JP7401173B2 - プレス加工装置及びこの装置を用いたプレス加工方法 - Google Patents

プレス加工装置及びこの装置を用いたプレス加工方法 Download PDF

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本発明は、プレス加工装置及びこの装置を用いたプレス加工方法に関し、特に板状をなすワークの一端側に設けられたフランジ部に曲げ加工を施すための技術に関する。
自動車の構造部品には、断面コの字状や断面U字状など板材に複数回の曲げ加工を施すことによって得られるものがある。このような断面形状の構造部品を成形するための方法として、例えば特許文献1や特許文献2に記載のプレス成形方法がある。
これらの特許文献1,2に記載のプレス成形方法は何れも、中間成形工程で、予め板状ワークの一端に、当該一端に対して屈曲又は湾曲した状態のフランジ部を成形しておき、然る後、最終曲げ工程で、フランジ部と板状ワークとの間に新たに屈曲部又は湾曲部をプレス成形により設けることで、フランジ部の板状ワーク側への折り返し成形を可能としている。
特開平11-226648号公報 特開2014-108429号公報
ところで、近年では、この種の構造部品に対する高剛性化と軽量化の要求が益々強まる傾向にあり、そのために、例えばこの種の構造部品の断面形状をさらに複雑化又は高精度化する必要性が高まっているのが現状である。特許文献1や特許文献2に記載のプレス成形方法の場合、最終曲げ工程において、フランジ部の内側に金型がない状態で成形を行うので、成形可能な形状の自由度は高まる一方、中空状態のままで成形が進行するため、成形後の形状が安定しないといった問題があった。
そこで、例えば図11に示すプレス加工装置100を用いたプレス加工方法が考えられる。このプレス加工装置100は、板状をなすワーク本体101と、ワーク本体101の一端を曲げた形状の中間曲げ部102と、中間曲げ部102の一端側をワーク本体101側に折り返すように曲げた形状のフランジ部103とを一体に有する中間ワーク104に対して所定の曲げ加工を施すためのものである。この場合、中間ワーク104のフランジ部103の中間曲げ部102に対する曲げ角度θ0(内側の角度)は鈍角の状態にある。ここで、プレス加工装置100は、ワーク本体101を保持する上型105及び下型106と、下型106に隣接して設けられ、上型105に接近する向きの相対移動によって斜め下方に突き出したフランジ部103の先端部103aと当接することで、フランジ部103に対して曲げ角度を縮小させる曲げ加工を施す曲げ加工型107とを有する。この場合、下型106の側面106aは、フランジ部103が曲げ加工型107により上方に押し曲げられる過程でその先端部103aと当接することで、先端部103aの水平方向への移動を規制する規制面として機能する(図12を参照)。このように下型106の側面106aがフランジ部103の規制面として機能し得るように、側面106aを曲げ加工型107に対して所定の位置に配置することで、フランジ部103がワーク本体101側に折り返すように曲げられると共に、フランジ部103の基端部103bが外側に張り出すように変形してコーナー部108が成形される(図13を参照)。
上述したプレス加工方法であれば、フランジ部103の先端部103aを曲げ加工型107、次いで下型106の側面106aに突き当てながらフランジ部103を折り曲げていくので、コーナー部108(図13を参照)となるフランジ部103の基端部103bを外側に張り出させる向きの圧縮力を付与できる。よって、従来の加工手段と比べても安定した形状のフランジ部103及びコーナー部108が成形され得る。しかしながら、上記構成のプレス加工装置100を用いた場合であっても、以下の如き問題点が生じる。すなわち、上記構成のプレス加工装置100では、上型105及び下型106とワーク本体101との位置関係はプレス加工中において一定であるため、例えば曲げ加工型107を可動型として上型105に向けて上昇させる構成をとる場合、フランジ部103の先端部103aが下型106の側面106aに当接した後、側面106a上を摺動しながらフランジ部103が折り曲げられていくことになる(図12の二点鎖線で示す状態)。これでは、先端部103aの摩耗が激しく、成形後の先端部103aにカエリと呼ばれる成形不良が生じるおそれが生じる。
以上の事情に鑑み、本明細書では、カエリ等の成形不良を生じることなく、かつ高精度で安定したフランジ部の曲げ加工を施すことのできるプレス加工装置及びプレス加工方法を提供することを、解決すべき技術課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係るプレス加工装置によって達成される。すなわち、この加工装置は、板状をなすワーク本体と、ワーク本体の一端側を曲げた形状の中間曲げ部と、中間曲げ部の一端側をワーク本体の側に曲げた形状のフランジ部とを一体に有し、フランジ部の中間曲げ部に対する曲げ角度が鈍角である中間ワークのフランジ部に対して、曲げ角度を縮小させる曲げ加工を施すためのプレス加工装置であって、ワーク本体を保持する上型及び下型と、上型に接近する向きに相対移動することで、斜め下方に突出した状態のフランジ部の先端部と当接してフランジ部に曲げ角度を縮小させる曲げ加工を施す曲げ加工面を有する曲げ加工型とを備え、フランジ部の曲げ加工の過程でフランジ部の先端部と当接して、先端部の水平方向への移動を規制する規制面が曲げ加工型に設けられている点をもって特徴付けられる。なお、ここでいう曲げ角度とは、中間曲げ部とフランジ部との連結部の断面において、中間曲げ部とフランジ部とがなす角度(180°未満の側の角度)をいう。また、ここでいう「上」「下」「水平」は上型と下型、及び曲げ加工型の相対的な位置関係を意味しており、必ずしも「上」「下」が鉛直方向に沿った向きには限定されない。
このように、本発明に係るプレス加工装置では、板状をなすワーク本体を保持する上型及び下型とを設けると共に、これら上型と下型とは別に、中間曲げ部に対する曲げ角度が鈍角であるフランジ部に所定の曲げ加工を施すための曲げ加工面を有する曲げ加工型をさらに設けるようにした。また、これに加えて、フランジ部の曲げ加工の過程でフランジ部の先端部と当接して先端部の水平方向への移動を規制する規制面を曲げ加工型に設けるようにした。例えば図11に示すプレス加工装置100と比べた場合の相違点として(改良点)として、本発明に係るプレス加工装置は、フランジ部の先端部の水平方向への移動を規制する規制面を、ワーク本体の保持を行う下型にではなく、フランジ部の曲げ加工を行う曲げ加工型に設けるようにした。本発明に係るプレス加工装置によれば、フランジ部は曲げ加工型の曲げ加工面に押し上げられてワーク本体の側に折り曲げられていくため、フランジ部の先端部と曲げ加工面とは常に同じ上下方向位置にある。ここで、規制面は曲げ加工面と同じ型に設けられるので、規制面と曲げ加工面もまた曲げ加工時には常に同じ上下方向位置にある。これにより、曲げ加工時、フランジ部の先端部と規制面とは常に同じ上下方向位置に保たれるので、規制面にフランジ部の先端部が当接した後も、フランジ部の先端部は規制面により水平方向の移動を規制される。よって、フランジ部の先端部が摩耗する事態を回避しつつも、高品質な曲げ加工を安定的に実施することが可能となる。また、フランジ部の先端部は規制面に到達した後、曲げ加工面及び規制面に対して一定の位置に保たれるため、フランジ部に付与する圧縮力を安定させることができる。よって、フランジ部の基端部を外側に張り出させて成形されるコーナー部を安定した形状に成形することが可能となる。
また、前記課題の解決は、本発明に係るプレス加工装置を用いたプレス加工方法によっても達成される。また、この場合、本発明に係るプレス加工方法においては、フランジ部の基端部から先端部までの長さ寸法と、曲げ加工型の上型に対する相対移動量とに基づいて、フランジ部の基端部に成形されるコーナー部の曲率半径を調整してもよい。
上述したように、本発明に係るプレス加工装置によれば、成形すべきフランジ部の曲げ加工を成形不良なく高精度に実施できると共に、フランジ部の基端に安定した形状のコーナー部を成形することができる。ここで、本発明に係るプレス加工装置を用いて上述したプレス加工を行うに際して、コーナー部の形状について本発明者らが検討した結果、特に、フランジ部の基端部から先端部までの長さ寸法と、曲げ加工型の上型に対する相対移動量と、規制面の水平方向位置が、コーナー部の形状、特に曲率半径のサイズを大きく左右することが判明した。よって、上述した因子のうち、フランジ部の長さ寸法と曲げ加工型の相対移動量をパラメータとしてコーナー部の形状を設定すれば、手間なくかつ容易にコーナー部の形状を制御することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、カエリ等の成形不良を生じることなく、かつ高精度で安定したフランジ部の曲げ加工を施すことのできるプレス加工装置及びプレス加工方法を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るプレス加工品の製造方法の流れを模式的に示した図である。 図1に示すブランク材に第一曲げ加工を施すための装置の断面図である。 図2に示す第一曲げ加工装置を用いた曲げ加工の一例を説明するための図である。 図1に示す第一中間ワークに第二曲げ加工を施すための装置の断面図である。 図4に示す第二曲げ加工装置を用いた曲げ加工の一例を説明するための図である。 図1に示す第二中間ワークに本発明に係るプレス加工を実施するための装置の断面図である。 図6に示すプレス加工装置を用いたプレス加工の一例を説明するための図である。 図6に示すプレス加工装置を用いたプレス加工の一例を説明するための図である。 図8中の矢印Aで示す部分を拡大して示した図である。 図6に示すプレス加工装置を用いたプレス加工において、各パラメータがコーナー部を含めたフランジ部の形状に及ぼす影響を説明するための表である。 本発明との比較に係るプレス加工装置の断面図である。 図11に示すプレス加工装置を用いたプレス加工方法の一例を説明するための図である。 図11に示すプレス加工装置を用いたプレス加工方法の一例を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態に係るプレス加工装置及びこの装置を用いたプレス加工方法の内容を図面に基づいて説明する。本実施形態では、車両用構造部品としてのロアアームをプレス加工品として製造する場合を例にとって、以下に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るプレス加工品の製造方法の流れを模式的に示した図である。図1に示すように、本実施形態に係るプレス加工品の製造方法は、ブランク材W0に対して所定の曲げ加工(第一曲げ加工)を施すことで第一中間ワークW1を得る第一曲げ加工工程S1と、第一曲げ加工工程S1で得た第一中間ワークW1に対して所定の曲げ加工(第二曲げ加工)を施すことで第二中間ワークW2を得る第二曲げ加工工程S2と、第二曲げ加工工程S2で得た第二中間ワークW2に対して所定の曲げ加工(第三曲げ加工)をプレス加工により施すことで第三中間ワークとしてのプレス加工品Wを得る第三曲げ加工工程S3とを備える。ここで、第三曲げ加工工程S3が、本発明に係るプレス加工方法に相当し、このプレス加工工程で使用するプレス加工装置30(後述する図6を参照)が、本発明に係るプレス加工装置に相当する。以下、各工程S1~S3の詳細を順に説明する。
(S1)第一曲げ加工工程
この工程では、図2に示すプレス加工装置10を用いて、例えば平板状のブランク材W0に所定の曲げ加工を施す。ここで、図2に示すプレス加工装置10は、ブランク材W0を保持する上型11及び下型12と、上型11に隣接して設けられ、上型11及び下型12に保持された状態のブランク材W0に所定の曲げ加工を施す曲げ加工型13,14とを具備する。
上記構成のプレス加工装置10を用いた曲げ加工は、例えば以下のようにして行われる。まず図2に示すように、ブランク材W0の一端側W0aと他端側W0bをそれぞれ食み出させた状態でブランク材W0を上型11及び下型12で保持する。然る後、上型11に隣接する曲げ加工型13,14をそれぞれ下降させて、各曲げ加工型13,14と上型11との境界を起点としてブランク材W0の一端側W0aと他端側W0bをそれぞれ下方に折り曲げる。これにより、図3に示すように、ブランク材W0の一端側W0aを曲げた形状の第一中間曲げ部W11と、ブランク材W0の他端側W0bを曲げた形状の第二中間曲げ部W12とを一体的に有する第一中間ワークW1が成形される。
(S2)第二曲げ加工工程
この工程では、図4に示すプレス加工装置20を用いて、第一曲げ加工工程S1を経て得られた第一中間ワークW1に所定の曲げ加工を施す。ここで、図4に示すプレス加工装置20は、第一中間ワークW1のワーク本体W13を保持する上型21及び下型22と、下型22に隣接し、かつ第一中間ワークW1の第一中間曲げ部W11の内側に配設されるスライド型23と、第一中間曲げ部W11の下方に位置し、第一中間曲げ部W11に所定の曲げ加工を施す曲げ加工型24とを具備する。
ここで、曲げ加工型24の上部と、スライド型23の下部にはそれぞれ、曲げ加工後の第一中間曲げ部W11の一端側W11aの形状に対応した一対の曲げ加工面24a,23aが設けられている。これら一対の曲げ加工面24a,23aは上下方向で対向する位置に配設されている。また、各曲げ加工面24a,23aは、第二曲げ加工工程S2の終了時において第一中間曲げ部W11の一端側W11aに成形されるフランジ部W21に応じた形態に設定される(図5を参照)。
上記構成のプレス加工装置20を用いた曲げ加工は、例えば以下のようにして行われる。まず図4に示すように、第一中間ワークW1のワーク本体W13を上型21及び下型22で保持する。この状態で、第一中間曲げ部W11の下方には曲げ加工型24が配置されている。然る後、曲げ加工型24を上昇させて、下方に延びた状態の第一中間曲げ部W11の先端部に曲げ加工面24aを押し当てる。ここで曲げ加工面24aは傾斜しているため、第一中間曲げ部W11の先端部は曲げ加工面24aに沿った向き、すなわち下型22の側に向けた押し曲げ力を受ける。これにより、第一中間曲げ部W11の一端側W11aに対する曲げ加工が行われる。この曲げ加工は、本図示例だと、スライド型23の曲げ加工面23aと曲げ加工型24の曲げ加工面24aとで押し曲げられた一端側W11aが挟持される位置まで曲げ加工型24を上昇させることで行われる。以上のようにして、図5に示すように、第一中間曲げ部W11の一端側W11aを曲げた形状のフランジ部W21を一体に有する第二中間ワークW2が成形される。ここで、フランジ部W21の第一中間曲げ部W11に対する曲げ角度θ1は、鈍角(90°<θ1<180°)の範囲に設定される。
成形された第二中間ワークW2は、スライド型23を下型22に向けてスライドさせることで下型22及びスライド型23から脱型される。なお、スライド型23のスライド動作は、型開き動作に伴って自動的に行ってもよいし、独立した駆動装置により行ってもよい。
(S3)第三曲げ加工工程
この工程では、図6に示すプレス加工装置30を用いて、第二曲げ加工工程S2を経て得られた第二中間ワークW2に所定の曲げ加工を施す。ここで、図6に示すプレス加工装置30は、第二中間ワークW2のワーク本体W13を保持する上型31及び下型32と、下型32に隣接して設けられ、上型31に接近する向きの相対移動によって、フランジ部W21に対して曲げ角度θ1を縮小させる曲げ加工を施す曲げ加工型33と、曲げ加工型33に設けられ、フランジ部W21の先端部W21aの水平方向への移動を規制する規制面34とを具備する。
このうち、曲げ加工型33は、フランジ部W21の下方に配置され、上型31に接近する向きに相対移動することで、斜め下方に突出した状態のフランジ部W21の先端部W21aと当接してフランジ部W21に曲げ角度θ1を縮小させる曲げ加工を施す曲げ加工面35を有する。すなわち、曲げ加工型33は、上型31及び下型32と別個独立に昇降可能に構成されている。本実施形態では、曲げ加工面35は、水平方向に延びた形状をなしている。そのため、上述のように曲げ加工型33が上昇して下方に向かうにつれて下型32の側に移行する向きに傾斜した状態のフランジ部W21の先端部W21aに当接することで、曲げ角度θ1が縮小する向きにフランジ部W21を押し曲げるようになっている。換言すると、曲げ加工型33の上昇によりフランジ部W21の先端部W21aと当接してフランジ部W21をワーク本体W13側に折り返す向きにフランジ部W21を押し曲げる限りにおいて、曲げ加工面35の形態は任意であり、必ずしも水平方向に延びている必要はない。よって、図示例に限らず、曲げ加工面35は、水平方向に対するある程度の傾斜(~10°)を許容し得る。あるいは、曲げ加工面35は、完全な平坦形状以外の形状(少なくとも部分的に曲面形状をなす形状、互いに傾斜角度の異なる複数の平面からなる形状等)を許容し得る。
規制面34は、曲げ加工型33に設けられる。本実施形態では、規制面34は曲げ加工面35の下型32側の端部に設けられ、上方に延びた形状をなす。詳細には、規制面34は、曲げ加工型33の移動方向に沿った向きに直線的に延びた形状をなしている。そして、この規制面34は、曲げ加工型33によるフランジ部W21の曲げ加工の過程でフランジ部W21の先端部W21aと当接するように構成されている。言い換えると、曲げ加工の対象となるフランジ部W21の長さ寸法L(基端部W21bから先端部W21aまでの距離)に応じて、規制面34の曲げ加工型33における水平方向位置、正確にはフランジ部W21の先端部W21aが曲げ加工面35に当接した位置を基準とした規制面34の水平方向位置が所定の範囲に設定される。よって、この場合、曲げ加工面35の水平方向距離についても、フランジ部W21の長さ寸法に応じて所定の範囲に設定される。
次に、上記構成のプレス加工装置30を用いた曲げ加工の一例を、図6~図9に基づいて説明する。
まず図6に示すように、第二中間ワークW2のワーク本体W13を上型31及び下型32で保持する。この状態で第一中間曲げ部W11及びフランジ部W21は上型31及び下型32から食み出した状態にあり、フランジ部W21は下方に向かうにつれて下型32に近づく向きに傾斜して突き出した状態にある。また、曲げ加工型33はフランジ部W21の下方に位置している。図6では、フランジ部W21の先端部W21aに当接しているが、先端部W21aから下方に離れた位置にあってもよい。そして、上述した状態から、曲げ加工型33を上昇させて、斜め下方に突出した状態のフランジ部W21の先端部W21aに曲げ加工面35を押し当てる。これにより、フランジ部W21は曲げ角度θ1を縮小させる向きに押し曲げられるので、フランジ部W21の先端部W21aは曲げ加工型33の上昇に伴って下型32に向けて移動する。
ここで曲げ加工面35の一端部(下型32側の端部)には規制面34が設けられている。そのため、上述のようにしてフランジ部W21の曲げ加工が進行する過程で、フランジ部W21の先端部W21aは規制面34に当接する(図7を参照)。この状態から曲げ加工型33を引き続き上昇させることで、フランジ部W21の折り曲げはさらに進行する(図7中、二点鎖線で示す状態)。一方、フランジ部W21の先端部W21aは規制面34により水平方向への移動を規制された状態にあるため、曲げ加工型33を基準に見た場合、フランジ部W21の曲げ加工が進行した場合においても、規制面34及び曲げ加工面35に対する先端部W21aの位置は変わらない(図7中、二点鎖線で示す状態)。よって、先端部W21aが規制面34との摺動による摩耗ないし局所的な変形を生じる事態を防ぎながら、フランジ部W21の曲げ加工を継続することができる。
上述のようにしてフランジ部W21に対する曲げ加工を引き続き実行し、例えば図6に示す曲げ加工型33の曲げ加工開始位置からの上昇量(ストローク位置)Hが所定の大きさになった時点で曲げ加工型33の上昇を停止する(図8を参照)。そして、上型31を上昇させて曲げ加工後の第二中間ワークW2を曲げ加工装置30から取出す。これにより、図8に示すように、フランジ部W21の第一中間曲げ部W11に対する曲げ角度θ1が所定の大きさ(曲げ加工後の曲げ角度θ2)に縮小された状態のプレス加工品Wが得られる。また、上述のようにフランジ部W21に曲げ加工を施すことで、フランジ部W21の基端部W21bが外側に張り出すように変形し、所定形状のコーナー部W31が形成される(図9の二点鎖線で示す状態から実線で示す状態に変形)。
図9は、第三曲げ加工工程S3を経て得られたプレス加工品Wの要部を拡大した図を示している。図9に示すように、上記工程S3でフランジ部W21に対する曲げ加工が行われた結果、フランジ部W21と第一中間曲げ部W11との間に所定形状のコーナー部W31が形成される。ここで、コーナー部W31は全体として断面R状をなし、所定の曲率半径r1を有する。また、プレス加工品Wにおけるフランジ部W21の第一中間曲げ部W11に対する曲げ角度θ2は、当然に第二中間ワークW2の曲げ角度θ1(図6を参照)よりも小さく、例えば90°に近い大きさ(90°<θ2<100°)となっている。
ここで、コーナー部W31の曲率半径r1及びフランジ部W21の最終的な曲げ角度θ2は、以下に示す三つの因子により制御することが可能である。すなわち、上述したように、図6に示す構成のプレス加工装置30を用いて曲げ角度θ1が鈍角の状態にある第二中間ワークW2に曲げ角度θ1を縮小させる曲げ加工を施す場合、フランジ部W21の基端部W21bから先端部W21aまでの長さ寸法Lと、曲げ加工型33の上型31に対する上昇量(ストローク位置)H、及び規制面34の水平方向位置が、コーナー部W31の形状、特に曲率半径r1のサイズを大きく左右することが判明した。よって、上述した三因子のうち、フランジ部W21の長さ寸法Lと曲げ加工型33のストローク位置Hをパラメータとしてコーナー部W31の形状を設定すれば、プレス加工装置30を大幅な変更を要することなく、容易にかつ低コストにコーナー部W31の曲率半径r1を制御することが可能となる。
上述した長さ寸法Lとストローク位置Hと、曲率半径r1との関係を図10に示す。図10に示すように、例えばフランジ部W21の長さ寸法Lを相対的に短くすることで、コーナー部W31の曲率半径r1は大きくなる傾向にある。逆に、長さ寸法Lを相対的に長くすることで、曲率半径r1は小さくなる傾向にある。これは、長さ寸法Lの大小がコーナー部W31となるフランジ部W21の基端部W21bに作用する圧縮力の大小に直結しているためと推察される。また、曲げ加工型33のストローク位置Hを相対的に低くすることで、コーナー部W31の曲率半径r1は大きくなる傾向にある。逆に、ストローク位置Hを相対的に高くすることで、曲率半径r1は小さくなる傾向にある。これも、ストローク位置Hの大小が基端部W21bに作用する圧縮力の大小に直結しているためと推察される。また、ストローク位置Hは、第三曲げ加工工程S3後のフランジ部W21の曲げ角度θ2にも影響を及ぼすことから、例えば図10に示すように、ストローク位置Hを相対的に低くすることで、曲げ角度θ2は相対的に大きくなり、ストローク位置Hを相対的に高くすることで、曲げ角度θ2は相対的に小さくなる傾向にある。以上の傾向を踏まえて、フランジ部W21の長さ寸法Lとストローク位置Hを設定することにより、容易にコーナー部W31の形状と最終的な曲げ角度θ2を制御することが可能となる。
以上述べたように、本実施形態に係るプレス加工装置30によれば、フランジ部W21は曲げ加工型33の曲げ加工面35に押し上げられてワーク本体W13の側に徐々に折り曲げられていくため、フランジ部W21の先端部W21aと曲げ加工面35とは常に同じ上下方向位置にある。ここで、規制面34は曲げ加工面35と共に曲げ加工型33に設けられるので、規制面34と曲げ加工面35もまた曲げ加工時には常に同じ上下方向位置にある。これにより、上述した曲げ加工時、フランジ部W21の先端部W21aと規制面34とは常に同じ上下方向位置に保たれるので、規制面34にフランジ部W21の先端部W21aが当接した後も、フランジ部W21の先端部W21aは規制面34により水平方向の移動を規制される。よって、フランジ部W21の先端部W21aにカエリなどの成形不良が生じる事態を回避しつつも、高品質な曲げ加工を安定的に実施することが可能となる。また、フランジ部W21の先端部W21aは規制面34に到達した後、曲げ加工面35及び規制面34に対して一定の位置に保たれるため、フランジ部W21に付与する圧縮力を安定させることができる。よって、フランジ部W21の基端部W21bを外側に張り出させて成形されるコーナー部W31を安定した形状に成形することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明に係るプレス加工装置及びこの装置を用いたプレス加工方法は、その趣旨を逸脱しない範囲において、上記以外の構成を採ることも可能である。
例えば上記実施形態では、規制面34は、曲げ加工面35の下型32側の端部に設けられ、曲げ加工型33の移動方向に沿った向きに上方に直線的に延びた形状をなす場合を例示したが(図6を参照)、もちろんこの形状には限られない。曲げ加工型33によるフランジ部W21の曲げ加工の過程でフランジ部W21の先端部W21aと当接した後、先端部W21aが規制面34を下型32側へ乗り越えることがない限りにおいて、規制面34の位置、形状、ないしサイズは任意に設定することが可能である。
また、上記実施形態では、プレス加工装置30によるプレス加工時、上型31及び下型32を固定側、曲げ加工型33を可動側として、曲げ加工型33を上昇させる場合を例示したが、もちろんこれ以外の形態をとることも可能である。すなわち、曲げ加工型33を固定側とする一方、上型31及び下型32を可動側として第二中間ワークW2と一体的に下降させることによって、フランジ部W21に上述した曲げ加工を施してもよい。
また、上記実施形態では、第一曲げ加工工程S1と第二曲げ加工工程S2にそれぞれ図2と図4に示すプレス加工装置10,20を用いた場合を例示したが、もちろんこれ以外の手段でブランク材W0及び第一中間ワークW1に所定の曲げ加工を施してもよい。すなわち、図6に示す形態の第二中間ワークW2が得られる限りにおいて、第二中間ワークW2を得るための手段、構成は任意であり、プレス加工以外の手段で第二中間ワークW2を得てもよい。また、図1に示す順にブランク材W0を変形させていくことで第二中間ワークW2を得る必要もなく、例えば一回又は三回以上の加工で図1に示す形態の第二中間ワークW2を得るようにしてもよい。
また、上記実施形態では、自動車用ロアアームをプレス加工品Wとして製造する場合を例示したが、もちろん本発明はロアアーム以外の車両用構造部品の製造に適用することが可能である。すなわち、全体として板状部材からなり、断面形状でフランジ部が折り返した形状をなす部品である限りにおいて、任意の車両用構造部品、ひいては一般構造部品の製造に本発明を適用することが可能である。
10 プレス加工装置
11 上型
12 下型
13,14 曲げ加工型
20 プレス加工装置
21 上型
22 下型
23 スライド型
24 曲げ加工型
23a,24a 曲げ加工面
30 プレス加工装置
31 上型
32 下型
33 曲げ加工型
34 規制面
35 曲げ加工面
100 プレス加工装置
101 ワーク本体
102 中間曲げ部
103 フランジ部
103a 先端部
104 中間ワーク
105 上型
106 下型
106a 側面
107 曲げ加工型
108 コーナー部
H ストローク位置
L 長さ寸法
r1 曲率半径
W プレス加工品
W0 ブランク材
W1 第一中間ワーク
W11 第一中間曲げ部
W12 第二中間曲げ部
W13 ワーク本体
W2 第二中間ワーク
W21 フランジ部
W21a 先端部
W21b 基端部
W31 コーナー部
θ0,θ1,θ2 曲げ角度

Claims (2)

  1. 板状をなすワーク本体と、前記ワーク本体の一端側を曲げた形状の中間曲げ部と、前記中間曲げ部の一端側を前記ワーク本体の側に曲げた形状のフランジ部とを一体に有し、前記フランジ部の前記中間曲げ部に対する曲げ角度が鈍角である中間ワークの前記フランジ部に対して、前記曲げ角度を縮小させる曲げ加工を施すためのプレス加工装置であって、
    前記ワーク本体を保持する上型及び下型と、
    前記上型に接近する向きに相対移動することで、斜め下方に突出した状態の前記フランジ部の先端部と当接して前記フランジ部に前記曲げ角度を縮小させる曲げ加工を施す曲げ加工面を有する曲げ加工型とを備え、
    前記フランジ部の曲げ加工の過程で前記フランジ部の先端部と当接して、前記先端部の水平方向への移動を規制する規制面が前記曲げ加工型に設けられている、プレス加工装置。
  2. 請求項1に記載のプレス加工装置を用いたプレス加工方法であって、
    前記フランジ部の基端部から先端部までの長さ寸法と、前記曲げ加工型の前記上型に対する相対移動量とに基づいて、前記フランジ部の基端部に成形されるコーナー部の曲率半径を調整する、プレス加工方法。
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