JP5783841B2 - 被覆剥取具 - Google Patents

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Description

本発明は、電線の中間部の被覆を剥ぎ取る被覆剥取具に関するものである。
電線の中間部分の被覆を剥離して芯線を露出させる中間被覆の剥ぎ取りについては、いくつかの方法や構成が知られている。
そのうちの一つは、先ず、電線の長手方向に垂直な周方向に沿った輪切り状の切り目が、長手方向に所定の間隔を空けて少なくとも2箇所形成される。そして、これら2箇所の輪切り状の切り目同士を繋ぐように、長手方向に沿った切り目が形成され、その所定間隔幅の中間部分の被覆が芯線から剥がされる。
この方法では、カッターやナイフを用いて切込みが形成される際の力加減が難しく、芯線に傷を付けてしまう虞がある。また、被覆の厚さや硬度、電線の太さに応じて力を調節する必要があり、さらに、周辺温度の変化により被覆の硬度は変化するので、安定して安全に被覆を剥ぎ取るには、かなりの熟練を要する。
そして、芯線に傷が発生することを防止するには、芯線に到達する直前で切り込まれる刃の進行を止めなければならないが、この位置が芯線から遠いと、被覆を引き千切るときに大きな力を要する。大きな力で被覆を引き千切ると、芯線に負荷が掛かり、変形が生じ易くなる。このように芯線に変形が生じると、後の電気的接続を行う工程において作業効率の低下等の影響を及ぼしてしまう。
また、切込みが浅いと、意図しない部分で亀裂が生じ、1回で被覆が除去できない場合があり、一部が被覆屑として残留してしまう場合がある。このような場合、絶縁による不具合の原因ともなり得るので、ペンチ等の工具を用いて再度挟持し、引き千切る必要がある。しかしこのとき、工具の先が芯線に接触する場合があり、芯線に傷が生じ易い。
そのため、このような被覆屑の残留を防止するため、もう一つの方法として、ブラシ回転による被覆除去の方法及び構成が考えられている。
この場合、カッターとは異なり、芯線にブラシが接触しても切断の虞はない。したがって、芯線に到達するまでブラシを回転させ被覆を削りながら進めることができる。これにより、被覆の残留をなくすことが可能となる。
図8は、従来のブラシ回転型の被覆剥取具のロータ100の部分を示している。このロータ100は本体101と蓋体102とから構成されており、収容空間100aに電線を収容した後、蓋体102を閉じることによりセットされる。この状態で、ギヤ片103a及び103bの組合せからなる受動ギヤ103に回転力が伝達され、ロータ100が電線の軸周りに回転する。
ここで、ロータ100の内側には、蓋体102側には内向きにカッター104が突設されている。そして、本体101側には研磨用ブラシ105が設けられている。これにより、ロータ100が回転すると、電線の被覆は、芯線との間に薄く残るように、カッター104の幅で表面が削り取られる。そして、薄く残った被覆の部分が、研磨用ブラシ105の回転により削り取られる。このようにして、カッター104の刃による傷の発生を防ぐことができる。
特開平8−336218号公報
しかしながら、上述のような回転ブラシ式の被覆剥取具では、切削により生じた切削屑や切削粉の回収が困難になる。
また、ブラシとは言え、高速回転するブラシが直接接触すると、芯線に細かな傷が生じる虞もある。
さらに、細い線や、複数の線が束ねられた多芯線には適さない。
そこで、上記課題を解決するために、本発明では、芯線の損傷を防止しつつ深い切り目を形成することができる被覆剥取具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の被覆剥取具では、1対の挟持半体が枢着軸により相対回動可能に枢着され、枢着軸に対して一方側に被覆線を挟持する1対の顎部を有すると共に、他方側に把持部を有し、被覆線の被覆を剥ぎ取る手持ち握り型の被覆剥取具であって、枢着軸の軸方向に延びるように顎部の挟持側に形成され、挟持される被覆線の一部を収容する収容溝と、収容溝の、内壁面から開口側へ向かって突出する突出部と、軸方向に垂直となるように刃先を向け、軸方向に延びる収容溝の両端に配置される2枚の輪切り刃とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の被覆剥取具は、上記構成に加えて、突出部が、軸方向に沿って形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明の被覆剥取具は、上記構成に加えて、突出部の頂部が、輪切り刃の刃先よりも顎部の挟持側へ突出していることを特徴とする。
また、本発明の被覆剥取具は、上記構成に加えて、軸方向から見た前記突出部の断面形状が、略台形の形状を有していることを特徴とする。
また、本発明の被覆剥取具は、上記構成に加えて、複数の被覆線を外側被覆で覆った多芯線に対して、多芯線の長手方向と垂直な方向に、輪切り状の切り目を形成する外側被覆輪切り部を1対の顎部に備えると共に、多芯線を載置するステージと、載置された多芯線の幅方向の位置を規制する幅規制部と、載置された多芯線の延びる方向と平行に刃先を向けた縦切り刃とからなる縦切り部を1対の把持部に備えたことを特徴とする。
以上のように、本発明の被覆剥取具によれば、被覆線を挟持したとき、突出部の突出端側が被覆に圧入状態となると共に、輪切り刃が被覆線の長手方向に垂直となるように被覆に切り目を形成するので、被覆線を挟持した状態で、被覆線の軸線周りに本体を回転させると、圧入状態となった突出部の突出端は、被覆に対して良好にグリップした状態で挟持された部分の被覆と一体的に回転する。また、このとき、被覆線の長手方向に垂直に切り込まれた輪切り刃は、それぞれ、被覆の周方向に繋がる輪切り状の切り目を形成する。
このように、2枚の輪切り刃の間で突出部により挟持された被覆は、突出部の突出端により押圧されている部分が、内側の芯線との間に挟まれて回転するので、破断し易くなる。
また、本発明の被覆剥取具によれば、挟持された状態で被覆線の軸線周りに本体が回転するときの、突出部の突出端が被覆にグリップする領域が大きくなるので、挟持された被覆と突出部との間の摩擦力が大きくなる。これにより、被覆が軸線周りに回転し易くなるので、芯線が変形しないように比較的小さい力で挟持した状態で被覆を回転させることが可能となる。
さらに、本発明の被覆剥取具によれば、被覆線を挟持したとき、輪切り刃の刃先が芯線に到達する前に、突出部の頂部が芯線に到達するので、突出部により輪切り刃の被覆線への侵入が規制され、芯線の傷の発生が防止される。
加えて、本発明の被覆剥取具によれば、被覆線を挟持したとき、突出部の断面台形の上底の角が、被覆の外側にグリップするので、グリップ状態が良好になると共に、芯線に対しては、上底の平な部分からの押圧力が伝達されるので、圧力が集中することなく、芯線の変形を防止することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る被覆剥取具の全体斜視図である。 図1の被覆剥取具により被覆が剥ぎ取られる各工程を示し、(a)は外側被覆に対して長手方向に垂直な輪切り状の切り目が所定間隔を空けて2箇所に形成された状態を示し、(b)は外側被覆に対して長手方向に沿って1本の縦切りの切り目が形成された状態を示し、(c)は縦切りの切り目が形成された所定間隔の外側被覆を残して、その両端の外側被覆が剥ぎ取られた状態を示し、(d)は所定間隔の外側被覆が剥ぎ取られた状態を示し、(e)は2本の内側被覆線を離間させ、それぞれに輪切り状の切り目が形成された状態を示し、また(f)は輪切り状の切り目に沿って内側被覆が剥ぎ取られ、芯線が露出した状態を示した図である。 図2(a)の状態に対応する工程おいて多芯線の外側被覆に輪切り状の切り目を形成している使用状態を示す図である。 図2(b)の状態に対応する工程において多芯線の外側被覆に長手方向の切り目を形成している使用状態を示す図である。 図2(f)の状態に対応する工程において多芯線の内側被覆に輪切り状の切り目を形成している使用状態を示す図である。 図1の被覆剥取具の顎部先端側の拡大図である。 図1の顎部に設けられた内側被覆輪切り部により輪切り状の切り目を形成する工程を示し、(a)は突出部の頂部が内側被覆の外面に当接した状態を示し、(b)は挟持により内側被覆に突出部が押圧された状態を示し、また、(c)は挟持・押圧された状態で被覆剥取具を芯線の軸周りに回転させた状態を示した図である。 従来の被覆剥取具を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る被覆剥取具1の全体斜視図である。図1に示すように、被覆剥取具1は手持ち握り型のいわゆるペンチ型の工具である。1対の挟持半体2が枢着軸4により相対回動可能に枢着されており、この枢着軸4を間に挟んで一方側には、被覆線を挟持する1対の顎部6が設けられ、他方側には1対の把持部12が設けられている。この被覆剥取具1では、多芯線の外側被覆と内側被覆とをそれぞれ剥ぎ取り、芯線を露出させることができる。
先ず、顎部6側について見ると、顎部6には外側被覆に周方向へ輪切り状の切り目を入れる外側被覆輪切り部8と、内側被覆に周方向へ輪切り状の切り目を入れる内側被覆輪切り部10とが設けられている。
これら外側被覆輪切り部8及び内側被覆輪切り部10には、何れも顎部6に対して、枢着軸4の軸方向4a、言い換えれば、顎部6の厚さ方向へ延びるように、外側被覆線の一部を収容する収容溝8b及び内側被覆線の一部を収容する収容溝10bが形成されている。そして、これら収容溝8b、10bの軸方向4aの両端には、この軸方向4aに垂直となるように刃先を向けた輪切り刃10eが備えられている。また、これら輪切り刃10eは顎部6の厚さ方向の両面側から押さえ板11より固定されている。この輪切り刃10eは、外側被覆輪切り部8と内側被覆輪切り部10とで別々に設けても良いが、本実施の形態では共用している。
ここで、内側被覆輪切り部10の収容溝10bには突出部10aが形成されているが、外側被覆輪切り部8の収容溝8bには形成されていない。なお、この突出部10a及び収容溝10bの詳細については、後に図6を用いて説明をする。
一方、把持部12側について見ると、枢着軸4の近傍位置に、外側被覆に対して被覆線の長手方向に沿った切り目を形成する縦切り部14が設けられている。
以下では、これら各部を用いて外側被覆及び内側被覆を剥ぎ取る工程について説明しながら、それぞれの詳細な構成について説明を加える。
本実施の形態では、2本の内側被覆線を外側被覆で束ねた多芯線を例として用い、これら外側及び内側被覆を除去する作業の手順について図2を用いて説明する。また、これと合わせて、各工程において用いる被覆剥取具1の使用状態について、図3から図5を用いて説明を加える。
図2(a)には、多芯線50の外側被覆52に対して長手方向に垂直な方向に、輪切り状の切り目52aが形成された状態が示されている。この図に示すように、2本の輪切り状の切り目52aが所定間隔L(2箇所の切り目52aの外側同士の間隔)を空けて2箇所に形成されている。このような切り目52aを形成する被覆剥取具1の使用例を図3に示す。
図3に示すように、多芯線50の延びる方向に対して略直交するように被覆剥取具1を配置し、1対の顎部6に設けられた外側被覆輪切り部8で、多芯線50の外側被覆52が挟持されている。
上述のように、外側被覆輪切り部8には、輪切り刃10eが顎部6の側面へ両側から挟むように添え付けられているので、1回の挟持により、顎部6の厚さと略同じ幅の輪切り状の切り目52aが2本形成される。そして、所定間隔Lを空けて、もう1箇所に2本の切り目52aが形成されて図2(a)の状態となる。
次の工程では、図2(b)に示すように、図2(a)で形成された輪切り状の切り目52a同士を繋ぐように、多芯線50の長手方向に沿って縦切りの切り目52bが形成される。これにより、所定間隔Lの筒状の外側被覆52cが、長手方向の切り目52bと輪切り状の切り目52aに沿って引き剥がし可能な状態となる。このような、長手方向の切り目52bを形成するときの被覆剥取具1の使用例を図4に示す。
図4に示すように、多芯線50は、被覆剥取具1の側方に沿わせるように延ばされ、把持部12に設けられている縦切り部14のステージ14aの上に載置される。
そして、ステージ14aの上に載置された状態で、把持部12を閉じると、上方の挟持半体2(把持部12)に設けられた外側被覆ガイド14bの下方端がステージ14aの上面に近接状態となる。
このとき、外側被覆ガイド14bとは反体側の多芯線50の側面は、枢着軸4の頭部に接している。このため、多芯線50の幅方向への動きは、外側被覆ガイド14bの内側面と、枢着軸4の頭部との間で規制されて安定する。
また、ステージ14a及び外側被覆ガイド14bで囲まれた領域に多芯線50が収まると同時に、上方の把持部12に設けられた縦切り刃14cの先端が、上方から外側被覆52の上面に突き立てられた状態となる。なお、この縦切り刃14cの位置は、挟持方向(図4における6cの方向)に調節可能であり、対象となる多芯線50の太さに応じて、外側被覆52の厚さを超えない範囲で切り込まれるような位置に設定すると、内側被覆線54を傷つけることはない。
図4には、多芯線50の上面側に縦切り刃14cが突き立てられた状態で、多芯線50がその長手方向に沿って矢印51の方向に相対移動され、所定間隔Lを空けて形成された輪切り状の切り目52aの一方側から他方側へ向かって縦切り刃14cの刃先が切り進んでいる様子が示されている。このようにして、図2(b)の切り目52bが形成される。
続いて、図2(c)には、所定間隔Lを空けて形成された2つの短い筒状の被覆部分52dが除去された状態が示されている。このように周方向と長手方向とに切り目52a、52bによる弱化部が形成されているので、顎部6の先端部6bで摘むことにより容易に除去することが可能である。
さらに、図2(d)には、上記の短い筒状の被覆部分52dの間に挟まれていた筒状の外側被覆52cが除去され、所定間隔Lよりも少し広い領域の内側被覆線54が露出した状態が示されている。この外側被覆52cの除去についても、同様に、顎部6の先端部6bで一部を摘み、切り目52bにより形成された弱化部に沿って容易に切り取ることが可能である。
ところで、内側被覆線54は、図2(d)に示されるように、側面同士を接した状態となっているので、このままでは、それぞれの内側被覆54aを剥ぎ取るのは容易ではない。
そこで、図2(e)に示すように両者を離間した状態で輪切り状の切り目54bが形成される。このような、内側被覆54aに輪切り状の切り目54bを形成している被覆剥取具1の使用例を図5に示す。
図5に示すように、顎部6に設けられた内側被覆輪切り部10により一方の内側被覆線54が挟持されている。このとき、内側被覆輪切り部10には、顎部6の厚さ方向の両面側に輪切り刃10eが添えられているので、対向する方向から刃先が内側被覆線54に切り込まれている。このように、挟持するだけで、2箇所に輪切り状の切り目54bが形成される。図5では、挟持していない側の内側被覆線54の中央付近の内側被覆54bが除去され、芯線56が露出した状態が示されている。
なお、図2(e)では、それぞれの内側被覆線54に対して、顎部6を1回閉じること
により2本の輪切り状の切り目54bが形成された例を示した。しかし、露出した芯線56に接続される対象に応じて、除去部分の幅を変えることもできる。例えば、2枚の輪切り刃10eの間隔と同じ距離だけ顎部6の位置を移動させて2回閉じることにより、3本の輪切り状の切り目54bを形成し、除去部分を2倍の幅に形成してもよい。
ここで、さらに、内側被覆輪切り部10の詳細について図6を用いて説明する。図6は、図1に示した1対の顎部6の下側について、内側被覆輪切り部10の周辺を拡大して示している。
図6に示すように、内側被覆輪切り部10に設けられた突出部10aは、顎部6の挟持面6a側から挟持方向6cに向かって突出形成されている。なお、本実施の形態における突出部10aは、その頂部10cが輪切り刃10eの刃先よりも挟持方向6c側へ突出している。
このように、突出部10aの頂部10cの方が、輪切り刃10eの刃先よりも挟持方向6c側へ突出しているので、内側被覆54aを挟持したとき、先ず、突出部10aの頂部10cが内側被覆54aの外面に当接する。そして、挟持力が増すにつれて、内側被覆54aは、頂部10cにより押し潰される。この様子を、図7に示す。
図7は、内側被覆輪切り部10の側面、すなわち、枢着軸4の軸方向4aから見た断面を示している。このうち、図7(a)は、頂部10cが内側被覆54aに接したときの状態を示し、図7(b)は、挟持力が増し、頂部10cが内側被覆54aの対向側からそれぞれ食い込んだときの状態を示し、また、図7(c)は、内側被覆54aに頂部10cが食い込んだ状態で内側被覆線54の軸線周りに被覆剥取具1を回転させたときの状態を示している。
この図7に示すように、本実施の形態における突出部10aは、枢着軸4の軸方向4aから見た断面が略台形の形状を有している。そして、その台形形状の上底の幅Wは、内側被覆線54aの線幅(外径)よりも狭い。このため、挟持した場合、頂部10cの上底面が内側被覆54aに食い込み易い。
また、頂部10cが内側被覆54aに食い込んだとき、上底の両側角部10dで内側被覆54aの外面が折れ曲がって良好なグリップ状態が形成される。これにより、図7(c)に示すように、内側被覆線54の軸線周りに被覆剥取具1本体を矢印60の方向へ回転させるときも、頂部10cと内側被覆54aの外面とは密着状態を保持することができる。このように、突出部10aの頂部10cと内側被覆54aとの間の密着状態が良好に保持された状態で、被覆剥取具1が軸線周りに回転すると、内側被覆54aが芯線56に対して滑るように回転する。そして、これと同時に、突出部10aの延びる方向の両端側に配置された輪切り刃10eが、周方向に切り込まれる切り目を伸ばす。
つまり、内側被覆54aの外側に食い込んだ突出部10aの頂部10cは、挟持状態で被覆剥取具1本体を軸線周りに回転させるとき、頂部10cと内側被覆54aとの密着領域よりも回転方向側に位置する内側被覆54aを圧縮しながら回転する。これにより、圧縮された内側被覆54aは、内側被覆線54の拡径方向へ持ち上がり、隆起領域54cを形成する。この隆起領域54cでは、輪切り刃10eとの接触領域が増大するので、他の部分よりも深く切り込まれる。
この状態で被覆剥取具1の回転を更に進めると、ついには、突出部10aの動きにより突出部10aの角部10dの周辺で内側被覆54aが分断される。こうして周方向に分断された内側被覆54aの一端(例えば、隆起領域54cなど)を顎部6の先端で摘んで引
っ張ると、周方向に形成された輪切り状の切り目54bに沿って容易に除去することができる。
上述のように、本実施の形態では、突出部10aの頂部10cを軸方向4aから見た断面形状が略台形であるので、内側被覆線54を挟持した際、台形の頂部10cの上底面で圧接状態となる。このため、この上底面で顎部6から加わる押圧力が適度に分散され、芯線56が押し潰され難くなるという効果が得られると共に、上底面両側の角部10dで良好なグリップ状態を形成することが可能である。
なお、この上底面の広さ、すなわち、内側被覆54aの幅に対する頂部10cの幅Wは、内側被覆54aの材質の硬度に応じて選択する必要がある。硬度の高い被覆材を採用する場合には、頂部10cの幅が狭い突出部10aを選択すると、良好なグリップ状態を得ることができる。
以上のように、本実施の形態の構成によれば、図2(f)に示されるような狭い範囲に対して、比較的細い被覆線の被覆を剥ぐ際、被覆線の長手方向への切り目を形成することなく、単に挟持して軸周りに被覆剥取具1を回転させるだけで、芯線を傷つけることなく被覆を除去することが可能となる。
尚、これまで述べてきたように、上記の実施の形態では、枢着軸4の軸方向4aから見た突出部10aの断面形状が台形の場合の構成を例として示したが、この形状に限らず、例えば、三角形状であっても構わない。
また、図7では、突出部10aが収容溝10bに対して内面の略中央から顎部6の挟持面6aに対して略垂直な方向へ突出している構成を例として示した。しかし、収容溝10bの内壁面から開口側へ突出していれば良く、例えば、突出方向が、挟持される被覆線の軸心に向かっていない構成や、また、収容溝10bの内面の中央以外の位置から偏って延びた構成であっても構わない。
また、突出部10aは、収容溝10bに1本のみ形成されている構成を例として示したが、複数本形成されていても構わない。
また、突出部10aは、輪切り刃10eの刃先よりも挟持方向へ突出した構成を例として示したが、輪切り刃10eの刃先の方が挟持側に配置されていても構わない。挟持しても、突出部10aの頂部10cが内側被覆54aに大きく沈み込まないような硬度の高い被覆材を採用している場合には、このように、刃先の方が突出部10aの頂部10cよりも挟持方向6c側に配置することも可能である。この場合は、挟持しても刃先が芯線56に到達しない程度に。すなわち、少なくとも、内側被覆54aの厚さTよりも、頂部10cと刃先との高低差が小さくなるように調節しておけば、芯線56に傷が生じることを防止できる。
また、上記実施の形態では、突出部10aは顎部6の厚さとほぼ同じ範囲に亘って、枢着軸4の軸方向4aに向かって延びるように形成されている構成を例として示したが、これは少なくとも軸方向4aに沿って延びた構成であれば良く、一部分断された構成であっても構わない。
さらに、突出部10aが複数の部分に分断されている場合、軸方向4aに沿った形状で且つ収容溝10bの開口に向かって突出する形状であれば、それぞれ異なる方向に突出する形態であっても構わない。
また、突出部10aは、1対の顎部6のそれぞれで同一の形状に形成されている例を示したが、それぞれ異なる形状に形成されていても構わない。
1 被覆剥取具
2 挟持半体
4 枢着軸
4a 軸方向
6 顎部
6a 挟持面
8 外側被覆輪切り部
8a 輪切り刃
8b 収容溝
10 内側被覆輪切り部
10a 突出部
10b 収容溝
10c 頂部
10e 輪切り刃
11 押さえ板
12 把持部
14 縦切り部
14a ステージ
14b 外側被覆ガイド(幅規制部)
14c 縦切り刃
50 多芯線(被覆線)
52 外側被覆
54 内側被覆線
54a 内側被覆
56 芯線
L 所定間隔
T 内側被覆の厚さ
W 頂点幅

Claims (3)

  1. 1対の挟持半体が枢着軸により相対回動可能に枢着され、前記枢着軸に対して一方側に被覆線を挟持する1対の顎部を有すると共に、他方側に把持部を有し、前記被覆線の被覆を剥ぎ取る手持ち握り型の被覆剥取具であって、
    前記枢着軸の軸方向に延びるように前記顎部の挟持側に形成され、挟持される前記被覆線の一部を収容する収容溝と、
    前記収容溝の、内壁面から開口側へ向かって突出する突出部と、
    前記軸方向に垂直となるように刃先を向け、前記軸方向に延びる前記収容溝の両端に配置される2枚の輪切り刃とを備え、
    前記突出部の頂部は、前記輪切り刃の刃先よりも前記顎部の挟持側へ突出している
    ことを特徴とする被覆剥取具。
  2. 1対の挟持半体が枢着軸により相対回動可能に枢着され、前記枢着軸に対して一方側に被覆線を挟持する1対の顎部を有すると共に、他方側に把持部を有し、前記被覆線の被覆を剥ぎ取る手持ち握り型の被覆剥取具であって、
    前記枢着軸の軸方向に延びるように前記顎部の挟持側に形成され、挟持される前記被覆線の一部を収容する収容溝と、
    前記収容溝の、内壁面から開口側へ向かって突出する突出部と、
    前記軸方向に垂直となるように刃先を向け、前記軸方向に延びる前記収容溝の両端に配置される2枚の輪切り刃とを備え、
    前記軸方向から見た前記突出部の断面形状は、略台形の形状を有している
    ことを特徴とする被覆剥取具。
  3. 1対の挟持半体が枢着軸により相対回動可能に枢着され、前記枢着軸に対して一方側に被覆線を挟持する1対の顎部を有すると共に、他方側に把持部を有し、前記被覆線の被覆を剥ぎ取る手持ち握り型の被覆剥取具であって、
    前記枢着軸の軸方向に延びるように前記顎部の挟持側に形成され、挟持される前記被覆線の一部を収容する収容溝と、
    前記収容溝の、内壁面から開口側へ向かって突出する突出部と、
    前記軸方向に垂直となるように刃先を向け、前記軸方向に延びる前記収容溝の両端に配置される2枚の輪切り刃とを備え、
    複数の前記被覆線を外側被覆で覆った多芯線に対して、前記多芯線の長手方向と垂直な方向に、輪切り状の切り目を形成する外側被覆輪切り部を1対の前記顎部に備えると共に、
    前記多芯線を載置するステージと、載置された前記多芯線の幅方向の位置を規制する幅規制部と、載置された前記多芯線の延びる方向と平行に刃先を向けた縦切り刃とからなる縦切り部を1対の把持部に備えた
    ことを特徴とする被覆剥取具。
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