15.0
セリサイト 5.0
顔料 15.0
パール顔料 10.0
メラフレッシュ T10−SLR*1) 1.5
流動パラフィン 6.0
メチルポリシロキサン 2.0
セスキオレイン酸ソルビタン 2.0
防腐剤 適量
酸化防止剤 適量
香料 適量
100.0
実施例6 デオドラントスプレー
(原液処方)
アルミニウムクロロハイドレート 30.0
無水ケイ酸 14.8
シリコーン処理タルク 15.0
酸化亜鉛 5.0
メラフレッシュ T10−SLR*1) 0.2
塩化ベンザルコニウム(48%) 0.2
ミリスチン酸イソプロピル 21.8
メチルポリシロキサン 10.0
ソルビタン脂肪酸エステル 3.0
香料 適量
100.0
(充填処方)
原液 10.0
LPG 90.0
100.0

Claims (2)

  1. ティーツリーオイルとシクロデキストリンとの複合体を含有することを特徴とする外用剤組成物。
  2. ティーツリーオイルとシクロデキストリンとの複合体が0.001〜95.0質量%である請求項1記載の外用剤組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116509994A (zh) * 2023-04-17 2023-08-01 芯朗道(天津)医疗科技有限责任公司 一种咽喉喷雾剂的制备方法

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