JPH07108062A - 抗血栓性複合体および医療用器具 - Google Patents

抗血栓性複合体および医療用器具

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JPH07108062A
JPH07108062A JP5256805A JP25680593A JPH07108062A JP H07108062 A JPH07108062 A JP H07108062A JP 5256805 A JP5256805 A JP 5256805A JP 25680593 A JP25680593 A JP 25680593A JP H07108062 A JPH07108062 A JP H07108062A
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JP
Japan
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composite
antithrombotic
complex
lipid
quaternary ammonium
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JP5256805A
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Yoko Ikeda
陽子 池田
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 脂質または第4級アンモニウム塩と、多糖類
または合成ポリマーとの複合体であり、架橋構造を有す
ることを特徴とする抗血栓性複合体。また、脂質または
第4級アンモニウム塩と、ステロール類または蛋白質
と、多糖類または合成ポリマーとの複合体であり、架橋
構造を有することを特徴とする抗血栓性複合体。さら
に、上記抗血栓性複合体を用いた医療用器具。 【効果】 本発明の抗血栓性複合体、および当該複合体
を用いた医療用器具は、溶血等を生じることがなく、医
療用器具材料の機械的特性を維持し、優れた抗血栓性を
有し、かつ複合体の成分が血液中へ溶出することがない
という性質を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人工血管、人工臓器等
の血液と接触する医療用器具に抗血栓性を付与するのに
有用な抗血栓性複合体、および当該複合体を用いた医療
用器具に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】血液と接
触する医療用器具は、柔軟性、弾性、耐久性、湿潤強度
のような機械的特性が良好であることに加え、抗血栓性
を有することが必要である。さもないと、当該器具表面
で血液が凝固して血栓が形成される。
【0003】従来から、このような医療用器具に抗血栓
性を付与する方法として、例えば、抗凝血作用を有する
ヘパリン等の天然ムコ多糖類やウロキナーゼ等の線溶活
性因子を高分子材料に結合させて固定化する方法が知ら
れている。しかし、天然ムコ多糖類や線溶活性因子に結
合可能な官能基を高分子材料に導入して固定化した場
合、その高分子材料の機械的強度が低下するという問題
がある。また、官能基を導入するための操作が煩雑とな
り、医療用器具を得るための工数の増加をまねくという
問題もある。
【0004】他の方法として、ヘパリンを脂溶化し、そ
の有機溶液を用いて高分子材料表面を被覆する方法も知
られている。ところが、ヘパリンの脂溶化はヘパリンと
カチオン性物質との複合体を形成することにより行うた
め、抗凝血剤であるヘパリンが溶出するとカチオン性物
質も溶出してしまって溶血を生じる等、生体に悪影響を
及ぼすという問題がある。
【0005】そこで、上記のような問題点がなく、医療
用器具の機械的強度の低下をまねくことなく、医療用器
具に抗血栓性を容易に付与できるものとして、ムコ多糖
類のヘパリンとリン脂質のレシチンとの複合体(特開平
2−270823号公報)が提案されている。しかし、
これは血液中に長時間浸漬させると、複合体の成分が血
液中へ溶出することがあるという問題がある。
【0006】従って、本発明の目的は、医療用器具に抗
血栓性を付与するのに有用な複合体であって、溶血等を
生じることがなく、医療用器具の機械的強度を低下させ
ることなく、優れた抗血栓性を有し、かつ複合体の成分
が血液中へ溶出することのない複合体を提供することで
ある。本発明の他の目的は、上記特性を有する医療用器
具を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意研究し
た結果、下記の本発明により上記目的が達成されること
を見出した。即ち、本発明は、脂質または第4級アンモ
ニウム塩と、多糖類または合成ポリマーとの複合体であ
り、架橋構造を有することを特徴とする抗血栓性複合体
である。また、脂質または第4級アンモニウム塩と、ス
テロール類または蛋白質と、多糖類または合成ポリマー
との複合体であり、架橋構造を有することを特徴とする
抗血栓性複合体である。さらに、上記抗血栓性複合体を
用いた医療用器具である。
【0008】本発明において用いられる脂質としては、
グリセロリン脂質(例えば、N−アシルホスファチジル
エタノールアミン、イノシトールホスホグリセリド、エ
タノールアミンホスホグリセリド、グリコシールホスフ
ァチジルグリセロール、グリセロリン酸ホスホグリセリ
ド、グリセロホスホグリセリド、レシチン、ホスファチ
ジルコリン、リゾレシチン、コリンプラズマローゲン、
シチジルホスホグリセリド、セリンホスホグリセリド、
ホスファチジルイノシトールマンノシド、ホスファチジ
ルエタノールアミン、カルジオリピン、ホスファチジン
酸等)、スフィンゴリン脂質(例えば、セラミドシリア
チン、セラミドメチルシリアチン、スフィンゴミエリ
ン、セミリゾホスファチジン酸、セラミドホスホエタノ
ールアミン、セラミドホスホグリセロール、セラミドホ
スホイノシトール等)、ホスホノリピド(例えば、グリ
セロホスホノリピド等)等のリン脂質;グリセロ糖脂質
(例えば、ガラクトシルジグリセリド、グルコシルジグ
リセリド、ジガラクトシルジグリセリド、ジグリコシル
ジグリセリド、ジマンノシルジグリセリド、トリマンノ
シルジグリセリド、テトラマンノシルジグリセリド、ポ
リマンノシルジグリセリド、セミノリピド、スルホノボ
キシジアシルグリセロール、グルクロノシルジグリセリ
ド、グルコシルカルジオリピン、ホスファチジルジグリ
コシルジグリセリド、グリセロホスホリルジグリセリ
ド、リポテイコ酸等)、スフィンゴ糖脂質(例えば、ア
シルセレブロシド、アシルグルコシルセラミド、ガラク
トシルセラミド、グルコシルセラミド、ジグリコシルセ
ラミド、グロボシド、ポリグリコシルセラミド、スルフ
ァチド、ガングリオシド等)等の糖脂質等が挙げられ
る。
【0009】上記の脂質のうち好ましくは、ホスファチ
ジルコリン、レシチン、リゾレシチン、コリンプラズマ
ローゲン、セラミドメチルシリアチン、スフィンゴミエ
リン、セラミドホスホエタノールアミンである。
【0010】本発明において用いられる第4級アンモニ
ウム塩としては、炭素数10〜30のアルキル基を有す
るジアルキルジメチルアンモニウム塩(例えば、ジオク
タデシルジメチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチル
アンモニウム塩等)、モノアルキルトリメチルアンモニ
ウム塩(例えば、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
塩等)等が挙げられ、好ましくはジオクタデシルジメチ
ルアンモニウム塩である。
【0011】本発明において用いられる多糖類として
は、カルボキシル基または硫酸基を有する多糖類等が挙
げられ、例えば、アルギン酸、カラゲニン、ケラタン硫
酸、コロミン酸、コンドロイチン硫酸、テイクロン酸、
デルマタン硫酸、ヒアルロン酸、フコイジン、ペクチン
酸、デキストラン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン等、お
よびこれらの誘導体(例えば、アルカリ金属塩、アルカ
リ土類金属塩等)等が挙げられる。好ましくは、アルギ
ン酸、コンドロイチン硫酸、デキストラン硫酸、ヘパリ
ンである。
【0012】本発明において用いられる合成ポリマーと
しては、カルボキシル基または硫酸基またはスルホン酸
基を有する合成ポリマー等が挙げられ、例えば、ポリ
(4−スチレンスルホン酸)、ポリアクリル酸、ポリビ
ニルスルホン酸、ポリビニル硫酸、ポリカルボキシメチ
ルセルロース、ポリビニルフタル酸、ポリアネトールス
ルホン酸、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸等、
およびこれらの誘導体(例えば、アルカリ金属塩、アル
カリ土類金属塩等)等が挙げられる。好ましくは、ポリ
(4−スチレンスルホン酸)、ポリアクリル酸、ポリビ
ニルスルホン酸、ポリビニル硫酸である。
【0013】ステロール類としては、例えば、コレステ
ロール、β−シトステロール、スチグマステロール、カ
ンペステロール、コレスタノール、クリオナステロー
ル、フコステロール、ポリフェラステロール、コプロス
タノール、ラノステロール、デスモステロール、ブラジ
カステロール、α−スピナステロール、エルゴステロー
ル、フシジン酸、エブリコ酸等が挙げられる。好ましく
は、コレステロールである。
【0014】蛋白質としては、例えば、アルブミン、ウ
ロキナーゼ、ヒルジン、プラスミン、オロソムコイド、
スペクトリン、セルロプラスミン、トランスフェリン等
が挙げられる。好ましくは、アルブミン、ウロキナー
ゼ、ヒルジン、プラスミンである。
【0015】本発明においては、当該複合体に架橋構造
を持たせるために、架橋性官能基を有する物質等を上記
成分に混合させる。
【0016】架橋性官能基を有する物質としては、ジア
ルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド、グリオキザ
ル、テレフタルアルデヒド等)、ジイソシアネート(例
えば、トリレンジイソシアネート、トリジンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネ
ート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート等)等が挙げられ、好ましくはグルタ
ルアルデヒド、グリオキザル、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシル
ジイソシアネートである。
【0017】上記各成分の配合量は、脂質または第4級
アンモニウム塩100重量部に対して、ステロール類ま
たは蛋白質は通常0〜50重量部、好ましくは0〜30
重量部、より好ましくは0〜10重量部であり、多糖類
または合成ポリマーは通常1〜300重量部、好ましく
は1〜200重量部、より好ましくは10〜200重量
部であり、架橋性官能基を有する物質は通常0.01〜
100重量部、好ましくは0.01〜50重量部、より
好ましくは0.1〜50重量部である。
【0018】当該複合体を得る方法は特に限定されるも
のではなく、例えば、以下の方法により複合体を製造す
ることができる。具体的には、脂質または第4級アンモ
ニウム塩と、ステロール類または蛋白質と、多糖類また
は合成ポリマーとの複合体を得る場合には、脂質または
第4級アンモニウム塩とステロール類または蛋白質を超
音波照射により溶解させた水溶液を氷冷し、ジアルデヒ
ド水溶液を添加、撹拌する。次いで、これに、多糖類ま
たは合成ポリマーを溶解させた水溶液を添加し、撹拌す
る。架橋反応を進行させるため約1日冷蔵した後、生じ
た沈澱を遠心分離させて回収し、乾燥させることにより
当該複合体が得られる。脂質または第4級アンモニウム
塩と、多糖類または合成ポリマーとの複合体を得る場合
も、ステロール類または蛋白質を除いた以外は上記と同
様にして得られる。
【0019】他の方法としては、架橋構造を有さない複
合体を非プロトン性有機溶媒(クロロホルム、トルエン
等)に溶解し、これにジイソシアネート化合物の非プロ
トン性有機溶媒溶液を添加し、架橋反応を進行させるた
め室温で約1日撹拌する。溶媒を減圧留去させた後、ア
セトンを加え、デカンテーションにより未反応のジイソ
シアネート化合物を除去する。次いで、沈澱物を乾燥さ
せることにより当該複合体が得られる。
【0020】上記複合体を用いて、血管カテーテル、人
工血管等の医療用器具に抗血栓性を付与することができ
る。その方法としては、抗凝血性を消失させない限り特
に限定されるものではない。例えば、上記複合体をクロ
ロホルム、トルエン、メタノール、エタノール等の有機
溶媒に溶解させ、この溶液を塗布法、スプレー法、ディ
ップ法等により、医療用器具の表面に膜状に設けた後、
乾燥固化させる方法等がある。また、上記複合体を医療
用器具の材料に混合し、この混合物を用いて医療用器具
を成形する方法もあるが、前記のように複合体を医療用
器具の表面に設ける方法がより好ましい。
【0021】ここで、医療用器具の材料としては、特に
限定されるものではなく、ポリエーテルウレタン、ポリ
ウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、フッ素系樹
脂、ポリエチレン、シリコーン樹脂等、従来より使用さ
れているものが挙げられる。
【0022】このようにして、医療用器具の機械的強度
の低下をまねくことなく、優れた抗血栓性を有し、溶血
等を起こすことなく、複合体成分が血液中に溶出するこ
とのない医療用器具を提供することができる。
【0023】本発明の医療用器具としては、好適には血
液と接触しえるものが例示され、具体的には、例えば血
管カテーテル、人工腎臓用A−Vシャント、人工心肺用
膜、人工血管、人工心臓血液ポンプ、大動脈バルーンポ
ンプ、心臓カテーテル、血液バッグ等が例示される。
【0024】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するため実施例を
挙げるが、本発明はこれら実施例によって何ら限定され
るものではない。
【0025】実施例1 ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロマイド2.000g
を超音波照射により溶解させた水溶液を氷冷し、25% グ
ルタルアルデヒド水溶液0.25g を添加して撹拌した。次
いで、ポリアクリル酸ナトリウム0.298gを溶解させた水
溶液をさらに添加し、撹拌した。これを約1日冷蔵した
後、生じた沈澱を遠心分離により回収、乾燥させて複合
体を得た。
【0026】実施例2 ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロマイド2.000g
とコレステロール0.122gを超音波照射により溶解させた
水溶液を氷冷し、10% グリオキザル水溶液0.45g を添加
して撹拌した。次いで、ヘパリン0.556gを溶解させた水
溶液をさらに添加し、撹拌した。これを約1日冷蔵した
後、生じた沈澱を遠心分離により回収、乾燥させて複合
体を得た。
【0027】実施例3 レシチン1.000gを超音波照射により溶解させた水溶液
と、ヘパリン0.357gを溶解させた水溶液を室温にて混
合、撹拌し、生じた沈澱を遠心分離により回収、乾燥さ
せて架橋構造を有さない複合体を得た。この架橋構造を
有さない複合体をクロロホルムに溶解し、これに、ヘキ
サメチレンジイソシアネート0.15g を含有したクロロホ
ルム溶液を添加し、室温で約1日撹拌した。クロロホル
ムを減圧留去させた後、アセトンを加え、デカンテーシ
ョンにより未反応のヘキサメチレンジイソシアネートを
除去した。次いで、沈澱物を乾燥させて複合体を得た。
【0028】実施例4 レシチン2.000gとアルブミン0.002gを超音波照射により
溶解させた水溶液と、アルギン酸ナトリウム0.804gを溶
解させた水溶液を室温にて混合、撹拌し、生じた沈澱を
遠心分離により回収、乾燥させて架橋構造を有さない複
合体を得た。この架橋構造を有さない複合体をクロロホ
ルムに溶解し、これに、リジンジイソシアネート0.40g
を含有したクロロホルム溶液を添加し、室温で約1日撹
拌した。クロロホルムを減圧留去させた後、アセトンを
加え、デカンテーションにより未反応のリジンジイソシ
アネートを除去した。次いで、沈澱物を乾燥させて複合
体を得た。
【0029】実施例5 リゾレシチン0.500gを超音波照射により溶解させた水溶
液と、ポリビニル硫酸カリウム0.875gを溶解させた水溶
液を室温にて混合、撹拌し、生じた沈澱を遠心分離によ
り回収、乾燥させて架橋構造を有さない複合体を得た。
この架橋構造を有さない複合体をクロロホルムに溶解
し、これに、ジシクロヘキシルジイソシアネート0.15g
を含有したクロロホルム溶液を添加し、室温で約1日撹
拌した。クロロホルムを減圧留去させた後、アセトンを
加え、デカンテーションにより未反応のジシクロヘキシ
ルジイソシアネートを除去した。次いで、沈澱物を乾燥
させて複合体を得た。
【0030】比較例1 レシチン1.000gを超音波照射により溶解させた水溶液
と、ヘパリン0.357gを溶解させた水溶液を室温にて混
合、撹拌し、生じた沈澱を遠心分離により回収、乾燥さ
せて架橋構造を有さない複合体を得た。
【0031】実験例1 上記実施例および比較例で得られた複合体のトルエン溶
液1mlを、内径10mm、長さ10cmのすり合わせ蓋付ガ
ラス試験管に入れ、ロータリーエバポレーターに接続し
て減圧回転させ、当該複合体をその内壁に均一にコーテ
ィングする。各試料につきそれぞれ2本ずつ上記試験管
を作製し、それらに採取直後の健康人血液を1mlずつ入
れ、37℃に保ちながら、5分間経過後から30秒ごと
にこの試験管の1本を45度傾斜させて流動状態を観察
し、血液が全く流動しなくなってから、他の1本につい
て同様な操作を行い、この試験管内の血液が全く流動し
なくなるまでの経過時間をもって試料の凝固時間とす
る。また、複合体をコーティングしないガラス試験管2
本について、上記と同じ操作でガラス表面での凝固時間
を評価したところ、個体差はあるが通常8〜14分であ
る。ガラスおよび各試料について5回以上のテストによ
り得られた値の平均値をもって凝固時間とする。抗血栓
性の指標としては、ガラス表面での凝固時間を1として
各複合体表面での凝固時間の相対値で比較した。その結
果を表1に示す。
【0032】実験例2 実験例1と同様にして、複合体がコーティングされたガ
ラス試験管を作成し、この試験管に蒸留水を注ぎ、37
℃で24時間静置した後、試験管内の水1滴をTLC用
シリカゲルプレパラート上に滴下し、乾燥後、ヨウ素発
色により溶出物の有無を調べた。その結果を表1に示
す。
【0033】
【表1】
【0034】また、上記実施例および比較例で得られた
複合体は、血液と接触しても、溶血等を生じることはな
かった。
【0035】実施例6 実施例1の複合体を用い、内径3mm、長さ5cmの筒状の
ポリエーテルポリウレタンチューブに複合体をコーティ
ングして、人工血管を得た。
【0036】実施例7 実施例2の複合体を用い、ウレタン製カテーテル表面に
複合体をコーティングして、心臓カテーテルを得た。
【0037】
【発明の効果】本発明の抗血栓性複合体、および当該複
合体を用いた医療用器具は、溶血等を生じることがな
く、医療用器具材料の機械的特性を維持し、優れた抗血
栓性を有し、かつ複合体の成分が血液中へ溶出すること
がないという性質を有するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂質または第4級アンモニウム塩と、多
    糖類または合成ポリマーとの複合体であり、架橋構造を
    有することを特徴とする抗血栓性複合体。
  2. 【請求項2】 脂質または第4級アンモニウム塩と、ス
    テロール類または蛋白質と、多糖類または合成ポリマー
    との複合体であり、架橋構造を有することを特徴とする
    抗血栓性複合体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の抗血栓性複合体
    を用いた医療用器具。
JP5256805A 1993-10-14 1993-10-14 抗血栓性複合体および医療用器具 Pending JPH07108062A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014108296A (ja) * 2012-12-04 2014-06-12 Yamagata Univ 生体内分解吸収性繊維強化複合材料およびその製造方法
JPWO2016013594A1 (ja) * 2014-07-24 2017-04-27 国立研究開発法人物質・材料研究機構 医療用生体吸収性部材及びその製造方法

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