JP7400559B2 - モータ制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、同期モータを制御するモータ制御装置に関する。
特許文献1には、同期モータであるモータを低速回転させるときにはベクトル制御を実施し、モータを高速回転させるときには弱め界磁制御を実施するモータ制御装置の一例が記載されている。
ベクトル制御では、モータトルクの指令値であるトルク指令値を基に、ベクトル制御の回転座標のd軸の成分の電流の指令値であるd軸電流指令値と、回転座標のq軸の成分の電流の指令値であるq軸電流指令値とが導出される。d軸及びq軸は、回転座標上で互いに直交している。そして、d軸電流指令値とq軸電流指令値とを基に、d軸の成分の電圧の指令値であるd軸電圧指令値、及び、q軸の成分の電圧の指令値であるq軸電圧指令値が導出される。そして、これら各電圧指令値に基づいてインバータを制御することにより、モータが駆動される。
弱め界磁制御では、トルク指令値とモータの実トルクとの偏差に基づいてd軸電流指令値が導出され、当該d軸電流指令値に基づいてd軸電圧指令値が導出される。また、制限電圧とd軸電圧指令値とを基に、q軸電圧指令値が導出される。そして、これら各電圧指令値に基づいてインバータを制御することにより、モータが駆動される。
上記のモータ制御では、弱め界磁制御を実施しているときに所定の切替条件が成立すると、モータの駆動制御が弱め界磁制御からベクトル制御に切り替えられる。すなわち、トルク指令値をベクトル制御によって実現するためのd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値が導出される。このように導出したd軸電圧指令値とq軸電圧指令値とによって表される電圧ベクトルを「判定用電圧ベクトル」とした場合、判定用電圧ベクトルの長さが制限電圧を下回ると所定の切替条件が成立したと判断され、モータの駆動制御が弱め界磁制御からベクトル制御に切り替えられる。
上記判定用電圧ベクトルは、回転座標上においてトルク指令値の等トルク線上の点を指す。そして、ベクトル制御での各電流指令値の導出手法によっては、トルク指令値が変わっても、上記判定用電圧ベクトルがトルク指令値の等トルク線と電圧制限円との交点を差し続けることがある。この場合、判定用電圧ベクトルの長さが制限電圧と等しい状態が維持されるため、判定用電圧ベクトルの長さが制限電圧を下回る状態にならず、モータの駆動制御をベクトル制御に切り替えることができないことになる。このようにベクトル制御に切り替えられずに弱め界磁制御が継続された場合、ベクトル制御に切り替えられた場合と比較して効率が低下するおそれがある。
上記課題を解決するためのモータ制御装置は、ベクトル制御の回転座標における、第1軸の成分の電圧の指令値である第1電圧指令値及び前記第1軸と直交する第2軸の成分の電圧の指令値である第2電圧指令値を導出し、前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値に基づいて同期モータであるモータを駆動させる装置である。このモータ制御装置は、前記モータのトルクと前記第1軸の成分の電流及び前記第2軸の成分の電流との関係を示すトルク電流マップを基に、前記モータのトルクの指令値であるトルク指令値に応じた前記第1軸の成分の電流を第1電流指令値として導出し、前記トルク指令値に応じた前記第2軸の成分の電流を第2電流指令値として導出する電流指令値導出部と、前記第1電流指令値を基に前記第1電圧指令値を導出し、前記第2電流指令値を基に前記第2電圧指令値を導出する第1処理、及び、前記第2電流指令値を基に前記第1電圧指令値を導出し、前記モータ制御装置の制限電圧と前記第1電圧指令値とを基に前記第2電圧指令値を導出する第2処理と、を実行可能である電圧指令値導出部と、を備えている。そして、前記電圧指令値導出部は、前記第2処理によって導出された前記各電圧指令値に基づいて前記モータが駆動している場合、前記トルク指令値を満たす前記各電圧指令値を前記第1処理によって導出可能であると判定したときには、前記各電圧指令値を導出する処理を前記第2処理から前記第1処理に切り替える。
第1処理によって導出された各電圧指令値に基づいてモータを駆動させることをベクトル制御という。第2処理によって導出された各電圧指令値に基づいてモータを駆動させることを弱め界磁制御という。
上記構成によれば、弱め界磁制御によってモータが駆動されている場合、トルク指令値を満たす各電圧指令値を第1処理によって導出可能であるか否かの判定が行われる。そして、導出可能であると判定されると、各電圧指令値を導出する処理が第2処理から第1処理に切り替えられる。当該第1処理では、予め定めたトルク電流マップを用いて各電流指令値が導出される。そして、第1処理で導出された各電圧指令値に基づいてモータが駆動される。すなわち、第1処理によって導出される各電圧指令値が予め定められた範囲内のものであり、この範囲でトルク指令値を導出可能であるか否かという点で制御の切り替えが行われる。これにより、モータの駆動制御を、弱め界磁制御からベクトル制御に切り替えることができる。
また、d軸電圧指令値とq軸電圧指令値とによって表される電圧ベクトルを所定の電圧ベクトルとした場合、回転座標上では、ベクトル制御に切り替えることによって、電圧制限円よりも内側を所定の電圧ベクトルが指すようになる。その結果、所定の電圧ベクトルが等トルク線と電圧制限円との交点を差し続ける場合と比較し、効率よくモータを駆動させることができる。
以下、モータ制御装置の一実施形態を図1~図6に従って説明する。
図1は、本実施形態のモータ制御装置10と、モータ制御装置10によって制御されるモータ100とを示している。モータ100は、永久磁石が設けられているロータ101を備えている。モータ100は、永久磁石がロータ101の内部に埋め込まれている埋込磁石型の同期モータである。モータ100は、三相コイルとしてU相、V相及びW相のコイルを備えている。なお、モータ100は、例えば、車載のブレーキ装置におけるブレーキ液の吐出用ポンプの動力源として用いられる。
図1は、本実施形態のモータ制御装置10と、モータ制御装置10によって制御されるモータ100とを示している。モータ100は、永久磁石が設けられているロータ101を備えている。モータ100は、永久磁石がロータ101の内部に埋め込まれている埋込磁石型の同期モータである。モータ100は、三相コイルとしてU相、V相及びW相のコイルを備えている。なお、モータ100は、例えば、車載のブレーキ装置におけるブレーキ液の吐出用ポンプの動力源として用いられる。
モータ制御装置10は、d軸の成分の電流及びq軸の成分の電流を制御する駆動制御によってモータ100を駆動させる。d軸及びq軸とは、ベクトル制御の回転座標上の制御軸である。d軸は、永久磁石の磁束軸の方向に延びる制御軸である。q軸は、トルクの方向に延びる制御軸であって、d軸とは直交している。モータ制御装置10は、d軸の成分の電流の指令値とq軸の成分の電流の指令値とに基づいた信号を三相コイルに入力することによってモータ100を駆動させる。なお、本実施形態では、d軸が「第1軸」に相当し、q軸が「第2軸」に相当する。
モータ制御装置10は、指令トルク導出部11、記憶部12、電流指令値導出部13、電圧指令値導出部14、2相/3相変換部15、インバータ16、3相/2相変換部17、回転角取得部18及びロータ位置推定部19を有している。
指令トルク導出部11は、モータ100のトルクの指令値であるトルク指令値TR*を導出する。すなわち、指令トルク導出部11は、モータ100の負荷トルクの推定値TRLdと、モータ100のロータ回転数の指令値である回転数指令値ωm*と、ロータ回転数の推定値である推定回転数ωmとを基に、トルク指令値TR*を導出する。
記憶部12は、予め設定されたトルク電流マップ12mapを記憶している。モータ電源110からモータ制御装置10に向けて流れる電流を電源電流Ibtとし、予め設定されている電源電流の上限値を電源電流上限値Ibtcとする。トルク電流マップ12mapは、電源電流上限値Ibtcよりも大きな電流がモータ電源110からモータ制御装置10に流れることを許容した場合における、モータ100のトルクTRと、d軸の成分の電流及びq軸の成分の電流との関係を示すものである。例えば、第1トルクに対応するd軸の成分の電流及びq軸の成分の電流とは、モータ100のトルクを第1トルクとするためのd軸の成分の電流及びq軸の成分の電流である。より詳しくは、トルク電流マップ12mapを用いて導出されるd軸の成分の電流とq軸の成分の電流とで表される電流ベクトルは、回転座標上で最大トルク曲線LTRmax上の点を指す。
なお、最大トルク曲線LTRmaxとは、回転座標上において、電流値の異なる定電流円毎にモータ100から出力可能な最大トルクを記憶し、記憶された点を繋げた線である。
電流指令値導出部13は、トルク指令値TR*を基に、d軸の成分の電流の指令値であるd軸電流指令値Idc、及び、q軸の成分の電流の指令値であるq軸電流指令値Iqcを導出する。すなわち、電流指令値導出部13は、トルク電流マップ12mapを基に、トルク指令値TR*に応じたd軸の成分の電流であるd軸電流指令値Idc及びq軸の成分の電流であるq軸電流指令値Iqcを取得する。本実施形態では、d軸電流指令値Idcが「第1電流指令値」に相当し、q軸電流指令値Iqcが「第2電流指令値」に相当する。
電圧指令値導出部14は、d軸の成分の電圧の指令値であるd軸電圧指令値Vdcと、q軸の成分の電圧の指令値であるq軸電圧指令値Vqcとを導出する。すなわち、電圧指令値導出部14は、各電流指令値Idc,Iqcと、d軸電流Id及びq軸電流Iqと、モータ100の電気角速の推定値ωeと、電源電流上限値Ibtc及び電源電流Ibtとを基に、d軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcを導出する。本実施形態では、d軸電圧指令値Vdcが「第1電圧指令値」に相当し、q軸電圧指令値Vqcが「第2電圧指令値」に相当する。なお、d軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcの具体的な導出処理については後述する。
2相/3相変換部15は、ロータ101の回転角の推定値であるロータ推定回転角(電気角)θeを基に、d軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcを、U相指令電圧VU*と、V相指令電圧VV*と、W相指令電圧VW*とに変換する。U相指令電圧VU*は、U相のコイルに印加する電圧の指令値である。V相指令電圧VV*は、V相のコイルに印加する電圧の指令値である。W相指令電圧VW*は、W相のコイルに印加する電圧の指令値である。
インバータ16は、モータ電源110から供給される電力によって動作する複数のスイッチング素子を有している。インバータ16は、2相/3相変換部15から入力されたU相指令電圧VU*に基づいたスイッチング素子のオン/オフ動作によってU相信号を生成する。また、インバータ16は、入力されたV相指令電圧VV*に基づいたスイッチング素子のオン/オフ動作によってV相信号を生成する。また、インバータ16は、入力されたW相指令電圧VW*に基づいたスイッチング素子のオン/オフ動作によってW相信号を生成する。すると、U相信号がモータ100のU相のコイルに入力され、V相信号がV相のコイルに入力され、W相信号がW相のコイルに入力される。そして、インバータ16に生成された各信号がモータ100に入力されると、モータ100が駆動する。インバータ16に生成された各信号は、d軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcに基づいた信号である。
3相/2相変換部17には、モータ100のU相のコイルに流れた電流であるU相電流IUが入力され、V相のコイルに流れた電流であるV相電流IVが入力され、W相のコイルに流れた電流であるW相電流IWが入力される。そして、3相/2相変換部17は、ロータ推定回転角(電気角)θeを基に、U相電流IU、V相電流IV及びW相電流IWを、d軸の成分の電流であるd軸電流Id及びq軸の成分の電流であるq軸電流Iqに変換する。
ロータ位置推定部19は、実d軸の方向と推定d軸の方向との軸位相偏差Δθを導出する。ロータ位置推定部19には、3相/2相変換部17によって導出されたd軸電流Id及びq軸電流Iqが入力される。さらに、ロータ位置推定部19には、電圧指令値導出部14によって導出されたd軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcが入力される。ロータ位置推定部19は、例えば拡張誘起電圧方式によって軸位相偏差Δθを導出する。この場合、ロータ位置推定部19は、d軸電流Id及びq軸電流Iqと、d軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcとを基に軸位相偏差Δθを導出する。
また、ロータ位置推定部19は、ロータ101の電気角速の推定値ωeを導出する。ロータ位置推定部19は、例えば、軸位相偏差Δθを目標値「0」とすべく比例積分制御することによって電気角速の推定値ωeを導出する。ロータ位置推定部19は、電気角速の推定値ωeをモータ100の極対数Pnで割ることによって、ロータ101の機械角である推定回転数ωmを導出する。
回転角取得部18は、ロータ推定回転角θeを取得する。回転角取得部18は、例えば、ロータ位置推定部19によって導出された電気角速の推定値ωeを積分することによって、ロータ推定回転角θeを導出する。
次に、図2を参照し、電圧指令値導出部14の回路構成について詳述する。
電圧指令値導出部14は、d軸電流指令値Idcとd軸電流Idとの偏差であるd軸電流偏差ΔIdを導出する第1d軸演算器31と、d軸電流偏差ΔIdとモータ100の応答周波数ωcとの積を導出する第2d軸演算器32を有している。
電圧指令値導出部14は、d軸電流指令値Idcとd軸電流Idとの偏差であるd軸電流偏差ΔIdを導出する第1d軸演算器31と、d軸電流偏差ΔIdとモータ100の応答周波数ωcとの積を導出する第2d軸演算器32を有している。
電圧指令値導出部14は、第2d軸演算器32による導出値(=ΔId・ωc)が入力されるd軸積算器33を有している。後述する第1d軸スイッチ部34によって選択された値をd軸選択値Inpdとした場合、d軸積算器33は、d軸選択値Inpdの前回値と、第2d軸演算器32による導出値との和をd軸電流積分値Id1の最新値として導出する。なお、d軸選択値Inpdの前回値は、前回の制御サイクル時に第1d軸スイッチ部34によって選択されたd軸選択値Inpdである。
電圧指令値導出部14は、d軸電流指令値Idc及びd軸電流積分値Id1の最新値のうちの一方の値を選択し、選択した値をd軸選択値Inpdとして出力する第1d軸スイッチ部34と、d軸選択値Inpdとモータ100の抵抗値Rとの積をd軸基準電圧Vdbとして導出する抵抗値積算器35とを有している。電圧指令値導出部14は、第2d軸演算器32による導出値と、モータ100のd軸インダクタンスLdとの積を演算値Vdeとして導出するd軸インダクタンス積算器36を有している。電圧指令値導出部14は、演算値Vdeの高周波成分を抽出して第3d軸演算器39に出力するハイパスフィルタ37を有している。電圧指令値導出部14は、ハイパスフィルタ37によって抽出された高周波成分と演算値Vdeとの一方の値を選択して第3d軸演算器39に出力させる第2d軸スイッチ部38を有している。そして、第3d軸演算器39は、第2d軸スイッチ部38によって選択された値とd軸基準電圧Vdbとの和を演算値Vde2として導出する。
電圧指令値導出部14は、後述するq軸側非干渉F/F部57で導出されたq軸F/F値Vffqと、演算値Vde2との和をd軸電圧指令値Vdcとして導出する第4d軸演算器40を有している。
また、電圧指令値導出部14は、第1d軸スイッチ部34によって選択されたd軸選択値Inpdが入力されるd軸側非干渉F/F部41を有している。d軸側非干渉F/F部41は、d軸選択値Inpdと、モータ100の電気角速度の推定値ωeと、モータ100のd軸インダクタンスLdとの積をd軸F/F値Vffdとして導出する。d軸F/F値Vffdは、d軸の成分の電圧がq軸側に影響を与えている成分に相当する。そのため、d軸F/F値Vffdが、後述する第5q軸演算器61に入力される。
電圧指令値導出部14は、電源電流上限値Ibtcと電源電流Ibtとの偏差である電源電流偏差ΔIbtを導出する電源電流演算器51と、電源電流偏差ΔIbtを入力とするフィードバック制御を実施して演算値Iq_compを導出するF/B部52とを有している。電圧指令値導出部14は、q軸電流指令値Iqcから演算値Iq_compを引いた値を補正後q軸電流指令値Iqc1として導出する第1q軸演算器53と、補正後q軸電流指令値Iqc1とq軸電流Iqとの偏差であるq軸電流偏差ΔIqを導出する第2q軸演算器54とを有している。
電圧指令値導出部14は、q軸電流偏差ΔIqと応答周波数ωcとの積を導出する第3q軸演算器55を有している。電圧指令値導出部14は、第3q軸演算器55による導出値(=ΔIq・ωc)を積分した値をq軸電流積分値Iq1として導出するq軸積算器56を有している。q軸積算器56は、q軸積算器56によって前回の制御サイクル時に導出されたq軸電流積分値Iq1をq軸電流積分値Iq1の前回値とした場合、q軸積算器56は、q軸電流積分値Iq1の前回値と第3q軸演算器55による導出値との和をq軸電流積分値Iq1の最新値として導出する。
電圧指令値導出部14は、q軸電流積分値Iq1の最新値が入力されるq軸側非干渉F/F部57を有している。q軸側非干渉F/F部57は、q軸電流積分値Iq1と、電気角速度の推定値ωeと、モータ100のq軸インダクタンスLqとの積をq軸F/F値Vffqとして導出する。q軸F/F値Vffqは、q軸の成分の電圧がd軸側に影響を与えている成分に相当する。そのため、q軸F/F値Vffqが、第4d軸演算器40に入力される。
電圧指令値導出部14は、q軸電流積分値Iq1の最新値と抵抗値Rとの積をq軸基準電圧Vqbとして導出する抵抗値積算器58と、第3q軸演算器55による導出値とq軸インダクタンスLqとの積を演算値Vqeとして導出するq軸インダクタンス積算器59とを有している。電圧指令値導出部14は、q軸基準電圧Vqbと演算値Vqeとの和を演算値Vqe2として導出する第4q軸演算器60と、d軸側非干渉F/F部41で導出されたd軸F/F値Vffdと演算値Vqe2との和を導出する第5q軸演算器61とを有している。
電圧指令値導出部14は、第5q軸演算器61で導出された値と、モータ制御装置10の制限電圧Vmを二乗した値とd軸電圧指令値Vdcを二乗した値との差の平方根とのうち、一方の値を選択するq軸スイッチ部62を有している。そして、q軸スイッチ部62によって選択された値が、q軸電圧指令値Vqcとして出力される。制限電圧Vmとは、モータ電源110の電圧に基づいた値であり、インバータ16から出力可能な電圧である。したがって、モータ100は制限電圧Vmを超えた出力はできない。
本実施形態では、モータ100の駆動制御をベクトル制御と弱め界磁制御とで使い分けている。ベクトル制御は低速回転用の駆動制御であり、弱め界磁制御は高速回転用の駆動制御である。
次に、図2を参照し、ベクトル制御について説明する。
ベクトル制御でモータ100を駆動させる場合、第1d軸スイッチ部34がd軸電流積分値Id1を選択する。すなわち、ベクトル制御によってモータ100を駆動させる場合、第2d軸演算器32による導出値を積分した値が各電圧指令値Vdc,Vqcの導出に用いられる。また、第2d軸スイッチ部38が、演算値Vdeを第3d軸演算器39に入力させることを選択する。また、q軸スイッチ部62が、第5q軸演算器61で導出された値をq軸電圧指令値Vqcとして選択する。図2に示したように各スイッチ部34,38,62を操作した状態でd軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcを導出する処理のことを、「第1処理」ともいう。すなわち、第1処理では、d軸電流指令値Idcを基にd軸電圧指令値Vdcが導出され、q軸電流指令値Iqcを基にq軸電圧指令値Vqcが導出される。
ベクトル制御でモータ100を駆動させる場合、第1d軸スイッチ部34がd軸電流積分値Id1を選択する。すなわち、ベクトル制御によってモータ100を駆動させる場合、第2d軸演算器32による導出値を積分した値が各電圧指令値Vdc,Vqcの導出に用いられる。また、第2d軸スイッチ部38が、演算値Vdeを第3d軸演算器39に入力させることを選択する。また、q軸スイッチ部62が、第5q軸演算器61で導出された値をq軸電圧指令値Vqcとして選択する。図2に示したように各スイッチ部34,38,62を操作した状態でd軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcを導出する処理のことを、「第1処理」ともいう。すなわち、第1処理では、d軸電流指令値Idcを基にd軸電圧指令値Vdcが導出され、q軸電流指令値Iqcを基にq軸電圧指令値Vqcが導出される。
次に、図3を参照し、弱め界磁制御について説明する。
弱め界磁制御でモータ100を駆動させる場合、第1d軸スイッチ部34がd軸電流指令値Idcを選択する。また、第2d軸スイッチ部38が、演算値Vdeからハイパスフィルタ37によって抽出された高周波変動成分を第3d軸演算器39に入力させることを選択する。すなわち、ベクトル制御によってモータ100を駆動させる場合、演算値Vdeの高周波変動成分が各電圧指令値Vdc,Vqcの導出に用いられる。なお、ハイパスフィルタ37によって抽出された高周波変動成分は、d軸電流Idの高周波変動成分であるともいえる。また、q軸スイッチ部62が、制限電圧Vmを二乗した値とd軸電圧指令値Vdcを二乗した値との差の平方根を選択する。図3に示したように各スイッチ部34,38,62を操作した状態でd軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcを導出する処理のことを、「第2処理」ともいう。すなわち、第2処理では、d軸電流指令値Idcとq軸電流指令値Iqcを基にd軸電圧指令値Vdcが導出され、制限電圧Vmとd軸電圧指令値Vdcとを基にq軸電圧指令値Vqcが導出される。より詳しくは、第2処理では、d軸電流Idの高周波変動成分、及び、q軸電流指令値Iqcを基に、d軸電圧指令値Vdcが導出される。
弱め界磁制御でモータ100を駆動させる場合、第1d軸スイッチ部34がd軸電流指令値Idcを選択する。また、第2d軸スイッチ部38が、演算値Vdeからハイパスフィルタ37によって抽出された高周波変動成分を第3d軸演算器39に入力させることを選択する。すなわち、ベクトル制御によってモータ100を駆動させる場合、演算値Vdeの高周波変動成分が各電圧指令値Vdc,Vqcの導出に用いられる。なお、ハイパスフィルタ37によって抽出された高周波変動成分は、d軸電流Idの高周波変動成分であるともいえる。また、q軸スイッチ部62が、制限電圧Vmを二乗した値とd軸電圧指令値Vdcを二乗した値との差の平方根を選択する。図3に示したように各スイッチ部34,38,62を操作した状態でd軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcを導出する処理のことを、「第2処理」ともいう。すなわち、第2処理では、d軸電流指令値Idcとq軸電流指令値Iqcを基にd軸電圧指令値Vdcが導出され、制限電圧Vmとd軸電圧指令値Vdcとを基にq軸電圧指令値Vqcが導出される。より詳しくは、第2処理では、d軸電流Idの高周波変動成分、及び、q軸電流指令値Iqcを基に、d軸電圧指令値Vdcが導出される。
第2処理が実行される場合であっても、すなわち弱め界磁制御によってモータ100を駆動させる場合であっても、d軸側非干渉F/F部41で導出されたd軸F/F値Vffdと演算値Vqe2との和が第5q軸演算器61によって導出される。当該和を、「切替電圧値Vqc’」とした場合、切替電圧値Vqc’は、d軸電流指令値Idc及びq軸電流偏差ΔIqを基に導出される。詳しくは後述するが、切替電圧値Vqc’は、弱め界磁制御からベクトル制御への切り替えの判断基準として用いられる。
次に、図4を参照し、モータ制御装置10によって実行される処理ルーチンについて説明する。この処理ルーチンは、所定の制御サイクル毎に繰り返し実行される。
本処理ルーチンにおいて、ステップS11では、弱め界磁制御によってモータ100を駆動させているか否かの判定が行われる。弱め界磁制御によってモータ100を駆動させているとの判定がなされた場合(S11:YES)、処理が次のステップS12に移行される。ステップS12において、第1切り替え条件が成立しているか否かの判定が行われる。本実施形態では、以下の条件式(式1)を満たす場合は第1切り替え条件が成立したと判定する。一方、条件式(式1)を満たさない場合は第1切り替え条件が成立したと判定しない。
本処理ルーチンにおいて、ステップS11では、弱め界磁制御によってモータ100を駆動させているか否かの判定が行われる。弱め界磁制御によってモータ100を駆動させているとの判定がなされた場合(S11:YES)、処理が次のステップS12に移行される。ステップS12において、第1切り替え条件が成立しているか否かの判定が行われる。本実施形態では、以下の条件式(式1)を満たす場合は第1切り替え条件が成立したと判定する。一方、条件式(式1)を満たさない場合は第1切り替え条件が成立したと判定しない。
ステップS12において、制限電圧Vmを二乗した値と、d軸電圧指令値Vdcを二乗した値との差が、切替電圧値Vqc’を二乗した値以下である場合(S12:NO)、トルク指令値TR*を満たす各電圧指令値Vdc,Vqcを第1処理によって導出可能と判定しないため、第1切り替え条件が成立したとの判定がなされず、処理が次のステップS13に移行される。ステップS13において、弱め界磁制御によってモータ100を駆動させる状態が継続される。そして、本処理ルーチンが一旦終了される。
一方、ステップS12において、制限電圧Vmを二乗した値と、d軸電圧指令値Vdcを二乗した値との差が、切替電圧値Vqc’を二乗した値よりも大きい場合(YES)、トルク指令値TR*を満たす各電圧指令値Vdc,Vqcを第1処理によって導出可能と判定できるため、第1切り替え条件が成立したとの判定がなされ、処理が次のステップS14に移行される。ステップS14において、モータ100の駆動制御が弱め界磁制御からベクトル制御に切り替えされる。すなわち、各電圧指令値Vdc,Vqcの導出処理が、第2処理から第1処理に切り替わる。そして、本処理ルーチンが一旦終了される。
なお、各電圧指令値Vdc,Vqcの導出処理を第2処理から第1処理に切り替えた場合、第1d軸スイッチ部34がd軸電流積分値Id1を選択する。第1d軸スイッチ部34がd軸電流指令値Idcを選択する状態からd軸電流積分値Id1を選択する状態に切り替わった直後においては、d軸電流積分値Id1の前回値はd軸電流指令値Idcである。つまり、切り替え直後のd軸電流積分値Id1は、d軸電流指令値Idcの前回値と第2d軸演算器32による導出値との和である。また、切り替え直後では、d軸電流偏差ΔIdが小さいため、切り替え直後の第2d軸演算器32による導出値は小さい。すなわち、切り替え直後のd軸電流積分値Id1は、d軸電流指令値Idcの前回値とほぼ等しい。そのため、第2処理から第1処理に切り替わり、第1処理での各電圧指令値Vdc,Vqcの初回の導出時には、d軸電流指令値Idcの前回値に応じて各電圧指令値Vdc,Vqcが導出されるといえる。
その一方で、ステップS11において、弱め界磁制御によってモータ100を駆動させているとの判定がなされていない場合(NO)、ベクトル制御によってモータ100を駆動させているため、処理が次のステップS15に移行される。ステップS15において、第2切り替え条件が成立しているか否かの判定が行われる。本実施形態では、以下の条件式(式2)を満たす場合は第2切り替え条件が成立したと判定する。一方、条件式(式2)を満たさない場合は第2切り替え条件が成立したと判定しない。
一方、ステップS15において、制限電圧Vmを二乗した値と、d軸電圧指令値Vdcを二乗した値との差が、切替電圧値Vqc’を二乗した値以下である場合(YES)、第2切り替え条件が成立したとの判定がなされるため、処理が次のステップS17に移行される。ステップS17において、モータ100の駆動制御がベクトル制御から弱め界磁制御に切り替えされる。そして、本処理ルーチンが一旦終了される。
次に、図5及び図6を参照し、本実施形態の作用及び効果について説明する。
弱め界磁制御によってモータ100が駆動されている場合、第2処理によってd軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcが導出される。第2処理では、d軸電流指令値Idc及びq軸電流指令値Iqcを基に、d軸電圧指令値Vdcが導出される。また、制限電圧Vmを二乗した値と、d軸電圧指令値Vdcを二乗した値との差の平方根が、q軸電圧指令値Vqcとして導出される。そして、このように導出された各電圧指令値Vdc,Vqcを基にインバータ16が操作されることによって、モータ100が駆動する。このように弱め界磁制御によってモータ100が駆動している場合、切替電圧値Vqc’が導出されている。
弱め界磁制御によってモータ100が駆動されている場合、第2処理によってd軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcが導出される。第2処理では、d軸電流指令値Idc及びq軸電流指令値Iqcを基に、d軸電圧指令値Vdcが導出される。また、制限電圧Vmを二乗した値と、d軸電圧指令値Vdcを二乗した値との差の平方根が、q軸電圧指令値Vqcとして導出される。そして、このように導出された各電圧指令値Vdc,Vqcを基にインバータ16が操作されることによって、モータ100が駆動する。このように弱め界磁制御によってモータ100が駆動している場合、切替電圧値Vqc’が導出されている。
ここで、d軸の成分の電圧をd軸電圧指令値Vdcとし、q軸の成分の電圧を切替電圧値Vqc’とするときの電圧ベクトルを判定電圧ベクトルとした場合、判定電圧ベクトルは、図5に示す回転座標上において、最大トルク曲線LTRmaxとトルク指令値TR*の等トルク線L1との交点P1を指す。d軸電流指令値Idcはトルク指令値TR*に基づいた値であり、切替電圧値Vqc’はd軸電流指令値Idcに基づいて導出される。すなわち、トルク指令値TR*が小さくなれば切替電圧値Vqc’もまた低くなる。そのため、トルク指令値TR*によって、図5に示すように判定電圧ベクトルが指す点である交点P1が電圧制限円C1外に配置されたり、図6に示すように交点P1が電圧制限円C1内に配置されたりする。図5に示すように上記交点P1が電圧制限円C1の外に位置する場合、制限電圧Vmを二乗した値と、d軸電圧指令値Vdcを二乗した値との差が切替電圧値Vqc’を二乗した値以下となる。そのため、モータ100の駆動制御が弱め界磁制御からベクトル制御に切り替わらない。
しかし、トルク指令値TR*が小さくなると、図6で破線矢印で示すように、回転座標上においてトルク指令値TR*の等トルク線L1が変位する。そして、図6に示すように上記交点P1が電圧制限円C1内に位置するようになると、d軸電圧指令値Vdcを二乗した値との差が切替電圧値Vqc’を二乗した値よりも大きくなる。この場合、第1処理によって導出された各電圧指令値Vdc,Vqcを基にモータ100を駆動させることにより、理論上、モータ100のトルクをトルク指令値TR*とすることが可能となる。そのため、モータ100の駆動制御が、弱め界磁制御からベクトル制御に切り替わる。
ここで、弱め界磁制御からベクトル制御の切り替え判定に、切替電圧値Vqc’ではなくq軸電圧指令値Vqcを用いる比較例を考える。この比較例で実行される第2処理では、第1d軸スイッチ部34によってd軸電流積分値Id1が選択されることになる。すると、切り替え判定に切替電圧値Vqc’を用いる本実施形態の場合と比較し、d軸電流積分値Id1の前回値は大きな値となる。これは、弱め界磁制御中ではd軸電流Idが大きく、d軸電流指令値Idcから乖離しているためにd軸電流偏差ΔIdが大きな値となり、第2d軸演算器32による導出値が大きな値となるためである。これにより、d軸電流積分値Id1が大きな値となり、その前回値を基にd軸電流積分値Id1が更新される。すると、d軸電流積分値Id1が大きな値であるため、d軸F/F値Vffdが大きくなる。その結果、q軸電圧指令値Vqcが大きい値となる。同様に、d軸電流積分値Id1が大きな値であるため、d軸基準電圧Vdbが大きくなる。すると、演算値Vde2が大きくなるため、d軸電圧指令値Vdcも大きい値となる。その結果、d軸電圧指令値Vdcの二乗とq軸電圧指令値Vqcの二乗との和が制限電圧Vmの二乗よりも常に大きい関係が成り立ってしまう。この場合、上記ステップS12の判定が「YES」とならず、弱め界磁制御が継続されてしまう。
これに対し、本実施形態で実行される第2処理では、第1d軸スイッチ部34がd軸電流指令値Idcを選択する。これにより、d軸電流Idに影響されるq軸電圧指令値Vqcではなく、d軸電流Idに影響されない切り替え電圧値Vqc’を切り替え判定に用いることができる。切り替え電圧値Vqc’は、トルク電流マップ12mapに基づいたd軸電流指令値Idcから演算されるため、比較例で導出されるq軸電圧指令値Vqcのように大きな値にならない。同様に、本実施形態で実行される第2処理では、d軸電圧指令値Vdcもd軸電流指令値Idcから演算されるため、比較例で導出されるd軸電圧指令値Vdcのように大きな値にならない。したがって、d軸電流指令値Idcが小さくなると、d軸電圧指令値Vdcの二乗とq軸電圧指令値Vqcの二乗との和が制限電圧Vmの二乗よりも小さくなる。よって、モータ100の駆動制御を、弱め界磁制御からベクトル制御に切り替えることができる。
ベクトル制御によってモータ100が駆動されている場合、第1処理によってd軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcが導出される。第1処理では、d軸電流偏差ΔId及びq軸電流偏差ΔIqを基に、d軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcが導出される。そして、このように導出された各電圧指令値Vdc,Vqcを基にインバータ16が操作されることによって、モータ100が駆動する。
ベクトル制御によってモータ100が駆動している場合、トルク指令値TR*が大きくなると、制限電圧Vmを二乗した値と、d軸電圧指令値Vdcを二乗した値との差がq軸電圧指令値Vqcを二乗した値よりも大きい状態から、当該差がq軸電圧指令値Vqcを二乗した値以下の状態に移行する。このように状態が移行されると、モータ100の駆動制御が、ベクトル制御から弱め界磁制御に切り替わる。
なお、本実施形態では、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(1)弱め界磁制御によってモータ100を駆動させている場合、モータ100のロータ回転数が高くなると、補正後q軸電流指令値Iqc1に対してq軸電流Iqが共振してしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、弱め界磁制御によってモータ100を駆動させている場合、演算値Vdeの高周波成分を用いてd軸電圧指令値Vdcが導出される。演算値Vdeの高周波成分は、d軸電流Idの高周波の振動成分である。こうしたd軸電圧指令値Vdcと、制限電圧Vmから求めたq軸電圧指令値Vqcとを基にモータ100を駆動させることにより、補正後q軸電流指令値Iqc1に対するq軸電流Iqの共振を打ち消すことができる。その結果、弱め界磁制御によってモータ100を高速回転させる際における制御性を向上できる。
(1)弱め界磁制御によってモータ100を駆動させている場合、モータ100のロータ回転数が高くなると、補正後q軸電流指令値Iqc1に対してq軸電流Iqが共振してしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、弱め界磁制御によってモータ100を駆動させている場合、演算値Vdeの高周波成分を用いてd軸電圧指令値Vdcが導出される。演算値Vdeの高周波成分は、d軸電流Idの高周波の振動成分である。こうしたd軸電圧指令値Vdcと、制限電圧Vmから求めたq軸電圧指令値Vqcとを基にモータ100を駆動させることにより、補正後q軸電流指令値Iqc1に対するq軸電流Iqの共振を打ち消すことができる。その結果、弱め界磁制御によってモータ100を高速回転させる際における制御性を向上できる。
(2)モータ100の駆動制御を弱め界磁制御からベクトル制御に切り替えた際に、各電圧指令値Vdc,Vqcが大きく変わると、駆動制御の切り替えに伴ってモータ100の回転に変動が生じるおそれがある。この点、本実施形態では、各電圧指令値Vdc,Vqcを第2処理から第1処理に切り替わった場合、最初のd軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcの導出時には、d軸電流指令値Idcの前回値を用いてd軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcが導出される。これにより、駆動制御の切り替え時におけるd軸電圧指令値Vdc及びq軸電圧指令値Vqcの急変を抑制でき、ひいては駆動制御の切り替えに伴うモータ100の回転速度の変動を抑制できる。
(3)上述したように、トルク電流マップ12mapは、電源電流上限値Ibtcよりも大きな電流がモータ電源110からモータ制御装置10に流れることを許容して作成されたものである。この一方で、電源電流上限値Ibtcと電源電流Ibtとのフィードバック制御によって導出された演算値Iq_compを基に、各電圧指令値Vdc,Vqcが導出される。これにより、上記のようなマップ12mapを用いて各電流指令値Idc,Iqcを導出しつつも、電源電流Ibtが電源電流上限値Ibtcを上回る状態が継続することを抑制できる。
なお、電源電流上限値Ibtcは、モータ100の設計上の基本性能から定まる値である。しかし、モータ100の製造の関係上、モータ100の性能にばらつきが生じることは避けられない。つまり、設計上の基本性能とは異なる性能のモータ100をモータ制御装置10によって制御することもあり得る。本実施形態では、このようなモータ100を制御する場合であっても、モータ100の駆動時に、実際の電源電流Ibtを電源電流上限値Ibtcまで上昇させることが可能である。つまり、モータ制御装置10の制御対象となるモータ100の性能にばらつきがあったとしても、モータ電源110から供給できる電力を最大限利用してモータ100を駆動させることができる。
(4)また、トルク電流マップ12mapを用いて導出されるd軸の成分の電流とq軸の成分の電流とで表される電流ベクトルが回転座標上で最大トルク曲線LTRmax上の点を指すように、トルク電流マップ12mapは作成されている。そのため、電気エネルギを最大限効率よく利用しつつモータ100を駆動させることができる。
(5)本実施形態では、第2処理にて電源電流上限値Ibtcと電源電流Ibtとの偏差である電源電流偏差ΔIbtを入力とするフィードバック制御を行っている。第1処理においても電源電流偏差ΔIbtを入力とするフィードバック制御を行うことが可能であるが、q軸電流指令値Iqcだけでなくd軸電流指令値Idcに対してもフィードバック制御を行う必要がある。対して、第2処理では、フィードバック制御によって得られた補正後q軸電流指令値Iqc1を基に導出されたd軸電圧指令値Vdcと制限電圧Vmとを基にq軸電圧指令値Vqcが導出される。そのため、補正後q軸電流指令値Iqc1は電源電流上限値Ibtcを満たすように導出され、d軸電流Idに関しては電源電流上限値Ibtcからq軸電流Iqを引いた値が流れることから、d軸電流Idはd軸電流指令値Idcに依存しない。したがって、第2処理にて電源電流上限値Ibtcと電源電流Ibtとの偏差を入力とするフィードバック制御を行う場合、d軸電流指令値Idcに対して電源電流上限値Ibtcと電源電流Ibtとの偏差を入力とするフィードバック制御を行う必要がない分、構成を簡素にできる。
なお、本実施形態では、第1処理中に電源電流上限値Ibtcを超える指令となる場合は、ステップS15の判定が「YES」となるため、第2処理に移行する。そして、第2処理では、電源電流上限値Ibtcと電源電流Ibtとの偏差を入力とするフィードバック制御が行われるため、電源電流Ibtが電源電流上限値Ibtcを超えることはない。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・トルク電流マップ12mapを、電源電流上限値Ibtcを上回るような電流がモータ電源110からモータ制御装置10に流れないことを許容した場合における、モータ100のトルクTRと、d軸の成分の電流及びq軸の成分の電流との関係を示すものとしてもよい。この場合、電源電流上限値Ibtcと電源電流Ibtとのフィードバック制御によって導出された演算値Iq_compでq軸電流指令値Iqcを補正する処理を省略してもよい。
・トルク電流マップ12mapを、電源電流上限値Ibtcを上回るような電流がモータ電源110からモータ制御装置10に流れないことを許容した場合における、モータ100のトルクTRと、d軸の成分の電流及びq軸の成分の電流との関係を示すものとしてもよい。この場合、電源電流上限値Ibtcと電源電流Ibtとのフィードバック制御によって導出された演算値Iq_compでq軸電流指令値Iqcを補正する処理を省略してもよい。
・トルク電流マップ12mapは、当該マップ12mapを用いて導出されるd軸の成分の電流とq軸の成分の電流とで表される電流ベクトルが、最大トルク曲線LTRmaxとは異なるトルク曲線上の点を指すように作成されたものであってもよい。例えば、回転座標上において、各電流においてモータ100から出力可能な最大トルクから所定値を引いた値を示す定電流円と定トルク曲線との接点を繋げたトルク曲線を、所定トルク曲線とした場合、トルク電流マップ12mapは、当該マップ12mapを用いて導出されるd軸の成分の電流とq軸の成分の電流とで表される電流ベクトルが所定トルク曲線上の点を指すように作成されたものであってもよい。
・第2処理において演算値Vdeの高周波成分を用いてd軸電圧指令値Vdcを導出するのであれば、各電流指令値Idc,Iqcの導出に際してトルク電流マップ12mapを用いなくてもよい。
・弱め界磁制御からベクトル制御に切り替わった場合、第1処理によって各電圧指令値Vdc,Vqcを最初に導出するときには、d軸電流指令値Idcの前回値を用いずに各電圧指令値Vdc,Vqcを導出するようにしてもよい。
・第2処理でd軸電圧指令値Vdcを導出する場合、演算値Vdeの高周波成分を用いなくてもよい。この場合、d軸電流指令値Idcを用いず、q軸電流指令値Iqcを用いてd軸電圧指令値Vdcを求めるようにしてもよい。
・第1処理では、d軸電流指令値Idcを用いてd軸電圧指令値Vdcを導出するのであれば、d軸電圧指令値Vdcの導出にq軸電流指令値Iqcを用いなくてもよい。例えば、q軸側非干渉F/F部57で導出されたq軸F/F値Vffqを、d軸電圧指令値Vdcの導出に用いなくてもよい。
・第1処理では、q軸電流指令値Iqcを用いてq軸電圧指令値Vqcを導出するのであれば、q軸電圧指令値Vqcの導出にd軸電流指令値Idcを用いなくてもよい。例えば、d軸側非干渉F/F部41で導出されたd軸F/F値Vffdを、q軸電圧指令値Vqcの導出に用いなくてもよい。
・q軸を第1軸とし、d軸を第2軸として、各電圧指令値Vqc,Vdcを導出し、当該各電圧指令値Vqc,Vdcを基にインバータ16を操作してモータ100を駆動させてもよい。
・モータ制御装置10は、以下(a)~(c)の何れかの構成であればよい。
(a)モータ制御装置10は、コンピュータプログラムに従って各種処理を実行する一つ以上のプロセッサを備えている。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリを含んでいる。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリ、すなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含んでいる。
(b)モータ制御装置10は、各種処理を実行する一つ以上の専用のハードウェア回路を備えている。専用のハードウェア回路としては、例えば、特定用途向け集積回路、すなわちASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)を挙げることができる。
(c)モータ制御装置10は、各種処理の一部をコンピュータプログラムに従って実行するプロセッサと、各種処理のうち残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備えている。
(a)モータ制御装置10は、コンピュータプログラムに従って各種処理を実行する一つ以上のプロセッサを備えている。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリを含んでいる。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリ、すなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含んでいる。
(b)モータ制御装置10は、各種処理を実行する一つ以上の専用のハードウェア回路を備えている。専用のハードウェア回路としては、例えば、特定用途向け集積回路、すなわちASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)を挙げることができる。
(c)モータ制御装置10は、各種処理の一部をコンピュータプログラムに従って実行するプロセッサと、各種処理のうち残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備えている。
次に、上記各実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)ベクトル制御の回転座標における、第1軸の成分の電圧の指令値である第1電圧指令値及び前記第1軸と直交する第2軸の成分の電圧の指令値である第2電圧指令値を導出し、前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値に基づいて同期モータであるモータを駆動させるモータ制御装置であって、
前記モータのトルクの指令値であるトルク指令値に応じた前記第1軸の成分の電流を第1電流指令値として導出し、前記トルク指令値に応じた前記第2軸の成分の電流を第2電流指令値として導出する電流指令値導出部と、
前記第1軸の成分の電流の高周波変動成分、及び、前記第2電流指令値を基に前記第1電圧指令値を導出し、前記モータ制御回路の制限電圧と前記第1電圧指令値とを基に前記第2電圧指令値を導出する電圧指令値導出部と、を備える、モータ制御装置。
(イ)ベクトル制御の回転座標における、第1軸の成分の電圧の指令値である第1電圧指令値及び前記第1軸と直交する第2軸の成分の電圧の指令値である第2電圧指令値を導出し、前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値に基づいて同期モータであるモータを駆動させるモータ制御装置であって、
前記モータのトルクの指令値であるトルク指令値に応じた前記第1軸の成分の電流を第1電流指令値として導出し、前記トルク指令値に応じた前記第2軸の成分の電流を第2電流指令値として導出する電流指令値導出部と、
前記第1軸の成分の電流の高周波変動成分、及び、前記第2電流指令値を基に前記第1電圧指令値を導出し、前記モータ制御回路の制限電圧と前記第1電圧指令値とを基に前記第2電圧指令値を導出する電圧指令値導出部と、を備える、モータ制御装置。
弱め界磁制御によってモータを駆動させている場合、モータの回転速度が高くなると、第2電流指令値に対して第2軸の成分の電流が共振することがある。この場合、所定の制御サイクル毎に導出される第2軸の成分の電流に、当該共振に起因する高周波の振動成分が重畳されることになる。そのため、弱め界磁制御によってモータを駆動させる際の制御性に改善の余地がある。
上記構成によれば、弱め界磁制御によってモータを駆動させている場合、第1軸の成分の電流の高周波変動成分を用いて第1電圧指令値が導出される。第1軸の成分の電流の高周波変動成分は、第1電流指令値に重畳する高周波の振動成分である。そのため、このように導出した第1電圧指令値を基にモータを駆動させることにより、第2電流指令値に対する第2軸の成分の電流の共振を打ち消すことができる。これは、第2軸の成分の電流の高周波振動成分が第1軸の成分の電流の高周波振動によって相殺されるためである。その結果、弱め界磁制御によってモータを駆動させる際における制御性を向上できる。
10…モータ制御装置
12map…トルク電流マップ
13…電流指令値導出部
14…電圧指令値導出部
100…モータ
110…モータ電源
12map…トルク電流マップ
13…電流指令値導出部
14…電圧指令値導出部
100…モータ
110…モータ電源
Claims (4)
- ベクトル制御の回転座標における、第1軸の成分の電圧の指令値である第1電圧指令値及び前記第1軸と直交する第2軸の成分の電圧の指令値である第2電圧指令値を導出し、前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値に基づいて同期モータであるモータを駆動させるモータ制御装置であって、
前記モータのトルクと前記第1軸の成分の電流及び前記第2軸の成分の電流との関係を示すトルク電流マップを基に、前記モータのトルクの指令値であるトルク指令値に応じた前記第1軸の成分の電流を第1電流指令値として導出し、前記トルク指令値に応じた前記第2軸の成分の電流を第2電流指令値として導出する電流指令値導出部と、
前記第1電流指令値を基に前記第1電圧指令値を導出し、前記第2電流指令値を基に前記第2電圧指令値を導出する第1処理、及び、前記第2電流指令値を基に前記第1電圧指令値を導出し、前記モータ制御装置の制限電圧と前記第1電圧指令値とを基に前記第2電圧指令値を導出する第2処理と、を実行可能である電圧指令値導出部と、を備え、
前記電圧指令値導出部は、前記第2処理によって導出された前記各電圧指令値に基づいて前記モータが駆動している場合、前記トルク指令値を満たす前記各電圧指令値を前記第1処理によって導出可能であると判定したときには、前記各電圧指令値を導出する処理を前記第2処理から前記第1処理に切り替える
モータ制御装置。 - 前記電圧指令値導出部は、前記第2処理において、前記第1軸の成分の電流の高周波変動成分、及び、前記第2電流指令値を基に、前記第1電圧指令値を導出する
請求項1に記載のモータ制御装置。 - 前記電圧指令値導出部は、
前記各電圧指令値の導出処理を前記第2処理から前記第1処理に切り替えた場合、
前記第1処理での前記各電圧指令値の初回の導出時には、前記第1電流指令値の前回値に応じて前記各電圧指令値を導出する
請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置。 - モータ電源から前記モータ制御装置に向けて流れる電流を電源電流とし、前記電源電流の上限値を電源電流上限値とした場合、
前記トルク電流マップは、前記電流上限値よりも大きな電流が前記モータ電源から前記モータ制御装置に流れることを許容した場合における、前記モータのトルクと、前記第1軸の成分の電流及び前記第2軸の成分の電流との関係を示すものであり、
前記電圧指令値導出部は、前記第2処理において、前記電源電流上限値と前記電源電流との偏差を入力とするフィードバック制御によって導出された演算値を基に、前記第1電圧指令値を導出する
請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載のモータ制御装置。
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