JP7401140B2 - エアロゲル複合保温防火板及びその製造プロセス - Google Patents

Description

本願は、防火板技術の分野に関し、より具体的には、エアロゲル複合保温防火板及びその製造プロセスに関する。

防火板は耐火板とも呼ばれ、学名は熱硬化性樹脂含浸紙高圧積層板であり、表面の色彩、模様及び特殊な物性を豊富に有する。エアロゲルとは、ゾルゲル法により一定の乾燥方式を用いてガスでゲル中の液相を置き換えて形成されたナノスケールの多孔質固体材料であり、エアロゲルはゲルの性質を有し、すなわち、膨張作用、チキソトロピック作用、離漿作用を有する。

従来のエアロゲル防火板の多くはサンドイッチ式構造であり、例えば、公告番号がＣＮ１０５５６９２００Ａである中国発明特許には、グラスウール珪素アルミニウムエアロゲル複合サンドイッチ保温防火板が開示され、複合サンドイッチ保温防火板は、上面層、下面層及びグラスウール強化の珪素アルミニウムエアロゲル中間層と構成される。

発明者らは、上記の関連技術に対し、サンドイッチ型の保温複合板は、エアロゲルが板材中間層に複合設置され、主に、横方向に貫通する熱放射断熱性に対するものであり、一部の熱は表面層を介して縦方向に伝達されるため、熱に対する縦方向の遮断性が不十分であると考える。

本願は、保温防火板の縦方向の断熱性をさらに向上させるために、エアロゲル複合保温防火板及びその製造プロセスを提供する。

本願により提供されるエアロゲル複合保温防火板及びその製造プロセスは、下記のような技術案を採用する。

エアロゲル複合保温防火板は、上から下の順に複合設置された上面層、防火層、断熱層、ポリウレタン層及び下面層を含み、前記防火層の内部に水酸化アルミニウム粒子が充填され、前記防火層には、均一に分布している加工孔が開けられ、前記加工孔内にはシールスタッドが接続され、前記断熱層の前記防火層に近い表面にはエアロゲル取付け溝が均一に開けられ、前記断熱層内には、前記エアロゲル取付け溝の防火層から離れた側に位置する断熱エアキャビティが開けられ、前記断熱エアキャビティは各前記エアロゲル取付け溝と連通しており、前記エアロゲル取付け溝内には、エアロゲル充填材が設置されている。

上記の技術案によれば、防火層の内部が中空であるため、横方向に放射する熱の遮断に有利であり、断熱層に形成されたエアロゲル取付け溝内にはエアロゲル充填材が充填され、エアロゲル充填材により断熱層の横方向の断熱性能が強化され、熱は、断熱層の縦方向に伝達される際に、均一に配置されたエアロゲル充填材によって反射され続けるため、熱の伝達効率が低下し、さらに、防火板の縦方向の断熱性能が強化される。

さらに、前記断熱層はパーライト板で製造され、且つ前記エアロゲル取付け溝は球状溝であり、前記エアロゲル充填材によって前記エアロゲル取付け溝が完全に充填され、且つ前記エアロゲル取付け溝の深さは防火層の厚さと一致する。

上記の技術案によれば、断熱層はパーライト板で製造され、良好な断熱性と防火性を有し、且つエアロゲル取付け溝は球状を呈するため、その結果、エアロゲル充填材の表面はあらゆる方向の熱に対して良好な反射性を有し、エアロゲルと断熱層との境界も断熱層の断熱効果を更に高めるのに有利である。

エアロゲル複合保温防火板の製造プロセスは、
切断して上面層、防火層、断熱層、ポリウレタン層及び下面層を製造する材料準備ステップＳ１と、
防火層、断熱層及びポリウレタン層を順次貼り付けて固定する複合ステップＳ２と、
エアロゲル充填材の原料を防火層上の加工孔内に入れるゲル入れステップＳ３と、
エアロゲル充填材をエアロゲル取付け溝内に押し込んで、加工孔をシールするゲル押込ステップＳ４と、
上面層及び下面層をそれぞれ防火層及びポリウレタン層に複合するパッケージングステップＳ５と、
検査ステップＳ６とを含む。

上記の技術案によれば、当該製造プロセスは工程が簡単で、縦方向の断熱性が良好なエアロゲル複合保温防火板を効率的に製造することができる。

さらに、ステップＳ３及びステップＳ４において、ゲル押込装置を導入し、前記ゲル押込装置は、順番に設置された第１のコンベアベルト、作業台及び第２のコンベアベルトを含み、前記作業台の中央には、作業台上のエアロゲル複合保温防火板を駆動するための再駆動機構が設置され、且つ前記作業台の両側には、エアロゲル複合保温防火板の各加工孔内にゲルを入れるためのゲル入れ機構、及び加工孔内のエアロゲル充填材をエアロゲル取付け溝内に押し込むためのゲル押込機構がそれぞれ設置されている。

上記の技術案によれば、ステップ２で複合されたエアロゲル複合保温防火板は第１のコンベアベルトによって作業台に移送され、ゲル入れ機構でエアロゲル充填材の原料を各加工孔内に入れ、続いてゲル押込機構で加工孔内のエアロゲル充填材を断熱層内のエアロゲル取付け溝に押し込み、それによりエアロゲル充填材を充填し、続いてエアロゲル複合保温防火板は再駆動機構に駆動されて第２のコンベアベルトに移動し、第２のコンベアベルトを介して次の工程まで移動し、自動化レベルが高く、防火板のエアロゲルの入れや押込を一回で完了することができ、敷地面積が小さく、加工効率が高い。

さらに、前記ゲル入れ機構は、前記作業台の側壁に固定された第１の操作アームを含み、前記第１の操作アームの端部には、内部が中空に設けられた材料排出板が固定的に取付けられ、前記材料排出板は水平に設置され、且つ材料排出板の底面には、加工孔と１対１に対応して配置された材料排出管が均一に設けられ、前記材料排出管はエアロゲル充填材を置くために用いられ、前記材料排出板の底面には、前記材料排出管の内部と連通している吸着孔が開けられ、前記吸着孔内にはゴムスリーブが穿設され、前記ゴムスリーブの端部は延在して前記材料排出管内に設置され、前記ゲル入れ機構は、前記作業台の外に設置された真空ポンプをさらに含み、前記真空ポンプと前記材料排出板との間には真空管が接続され、前記真空管は前記材料排出板の内部と連通している。

上記の技術案によれば、エアロゲル複合保温防火板が作業台に移動すると、第１の操作アームは材料排出板を駆動してエアロゲル充填材の原料置き箇所まで移動させ、エアロゲル充填材を各材料排出管内に挿入し、その後、真空ポンプが起動されて材料排出板内に負圧が形成され、それによりエアロゲル充填材が材料排出管内に吸着され、ゴムスリーブの設置により、エアロゲル充填材に対する吸着性を高め、その後、第１の操作アームで材料排出板を駆動してエアロゲル複合保温防火板の上側まで移動させるとともに、材料排出板を降下させて、エアロゲル充填材をエアロゲル複合保温防火板上の各加工孔に正確に合わせ、最後に、真空ポンプで材料排出板の内部の負圧を解除し、それによりエアロゲル充填材を正確に加工孔内に置くことができ、材料排出効率が高い。

さらに、前記材料排出板の底面には、複数の空気圧縮溝が上向きに凹んで成形され、前記空気圧縮溝は前記材料排出管の間に均一に配置される。

上記の技術案によれば、空気圧縮溝の設置は、材料排出板内の負圧作用によるエアロゲル充填材原料に対する吸着性を高め、エアロゲル充填材の落下を防止するのに有利である。

さらに、前記作業台には、角固定機構がさらに設置され、前記角固定機構は、前記作業台にスライド可能に取付けられた角スリーブと、作業台の隅に固定された電動プッシュロッドとを含み、前記電動プッシュロッドのピストンロッドは前記角スリーブに固定接続され、前記角スリーブはエアロゲル複合保温防火板の角端を嵌接するために用いられ、前記角固定機構は合計４組設置され、４組の角固定機構は作業台の四隅にそれぞれ設置される。

上記の技術案によれば、防火板が作業台に移動した後、作業台の四隅にある電動プッシュロッドが起動して、４つの角スリーブがエアロゲル複合保温防火板の４つの角に嵌接するまで角スリーブをエアロゲル複合保温防火板に向けて移動させ、エアロゲル複合保温防火板を固定し、また、電動プッシュロッドの協調駆動により、エアロゲル複合保温防火板の位置を調整し、ゲル入れの正確性を強化するのに有利である。

さらに、前記角スリーブの内側にガイド曲面が成形され、前記角スリーブはポリテトラフルオロエチレンで製造され、且つ角スリーブ内の厚さは、防火層、断熱層及びポリウレタン層の厚さの合計と一致する。

上記の技術案によれば、角スリーブ内のガイド曲面及び材質の設置は、エアロゲル複合保温防火板の角を角スリーブ内に押し込むのに有利であり、エアロゲル複合保温防火板が角スリーブに誤って当接することを防止し、且つエアロゲル複合保温防火板の角が角スリーブに押し込まれると、エアロゲル複合保温防火板の防火層、断熱層及びポリウレタン層の間の複合がさらに強化される。

さらに、前記ゲル押込機構は、作業台の側壁に固定的に取付けられた第２のロボットアームを含み、前記第２のロボットアームはエアロゲル複合保温防火板上のシールスタッドを取付けるために用いられ、前記作業台内には、エアロゲル複合保温防火板を加熱するためのヒーターが固定的に取付けられている。

上記の技術案によれば、第２のロボットアームでエアロゲル複合保温防火板にシールスタッドを締め付けるとともに、ヒーターを起動することにより、エアロゲル充填材の表面を溶融状態にし、シールスタッドでエアロゲル充填材を押圧する過程に、エアロゲル充填材の一部がシールスタッドと加工孔との間のネジ山隙間にねじ込み、シールスタッドと防火層との間のシール性が強化され、さらに、防火層の断熱性が強化される。

さらに、前記作業台の中央に調整溝が開けられ、前記再駆動機構は前記調整溝内に設置され、前記再駆動機構は、前記調整溝の底部に固定された回転モータと、前記回転モータの出力端に固定された第３のコンベアベルトとを含む。

上記の技術案によれば、エアロゲル複合保温防火板が作業台に移動すると、エアロゲル複合保温防火板は第３のコンベアベルトに位置し、回転モータが起動してエアロゲル複合保温防火板を駆動して回転させることができ、それによりエアロゲル複合保温防火板の方位を調整して、エアロゲル複合保温防火板の角端を各角スリーブに合わせる。

要約すると、本願は以下の少なくとも１つの有益な技術的効果を有する。

（１）防火層の内部が中空であるため、横方向に放射する熱の遮断に有利であり、断熱層に形成されたエアロゲル取付け溝内にはエアロゲル充填材が充填され、エアロゲル充填材により断熱層の横方向の断熱性能が強化され、熱は、断熱層の縦方向に伝達される際に、均一に配置されたエアロゲル充填材によって反射され続けるため、熱の伝達効率が低下し、さらに、防火板の縦方向の断熱性能が強化される。

（２）当該製造プロセスは工程が簡単で、縦方向の断熱性が良好なエアロゲル複合保温防火板を効率的に製造することができる。

（３）ステップ２で複合されたエアロゲル複合保温防火板は第１のコンベアベルトによって作業台に移送され、ゲル入れ機構でエアロゲル充填材の原料を各加工孔内に入れ、続いてゲル押込機構で加工孔内のエアロゲル充填材を断熱層内のエアロゲル取付け溝に押し込み、それによりエアロゲル充填材を充填し、続いてエアロゲル複合保温防火板は再駆動機構に駆動されて第２のコンベアベルトに移動し、第２のコンベアベルトを介して次の工程まで移動し、自動化レベルが高く、防火板のエアロゲルの入れや押込を一回で完了することができ、敷地面積が小さく、加工効率が高い。

実施例１のエアロゲル複合保温防火板の構造概略図である。 実施例２のエアロゲル複合保温防火板の製造プロセスのステップの概略図である。 実施例３のゲル押込装置の構造概略図である。 材料排出板の構造概略図である。 角スリーブの構造概略図である。 再駆動機構の構造概略図である。

以下、本願の実施例における図面を参照し、本願の実施例における技術案を明確で完全に説明し、明らかに、説明された実施例は、本願の全ての実施例ではなく、実施例の一部に過ぎず、当業者が本発明の実施例に基づいて創造的な働きなしに得る全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。

なお、本願の説明において、「上」、「下」、「内側」、「外側」、「頂／底端」等の用語で示される方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願の説明及び説明の簡略化を容易にするためのものにすぎず、装置又は部品が必ずしも特定の方位を持ち、特定の方位で構築及び操作されなければならないことを示したり暗示したりするのではないため、本願を限定するものとして理解すべきではない。また、「第１」及び「第２」という用語は、説明の目的でのみ使用され、相対的な重要性を示したり暗示したりすると理解すべきではない。

なお、本願の説明において、特に明記及び限定されない限り、「取付け」、「設置」、「嵌設／接」及び「接続」などの用語は、広い意味で理解されるべきであり、例えば、「接続」は、固定接続であっても、取り外し可能な接続であっても、一体接続であってもよいし、機械的接続であっても、電気的接続であってもよいし、直接接続であっても、中間媒体を介する間接的な接続であってもよいし、２つの部品内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて、本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。

以下、図１～６を参照して本願についてさらに詳細に説明する。
（実施例１）

本願の実施例はエアロゲル複合保温防火板を開示し、図１を参照し、上から下の順に複合設置された上面層１１、防火層１２、断熱層１３、ポリウレタン層１４及び下面層１５を含む。防火層１２の内部に水酸化アルミニウム粒子１２１が充填される。防火層１２には均一に分布している加工孔１２２が開けられ、加工孔１２２内にはシールスタッド１２３が接続されている。断熱層１３はパーライト板で製造され、断熱層１３の防火層１２に近い表面にはエアロゲル取付け溝１３１が均一に開けられ、断熱層１３内には、エアロゲル取付け溝１３１の防火層１２から離れた側に位置する断熱エアキャビティ１３３が開けられ、断熱エアキャビティ１３３は各エアロゲル取付け溝１３１と連通する。エアロゲル取付け溝１３１内にはエアロゲル充填材１３２が設置され、エアロゲル取付け溝１３１は球状溝である。エアロゲル充填材１３２によってエアロゲル取付け溝１３１が完全に充填され、且つエアロゲル取付け溝１３１の深さは防火層１２の厚さと一致する。

本願の実施例１では、エアロゲル複合保温防火板の実施原理は下記のとおりである。防火層１２の内部が中空であるため、横方向に放射する熱の遮断に有利であり、断熱層１３に形成されたエアロゲル取付け溝１３１内にはエアロゲル充填材１３２が充填され、エアロゲル充填材１３２により断熱層１３の横方向の断熱性能が強化され、熱は、断熱層１３の縦方向に伝達される際に、均一に配置されたエアロゲル充填材１３２によって反射され続けるため、熱の伝達効率が低下し、さらに、防火板の縦方向の断熱性能が強化され、また、エアロゲル充填材１３２の充填過程において、余分な空気を断熱エアキャビティ１３３内に排出し、エアロゲル充填材１３２の充填が不充分になることを防止し、設計が巧みである。
（実施例２）

図２を参照し、エアロゲル複合保温防火板の製造プロセスは、
切断して上面層１１、防火層１２、断熱層１３、ポリウレタン層１４及び下面層１５を製造する材料準備ステップＳ１と、
防火層１２、断熱層１３及びポリウレタン層１４を順次貼り付けて固定する複合ステップＳ２と、
エアロゲル充填材１３２の原料を防火層１２上の加工孔１２２内に入れるゲル入れステップＳ３と、
エアロゲル充填材１３２をエアロゲル取付け溝１３１内に押し込んで、加工孔１２２をシールするゲル押込ステップＳ４と、
上面層１１及び下面層１５をそれぞれ防火層１２及びポリウレタン層１４に複合するパッケージングステップＳ５と、
検査ステップＳ６とを含む。

本願の実施例２では、エアロゲル複合保温防火板の製造プロセスの実施原理は下記のとおりである。当該製造プロセスは工程が簡単で、縦方向の断熱性が良好なエアロゲル複合保温防火板を効率的に製造することができる。
（実施例３）

図３を参照し、本実施例と実施例２の違いは下記のとおりである。実施例２におけるステップＳ３及びステップＳ４において、ゲル押込装置を導入し、ゲル押込装置は、順番に設置された第１のコンベアベルト２、作業台３及び第２のコンベアベルト４を含み、作業台３の中央には、作業台３上のエアロゲル複合保温防火板を駆動するための再駆動機構５が設置され、且つ作業台３の両側には、各加工孔１２２内にゲルを入れるためのゲル入れ機構６、及び加工孔１２２内のエアロゲル充填材１３２をエアロゲル取付け溝１３１内に押し込むためのゲル押込機構７がそれぞれ設置される。

図３を参照し、ゲル入れ機構６は、作業台３の側壁に固定された第１の操作アーム６１を含み、第１の操作アーム６１の端部には、内部が中空に設けられた材料排出板６２が固定的に取付けられ、図４を合せて参照し、材料排出板６２は水平に設置され、且つ材料排出板６２の底面には、加工孔１２２と１対１に対応して配置された材料排出管６２１が均一に成形され、材料排出管６２１はエアロゲル充填材１３２を置くために用いられる。材料排出板６２の底面には、材料排出管６２１の内部と連通している吸着孔が開けられ、吸着孔内にはゴムスリーブが穿設され、ゴムスリーブの端部は延在して材料排出管６２１内に設置される。ゲル入れ機構６は、作業台３の外に設置された真空ポンプ６３をさらに含み、真空ポンプ６３と材料排出板６２との間には真空管６３１が接続され、真空管６３１は材料排出板６２の内部と連通している。エアロゲル複合保温防火板が作業台３に移動すると、第１の操作アーム６１は材料排出板６２を駆動してエアロゲル充填材１３２の原料置き箇所まで移動させ、エアロゲル充填材１３２を各材料排出管６２１内に挿入し、その後、真空ポンプ６３が起動されて材料排出板６２内に負圧が形成され、それによりエアロゲル充填材１３２が材料排出管６２１内に吸着され、ゴムスリーブの設置により、エアロゲル充填材１３２に対する吸着性を高め、その後、第１の操作アーム６１は材料排出板６２を駆動してエアロゲル複合保温防火板の上側まで移動させるとともに、材料排出板６２を降下させて、エアロゲル充填材１３２を各加工孔１２２に正確に合わせ、最後に、真空ポンプ６３で材料排出板６２の内部の負圧を解除し、それによりエアロゲル充填材１３２を正確に加工孔１２２内に置くことができ、材料排出効率が高い。また、材料排出板６２の底面には、複数の空気圧縮溝６２２が上向きに凹んで成形され、空気圧縮溝６２２は材料排出管６２１の間に均一に配置され、空気圧縮溝６２２の設置は、材料排出板６２内の負圧作用によるエアロゲル充填材１３２の原料に対する吸着性を高め、エアロゲル充填材１３２の落下を防止するのに有利である。

図３、図５を参照し、作業台３には、角固定機構８がさらに設置され、角固定機構８は、作業台３にスライド可能に取付けられた角スリーブ８２と、作業台３の隅に固定された電動プッシュロッド８１とを含み、電動プッシュロッド８１のピストンロッドは角スリーブ８２に固定接続される。角スリーブ８２はエアロゲル複合保温防火板の角端を嵌接するために用いられ、角固定機構８は合計４組設置され、４組の角固定機構８は作業台３の四隅にそれぞれ設置される。防火板が作業台３に移動した後、作業台３の四隅にある電動プッシュロッド８１が起動して、４つの角スリーブ８２がエアロゲル複合保温防火板の４つの角に嵌接されるまで角スリーブ８２をエアロゲル複合保温防火板に向けて移動させ、エアロゲル複合保温防火板を固定し、また、電動プッシュロッド８１の協調駆動により、エアロゲル複合保温防火板の位置を調整し、ゲル入れの正確性を強化するのに有利である。角スリーブ８２の内側にガイド曲面８２１の形状を有しおり、角スリーブ８２はポリテトラフルオロエチレンで製造され、且つ角スリーブ８２内の厚さは、防火層１２、断熱層１３及びポリウレタン層１４の厚さの合計と一致する。角スリーブ８２内のガイド曲面８２１及び材質の設置は、エアロゲル複合保温防火板の角を角スリーブ８２内に押し込むのに有利であり、エアロゲル複合保温防火板が角スリーブ８２に誤って当接することを防止し、且つエアロゲル複合保温防火板の角が角スリーブ８２に押し込まれると、防火層１２、断熱層１３及びポリウレタン層１４の間の複合がさらに強化される。

図３を参照し、ゲル押込機構７は、作業台３の側壁に固定的に取付けられた第２のロボットアームを含み、第２のロボットアームはエアロゲル複合保温防火板上のシールスタッド１２３を取付けるために用いられる。作業台３内には、エアロゲル複合保温防火板を加熱するためのヒーターが固定的に取付けられている。第２のロボットアームでエアロゲル複合保温防火板にシールスタッド１２３を締め付けるとともに、ヒーターを起動することにより、エアロゲル充填材１３２の表面を溶融状態にし、シールスタッド１２３でエアロゲル充填材１３２を押圧する過程に、エアロゲル充填材１３２の一部がシールスタッド１２３と加工孔１２２との間のネジ山隙間にねじ込まれ、シールスタッド１２３と防火層１２との間のシール性が強化され、さらに防火層１２の断熱性が強化される。

図６を参照して、作業台３の中央に調整溝３１が開けられ、再駆動機構５は調整溝３１内に設置される。再駆動機構５は、調整溝３１の底部に固定された回転モータ５１と、回転モータ５１の出力端に固定された第３のコンベアベルト５２とを含み、エアロゲル複合保温防火板が作業台３に移動すると、エアロゲル複合保温防火板は第３のコンベアベルト５２に位置し、回転モータ５１が起動してエアロゲル複合保温防火板を駆動して回転させることができ、それによりエアロゲル複合保温防火板の方位を調整して、エアロゲル複合保温防火板の角端を各角スリーブ８２に合わせる。

本願の実施例３におけるゲル押込装置の実施原理は下記のとおりである。ステップ２で複合されたエアロゲル複合保温防火板は第１のコンベアベルト２によって作業台３に移送され、再駆動機構５における回転モータ５１が起動され、エアロゲル複合保温防火板の角端を角固定機構８における角スリーブ８２に合わせ、その後、角固定機構８における電動プッシュロッド８１が起動され、角スリーブ８２がエアロゲル複合保温防火板を固定するまで、角スリーブ８２を押して移動させ、その後、ゲル入れ機構６における第１の操作アーム６１は真空ポンプ６３と協働してエアロゲル充填材１３２の原料を各加工孔１２２内に入れ、その後、ゲル押込機構７で加工孔１２２内のエアロゲル充填材１３２を断熱層１３内のエアロゲル取付け溝１３１に押し込み、それによりエアロゲル充填材１３２を充填し、続いてエアロゲル複合保温防火板は第３のコンベアベルト５２に駆動されて第２のコンベアベルト４に移動し、第２のコンベアベルト４を介して次の工程まで移動し、自動化レベルが高く、防火板のエアロゲルの入れや押込を一回で完了することができ、敷地面積が小さく、加工効率が高い。

以上は、本願の保護範囲を限定するものではなく、いずれも本願の好ましい実施例であり、そのため、本願の構造、形状、原理に基づいて行われる等価変化は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。

１１...上面層、１２...防火層、１２１...水酸化アルミニウム粒子、１２２...加工孔、１２３...シールスタッド、１３...断熱層、１３１...エアロゲル取付け溝、１３２...エアロゲル充填材、１３３...断熱エアキャビティ、１４...ポリウレタン層、１５...下面層、２...第１のコンベアベルト、３...作業台、３１...調整溝、４...第２のコンベアベルト、５...再駆動機構、５１...回転モータ、５２...第３のコンベアベルト、６...ゲル入れ機構、６１...第１の操作アーム、６２...材料排出板、６２１...材料排出管、６２２...空気圧縮溝、６３...真空ポンプ、６３１...真空管、７...ゲル押込機構、８...角固定機構、８１...電動プッシュロッド、８２...角スリーブ、８２１...ガイド曲面。

Claims (2)

1. エアロゲル複合保温防火板の製造プロセスであって、前記エアロゲル複合保温防火板は上から下の順に複合設置された上面層（１１）、防火層（１２）、断熱層（１３）、ポリウレタン層（１４）及び下面層（１５）を含み、前記防火層（１２）の内部に水酸化アルミニウム粒子（１２１）が充填され、前記防火層（１２）には、均一に分布している加工孔（１２２）が開けられ、前記加工孔（１２２）内にシールスタッド（１２３）が接続され、前記断熱層（１３）の前記防火層（１２）に近い表面にはエアロゲル取付け溝（１３１）が均一に開けられ、前記断熱層（１３）内には、前記エアロゲル取付け溝（１３１）の防火層（１２）から離れた側に位置する断熱エアキャビティ（１３３）が開けられ、前記断熱エアキャビティ（１３３）は各前記エアロゲル取付け溝（１３１）と連通しており、前記エアロゲル取付け溝（１３１）内には、エアロゲル充填材（１３２）が設置され、前記断熱層（１３）はパーライト板で製造され、且つ前記エアロゲル取付け溝（１３１）は球状溝であり、前記エアロゲル充填材（１３２）によって前記エアロゲル取付け溝（１３１）が完全に充填され、且つ前記エアロゲル取付け溝（１３１）の深さは防火層（１２）の厚さと一致し、前記プロセスは、
   切断して上面層（１１）、防火層（１２）、断熱層（１３）、ポリウレタン層（１４）及び下面層（１５）を製造する材料準備ステップＳ１と、
   防火層（１２）、断熱層（１３）及びポリウレタン層（１４）を順次貼り付けて固定する複合ステップＳ２と、
   エアロゲル充填材（１３２）の原料を防火層（１２）上の加工孔（１２２）内に入れるゲル入れステップＳ３と、
   エアロゲル充填材（１３２）をエアロゲル取付け溝（１３１）内に押し込んで、加工孔（１２２）をシールするゲル押込ステップＳ４と、
   上面層（１１）及び下面層（１５）をそれぞれ防火層（１２）及びポリウレタン層（１４）に複合するパッケージングステップＳ５と、
   検査ステップＳ６とを含み、
   ステップＳ３及びステップＳ４において、ゲル押込装置を導入し、前記ゲル押込装置は、順番に設置された第１のコンベアベルト（２）、作業台（３）及び第２のコンベアベルト（４）を含み、前記作業台（３）の中央には、作業台（３）上のエアロゲル複合保温防火板を駆動するための再駆動機構（５）が設置され、且つ前記作業台（３）の両側には、エアロゲル複合保温防火板の各加工孔（１２２）内にゲルを入れるためのゲル入れ機構（６）、及び加工孔（１２２）内のエアロゲル充填材（１３２）をエアロゲル取付け溝（１３１）内に押し込むためのゲル押込機構（７）がそれぞれ設置され、前記ゲル入れ機構（６）は、前記作業台（３）の側壁に固定された第１の操作アーム（６１）を含み、前記第１の操作アーム（６１）の端部には、内部が中空に設けられた材料排出板（６２）が固定的に取付けられ、前記材料排出板（６２）は水平に設置され、且つ材料排出板（６２）の底面には、加工孔（１２２）と１対１に対応して配置された材料排出管（６２１）が均一に設けられており、前記材料排出管（６２１）はエアロゲル充填材（１３２）を置くために用いられ、前記材料排出板（６２）の底面には、前記材料排出管（６２１）の内部と連通している吸着孔が開けられ、前記吸着孔内にはゴムスリーブが穿設され、前記ゴムスリーブの端部は延在して前記材料排出管（６２１）内に設置され、前記ゲル入れ機構（６）は、前記作業台（３）の外に設置された真空ポンプ（６３）をさらに含み、前記真空ポンプ（６３）と前記材料排出板（６２）との間には真空管（６３１）が接続され、前記真空管（６３１）は前記材料排出板（６２）の内部と連通し、前記材料排出板（６２）の底面には、複数の空気圧縮溝（６２２）が上向きに凹んで成形され、前記空気圧縮溝（６２２）は前記材料排出管（６２１）の間に均一に配置され、前記作業台（３）には、角固定機構（８）がさらに設置され、前記角固定機構（８）は、前記作業台（３）にスライド可能に取付けられた角スリーブ（８２）と、作業台（３）の隅に固定された電動プッシュロッド（８１）とを含み、前記電動プッシュロッド（８１）のピストンロッドは前記角スリーブ（８２）に固定接続され、前記角スリーブ（８２）はエアロゲル複合保温防火板の角端を嵌接するために用いられ、前記角固定機構（８）は合計４組設置され、４組の角固定機構（８）は作業台（３）の四隅にそれぞれ設置され、前記角スリーブ（８２）の内側にガイド曲面（８２１）の形状を有しており、前記角スリーブ（８２）はポリテトラフルオロエチレンで製造され、且つ角スリーブ（８２）内の厚さは、防火層（１２）、断熱層（１３）及びポリウレタン層（１４）の厚さの合計と一致し、前記ゲル押込機構（７）は、作業台（３）の側壁に固定的に取付けられた第２のロボットアームを含み、前記第２のロボットアームはエアロゲル複合保温防火板上のシールスタッド（１２３）を取付けるために用いられ、前記作業台（３）内には、エアロゲル複合保温防火板を加熱するためのヒーターが固定的に取付けられている、ことを特徴とするエアロゲル複合保温防火板の製造プロセス。
2. 前記作業台（３）の中央に調整溝（３１）が開けられ、前記再駆動機構（５）は前記調整溝（３１）内に設置され、前記再駆動機構（５）は、前記調整溝（３１）の底部に固定された回転モータ（５１）と、前記回転モータ（５１）の出力端に固定された第３のコンベアベルト（５２）とを含む、ことを特徴とする請求項１に記載のエアロゲル複合保温防火板の製造プロセス。