JP7397829B2 - 剥離用工具 - Google Patents

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Description

この発明は、被覆線の被覆部を芯線から剥離するための剥離用工具に関する。
一般に、高圧架空配電線(被覆線)は、撚った導電線、アルミ電線や太い単線からなる銅電線(芯線)を樹脂やゴムなどの絶縁体である被覆部をその周りに被覆したものが使用されている。また、雪の多い地域では、被覆線に雪が着雪して被覆線が雪の重みで切断されてしまうことを防ぐために、被覆線の軸方向に沿って絶縁体の突条が設けられた難着雪電線(いわゆるヒレ付き電線)が使用されている。
そして、これらの被覆線の端部を他の電線と接続したりスリーブ等を締結したりする工事においては、通電性を確保するために被覆線の必要部分の被覆部を剥ぎ取って芯線を露出させる必要がある。
これらの被覆線の補修工事において、架設された被覆線の被覆部を剥離する作業を円滑にすることができる剥離用工具が提案されている。
例えば、特許文献1では、難着雪電線を挟み込み、被覆線の被覆部をらせん状に剥離する剥離用工具が開示されている。また、特許文献2では、難着雪電線を挟み込み、被覆線の所定領域の被覆部を一度に剥離する剥離用工具が開示されている。
特開2011-15510号公報 特開2017-147907号公報
しかしながら、特許文献1の剥離用工具は、被覆線の被覆部をらせん状に剥離するため、所定領域を剥離するために、剥離用工具を被覆線を中心に何度も回転させる必要があり、所定領域を剥離するために時間と労力がかかる。また、特許文献2の剥離用工具は、難着雪電線に設けられた絶縁体の突条(いわゆるヒレ)も含めて把持するため、絶縁体の突条が剥離用工具の把持部から押されて、剥離するときに芯線を傷つける虞がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、1台の剥離用工具で多種類の被覆線に対応でき、所定領域を一度に剥離することができる剥離用工具を提供することである。
この発明の請求項1にかかる剥離用工具は、
被覆線の被覆部を剥離するための剥離用工具であって、
剥離用工具は、剥離用工具本体と、被覆線に向けて進退移動する刃体保持体と、刃体保持体に保持された刃体と、被覆線保持体とを含み、
剥離用工具本体は、本体部と、本体部の一方端部において、本体部から手前側に向かって突設され、被覆線保持体を固定するように形成された把持体とを含み、
刃体は、被覆線の一面に向けて突き出し設けられ、
被覆線保持体には、被覆線が接触する被覆線保持部が形成されており、
被覆線保持体は、被覆線保持部の一部、かつ、刃体から離れた位置に溝部が形成され、
刃体の先端と把持体の被覆線保持体の取り付け部との間に開放空間が形成され、
被覆線保持体は、開放空間において、被覆線保持部が刃体と向き合うように、把持体の被覆線保持体の取り付け部に着脱自在に取り付けられ、
剥離用工具が回転されて刃体が被覆線の被覆部を剥離する間、被覆線保持体の被覆線保持部が刃体によって剥離される前の被覆線の被覆部の外表面を覆い接するように構成されたことを特徴とする、剥離用工具である。
この発明の請求項2にかかる剥離用工具は、
被覆線保持体は、
被覆線保持体本体と、
被覆線保持体本体の側面に設けられた第1のガイド体および第2のガイド体と、
を備え、
被覆線保持体の第1のガイド体および第2のガイド体には、被覆線が接触する被覆線保持部が形成されており、
被覆線保持体は、第1のガイド体および第2のガイド体に形成された被覆線保持部の一部、かつ、刃体から離れた位置に溝部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の剥離用工具である。
この発明の請求項3にかかる剥離用工具は、
被覆線保持体は、被覆線保持体本体を含み、
被覆線保持体の被覆線保持体本体には、1つ以上の側板が設けられており、
被覆線保持体の側板には、被覆線が接触する被覆線保持部が形成されており、
被覆線保持体は、側板に形成された被覆線保持部の一部、かつ、刃体から離れた位置に溝部が形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の剥離用工具である。
この発明の請求項4にかかる剥離用工具は、
被覆線の被覆部を剥離するための剥離用工具であって、
剥離用工具は、剥離用工具本体と、被覆線に向けて進退移動する刃体保持体と、刃体保持体に保持された刃体と、を含み、
剥離用工具本体は、本体部と、本体部の一方端部において、本体部から手前側に向かって突設するように形成された把持部と、を含み、
刃体は、被覆線の一面に向けて突き出し設けられ、
把持部には、被覆線が接触する被覆線保持部が形成されており、
把持部は、被覆線保持部の一部、かつ、刃体から離れた位置に溝部が形成され、
剥離用工具が回転されて刃体が被覆線の被覆部を剥離する間、把持部の被覆線保持部が刃体によって剥離される前の被覆線の被覆部の外表面を覆い接するように構成されたことを特徴とする、剥離用工具である。
この発明によれば、1台の剥離用工具よって、複数種の被覆線の剥離をすることができ、所定領域を一度に剥離することができる剥離用工具を提供することができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明の第1の実施形態にかかる剥離用工具の一例を示す正面図である。 この発明の第1の実施形態にかかる剥離用工具の一例を示す左側面図である。 この発明の第1の実施形態にかかる剥離用工具の一例を示す背面図である。 図1に示す剥離用工具本体の斜視図である。 図1に示す剥離用工具本体の縦断面図であり、(A)は全体を示す図であり、(B)は、被覆線保持体の脱着時の状態を示す図である。 この発明の第1の実施形態に係る被覆線保持体を示す図であり、(A)は側面図であり、(B)は正面図であり、(C)は底面図であり、(D)は組立図である。 図4Aに示す被覆線保持体を示す斜視図である。 図4Aに示す被覆線保持体本体の組立図であり、(A)は正面図であり、(B)は背面図であり、(C)は平面図であり、(D)は底面図である。 (A)は図4Aに示す被覆線保持体本体の第1および第3の本体部材の縦断面図であり、(B)は図4Aに示す被覆線保持体本体の第2の本体部材の縦断面図である。 (A)は図4Aに示す被覆線保持体本体の第1の側板の右側面図であり、(B)は図4Aに示す被覆線保持体本体の第1の側板の左側面図であり、(C)は図4Aに示す被覆線保持体本体の第2の側板の右側面図であり、(D)は図4Aに示す被覆線保持体本体の第2の側板の左側面図である。 (A)は図4Aに示す第1のガイド体の右側面図であり、(B)は図4Aに示す第1のガイド体の左側面図であり、(C)は図4Aに示す第2のガイド体の右側面図であり、(D)は図4Aに示す第2のガイド体の左側面図である。 (A)は図1に示す剥離用工具に用いられる刃体を示す正面図であり、(B)はその平面図であり、(C)はその側面図である。 (A)は図1に示す剥離用工具に用いられる正面視右側の刃ガイドを示す側面図であり、(B)はその正面図であり、(C)は図1に示す剥離用工具に用いられる正面視左側の刃ガイドを示す側面図であり、(D)はその正面図である。 (A)は、図6Aに示す刃ガイドの変形例の正面視右側の刃ガイドを示す正面図であり、(B)はその側面図であり、(C)は、図6Aに示す刃ガイドの変形例の正面視左側の刃ガイドを示す正面図であり、(D)はその側面図である。 (A)は、図1に示す剥離用工具に用いられる刃体保持部材を示す正面図解図であり、(B)は、その側面図解図である。 剥離用工具本体に被覆線保持体を取り付ける状態を示す図解図である。 図1に示す剥離用工具の使用方法を説明するための図であり、被覆線に剥離用工具を取り付ける方法の説明図である。 図1に示す剥離用工具の使用方法を説明するための図であり、被覆線に刃体を食い込ませる方法の説明図である。 図1に示す剥離用工具の使用方法を説明するための図であり、被覆線に剥離用工具を取り付けた後、被覆線から被覆部を剥離させる状態を示す説明図である。 被覆線保持体により突条を有する被覆線を保持した状態を示す図解図である。 被覆線の剥離部を剥ぎ取る状態を示す図解図である。 被覆線の剥離部を剥ぎ取る状態を示す図解図である。 刃体カバーを示す図解図である。 この発明の第2の実施形態にかかる剥離用工具の一例を示す正面図である。 この発明の第2の実施形態にかかる剥離用工具の一例を示す左側面図である。 この発明の第2の実施形態にかかる剥離用工具の一例を示す背面図である。 図16に示す剥離用工具の縦断面図である。
以下、添付図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は、この発明を具体化した一例であって、この発明の技術的範囲を限定するものではない。
本明細書において、上側(上)及び下側(下)とは、図1及び図2において示すように、本体部20の上に形成された把持体22の側を上側又は上といい、刃体18の下に形成された押圧軸14側を下側又は下という。本明細書において、図1に示す正面側を、前、前側、正面側又は手前側と言い、向こう側を後、背面側又は後ろ側と言う。図1において、右側を右側と言い、左側を左側と言う。また、本明細書において、図1において、下側から上側に向かう方向を高さ方向とし、右側から左側へ向かう方向を幅方向とし、前側から後側へ向かう方向を長さ方向(厚さ方向)とする。
(第1の実施形態)
1.剥離用工具の構成
この発明の第1の実施形態にかかる剥離用工具の構成について、図1ないし図8を基づいて説明する。図1は、この発明の第1の実施形態にかかる剥離用工具の一例を示す正面図である。図2Aは、この発明の第1の実施形態にかかる剥離用工具の一例を示す左側面図である。図2Bは、この発明の第1の実施形態にかかる剥離用工具の一例を示す背面図である。図3Aは、図1に示す剥離用工具本体の斜視図である。図3Bは、図1に示す剥離用工具本体の縦断面図であり、(A)は全体を示す図であり、(B)は、被覆線保持体の脱着時の状態を示す図である。図4Aは、この発明に係る被覆線保持体を示す図解図であり、(A)は側面図解図であり、(B)は正面図解図であり、(C)は底面図解図であり、(D)は組立図である。図4Bは、図4Aに示す被覆線保持体を示す斜視図である。図4Cは、図4Aに示す被覆線保持体本体の組立図であり、(A)は正面図であり、(B)は背面図であり、(C)は平面図であり、(D)は底面図である。図4D(A)は、図4Aに示す被覆線保持体本体の第1および第3の本体部材の縦断面図であり、図4D(B)は、図4Aに示す被覆線保持体本体の第2の本体部材の縦断面図である。図4E(A)は、図4Aに示す被覆線保持体本体の第1の側板の右側面図であり、図4E(B)は、図4Aに示す被覆線保持体本体の第1の側板の左側面図であり、図4E(C)は、図4Aに示す被覆線保持体本体の第2の側板の右側図であり、図4E(D)は、図4Aに示す被覆線保持体本体の第2の側板の左側面図である。図4F(A)は、図4Aに示す第1のガイド体の右側面図であり、図4F(B)は、図4Aに示す第1のガイド体の左側面図であり、図4F(C)は、図4Aに示す第2のガイド体の右側面図であり、図4F(D)は図4Aに示す第2のガイド体の左側面図である。図5(A)は図1に示す剥離用工具に用いられる刃体を示す正面図であり、図5(B)はその平面図であり、図5(C)はその側面図である。図6A(A)は図1に示す剥離用工具に用いられる正面視右側の刃ガイドを示す側面図であり、図6A(B)はその正面図であり、図6A(C)は図1に示す剥離用工具に用いられる正面視左側の刃ガイドを示す側面図であり、図6A(D)はその正面図である。図6B(A)は、図6Aに示す刃ガイドの変形例の正面視右側の刃ガイドを示す正面図であり、図6B(B)はその側面図であり、図6B(C)は、図6Aに示す刃ガイドの変形例の正面視左側の刃ガイドを示す正面図であり、図6B(D)はその側面図である。図7(A)は、図1に示す剥離用工具に用いられる刃体保持部材を示す正面図解図であり、図7(B)は、その側面図解図である。図8は、剥離用工具本体に被覆線保持体を取り付ける状態を示す図解図である。
この発明にかかる剥離用工具10は、たとえば、図11に示すように、操作器具Sを用いて、遠隔に、被覆線Wの被覆部W2を剥離するための工具である。操作器具Sは、たとえば、絶縁棒S1を含み、その絶縁棒S1の先端には、鉤状に形成される先端係合部S2が設けられる。また、被覆線Wは、図14に示すように、導電材料によって形成される芯線W1を含み、その芯線W1を覆うように被覆部W2が設けられる。この被覆部W2の材料は、通常、ポリ塩化ビニルやポリエチレン等の合成樹脂または合成ゴムなどが挙げられる。さらに、被覆線Wは、被覆線Wの軸方向に沿って絶縁体の突条(ヒレ)W3が設けられた難着雪電線(いわゆるヒレ付き電線)であってもよい。
剥離用工具10は、剥離用工具本体12と、被覆線Wに向けて進退移動する刃体保持体16と、刃体保持体16に保持された刃体18と、被覆線保持体100とを含む。
剥離用工具本体12は、本体部20と、本体部20の一方端部において、本体部20から手前側に向かって突設され、被覆線保持体100を固定するように形成された把持体22とを含む。
刃体18は、被覆線Wの一面に向けて突き出し設けられている。
被覆線保持体100には、被覆線Wが接触する被覆線保持部110が形成されている。
被覆線保持体100は、被覆線保持部110の一部、かつ、刃体から離れた位置に溝部202,242が形成されている。
刃体18の先端と把持体22の被覆線保持体100の取り付け部20bとの間は開放され、被覆線保持体100は、前記開放空間において、被覆線保持部110が刃体18と向き合うように、把持体22の被覆線保持体100の取り付け部20bに着脱自在に取り付けられる。
剥離用工具10が回転されて刃体18が被覆線Wの被覆部W2を剥離する間、被覆線保持体100の被覆線保持部110が刃体18によって剥離される前の被覆線Wの被覆部W2の外表面に接合するように構成されている。
剥離用工具10は、剥離用工具本体12に進退移動自在に螺入される押圧軸14を備え、刃体保持体16は、押圧軸14の進退移動に伴い進退移動する。
(a)剥離用工具本体
剥離用工具本体12は、本体部20を含む。本体部20は、直方体状に形成される。
本体部20において、剥離用工具本体12を被覆線Wに取り付けたとき、この被覆線Wを把持する側の面を正面とする。本体部20は、剥離用工具本体12を正面から見たとき、本体部20の一方端側に向かって幅が狭くなるように形成される。剥離用工具本体12は、正面側において、把持体22と刃体保持体30との間に、被覆線保持体100を取り付けるための開放空間が形成されている。
本体部20は、介在部20aの正面側に設けられた刃体18と対向する面(正面側の内側面)に、被覆線保持体100を取り付ける為の取り付け部が形成されている。
本体部20の取り付け部は、把持体22の下側に続く、刃体18と平行な第2の取り付け部20bが形成され、更に、第2の取り付け部20bの下側に続く、本体部20の内側(後ろ側)に向いて凹む半円弧状の第3の取り付け部20dが形成されている。この第2の取り付け部20bと第3の取り付け部20dとにより、被覆線保持体100の第3の面100cを固定するように形成されている。
本体部20の第2の取り付け部20bには、第2突起部20cが正面側(刃体18が形成された側)に向けて突き出し設けられている(図3Aおよび図3Bを参照)。
本体部20の他方端部において、本体部20から手前側(正面側)に向かって突設された把持体22が形成される。把持体22は、側面視略L字形に形成される。把持体22の手前側には、把持体22の幅方向(被覆線Wの軸方向のびる方向)にのびる把持部22aが設けられる。把持部22aの刃体18に向き合う面(内側面)には、平面状の取り付け部(第1の取り付け部22b)が形成されている。
また、把持体22の幅方向の長さは、本体部20の他方端部側における幅方向の長さよりも長く形成される。把持体22の幅方向の長さは、刃体18により被覆線Wの被覆部W2を剥離するとき、安定して被覆線Wを把持できる長さが確保されている。
把持体22は、把持部22aの下側面(刃体18と向き合う面)に刃体18の伸びる方向と直交する方向に伸びる第1の取り付け部22bが形成されており、第1の取り付け部22bに被覆線保持体100の第1の面100aが接して、被覆線保持体100が固定されるように形成されている。
そして、把持部22aの中央に、第1の取り付け部22bの下側に被覆線保持体100を固定するための、第1突起部26が設けられている。
第1突起部26は、突起26aと、ボタン部材26bと、バネ部材26cとを備えている。第1突起部26は、常時は、突起26aがバネ部材26cの弾発力により刃体18の側に突き出している。そして、被覆線保持体100を取り付け及び取り外しをするときに、第1の取り付け部22bより突き出た突起26aが把持部22aの内側に凹むように構成されている(図3Bを参照)。
また、本体部20の一方端部において、把持体22の把持部22aに対向するように、本体部20から手前側に向かって軸支持部24が突設される。軸支持部24は、直方体状に形成される。軸支持部24は、把持体22に対向するように位置する両主面、すなわち上下に分かれた主面を有する。軸支持部24の一方主面における略中央には、押圧軸14を螺入するための螺子孔24aが、軸支持部24の一方主面から他方主面に貫通して穿設されている。螺子孔24aは、押圧軸14の軸方向(すなわち、把持体22と軸支持部24とを結ぶ方向)にのびる。
(b)被覆線保持体
被覆線保持体100は、剥離用工具本体12の把持体22に配設されるように構成される。被覆線保持体100は、刃体18の先端と、把持体22の取り付け部(第1の取り付け部22b)との間に形成された開放空間において、被覆線保持部110が刃体18と向き合うように、本体部20の第2の取り付け部20bに着脱自在に取り付けられる。被覆線保持体100は、ブロック状に形成されている。また、被覆線保持体100を剥離用工具本体12の把持体22に配設したときに、刃体18は把持体22とは反対側である被覆線Wの下側面に接し、被覆線保持体100は刃体18が接する面とは異なる被覆線Wの上側面に接するように構成されている。
被覆線保持体100には、被覆線Wが接触する被覆線保持部110が形成されている。被覆線保持体100は、被覆線保持部110の一部、かつ、刃体から離れた位置に溝部202,242が形成されている。
また、被覆線保持体100は、被覆線保持体本体102と、被覆線保持体本体102の側面に設けられた第1のガイド体104および第2のガイド体106と、を備え、被覆線保持体の第1のガイド体104および第2のガイド体106には、被覆線Wが接触する被覆線保持部110が形成されており、被覆線保持体100は、第1のガイド体104および第2のガイド体106に形成された被覆線保持部110の一部、かつ、刃体から離れた位置に溝部302,342が形成されている。
さらに、被覆線保持体100の被覆線保持体本体102には、1つ以上の側板126,128が設けられており、被覆線保持体100の側板126,128には、被覆線Wが接触する被覆線保持部202,204が形成されており、被覆線保持体100は、側板126,128に形成された被覆線保持部110の一部、かつ、刃体から離れた位置に溝部202,242が形成されている。
被覆線保持体100について、図4Aないし図4Fに基づいて説明する。
被覆線保持体100は、被覆線保持体本体102と、被覆線保持体本体102の正面視右側の第1のガイド体104と、被覆線保持体本体102の正面視左側の第2のガイド体106と、締結部材108とを含む。被覆線保持体本体102と第1のガイド体104とは締結部材108によって固定されている。また、被覆線保持体本体102と第2のガイド体106とは締結部材108によって固定されている。例えば、被覆線保持体100は、被覆線保持体本体102の各端面において3箇所ずつ、締結部材108によって第1のガイド体104および第2のガイド体106が被覆線保持体本体102に固定されている。
被覆線保持体100と剥離用工具本体12の把持体22に設けられた第1の取り付け部22bとが密接する面を第1の面100aとする。また、被覆線保持体100と本体部20に設けられた第2の取り付け部20bとが密接する面を第3の面100cとする。さらに、第1の面100aに(高さ方向に)相対する面を第2の面100bとする。また、第3の面100cに(長さ方向に)相対する面を第4の面100dとする。また、高さ方向および長さ方向に直交する幅方向に相対する面を第5の面100eおよび第6の面100fとする。
被覆線保持体100の第1の面100aには第1固定穴150が形成されている。把持体22の第1の取り付け部22bに形成された第1突起部26を第1固定穴150に嵌め込むことによって被覆線保持体100が固定される。
また、被覆線保持体100の第3の面100cには第2固定穴152が形成されている。本体部20の一方端部において本体部20(介在部20a)から手前側に向かって突設された第2突起部20cを第2固定穴152に嵌め込むことによって被覆線保持体100が固定される。
(1)被覆線保持体本体
被覆線保持体本体102は、第1の本体部材120と、第2の本体部材122と第3の本体部材124を含む。第1の本体部材120と第2の本体部材122との間には、介在部として第1の側板126が設けられている。また、第2の本体部材122と第3の本体部材124との間には、介在部として第2の側板128が設けられている。
第1の本体部材120は、側面から見たときに、締結部材108が通る締結部材取付孔140が設けられている。また、第1の本体部材120は、断面略半円形状の被覆線収容部142が設けられている。
第2の本体部材122は、第1の本体部材120と同様に、側面から見たときに、締結部材108が通る締結部材取付孔140が設けられている。また、第1の本体部材120は、断面略半円形状の被覆線収容部142が設けられている。さらに、第2の本体部材122は、被覆線収容部142とは反対側の面であって、剥離用工具本体12の把持体22に設けられた第1の取り付け部22bと接触する面122aに第1固定穴150が設けられている。また、第2の本体部材122は、被覆線収容部142とは反対側の面であって、剥離用工具本体12の本体部20に設けられた第2の取り付け部20bと接触する面122bに第2固定穴152が設けられている。
第3の本体部材124は、第1の本体部材120と同様に、側面から見たときに、締結部材108が通る締結部材取付孔140が設けられている。また、第1の本体部材120は、断面略半円形状の被覆線収容部142が設けられている。
第1の側板126は、被覆線Wと接する被覆線保持部200が形成されている。被覆線保持部200は、側面から見たときに、断面略半円形状に形成されている。また、被覆線保持部200の端部には第1の突条保持部202および第2の突条保持部204が形成されている。第1の突条保持部202および第2の突条保持部204は、突条W3が形成されている被覆線Wに剥離用工具10を取り付けたときに、突条W3が嵌まり込むように構成されている。
第1の側板126は、刃体18の正面に直交する第1の側面126aと第2の側面126bとを有する。第1の側面126aと第2の側面126bとは平行である。また、第1の側板126は、刃体18の正面と向かい合う正面126cと、正面126cと平行に構成される後ろ面126dと、正面126cおよび後ろ面126dに直交し、把持部22aと密接する上面126eと、上面126eと平行に構成される下面126fとを含む。第1の側板126の第1の側面126aは、第1の本体部材120に連設される。また、第1の側板126の第2の側面126bは、第2の本体部材122に連設される。
第1の突条保持部202は、被覆線の径方向、かつ、被覆線の表面から離れる方向に凹むように形成される。第1の突条保持部202は、側面から見たときにV字形に形成される。第1の突条保持部202に被覆線Wの突条W3が嵌まり込むことで、被覆線Wの被覆部W2が剥離用工具10によって剥離されるときに、被覆線Wの突条W3が被覆線保持部200から押されることによって芯線W1を傷つけてしまうことを防止することができる。より具体的には、第1の突条保持部202を設けない場合は、被覆線Wの突条W3が被覆線保持部200に接触して、刃体18が食い込む位置が被覆線Wの突条W3の周方向の長さだけ芯線W1に近づくことになる。そうすると、刃体18が被覆部W2だけでなく芯線W1にも食い込んでしまい、芯線W1を傷つけてしまう。しかし、この発明のように、第1の突条保持部202を設けることで、第1の突条保持部202に被覆線Wの突条W3が嵌まり込むので、刃体18が食い込む位置が芯線W1に近づくことなく、被覆線Wの被覆部W2を剥離することができる。また、第1の突条保持部202に被覆線Wの突条W3が嵌まり込み、固定されることで、被覆線Wの被覆部W2が剥離用工具10によって剥離されるときに、被覆線Wの回転を規制することができる。
第2の突条保持部204は、被覆線の径方向、かつ、被覆線の表面から離れる方向に凹むように形成される。第2の突条保持部204は、側面から見たときにL字形に形成される。第2の突条保持部204に被覆線Wの突条W3が嵌まり込み、固定されることで、被覆線Wの被覆部W2が剥離用工具10によって剥離されるときに、被覆線Wの回転を規制することができる。
さらに、第1の側板126は、側面から見たときに、締結部材108が通る締結部材取付孔206が設けられている。また、第1の側板126は、支持部208が設けられている。支持部208は、被覆線Wの被覆部W2を剥離するときに刃体18からの力が第1の側板126の被覆線保持部200にかかるので、被覆線保持部200を支持するために設けられている。
第2の側板128は、第1の側板126と同様に、被覆線Wと接する被覆線保持部240が形成されている。被覆線保持部240は側面から見たときに、断面略半円形状に形成されている。また、被覆線保持部240の端部には第1の突条保持部242および第2の突条保持部244が形成されている。第1の突条保持部242および第2の突条保持部244は、突条W3が形成されている被覆線Wに剥離用工具10を取り付けたときに、突条W3が嵌まり込むように構成されている。さらに、第2の側板128は、側面から見たときに、締結部材108が通る締結部材取付孔246が設けられている。また、第2の側板128は、支持部248が設けられている。なお、第2の側板128の構成は、第1の側板126の構成と同じである。
この実施形態では、被覆線保持体本体102の第1の本体部材120、第2の本体部材122および第3の本体部材124、ならびに第1の側板126および第2の側板128は、それぞれ溶接等によって接着されて被覆線保持体本体102を形成するが、一体成型されてもよい。
(2)ガイド体
次に、第1のガイド体104および第2のガイド体106について、図4Dに基づいて説明する。第1のガイド体104および第2のガイド体106は、被覆線保持体本体102の側面側に設けられる。第1のガイド体104および第2のガイド体106は、側面視略L字形の板状体で形成され、同一形状である。
第1のガイド体104は、被覆線Wと接する被覆線保持部300が形成されている。被覆線保持部300は、側面から見たときに、断面略半円形状に形成されている。また、被覆線保持部300の端部には刃体18から離れた位置に第1の突条保持部302が形成され、刃体18から近接した位置に第2の突条保持部304が形成されている。第1の突条保持部302および第2の突条保持部304は、突条W3が形成されている被覆線Wに剥離用工具10を取り付けたときに、突条W3が嵌まり込むように構成されている。
第1の突条保持部302は、被覆線の径方向、かつ、被覆線の表面から離れる方向に凹むように形成される。第1の突条保持部302は、側面から見たときにV字形に形成される。第1の突条保持部302に被覆線Wの突条W3が嵌まり込むことで、被覆線Wの被覆部W2が剥離用工具10によって剥離されるときに、被覆線Wの突条W3が被覆線保持部300から押されることによって芯線W1を傷つけてしまうことを防止することができる。より具体的には、第1の突条保持部302を設けない場合は、被覆線Wの突条W3が被覆線保持部300に接触して、刃体18が食い込む位置が被覆線Wの突条W3の周方向の長さだけ芯線W1に近づくことになる。そうすると、刃体18が被覆部W2だけでなく芯線W1にも食い込んでしまい、芯線W1を傷つけてしまう。しかし、この発明のように、第1の突条保持部302を設けることで、第1の突条保持部302に被覆線Wの突条W3が嵌まり込むので、刃体18が食い込む位置が芯線W1に近づくことなく、被覆線Wの被覆部W2を剥離することができる。また、第1の突条保持部302に被覆線Wの突条W3が嵌まり込み、固定されることで、被覆線Wの被覆部W2が剥離用工具10によって剥離されるときに、被覆線Wの回転を規制することができる。
第2の突条保持部304は、被覆線の径方向、かつ、被覆線の表面から離れる方向に凹むように形成される。第2の突条保持部304は、側面から見たときにL字形に形成される。第2の突条保持部304に被覆線Wの突条W3が嵌まり込み、固定されることで、被覆線Wの被覆部W2が剥離用工具10によって剥離されるときに、被覆線Wの回転を規制することができる。
さらに、第1のガイド体104は、側面から見たときに、締結部材108が通る締結部材取付孔306が設けられている。また、第1のガイド体104は、第1支持部308および第2支持部310が設けられている。第1支持部308は、被覆線Wの被覆部W2を剥離するときに刃体18からの力が第1のガイド体104の被覆線保持部300にかかるので、被覆線保持部300を支持するために設けられている。また、第2支持部310は、被覆線Wが被覆線保持体100から外れることを防ぐために設けられている。
第2のガイド体106は、第1のガイド体104と同様に、被覆線Wと接する被覆線保持部340が形成されている。被覆線保持部340は側面から見たときに、円弧状に形成されている。また、被覆線保持部340の端部には刃体18から離れた位置に第1の突条保持部342が形成され、刃体18から近接した位置に第2の突条保持部344が形成されている。第1の突条保持部342および第2の突条保持部344は、突条W3が形成されている被覆線Wに剥離用工具10を取り付けたときに、突条W3が嵌まり込むように構成されている。さらに、第2のガイド体106は、側面から見たときに、締結部材108が通る締結部材取付孔346が設けられている。また、第2のガイド体106は、第1支持部348および第2支持部350が設けられている。なお、第2のガイド体106の構成は、第1のガイド体104の構成と同じである。
被覆線保持体100は、第1のガイド体104と第2のガイド体106との間に被覆線保持体本体102を配設し、締結部材108によって固定することによって製造される。
被覆線保持体100には、被覆線Wを保持する被覆線保持部110が形成されている。被覆線保持部110は、被覆線保持体本体102の第1の側板126に設けられた被覆線保持部200、第2の側板128に設けられた被覆線保持部240、第1のガイド体104に設けられた被覆線保持部300、および第2のガイド体106に設けられた被覆線保持部340によって構成される。
また、被覆線保持部110は、第1の本体部材120、第2の本体部材122および第3の本体部材124に設けられた被覆線収容部142よりも被覆線W側に突き出して形成される。言い換えると、被覆線保持部110と、第1の本体部材120、第2の本体部材122および第3の本体部材124に設けられた被覆線収容部142との間には段差が形成される。したがって、被覆線保持部110が被覆線Wの外面と接触して被覆線Wを把持する。このように、被覆線保持部110と被覆線Wの外面との接触部を少なくすることで、被覆線Wと被覆線保持部110との間に生じる摩擦を低減し、被覆線Wを剥離する時の抵抗を低減することができる。
被覆線保持部110の端部には、溝部が形成される。溝部は被覆線Wに設けられた突条W3が嵌り込むように形成される。溝部は、被覆線保持体本体102の第1の側板126に設けられた第1の突条保持部202、第2の側板128に設けられた第1の突条保持部242、第1のガイド体104に設けられた第1の突条保持部302、および第2のガイド体106に設けられた第1の突条保持部342によって構成される。第1の突条保持部202,242,302,342(溝部)および第2の突条保持部204,244,304,344は被覆線Wに設けられた突条W3の位置にあわせて設けられている。例えば、被覆線Wに設けられた突条W3が円周方向の断面において180度離れて設けられている場合は、第1の突条保持部202,242,302,342および第2の突条保持部204,244,304,344は180度離れて設けられる。この実施形態では、被覆線Wに剥離用工具10を取り付けたときに、被覆線Wの2つの突条W3を結んだ線が剥離用工具10の長さ方向(前後方向)と平行に把持するように第1の突条保持部202,242,302,342および第2の突条保持部204,244,304,344の2カ所で把持している。なお、第1の突条保持部および第2の突条保持部が180度離れていれば、長さ方向に対してどの角度で把持してもよい。例えば、被覆線保持部110に第1の突条保持部のみを設け、被覆線Wの2つの突条W3を結んだ線が剥離用工具10の長さ方向と垂直に把持するように第1の突条保持部を設けてもよい。
また、第1のガイド体104と被覆線保持体本体102に設けられた第1の側板126との間の距離をd1とする。また、被覆線保持体本体102に設けられた第1の側板126と第2の側板128との間の距離をd2とする。さらに、被覆線保持体本体102に設けられた第2の側板128と第2のガイド体106との間の距離をd3とする。図4A(b)に示すように、d2はd1およびd3よりも長く形成される。被覆線保持体100では、被覆線保持体本体102の第1の側板126に設けられた被覆線保持部200、第2の側板128に設けられた被覆線保持部240、第1のガイド体104に設けられた被覆線保持部300、および第2のガイド体106に設けられた被覆線保持部340の4か所で被覆線Wに接触する。被覆部を剥離するときに、被覆線Wにねじりが発生するが、中央部分のねじりは最端のねじりへの影響が少ない。そこで、第1のガイド体104、第1の側板126、第2の側板128および第2のガイド体を等間隔に設けるのではなく、第1のガイド体104と第1の側板126との間の距離(d1)、および第2の側板128と第2のガイド体との間の距離(d3)を等間隔で設けた場合よりも短くすることで、被覆線Wに生じるねじりを抑制することができる。
上記の実施形態では、突条W3を有する被覆線Wの被覆部W2を、被覆線保持体100を備える剥離用工具10によって剥離する場合について説明したが、剥離用工具10は突条W3が設けられていない被覆線Wの被覆部W2を剥離することも可能である。
(c)刃体保持体
刃体保持体16について、図7を基づいて説明する。
刃体保持体16は、刃体保持部材30を含む。刃体保持部材30は、直方体状に形成される。刃体保持部材30は、軸支持部24に対向する一方主面(下側の面)と、把持体22に対向する他方主面(上側の面)を有する。また、刃体保持部材30は、刃体保持部材30の前記両主面に対して垂直な面であり、かつ剥離用工具本体12の本体部20に対向する面である両側面、すなわち手前側の前面および向こう側の後面を有する。さらに、刃体保持部材30は、刃体保持部材30の両主面および両側面に対して垂直な面であり、かつ本体部20に対して垂直な面である両端面、すなわち右側の面および左側の面を有する。
刃体保持部材30の幅方向(すなわち、刃体保持部材30の両端面を結ぶ方向)の長さは、把持体22の幅方向の長さよりも短く形成される。刃体保持部材30は、その前面の上部側に刃体取付部30aが形成される。刃体取付部30aには、刃体18を取り付けるために、刃体保持部材30の一方側面(前面)の中間部から他方主面側(上端側)の範囲に刃体取付面30a1が設けられる。この刃体取付部30aにおける刃体取付面30a1は、刃体保持部材30の一方側面(前面)から他方側面(後面)に向かって、刃体18の厚みの大きさと略同一の大きさの厚みだけ段差が設けられる。さらに、刃体取付部30aには、刃体18を取り付けるために、刃体取付用穴30bが設けられている。
また、刃体保持部材30の一方主面(下面)の略中央には押圧軸枢着用穴30cが形成される。押圧軸枢着用穴30cは、把持体22と軸支持部24とを結ぶ方向にのびる。押圧軸枢着用穴30cの深さは、押圧軸14の枢着部62におけるその軸方向の長さと略同一である。また、押圧軸枢着用穴30cの内径は、枢着部62の外径と略同一に形成される。
さらに、刃体保持部材30の一方側面(前面)の下部側において、第1の抜け防止部材挿入用孔30dが穿設されている。第1の抜け防止部材挿入用孔30dは、刃体保持部材30の前面(手前側)から押圧軸枢着用穴30cに向かって貫通してのびている。
また、刃体保持部材30の他方側面(後面)の下部側において、第2の抜け防止部材挿入用孔30eが穿設されている。第2の抜け防止部材挿入用孔30eは、刃体保持部材30の背面(向こう側)から押圧軸枢着用穴30cに向かって貫通してのびている。
そして、抜け防止部材46が、第1の抜け防止部材挿入用孔30dおよび第2の抜け防止部材挿入用孔30eのうちの少なくともいずれか一方に螺入される。抜け防止部材46は、第1の抜け防止部材挿入用孔30dおよび第2の抜け防止部材挿入用孔30eのうちの少なくともいずれか一方において、抜け防止部材46の先端が、枢着用溝62aの底面に当接しないように配置される。
また、刃体保持部材30の両端面には、複数のガイド取付用穴30fが穿設されている。ガイド取付用穴30fは、たとえば、各端面において3箇所ずつ設けられている。それぞれのガイド取付用穴30fは、各端面から、押圧軸枢着用穴30cに向かってのびる。
押圧軸14が刃体保持体16に枢着されるとき、押圧軸14の枢着部62は、刃体保持部材30の押圧軸枢着用穴30cに挿入されている。このとき、第1の抜け防止部材挿入用孔30dおよび第2の抜け防止部材挿入用孔30eのうちの少なくともいずれか一方から枢着部62の枢着用溝62aに抜け防止部材46が突入されており、それぞれの抜け防止部材46は、枢着部62の第1支持部62bと第2支持部62cとにより挟むように支持されている。従って、押圧軸14の枢着部62は、刃体保持部材30に対して、回転可能に支持される。
(d)刃体
刃体18について、図5に基づいて説明する。図5(A)は、図1に示す剥離用工具に用いられる刃体を示す正面図である。図5(B)は平面図である。図5(C)は、その側面図である。図5において、高さ方向は、刃体18が刃体保持部材30に取着されたときに、取着される際の上端縁とそれに相対する下端縁を結ぶ方向である。また、幅方向は、高さ方向に直交し、且つ刃体18の左端縁とそれに相対する右端縁を結ぶ方向である。更に、厚さ方向は、高さ方向と幅方向の両方に直交し、且つ刃体保持部材30と螺合する方向である。
刃体18は、軸方向用切断刃18a、並びに一対の円周方向用切断刃18bおよび円周方向用切断刃18cを含む。円周方向用切断刃18bおよび18cは、軸方向用切断刃18aをその間に介在して、正面視右側の円周方向用切断刃18bと、正面視左側の円周方向用切断刃18cとに分かれている。刃体18の幅方向の長さは、刃体保持部材30の幅方向の長さと略同一である。刃体18の一方端辺(下辺)側は、刃体18の交換が可能なように、刃体保持部材30の刃体取付部30aに取着される。刃体18の他方端辺(上辺)側には、軸方向用切断刃18a、並びに円周方向用切断刃18bおよび18cが形成されている。円周方向用切断刃18bおよび18cは、軸方向用切断刃18aの左右両端から、一対の刃が剥離用工具本体12の把持部22aに把持された被覆線Wに向かってのび、軸方向用切断刃18aよりも被覆線Wに向かって先端部18b1,18c1が突設している。円周方向用切断刃18bおよび18cは、円周方向用切断刃18bおよび18cののびる方向が、軸方向用切断刃18aののびる方向に対して垂直方向に配設されている。刃体18において、軸方向用切断刃18a並びに一対の円周方向用切断刃18bおよび18cが一体に形成される。
軸方向用切断刃18aは、剥離用工具本体12の把持部22aに把持された被覆線Wに向かうに従って、また、刃が上端に向かうに従って、刃の厚さ方向において細くなっている。すなわち、刃の正面側と背面側との長さが、先端に向かうに従って徐々に短くなるテーパー状である。また、軸方向用切断刃18aは、被覆線Wの軸方向に沿って被覆部W2に食い込み、その後切断するために設けられている。
軸方向用切断刃18aは、刃体保持部材30に、剥離用工具本体12に把持された被覆線Wに対して、刃ののびる方向が平行になるように取り付けられ、刃体18が刃体保持部材30に取り付けられたとき、軸方向用切断刃18aは、刃体保持部材30の他方主面(上面)から被覆線保持体100の被覆線保持部110に把持された被覆線Wに向かって突設する。なお、軸方向用切断刃18aは片刃であることが好ましい。
円周方向用切断刃18bおよび18cは、軸方向用切断刃18aをその間に介在して、正面視右側の円周方向用切断刃18bと、正面視左側の円周方向用切断刃18cとに分かれている。右側の円周方向用切断刃18bと、左側の円周方向用切断刃18cは、平行にのびていてもよい。右端の円周方向用切断刃18bと左端の円周方向用切断刃18cとは、略同一形状である。
円周方向用切断刃18bは、先端部18b1と支持部18b2とを有している。また、円周方向用切断刃18cは、先端部18c1と支持部18c2とを有している。先端部18b1と18c1とは、軸方向用切断刃18aの上端縁である刃先よりも突設した部分である。円周方向用切断刃18bの支持部18b2および円周方向用切断刃18cの支持部18c2において、軸方向用切断刃18aと連続し、軸方向用切断刃18a並びに一対の円周方向用切断刃18bおよび18cは、一体に形成される。また、右側の円周方向用切断刃18bと、左側の円周方向用切断刃18cは、剥離用工具本体12の把持部22aに把持された被覆線Wに向かってのび、軸方向用切断刃18aよりも被覆線Wに向かって、右側の円周方向用切断刃18bの先端部18b1および左側の円周方向用切断刃18cの先端部18c1は、被覆部W2の厚みと同じもしくはそれよりも長く突設されていてもよい。そして、右側の円周方向用切断刃18bと、左側の円周方向用切断刃18cは、円周方向用切断刃18bと、円周方向用切断刃18cののびる方向が軸方向用切断刃18aののびる方向に対して垂直方向に配設されている。右側の円周方向用切断刃18bの先端部18b1と、左側の円周方向用切断刃18cの先端部18c1は、正面視略V字形の先の尖った切っ先であり、側面視略U字形(倒コの字型)で前側の角部と後側の角部が、先の尖った切っ先となっており、刃先は前側から後側に亘って連続する直線状である。また、右側の円周方向用切断刃18bと、左側の円周方向用切断刃18cは、被覆線Wの円周方向に沿って被覆部W2に同時に食い込み、その後切断するために設けられている。
円周方向用切断刃18bの支持部18b2および円周方向用切断刃18cの支持部18c2は、軸方向用切断刃18aの刃先に対向する鎬18gから右側の円周方向用切断刃18bの先端部18b1および左側の円周方向用切断刃18cの先端部18c1にかけて形成され、厚みは刃体支持部18fの厚さ方向の長さと同じ長さである。
右側の円周方向用切断刃18bと、左側の円周方向用切断刃18cとは、被覆線Wの被覆部W2を剥離する範囲、すなわち被覆線Wの軸方向における長さを規定する。なお、円周方向用切断刃18bおよび18cは、両刃であることが好ましい。
刃体18の一方端辺(上辺)側には、刃体取付孔18dが形成されている。刃体取付孔18dには、刃体保持部材30に刃体18を取り付ける際に、刃体取付用部材18eが貫通され、刃体保持部材30の刃体取付用穴30bに螺合される。このように、刃体18は、刃体保持部材30の刃体取付部30aに取着される。刃体取付孔18dは、刃体取付用部材18eを螺入したとき、刃体取付用部材18eが突出しないように、すり鉢状に形成されている。
刃体支持部18fは、軸方向用切断刃18a並びに円周方向用切断刃18bおよび18cと接続し、刃体取付孔18dを支持する。
刃体18には、軸方向用切断刃18aとは別に一対の円周方向用切断刃18bおよび18cが設けられているので、剥離用工具10を被覆線Wを中心に回転させて被覆部W2の剥離を行う際に、円周方向用切断刃18bおよび18cにより被覆部W2を円周方向に容易に切断できるので、被覆部W2の剥離作業をスムーズに行うことができる。
また、刃体18は、軸方向用切断刃18aならびに円周方向用切断刃18bおよび18cとが一体に形成されているので、刃体取付用部材18eを取り外すだけで、刃体保持体16から刃体18を取り外すことができる。被覆部W2を剥離するために必要な刃を全て交換することができるので、刃体18を再度、刃体保持体16に取り付けるための調整が容易であるから、剥離用工具10のメンテナンスが容易にできる。
(e)刃ガイド
第1刃ガイド40および第2刃ガイド42について、図6A及び図6Bに基づいて説明する。図6A(A)は図1に示す剥離用工具に用いられる正面視右側のガイドを示す正面図であり、図6A(B)はその側面図である。また、図6A(C)は図1に示す剥離用工具に用いられる正面視左側のガイドを示す正面図であり、図6A(D)はその側面図である。図6B(A)は図6Aに示す刃ガイドの変形例の正面視右側の刃ガイドを示す正面図であり、図6B(B)はその側面図である。また、図6B(C)は図6Aに示す刃ガイドの正面視左側のガイドを示す正面図であり、図6B(D)はその側面図である。
一対の刃ガイドは、被覆部W2の剥離する位置を決め、剥離した被覆部W2を一定方向に出力するように案内し、剥離した被覆部W2の落下を防止するものであって、第1刃ガイド40と第2刃ガイド42から構成されている。
図6Aの第1刃ガイド40及び第2刃ガイド42は、全体が平面状の平板であるが、図6Bの第1刃ガイド40及び第2刃ガイド42は、屈曲された板状体である。
第1刃ガイド40は、刃体保持部材30の右端面に取着される。第1刃ガイド40は、ガイド本体部40aを含む。ガイド本体部40aには、ガイド取付用孔40a1が形成されている。ガイド取付用孔40a1には、刃体保持部材30の右端面に第1刃ガイド40を取着する際に、ガイド取付部材40a2が貫通され、刃体保持部材30のガイド取付用穴30fに螺合される。そして、ガイド本体部40aの後部において、背面側ガイド支持部40cが突設されている。また、図6Bの刃ガイド40において、ガイド本体部40aの上端側には、押さえ部40a3が突設されている。さらに、ガイド本体部40aの前部において、折り曲げ部40a4を起点にして刃体18の幅方向の中央に向かって内側に脱落防止部40bが前方上側に向けて突設されている。
第2刃ガイド42は、刃体保持部材30の左端面に取着される。第2刃ガイド42は、ガイド本体部42aを含む。ガイド本体部42aには、ガイド取付用孔42a1が形成されている。ガイド取付用孔42a1には、刃体保持部材30の左端面に第2刃ガイド42を取着する際に、ガイド取付部材42a2が貫通され、刃体保持部材30のガイド取付用穴30fに螺合される。そして、ガイド本体部42aの後部において、背面側ガイド支持部42cが突設されている。また、図6Bの刃ガイド42において、ガイド本体部42aの上端側には、押さえ部42a3が突設されている。さらに、ガイド本体部42aの前部において、折り曲げ部42a4を起点にして刃体18の幅方向の中央に向かって内側に脱落防止部42bが前方上側に向けて突設されている。
なお、折り曲げ部40a4および42a4には、折り曲げるための溝が形成されていることが好ましいが、形成されていなくても良い。
第1刃ガイド40の脱落防止部40bおよび第2刃ガイド42の脱落防止部42bが、前方上側に向けて突設されていることにより、被覆線Wの被覆部W2を剥離する位置を決めるために使用することができる。
また、第1刃ガイド40の脱落防止部40bおよび第2刃ガイド42の脱落防止部42bが、前方上側に向けて突設されていることにより、剥離した被覆線Wの被覆部W2を一定方向に出力するように案内することができる。
また、図2Aに示すように、側面から見ると、刃体18が第1刃ガイド40の脱落防止部40bおよび第2刃ガイド42の脱落防止部42bよりも剥離用工具本体12側に取付けられている。これにより、被覆線Wの被覆部W2を刃体18によって剥離させる際に、第1刃ガイド40と第2刃ガイド42よりも先に一対の円周方向用切断刃18b、18cを被覆部W2に食い込ませることができる。
さらに、図6Bのように、第1刃ガイド40の脱落防止部40bおよび第2刃ガイド42の脱落防止部42bが、それぞれ折り曲げ部40a4および42a4から脱落防止部40bおよび42bの上端まで刃体18の幅方向の中央に向かって内側に向かい合うことにより、刃体保持部材30の幅よりも脱落防止部40bの上端と脱落防止部42bの上端との幅の方が狭いので、剥離された被覆部W2が脱落防止部40bの下端と脱落防止部42bの下端との間に留まり、被覆部W2の落下を防止することができる。
ガイド本体部40aの下端縁は、水平状押え部40a3側の下端縁と、該下端縁より一段下がって背面側ガイド支持部40c側の水平状下端縁とが連続している。
同様に、ガイド本体部42aの下端縁は、水平状押え部42a3側の下端縁と、該下端縁より一段下がって背面側ガイド支持部42c側の水平状下端縁とが連続している。
第1刃ガイド40の背面側ガイド支持部40cと第2刃ガイド42の背面側ガイド支持部42cとの間には、背面側ガイド44が架設されている。背面側ガイド44は、本体部20の背面側に設けられ、棒状に形成されても良い。背面側ガイド44を備えることにより、刃体18が被覆線Wから被覆部W2を剥離するときに、刃体18が、手前方向に移動することで刃体18が被覆線の外周において滑ることを防止し、軸方向用切断刃18aならびに一対の円周方向用切断刃18bおよび18cが被覆線Wの被覆部W2にしっかりと食い込ませることができる。
(f)腕体
腕体50について、図2A及び図3Bに基づいて説明する。
把持体22における背面側には、腕体50が設けられる。
腕体50は、腕部支持部50a、腕部50bおよび第2の係合部50cを含む。
腕部支持部50aは、把持体22が本体部20に対して突設される方向とは反対方向であって、かつ押圧軸14がのびる方向に対して略垂直方向に向かって突設される。腕部支持部50aは、円筒状に形成される。また、腕部支持部50aの側面には、固定用孔50a1が穿設されている。腕部支持部50aには、腕部50bが連設される。
腕部50bは、図3Bに示すように、腕部本体部50b1と接続部50b2とを含む。腕部本体部50b1および接続部50b2は、それぞれ円柱状に形成されており、腕部本体部50b1の一方端側に接続部50b2が連設される。また、腕部本体部50b1の外径は、接続部50b2の外径よりも大きく形成される。接続部50b2には、その中間部において、腕部固定用螺子穴50b3が穿設されている。腕部固定用螺子穴50b3は、押圧軸14の軸方向および腕部50bの軸方向に対して直交する方向にのびる。そして、円柱状に形成される腕部50bの接続部50b2が、円筒状に形成された腕部支持部50aに嵌入される。したがって、接続部50b2の外径は、腕部支持部50aの内径と略同一の大きさである。腕部50bの接続部50b2が、腕部支持部50aに嵌入された状態で、腕部支持部50aの固定用孔50a1を貫通し、そして、接続部50b2の腕部固定用螺子穴50b3に、固定用部材50a2が螺入されて、腕部支持部50aと腕部50bとが固着される。
腕部本体部50b1の他方端側の端面の略中央には、第2の係合部50cと連設するための係合部連設用螺子穴50b4が穿設されている。係合部連設用螺子穴50b4は、腕部本体部50b1の他方端側から一方端側に向かって(すなわち、腕部50bの軸方向に)のびている。
腕部50bの他方端には第2の係合部50cが連設される。
第2の係合部50cは、リング部50c1、ベース部50c2および接続軸50c3を含む。リング部50c1は、リング状に形成される。ベース部50c2は、円柱状に形成され、その一方面側にリング部50c1が固着される。そして、ベース部50c2の他方面側の略中央に、接続軸50c3が形成される。接続軸50c3が、係合部連設用螺子穴50b4に嵌挿され、螺着されて、第2の係合部50cと腕部50bとが連設される。
(g)押圧軸
押圧軸14は、把持体22と軸支持部24とを結ぶ方向に進退自在に移動し得る。押圧軸14は、図2A及び図3Bに示すように、螺子部60、枢着部62および接続部64を含む。螺子部60は、円柱状に形成される。螺子部60の側面には、螺旋状の溝による螺子山が形成される。そして、押圧軸14の螺子部60が、軸支持部24の螺子孔24aに螺入される。そして、螺子部60が回転することによって、押圧軸14は、把持体22と軸支持部24とを結ぶ方向(上下方向)に進退自在に移動させることができる。螺子部60の一方端(把持体22に対向する側)には枢着部62が設けられ、他方端には接続部64が設けられる。
枢着部62は、押圧軸14に刃体保持体16を枢着するために設けられる。枢着部62は、円柱状に形成され、その中間部に枢着用溝62aが形成される。そして、枢着用溝62aを上下方向から挟むように、第1支持部62bおよび第2支持部62cが設けられる。
接続部64には、第1の係合部66が固着して連設される。接続部64は、円柱状に形成される。接続部64には、その中間部において係合部固定用孔64aが貫通して穿設されている。係合部固定用孔64aは、押圧軸14の軸方向に対して直交する方向にのびる。
第1の係合部66は、リング部66aとベース部66bとを含む。リング部66aは、リング状に形成される。ベース部66bは、円筒状に形成される。ベース部66bの一方側には、リング部66aが固着され、他方側は、開口している。また、ベース部66bの側面には、固定用孔66b1が穿設されている。そして、押圧軸14の接続部64は第1の係合部66のベース部66bに嵌入される。第1の係合部66は、押圧軸14の接続部64が第1の係合部66のベース部66bに嵌入された状態で、第1の係合部66におけるベース部66bの固定用孔66b1および接続部64の係合部固定用孔64aに棒状の固定用部材66cが嵌挿されて、第1の係合部66と押圧軸14の接続部64とが固着される。
これにより、第1の係合部66を回転させることで、第1の係合部66の回転と同時に螺子部60を回転させることができる。第1の係合部66は、リング状に形成されるリング部66aを有する。リング部66aは、たとえば、操作器具Sの鉤状に形成される先端係合部S2を係合させるために設けられる。
(h)規制部材
押圧軸14の螺子部60において、軸支持部24と第1の係合部66との間の領域には、規制部材68が配置される。規制部材68は、軸支持部24と接触することによって、押圧軸14が、把持体22の配置される方向に移動するのを規制するために設けられる。規制部材68は、図1及び図3Bに示すように、ドーナツ状に形成される。規制部材68のリングの内側面には雌螺子が形成されており、押圧軸14の螺子部60に螺入される。規制部材68には、規制部材固定用孔68aが穿設されている。規制部材固定用孔68aは、その外側面における4方向から、すなわち、各方向が90度に間隔をあけて、リング中心に向かって形成されている。規制部材固定用孔68aには、規制部材固定用部材68bが螺入されており、規制部材固定用部材68bを押圧軸14の螺子部60に当接させることで、規制部材68を螺子部60の所望の位置で固定させることができる。
さらに、図1に示す剥離用工具10は、規制部材68があることで、被覆線Wの径に応じて、作業前に規制部材68により押圧軸14の進退方向の移動を規制するように配置させておくことで、芯線W1に対して傷をつけることなく、被覆部W2のみを剥離するように、刃体保持体16の移動距離を設定することができる。
なお、被覆線Wの線径に応じて、芯線W1を傷つけることのない程度に被覆線Wに対して刃体を食い込ませるのに必要な移動距離(すなわち、被覆部W2の厚みの大きさに対応)は予め決まっているので、その必要な移動距離に基づき、螺子部60における規制部材68の位置を決定することができる。
また、さらに、剥離用工具10は、本体部20において、把持体22が突設される方向とは反対方向であって、かつ押圧軸14がのびる方向に対して略垂直方向に向かってのびる腕部50bを有し、腕部50bの一方端側は腕部支持部50aを介して本体部20と接続され、腕部50bの他方端側には第2の係合部50cを有するので、第1の係合部66および腕体50の第2の係合部50cを操作器具Sの先端係合部S2に引っ掛けることで、操作器具Sによる遠隔操作により、被覆線Wを中心として剥離用工具10を容易に一回転させることができる。
この実施形態においては、図1ないし図3及び図8において示すように、本体部20は、柱状体の上端部分において、正面側(刃体18側)に向けて突き出し設けられた把持体22と、柱状体の中間部分において、正面側(刃体18側)に向けて突き出し設けられた、刃体保持体16を構成する第1刃ガイド40及び第2刃ガイド42と、柱状体の下端部分において、正面側(刃体18側)に向けて突き出し設けられた軸支持部24とを備える。
本体部20は、正面側において、それを構成する柱状体の中央線と平行に延びる押圧軸14を設けられており、押圧軸14は、それを構成する螺子部60が、軸支持部24に形成された螺子孔24aに上下動自在に取り付けられている。
押圧軸14の上端には、刃体保持体16を構成する刃体保持部材30が取り付けられており、刃体保持部材30の正面側には、刃体18が取り付けられている。
刃体18が取り付けられた刃体保持部材30は、押圧軸14の上下動によって把持体22に向けて近づいたり離れたりするように構成されている。
本体部20は、正面側において、把持体22と刃体保持部材30との間に、被覆線保持体100を取り付けるための開放空間が形成されている。
本体部20は、介在部20aの正面側に設けられた刃体18と対向する面(正面側の内側面)に、被覆線保持体100を取り付ける取り付け部が形成されている。
本体部20の取り付け部は、把持体22の下側に続く、刃体18と平行な第2の取り付け部20bが形成され、更に、第2の取り付け部20bの下側に続く、本体部20の内側に向いて凹む半円弧状の第3の取り付け部20dが形成されて、被覆線保持体100の第3の面100cを固定するように形成されている。
本体部20の第2の取り付け部20bには、第2突起部20cが正面側(刃体18が形成された側)に向けて突き出し設けられている。
この実施形態においては、把持体22は、側面視において、本体部20より水平方向に前方に伸びる略板状体であり、正面視において、被覆線Wの伸びる方向に伸びるその幅が刃体18の幅より長い板状体であり、側面視において、軸支持部24及び刃体保持体16の本体部20から水平に伸びる支持部分と平行に伸びて、刃体保持体16との間に被覆線保持体100を配設するための開放空間が形成されるように構成されている。
この実施形態においては、刃体保持体16は、正面略方形の横長柱状体で構成され、正面視において刃体18の主面を固定するために幅方向にのび且つ垂直方向に伸び、側面視において、本体部20から水平方向にのびかつ本体部20と平行に垂直方向に伸びる、略L字形の柱状である。
この実施形態においては、刃体18は、正面側と背面側にほぼ平面の主面を備えており、背面側の主面において、刃体保持体16の垂直方向への立ち上がり部分に固定されている。
刃体18の刃の先は、側面視において、刃体保持体16の平行方向へ伸びる支持部分より上方に向けて伸びた刃本体の先端(上端)に位置しており、正面視において、被覆線Wの伸びる方向に伸びる略板状体で構成されている。
この実施形態においては、第1刃ガイド40及び第2刃ガイド42は、刃体18の両端に位置するように、刃体保持体16に配設された板状であり、正面視において螺子部60側より上方に向けて垂直方向に伸び、第1刃ガイド40と第2刃ガイド42との間に刃体18が配設されるように構成され、側面視において本体部20側より前方に向けて伸びる略L字形の板状体であり、本体部20側より離れた先端の立ち上がり部分(脱落防止部40bおよび脱落防止部42b)が刃体18の先端の刃先より若干上部に位置するように伸びる板状体で構成されている。
この実施形態においては、垂直方向に伸びる押圧軸14の螺子部60を支持する軸支持部24は、本体部20から突き出し設けられた略柱状体が幅方向に伸び、側面視において本体部20から水平方向に延びる、ブロック状体である。
この実施形態においては、把持体22は、把持体22と本体部20に支持された刃体保持体16とにより、略Uの字型で、それらの間に被覆線保持体100を配設するための空間が形成されるように構成されている。
この実施形態においては、押圧軸14が把持体22に向けて伸び、刃体18が正面視略方形状で、その刃先が把持体22に向けて突き出て被覆線Wに平行に伸びる。
被覆線保持体100は、把持体22に固定されたとき、被覆線保持部110が被覆線Wの表面に沿って伸びるように刃体18の刃先に沿って平行に伸びるように構成されている。
被覆線保持部110は、刃体18が接する被覆線Wの反対側において、被覆線Wに接するように構成されている。
被覆線保持部110と刃体18とによって、被覆線Wを挟持し、刃体18が被覆線Wに食い込み、剥離用工具10が回転されて刃体18が被覆線Wの被覆部W2を剥離する間、被覆線保持部110は、被覆線Wの表面の一部に接し、被覆線Wの表面を滑りながら、刃体18が食い込んだ被覆線Wの被覆部W2を剥離することができるように構成されている。
この実施形態においては、被覆線保持体100は、被覆線保持部110が、被覆線保持体100の第2の面100bと第4の面100dとが交差する領域即ち隅部分において形成されており、刃体18の刃先側に開口するように構成されている。
この実施形態においては、第1のガイド体104及び第2のガイド体106は、第1刃ガイド40及び第2刃ガイド42の外側に位置しており、刃体18の両端より外側に離れた位置において被覆線保持体本体102に固定された板状体である。
第1のガイド体104及び第2のガイド体106は、正面視において把持体22側より下方に向けて、垂直方向に伸び、第1のガイド体104と第2のガイド体106の間に第1刃ガイド40及び第2刃ガイド42並びに刃体18が配設されるように構成される。また第1のガイド体104及び第2のガイド体106は、側面視において把持体22側より下方に向けて伸びる略L字形の板状体であり、本体部20側より離れた先端の第2支持部310,350が第1刃ガイド40及び第2刃ガイド42の先端部分(脱落防止部40bおよび脱落防止部42b)より若干下部に位置するように伸びるように構成されている。
この実施形態においては、第1突起部26は、把持部22aに、第1取り付け部(部)22bの表面より出没自在になるように構成され、被覆線保持体100の被覆線保持体本体104の取り付け部から垂直方向に出入りすることができるように形成された突起26aと、突起26aの上部に突起26aを上下動させるボタン部材26bとを備えている。そして、ボタン部材26bは、バネ部材26cを介して突起26aに取り付けられている。
第1突起部26は、螺子部60の軸線方向において、螺子部60の先端に向いて、把持部22aに配設されている。
この実施形態においては、第2突起部20cは、第2の取り付け部20bの中央において、水平方向に向けて突き出し設けられ、第1突起部26の突起26aとは交差する方向に向いて突き出し設けられている。
即ち、第2突起部20cは、刃体18の主面の伸びる方向とは、交差する方向に伸びており、第1突起部26の突起26aは、刃体18の主面の伸びる方向と平行な方向に伸びている。
この実施形態においては、被覆線保持体100には、把持体22の第1突起部26の突起26aが嵌合する固定穴150が第1の面100aに穿ち設けられている。固定穴150は、被覆線保持体100の第1の面100aの中央に形成されている。
また、被覆線保持体100は、本体部20の第2突起部20cが嵌合する固定穴151が、第3の面100cに穿ち設けられている。固定穴152は、被覆線保持体100の第3の面100cの中央に形成されている。
また、図1に示すように、被覆線保持体100を把持体22に固定したとき、被覆線保持体100の垂直方向の線と螺子部60の垂直方向の軸線と第1突起部26の突起26aの垂直方向の中心線とが重なるように、一直線状の垂直線VL1上に形成されている。さらに、図2Aに示すように、被覆線保持体100の被覆線保持部110は、一直線状の垂直線VL2よりも刃体18側に偏って形成されている。従って、被覆線保持体100に固定された被覆線Wは、一直線状の垂直線VL2よりも刃体18側に偏るように剥離用工具10に取り付けられる。
図1に示す剥離用工具10は、剥離用工具本体12と、被覆線Wに向けて進退移動する刃体保持体16と、刃体保持体16に保持された刃体18と、被覆線保持体100とを含み、刃体18によって、一定領域を一度に剥離することができる。
また、図1に示す剥離用工具10は、被覆線保持体100に被覆線保持部110に第1の突条保持部202,242として溝部が形成されているので、第1の突条保持部202,242に被覆線Wの突条W3が嵌まり込むことで、被覆線Wの被覆部W2が剥離用工具10によって剥離されるときに、被覆線Wの突条W3が被覆線保持部200から押されることによって芯線W1を傷つけてしまうことを防止することができる。
さらに、図1に示す剥離用工具10の被覆線保持体100は、被覆線保持体本体102と、被覆線保持体本体102の側面に設けられた第1のガイド体104および第2のガイド体106と、を備え、第1のガイド体104および第2のガイド体106の被覆線保持部300,340に第1の突条保持部302,342として溝部が形成されているので、第1の突条保持部302,342に被覆線Wの突条W3が嵌まり込むことで、被覆線Wの被覆部W2が剥離用工具10によって剥離されるときに、被覆線Wの突条W3が被覆線保持部200から押されることによって芯線W1を傷つけてしまうことを防止することができる。
また、図1に示す剥離用工具10の被覆線保持体100の被覆線保持体本体102には、1つ以上の側板126,128が設けられており、被覆線保持体100の側板126,128には、第1の突条保持部202,242として溝部が形成されているので、被覆線Wが接触する被覆線保持部202,204が形成されているので、第1の突条保持部202,242に被覆線Wの突条W3が嵌まり込むことで、被覆線Wの被覆部W2が剥離用工具10によって剥離されるときに、被覆線Wの突条W3が被覆線保持部200から押されることによって芯線W1を傷つけてしまうことを防止することができる。さらに、このように側板を設けることで、剥離するときに被覆線Wに対して均等に力がかかるので、被覆線Wのねじれの発生を抑制することができる。
2.剥離用工具の操作手順
次に、以上の構成からなる剥離用工具10を被覆線Wへ取り付け、剥離用工具10を用いて、被覆線Wから被覆部W2を遠隔で剥離する、剥離用工具の操作手順について説明する。図9ないし図13は、図1に示す剥離用工具10の使用方法を説明するための図であり、剥離用工具10により突条W3を有する被覆線Wから被覆部W2を剥離するための操作手順を示す。
まず、図9において示すように、クイックややっとこ等の把持工具Gの把持部G2を使用して腕部50bを把持して、被覆線Wの後ろ側から、被覆線保持体100の被覆線保持部110と第1刃ガイド40と第2刃ガイド42との間に被覆線Wの一部分を挟むようにして、被覆線Wに剥離用工具10を取り付ける。
次に、被覆線保持体100の被覆線保持部110の第1の突条保持部202,242,302,343および第2の突条保持部204,244,304,344に被覆線Wの突条W3を合わせ、第1の係合部66に操作器具Sの先端係合部S2(例えば、先端係合部S2は鉤状である)を係合させ、絶縁棒S1を図10に示す矢印Xの方向に回転させて押圧軸14を回転させることにより刃体保持部16を被覆線Wに接近する方向に移動させ、刃体18を被覆線Wに食い込ませる。
次に、第1の係合部66に、操作器具Sの先端係合部S2を引っ掛けて、第1の係合部66側を持ち上げるように回す(図11(A))。
次に、腕体50の第2の係合部50cに操作器具Sの先端係合部S2を引っかけて、引き下げるように回す(図11(B))。
剥離用工具10が180度回転された状態になるので、次に、腕体50の第2の係合部50cに操作器具Sの先端係合部S2を引っかけて、押し上げるように回す(図11(C))。
剥離用工具10がさらに90度回転された状態になるので、第1の係合部66に操作器具Sの先端係合部S2をひっかけて引き下げるように回す(図11(D))。
以上のようにして、剥離用工具10を、180度+90度+90度回すことにより、被覆線Wを中心に360度回転することになる。これにより、被覆部W2が全周にわたって剥ぎ取られた状態になる。
最後に、操作器具Sの先端係合部S2を第1の係合部66に引っ掛けた状態で第1の係合部66を押圧軸14の軸を中心として時計の回転方向とは逆方向に回転させることで、押圧軸14を軸回転させ、それにより、刃体保持体16を被覆線W側から離れる方向に移動させる。そして、被覆線Wから剥離用工具10を外す。
図12は、刃体18が被覆線Wから被覆部W2を剥離させている状態を示す斜視図解図である。一方の突条W3が被覆線保持体100の第1のガイド体104に設けられた第1の突条保持部302が当接し、他方の突条W3が被覆線保持体100の第1のガイド体104に設けられた第2の突条保持部304が当接する。したがって、被覆線Wを剥離するときに被覆線Wの回転を規制することができる。
また、図13は、刃体18が被覆線Wから被覆部W2を剥離させている状態を示す断面図解図である。剥離用工具10が一回転することにより、刃体18によって、被覆部W2は被覆線Wから剥離される。
さらに、図14は、刃体18が被覆線Wの剥離部W2を剥ぎ取る状態を示す図解図である。図14に示すように、刃体18を被覆線Wの被覆部W2に食い込ませると、被覆部W2には、刃体18の軸方向用切断刃18aにより被覆部W2の軸方向の切断線L1が形成される。そして、剥離用工具10を被覆線Wを中心に回転させると、円周方向用切断刃18bおよび18cにより被覆部W2の円周方向の切断線L2が形成される。
なお、刃体18は、剥離用工具10を使用しない時には、図15に示すような刃体カバー90を、刃体18の正面側に被せて刃体18を保護すれば良い。刃体カバー90は、刃体カバー90に設けられたマグネットによって固定するようにすれば良い。
(第2の実施形態)
1.剥離用工具の構成
この発明にかかる剥離用工具の第2の実施形態について、図16ないし図19に基づいて説明する。図16は、この発明の第2の実施形態にかかる剥離用工具の一例を示す正面図である。図17は、この発明の第2の実施形態にかかる剥離用工具の一例を示す左側面図である。図18は、この発明の第2の実施形態にかかる剥離用工具の一例を示す背面図である。図19は、図16に示す剥離用工具の縦断面図である。
なお、第2の実施形態にかかる剥離用工具10Aは、第1の実施形態にかかる剥離用工具10の剥離用工具本体12に設けられた把持体22と被覆線保持体100が一体に形成されていることを除いて、図1ないし図15を用いて説明した剥離用工具10と同様の構成を有する。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
第2の実施形態に係る剥離用工具10Aは、剥離用工具本体12Aと、被覆線Wに向けて進退移動する刃体保持体16と、刃体保持体16に保持された刃体18とを含む。
剥離用工具本体12Aは、本体部500と、本体部500の一方端部において、本体部500から手前側に向かって突設するように形成された把持体502とを含む。
また、刃体18は、被覆線Wの一面に向けて突き出し設けられている。
さらに、剥離用工具10Aは、剥離用工具本体12Aに進退移動自在に螺入される押圧軸14を備え、刃体保持体16は、押圧軸14の進退移動に伴い進退移動する。
剥離用工具本体12Aは、本体部500を含む。本体部500は、直方体状に形成される。
本体部500において、剥離用工具本体12Aを被覆線Wに取り付けたとき、この被覆線Wを把持する側の面を正面とする。本体部500は、剥離用工具本体12Aを正面から見たとき、本体部500の一方端側に向かって幅が狭くなるように形成される。
本体部500の他方端部において、本体部500から手前側(正面側)に向かって突設された把持体502が形成される。把持体502は、側面視略L字形に形成される。把持体502の手前側には、把持体502の幅方向(被覆線Wの軸方向のびる方向)にのびる把持部502aが設けられている。把持部502aの上面(内側面)には、被覆線保持部502bが形成されている。被覆線保持部502bは、側面視略下に凹む円弧状に形成される。すなわち、被覆線保持部502bは、幅方向にのびる把持部502aに沿って、本体部500の他方端側に向かって凸の半円弧状に形成される。
また、把持体502の幅方向の長さは、本体部500の他方端部側における幅方向の長さよりも長く形成される。把持体502の幅方向の長さは、刃体18により被覆線Wの被覆部W2を剥離するとき、安定して被覆線Wを把持できる長さが確保されている。
また、被覆線保持部502bには、側面視V字形の突条保持部(溝部)502cが形成される。突条保持部502cに被覆線Wの突条W3が嵌まり込むことで、被覆線Wの被覆部W2が剥離用工具10によって剥離されるときに、被覆線Wの突条W3が被覆線保持部502bから押されることによって芯線W1を傷つけてしまうことを防止することができる。より具体的には、突条保持部502cを設けない場合は、被覆線Wの突条W3が被覆線保持部502bに接触して、刃体18が食い込む位置が被覆線Wの突条W3の周方向の長さだけ芯線W1に近づくことになる。そうすると、刃体18が被覆部W2だけでなく芯線W1にも食い込んでしまい、芯線W1を傷つけてしまう。しかし、この発明のように、突条保持部502cを設けることで、突条保持部502cに被覆線Wの突条W3が嵌まり込むので、刃体18が食い込む位置が芯線W1に近づくことなく、被覆線Wの被覆部W2を剥離することができる。また、突条保持部502cに被覆線Wの突条W3が嵌まり込み、固定されることで、被覆線Wの被覆部W2が剥離用工具10によって剥離されるときに、被覆線Wの回転を規制することができる。
なお、第1の実施形態の剥離用工具10と同様に、被覆線保持部502bに、側板126と側板128とを間隔をおいて設けて、被覆線保持部502bの面との間に段差を形成することもできる。側板を設けることにより、ねじれの発生を抑制することができる。
以上のように、本発明の実施形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
たとえば、剥離用工具10,10Aは、押圧軸14が、剥離用工具本体12,12Aに対して進退移動自在に螺入されているが、これに限るものではなく、押圧軸14は、剥離用工具本体12,12Aに対して、進退移動自在であれば、どのように剥離用工具本体に対して設けられていてもよい。
また、剥離用工具10,10Aは、規制部材68が押圧軸14に螺入されているが、これに限るものではなく、必ずしも規制部材68が螺入されていなくてもよい。
さらに、剥離用工具10,10Aは、本体部20,500の背面側に腕体50が設けられているが、これに限るものではなく、必ずしも設けられていなくてもよい。
さらにまた、剥離用工具10,10Aは、背面側ガイド44が本体部20,500の背面側に配置されているが、これに限るものではなく、必ずしも背面側ガイド44を有さなくてもよい。
この発明に係る剥離用工具は、たとえば、操作器具Sによる遠隔操作により、被覆線Wから被覆部W2を剥離するのに好適に使用することができる。
10,10A 剥離用工具
12,12A 剥離用工具本体
14 押圧軸
16 刃体保持体
18 刃体
18a 軸方向用切断刃
18b 右側の円周方向用切断刃
18b1 先端部
18b2 支持部
18c 左側の円周方向用切断刃
18c1 先端部
18c2 支持部
18d 刃体取付孔
18e 刃体取付用部材
18f 刃体支持部
18g 鎬
20 本体部
20a 介在部
20b 第2の取り付け部
20c 第2突起部
20d 第3の取り付け部
22 把持体
22a 把持部
22b 第1の取り付け部
24 軸支持部
24a 螺子孔
26 第1突起部
26a 突起
26b ボタン部材
26c バネ部材
30 刃体保持部材
30a 刃体取付部
30a1 刃体取付面
30b 刃体取付用穴
30c 押圧軸枢着用穴
30d 第1の抜け防止部材挿入用孔
30e 第2の抜け防止部材挿入用孔
30f ガイド取付用穴
40 第1刃ガイド
42 第2刃ガイド
40a,42a ガイド本体部
40a1,42a1 ガイド取付用孔
40a2,42a2 ガイド取付用部材
40a3,42a3 押さえ部
40a4,42a4 折り曲げ部
40b,42b 脱落防止部
40c,42c 背面側ガイド支持部
44 背面側ガイド
46 抜け防止部材
50 腕体
50a 腕部支持部
50a1 固定用孔
50a2 固定用部材
50b 腕部
50b1 腕部本体部
50b2 接続部
50b3 腕部固定用螺子穴
50b4 係合部連設用螺子穴
50c 第2の係合部
50c1 リング部
50c2 ベース部
50c3 接続軸
60 螺子部
62 枢着部
62a 枢着用溝
62b 第1支持部
62c 第2支持部
64 接続部
64a 係合部固定用孔
66 第1の係合部
66a リング部
66b ベース部
66b1 固定用孔
66c 固定用部材
68 規制部材
68a 規制部材固定用孔
68b 規制部材固定用部材
90 刃物カバー
100 被覆線保持体
100a 第1の面
100b 第2の面
100c 第3の面
100d 第4の面
100e 第5の面
100f 第6の面
102 被覆線保持体本体
104 第1のガイド体
106 第2のガイド体
108 締結部材
110 被覆線保持部
120 第1の本体部材
122 第2の本体部材
122a 剥離用工具本体の第1の取り付け部との接触面
122b 剥離用工具本体の第2の取り付け部との接触面
124 第3の本体部材
126 第1の側板
126a 第1の側面
126b 第2の側面
126c 正面
126d 後ろ面
126e 上面
126f 下面
128 第2の側板
128a 第1の側面
128b 第2の側面
128c 正面
128d 後ろ面
128e 上面
128f 下面
140 締結部材取付孔
142 被覆線収容部
150 第1固定穴
152 第2固定穴
200 被覆線保持部
202 第1の突条保持部(溝部)
204 第2の突条保持部
206 締結部材取付孔
208 支持部
240 被覆線保持部
242 第1の突条保持部(溝部)
244 第2の突条保持部
246 締結部材取付孔
248 支持部
300 被覆線保持部
302 第1の突条保持部(溝部)
304 第2の突条保持部
306 締結部材取付孔
308 第1支持部
310 第2支持部
340 被覆線保持部
342 第1の突条保持部(溝部)
344 第2の突条保持部
346 締結部材取付孔
348 第1支持部
350 第2支持部
500 本体部
502 把持体
502a 把持部
502b 被覆線保持部
502c 突条保持部(溝部)
504 軸支持部
504a 螺子孔
W 被覆線
W1 芯線
W2 被覆部
W3 突条
L1 軸方向の切断線
L2 円周方向の切断線
d1 第1のガイド体と第1の側板との間の距離
d2 第1の側板と第2の側板との間の距離
d3 第2の側板と第2のガイド体との間の距離
S 操作器具
S1 絶縁棒
S2 先端係合部
G 把持工具
G1 絶縁棒
G2 把持部
VL1 垂直線
VL2 垂直線
X 押圧軸の回転方向

Claims (4)

  1. 被覆線の被覆部を剥離するための剥離用工具であって、
    前記剥離用工具は、剥離用工具本体と、被覆線に向けて進退移動する刃体保持体と、刃体保持体に保持された刃体と、被覆線保持体とを含み、
    前記剥離用工具本体は、本体部と、前記本体部の一方端部において、前記本体部から手前側に向かって突設され、前記被覆線保持体を固定するように形成された把持体とを含み、
    前記刃体は、前記被覆線の一面に向けて突き出し設けられ、
    前記被覆線保持体には、前記被覆線が接触する被覆線保持部が形成されており、
    前記被覆線保持体は、前記被覆線保持部の一部、かつ、前記刃体から離れた位置に溝部が形成され、
    前記刃体の先端と前記把持体の被覆線保持体の取り付け部との間に開放空間が形成され、
    前記被覆線保持体は、前記開放空間において、前記被覆線保持部が前記刃体と向き合うように、前記把持体の前記被覆線保持体の前記取り付け部に着脱自在に取り付けられ、
    前記剥離用工具が回転されて前記刃体が前記被覆線の被覆部を剥離する間、前記被覆線保持体の被覆線保持部が前記刃体によって剥離される前の前記被覆線の被覆部の外表面を覆い接するように構成されたことを特徴とする、剥離用工具。
  2. 前記被覆線保持体は、
    被覆線保持体本体と、
    前記被覆線保持体本体の側面に設けられた第1のガイド体および第2のガイド体と、
    を備え、
    前記被覆線保持体の前記第1のガイド体および前記第2のガイド体には、前記被覆線が接触する被覆線保持部が形成されており、
    前記被覆線保持体は、前記第1のガイド体および前記第2のガイド体に形成された前記被覆線保持部の一部、かつ、前記刃体から離れた位置に溝部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の剥離用工具。
  3. 前記被覆線保持体は、被覆線保持体本体を含み、
    前記被覆線保持体の被覆線保持体本体には、1つ以上の側板が設けられており、
    前記被覆線保持体の前記側板には、前記被覆線が接触する被覆線保持部が形成されており、
    前記被覆線保持体は、前記側板に形成された前記被覆線保持部の一部、かつ、前記刃体から離れた位置に溝部が形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の剥離用工具。
  4. 被覆線の被覆部を剥離するための剥離用工具であって、
    前記剥離用工具は、剥離用工具本体と、被覆線に向けて進退移動する刃体保持体と、刃体保持体に保持された刃体と、を含み、
    前記剥離用工具本体は、本体部と、前記本体部の一方端部において、前記本体部から手前側に向かって突設するように形成された把持部と、を含み、
    前記刃体は、前記被覆線の一面に向けて突き出し設けられ、
    前記把持部には、前記被覆線が接触する被覆線保持部が形成されており、
    前記把持部は、前記被覆線保持部の一部、かつ、前記刃体から離れた位置に溝部が形成され、
    前記剥離用工具が回転されて前記刃体が前記被覆線の被覆部を剥離する間、前記把持部の被覆線保持部が刃体によって剥離される前の被覆線の被覆部の外表面を覆い接するように構成されたことを特徴とする、剥離用工具。
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