JP7395546B2 - コネクタ及び端子金具 - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタ及び端子金具に関する。
従来、コネクタについては、端子金具と、この端子金具が収容されるハウジングと、その端子金具に導電体を物理的且つ電気的に接続させる導電部品{フレキシブルプリント回路基板(所謂FPC)、プリント回路基板(所謂PCB)等}と、を備えるものが知られている。そして、このコネクタにおいては、その端子金具の導体接続部を導電部品のスルーホールに挿通させ、この導体接続部を導電部品の導電体に半田付けして物理的且つ電気的に接続させるものが知られている。端子金具においては、半田の濡れ性を高めるべく、少なくとも導体接続部にめっき加工が施されている。この種のコネクタは、例えば、下記の特許文献1及び2に開示されている。
特開2001-43914号公報 特開2017-103171号公報
ところで、端子金具については、予めめっき加工が施された母材となる金属板を用意し、この金属板に対する切断や折り曲げ等のプレス成形を行うことによって形作られるものがある。このような端子金具においては、切断に伴う剪断面が非めっき領域として表に出てくるので、導電部品に対しての半田付けに際して、導体接続部の非めっき領域が半田ボール(半田の飛び散り)を発生させてしまう可能性がある。
そこで、本発明は、半田ボールの発生を抑え得るコネクタ及び端子金具を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明に係るコネクタは、端子部及び導体接続部並びに前記端子部及び前記導体接続部を繋ぐ繋ぎ部を有する端子金具と、前記端子金具が収容されるハウジングと、導電体及び絶縁体の積層体で且つスルーホールを有するものとして成形され、前記スルーホールに挿通させた前記導体接続部に対して前記導電体を半田付けして物理的且つ電気的に接続させる導電部品と、前記導体接続部と前記導電体が半田付けされた半田部と、を備え、前記導体接続部は、2箇所の端部における非めっき面たる端面が表へ出ぬように当該端部同士を接触状態で突き合わせた筒状部として形成され、かつ、その筒状部における外壁面が全てめっき層となり、前記導体接続部は、温度変化に応じたそれぞれの前記端部の前記端面の位置の変化に伴う熱応力を逃がす逃がし部を前記半田部が形成される場所を避けた場所に有し、前記導体接続部は、前記繋ぎ部側を固定端とする片持ち形状になっており、自由端側に設けた前記逃がし部よりも固定端側に設けた前記逃がし部の方を大きな貫通孔に形成して、その双方の前記逃がし部で略均等に熱応力を逃がすことを特徴としている。
また、上記目的を達成する為、本発明に係る端子金具は、端子部と、導電体及び絶縁体の積層体として成形された導電部品のスルーホールに挿通させ、前記導電体に半田付けして物理的且つ電気的に接続させる導体接続部と、前記端子部及び前記導体接続部を繋ぐ繋ぎ部と、を有し、前記導体接続部と前記導電体の間には、これらを半田付けした半田部が形成され、前記導体接続部は、2箇所の端部における非めっき面たる端面が表へ出ぬように当該端部同士を接触状態で突き合わせた筒状部として形成され、かつ、その筒状部における外壁面が全てめっき層となり、前記導体接続部は、温度変化に応じたそれぞれの前記端部の前記端面の位置の変化に伴う熱応力を逃がす逃がし部を前記半田部が形成される場所を避けた場所に有し、前記導体接続部は、前記繋ぎ部側を固定端とする片持ち形状になっており、自由端側に設けた前記逃がし部よりも固定端側に設けた前記逃がし部の方を大きな貫通孔に形成して、その双方の前記逃がし部で略均等に熱応力を逃がすことを特徴としている。
本発明に係る端子金具は、導体接続部12を上記の如き筒形状に形成することによって、それぞれの端部における非めっき面たる端面を表に露出させることなく、外壁面の全体をめっき層にすることができる。よって、この端子金具は、半田ボール(半田の飛び散り)の発生を抑止することができ、かつ、半田の濡れ性を向上させることができるので、導体接続部と導電部品の導電体との間に好適な半田部を形成することができる。更に、この端子金具は、半田ボールの発生を抑止できるので、近くの別の端子金具や導電部材との間の絶縁距離不足を回避でき、また、レーザ半田付けを行うのであれば、その際の半田の供給方向の自由度を高めることができる。また、本発明に係るコネクタは、このような端子金具を具備するものであり、この端子金具によって得られるものと同様の効果を奏することができる。
図1は、実施形態のコネクタを示す斜視図である。 図2は、カバー接続前のコネクタを示す分解斜視図である。 図3は、実施形態のコネクタ(カバーを除く)を示す分解斜視図である。 図4は、導体接続部の折り曲げ加工前の展開形状を示す斜視図である。 図5は、具体例1の導体接続部を軸線方向に見た平面図である。 図6は、具体例2の導体接続部を軸線方向に見た平面図である。 図7は、具体例3の導体接続部を軸線方向に見た平面図である。 図8は、導体接続部に対する熱影響について説明する図である。 図9は、変形形態の導体接続部を示す斜視図である。 図10は、変形形態の導体接続部を軸線方向に直交する方向に見た平面図である。 図11は、図10のX-X線断面図である。 図12は、逃がし部と半田部の位置関係について説明する斜視図である。 図13は、変形形態の導体接続部の折り曲げ加工前の展開形状を示す斜視図である。
以下に、本発明に係るコネクタ及び端子金具の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
本発明に係るコネクタ及び端子金具の実施形態の1つを図1から図13に基づいて説明する。
図1から図3の符号1は、本実施形態のコネクタを示す。このコネクタ1は、端子金具10と、この端子金具10が収容されるハウジング20と、このハウジング20に組み付けられるカバー30と、組付け完了状態のハウジング20及びカバー30の成す内方の空間で端子金具10に対して物理的且つ電気的に接続される導電部品40と、を備える。
端子金具10は、金属等の導電性材料で成形される。この端子金具10は、予め錫めっき等のめっき加工がそれぞれの平面に施された母材となる金属板を用意し、その金属板に対する折曲げ加工や切断加工等のプレス成形によって所定形状に成形される。また、この端子金具10は、相手方コネクタの相手方端子金具(図示略)に対して物理的且つ電気的に接続させる端子部11と、導電部品40に対して物理的且つ電気的に接続させる導体接続部12と、を有する(図3)。そして、この端子金具10は、その端子部11と導体接続部12とを繋ぐ繋ぎ部13を有する(図3)。尚、相手方コネクタは、例えば、相手方の電気機器(インバータ等)に電気接続されているコネクタであってもよく、相手方の電気機器に設けられている端子台が有するコネクタ部の如きものであってもよい。
端子部11は、例えば、雌端子形状又は雄端子形状に形成される。ここで示す端子部11は、角筒状の箱体を有する雌端子形状に形成されており、その筒軸方向に沿って相手方端子金具との間の挿抜が行われる。
導体接続部12は、筒形状に形成される。この導体接続部12は、プレス成形時の切断加工によって金属板から切り抜かれた平板部12X(図4)を筒状に折り曲げたものである。例えば、ここで示す導体接続部12においては、その切断加工によって平板部12Xが矩形形状に切り抜かれ、この平板部12Xが折り曲げ加工によって筒状に折り曲げられている。この平板部12Xにおいては、2箇所の端部(この例示では辺部)12a,12aの端面12a,12aが導体接続部12の筒軸と同じ向きに沿う壁面になっている。この平板部12Xは、その2箇所の端部12a,12aと、この2箇所の端部12a,12aの間の基部12bと、を有しており、これらを折り曲げて筒形状の導体接続部12を形作る。その2箇所の一方の端部12a,12aにおける端面12a,12aは、導体接続部12として形成された後も、導体接続部12の筒軸と同じ向きに沿う壁面になっている(図3)。
ここで、この平板部12Xにおいては、その2箇所の端部12a,12aとは別の2箇所の端部(この例示では辺部)12c,12cの端面12c,12cが導体接続部12の筒軸方向に対して直交する壁面になっている(図4)。このそれぞれの端面12c,12cは、導体接続部12として形成された後も、導体接続部12の筒軸方向に対して直交する壁面になっている。尚、このそれぞれの端面12c,12cの内の一方には、その中央部分に繋ぎ部13が連結されている。
この導体接続部12は、導電部品40の後述するスルーホール41で当該導電部品40の後述する導電体に半田付けすることになる。この導体接続部12は、平板部12Xのそれぞれの平面に相当する場所にめっき層を有しており、このめっき層によって、半田付けに際しての半田の濡れ性を向上させている。
一方、その平板部12Xは、プレス成形時の切断加工によって形成された剪断面を有しており、この剪断面がめっき層の無い非めっき面になっている。この平板部12Xにおいては、それぞれの端部(この例示では辺部)12a,12a,12c,12cの端面12a,12a,12c,12cが剪断面(非めっき面)になっている。このため、導体接続部12においては、それぞれの端部(この例示では辺部)12a,12a,12c,12cの端面12a,12a,12c,12cが剪断面(非めっき面)のまま残ることになる。また、その剪断面(非めっき面)には、切断加工に伴うバリが発生している可能性もある。
そこで、この導体接続部12は、その剪断面(非めっき面)による半田の濡れ性の低下を抑えるべく、2箇所の一方の端部12a,12aにおける非めっき面たる端面12a,12aが表へ出ぬように当該端部12a,12a同士を接触状態で突き合わせた筒状部として形成される(図3及び図5から図7)。そして、この導体接続部12は、その筒状部における外壁面12dが全てめっき層となるように形成される。ここで示す導体接続部12においては、母材の段階で既に金属板のそれぞれの平面にめっき加工が施されているので、上記の如き筒形状に形成するだけで、外壁面12dが全てめっき層になる。
この導体接続部12は、それぞれの端部12a,12aにおける非めっき面たる端面12a,12aを表に露出させることなく、外壁面12dの全体をめっき層にしているので、導電部品40の導電体との間に好適な半田部15を形成することができる(図2)。例えば、この導体接続部12は、それぞれの端面12a,12aが表たる外壁面12d側に露出しておらず、導電部品40の導電体への半田付けの際に供給された半田が端面12a,12aに到達し難くなっているので、半田ボール(半田の飛び散り)の発生を抑止することができる。そして、この導体接続部12は、外壁面12dの全体がめっき層になっており、半田の濡れ性が高いので、導電部品40の導電体との間に好適な半田部15を形成することができる。ここで示すコネクタ1は、導体接続部12と導電部品40の導電体とがレーザ半田付けされた半田部15を有している。
更に、この導体接続部12は、半田ボールの発生を抑止できるので、近くに別の端子金具10や導電部材が存在している場合の絶縁距離不足を回避でき、また、レーザ半田付けを行う際の半田の供給方向の自由度が高くなる。
また更に、この導体接続部12は、それぞれの端部12a,12aを接触状態で突き合わせているので、その端部12a,12a間に大きな隙間があるものと比較して、熱衝撃による熱膨張又は熱収縮が起きた際の形状の変化を小規模に抑えることができる。よって、この導体接続部12は、熱膨張又は熱収縮が起きた際の半田部15の亀裂の発生を抑制することができる。図8には、下記の導体接続部12Aを例に挙げて、常温の導体接続部12Aと、高温になって熱膨張した導体接続部12Aと、低温になって熱収縮した導体接続部12Aと、を示している。但し、本図では、説明の便宜上、その形状変化を誇張して表している。
また更に、この導体接続部12は、それぞれの端部12a,12aの間に微小な隙間が生じてしまったとしても、熱膨張又は熱収縮が起きたときの形状の変化を小規模に抑えることができる。そして、この導体接続部12は、そのような隙間が存在していたとしても、導電部品40の導電体への半田付けの際にその隙間から半田を筒内に入り込ませ、その筒内に半田を留めることができる。このため、この導体接続部12は、それぞれの端部12a,12aの間に微小な隙間ができてしまったとしても、導電部品40の導電体との間の固着力を確保することができるので、その間に好適な半田部15を形成することができる。また、この導体接続部12は、筒内から半田を流出させずに、この筒内に半田を留めておくことによって、半田の供給量を最小限に抑えることができる。
ここで示す平板部12Xにおいては、2箇所の一方の端部12a,12aが矩形の平板状に形成され、かつ、この2箇所の一方の端部12a,12aの間の基部12bが矩形の平板状に形成されている。この平板部12Xにおいては、筒状に折り曲げる際に、その基部12bが円弧状に折り曲げられる。つまり、ここで示す導体接続部12は、円弧状の基部12bを有している。そして、この導体接続部12においては、2箇所の一方の端部12a,12aを如何様な形状に折り曲げるのかによって、このそれぞれの端部12a,12aにおける非めっき面たる端面12a,12aを筒形状の表たる外壁面12d側に露出させないようにする。
図3及び図5は、本実施形態の導体接続部12についての具体例の1つである導体接続部12Aを示している。図6は、本実施形態の導体接続部12についての別の具体例の1つである導体接続部12Bを示している。図7は、本実施形態の導体接続部12についての更に別の具体例の1つである導体接続部12Cを示している。
具体例1の導体接続部12Aは、それぞれの端部12a,12aの端面12a,12aを筒内に配置させるようそれぞれの当該端部12a,12aが折り込まれた筒状を成している(図3及び図5)。この導体接続部12Aのそれぞれの端部12a,12aは、端面12a側の平板状の片部12aと、この片部12aを円弧状の基部12bに繋げる部位であり、筒内への折り込みの起点である屈曲部12aと、を有する。そして、この導体接続部12Aにおいては、それぞれの端部12a,12aの片部12a同士を面接触させる。具体例1の導体接続部12Aは、このような筒形状に形成されることによって、上述した様々な効果を得ることができる。
具体例2の導体接続部12Bは、具体例1の導体接続部12Aと同じように、それぞれの端部12a,12aの端面12a,12aを筒内に配置させるようそれぞれの当該端部12a,12aが折り込まれた筒状を成している(図6)。但し、この導体接続部12Bのそれぞれの端部12a,12aは、端面12a側の弧状の片部12aと、この片部12aを円弧状の基部12bに繋げる部位であり、筒内への折り込みの起点である屈曲部12aと、を有する。そして、この導体接続部12Bのそれぞれの端部12a,12aは、その片部12a同士を互いの径方向の外側の壁面が向かい合うよう対向配置させ、かつ、この片部12a同士のそれぞれの径方向の外側の壁面を線接触させる。具体例2の導体接続部12Bは、このような筒形状に形成されることによって、上述した様々な効果を得ることができる。
更に、この具体例1の導体接続部12Aと具体例2の導体接続部12Bは、それぞれの端部12a,12aのめっき面同士を接触させているので、その間に微小な隙間が生じてしまった場合、その隙間から筒内に半田が入り込み易い。このため、この導体接続部12Aと導体接続部12Bは、それぞれの端部12a,12aの間に微小な隙間が生じてしまったとしても、導電部品40の導電体との間の固着力が確保され易くなっているので、その間に好適な半田部15を形成することができる。また更に、この具体例1の導体接続部12Aと具体例2の導体接続部12Bは、それぞれの端部12a,12aを筒内に折り込んでいるので、熱膨張する際にそれぞれの端部12a,12a同士が互いに押し付け合うことになり、形状の変化を抑制し易くなっている。
具体例3の導体接続部12Cは、それぞれの端部12a,12aの端面12a,12a同士を突き合わせた円筒状を成している(図7)。つまり、この導体接続部12Cは、それぞれの端部12a,12aと基部12bとが同一径の円弧状に折り曲げられている。そして、この導体接続部12Cのそれぞれの端部12a,12aは、その端面12a,12a同士を接触状態で突き合わせている。具体例3の導体接続部12Cは、このような筒形状に形成されることによって、上述した様々な効果を得ることができる。
ここで示す端子金具10は、端子部11と導体接続部12(12A,12B,12C)のそれぞれの筒軸が同じ方向を向いたストレート形状に成形されている。そして、コネクタ1は、この端子金具10を1つ又は複数備えるものとして構成される。ここで示すコネクタ1は、複数の端子金具10を備えている。
ハウジング20は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。このハウジング20は、端子金具10の端子部11を収容させる内方の収容室20aと、端子金具10の導体接続部12を収容室20aから外方に突出させる開口(以下、「端子引出口」という。)20bと、を有する(図3)。そして、このハウジング20は、その端子引出口20bが設けられた平滑な端子引出領域20cを有する(図3)。このハウジング20においては、その端子引出口20bから端子部11を収容室20aの中に収容させ、導体接続部12を相手方コネクタに対するコネクタ嵌合方向とは逆向き(つまり、コネクタ抜去方向)に端子引出口20bから突出させる。
ここで示すハウジング20においては、複数の収容室20aが設けられており、その収容室20a毎に端子部11が収容される。全ての収容室20aは、それぞれに端子部11を同じ向きで収容させ、かつ、それぞれの端子引出口20bを同一平面上に配置させるように形成されている。そして、このハウジング20においては、全ての収容室20aが格子状に並べられている。よって、ここで示すハウジング20は、複数の端子引出口20bが設けられた矩形で且つ平滑な端子引出領域20cを有している。
尚、このコネクタ1においては、全ての収容室20aに端子金具10を収容させる必要はなく、電気回路上で必要とされる場所の収容室20aに端子金具10が収容されていればよい。
ここで示すハウジング20は、その全ての収容室20aが形成されたハウジング本体21を有している(図1から図3)。この例示のハウジング本体21は、方体状に形成されており、第1から第6の外壁面21a-21fを有している(図1から図3)。
第1外壁面21aには、全ての端子引出口20bが配置されている。よって、端子引出領域20cは、その第1外壁面21aに設けられている(図3)。
このハウジング本体21において、第3外壁面21cと第4外壁面21dは、平行状態に配置され、かつ、第1外壁面21aに対して直交状態で連接させている。ハウジング20においては、端子引出口20bから飛び出ている全ての端子金具10の導体接続部12を第3外壁面21c側と第4外壁面21d側から覆い隠すことによって、これらの保護を図る。よって、このハウジング20は、第3外壁面21cに対して間隔を空けて対向配置された状態で連結させ、かつ、第1外壁面21aよりも突出させた第1保護体22と、第4外壁面21dに対して間隔を空けて対向配置された状態で連結され、かつ、第1外壁面21aよりも突出させた第2保護体23と、を有している(図1から図3)。
その第1保護体22と第2保護体23は、ハウジング本体21における嵌合接続部21gを除いた部分に配置される(図1から図3)。その嵌合接続部21gとは、相手方ハウジングの相手方嵌合接続部(図示略)の内方へのコネクタ挿入方向に沿った嵌合接続とその相手方嵌合接続部の内方からのコネクタ抜去方向に沿った抜き取りとが可能な部位であり、その内方に端子金具10が収容されている。この嵌合接続部21gは、ハウジング本体21において第2外壁面21b側に設けられている。よって、第1保護体22と第2保護体23は、ハウジング本体21における第1外壁面21a側に配置される。また、ハウジング20においては、第1保護体22が一方の側方の端部に配置され、第2保護体23が他方の側方の端部に配置される。従って、以下においては、必要に応じて、第1保護体22を「第1ハウジング側壁22」と称し、第2保護体23を「第2ハウジング側壁23」と称する。
この例示の第1保護体22は、第3外壁面21cに対して間隔を空けて平行状態で対向配置させた矩形の平板状の平板部22aを有している(図1から図3)。この第1保護体22においては、第1外壁面21aよりも突出させた突出部22aを平板部22aが有しており、その突出部22aによって全ての端子金具10の導体接続部12を第3外壁面21c側から覆い隠す。また、この例示の第2保護体23は、第4外壁面21dに対して間隔を空けて平行状態で対向配置させた矩形の平板状の平板部23aを有している(図1から図3)。この第2保護体23においては、第1外壁面21aよりも突出させた突出部23aを平板部23aが有しており、その突出部23aによって全ての端子金具10の導体接続部12を第4外壁面21d側から覆い隠す。
また、このハウジング本体21において、第5外壁面21eと第6外壁面21fは、平行状態に配置され、かつ、第1外壁面21aと第3外壁面21cと第4外壁面21dに対して各々直交状態で連接させている。ここで示すコネクタ1においては、後述するように、第6外壁面21f側に導電部品40を引き出させる。
このコネクタ1においては、このハウジング20にカバー30を組み付ける前に、収容室20aに収容された端子金具10に対して導電部品40を接続する。
導電部品40は、導電体及び絶縁体の積層体で且つスルーホール41を有するものとして成形される。この導電部品40においては、そのスルーホール41に挿通させた導体接続部12に対して導電体を半田付けして物理的且つ電気的に接続させる。この導電部品40は、複数の導電体を備えており、そのそれぞれの導電体によって回路部が形成されている。
この導電部品40とは、例えば、可撓性(言うなれば柔軟性)を持たせた導電体及び絶縁体によってシート状に成形された部品であり、その導電体及び絶縁体による可撓性を持たせた平らな積層体を有するもののことである。この種の導電部品40としては、フレキシブルプリント回路基板(所謂FPC)、メンブレン配線板等の印刷回路体、フラットケーブル(所謂FC)やフレキシブルフラットケーブル(所謂FFC)等が考えられる。また、導電部品40としては、これらよりも硬質なプリント回路基板(所謂PCB)を用いてもよい。ここで示す導電部品40は、フレキシブルプリント回路基板(所謂FPC)であり、矩形に形成されている。
導電部品40は、端子引出口20bから飛び出ている端子金具10の導体接続部12に対して導電体を物理的且つ電気的に接続させる導体接続領域40aと、ハウジング20から食み出させるべく導体接続領域40aから引出方向へと引き出された導体引出領域40bと、を有する(図2及び図3)。この導電部品40においては、導体接続領域40aが組付け完了状態のハウジング20及びカバー30の成す内方の空間に収容され、導体引出領域40bが組付け完了状態のハウジング20及びカバー30の成す引出口から外方に引き出される。ここで示す導電部品40は、矩形の導体接続領域40aと矩形の導体引出領域40bとに区分けされている。以下においては、特段の言及がなく単に「引出方向」と記した場合、導電部品40における導体引出領域40bの引出方向のことを表している。
導体接続領域40aは、導体接続部12を挿通させる貫通孔であり、その貫通孔の内周面における導電体の電気接続部を導体接続部12に電気接続させるスルーホール41を有している(図3)。ここで示す導体接続領域40aには、全ての端子金具10の導体接続部12を電気接続させるので、その端子金具10毎に円形のスルーホール41が形成されている。
ここで、この導体接続領域40aは、その強度が補強板50によって補われる。よって、この導体接続領域40aには、補強板50が積層状態で一体化される(図3)。その補強板50は、合成樹脂等の絶縁性材料で平板状に成形される。ここで示す補強板50は、導体接続領域40aと同じ外郭形状(つまり、導体接続領域40aと同形状の矩形)の平板として形成されている。この補強板50は、導体接続領域40aに接触させる第1平面を有しており、この第1平面を導体接続領域40aに対して接着剤等で貼り付けることによって、この導体接続領域40aに対して積層状態で一体化される。
この補強板50は、第1平面を導体接続領域40aに接触させ且つ第2平面を端子引出領域20cに接触させて、その導体接続領域40a及び端子引出領域20cの間に挟み込ませる。よって、この補強板50には、スルーホール41と同心の貫通孔(以下、「端子挿通孔」という。)50aがスルーホール41毎に形成されている(図3)。ここで示す端子挿通孔50aは、スルーホール41と同形状に形成されている。
このコネクタ1においては、端子金具10とハウジング20と導電部品40と補強板50の設置状態で、対になる導体接続部12とスルーホール41の組み合わせ毎に半田付けを行って、その導体接続部12とスルーホール41を固着させる。このコネクタ1においては、その後、カバー30が組み付けられる。
カバー30は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。このカバー30は、ハウジング20に組み付けられることによって、このハウジング20を外方から覆う。具体的に、このカバー30は、嵌合接続部21g及び相手方嵌合接続部が嵌合接続完了状態のときに、ハウジング20における相手方嵌合接続部からの突出部分を外方から覆い隠すものとして形成される。換言するならば、このカバー30は、カバー内の内部空間から嵌合接続部21gを突出させた状態でハウジング20の残りの部分を外方から覆い隠すものとして形成される。よって、このカバー30は、端子引出領域20c(つまり、端子引出口20bから飛び出ている全ての端子金具10の導体接続部12)を覆っている。
このカバー30は、先の突出部分(嵌合接続部21g及び相手方嵌合接続部が嵌合接続完了状態のときに、ハウジング20における相手方嵌合接続部からの突出部分)を覆うための主体を成すカバー主壁31を有する(図1及び図2)。ここで示すカバー主壁31は、交差状態で連接させた第1壁体31Aと第2壁体31Bとを有している(図2)。このカバー30においては、第1壁体31Aを第1外壁面21aに対して間隔を空けて対向配置させ、かつ、第2壁体31Bを第5外壁面21eにおける第1外壁面21a側に対して間隔を空けて対向配置させる。
更に、このカバー30は、互いに間隔を空けて対向配置させ、かつ、カバー主壁31の両端部に各々直交状態で連接させ、かつ、可撓性を持たせた第1カバー側壁32及び第2カバー側壁33を有する(図1及び図2)。その第1カバー側壁32と第2カバー側壁33は、コネクタ挿入方向(又はコネクタ抜去方向)と導電部品40の引出方向とに対する直交方向(以下、「幅方向」という。)で互いに間隔を空けて対向配置させる。そして、この第1カバー側壁32と第2カバー側壁33は、その幅方向におけるカバー主壁31の両端部(第1壁体31Aと第2壁体31Bのそれぞれの両端部)に各々直交状態で連接させる。
このカバー30においては、ハウジング20との間で組付け完了状態となっているときに、平板状の第1カバー側壁32を第1ハウジング側壁22の平板部22aに対して外側から平行状態で対向配置させ、かつ、平板状の第2カバー側壁33を第2ハウジング側壁23の平板部23aに対して外側から平行状態で対向配置させる。第1カバー側壁32は、少なくとも第1ハウジング側壁22から離れる方向へと撓み変形させるものとして形成されている。そして、第2カバー側壁33は、少なくとも第2ハウジング側壁23から離れる方向へと撓み変形させるものとして形成されている。
また、カバー30は、カバー主壁31と第1カバー側壁32と第2カバー側壁33におけるコネクタ挿入方向側のそれぞれの端部を周縁部とする第1開口30a(図1及び図2)と、導電部品40の引出方向{つまり、第1カバー側壁32及び第2カバー側壁33の対向配置方向(幅方向)とコネクタ挿入方向(又はコネクタ抜去方向)とに対する直交方向}におけるカバー主壁31と第1カバー側壁32と第2カバー側壁33のそれぞれの端部を周縁部とし、かつ、一部が導電部品40の引出口として利用される第2開口30b(図2)と、を有する。ここで示す第1開口30aは、第1壁体31Aに対してコネクタ挿入方向側で間隔を空けて対向配置させ、かつ、第2壁体31Bと第1カバー側壁32と第2カバー側壁33のそれぞれの辺部を周縁部とする開口として形成されている。また、ここで示す第2開口30bは、第2壁体31Bに対して間隔を空けて対向配置させ、かつ、第1壁体31Aと第1カバー側壁32と第2カバー側壁33のそれぞれの辺部を周縁部とする開口として形成されている。このカバー30においては、その第1開口30aと第2開口30bが直交状態で連接している。よって、第1カバー側壁32と第2カバー側壁33は、各々、第1開口30a側と第2開口30b側とが交差する交差部で最も撓み変形量が大きくなる。
このコネクタ1においては、ハウジング本体21の第1外壁面21aと第1保護体22の突出部22aと第2保護体23の突出部23aとカバー30の第1壁体31A及び第2壁体31Bとの間に空間が形成され、その空間の中に全ての端子金具10の導体接続部12が配置される。また、このコネクタ1においては、その空間が第2開口30bの一部を介して外方に連通している。その第2開口30bの一部とは、ハウジング20と第1壁体31Aとの間に形成される隙間のことである。よって、このコネクタ1においては、その隙間が導電部品40を第6外壁面21f側から外方へと引き出させる引出口になる。
カバー30は、コネクタ嵌合方向に沿って第1外壁面21a側からハウジング20に差込接続させる。ハウジング20とカバー30との間には、その接続方向に沿って組付け完了位置まで互いを案内し合うガイド構造60が設けられている(図1)。そのガイド構造60は、ハウジング20とカバー30の内の一方に設けた突起であり、これらの接続方向に対する直交断面が楔形で且つその接続方向に沿って延在させたガイド突起61と、その内の他方に設けた溝であり、挿入されてきたガイド突起61との間で接続方向に沿って案内し合うべく、接続方向に沿って延在させたガイド溝62と、を備える。ガイド突起61とガイド溝62は、それぞれに、ハウジング20とカバー30の接続方向に沿う互いに平行な又は互いに交差させた2つの平面を少なくとも有している。
ここで示すコネクタ1においては、このガイド構造60を2箇所に設けている。この2箇所のガイド構造60は、一方のガイド突起61の突出方向と他方のガイド突起61の突出方向とが互いに逆向きになるように設けている。ここで示すガイド突起61は、カバー30の第1カバー側壁32と第2カバー側壁33とに設けている。ここでは、矩形の平板状の第1カバー側壁32と矩形の平板状の第2カバー側壁33のそれぞれの第2開口30b側の辺部にガイド突起61が形成されている。カバー30においては、それぞれのガイド突起61を内方に向けて突出させ、かつ、それぞれのガイド突起61を対向配置させている。また、ここで示すガイド溝62は、ハウジング20の第1ハウジング側壁22と第2ハウジング側壁23とに設けている。第1ハウジング側壁22のガイド溝62は、第6外壁面21f側で平板部22aに隣接配置させている。第2ハウジング側壁23のガイド溝62は、第6外壁面21f側で平板部23aに隣接配置させている。
また、このコネクタ1においては、先に示したように、ハウジング本体21の嵌合接続部21gを相手方ハウジングの相手方嵌合接続部に嵌合接続させる。ここでは、相手方嵌合接続部が角筒状に形成されており、この相手方嵌合接続部の内方に嵌合接続部21gを挿入嵌合させる。ハウジング20と相手方ハウジングとの間には、その嵌合接続完了状態を保持させるための保持構造70が設けられる(図1から図3)。ハウジング20は、その保持構造70の構成要素として、嵌合接続部21g及び相手方嵌合接続部が嵌合接続完了状態のときに、嵌合接続方向とは逆方向で相手方嵌合接続部の相手方係止体(図示略)に係止させて、嵌合接続部21g及び相手方嵌合接続部を嵌合接続完了状態のまま保持させる係止体71と、力点部72aに対する係止解除力の付与に伴い撓んで、係止体71と相手方係止体との間の係止可能な状態を解除させる係止解除アーム72と、を有する。
その係止体71と係止解除アーム72は、ハウジング20とカバー30とが組付け完了状態のときにハウジング20における第2開口30b側とは逆側(つまり、ハウジング20の第5外壁面21e側)に配置される。そして、係止解除アーム72は、係止体71と相手方係止体との間の係止可能な状態を解除する際に、第2開口30b側に向けて(つまり、第5外壁面21eに向けて)押動操作させるものとして形成される。この係止解除アーム72は、その押動操作を作業者に実施させる場所として力点部72aを有している。
ここでは、係止体71が係止突起として形成され、この係止体71を挿入させた上で係止する貫通孔として相手方係止体が形成されている。ここで示す係止体71は、その貫通孔としての相手方係止体の周壁に係止される。また、ここで示す係止解除アーム72は、固定端を支点にした弾性変形が可能な片持ち形状を成している。ここでは、その固定端を第5外壁面21eにおける嵌合接続部21g側に設け、その自由端を第5外壁面21eにおける第1外壁面21a側(嵌合接続部21gを除いた部分)に設けている。この係止解除アーム72においては、その自由端が力点部72aとなる。ここでは、その力点部72aが矩形の平板状に形成されている。また、この係止解除アーム72は、ハウジング本体21の第5外壁面21eにおける嵌合接続部21g側に間隔を空けて対向配置された壁面を有している。この係止解除アーム72においては、その壁面とは逆側の壁面で、かつ、固定端と自由端の間に係止体71が突出状態で設けられている。このように形成された係止解除アーム72においては、係止体71と相手方係止体との間の係止可能な状態を解除させる際に、力点部72aに対して第5外壁面21eに向けた係止解除力を付与させる。この保持構造70においては、その係止解除力によって係止解除アーム72が撓み、この係止解除アーム72の撓みに連動して係止体71が第5外壁面21e側に変位させられて、係止体71と相手方係止体との間の係止可能な状態が解除される。
カバー30は、先に示したように第2壁体31Bを第5外壁面21eにおける第1外壁面21a側に対して間隔を空けて対向配置させるので、その第2壁体31Bによって、第5外壁面21eの第1外壁面21a側だけでなく、係止解除アーム72の自由端(つまり、力点部72a)についても覆っている。そこで、第2壁体31Bには、その力点部72aを覆い、自らを第2開口30b側(第5外壁面21e側)に変位させることで力点部72aを第5外壁面21e側に向けて押し動かす押動部34を設けている(図1及び図2)。その押動部34は、可撓性を持たせた片持ち形状に形成されている。ここで示す押動部34は、第1壁体31A側を固定端とし、第1開口30a側を自由端とする片体状に形成されており、第5外壁面21e側に押し動かされることによって、接触状態にある力点部72aを第5外壁面21e側に押し動かして、係止体71と相手方係止体との間の係止可能な状態を解除させる。
以上示したように、本実施形態の端子金具10は、導体接続部12を先に示したが如き筒形状に形成することによって、それぞれの端部12a,12aにおける非めっき面たる端面12a,12aを表に露出させることなく、外壁面12dの全体をめっき層にすることができる。よって、この端子金具10は、半田ボール(半田の飛び散り)の発生を抑止することができ、かつ、半田の濡れ性を向上させることができるので、導体接続部12と導電部品40の導電体との間に好適な半田部15を形成することができる。
更に、本実施形態の端子金具10は、半田ボールの発生を抑止できるので、近くの別の端子金具10や導電部材との間の絶縁距離不足を回避でき、また、レーザ半田付けを行うのであれば、その際の半田の供給方向の自由度を高めることができる。
また更に、本実施形態の端子金具10は、それぞれの端部12a,12aを接触状態で突き合わせて、導体接続部12に対して熱衝撃による熱膨張又は熱収縮が起きた際の形状の変化を小規模に抑えることができるので、半田部15の亀裂の発生を抑制することができる。
また更に、本実施形態の端子金具10は、導体接続部12のそれぞれの端部12a,12aの間に微小な隙間ができてしまったとしても、その隙間から筒内に入り込んだ半田によって、導体接続部12と導電部品40の導電体との間の固着力を確保することができるので、その間に好適な半田部15を形成することができる。また、本実施形態の端子金具10は、導体接続部12の筒内から半田を流出させずに、この筒内に半田を留めておくことによって、半田の供給量を最小限に抑えることができる。
本実施形態のコネクタ1は、このような端子金具10を具備するものであり、この端子金具10によって得られるものと同様の効果を奏することができる。更に、このコネクタ1は、導電部品40の導体引出領域40bを外に引き出させているので、この導体引出領域40bに力が加えられると、その力が半田部15に伝えられる。しかしながら、このコネクタ1は、端子金具10を具備することで得られる好適な半田部15によって、導体接続部12と導電部品40の導電体との間の固着力が強固なものとなっているので、導体引出領域40bに力が加えられたとしても、半田部15の亀裂の発生を抑制することができる。
ところで、導体接続部12においては、温度変化に応じて熱膨張又は熱収縮が起こり、その温度の変化量如何でそれぞれの端部12a,12aの端面12a,12aが接触する可能性がある。そして、この導体接続部12においては、その接触後も熱膨張又は熱収縮が続くと、その熱膨張又は熱収縮に伴った熱応力が発生してしまう。つまり、導体接続部12においては、温度変化に応じたそれぞれの端部12a,12aの端面12a,12aの位置の変化に伴って、熱応力が発生してしまう可能性がある。
例えば、導体接続部12においては、導電部品40の導電体に対して半田付けしているときに温度上昇し、その際の熱膨張でそれぞれの端部12a,12aの端面12a,12aが接触して、その端面12a,12aの間で互いに力を掛けながら熱応力を発生させる。この場合、導体接続部12においては、その力の逃げ場が無ければ、例えば、それぞれの端部12a,12aが径方向で重なり合うなど、非めっき面たるそれぞれの端面12a,12aの位置が大きく変化して、一方の端面12aを表に露出させてしまう可能性がある。
そこで、本実施形態の端子金具10においては、導体接続部12(前述した導体接続部12A,12B,12C)を次のような逃がし部14が設けられたもの(導体接続部12D)として形成することによって(図9から図11)、端部12aの端面12aの表への露出を抑制する。その逃がし部14とは、導体接続部12Dの温度変化に応じたそれぞれの端部12a,12aの端面12a,12aの位置の変化に伴う熱応力を逃がすものである。
導体接続部12Dにおいては、その温度変化に応じた熱膨張又は熱収縮に伴うそれぞれの端部12a,12aの端面12a,12aの位置の変化によって、その端面12a,12a同士が当接する。そして、この導体接続部12Dにおいては、熱膨張又は熱収縮が続くと、先に示したように熱応力を発生させることになるが、その熱応力を逃がし部14に逃がすことで、それぞれの端部12a,12aの端面12a,12aの位置の更なる変化を抑えることができる。このため、本実施形態の端子金具10は、この点からも、例えば、導体接続部12と導電部品40の導電体とを半田付けしているときに、それぞれの端部12a,12aにおける非めっき面たる端面12a,12aを表に露出させることなく、外壁面12dの全体をめっき層にすることができる。従って、この端子金具10は、半田ボール(半田の飛び散り)の発生の更なる抑止が可能で、かつ、半田の濡れ性の更なる向上が可能なので、導体接続部12と導電部品40の導電体との間に好適な半田部15を形成することができる。
具体的に、逃がし部14とは、例えば、導体接続部12Dの一部に設けた貫通孔又は導体接続部12Dの一部を凹ませた凹部である。そして、導体接続部12Dにおいては、その筒軸に対するそれぞれの端部12a,12aの端面12a,12aの位置とは逆側に少なくとも1つの逃がし部14を設ける。つまり、この逃がし部14は、導体接続部12Dの基部12bに設けている。ここで示す逃がし部14は、貫通孔であり、筒軸方向に間隔を空けて2つ設けている(図10)。また、ここで示す逃がし部14は、筒軸方向が長手方向となる楕円等の長円形の貫通孔に形成されている(図10)。
ここで、複数の逃がし部14は、その全てを同じ形状に形成してもよく、少なくとも2種類の異なる形状に形成してもよい。例えば、端子金具10において、導体接続部12Dは、繋ぎ部13側を固定端とする片持ち形状になっていると云える。このため、導体接続部12Dにおいては、固定端側と自由端側とにそれぞれ同じ形状の逃がし部14を設けた場合、自由端側の逃がし部14(逃がし部14A)と比較して、固定端側の逃がし部14(逃がし部14B)の方で熱応力が逃げ難くなっている可能性がある。そこで、ここでは、自由端側の逃がし部14Aよりも固定端側の逃がし部14Bの方を大きな貫通孔に形成して(図10)、例えば、その双方の逃がし部14A,14Bで略均等に熱応力を逃がすようにしている。
また、逃がし部14は、半田部15が形成される場所を避けた場所に設けることが望ましい(図12)。図12では自由端側の逃がし部14Aと半田部15との位置関係のみを図示しているが、この導体接続部12Dにおいては、固定端側の逃がし部14Bについても半田部15が形成される場所を避けた場所に設けている。例えば、ここで示す貫通孔としての逃がし部14は、予めめっき加工がそれぞれの平面に施された母材(金属板)から端子金具10をプレス成形して作り出す際に、その金属板から一緒に打ち抜かれて形成される(図13)。このため、この逃がし部14においては、その周縁の内周面がそれぞれの端部12a,12aの端面12a,12aと同じ非めっき面になる。そこで、導体接続部12Dにおいては、半田部15が形成される場所を避けた場所に逃がし部14を設けることによって、その逃がし部14の周縁の非めっき面での半田の濡れ性を考慮することなく、半田付けを実施することができる。
尚、固定端側の逃がし部14Bについては、半田付けを行っているときに、半田部15として固化する前の半田を周縁の非めっき面で弾くことができるので、その半田の繋ぎ部13を介した端子部11への流出を抑えることができる。
また、ここでは、端子金具10をコネクタ1に適用した場合について説明した。しかしながら、この端子金具10は、例えば、ジャンクションボックス等の電気接続箱に適用しても、先に示したものと同様の効果を得ることができる。その電気接続箱においては、筐体の中に端子金具10と導電部品40とが収容され、その筐体の中で端子金具10と導電部品40とが先のコネクタ1の例示の如く半田付けされている。
1 コネクタ
10 端子金具
11 端子部
12,12A,12B,12C,12D 導体接続部
12a 端部
12a 端面
12d 外壁面
14,14A,14B 逃がし部
15 半田部
20 ハウジング
40 導電部品
41 スルーホール

Claims (5)

  1. 端子部及び導体接続部並びに前記端子部及び前記導体接続部を繋ぐ繋ぎ部を有する端子金具と、
    前記端子金具が収容されるハウジングと、
    導電体及び絶縁体の積層体で且つスルーホールを有するものとして成形され、前記スルーホールに挿通させた前記導体接続部に対して前記導電体を半田付けして物理的且つ電気的に接続させる導電部品と、
    前記導体接続部と前記導電体が半田付けされた半田部と、
    を備え、
    前記導体接続部は、2箇所の端部における非めっき面たる端面が表へ出ぬように当該端部同士を接触状態で突き合わせた筒状部として形成され、かつ、その筒状部における外壁面が全てめっき層となり、
    前記導体接続部は、温度変化に応じたそれぞれの前記端部の前記端面の位置の変化に伴う熱応力を逃がす逃がし部を前記半田部が形成される場所を避けた場所に有し、
    前記導体接続部は、前記繋ぎ部側を固定端とする片持ち形状になっており、自由端側に設けた前記逃がし部よりも固定端側に設けた前記逃がし部の方を大きな貫通孔に形成して、その双方の前記逃がし部で略均等に熱応力を逃がすことを特徴としたコネクタ。
  2. 前記導体接続部は、それぞれの前記端部の前記端面を筒内に配置させるようそれぞれの当該端部が折り込まれた筒状を成すことを特徴とした請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記導体接続部は、それぞれの前記端部の前記端面同士を突き合わせた円筒状を成すことを特徴とした請求項1に記載のコネクタ。
  4. 前記導体接続部と前記導電体とがレーザ半田付けされた前記半田部を有することを特徴とした請求項1,2又は3に記載のコネクタ。
  5. 端子部と、
    導電体及び絶縁体の積層体として成形された導電部品のスルーホールに挿通させ、前記導電体に半田付けして物理的且つ電気的に接続させる導体接続部と、
    前記端子部及び前記導体接続部を繋ぐ繋ぎ部と、
    を有し、
    前記導体接続部と前記導電体の間には、これらを半田付けした半田部が形成され、
    前記導体接続部は、2箇所の端部における非めっき面たる端面が表へ出ぬように当該端部同士を接触状態で突き合わせた筒状部として形成され、かつ、その筒状部における外壁面が全てめっき層となり、
    前記導体接続部は、温度変化に応じたそれぞれの前記端部の前記端面の位置の変化に伴う熱応力を逃がす逃がし部を前記半田部が形成される場所を避けた場所に有し、
    前記導体接続部は、前記繋ぎ部側を固定端とする片持ち形状になっており、自由端側に設けた前記逃がし部よりも固定端側に設けた前記逃がし部の方を大きな貫通孔に形成して、その双方の前記逃がし部で略均等に熱応力を逃がすことを特徴とした端子金具。
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