JP2010178423A - ヒレ剥ぎ取り工具およびヒレ剥ぎ取り方法 - Google Patents

ヒレ剥ぎ取り工具およびヒレ剥ぎ取り方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 作業員の技能によることなく、難着雪型の絶縁電線の被覆に設けられるヒレを容易且つ正確に剥ぎ取り、作業性を向上することが可能なヒレ剥ぎ取り工具およびヒレ剥ぎ取り方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明にかかるヒレ剥ぎ取り工具の構成は、芯線112と、芯線を覆う被覆114と、被覆の外周に母線に沿って立設されるリブ状のヒレ114aと、を備えた難着雪型の絶縁電線110のヒレを剥ぎ取るためのヒレ剥ぎ取り工具200であって、絶縁電線を挟持する第1挟持部材210および第2挟持部材230を備え、第1挟持部材または第2挟持部材の少なくとも一方は、被覆の外周に当接する摺動面212および232と、摺動面上に設けられヒレを挿通しうる溝部214および234と、溝部内に刃先が露出するよう配置された切削刃216および236と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、難着雪型の絶縁電線の被覆が有するヒレを剥ぎ取るためのヒレ剥ぎ取り工具およびヒレ剥ぎ取り方法に関するものである。
電気事業者の発電所で発電され変電所で変電された電気は、電柱に張架されている高圧線を通じて需要家に供給される。かかる高圧線には高圧引き下げ線が接続され、高圧カットアウトを介して変圧器(柱上変圧器とも呼ばれる)に接続される。そして、電気は、変圧器によって、送電された時の電圧(例えば6600V)が、需要家で使用する電圧(例えば100Vまたは200V)に変圧され、引込み線を通じて需要家に供給される。
上記の高圧線には、ポリエチレン絶縁電線(以下、絶縁電線と称する。)が使用されており、導体には銅やアルミの芯線が、絶縁体にはポリエチレンの被覆が用いられている。かかる絶縁電線には様々な種類があり、その1つとして難着雪型絶縁電線がある。
降雪量が多い地域等において通常の絶縁電線を使用した場合、絶縁電線上に雪が積もり、積もった雪は被覆の外周に沿って電線の下まで回りこむ。そして、絶縁電線全体が雪に覆われた状態となり、絶縁電線を覆った雪の上に更に雪が積もりやすくなる。その結果、絶縁電線上に膨大な量の雪が積もり、その雪の荷重や風圧による荷重により、絶縁電線の破断や、かかる絶縁電線を張架する電柱の倒壊という事態が起こってしまう。
そこで、難着雪型絶縁電線は、被覆の外周に、母線に沿ってリブ状のヒレが立設されている。これにより、ヒレより下の部分への雪の回り込みを防ぐことができ、絶縁電線のヒレより上の部分に積もった雪は、ある程度の量に達すると地上に落下する。したがって、絶縁電線上に膨大な量の雪が積もることを防止し、雪の荷重や風圧荷重による断線や電柱の倒壊を防ぐことが可能となる。
ところで、上述したように高圧線を通じて需要家に電気を供給するためには、高圧線に高圧引き下げ線を接続する配電線工事をしなければならない。しかし、工事の際に電気を遮断すると、停電が発生し、需要家に不便が生じてしまう。したがって、配電線工事は、電線に電気が流れた(通電した)状態で作業する活線工法により行われる。これにより、工事中であっても停電が発生しないため、需要家の利便性を低下させることがない。
上記の活線工法は、従来では直接活線工法が主流となっていた。直接活線工法では、作業者は、通電している高圧線に直接触れて作業を行う。このため、作業者の感電災害が発生するリスクが大きい。したがって、安全を確保するために、作業員は、感電を防止するための絶縁加工が施された保護具(例えば防護手袋等)を着用し、高圧線の充電部には防護具を装着する。
しかし、保護具を着用し、防護具を装着したとしても、災害の発生を回避しきれるとは限らない。例えば、保護具や防護具が破損していた場合等には作業者のリスクが増大してしまう。このため、近年では直接活線工法に替えて間接活線工法が主流になりつつある。
間接活線工法では、作業者は、絶縁加工が施された、間接活線工法専用の操作棒を用い、絶縁電線(高圧線)の近接範囲外から高圧線に直接触れずに作業を行う。このため、作業者の感電災害のリスクを極めて少なくすることができる。またこれにより、作業者は保護具を装着する必要がなくなるため、使用者の負担を軽減することができ、且つ充電部への防護具の装着が不要となるため、作業時間を短縮することも可能となる。
上記の間接活線工法専用の操作棒として、例えば特許文献1には、被把持物を把持する開閉可能な把持具と、把持具を先端に装備して把持具を作業位置に位置決めするための絶縁操作棒と、把持具を開閉させる操作レバーを絶縁操作棒の基端側に揺動可能に装備した操作部と、を備える間接活線把持工具が開示されている。このような工具を用いることにより、高圧線の近接範囲外から作業を行うことができ、上述した利点を得ることが可能となる。
また例えば特許文献2には、操作軸と、この操作軸に連動して回転するコマ受けと、コマ受けのノブに揺動可能に遊設された電線コマとを有し、電線コマは、内面に螺旋状突起が形成された電線挿通孔と、電線挿通孔内に臨出して電線の被覆層を剥離除去するための刃体とを備える電線被覆の皮むき工具が開示されている。これによれば、間接活線工法において絶縁電線の被覆を容易に剥ぎ取ることが可能となる。
特開平11−205929号公報 特開平8−0163740号公報
上述した高圧線に高圧引き下げ線を接続する配電線工事を行う場合、特許文献2のような工具を用いて高圧線の被覆を剥ぎ取り、露出した高圧線の芯線と、予め端部の被覆を剥ぎ取ることにより露出させた高圧引き下げ線の芯線とを、コネクタを用いて接続する。そして、接続部分および接続部分周辺に絶縁テープを巻きつけ、接続部分への水等の浸入を防止する。
しかし、上記の高圧線が難着雪型絶縁電線であった場合、絶縁テープを巻きつける際に接続部分周辺にヒレが残っていると、ヒレにより絶縁テープと絶縁電線の間に隙間が形成される。これにより、かかる隙間から水が浸入するおそれが生じるため、隙間が形成されないよう、絶縁テープを巻きつける前にヒレを剥ぎ取る必要がある。
しかしながら、ヒレを剥ぎ取る作業に適した工具は開発されておらず、現状では電工ナイフでヒレを剥ぎ取っている。特に間接活線工法の場合は、上述した操作棒の先端にナイフ工具を取り付け、これを用いてヒレを剥ぎ取る作業を行っている。したがって、その作業性は、間接活線工法専用の工具を用いることができる他の作業よりも著しく低い。
特に、ヒレを剥ぎ取る作業は、絶縁電線の被覆全体を剥ぎ取る作業と比べ、剥ぎ取る部分の面積が極めて小さい。このため、風等による電線の僅かな振動であっても、剥ぎ取る対象となるヒレの位置がぶれやすい。またヒレの向きは施設場所や施設状況によって異なり、更に絶縁電線に捻れが生じている場合もある。この場合、作業者は、工具の向きや自身の体勢を頻繁に変えながら作業を行わなくてはならない。したがって、ヒレを剥ぎ取る作業には熟練を要し、作業結果の良し悪しは作業員の技能の影響を受けやすい。
本発明は、このような課題に鑑み、特に間接活線工法を用いる場合において、作業員の技能によることなく、難着雪型の絶縁電線の被覆に設けられるヒレを容易且つ正確に剥ぎ取り、作業性を向上することが可能なヒレ剥ぎ取り工具およびヒレ剥ぎ取り方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるヒレ剥ぎ取り工具の代表的な構成は、芯線と、芯線を覆う被覆と、被覆の外周に母線に沿って立設されるリブ状のヒレと、を備えた難着雪型の絶縁電線のヒレを剥ぎ取るためのヒレ剥ぎ取り工具であって、絶縁電線を挟持する第1挟持部材および第2挟持部材を備え、第1挟持部材または第2挟持部材の少なくとも一方は、被覆の外周に当接する摺動面と、摺動面上に設けられヒレを挿通しうる溝部と、溝部内に刃先が露出するよう配置された切削刃と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、絶縁電線が第1挟持部材および第2挟持部材により挟持され、挟持された絶縁電線のヒレが第1挟持部材または第2挟持部材の少なくとも一方に設けられた溝部に挿通する。そして、溝部内に刃先が露出するよう配置された切削刃が設けられていることから、当該ヒレ剥ぎ取り工具を絶縁電線に沿って移動させることでヒレのみが切削刃によって剥ぎ取られる。これにより、当該ヒレ剥ぎ取り工具を絶縁電線に沿って移動させるという簡便な操作で、作業員の技能によることなく、ヒレのみを容易且つ正確に剥ぎ取ることが可能となる。その結果、特に間接活線工法におけるヒレ剥ぎ取り作業の作業性を向上することができる。
当該ヒレ剥ぎ取り工具は、第1挟持部材と連結された第1把持部材と、第2挟持部材と連結された第2把持部材と、第1挟持部材および第2把持部材に接続され、第1挟持部材および第2挟持部材を絶縁電線を挟持する方向に付勢する弾性部材と、を更に備え、第1把持部材および第2把持部材を把持し、第1把持部材と第2把持部材との間隔を所定間隔より狭めることにより、第1挟持部材と第2挟持部材とが離隔するとよい。
かかる構成では、第1把持部材および第2把持部材を把持していない場合、すなわちこれらを解放した状態では、第2挟持部材は、弾性部材により第1挟持部材と当接する方向(絶縁電線を挟持する方向)に付勢される。したがって、第1挟持部材と第2挟持部材とが当接した状態となっている。そして、ヤットコ等の操作工具を用いて、第1把持部材および第2把持部材をこれらの間隔を狭めるように把持すると、第1挟持部材と第2挟持部材とが離隔し、これらの間(離隔した空間)に絶縁電線を配置することができる。絶縁電線の配置後、第1把持部材および第2把持部材を解放すると、第2挟持部材は弾性部材により付勢され、絶縁電線は第1把持部材および第2把持部材により挟持される。
また上述したように、絶縁電線の配置後、第1把持部材および第2把持部材を解放すると、弾性部材の付勢により第1挟持部材と第2挟持部材とが絶縁電線を挟持するため、当該ヒレ剥ぎ取り工具は絶縁電線に掛着された状態となる。したがって、絶縁電線を挟持した後は当該ヒレ剥ぎ取り工具を操作工具等で固定する必要がない。これにより、ヒレ剥ぎ取り作業を1人の作業者のみで行うことが可能となり、人工に要するコストを削減することができる。
当該ヒレ剥ぎ取り工具は、かかる工具を絶縁電線に沿って牽引するための牽引部材を更に備えるとよい。
上記構成によれば、牽引部材をヤットコ等の操作工具を用いて把持する、または牽引部材にフック状の操作工具を引っ掛けることができ、これらの操作工具を用いて牽引部材を牽引し、当該ヒレ剥ぎ取り工具を絶縁電線に沿って移動させることが可能となる。これにより、当該ヒレ剥ぎ取り工具を、自体に直接力を加えることなく移動させることができるため、かかる力による工具の損傷を防止することが可能となる。また、牽引部材を牽引するだけで当該ヒレ剥ぎ取り工具を移動させることができるため、操作性を向上することが可能となり、作業効率の向上が図れる。
当該ヒレ剥ぎ取り工具は、第1挟持部材と第1把持部材とを連結する第1連結部材と、第2挟持部材と第2把持部材とを連結する第2連結部材と、を更に備え、第1把持部材は第1連結部材に立設された軸に、第2把持部材は第2連結部材に立設された軸に、各々回転可能に取り付けられているとよい。
かかる構成により、作業者は、当該ヒレ剥ぎ取り工具の設置位置を変えることなく、操作工具の角度を所望の角度に変更することが可能となる。したがって、作業者は操作工具を自身が作業しやすい角度に調節して作業を行うことができるため、作業者の負担を軽減し、作業効率の向上を図ることができる。
また絶縁電線が捻れている場合等、ヒレの向きが変化する場合においても、当該ヒレ剥ぎ取り工具に追従して第1把持部材および第2把持部材が回転するため、作業者は操作工具の向きや自身の体勢を頻繁に変えることなく作業を行うことが可能となる。
上記の第1挟持部材または第2挟持部材の少なくとも一方は、剥ぎ取られたヒレを収容する収容空間と、切削刃の絶縁電線と対向しない面側に設けられ、溝部と収納空間とを連結する間隙と、第1挟持部材および第2挟持部材各々に着脱可能であり、収容空間を覆う被覆部材と、を更に備えるとよい。
かかる構成によれば、切削刃により剥ぎ取られたヒレは、間隙を通過して収容空間に進入する。収容空間は被覆部材で覆われていることから、剥ぎ取られたヒレは、収容空間内に収納された状態となり、収容空間外へ出ることがない。したがって、剥ぎ取られたヒレの地上への落下を防ぐことができ、かかるヒレが地上に散乱しないため、作業後の清掃の手間を削減することが可能となる。
また被覆部材が第1挟持部材および第2挟持部材各々に着脱可能であることから、収容空間内が剥ぎ取られたヒレにより充塞されたら、被覆部材を取り外し、溜まったヒレを容易に除去し回収することが可能となる。
上記の摺動面は、凹状であるとよい。これにより、第1挟持部材および第2挟持部材により挟持された絶縁電線の被覆は、これらが有する凹状の摺動面に当接するため、絶縁電線をより確実に挟持することが可能となる。
上記課題を解決するために、本発明にかかるヒレ剥ぎ取り方法の代表的な構成は、難着雪型の絶縁電線の被覆が有するヒレを剥ぎ取るためのヒレ剥ぎ取り方法であって、切削刃と、切削刃の刃先が内部に露出する溝部と、を有し、絶縁電線を挟持する第1挟持部材および第2挟持部材と、を備えるヒレ剥ぎ取り工具を用い、第1挟持部材と第2挟持部材により絶縁電線を挟持し、溝部にヒレを挿通し、ヒレ剥ぎ取り工具を絶縁電線に沿って移動させることでヒレを切削刃により剥ぎ取ることを特徴とする。
上述したヒレ剥ぎ取り工具の技術的思想に基づく構成要素やその説明は、当該ヒレ剥ぎ取り方法にも適用可能である。
本発明によれば、作業員の技能によることなく、難着雪型の絶縁電線の被覆に設けられるヒレを容易且つ正確に剥ぎ取り、作業性を向上することが可能なヒレ剥ぎ取り工具およびヒレ剥ぎ取り方法を提供することができる。
配電線工事を行う現場を示す図である。 高圧線としての難着雪型の絶縁電線の詳細を示す図である。 接続部の詳細を示す図である。 本実施形態にかかるヒレ剥ぎ取り工具を示す図である。 本実施形態にかかるヒレ剥ぎ取り工具を示す図である。 図5(b)の部分拡大図である。 切削刃の配置およびヒレの剥ぎ取りを示す図である。 切削刃の配置およびヒレの剥ぎ取りを示す図である。 第1把持部材および第2把持部材を説明する図である。 当該工具の動作を示す図である。 絶縁電線のヒレの位置の他の例を示す図である。 第1把持部材および第2把持部材の回転動作を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、配電線工事を行う現場を示す図である。図1に示すように、電柱100には、高圧線として難着雪型の絶縁電線110が張架されており、かかる絶縁電線110(高圧線)によって発電所(図示せず)等で発電され変電所(図示せず)で変電された電気が送電されている。そして、絶縁電線110(高圧線)を流れる電気は、接続部140において高圧線に接続されて引き下げられる高圧引下用架橋ポリエチレン絶縁電線(PDC:Plane transformer Drop wire Crosslinked polyethylene、以下、PD線120と称する)によって変圧器130に送電される。変圧器130は電柱100に装柱されており、かかる変圧器130によって、送電された時の電圧、例えば6600Vを、需要家で使用する電圧、例えば100Vまたは200Vに変圧する。
図2は、高圧線としての難着雪型の絶縁電線110の詳細を示す図である。図2(a)は絶縁電線110の側面図であり、図2(b)は絶縁電線110の断面図である。図2(a)および(b)に示すように、絶縁電線110(高圧線)は、導体である芯線112と、絶縁体である被覆114とから構成される。芯線112は、複数の導線を縒った縒線であり、被覆114に覆われている。かかる芯線112としては、銅やアルミニウムを好適に用いることができる。なお、図2に示す絶縁電線は芯線が縒線であるが、これに限定するものではなく、芯線は単線であってもよい。
被覆114は、ポリエチレンからなり、その外周に母線に沿って立設されるリブ状のヒレ114aを備える。これにより、降雪時における、ヒレ114aより下の部分への雪の回り込みを防ぐことができる。そして、ヒレ114aより上の部分に積もった雪は、ある程度の量に達すると地上に落下するため、絶縁電線110(高圧線)上への過度の積雪を防止し、雪の荷重や風圧による荷重による、絶縁電線110の断線や電柱100の倒壊を防ぐことが可能となる。
なお、図示は省略するが、高圧引き下げ線に用いられるPD線120も、上述した高圧線に用いられる絶縁電線110と同様に芯線と被覆とから構成される。ただし、PD線120は、絶縁電線110(高圧線)に接続される際に垂直方向に張架されるため、積雪による損傷が生じにくい。したがって、PD線120の被覆にはヒレは設けられていない。
図3は、接続部140の詳細を示す図である。接続部140において絶縁電線110(高圧線)とPD線120を接続する際には、まず、図3(a)に示すように絶縁電線110の被覆114を剥ぎ取り、芯線112を露出させ、かかる絶縁電線110に接続するPD線120の端部の被覆124を剥ぎ取り、芯線122を露出させる。
そして、図3(b)に示すように、コネクタ150を用いて絶縁電線110(高圧線)の芯線112とPD線120の芯線122を接続する。図3(c)は、コネクタ150の詳細を示す図である。図3(c)に示すように、コネクタ150は、第1部材152、第2部材154およびナット156から構成され、かかるボルト152が有する挿入孔150aに絶縁電線110の芯線112を、挿入孔150bにPD線120の芯線122を挿入することができる。
その後、コネクタ150上(接続部分)と、絶縁電線110(高圧線)およびPD線120の芯線112および122の露出している部分(接続部分周辺)にコネクタカバー158を被せ、コネクタカバー158の両端に絶縁テープ160を巻きつける。これにより、図3(d)に示すように接続部140が形成される。
しかし、上述の如く絶縁電線110のヒレ114aを剥ぎ取らずに接続部140を形成すると、接続部分周辺の絶縁電線110のヒレ114aにより絶縁テープ160と被覆114(絶縁電線)の間に図3(d)に示す隙間162が生じてしまう。これにより、接続部140の密封性が低下し、かかる隙間162から水等が浸入する可能性が生じる。接続部140への水等の浸入は芯線112および122の腐食の原因となり、芯線112および122が腐食すると断線が発生するおそれがある。このため、隙間162が生じることを防ぐべく、接続部140を形成する前に絶縁電線110のヒレ114aを剥ぎ取る必要がある。しかし、現状においてヒレ114aを剥ぎ取る作業には熟練を要し、作業結果の良し悪しは作業員の技能の影響を受けやすい。
したがって、以下の実施形態では、作業員の技能によることなく、難着雪型の絶縁電線110の被覆114に設けられるヒレ114aを容易且つ正確に剥ぎ取り、作業性を向上することが可能なヒレ剥ぎ取り工具を提供することを目的とする。
図4および図5は、本実施形態にかかるヒレ剥ぎ取り工具を示す図である。図4はヒレ剥ぎ取り工具の正面斜視図であり、図5(a)はヒレ剥ぎ取り工具の背面図であり、図5(b)はヒレ剥ぎ取り工具の側面図である。なお、図5(a)および(b)では、理解を容易にするために、牽引部材の図示を省略している。
図4および図5に示すように、ヒレ剥ぎ取り工具200(以下、単に工具200と称する。)は、第1挟持部材210と、第2挟持部材230と、第1把持部材260と、第2把持部材262と、弾性部材264と、牽引部材266と、第1連結部材270と、第2連結部材280と、から構成される。
第1挟持部材210および第2挟持部材230は、絶縁電線110を挟持するための部材である。第1挟持部材210の後述する摺動面212を有する面と、第2挟持部材230の後述する摺動面232を有する面とが当接することより、絶縁電線110を挟持することが可能となる。
第1挟持部材210は、摺動面212と、溝部214と、切削刃216と、収容空間218と、間隙220と、被覆部材222と、留具224と、を有する。また第2挟持部材230は、摺動面232と、溝部234と、切削刃236と、収容空間238と、間隙240と、被覆部材242と、留具244と、を有する。以下、第1挟持部材210および第2挟持部材230が有する上記の部材の詳細について説明する。
摺動面212および232は、絶縁電線110(高圧線)の被覆114の外周に当接する。かかる摺動面212および232は凹状である。これにより、第1挟持部材210および第2挟持部材230が挟持した絶縁電線110の被覆114が、摺動面212および232に当接する面積を増大させ、絶縁電線110をより確実に挟持することが可能となる。
なお、本実施形態においては、摺動面212および232は円弧状の軌跡を描いている(図5(b)参照)が、これに限定するものではない。摺動面212および232は凹状であれば足り、例えばその軌跡はコの字状であってもよい。
溝部214は摺動面212上に、溝部234は摺動面232上に設けられ、各々ヒレ114aを挿通される。これにより、溝部214および234にヒレ114aが嵌合した状態となり、絶縁電線110の摺動面212および232上での回転を防ぐことができる。したがって、絶縁電線110のヒレ114aのみを的確に剥ぎ取ることが可能となる。
なお、溝部214および234の高さは、剥ぎ取る対象となるヒレ114aの高さよりも高くなるよう、またはかかるヒレ114aの高さと略等しくなるよう構成している。溝部214および234の幅は、剥ぎ取る対象となるヒレ114aの幅よりも広くなるよう、またはかかるヒレ114aの幅と略等しくなるよう構成している。これは、溝部214および234の高さがヒレ114aの高さよりも低い場合、ヒレ114aの剥ぎ取り残しが生じてしまい、溝部214および234の幅がヒレ114aの幅よりも狭い場合、ヒレ114aを溝部214および234に挿通できなくなってしまうからである。
図6は、図5(b)の部分拡大図である。上述したように、第1挟持部材210の摺動面212を有する面と、第2挟持部材の摺動面232を有する面とが当接すると、摺動面212および232より、図6(a)に示す、絶縁電線110を挟持するための空間250(図6中、ハッチングで示す。)が形成される。
上記の空間250の高さhは、高圧線として使用する、または使用されていると想定される絶縁電線110のうち、最も細い絶縁電線110の直径Rよりも短くなるよう、またはかかる直径Rと略等しくなるよう設定される。したがって、第1挟持部材210および第2挟持部材230の、摺動面212および232を有する面からかかる摺動面212および232までの深さは、最も細い絶縁電線110の半径よりも短くなるよう、またはかかる半径と略等しくなるよう構成されることとなる。これにより、ヒレ114aを剥ぎ取る対象とする絶縁電線110が最も細い絶縁電線110であっても、図6(b)に示すように絶縁電線110を確実に挟持することができる。
なお、摺動面212および232が形成する空間250の高さhが、最も細い絶縁電線110の直径よりも長い、すなわち摺動面212および232の深さがかかる絶縁電線110の半径よりも長いことは好ましくない。この場合、図6(c)に示すように絶縁電線110が有するヒレ114aが溝部214および234に適切に挿通されなくなり、ヒレ114aを的確に剥ぎ取ることが出来なくなってしまう。
また、本実施形態のように摺動面212および232が円弧状の軌跡を描く場合、摺動面が形成する空間250の曲率、すなわち円弧状の軌跡の曲率Xは、高圧線として使用する、または使用されていると想定される絶縁電線110のうち、最も太い絶縁電線110の外周の曲率Xよりも低くなるよう、またはかかる曲率Xと略等しくなるよう設定される。これにより、図6(d)に示すように最も太い絶縁電線110を確実に挟持することが可能となる。
なお、摺動面212および232が形成する空間250の曲率が、最も太い絶縁電線110の外周の曲率よりも高い場合、図6(e)に示すように最も太い絶縁電線110がかかる空間250に嵌らなくなってしまい、かかる絶縁電線110を確実に挟持できなくなってしまう。これにより、ヒレ114aが溝部214および234に挿通しなくなってしまうため、ヒレ114aを確実に剥ぎ取れなくなる。
図7および図8は、切削刃216の配置およびヒレ114aの剥ぎ取りを示す図である。なお、第1挟持部材210と第2挟持部材230の構成は同様であるため、図7(a)、(b)および図8(c)では第1挟持部材210を図示して説明し、第2挟持部材230に属する部材の符号を付記する。
図7(a)に示すように、切削刃216(236)は、溝部214(234)内に刃先が露出するよう配置され、溝部214(234)に挿通されたヒレ114aを剥ぎ取る。これにより、当該工具200を絶縁電線110に沿って移動(摺動)させることでヒレ114aのみを剥ぎ取ることができる。したがって、簡便な操作でヒレ114aのみを容易且つ正確に剥ぎ取ることが可能となり、作業員の技能差による作業結果への影響を排除し、且つヒレ剥ぎ取り作業の作業性を向上することができる。
図7(b)は、図7(a)の第1挟持部材210の断面図である。切削刃216(236)は、上述したようにその刃先が溝部214(234)内に露出するように配置されるが、かかる溝部214(234)内のうち、図7(b)に示すように溝部214(234)と摺動面212(232)との略境界部分にその刃先が露出するよう配置されることが最も好ましい。これにより、絶縁電線110の被覆114に設けられたヒレ114aを、かかる被覆114との境界から確実に剥ぎ取ることが可能となる。
収容空間218(238)は、切削刃216(236)によって剥ぎ取られ、間隙220(240)を通過して当該収容空間218(238)に進入したヒレ114aを収容する。
間隙220(240)は、切削刃216(236)の絶縁電線110と対向しない面側に形成されている。間隙220(240)は、溝部214(234)と収納空間218(238)とを連結する。これにより、溝部214において切削刃216により剥ぎ取られたヒレ114aを収納空間218(238)に案内することができる。
そして、図8(a)に示すように、第1挟持部材210および第2挟持部材230により絶縁電線110を挟持し、後述する牽引部材266を用いて当該工具200を矢印の方向に移動させる。これにより、図8(b)に示すように、当該工具200が絶縁電線110に沿って摺動し、切削刃216および236によって剥ぎ取られた絶縁電線110のヒレ114aが間隙220および240を通過して収容空間218および238に収容される。
被覆部材222(242)は、収容空間218(238)を覆うカバーである。これにより、収納空間218(238)が閉鎖されるため、剥ぎ取られたヒレ114aが収容空間218(238)の外へ出ることがない。したがって、剥ぎ取られたヒレ114aの地上への落下を防ぐことができ、かかるヒレ114aの地上への散乱を回避することができる。このため、作業後の清掃の手間を削減することが可能となる。
また被覆部材222は第1挟持部材210に、被覆部材242は第2挟持部材230に各々に着脱可能である。したがって、収容空間218および238内が剥ぎ取られたヒレ114aで充塞されたら(図8(b)参照)、図8(c)に示すように被覆部材222(242)を取り外して収容空間218(238)を開放し、溜まったヒレ114aを容易に回収することができる。
留具224(244)は、被覆部材222(242)の第1挟持部材210(第2挟持部材230)からの脱着を防止するための部材である。かかる留具224は、水平方向(図8(c)に示す矢印方向)に回転可能である。これにより、留具224(244)を図8(c)に示す反時計回りの矢印方向に回転させると、留具224(244)は被覆部材222(242)上から移動し、被覆部材222(242)を第1挟持部材210(第2挟持部材230)から取り外すことができる。そして、取り外した被覆部材222(242)を第1挟持部材210(第2挟持部材230)に装着し、留具224(244)を図8(c)に示す時計回りの矢印方向に回転させると、留具224(244)は被覆部材222(242)上に移動し、被覆部材222(242)の第1挟持部材210(第2挟持部材230)からの脱着が防止される。
なお、本実施形態においては、第1挟持部材210および第2挟持部材230の両方に上記説明した一連の部材を設けているが、これに限定するものではなく、上記説明した部材は、第1挟持部材210または第2挟持部材230の少なくとも一方に設けられていればよい。
図9は、第1把持部材260および第2把持部材262を説明する図であって、図9(a)は当該工具200の分解斜視図である。第1把持部材260および第2把持部材262は、当該工具200を把持するための部材である。第1把持部材260は、第1連結部材270により第1挟持部材210と連結されている。これにより、第1把持部材260と第1挟持部材210とが連動することが可能となる。
また、第1把持部材260の操作工具により把持される部分には、滑り止め260aが設けられている。これにより、操作工具を用いてかかる第1把持部材260を確実に把持することができるため、操作性の向上を図ることができる。なお、本実施形態においては、滑り止め260aとしてゴム製の部材を用いたがこれに限定するものではなく、樹脂製材料等、操作工具との摩擦力を増大させることが可能な材料であればよい。
第2把持部材262は、後述する第2連結部材280により第2挟持部材230と連結されている。これにより、第2把持部材262と第2挟持部材230とが連動することが可能となる。また第2把持部材262においても、第1把持部材260と同様に滑り止め262aが設けられている。これにより、上述した利点を得ることができる。
そして第2連結部材280は第1連結部材270に対して、擦動可能に連結されており、第1挟持部材210と第2挟持部材230が離接する方向に相対的に移動することができる。第1連結部材270は第2連結部材280より長く、第1挟持部材210と第1把持部材260との間隔は、第2挟持部材230と第2把持部材262との間隔より広くなっている。したがって、第2挟持部材230および第2把持部材262は、第1挟持部材210と第1把持部材260の間に配置される。これにより、第1把持部材260と第2把持部材262を近づけると、第1挟持部材210と第2挟持部材230とが離隔する。
図9(b)は、第1把持部材260および第2把持部材262を把持した状態を示す図である。図9(b)に示すように、操作工具としてヤットコ300を用いて、第1把持部材260と第2把持部材262との間隔を所定間隔(図5参照)より狭めるようにこれらを把持すると、第1挟持部材210と第2挟持部材230とが離隔し、これらの間(離隔した空間)に絶縁電線110を配置することができる。
弾性部材264(図4参照)は、第1挟持部材210および第2把持部材262に接続されており、第1挟持部材210および第2挟持部材230を、絶縁電線110を挟持する方向に付勢する。これにより、第1把持部材260および第2把持部材262を把持していない場合、すなわちこれらを解放している場合は、第2挟持部材230は、弾性部材264により第1挟持部材210と当接する方向(絶縁電線110を挟持する方向)に付勢され、第1挟持部材210と第2挟持部材230とが当接した状態となる(図5(a)および(b)参照)。
牽引部材266は、当該工具200を絶縁電線110に沿って牽引するための部材である。これにより、かかる牽引部材266をヤットコ300等の操作工具を用いて把持する、または牽引部材266にフック状の操作工具を引っ掛けることができ、これらの操作工具を用いて牽引部材266を牽引し、当該工具200を絶縁電線110に沿って移動させることが可能となる。したがって、当該工具200を、自体に直接力を加えることなく移動させることができ、かかる力による工具200の損傷が防止される。また、牽引部材266を牽引するだけで当該工具200を移動させられることで、操作性を向上し、作業効率の向上を図ることができる。
図10は、当該工具200の動作を示す図である。上述した図5(a)および(b)に示す状態から、ヤットコ300等の操作工具(図示省略)を用いて、第1把持部材260および第2把持部材262をこれらの所定間隔を狭めるように把持すると、図10(a)および(b)に示すように、第1挟持部材210と第2挟持部材230とが離隔した状態となる。
そして、図10(c)および(d)に示すように、第1挟持部材210と第2挟持部材230との間の空間に絶縁電線110を配置する。その後、第1把持部材260および第2把持部材262を解放すると、第2挟持部材230は弾性部材264により第1挟持部材210と当接する方向に付勢され、図10(e)および(f)に示すように、絶縁電線110は第1把持部材260および第2把持部材262により挟持される。
その後、図10(g)に示すように、ヤットコ300等の操作工具を用いて牽引部材266を牽引し、図10(e)に示した状態の当該工具200を矢印方向に移動させる。これにより、絶縁電線110のヒレ114aが剥ぎ取られる(図7(b)および(c)参照)。そして、当該工具200を絶縁電線110の被覆114に沿って回転させることにより(図11(b)および(c)参照)、剥ぎ取られたヒレ114aが絶縁電線110から切り離され、収容空間218(238)に収納される。
上述したように弾性部材264の付勢により第1挟持部材210と第2挟持部材230とが絶縁電線110を挟持することで、当該工具200は絶縁電線110に掛着された状態となる。これにより、当該工具200の絶縁電線110からの脱落が防止され、安全にヒレ114aの剥ぎ取り作業を行うことが可能となる。
また、当該工具が絶縁電線110に掛着された状態となることで、絶縁電線110の挟持後は当該工具200の操作工具等による保持(固定)が不要となる。したがって、ヒレ剥ぎ取り作業を1人の作業者のみで行うことが可能となり、人工に要するコストを削減することが可能となる。
なお、電柱100に張架されている絶縁電線110は捻れた状態で施設されている場合もあるため、図10(d)に示すようにヒレ114aが絶縁電線110の上下に位置しているとは限らない。図11は、絶縁電線110のヒレ114aの位置の他の例を示す図である。例えば、図11(a)に示すように、ヒレ114aが絶縁電線110の側面に位置することも容易に想定される。そして、図11(a)にしめす状態の絶縁電線110を第1挟持部材210および第2挟持部材230で挟持すると、図11(b)に示すようにヒレ114aが溝部214および234に挿通されない状態となってしまう。
上記のような場合、絶縁電線110を挟持した後に、当該工具200を図11(b)に示す矢印の方向に回転させる。これにより、図11(c)に示すようにヒレ114aが溝部214および234に挿通され、ヒレ114aを適切に剥ぎ取ることが可能となる。なお、工具200の回転方向は図11(b)に示す矢印の方向に限定されず、ヒレ114aの向きのよって適宜変更することが可能である。
図12は、第1把持部材260および第2把持部材262の回転動作を示す図である。第1連結部材270は、第1挟持部材210と第1把持部材260とを連結するための部材である。第1連結部材270には軸272が立設されており、かかる軸272に第1把持部材260が回転可能に取り付けられている。
第2連結部材280は、第2挟持部材230と第2把持部材262とを連結するための部材である。第2連結部材280には軸282が立設されており、かかる軸282に第2把持部材262が回転可能に取り付けられている。
第1把持部材260は軸272を中心として、第2把持部材262は軸282を中心として、図12(a)に示す矢印の方向に回転可能である。そして、第1把持部材260および第2把持部材262を図12(a)の時計回りの矢印の方向に回転させると、第1把持部材260および第2把持部材262は図12(b)に示す状態となる。また、第1把持部材260および第2把持部材262を図12(a)の反時計回りの矢印の方向に回転させると、第1把持部材260および第2把持部材262は図12(c)に示す状態となる。
かかる構成により、作業者は、当該工具200の設置位置を変えることなく、ヤットコ300の角度を所望の角度に変更することが可能となり、作業者はヤットコ300を自身が作業しやすい角度に調節して作業を行うことができる。したがって、作業者の負担を軽減し、作業効率の向上を図ることができる。
また絶縁電線110が捻れている場合(図11参照)等、ヒレ114aの向きが変化する場合においても、当該工具200に追従して第1把持部材260および第2把持部材262が回転する。このため、作業者はヤットコ300の向きや自身の体勢を頻繁に変えることなく作業を行うことが可能となる。
上記説明したように、本実施形態にかかるヒレ剥ぎ取り工具200によれば、第1挟持部材210および第2挟持部材230により挟持された絶縁電線110のヒレ114aが、溝部214および234に挿通される。そして、かかる工具200を絶縁電線110に沿って移動させることでヒレ114aのみが切削刃216および236によって剥ぎ取られる。これにより、作業員の技能によることなく、簡便な操作でヒレ114aのみを容易且つ正確に剥ぎ取ることが可能となる。したがって、ヒレ剥ぎ取り作業の作業性の向上を図ることができる。
なお、上記実施形態においては間接活線工法において使用する例について説明したが、本発明に係るヒレ剥ぎ取り工具はこれに限定するものではなく、直接活線工法にも用いることができる。すなわち、ヒレ付き電線からヒレを剥ぎ取る作業であれば、工法を問わずに本発明に係るヒレ剥ぎ取り工具を好適に利用することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、難着雪型の絶縁電線の被覆が有するヒレを剥ぎ取るためのヒレ剥ぎ取り工具およびヒレ剥ぎ取り方法として利用することができる。
100 …電柱
110 …絶縁電線
112、122 …芯線
114、124 …被覆
114a …ヒレ
120 …PD線
130 …変圧器
140 …接続部
150 …コネクタ
150a、150b …挿入孔
152 …第1部材
154 …第2部材
156 …ナット
156 …コネクタカバー
160 …絶縁テープ
162 …隙間
200 …ヒレ剥ぎ取り工具
210 …第1挟持部材
212、232 …摺動面
214、234 …溝部
216、236 …切削刃
218、238 …収容空間
220、240 …間隙
222、242 …被覆部材
230 …第2挟持部材
250 …空間
260 …第1把持部材
260a、262a …滑り止め
262 …第2把持部材
264 …弾性部材
266 …牽引部材
270 …第1連結部材
280 …第2連結部材

Claims (7)

  1. 芯線と、該芯線を覆う被覆と、該被覆の外周に母線に沿って立設されるリブ状のヒレと、を備えた難着雪型の絶縁電線の該ヒレを剥ぎ取るためのヒレ剥ぎ取り工具であって、
    前記絶縁電線を挟持する第1挟持部材および第2挟持部材を備え、
    前記第1挟持部材または前記第2挟持部材の少なくとも一方は、
    前記被覆の外周に当接する摺動面と、
    前記摺動面上に設けられ前記ヒレを挿通しうる溝部と、
    前記溝部内に刃先が露出するよう配置された切削刃と、
    を有することを特徴とするヒレ剥ぎ取り工具。
  2. 前記第1挟持部材と連結された第1把持部材と、
    前記第2挟持部材と連結された第2把持部材と、
    前記第1挟持部材および前記第2把持部材に接続され、該第1挟持部材および前記第2挟持部材を前記絶縁電線を挟持する方向に付勢する弾性部材と、
    を更に備え、
    前記第1把持部材および前記第2把持部材を把持し、該第1把持部材と該第2把持部材との間隔を所定間隔より狭めることにより、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材とが離隔することを特徴とする請求項1に記載のヒレ剥ぎ取り工具。
  3. 当該ヒレ剥ぎ取り工具を前記絶縁電線に沿って牽引するための牽引部材を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のヒレ剥ぎ取り工具。
  4. 前記第1挟持部材と前記第1把持部材とを連結する第1連結部材と、
    前記第2挟持部材と前記第2把持部材とを連結する第2連結部材と、
    を更に備え、
    前記第1把持部材は前記第1連結部材に立設された軸に、前記第2把持部材は前記第2連結部材に立設された軸に、各々回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のヒレ剥ぎ取り工具。
  5. 前記第1挟持部材または前記第2挟持部材の少なくとも一方は、
    剥ぎ取られた前記ヒレを収容する収容空間と、
    前記切削刃の前記絶縁電線と対向しない面側に設けられ、前記溝部と前記収納空間とを連結する間隙と、
    前記第1挟持部材および前記第2挟持部材各々に着脱可能であり、前記収容空間を覆う被覆部材と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のヒレ剥ぎ取り工具。
  6. 前記摺動面は、凹状であることを特徴とする請求項1に記載のヒレ剥ぎ取り工具。
  7. 難着雪型の絶縁電線の被覆が有するヒレを剥ぎ取るためのヒレ剥ぎ取り方法であって、
    切削刃と、該切削刃の刃先が内部に露出する溝部と、を有し、前記絶縁電線を挟持する第1挟持部材および第2挟持部材と、を備えるヒレ剥ぎ取り工具を用い、
    前記第1挟持部材と前記第2挟持部材により前記絶縁電線を挟持し、
    前記溝部に前記ヒレを挿通し、
    前記ヒレ剥ぎ取り工具を前記絶縁電線に沿って移動させることで前記ヒレを前記切削刃により剥ぎ取ることを特徴とするヒレ剥ぎ取り方法。
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