JP7398487B2 - 成型ウニ - Google Patents

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Description

本発明は、生ウニのような食感や見た目、食味、風味を有する加工食品(成型ウニ)に関する。
生ウニは、寿司種、刺身などとして親しまれている食品である。しかしながら、生ウニを何も処理しないまま冷凍した場合、解凍時に身崩れが起きたり、ドリップ水と共に液状化したりすることがある。このような問題を回避するため、冷凍する際には生ウニに対してミョウバン処理(凝固作用のあるミョウバンの水溶液に浸漬すること)や、ブランチ処理(短時間のボイルによりウニの表皮部を加熱して凝固させること)が行われているが、生ウニと比較して、味や食感、外観の嗜好性に劣るものとなってしまう。また、冷凍生ウニには、一般的な冷凍温度帯である-18℃で保管し続けると酸化による黒変が発生したり、風味が劣化したりするという問題がある。そのため、冷凍生ウニの流通温度は-40℃~-60℃とする必要があり、専用の設備や維持コストなどの負担が生じる。さらに、ウニは天然原料が主流のため、年によって価格の変動が激しく、収穫量・供給量の増減もある。
一方、生ウニのような食感や見た目を有する加工食品が、例えば以下の特許文献により提案されている。
特許文献1には、生ウニに、アルギン酸ナトリウムおよび炭酸カルシウムを水と共に添加混合した後、さらにグリシンを添加混合し、次いでこれを冷凍または密封容器詰めする、生ウニの加工方法が記載されている。特許文献1には、このような加工方法により、冷凍および解凍してもグジャグジャした状態とならず、また密封容器詰め(加熱殺菌処理)しても蒸しウニの状態とならない、生ウニ同様の独特の食感を保有する加工ウニが得られる旨が記載されている。
特許文献2には、粉砕した生ウニ100重量部当たり、食用油脂5~30重量部とゲル化剤(例えば、カラギナン、キサンタンガムおよびローカストビーンガムの混合物)1~10重量部を含有するウニ様加工食品が記載されている。特許文献2には、このようなウニ様加工食品は、加熱混合機以外の特殊な設備を必要とすることなく、容易に製造することができ、冷凍保管後に解凍しても離水を生ずることがなく、風味、食感ともに天然ウニに比肩し得るほどに優れている旨が記載されている。
特許文献3には、生ウニエキスと生ウニペーストのいずれかまたは両方と、こんにゃく精粉とを主成分とし、補助成分として増粘剤およびアルコールをさらに含有してもよい、生ウニ様食品が記載されている。特許文献3には、このような生ウニ様食品は、食感としてやわらかく、とろける生ウニの食感が得られ、また、生ウニの保存の失点である離水現象や鮮度低下による苦みが発生しない、低価格で日持ちのよいものである旨が記載されている。
特許文献4には、(1)卵黄とウニからなるペーストをプロテアーゼ処理したもの、(2)卵黄をプロテアーゼ処理した後、これにウニを加えて加熱したもの、(3)卵黄とウニからなるペーストをプロテアーゼとリパーゼで併用処理した後、70℃以上に加熱したもの、または(4)卵黄をプロテアーゼとリパーゼで併用処理した後、これにウニを加えて70℃以上に加熱したもの、のいずれかを冷却して粒状に仕上げる、ウニ様食品の製造方法が記載されている。特許文献4には、このような製造方法により、従来の練りウニ、混合ウニ等のウニ製品と同様に増量剤として卵黄を用いつつも、食感や食味ばかりでなく、形状も粒ウニに酷似したウニ様食品を得ることができる旨が記載されている。
特許文献5には、魚肉のすり身と、還元水あめと、澱粉と、油脂と、乳化剤と、卵白粉と、粉末セルロースと、膨化剤と、水と、を含む原料を擂潰したすり身材を、成型し、加熱することにより加熱凝固及び膨化剤による膨化処理を行い、凍結した後、真空凍結乾燥する、ウニ様乾燥食品の製造方法が記載されている。特許文献5には、このような製造方法により得られるウニ様乾燥食品は、長期保存が可能であり、お湯等で復元することにより、ウニ様の食感を有する食品(イミテーション食品)として喫食することが可能である旨が記載されている。
特開昭63-279766号公報 特開平11-46729号公報 特開平10-14538号公報 特開昭63-133964号公報 特開2020-156330号公報
生ウニ様の加工食品として特許文献1~5に記載されているようなものが提案されており、供給量が限られる生ウニを原料として一定量の製品を供給することは可能であるが、前述したような生ウニの冷凍保管中の問題(黒変などの品質劣化等)または解凍時の問題(身崩れ、液状化、離水等)については、十分に解決されていなかったり、解決手段に改善の余地があったりした。
本発明は、生ウニを原料として用いて製造される生ウニ様の加工食品(成型ウニ)であって、食感のよさ、保形性、ウニらしさ(ウニ様の見た目、食味、風味)などの観点から好ましく、かつ冷凍保管中および解凍時の問題を防ぐことができるものを提供することを課題とする。
本発明者らは、食品組成物全体の質量に対して特定の範囲の質量の生ウニと、増粘剤または凝固剤とを含有する食品組成物からなる成型ウニは、前述したような課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は少なくとも下記の発明を提供する。
[1]
生ウニと、増粘剤または凝固剤とを含有する食品組成物からなる成型ウニであって、
当該食品組成物中の生ウニの含有量が40質量%を超えて97質量%以下である、成型ウニ。
[2]
前記増粘剤が、サイリウムシードガム、キサンタンガム、グアーガム、カラギナン、ローカストビーンガム、アスパラギン酸、ペクチン、タマリンシードガムおよびジュランガムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、項1に記載の成型ウニ。
[3]
前記凝固剤が、アスパラギン酸ナトリウム、コンニャク粉および寒天粉からなる群より選ばれる少なくとも1種である、項1に記載の成型ウニ。
[4]
前記食品組成物が、さらに水を含有する、項1~3のいずれか一項に記載の成型ウニ。
[5]
前記食品組成物中の水の含有量が40質量%未満である、項4に記載の成型ウニ。
[6]
前記食品組成物が、さらにトランスグルタミナーゼを含有する、項1~5のいずれか一項に記載の成型ウニ。
[7]
前記食品組成物が、さらに着色料を含有する、項1~6のいずれか一項に記載の成型ウニ。
[8]
項1~7のいずれか一項に記載の食品組成物を調製する工程、および
調製後の食品組成物を加熱殺菌処理する工程
を含む、成型ウニの製造方法。
本発明により、食感のよさ、保形性、ウニらしさ(ウニ様の見た目、食味、風味)などの観点から好ましく、例えば、これらの特性のうちの少なくとも2つ、または3つ全部に優れ、かつ冷凍保管中の問題(黒変などの品質劣化等)および解凍時の問題(身崩れ、液状化、離水等)が抑制された、生ウニ様の加工食品(成型ウニ)を製造することができる。
本明細書において、「X~Y」という表記は、「X以上Y以下」を意味し、Xを下限値、Yを上限値とする範囲に含まれる任意の数値をとり得る。
―成型ウニ(食品組成物)―
本発明の成型ウニは、生ウニと、増粘剤または凝固剤とを含有する食品組成物(本明細書において「本発明の食品組成物」と呼ぶ。)からなるものである。
「生ウニ」は、バフンウニ、アカウニ、ムラサキウニなどの食用となるウニの可食部(生殖巣)であって、水揚げ後に殻から取り出されたもの自体(ミョウバン処理、ブランチ処理または塩水処理がされていない状態のもの)であってもよいし、水揚げ後に殻から取り出されたものを冷凍した後、解凍したものであってもよい。
本発明の食品組成物中の生ウニの含有量(本明細書において、特に断らない限り、本発明の食品組成物の全質量に対する比率を表す。)は、40質量%を超えて97質量%以下である。生ウニの含有量の下限値は、通常は40質量%を超える量であるが、好ましくは45質量%以上である。生ウニの含有量の上限値は、通常は97質量%以下であるが、好ましくは84質量%以下であり、より好ましくは60質量%以下である。生ウニの含有量は、上記の下限値および上限値の任意の組み合わせにより設定される範囲内で、本発明の食品組成物中の他の成分の種類および含有量に応じて適宜調節することができる。
「増粘剤」および「凝固剤」はどちらも、「増粘安定剤」(糊料)として食品分野において周知慣用の成分(食品または食品添加物)であって、使用目的が主に粘りやとろみを付けることである場合に「増粘剤」と呼ばれる成分、および使用目的が主に凝固させる(ゲル化させる、ゼリー状に固める)ことである場合に「凝固剤」(ゲル化剤)と呼ばれる成分を指す。「増粘剤」および「凝固剤」はそれぞれ、「増粘安定剤」(糊料)として公知の成分の中から選択することができる。本発明の食品組成物は、増粘剤または凝固剤のうち一方だけを含んでいてもよいし、両方を用いてもよい(どの実施形態であっても「増粘剤または凝固剤を含む」ことになる)。
「増粘剤」としては、例えば、サイリウムシードガム、キサンタンガム、グアーガム、カラギナン、ローカストビーンガム、アスパラギン酸、ペクチン、タマリンシードガム、ジュランガム、加工デンプン(例:アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルリン酸架橋デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプン)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアガム、タラガム、トレメルガムなどが挙げられる。成型ウニの食感がより生ウニに近いものとなるため、サイリウムシードガム、キサンタンガム、グアーガム、カラギナン、ローカストビーンガム、アスパラギン酸、ペクチン、タマリンシードガム、ジュランガムが好ましく、サイリウムシードガムがより好ましい。増粘剤は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で混合して用いてもよい。
「凝固剤」としては、例えば、アスパラギン酸ナトリウム、コンニャク粉、寒天粉、焼成カルシウム、ゼラチン、アガーなどが挙げられる。アスパラギン酸ナトリウム、コンニャク粉、寒天粉が好ましい。凝固剤は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で混合して用いてもよい。
なお、増粘安定剤(増粘剤または凝固剤)として公知のアルギン酸ナトリウムは、ゲル化するために炭酸カルシウム(カルシウムの供給源)を添加する必要があるが、カルシウムは苦みを感じることがある。そのため、本発明の食品組成物は、増粘剤または凝固剤としてのアルギン酸ナトリウム(および炭酸カルシウム)を含まないことが好ましい。言い換えれば、本発明の一実施形態において、「増粘剤または凝固剤」は、「増粘剤または凝固剤(ただし、アルギン酸ナトリウムを除く。)」と規定することができる。あるいは、本発明の一実施形態において、「生ウニと、増粘剤または凝固剤とを含有する食品組成物」は、「生ウニと、増粘剤または凝固剤とを含有する(ただし、炭酸カルシウムを含有しない)食品組成物」と規定することができる。
本発明の食品組成物中の増粘剤または凝固剤の含有量は、用いる増粘剤または凝固剤の種類に応じて、また、生ウニの含有量や、必要に応じて用いられる水の含有量、その他の成分の種類および含有量に応じて、適宜調節することができる。増粘剤の含有量は、通常0.05~5質量%の範囲で調節される。凝固剤の含有量は、通常0.05~5質量%の範囲で調節される。
なお、加工デンプンは、本発明における増粘剤として用いることができるが、本発明の食品組成物(成型ウニ)の離水防止のための成分として用いることもでき、後者の場合は、増粘剤としての作用と離水防止の作用の両方が奏される実施形態であっても、離水防止の作用のみが奏される(増粘剤または凝固剤としては加工デンプン以外の成分を用いる)実施形態であってもよい。加工デンプンを離水防止のための成分として用いる場合、本発明の食品組成物中の含有量は、加工デンプンの種類に応じて、また生ウニの含有量や、増粘剤または凝固剤の種類および含有量、必要に応じて用いられる水の含有量、その他の成分の種類および含有量に応じて、所望の離水防止効果を達成するなどの観点から適宜調節することができるが、例えば1質量%未満とすることが好ましい。
本発明の食品組成物は、必要に応じて、水や、生ウニ、増粘剤または凝固剤以外の成分をさらに含有していてもよい。そのような任意成分としては、例えば、トランスグルタミナーゼ、乳酸カルシウム、ソルビトール、調味料、着色料などが挙げられる。任意成分は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の食品組成物中の水の含有量は、生ウニの含有量や、増粘剤または凝固剤、その他の成分の種類および含有量に応じて適宜調節することができるが、例えば40質量%未満とすることが好ましい。
トランスグルタミナーゼは、タンパク質、ペプチド中のグルタミン残基を供与体とし、リジン残基を受容体とするアシル転移活性を有する酵素であって、タンパク質(ペプチド)同士の架橋を形成する作用を有し、各種加工食品(水産加工品、食肉加工品、製麺など)の食感改質などに広く利用されている。本発明においてトランスグルタミナーゼを用いることは、成型ウニの食感をより生ウニに近いものとすることができるため好ましい。トランスグルタミナーゼを用いる場合、本発明の食品組成物中の含有量は、生ウニの含有量や、増粘剤または凝固剤の種類および含有量、必要に応じて用いられる水の含有量、その他の成分の種類および含有量に応じて適宜調節することができるが、例えば2~5質量%とすることが好ましい。なお、トランスグルタミナーゼは高価であり、コストの観点からは使用量を少なくすることが好ましいが、本発明においては、増粘剤または凝固剤とトランスグルタミナーゼとを併用することにより、トランスグルタミナーゼの使用量を比較的少量とすることができる。
乳酸カルシウムは、本発明の食品組成物(成型ウニ)の硬さを調節するために用いることのできる成分である。乳酸カルシウムを用いる場合、本発明の食品組成物中の含有量は、生ウニの含有量や、増粘剤または凝固剤の種類および含有量、必要に応じて用いられる水の含有量、その他の成分の種類および含有量に応じて、所望の硬さを達成できるよう、適宜調節することができるが、例えば1質量%未満とすることが好ましい。
ソルビトールは、保湿性を有し、本発明の食品組成物(成型ウニ)の離水防止効果のために用いることができる、また呈味も調整することのできる成分である。ソルビトールを用いる場合、本発明の食品組成物中の含有量は、生ウニの含有量や、増粘剤または凝固剤の種類および含有量、必要に応じて用いられる水の含有量、その他の成分の種類および含有量に応じて、所望の呈味を達成する観点などから適宜調節することができるが、例えば3質量%未満とすることが好ましい。
調味料は、本発明の食品組成物(成型ウニ)の呈味を調整するために用いることができる成分である。調味料としては、例えば、アラニン、グリシン、グルタミン酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウムなどの、アミノ酸、有機酸等が挙げられる。調味料は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で混合して用いてもよい。調味料を用いる場合、本発明の食品組成物中の含有量は、調味料の種類に応じて、また生ウニの含有量や、増粘剤または凝固剤の種類および含有量、必要に応じて用いられる水の含有量、その他の成分の種類および含有量に応じて、所望の呈味を達成する観点などから適宜調節することができる。
着色料は、本発明の食品組成物(成型ウニ)の呈色(見た目)を調整し、好ましくはウニのような鮮やかな山吹色を再現するために用いることができる成分である。着色料としては、例えば、二酸化チタン(白色)、モナスカス色素(橙赤~赤色)、クチナシ色素(黄色、赤色)、コチニール色素(赤色)、アナトー色素(黄色~橙色)、パプリカ色素(黄色、オレンジ色)、カラメル色素(茶色~黒色)などが挙げられる。所望の呈色を達成する観点から、二酸化チタンを含むことが好ましい。着色料は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で混合して用いてもよい。着色料を用いる場合、本発明の食品組成物中の含有量は、着色料の種類に応じて、また生ウニの含有量や、増粘剤または凝固剤の種類および含有量、必要に応じて用いられる水の含有量、その他の成分の種類および含有量に応じて、所望の呈色を達成する観点などから0.05~3質量%とすることが好ましい。
なお、食用油脂(前掲特許文献2参照、例えば大豆白絞油、ナタネ白絞油、コーン白絞油などの液状のもの、牛脂、豚脂などの動物油脂、魚油硬化油、大豆硬化油、ナタネ硬化油、コーン硬化油、パーム油、ヤシ油などの常温固体のもの)が本発明の食品組成物に含まれていると、味や食感がマイルドになり、ウニらしさからは遠ざかる場合がある。そのため、本発明の食品組成物は、食用油脂を含まないことが好ましい。言い換えれば、本発明の一実施形態において、「生ウニと、増粘剤または凝固剤とを含有する食品組成物」は、「生ウニと、増粘剤または凝固剤とを含有する(ただし、食用油脂を含有しない)食品組成物」と規定することができる。
本発明の成型ウニは、上述したような本発明の食品組成物からなるものであるが、所定の成分を混合して調製された直後の食品組成物からなるものであってもよいし、調製された食品組成物が加熱された状態のものであってもよいし、加熱された食品組成物がその後冷却または冷凍された状態のものであってもよいし、冷凍された食品組成物がその後解凍された状態のものであってもよい。このような食品組成物(成型ウニ)は、次に記載するような本発明の製造方法によって得ることができる。
―成型ウニの製造方法―
本発明の成型ウニの製造方法は、上述したような本発明の食品組成物を調製する工程(以下「調製工程」と呼ぶ。)、および調製後の食品組成物を加熱殺菌処理する工程(以下「加熱殺菌処理工程」と呼ぶ。)を含む。
調製工程は、食品分野における一般的な手段(装置、方法)を用いて、適切な条件下で、実施形態に応じた原料を混合することにより行うことができる。例えば、まず生ウニ(例:冷凍ウニブロックを解凍したもの)を粉砕してペースト状にし、得られたウニペーストに、所望の配合組成に従って、所定量のその他の原料(増粘剤または凝固剤、必要に応じてさらに、水、トランスグルタミナーゼ、乳酸カルシウム、ソルビトール、調味料、着色料等)を、任意の組み合わせ方により順次、または全部を同時に添加し、撹拌により混合することにより、食品組成物を調製することができる。調製工程は、必要に応じて、例えば増粘剤または凝固剤などの成分を十分に溶解させるために、またはトランスグルタミナーゼを十分に作用させるために、一定温度に加熱した条件下で行ってもよい。調製工程の時間は、用いる成分に応じて適宜調節することができ、必要に応じて調製後に食品組成物を静置する(保管する)時間を設けてもよい。
加熱殺菌処理工程は、食品分野における一般的な手段(装置、方法)を用いて、適切な条件下で行うことができる。例えば、調製された食品組成物を容器に充填し、密封した後、加熱殺菌に十分な温度(例えば100~140℃)および時間(例えば5~10分)、過熱水蒸気等で処理することにより、加熱殺菌された食品組成物を得ることができる。容器は、加熱殺菌処理に対する耐久性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、絞り出し用であってもよい袋状容器、レトルトパウチ、缶、瓶などが挙げられる。
本発明の成型ウニの製造方法は、必要に応じてその他の工程を含むことができる。例えば、加熱殺菌処理工程の後、食品組成物が密封された容器を冷却し、包装する工程をさらに含んでもよい。このようにして製造された成型ウニの製品は、使用時まで冷凍保管することができる。冷凍保管の温度は、一般的な冷凍温度体である-18℃前後とすることができる。冷凍保管された成型ウニの製品は、常法に従って解凍して使用することができる。
以下、実施例を通じて、本発明の実施形態をより具体的に開示するが、本発明の技術的範囲は実施例として開示した実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、目的とする本発明の用途や作用効果に適応するよう、本発明の技術的思想に基づき、本明細書および図面の内容を全体的に考慮して、実施例として開示した実施形態を拡張したり、他の様々な実施形態に改変したりすること、あるいは必要に応じて、従来技術(公知の発明)が備える技術的特徴をさらに組み合わせたりできることを、当業者は理解することができる。本明細書に記載したもの以外の、本発明を実施するために必要な事項は、本発明の属する技術分野における技術常識や従来技術を適宜参酌することができる。
下記の手順に従って、下記表に示す配合の食品組成物を調製し、成型ウニの製品のサンプルを製造した。
(1)冷凍された生ウニブロックの原料を5℃の冷蔵庫にて解凍した。
(2)石臼式摩砕機にて解凍した生ウニブロックを粉砕し、ペースト状にした。
(3)得られたウニペーストに、トランスグルタミナーゼ、水、増粘剤、凝固剤、着色料、調味料等を加えて、10℃以下に保ちながら撹拌し、食品組成物を調製した後、5℃の冷蔵庫にて一時保管した。
(4)得られた食品組成物を容器に充填し、過熱水蒸気機で加熱(蒸気140℃、庫内120℃)した。
(5)加熱後の容器をトンネルフリーザーにて冷却後、包装し、成型ウニの製品とした。
(6)製造された製品を-18℃で1日間冷凍保管した後、5℃の冷蔵庫にて解凍し、サンプルとした。
各実施例および比較例のサンプルについて、食感のよさ(生ウニのような食感があるか)、保形性(少なくとも固形感があるか)、およびウニらしさ(スプーンなどで掬い取った際に生ウニのような見た目であるか、生ウニのような食味や風味であるか)の観点から、下記の評価基準に従って官能評価試験を行った。結果を下記表にあわせて示す。
◎:食感のよさ、保形性、およびウニらしさをいずれも有している。
○:食感のよさ、保形性、およびウニらしさのうち2つを有している。
△:食感のよさおよび保形性を有するが、苦み・えぐ味がある。
×:食感のよさ、保形性、およびウニらしさのうち2つ以上が欠如している。
また、各実施例および比較例のサンプルについて、解凍時の品質を下記の基準に従って評価した。結果を下記表にあわせて示す。
○:身崩れ、液状化、離水等がない
×:身崩れ、液状化、離水等がある

Claims (8)

  1. 生ウニと、増粘剤または凝固剤と、トランスグルタミナーゼとを含有する食品組成物からなる成型ウニであって、
    当該食品組成物中の生ウニの含有量が40質量%を超えて97質量%以下である、成型ウニ。
  2. 前記増粘剤が、サイリウムシードガム、キサンタンガム、グアーガム、カラギナン、ローカストビーンガム、アスパラギン酸、ペクチン、タマリンシードガムおよびジュランガムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の成型ウニ。
  3. 前記凝固剤が、アスパラギン酸ナトリウム、コンニャク粉および寒天粉からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の成型ウニ。
  4. 前記食品組成物が、さらに水を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の成型ウニ。
  5. 前記食品組成物中の水の含有量が40質量%未満である、請求項4に記載の成型ウニ。
  6. 前記食品組成物が、さらに着色料を含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の成型ウニ
  7. 求項1~のいずれか一項に記載の食品組成物を調製する工程、および
    調製後の食品組成物を加熱殺菌処理する工程
    を含む、成型ウニの製造方法。
  8. 前記食品組成物を調製する工程が、
    生ウニを粉砕してウニペーストを得る工程、および
    ウニペーストと、増粘剤または凝固剤と、トランスグルタミナーゼとを混合し、前記食品組成物を調製する工程
    を含む、請求項に記載の製造方法。
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