JP7395153B2 - 抗血栓性材料 - Google Patents

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Description

本発明は、抗血栓性材料に関する。
血液は、異物と接触した場合に、血液中の種々の成分の作用により凝固する性質を有する。したがって、カテーテル、ガイドワイヤー、ステント、人工血管、血管バイパスチューブ、人工弁、血液フィルター、血漿分離用装置、人工臓器、人工肺装置、透析装置、輸血用具、血液回路及び血液バッグ等の、血液と接触して用いられる医療器具においては、少なくとも血液と接触する部位に、血液の凝固を防ぐ抗血栓性を有する材料を使用することが必要不可欠である。
抗血栓性を有する医療器具としては、ヘパリン等の生物由来物質を表面に存在させる技術がこれまでに数多く提案されている。しかしながら、生物由来物質には、未知ウイルス、有害プリオン又は細菌が混入する問題、及び、個体又は製造ロットごとの抗血栓活性のバラツキの問題等がある。
一方で、化学合成により製造可能な抗血栓性材料を医療器具に適用する技術についても研究されており、血小板の付着を抑制する性能(以下「血小板付着抑制能」とも記載する)を有するベタイン化合物を使用した抗血栓性材料が知られている。
例えば、特許文献1には、2-メタクロイルオキシエチルホスホリルコリンを単量体として有する共重合体を、人工器官の材料として使用する技術が記載されている。また、特許文献2には、N-メタクリロイルオキシエチル-N,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタインを含有するモノマー組成物を基材の表面上で重合させてベタイン化合物のポリマーを形成し、基材に抗血栓性を付与する技術が記載されている。
特開昭54-063025号公報 特開2010-057745号公報
しかしながら、化学合成により製造可能であって、抗血栓性(血小板付着抑制能)を有する材料は多くなく、特に非高分子系の抗血栓性材料はあまり知られていない。
そこで、本発明は、抗血栓性に優れる新規の抗血栓性材料を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねたところ、所定の成分を含み、且つ、液晶相を示す材料が、血小板の付着を抑制する性能に優れ、上記課題を解決できることを知得し、本発明を完成させた。
〔1〕
中性アシル脂質と、リン脂質と、水とを含む抗血栓性材料であって、
上記中性アシル脂質の含有量と上記リン脂質の含有量との比率が、質量比で90:10~40:60であり、液晶相を示す、抗血栓性材料。
〔2〕
線維芽細胞及び上皮細胞からなる群より選択される少なくとも1種に対して付着性を有する、〔1〕に記載の抗血栓性材料。
〔3〕
上記中性アシル脂質のアシル基の炭素数が16~22である、〔1〕又は〔2〕に記載の抗血栓性材料。
〔4〕
上記中性アシル脂質がアシルグリセロールである、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の抗血栓性材料。
〔5〕
上記アシルグリセロールがオレイン酸グリセロールである、〔4〕に記載の抗血栓性材料。
〔6〕
上記中性アシル脂質が、中性モノアシル脂質を主成分として含む、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の抗血栓性材料。
〔7〕
上記リン脂質のアシル基の炭素数が12~22である、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の抗血栓性材料。
〔8〕
上記リン脂質のアシル基の炭素数が16~18である、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の抗血栓性材料。
〔9〕
上記中性アシル脂質と上記リン脂質の質量比が75:25~65:35である、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の抗血栓性材料。
〔10〕
シート状である、〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の抗血栓性材料。
〔11〕
基材上に配置されている、〔10〕に記載の抗血栓性材料。
本発明によれば、抗血栓性に優れる抗血栓性材料を提供できる。
本明細書において、「~」を用いて表される範囲には「~」の両端を含むものとする。例えば、「A~B」で表される範囲にはA及びBを含む。
また、本明細書において、固形分とは、分散剤成分を除いた組成物に含まれる成分を意図し、その性状が液状であっても固形分として計算する。
[抗血栓性材料]
本開示の抗血栓性材料は、中性アシル脂質と、リン脂質と、水とを含み、中性アシル脂質の含有量とリン脂質の含有量との比率が、質量比で90:10~40:60である。また、本開示の抗血栓性材料は、液晶相を示す。
本開示の抗血栓性材料は、血小板付着抑制能に優れ、抗血栓性に優れる。
以下、抗血栓性材料の各成分について説明する。
〔中性アシル脂質〕
本開示の抗血栓性材料は、中性アシル脂質を含む。
中性アシル脂質の「中性」とは、電気的に中性のアシル脂質を意味する。つまり、中性アシル脂質には、カチオン部及びアニオン部が含まれない。なお、アシル脂質とは、アシル基を含む脂質を意味する。
中性アシル脂質としては、中性モノアシル脂質と、中性ジアシル脂質と、中性トリアシル脂質とが挙げられる。
中性アシル脂質は、中性モノアシル脂質を含むことが好ましく、中性モノアシル脂質及び中性ジアシル脂質の両方を含むことが好ましい。
また、中性アシル脂質は、中性モノアシル脂質を主成分として含むことが好ましい。ここで、中性モノアシル脂質を主成分として含むとは、中性モノアシル脂質の含有量が、中性ジアシル脂質の含有量及び中性トリアシル脂質の含有量のいずれよりも多いことを意図する。
中性モノアシル脂質の含有量は特に制限されないが、中性アシル脂質全質量に対して、20~100質量%が好ましく、30~100質量%がより好ましく、40~80質量%が更に好ましい。
中性ジアシル脂質の含有量は特に制限されないが、中性アシル脂質全質量に対して、0~100質量%が好ましく、10~80質量%がより好ましく、20~60質量%が更に好ましい。
中性トリアシル脂質の含有量は特に制限されないが、中性アシル脂質全質量に対して、0~20質量%が好ましく、0~10質量%がより好ましい。
なかでも、中性アシル脂質全質量に対して、中性モノアシル脂質を40~100質量%、中性ジアシル脂質を0~60質量%含み、中性トリアシル脂質を0~20質量%含むことが好ましく、形成される液晶相がより好ましい相(例えば、ヘキサゴナルカラムナー(H2)相)を示すことから、中性モノアシル脂質を40~80質量%、中性ジアシル脂質を20~60質量%含み、中性トリアシル脂質を0~10質量%含むことがより好ましい。
中性アシル脂質が有するアシル基の炭素数は特に制限されないが、6~32が好ましく、16~22がより好ましい。
このようなアシル基のカルボニル基を除いた炭化水素基としては、炭素数5~31の飽和又は不飽和の鎖式炭化水素基が好ましく、炭素数15~21の飽和又は不飽和の鎖式炭化水素基がより好ましい。上記の鎖式炭化水素基としては、CH(CH14-、CH(CHCH=CH(CH-、及び、CH(CH(CH=CHCH(CH-が挙げられる。
中性アシル脂質が1分子中に2個以上のアシル基を有する場合、各アシル基は互いに同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。中性アシル脂質が1分子中に2個以上のアシル基を有する場合、各アシル基の炭素数がいずれも6~32であることが好ましく、各アシル基の炭素数がいずれも16~22であることがより好ましい。
中性アシル脂質は、グリセロール、ジグリセロール、糖(例えば、イノシトール)、及び、コハク酸等のポリオールと脂肪酸とがエステル結合して得られる。中性アシル脂質としては、アシルグリセロールが好ましく、オレイン酸グリセロールがより好ましい。
アシルグリセロールとしては、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、及び、トリアシルグリセロールが挙げられる。
また、オレイン酸グリセロールとしては、モノオレイン酸グリセロール、ジオレイン酸グリセロール、及び、トリオレイン酸グリセロールが挙げられる。
なお、モノアシルグリセロール及びモノオレイン酸グリセロールは上記の中性モノアシル脂質の一態様に該当し、ジアシルグリセロール及びジオレイン酸グリセロールは上記の中性ジアシル脂質の一態様に該当し、トリアシルグリセロール及びトリオレイン酸グリセロールは上記の中性トリアシル脂質の一態様に該当する。
本明細書において、中性アシル脂質の構造、並びに、中性モノアシル脂質、中性ジアシル脂質及び中性トリアシル脂質の含有割合は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法によって測定される。
・HPLCの測定条件
カラム:Imtakt Cadenza CD-C18(4.6mm×300mm)
溶離液:水・テトラヒドロフラン
流 速:1.0 mL/min
検 出:CAD(コロナ荷電化粒子)
カラム温度:50℃
抗血栓性材料における中性アシル脂質の含有量は、中性アシル脂質の含有量とリン脂質の含有量との比率(中性アシル脂質の含有量:リン脂質の含有量)が質量比で90:10~40:60である限り特に制限されないが、抗血栓性材料の固形分の全質量に対して、40~90質量%が好ましく、50~90質量%がより好ましく、60~85質量%が更に好ましい。
〔リン脂質〕
本開示の抗血栓性材料は、リン脂質を含む。
リン脂質としては、分子構造中にリン酸エステル構造を持つ脂質であれば特に制限されないが、グリセリンを骨格とするグリセロリン脂質、及び、スフィンゴシンを骨格とするスフィンゴリン脂質が挙げられる。グリセロリン酸及びスフィンゴリン脂質はいずれも、脂肪酸に由来するアシル基を分子中に有する。
リン脂質のアシル基の炭素数は特に制限されないが、12~22が好ましく、16~18がより好ましい。
このようなアシル基のカルボニル基を除いた炭化水素基としては、炭素数11~21の飽和又は不飽和の鎖式炭化水素基が好ましく、炭素数15~17の飽和又は不飽和の鎖式炭化水素基がより好ましい。上記炭化水素基としては、CH(CH14-、CH(CHCH=CH(CH-、及び、CH(CH(CH=CHCH(CH-が挙げられる。
リン脂質が1分子中に2個以上のアシル基を有するときは、各アシル基は互いに同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
リン脂質としては、例えば、ホスファチジルコリンが挙げられる。ホスファチジルコリンのアシル基としては、パルミチン酸(CH(CH14COOH)、オレイン酸(CH(CHCH=CH(CHCOOH)、又はリノール酸(CH(CH(CH=CHCH(CHCOOH)に由来するアシル基が好ましい。
ホスファチジルコリンとしては、例えば、POホスファチジルコリン(1位(α位)にパルミチン酸を、2位(β位)にオレイン酸を、3位(γ位)にコリンをそれぞれ有するホスファチジルコリン)、DLホスファチジルコリン(1位(α位)にリノール酸を、2位(β位)にリノール酸を、3位(γ位)にコリンをそれぞれ有するホスファチジルコリン)、及び、ジパルミトイルホスファチジルコリンが挙げられる。
抗血栓性材料におけるリン脂質の含有量は、中性アシル脂質の含有量とリン脂質の含有量との比率(中性アシル脂質の含有量:リン脂質の含有量)が質量比で90:10~40:60である限り、特に制限されないが、抗血栓性材料の固形分の全質量に対して、10~60質量%が好ましく、細胞に対する付着性が優れる点で、10~50質量%がより好ましく、15~40質量%が更に好ましい。
本開示の抗血栓性材料は、中性アシル脂質の含有量とリン脂質の含有量との比率(中性アシル脂質の含有量:リン脂質の含有量)が、質量比で90:10~40:60である。
中性アシル脂質の含有量とリン脂質の含有量との比率(中性アシル脂質の含有量:リン脂質の含有量)は、質量比で、90:10~50:50が好ましく、90:10~60:40がより好ましく、85:15~70:30が更に好ましい。
〔水〕
本開示の抗血栓性材料は、水を含む。
抗血栓性材料における水の含有量は特に制限されないが、抗血栓性材料の固形分の含有量に対して、0.5~1000質量%が好ましく、1~500質量%がより好ましく、5~100質量%が更に好ましい。
〔任意成分〕
抗血栓性材料は、本開示の作用効果を妨げない限り、上記の中性アシル脂質、リン脂質及び水に加えて、他の任意成分を含んでいてもよい。
任意成分としては、例えば、4級アンモニウム塩及び非水系分散剤が挙げられる。
<4級アンモニウム塩>
抗血栓性材料は、4級アンモニウム塩を含んでいてもよい。
4級アンモニウム塩は、4級アンモニウムカチオンとアニオンとからなるイオン性化合物である。
4級アンモニウムカチオンは、分子式NR で表される正電荷を持った多原子イオンである。ここで、Rは、それぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、複数のRは互いに同じであってもよいし異なっていてもよい。
Rとしては、置換基を有してもよい炭素数1~22のアルキル基が好ましい。上記置換基としては、アルコキシ基、アシル基及びアシルオキシ基が挙げられる。これらのアルコキシ基、アシル基及びアシルオキシ基の炭素数は、12~22が好ましく、16~18がより好ましい。
4級アンモニウム塩としては、ジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩が好ましい。
ジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩は、分子式NR で表される4級アンモニウムカチオンのRのうち2つが長鎖アルキル基である塩である。他の2つのRはそれぞれ独立に短鎖アルキル基又はアリール基である。ここで、長鎖アルキル基は、炭素数8以上のアルキル基を表す。短鎖アルキル基は、炭素数1~7のアルキル基を表す。
長鎖アルキル基の炭素数は、12~22が好ましく、16~18がより好ましい。このような長鎖アルキル基としては、ヘキサデシル基、ペプタデシル基、及び、オクタデシル基が挙げられる。2つの長鎖アルキル基は互いに同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
4級アンモニウム塩としては、ジオレオイロキシトリメチルアンモニウムプロパンクロリド(DOTAP)、ジオクタデセニルトリメチルアンモニウムプロパンクロリド(DOTMA)、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジココイルジメチルアンモニウムクロリド、ジココイルジメチルアンモニウムブロミド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムブロミド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムブロミド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロリド、ジベヘニルジメチルアンモニウムクロリド、ジベヘニルジメチルアンモニウムブロミド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムブロミド、ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、及び、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェートが挙げられる。
4級アンモニウム塩は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
抗血栓性材料が4級アンモニウム塩を含む場合、4級アンモニウム塩の含有量は特に制限されないが、4級アンモニウム塩と上記のリン脂質との合計含有量が、抗血栓性材料の固形分の全質量に対して、10~60質量%となる量が好ましく、10~50質量%となる量がより好ましく、15~40質量%となる量が更に好ましい。
<非水系分散剤>
抗血栓性材料は、非水系分散剤を含んでいてもよい。
非水系分散剤は、上記の中性アシル脂質及びリン脂質を分散できる非水系の液剤であれば特に制限されないが、炭素数7以上のアルコールが好ましく、炭素数7~18のアルコールがより好ましい。
炭素数7以上のアルコールとしては、ヘプチルアルコール(炭素数7)、カプリルアルコール(炭素数8)、ペラルゴンアルコール(炭素数9)、カプリンアルコール(炭素数10)、ラウリルアルコール(炭素数12)、ミリスチルアルコール(炭素数14)、オレイルアルコール(炭素数18)、及び、ステアリルアルコール(炭素数18)が挙げられる。
抗血栓性材料における非水系分散剤の含有量は特に制限されないが、抗血栓性材料の固形分の全質量に対して、0~20質量%が好ましく、0~10質量%がより好ましい。
上記以外の任意成分としては、例えば、糖及び糖アルコールが挙げられる。
糖としては、特に制限されないが、例えば、単糖類及び二糖類が挙げられる。単糖類及び二糖類としては、例えば、グルコース、ガラクトース、スクロース、トレハロース及びラクトースが挙げられる。
糖アルコールは、アルドース又はケトースのカルボニル基が還元された構造を有する有機化合物であり、特に制限されないが、例えば、エリスリトール、キシリトール、マンニトール及びソルビトールが挙げられる。
〔液晶相〕
本開示の抗血栓性材料は、液晶相を示す。
抗血栓性材料が示す液晶相の種類は特に制限されず、ヘキサゴナルカラムナー(H2)相、ラメラ(La)相、スポンジ(V2)相、双連続キュービック(L3)相、及び、これらのうち2種以上の混合状態からなる群から選択されるいずれか1つであることが多く、ヘキサゴナルカラムナー相であることが好ましい。
液晶相の確認方法は特に制限されず、抗血栓性材料の表面における光の散乱を目視にて観察する方法が挙げられる。また、抗血栓性材料が後述する膜状である場合、偏光顕微鏡を用いることにより、抗血栓性材料の液晶相を確認してもよい。
〔形状等〕
抗血栓性材料の形状は特に制限されず、用途に応じて様々な形状に成形できる。抗血栓性材料の典型的な形状としては、例えば、シート状が挙げられる。
シート状の抗血栓性材料(以下「抗血栓性シート」とも記載する)の厚さとしては、0.01~10mmが好ましく、0.05~5mmがより好ましく、0.1~2mmが更に好ましい。
抗血栓性シートは、基材上に配置されていてもよい。即ち、抗血栓性シートは、基材と組み合わされた基材付き抗血栓性シートであってもよい。
抗血栓性シートと組み合わされる基材は、任意の形状を有していてもよい。上記基材の形状としては、シート状及び管状が挙げられ、シート状が好ましい。上記基材は、後述する抗血栓性が要求される物品であってもよい。また、基材と、基材上に配置された抗血栓性シートとの間に他の層が存在していてもよい。
基材の材質としては、例えば、樹脂、金属及びガラスが挙げられ、抗血栓性シートとの密着性が高い点で、樹脂が好ましい。基材に用いられる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、及び、シリコーンが挙げられる。これらの材料は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
基材の表面はコーティングされていてもよいし、プラズマ処理等により改質されていてもよい。
[抗血栓性材料の製造方法]
抗血栓性材料の製造方法は特に制限されないが、例えば、中性アシル脂質及びリン脂質を少なくとも含む抗血栓性材料形成用組成物(以下「組成物A」とも記載する。)を調製し、次いで、組成物Aに水を供給する方法が挙げられる。組成物Aに水を接触させ、中性アシル脂質、リン脂質及び水を共存させることにより、液晶性を示す抗血栓性材料が得られる。
中性アシル脂質及びリン脂質を含む油状液体である組成物Aを用いることにより、任意の形状の抗血栓性材料を製造できる点で、組成物Aを用いる抗血栓性材料の製造方法は好ましい。
組成物Aを用いる抗血栓性材料の製造方法としては、例えば、基材上に組成物Aのコーティング膜を形成した後、得られたコーティング膜に水を供給して、基材上に配置された抗血栓性シートを形成する方法、及び、型枠内に組成物Aを流し入れた後、組成物Aに水を供給する方法が挙げられ、なかでも、前者の基材上に配置された抗血栓性シートを形成する方法が好ましい。
基材上に組成物Aのコーティング膜を形成する方法は特に制限されず、滴下、スプレー塗布、バーコーティング、スピンコーティング、ディッピング及びペインティング等の方法が挙げられる。
組成物Aを調製する方法は特に制限されず、中性アシル脂質と、リン脂質と、非水系分散剤以外の任意成分とを、公知の方法で混合すればよい。組成物Aは、粘度の範囲の調整等を目的として、水及び/又は非水系分散剤を含んでいてもよい。
組成物Aに水を供給する方法は特に制限されず、例えば、スプレーを用いて組成物Aに対して水を噴霧する方法、組成物Aに水を滴下する方法、及び、組成物Aのコーティング膜を表面に有する基材を水に浸漬する方法が挙げられる。
組成物Aに供給する水は、純水に制限されず、水以外の水性流体に含まれる水(水分)であってもよい。水以外の水性流体の例としては、唾液、組織液、血液及びリンパ液が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
組成物Aに供給する水の温度は特に制限されないが、20~40℃が好ましく、35~40℃がより好ましい。
組成物Aに供給する水の量は特に制限されないが、組成物A(即ち、抗血栓性材料の固形分)の全質量に対して、20~1000質量%が好ましく、30~500質量%がより好ましい。
[抗血栓性材料の特性、用途]
本開示の抗血栓性材料は、優れた抗血栓性を有する。抗血栓性材料は、血液と接触する表面を少なくとも有し、抗血栓性が要求される種々の物品(抗血栓性物品)に適用できる。
上記抗血栓性物品としては、例えば、バイアル瓶、カテーテル、ガイドワイヤー、ステント、人工血管、血管バイパスチューブ、人工弁、血液フィルター、血漿分離用装置、人工臓器、人工肺装置、透析装置、輸血用具、血液回路及び血液バッグが挙げられる。
抗血栓性材料は、血小板の付着をより抑制し、抗血栓性をより発揮する点で、上記抗血栓性物品において血液と接触する表面の全てを覆うように配置されることが好ましい。なお、抗血栓性材料は、他の層を介して抗血栓性物品の上記表面に配置していてもよい。
また、本開示の抗血栓性材料は、細胞に対する付着性を有する。細胞としては、例えば、上皮組織、結合組織、筋組織及び神経組織に由来する細胞が挙げられ、より具体的には、上皮細胞、線維芽細胞、筋細胞及び神経細胞等が挙げられる。
また、本開示の抗血栓性材料は、正常細胞及びがん細胞のいずれに対しても付着性を有する。正常細胞としては、例えば、上記組織において正常な機能を維持している組織に由来する細胞が挙げられる。がん細胞としては、乳がん、線維肉腫、子宮頸がん、前立腺がん、食道がん、胃がん、結腸がん、膵臓がん、直腸がん、胆嚢がん、肝臓がん、口腔咽頭がん、肺がん及び皮膚がん等のがん化した組織に由来する細胞が挙げられる。
また、本開示の抗血栓性材料は、血小板に対しては付着を抑制する一方、細胞に対する付着性を有する。そのため、血液に含まれる細胞を捕捉して採取する血液検査に使用する細胞付着材料として適用されることが好ましく、また、体内埋め込み型の人工臓器に適用されることも好ましい。
加えて、本開示の抗血栓性材料は、がん細胞に対する付着性が正常細胞に対する付着性に比較してより高い。そのため、本開示の抗血栓性材料は、がん化した組織からわずかに血液中に漏れ出して体内を循環しているがん細胞を高感度、高効率、かつ特異的に捕捉し、検出できる点から、血液からがん細胞を検出するリキッドバイオプシーに使用する細胞付着材料として適用されることがより好ましい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
〔抗血栓性シートの作製〕
以下に示す中性アシル脂質及びリン脂質を混合して、中性アシル脂質の含有量とリン脂質の含有量との比率(中性アシル脂質:リン脂質)が、質量比で75:25である抗血栓性材料形成用組成物(組成物A1)を調製した。
・中性アシル脂質:モノ体、ジ体及びトリ体を49:42:9の質量比で含むオレイン酸グリセロールの混合物(東京化成工業株式会社製)
・リン脂質:ホスファチジルコリン(LIPOID S100、エイチ・ホルスタイン社製)
円形のPET基材(直径14mm、厚さ125μm、三菱ケミカル株式会社製)の表面に、マイクロピペットを用いて組成物A1(20μL)を滴下し、円形状の組成物A1の被膜(コーティング膜)を形成した。形成された被膜に向けて、約10cm離れた位置からスプレーを用いて水を噴霧した。噴霧した水の量は、約200μLであった。水を噴霧してから5分経過後、上記基材を傾けて余分な水を除去することにより、PET基材上に配置された抗血栓性シート(抗血栓性シート1)を作製した。
[実施例2及び3]
抗血栓性材料形成用組成物として、中性アシル脂質の含有量とリン脂質の含有量との比率(中性アシル脂質:リン脂質)が、表1に示す比率である組成物(組成物A2及びA3)をそれぞれ使用すること以外は、実施例1と同様にして、PET基材上に配置された抗血栓性シート(抗血栓性シート2及び3)を作製した。
なお、表1中、各成分欄の数値は「質量部」を意味する。
抗血栓性シート1~3の表面における光散乱を目視により観察した結果、抗血栓性シート1~3はいずれも液晶相を示していることが確認された。
また、抗血栓性シート1~3に含まれる水の含有量は、各抗血栓性シートに含まれる固形分の含有量(中性アシル脂質及びリン脂質の合計含有量)に対して5~100質量%であった。
[結果・評価]
〔血小板付着抑制能(抗血栓性)の評価〕
上記で作製した抗血栓性シート1~3と、対照試料としての上記PET基材とを用いて、血小板の付着試験を行った。
ヒト全血に対して1,500rpm(revolutions per minute、回転毎分)で5分間の遠心分離を行い、上清を回収し、血漿成分PRP(platelet rich plasma)を得た。残りの検体に対して、4,000rpmで10分間の遠心分離を行い、上清を回収し、血漿成分PPP(platelet poor plasma)を得た。PRPをPPPによって希釈して、ヒト血小板溶液を調製した。
実施例1~3で作製した基材付き抗血栓性シート1~3のそれぞれを、導電性テープを用いて、抗血栓性シートが形成された側の表面が露出するように試料台に固定した。抗血栓性シートの表面(露出した面)にリン酸緩衝液(PBS:Phosphate Buffer Solution)を滴下し、抗血栓性シートの表面全てにPBSが接する状態で、1時間静置した。抗血栓性シートの表面からPBSを取り除いた後、上記で調製されたヒト血小板溶液を、ヒト血小板の密度が1cmあたり4×10個となるように抗血栓性シートの表面に播種し、37℃で1時間静置した。その後、抗血栓性シートをPBSを用いて2回洗浄した。次いで、抗血栓性シートの表面に1体積%のグルタルアルデヒド溶液を滴下し、抗血栓性シートの表面全てにグルタルアルデヒド溶液が接する状態で、37℃で2時間静置した。グルタルアルデヒド溶液を取り除いた後、抗血栓性シートの表面をPBS及び純水を用いて順次洗浄し、室温(25℃)で風乾した。イオンコーターを用いて抗血栓性シートの表面に白金-パラジウム合金を真空蒸着させた後、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて観察し、抗血栓性シートの表面に付着した血小板の個数を計測した。
対照試料のPET基材に対しても、上記の方法に従って血小板の付着試験を行い、PET基材の表面に付着した血小板の個数を計測した。
PET基材の表面に付着した血小板の総数を100%とした場合の、抗血栓性シート1~3の表面に付着した血小板の個数の比率を算出し、以下の基準に従って血小板の付着抑制能を評価した。評価結果を表1の「評価」欄に示す。
A:5%未満
B:5%以上20%未満
C:20%以上
〔細胞付着性の評価〕
<細胞の培養>
ヒト正常線維芽細胞(Normal Human Dermal Fibroblasts;NHDF)を、10体積%のウシ胎児血清(fetal bovine serum;FBS)及び抗生物質(50U/mLのペニシリンと50μg/mLのストレプトマイシン)を含むMEM-α(Minimum Essential Media-α)培地中に播種して、インキュベータ内にて37℃及び5%二酸化炭素雰囲気下で培養した。
また、ヒト線維肉腫細胞(Human fibrosarcoma;HT-1080)を、10体積%のFBS及び抗生物質(50U/mLのペニシリンと50μg/mLのストレプトマイシン)を含むDMEM/F12培地(ダルベッコ改変イーグル培地とハムF-12培地の1:1混合培地、Gibco(登録商標)、Grand Island社製)中に播種して、インキュベータ内にて37℃及び5%二酸化炭素雰囲気下で培養した。
NHDF及びHT-1080は、2~3日毎に0.25%のトリプシン-EDTA(エチレンジアミン四酢酸、Ethylenediamine tetraacetic acid)溶液(Gibco、Grand Island社製)を用いて剥離して、細胞数がそれぞれ1/4及び1/8となるように再播種することで、継代培養した。細胞付着試験には、8割程度のコンフルエントに達した培養細胞を用いた。
<細胞付着性試験>
上記で作製された基材付き抗血栓性シート1~3のそれぞれを、24ウェルプレート(IWAKI、AGCテクノス株式会社製)のウェル中に入れ、1時間UV照射を行い滅菌した。抗血栓性シートが入ったウェルに10%FBS含有培地を添加して、37℃及び5%二酸化炭素雰囲気下で1時間静置した。
上記方法で培養したNHDF及びHT-1080のそれぞれを、0.25%のトリプシン-EDTA溶液(Gibco、Grand Island社製)を用いて剥離した後、10%FBS含有培地中に添加した。得られた細胞懸濁液に対して1,500rpmで1分間の遠心分離を行い、上清を除去した後、再度10%FBS含有培地を添加して、所定の濃度の細胞懸濁液を調製した。
上記で調製された細胞懸濁液を、NHDF及びHT-1080の密度がそれぞれ1cmあたり0.5×10個及び1×10個となるように抗血栓性シートの表面に播種して、37℃及び5%二酸化炭素雰囲気下にて24時間培養した。培養後、培地を取り除いてから、PBS(pH7.4)を添加し、プレートを緩やかに揺らした後、PBSを取り除く洗浄処理を行った。続いて、4体積%のパラホルムアルデヒドを含むPBSをウェルに添加して、37℃で10分間静置した後、PBSを用いて抗血栓性シートに対して2回の洗浄を行った。細胞膜の透過処理として、1体積%のトリトンX-100(非イオン系界面活性剤)を含むPBSをウェルに添加して10分間静置する処理を、各細胞に対して3回行った。次いで、0.02体積%のTween20(非イオン系界面活性剤)を含むPBS(PBS-T)をウェルに添加した後、10分間静置する洗浄処理を3回行った。希釈液B(Can Get Signal(登録商標)immunostain Solution B、東洋紡株式会社製)を用いて200倍に希釈した抗ビンキュリン抗体(Merck Millipore社製)を抗血栓性シートの表面に滴下して、37℃にて90分間静置した。その後、抗血栓性シートの表面にPBS-Tを滴下して、10分間静置する洗浄処理を、3回行った。上記希釈液Bにて1,000倍に希釈した2次抗体(Alexa Fluor(登録商標)568(標識されたヤギ由来の抗マウスIgG(H+L)抗体、Invitrogen社製)及びAlexa Fluor 488(標識されたファロイジン、Invitrogen社製))を、抗血栓性シートの表面に滴下して、37℃にて90分間静置した。その後、抗血栓性シートの表面にPBS-Tを滴下して10分間静置する洗浄処理を、3回行った。
スライドガラス上に抗血栓性シートを移し、DAPI(4’,6-diamidino-2-phenylindole)を含む退色防止剤(ProLong(登録商標)Gold、Invitrogen社製)を塗布したカバーガラスを載せて抗血栓性シートを封入し、プレパラートを作製した。各抗血栓性シートを、イメージサイトメーター(CQ1、横河電機株式会社製)及び蛍光顕微鏡(BZ-X700、キーエンス株式会社製)を用いて観察し、各抗血栓性シートの表面に付着した各細胞の個数を計測した。
対照試料のPET基材に対しても、上記の方法に従って各細胞の付着試験を行い、PET基材の表面に付着したNHDF及びHT-1080の個数をそれぞれ計測した。
PET基材の表面に付着した各細胞の総数を100%とした場合の、各抗血栓性シートの表面に付着した各細胞の個数の比率を算出し、以下の基準に従って各細胞の付着性を評価した。評価結果を表1の「評価」欄に示す。
-NHDFの付着性の評価基準-
AA:40%以上
A:20%以上40%未満
B:10%以上20%未満
C:10%未満
-HT-1080の付着性の評価基準-
AA:200%以上
A :80%以上200%未満
B :30%以上80%未満
C :30%未満
[比較例1]
円形のPET基材(直径14mm、厚さ125μm、三菱ケミカル株式会社製)を評価用サンプルとして用いて、上記と同様にして、血小板付着抑制能、並びに、NHDF及びHT-1080の各細胞の付着性を評価した。評価結果を表1に示す。
表1に示す結果から、本開示の抗血栓性シート1~3はいずれも、血小板の付着が抑制され、抗血栓性が優れることが確認された。
また、抗血栓性シート1~3は、NHDF及びHT-1080に対する付着性が高く、また、NHDFに対する付着性に比較してHT-1080に対する付着性がより高いことが確認された。
特に、中性アシル脂質の含有量とリン脂質の含有量との比率(中性アシル脂質の含有量:リン脂質の含有量)が、質量比で60:40以上である場合、NHDF及びHT-1080に対する付着性がより優れ、質量比で70:30以上である場合、NHDF及びHT-1080に対する付着性が更に優れることが確認された。
実施例1の抗血栓性シート1は、他のがん細胞(SW480、HT29、MCF-7、A549、HeLa、MDA-MB-231)に対しても、HT1080と同様の細胞付着性を有すると期待される。

Claims (11)

  1. 中性アシル脂質と、リン脂質と、水とを含む抗血栓性材料であって、
    前記中性アシル脂質の含有量と前記リン脂質の含有量との比率が、質量比で75:2555:45であり、液晶相を示す、抗血栓性材料。
    ただし、前記抗血栓性材料がカルボキシビニルポリマーを含む場合を除く。
  2. 線維芽細胞及び上皮細胞からなる群より選択される少なくとも1種に対して付着性を有する、請求項1に記載の抗血栓性材料。
  3. 前記中性アシル脂質のアシル基の炭素数が16~22である、請求項1又は2に記載の抗血栓性材料。
  4. 前記中性アシル脂質がアシルグリセロールである、請求項1~3のいずれか1項に記載の抗血栓性材料。
  5. 前記アシルグリセロールがオレイン酸グリセロールである、請求項4に記載の抗血栓性材料。
  6. 前記中性アシル脂質が、中性モノアシル脂質を主成分として含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗血栓性材料。
  7. 前記リン脂質のアシル基の炭素数が12~22である、請求項1~6のいずれか1項に記載の抗血栓性材料。
  8. 前記リン脂質のアシル基の炭素数が16~18である、請求項1~7のいずれか1項に記載の抗血栓性材料。
  9. 前記中性アシル脂質と前記リン脂質の質量比が75:25~65:35である、請求項1~8のいずれか1項に記載の抗血栓性材料。
  10. シート状である、請求項1~9のいずれか1項に記載の抗血栓性材料。
  11. 基材上に配置されている、請求項10に記載の抗血栓性材料。
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