JP7396034B2 - ナット保持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、パイプ部材等の中空体内にナットを取り付けるためのナット保持構造に関する。
パイプ部材を接ぎ合わせる場合等においては、パイプ部材内にナットを配設する必要が生じる場合がある(例えば、特許文献1を参照)。
従来、このような部分には、例えば、特許文献1に記載されたようなナット保持構造が採用されている。すなわち、このナット保持構造は、パイプ部材の対向する壁部にそれぞれ一部直線部を有する円形のナット保持孔を設けておき、前記中空体内に配される円柱状のナットの両端部をこれらナット保持孔にそれぞれ保持させたものである。
ところが、このような構成のナットは、断面円形をなす軸状素材を切断しただけのものではなく、その外周面の一部に切削加工を施して平面加工部を形成し、その平面加工部にめじ孔を形成したものである。そのため、加工に手間がかかるという問題がある(課題1)。
また、従来のものは、軸状のナットを両端部がパイプ部材の外に突出するようにして保持孔に貫通させており、ナットの一端部外周にそれぞれ機械加工により環状溝を形成しているのが一般的であり、その環状溝にEリング等を装着することによってナットの抜止めを行っている。そのため、この点からも機械加工の工数が多くなるだけでなく、外部からの見栄えにも難点があり、何らかの改善が望まれている(課題2)。
特許第5055575号公報
請求項1記載の発明は、少なくとも上述した課題1を解決することを目的とする。
請求項2記載の発明は、少なくとも課題2を解決することを目的とする。
請求項1記載の発明に係るナット保持構造は、中空体の対向する壁部にそれぞれナット保持孔を設けておき、前記中空体内に配されるナットの両端部をこれらナット保持孔にそれぞれ保持させたものであって、前記ナットが、対向する2平面を備え一方の端部から他方の端部に至る各部が同一の断面形状を有する角柱状をなし、前記中空体内に位置する部位に前記2平面に直交するねじ孔を有したものであり、前記ナット保持孔が、前記ナットの端部外周に抜出可能に嵌合して当該ナットの回転を防止する角孔部を備えたものであるナット保持構造
請求項2記載の発明に係るナット保持構造は、中空体の対向する壁部にそれぞれナット保持孔を設けておき、前記中空体内に配されるナットの両端部をこれらナット保持孔にそれぞれ保持させてなり、前記ナットが、対向する2平面を備えた角柱状をなし、前記中空体内に位置する部位に前記2平面に直交するねじ孔を有したものであって、前記ナットの抜出防止と端部隠蔽を兼ねる蓋部材を前記中空体に設けているものである。
請求項3記載の発明に係るナット保持構造は、請求項2記載のものであって、前記蓋部材が、前記ナットの端面及び前記ナット保持孔を覆った状態で前記中空体の外面に添接される蓋本体と、この蓋本体を前記ナット保持孔を利用して前記中空体に止着する止着部とを備えたものである。
請求項4記載の発明に係るナット保持構造は、請求項3記載のものであって、前記ナット保持孔が、前記ナットの端部外周に嵌合して当該ナットの回転を防止する角孔部と、この角孔部の一部分を凹陥させて前記ナットの端部外周との間に隙間を形成する凹陥部とを備えたものであり、前記隙間を利用して前記蓋部材が前記中空体に取り付けられているものである。
請求項5記載の発明に係るナット保持構造は、請求項4記載のものであって、前記蓋部材が、前記止着部として、蓋本体の内面に突設された前記隙間に挿入される突起を備えているものである。
請求項6記載の発明に係るナット保持構造は、請求項4又は5記載のものであって、前記蓋部材が、前記止着部として、前記隙間に挿入されて前記中空体に対するナットの遊動を抑制する位置決め用の突起と、前記隙間に挿入されて前記蓋本体が前記中空体から離間するのを防止する抜止用の突起とを備えているものである。
請求項7記載の発明に係るナット保持構造は、請求項3、4、5又は6記載のものであって、前記蓋部材が、前記蓋本体と前記止着部とを一体に構成してなる一体成型品である。
請求項1記載の発明によれば、少なくとも上述した課題1を解決することができる。
請求項2記載の発明によれば、上述した課題1に加え、課題2をも解決することができる。
本発明の一実施形態に係るテーブルを示す上方からの斜視図。 同実施形態に係るテーブルを示す下方からの斜視図。 同実施形態に係るテーブルを示す平面図。 同実施形態に係るテーブルを示す正面図。 同実施形態に係るテーブルを示す底面図。 同実施形態に係るテーブルの天板を外した状態を示す斜視図。 図6におけるA部拡大図。 図6におけるB部拡大図。 図6におけるX-X線に沿った断面図。 同実施形態に係る中間脚ユニットを示す上方からの斜視図。 同実施形態に係る中間脚ユニットを示す分解斜視図。 同実施形態に係るステーへのビームの接続態様を示す下方からの斜視図。 同実施形態に係るステーへのビームの接続態様を示す上方からの斜視図。 同実施形態に係るステーへのビームの接続部位を示す拡大斜視図。 同実施形態に係る一方のビーム連結具を示す図。 同実施形態に係るナット保持孔を示す図。 同実施形態に係るビーム連結具に装着する蓋部材を示す図。 同実施形態に係る受け座保持孔を示す図。 同実施形態に係るビームに装着する蓋部材を示す図。
以下、本発明の一実施形態について図1~図19を参照しつつ述べる。
本実施形態は、会議用テーブルに本発明を適用した場合のものである。このテーブルTは、図1~図5に示すように、天板1を中間脚ユニット2とこの中間脚ユニット2にビーム3を介して連結される端部脚4とによって支持させたものである。
天板1は、一端を中間脚ユニット2に支持させるとともに他端を端部脚4に支持させた平面視長方形状のもので、下面に取付用の図示しないナットが埋設されている。この実施形態では、配線挿通用の隙間SSを介して対面配置された対をなす天板1が中間脚ユニット2の両側にそれぞれ配されている。
すなわちこのテーブルTは、図2、図4及び図5に示すように、ステー取付部50を有する脚支柱5と、複数のビーム連結箇所6xを有し脚支柱5のステー取付部50に取付けられたステー6と、このステー6のいずれかのビーム連結箇所6xに選択的に取り付けられたビーム連結具7A、7Bとを備えた中間脚ユニット2を具備し、その中間脚ユニット2によって天板1の一部を支持しているものである。
詳述すれば、中間脚ユニット2は、図6、図10及び図11に示すように、上端に樋状のステー取付部50を備えた脚支柱5と、ステー取付部50に上から嵌合される角柱パイプ状のステー6と、このステー6のいずれかのビーム連結箇所6xに選択的に取り付けられた対をなすビーム連結具7A、7Bとを備えたものである。
脚支柱5は、図6、図10及び図11に示すように、下端にアジャスタ53を有するとともに内部に一側方に開口した配線収納空間を有する支柱本体51と、この支柱本体51の開口を閉塞するカバー52と、支柱本体51の上方に設けられたステー取付部50とを備えている。支柱本体51は、内部に配線収納空間SCを有した中空体状のもので、床から天板1上に導かれる配線類を案内する役割をも備えている。すなわち、配線収納空間SC内の配線類はカバー52の上縁近傍に形成された上導出入口52aから天板1上に導かれるようになっており、カバー52を支柱本体51から取り外すことにより配線収納空間SCを一時的に外部に開放することができるように構成されている。また、支柱本体51の下端部には配線収納空間SCと外部とを連通させる下導出入口51aが設けられている。ステー取付部50は、前述したように樋状をなすもので、上縁に天板1にねじ止めするためのフランジ501が設けられている。
このステー6は、図8、図9及び図12に示すように、上向きチャンネル状の下チャンネル材61と、この下チャンネル材61の外側に外嵌させた下向きチャンネル状の上チャンネル材62とを備えたもので、側壁6aは二重壁構造をなしている。そしてこのステー6には、図8、図10及び図11に示すように、長手方向中央を挟んで両側に複数、具体的には4つずつビーム連結箇所6xが設定されており、これらビーム連結箇所6xのいずれかに対をなすビーム連結具7A、7Bが選択的に固定されるようになっている。各ビーム連結箇所6xには、両ビーム連結具7A、7Bを掛け止めするための掛止部であるスリット状をなす上下の凹所6x1、6x2と、両ビーム連結具7A、7Bをこのステー6に固定するためのボルト8が貫通する貫通孔6x3とが設けられている。すなわち、各ビーム連結箇所6xにおける一方の側壁6aには、一対の上凹所6x1と一対の下凹所6x2とが貫通孔6x3を挟むようにして形成されており、これら上下の凹所6x1、6x2を利用して一方のビーム連結具7Aが取り付けられるようになっている。また、他方の側壁6aには、一対の上凹所6x1と一対の下凹所6x2とが貫通孔6x3を挟むようにして形成されており、これら上下の凹所6x1、6x2を利用して他方のビーム連結具7Bが取り付けられるようになっている。
ここで、図9及び図12に示すように、一方のビーム連結具7Aは、ボルト8を挿通させるためのねじ挿通孔71を有したものであるとともに、他方のビーム連結具7Bが雌ねじ孔72を有したものであり、一方のビーム連結具7Aのねじ挿通孔71から挿入したボルト8をステー6を貫通させて他方のビーム連結具7Bの雌ねじ孔72に螺着することによって両ビーム連結具7A、7Bをステー6にそれぞれ固定している。
一方のビーム連結具7Aについて詳述すれば、このビーム連結具7Aは、図9及び図12~図15に示すように、一端に掛止突起761、762を有する中空体である連結具本体73と、この連結具本体73の他端側に一部を延出させて当該連結具本体73内に固設された位置決め部材74と、連結具本体73内に配されたナット75とを備えたものである。なお、図15は、一方のビーム連結具7Aを示すもので、ナット75は省略して示している。具体的には、連結具本体73は、天壁731と、この天壁731の両側縁から垂下させた側壁732と、天壁731の一端から垂下させた端壁733とを備えた板金製一体品であり、側壁732の一端には下方に屈曲する爪状をなす上下の掛止突起761、762が一体に形成されている。また、端壁733には、前述したねじ挿通孔71が設けられている。なお、両側壁732には、後述するナット保持孔77が形成されており、これらのナット保持孔77を利用して当該連結具本体73内にナット75が保持されている。
このナット75の保持構造を詳述すれば、中空体である連結具本体73の対向する壁部すなわち両側壁732にそれぞれナット保持孔77を設けておき、連結具本体73内に配されるナット75の両端部をこれらナット保持孔77にそれぞれ保持させているものである。
ナット75は、対向する2平面75a、75bを備えた角柱状をなし、連結具本体73内に位置する部位に前記2平面75a、75bに直交するねじ孔75xを有したものである。
ナット保持孔77は、図13~図16に示すように、ナット75の端部外周に嵌合して当該ナット75の回転を防止する角孔部77aと、この角孔部77aの一部分を凹陥させてナット75の端部外周との間に隙間S1、S2を形成する凹陥部77bとを備えたものである。なお、図15は、前述したようにナット75を省略した一方のビーム連結具7Aを示すもので、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側面図、同図(d)は底面図、同図(e)は(a)における中央側断面図である。また、図16(a)は、図15(c)におけるナット保持孔77のみを拡大して示すものであり、図16(b)は、そのナット保持孔77の角孔部77aにナット75を保持させた状態を拡大して示すものである。図16(c)は、そのナット保持孔77の凹陥部77bに蓋部材78の突起782、783を挿入した状態を拡大して示すものである。
また、連結具本体73には、図10及び図12~図14に示すように、ナット75の抜出防止と端部隠蔽を兼ねる蓋部材78を設けている。蓋部材78は、図12、図13及び図17に示すように、ナット75の端面及びナット保持孔77を覆った状態で連結具本体73の外面に添接される蓋本体781と、この蓋本体781をナット保持孔77を利用して連結具本体73に止着する止着部である位置決め用の突起782及び抜止用の突起783とを備えている。蓋部材78は、ナット保持孔77の凹陥部77bによりナット75との間に形成される図16(b)及び同図(c)に示すような隙間S1、S2を利用して連結具本体73に取り付けられている。位置決め用の突起782及び抜止用の突起783は、いずれも蓋本体781の内面に突設されている。位置決め用の突起782は、隙間S1に挿入されて連結具本体73に対するナット75の遊動を抑制する機能を有する。抜止用の突起783は、隙間S2に挿入されて蓋本体734が連結具本体73から離間するのを防止する機能を有する。より具体的には、位置決め用の突起782は平板状のもので、隙間S1に密に挿入される。抜止用の突起783は基端を蓋本体781に支持された弾性変形可能なU字状のものであり、その先端部にナット保持孔77の内面側開口端面に係合する爪784を備えている。蓋部材78は、ナット75の両端にそれぞれ配されたものであり、例えば合成樹脂により一体に成形されている。なお、図17は、この蓋部材78を示すもので、同図(a)は平面図、同図(b)は全体斜視図、同図(c)は正面図、同図(d)は右側面図、同図(e)は底面図、同図(f)は左側面図である。
他方のビーム連結具7Bは、一方のビーム連結具7Aに準じた構成をなしているが、端壁733の内面には、雌ねじ孔72を有する固定用ナット70が固着されている。なお、図11及び図12では、固定用ナット70を本来の固設位置とは異なった位置に描いて当該固定用ナット70の存在を明確にしている。また、一方のビーム連結具7Aにおけるものに対応する各部位には同一の符号を付して説明を省略する。
以上説明した各ビーム連結具7A、7Bには、ビーム3の内方端部がそれぞれ接続されている。すなわち、各ビーム3は、ビーム連結具7A、7Bの連結具本体73に外面が連続しうるように寸法設定された角柱パイプ状のものであり、ビーム連結具7A、7Bの位置決め部材74に外嵌させた状態で連結具本体73の端面に衝き合わせてある。そして、このビーム3をビーム連結具7A、7Bに斜め連結ボルト9を用いて連結している。ビーム3とビーム連結具7A、7Bとの接続は、ボルト8を利用したステー6と両ビーム連結具7A、7Bとの接続の後に行うようになっている。なお、3xはビーム3の下面に設けられ下方から斜め連結ボルト9を通過させるための窓である。
詳述すれば、ビーム3の内方端部近傍には、ビーム連結具7A、7Bに設けられたナット75に対応させてねじ挿通孔31xを有するボルト受け座31が設けてあり、そのボルト受け座31のねじ挿通孔31xに挿通させた斜め連結ボルト9をナット75のねじ孔75xに螺着することによって、ビーム3をビーム連結具7A、7Bに連結するようにしている。具体的には、ナット75のねじ孔75xの軸心は、外方に向かって漸次降下するように傾斜させてあり、ボルト受け座31のねじ挿通孔31xの軸心はねじ孔75xの軸心に一致させてある。ボルト受け座31は、ナット75に準じた角柱状のもので、両端部をビーム3に設けた受け座保持孔32に上述したナット75の保持構造に準じた構造で保持させている。
ボルト受け座31は、対向する2平面31a、31bを備えた角柱状をなし、ビーム3内に位置する部位に前記2平面31a、31bに直交するねじ挿通孔31xを有したものである。
受け座保持孔32は、図13及び図18に示すように、ボルト保持孔77に準じた形状をなすもので、ボルト受け座31の端部外周に嵌合して当該ボルト受け座31の回転を防止する角孔部32aと、この角孔部32aの一部分を凹陥させてボルト受け座31の端部外周との間に前述した隙間S1、S2に準じた隙間S3、S4を形成する凹陥部32bとを備えたものである。この受け座保持孔32には、図18(c)に示すように、ボルト受け座31の抜出防止と端部隠蔽を兼ねる蓋部材33が装着されるようになっている。蓋部材33は、図12、図13及び図19に示すように、ボルト受け座31の端面及び受け座保持孔32を覆った状態でビーム3の外面に添接される蓋本体331と、この蓋本体331を受け座保持孔32を利用してビーム3に止着する止着部である位置決め用の突起332及び抜止用の突起333とを備えている。蓋部材33は、受け座保持孔32の凹陥部32bによりボルト受け座31との間に形成される、前述した隙間S1、S2に準じた図18(b)及び同図(c)に示すような隙間S3、S4を利用してビーム3に取り付けられている。位置決め用の突起332及び抜止用の突起333は、いずれも蓋本体781の内面に突設されている。位置決め用の突起332は、図18(c)に示すように、隙間S1に準じた隙間S3に挿入されてビーム3に対するボルト受け座31の遊動を抑制する機能を有する。抜止用の突起333は、図18(c)に示すように、隙間S2に準じた隙間S4に挿入されてボルト受け座31がビーム3から離間するのを防止する機能を有し、先端部に受け座保持孔32の内面側開口端面に係合する爪334を備えている。なお、図18(a)は、受け座保持孔32のみを拡大して示すものであり、図18(b)は、その受け座保持孔32の角孔部32aにボルト受け座31を保持させた状態を拡大して示すものである。図18(c)は、その受け座保持孔32の凹陥部32bに蓋部材33の突起332、333を挿入した状態を拡大して示すものである。また、図19はこの蓋部材33を示すもので、同図(a)は平面図、同図(b)は全体斜視図、同図(c)は正面図、同図(d)は右側面図、同図(e)は底面図、同図(f)は左側面図である。
また、このビーム3には、天板1にねじ止めするためのねじ挿通孔3aが設けられており、ねじ挿通孔3aに対応する部位には圧壊防止用のスペーサ34が収容されている。そして、このビーム3の外方端部は、端部用ビーム連結具7Cを介して端部脚4に接続されている。
端部脚4は、端部ステー41に両端に端部脚支柱42の上端を接続してなる門形のもので、図2、図5及び図6に示すように、端部ステー41の中間部2カ所に端部用ビーム連結具7Cが設けられている。端部用ビーム接続具7Cは前述したビーム連結具7A、7Bに準じた構成のものであり、対応する部位には同一の符号を付して説明を省略する。端部用ビーム接続具7Cがビーム連結具7A、7Bと異なっている点としては、端部ステー41に溶接等により固設されている点と、側壁732の形状が異なっている点とを挙げることができる。この端部用ビーム連結具7Cを介したビーム3と端部脚4との連結態様は、前述したステー6とビーム3との連結態様に準じた斜め連結ボルト9を利用する図7に示すようなものであるので詳細な説明は省略する。なお、43は、天板1の端部を端部脚4に支持させるべく端部脚4を天板1に取り付けるための天板受けブラケットである。
このような構成のものであれば、ビーム連結具7A、7Bの対向する両側壁732にナット保持孔77を設け、対向する2平面75a、75bを備えた角柱状をなすナット75の両端部をナット保持孔77にそれぞれ保持させたものであって、当該ナット75のビーム連結具75A、75B内に位置する部位にこれら2平面75a、75bに直交するねじ孔75xを設けるようにすることにより、円柱状のナットを利用する態様と比較して、ナット75に回り止めのための平面加工部を形成する必要がなく、ナット75の加工に要する手間を大幅に削減することができる。すなわち、このようなナット75であれば、角柱状の部材を所定の長さに切断し、その中央部分にねじ孔75xを形成するだけで製作することができるため、周面に平面部を形成するための機械加工が不要となり、製作に要する工数を削減することができる。
しかも、この実施形態では、ナット75の抜け止めを蓋部材78により行うようにしているため、抜け止め用のEリング等を装着するための環状溝を形成する機械加工も不要となる。また、このような蓋部材78により抜け止めを行えば、Eリング等により抜止を行う態様と比較して、外観を整えることも容易になる。
さらに、蓋部材78がナット75の端面及びナット保持孔77を覆った状態でビーム連結具7A、7Bの外面に添接される蓋本体781と、この蓋本体781をナット保持孔77を利用してビーム連結具7A、7Bに止着する止着部である突起782、783とを備えたものであるので、このような蓋部材78のビーム連結具7A、7Bへの取り付けが容易になる。特に、本実施形態では蓋部材78が止着部として位置決め用の突起782と抜止用の突起783とを備えているので、このような蓋部材78によりビーム連結具7A、7Bのがたつき抑止と抜止とを同時に行うことができる。
ナット保持孔77が、ナット75の端部外周との間に隙間S1、S2を形成する凹陥部77bを備えており、この隙間S1、S2を利用して蓋部材78がビーム連結具7A、7Bに取り付けられているので、蓋部材78をビーム連結具7A、7Bに取り付けるための取付孔を設ける必要がなく、ナット保持孔77のみによって蓋部材78の取り付けを行うことが可能となる。
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
例えば、蓋部材を設けることなく、蓋部材を設ける以外の方法によりナットの抜け止めを行ってもよい。
また、蓋部材を設ける場合、蓋部材の中空体への取付態様は任意である。すなわち、上述した実施形態ではナット保持孔を利用して中空体に蓋部材を止着するようにしているが、ナット保持孔に隣接させて蓋体取付孔を設け蓋体側にこの蓋体取付孔に係合可能な止着部である係合突起を設ける等、他の態様により蓋部材を中空体に取り付けるようにしてもよい。
さらに、ナットとナット保持孔との間に形成された隙間を利用して蓋体を中空体に取り付ける場合であっても、上述した位置決め用の突起と抜け止め用の突起とをそれぞれ別々の隙間に挿入する態様以外を採用してももちろんよい。
上述した実施形態では、蓋部材の止着部を蓋本体と一体に形成しているが、これらを別体のものとしてももちろんよい。但し、蓋部材の蓋本体と止着部とを一体に構成すれば、部品点数の削減や蓋部材の製造の容易化といった効果が得られる。
加えて、上述した実施形態ではボルトの頭部を着座させるボルト受け座も、中空体であるビームに、本発明のナット保持構造に準じた保持構造により保持させているが、このボルト受け座の保持構造も任意のものを採用してよい。但し、ナット保持構造に準じた保持構造によりボルト受け座を保持させることにより、前述した本発明のナット保持構造に係る効果と同様の効果を得ることができる。すなわち、中空体同士を接続すべく中空体の壁部に保持させる部材であるナットやボルト受け座といった固定架材の保持構造全般に本発明のナット保持構造に準じた保持構造を採用すれば、本発明のナット保持構造に係る効果と同様の効果を広く得ることができる。
さらに、パイプ状の中空体同士の接続に限らず、例えば中空体である支柱の内部にナットを保持させる場合に本発明のナット保持構造を適用する等、種々の態様に適用が可能である。
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
7A、7B…中空体(ビーム連結具)
732…壁部(側壁)
75…ナット
75a、75b…(ナットの)平面
75x…ねじ孔
77…ナット保持孔
77a…角孔部
77b…凹陥部
78…蓋部材
781…蓋本体
782…止着部(位置決め用の突起)
783…止着部(抜止用の突起)
S1、S2…隙間

Claims (7)

  1. 中空体の対向する壁部にそれぞれナット保持孔を設けておき、前記中空体内に配されるナットの両端部をこれらナット保持孔にそれぞれ保持させたものであって、
    前記ナットが、対向する2平面を備え一方の端部から他方の端部に至る各部が同一の断面形状を有する角柱状をなし、前記中空体内に位置する部位に前記2平面に直交するねじ孔を有したものであり、
    前記ナット保持孔が、前記ナットの端部外周に抜出可能に嵌合して当該ナットの回転を防止する角孔部を備えたものであるナット保持構造。
  2. 中空体の対向する壁部にそれぞれナット保持孔を設けておき、前記中空体内に配されるナットの両端部をこれらナット保持孔にそれぞれ保持させてなり、前記ナットが、対向する2平面を備えた角柱状をなし、前記中空体内に位置する部位に前記2平面に直交するねじ孔を有したものであるナット保持構造であって、
    前記ナットの抜出防止と端部隠蔽を兼ねる蓋部材を前記中空体に設けているナット保持構造。
  3. 前記蓋部材が、前記ナットの端面及び前記ナット保持孔を覆った状態で前記中空体の外面に添接される蓋本体と、この蓋本体を前記ナット保持孔を利用して前記中空体に止着する止着部とを備えたものである請求項2記載のナット保持構造。
  4. 前記ナット保持孔が、前記ナットの端部外周に嵌合して当該ナットの回転を防止する角孔部と、この角孔部の一部分を凹陥させて前記ナットの端部外周との間に隙間を形成する凹陥部とを備えたものであり、前記隙間を利用して前記蓋部材が前記中空体に取り付けられている請求項3記載のナット保持構造。
  5. 前記蓋部材が、前記止着部として、蓋本体の内面に突設された前記隙間に挿入される突起を備えている請求項4記載のナット保持構造。
  6. 前記蓋部材が、前記止着部として、前記隙間に挿入されて前記中空体に対するナットの遊動を抑制する位置決め用の突起と、前記隙間に挿入されて前記蓋本体が前記中空体から離間するのを防止する抜止用の突起とを備えている請求項4又は5記載のナット保持構造。
  7. 前記蓋部材が、前記蓋本体と前記止着部とを一体に構成してなる一体成型品である請求項3、4、5又は6記載のナット保持構造。
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