JP7395044B1 - ガス浄化フィルタ - Google Patents

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【課題】ガス浄化触媒の浄化性能とガス浄化フィルタの耐久性向上を両立させるガス浄化フィルタを提供する。【解決手段】複数の繊維11により形成されるフィルタ本体10と、フィルタ本体10に付着したガス浄化触媒16と、を備えるガス浄化フィルタ1であって、ガス浄化触媒16を担持させた触媒担持層2と、ガス浄化触媒16を担持させないろ過層3と、を有し、触媒担持層2とろ過層3との境界4を、ガスの流れ方向において下流側に存在するフィルタ本体11の表面13から、触媒担持層2に形成される推定流路径Dx以上の所定距離を持つように構成した。【選択図】図2

Description

本発明は、化学物質を含有するガスから化学物質を除去するための触媒を担持したガス浄化フィルタに関する。
廃棄物を焼却した時に発生する排ガス(ガス)には、ばいじんと共に塩化物、窒化物及びダイオキシン等の化学物質が含まれることがある。このような排ガスは、ばいじん及び化学物質を法定の基準値以下に除去されてから大気中に放出される。この除去のため、排ガスが流れる経路の途中に、化学物質除去用の触媒を担持したガス浄化フィルタが配置される。
例えば、下記特許文献1には、ガスの流れ方向の下流に向かうにつれ触媒の密度が吸着剤の密度より小さくなる領域を有し、上流側に位置する第一面よりも下流の第二面には実質的に触媒が付着していないろ布を備えたガス浄化フィルタが開示されている。
また、下記特許文献2には、触媒を担持したフェルトパッドの下流に、穿孔したフルオロポリマーフィルムが貼付されたガス浄化フィルタが開示されている。
特開2019-155295号公報 特開2022-130511号公報
ところで、ガス浄化フィルタは、フィルタ本体が触媒を担持する触媒担持層の厚みが大きいほど、ガスと触媒との接触時間が増えてガス中の化学物質の除去性能が向上する。一方で、触媒担持層では、触媒粒径の不均一性や触媒の付着状況の不均一性によってガス流路の拡縮が発生する。このような流路を通過してガスの流れが乱れると、触媒の剥離やフィルタの摩耗が起きる可能性がある。その結果、ガス浄化フィルタの耐久性が不十分となるおそれがある。
特にろ布を有底円筒状(袋状)に形成した円筒形フィルタの外側から内側にガスを通過させるショックパルス型のバグフィルタにおいて、円筒内部(フィルタ下流側外部)ではガスが乱流に遷移している可能性が高い。フィルタ厚みを全て触媒担持層として形成した場合、フィルタ内部で流路の拡縮などにより排ガスの流れが乱れたまま円筒内部の表面に達することで、円筒内部の表面付近では流れの乱れがより大きくなってしまう懸念がある。
上記特許文献1のガス浄化フィルタは、下流側の第二面に触媒を担持しない構成であるが、フィルタ内で触媒がガスの流れにどのような影響を及ぼすか開示がなくフィルタ全体に対してどの程度の厚みが触媒を担持しない層となればよいかは開示されていない。そのため、触媒を担持しない層の厚みによっては、ガス浄化フィルタのガス浄化性能の維持が不十分となる可能性がある。また、上記特許文献2のように、触媒を担持したフェルトパッドとは別部材を用意しようとすると、その分の材料や作業のコストが増えてしまう。
上記の理由により、従来の技術では、ガス浄化フィルタの耐久性とガス浄化性能との両方に改善の余地があった。
そこで、本発明では、フィルタを通過するガスに対する流体力学的知見を考慮して、ガス浄化フィルタ内でガス浄化触媒を担持する触媒担持層とガス浄化触媒を担持しないろ過層の境界を適切に定めることで、ガス浄化フィルタのガス浄化性能の維持とフィルタ耐久性の向上を両立させるガス浄化フィルタを提供することを目的とする。
本発明のガス浄化フィルタは、複数の繊維により形成されるフィルタ本体と、前記フィルタ本体に付着したガス浄化触媒と、を備えるガス浄化フィルタであって、前記ガス浄化触媒を担持させた触媒担持層と、前記ガス浄化触媒を担持させないろ過層と、を有し、前記触媒担持層と前記ろ過層との境界を、ガスの流れ方向において下流側に存在する前記フィルタ本体の表面から、前記触媒担持層に形成される推定流路径以上の所定距離を持つように構成したガス浄化フィルタである。
本発明のガス浄化フィルタによれば、フィルタ内にガス浄化触媒を担持させないろ過層を有することで、ガス浄化触媒の粒径やフィルタ本体にガス浄化触媒が不均一に付着することによって拡縮した流路に発生するガス浄化フィルタ内のガス流れの乱れ(不均一な流量分布)をろ過層で抑えることができる。そのため、ガス流れの乱れによって発生する可能性のあるフィルタ本体からのガス浄化触媒の剥離やフィルタ本体の摩耗を防止して、ガス浄化フィルタの耐久性を向上させる。
また、前記触媒担持層と前記ろ過層との境界が、ガスの流れ方向において下流側に存在する前記フィルタ本体の表面から、前記触媒担持層に形成される推定流路径以上の所定距離を離隔する構成により、触媒を実質的に担持しないろ過層を適切に定めることで、ガス浄化フィルタのガス浄化性能を維持することができる。
このように、フィルタを通過するガスに対する流体力学的知見を考慮して、ガス浄化フィルタ内でガス浄化触媒を担持する触媒担持層とガス浄化触媒を担持しないろ過層の境界を適切に定めることで、ガス浄化触媒の浄化性能とガス浄化フィルタの耐久性向上を両立させることができる。
実施形態に係るガス浄化フィルタの概略構成図である。 実施形態に係るガス浄化フィルタにおける境界部の拡大図である。 実施形態に係るガス浄化フィルタを適用したガス浄化設備の概略構成図である。 図3のガス浄化設備におけるバグフィルタの概略構成図である。
以下、図1乃至図4を参照して、実施形態としてのガス浄化フィルタについて説明する。以下に示す構成等はあくまでも例示に過ぎず、明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。実施形態及び変形例で示す各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、当該各構成は、本発明の必須の構成要件を除き、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
本実施形態のガス浄化フィルタ1は、図1及び図2に示すように、複数の繊維11で形成されるフィルタ本体10とフィルタ本体10の繊維11に担持された粒状のガス浄化触媒16とを備える。
フィルタ本体10は、所定の厚みを有し、厚み方向Dtの両側に互いに相反する面を向く第一面12及び第二面13を有する。第一面12及び第二面13は、フィルタ本体10において厚み方向Dtの両側に位置する二つの表面であって、第一面12は図1中白抜き矢印で示すガスの流れ方向において上流側Duに位置し、第二面13は下流側Ddに位置する。第一面12と第二面13との間隔は、フィルタ本体10の厚さLに対応する。
図2に示すようにフィルタ本体10中で、複数の繊維11の相互間は、処理対象となるガスが通るガス流路14を形成する。
図1及び図2に示すように、フィルタ本体10は、第一面12から第二面13に向かってガス浄化触媒16(図2中網掛けで示す)を担持した触媒担持層2を有し、第二面13から第一面12に向かってガス浄化触媒を担持しないろ過層3を有する。すなわち、触媒担持層2は、フィルタ本体10において第一面12側(上流側Du)に配置された領域である。ろ過層3は、フィルタ本体10において第二面13側(下流側Dd)に配置された領域であり、触媒担持層2以外の領域である。
図2に示すように、フィルタ本体10中の触媒担持層2は粒状のガス浄化触媒16を担持しており、ろ過層3はガス浄化触媒16を担持していない。なお、「ガス浄化触媒を担持していない」とは、ガス浄化触媒16の担持量が0であることだけでなく、ガス浄化触媒16がガスの流れに影響を及ぼさない程度の実質的に0であるような担持量であることも含まれる。
また、図2において触媒担持層2はガス浄化触媒16だけでなく活性炭及び添着活性炭など粒状の吸着剤17(図2中白抜きで示す)を担持してもよい。
フィルタ本体10を形成する繊維11は、例えば、ガラス繊維、ポリフルオロエチレン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリフェニレンサルファイド系繊維等が挙げられる。以上の繊維のうちで、耐熱性が高い繊維は、ガラス繊維及びポリフルオロエチレン系繊維である。繊維の直径は3~15μmが好ましい。繊維の織り方としては、綾織り、朱子織り、平織り等のいずれであってもよい。フィルタ本体10である布の打ち込み密度は600~1200g/m2であることが好ましい。打ち込み密度が下限値以上であれば、ガス中の粉状物を充分に捕捉でき、上限値以下であれば、目詰まりを抑制できる。
本実施形態のフィルタ本体10は、特にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系繊維を主組成として形成することが好ましい。
粒状のガス浄化触媒16の平均粒径は、例えば、1μm~100μmである。ガス浄化触媒16は、担体と活性成分とを有する。ガス浄化触媒16の担体としては、チタン(Ti)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、リン(P)、ボロン(B)から選ばれる少なくとも一種以上の元素を含む単一酸化物又は複合酸化物である。ガス浄化触媒16の活性成分としては、バナジウム(V)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)又はタンタル(Ta)の酸化物のうち少なくとも一種類の酸化物もしくは複合酸化物である。担体としては、少なくともチタン酸化物を用いることが好ましい。活性成分としては、少なくともバナジウム酸化物を用いることが好ましい。以上で例示した全ての活性成分は、いずれも、水銀を含む各種物質の酸化能力を有し、ダイオキシンも酸化分解できる。
本実施形態のガス浄化触媒16の組成は、特に制限されず、ガス中の各種化学物質を除去する組成が採用されるが、特にDXN及び脱硝機能を備えることが好ましい。活性成分が五酸化バナジウムの一成分である場合には、担体100質量部に対して、活性物質1~20質量部であることが好ましい。活性成分が五酸化バナジウムと三酸化タングステンの二成分である場合には、担体100質量部に対して、五酸化バナジウムが1~10質量部、三酸化タングステンが2~25質量部であることが好ましい。
図1及び図2に示すように、フィルタ本体10において触媒担持層2とろ過層3とは境界4(図中二点鎖線)で区切られている。図2に示すように、触媒担持層2とろ過層3との境界4は、第二面13から境界4までの厚み(厚み方向Dtの寸法)Lxの位置に定める。境界4は、第二面13から上流側へ厚みLxの位置に設定される。この厚みLxは、図2に示すように、ろ過層3の厚みに相当する。
厚みLxは、以下により求められる。
まず、以下の式1から触媒担持層2の流路径Dxを推定する。フィルタ本体10におけるガス流路を直管とみなしてモデル化し、流路径Dxを本ガス浄化フィルタ1における代表長さとすると、Dxは以下の式1で表すことができる。
本実施形態においてろ過層3の厚みLxは、上記の式1により推定された触媒担持層2の推定流路径Dxの5倍以上として構成される。
ここで、ろ過層3の厚みLxとは、図2に示すように、第二面13から境界4までの厚み方向Dtに離隔する寸法に対応するものである。すなわち、触媒担持層2とろ過層3との境界4は、フィルタ本体10の第二面13(下流側に存在するフィルタ本体10の表面)から、触媒担持層2において推定される推定流路径Dx以上の所定距離を持つ(所定距離だけ離隔する)ように構成されている。
上記のように推定流路径Dxに基づいて境界4を設定する、すなわち、第二面13から推定流路径Dx以上の所定距離を離隔するように境界4を設定する構成は、ガス浄化フィルタ1を通過するガスに対する流体力学的知見を考慮したものである。
具体的に言えば、一般的な差圧式の流量計測では、流れの乱れの影響を排除するために、流量計下流側の管長さを、測定対象の管径を基準として管径の5倍以上後ろに配置する必要がある、ということが知られている。すなわち流路内の絞りが生じる部分から管径の5倍以上の長さの流路で絞りの主要因排除することで流れの乱れの影響を抑制できると言える。そのため、例えば本実施形態のガス浄化フィルタ1において、ろ過層3の厚みLxを、ガス流速とガス浄化フィルタの圧損から推定される触媒担持層の推定流路径Dxの5倍以上として構成することで、触媒担持層2の触媒に起因する流れの乱れは、同じフィルタ本体10のろ過層3の厚みLx内で抑えられる。
また、一方で触媒担持層がガスの浄化性能を充分に発揮するために、ろ過層3の厚みLxは、フィルタ本体の厚さLの10%以下に構成されることが好ましい。すなわち、境界4は、第二面13から推定流路径Dxの5倍以上の距離を持ち、且つ、フィルタ本体の厚さLの10%以下に構成されることが好ましい。
フィルタ本体10の厚みLが数mmのオーダーであるのに対して、推定流路径Dxは数μm~十数μmのオーダーである。ろ過層3の厚みLxを推定流路径Dxの5倍以上に設定しても、触媒担持層2の厚みDcはフィルタ本体10の厚みLに対して8割以上かつ9割以下の寸法まで確保できる。そのため、ガスの浄化性能に十分な触媒担持層2の厚みを確保できる。
言い換えれば、本ガス浄化フィルタ1を通過する排ガスは、フィルタ本体10の表面(上流側の第一面12)からろ過層3の境界4までに触媒担持層2で充分浄化されたうえで、さらにろ過層3を通過することで、ガスの流れの乱れが抑えられたクリーンガスとしてガス浄化フィルタ1から放出される。
本実施形態のガス浄化フィルタ1は、例えばごみ焼却炉の排ガス浄化処理設備内に取り付けられるバグフィルタとして使用される。
図3に示すように、ごみ焼却炉の排ガス浄化設備30は、ガス発生源31で発生した排ガスをバグフィルタ20で浄化処理するための設備であり、上記のガス浄化フィルタ1を用いたバグフィルタ20と、複数の管32,33と、ガス冷却器35と、ブロワー36と、煙突37と、を備える。
ガス発生源31は、例えばごみ焼却炉であり、処理対象のガスを発生する。
配管32,33には、バグフィルタ20よりも上流側に設けられた上流側配管32と、バグフィルタ20よりも下流側に設けられた下流側配管33とが含まれている。
上流側配管32は、ガス発生源31とバグフィルタ20の入口22iとを接続する。下流側配管33は、バグフィルタ20の出口22oと煙突37とを接続する。
上流側配管32において、ガス発生源31とバグフィルタ20の入口22iとの間には、ガス冷却器35が介装されている。このガス冷却器35は、ガス発生源31で発生したガスの温度をガス浄化フィルタ1の耐熱温度未満に下げる。
バグフィルタ20には、上流側配管32を介してガス発生源31で発生したガスが供給される。
図4はバグフィルタ20の概略構成図である。図4に示すように、バグフィルタ20は、上記のガス浄化フィルタ1を複数備えるととともに、複数のガス浄化フィルタ1を収納するバグフィルタケース22と、フィルタ支持部材24と、排出機25と、を備える。
バグフィルタ20において、各ガス浄化フィルタ1のフィルタ本体10(図1及び2)は、底面を有する円筒形状(袋状)に形成される。この場合、フィルタ本体10の第一面12が、円筒状をなすガス浄化フィルタ1の外面21oを形成し、フィルタ本体10の第二面13が、円筒状をなすガス浄化フィルタ1の内面21iを形成する。
バグフィルタケース22は、上流側配管32に接続してガスが内部に流入する入口22iと、下流側配管33に接続してガスが内部から流出する出口22oとを有する。入口22iは、バグフィルタケース22の第一側板22aに形成され、出口22oは、バグフィルタケース22の第二側板22bに形成されている。排出機25は、バグフィルタケース22の下部に接続されている。この排出機25は、例えば、ロータリーバルブで、バグフィルタケース22内に溜まった塵等の粉状物を外部に排出する。
フィルタ支持部材24は、バグフィルタケース22内に配置され、複数の円筒形状のガス浄化フィルタ1を支持する。
バグフィルタケース22内は、複数の円筒形状のガス浄化フィルタ1とフィルタ支持部材24とにより、入口側の空間23iと出口側の空間23oとに仕切られている。フィルタ支持部材24に支持されている各ガス浄化フィルタ1の外面21oは、入口側の空間23iを臨み、各ガス浄化フィルタ1の内面21iは、出口側の空間23oを臨んでいる。よって、各ガス浄化フィルタ1を形成するフィルタ本体10の第一面12は、入口側の空間23iを臨み、フィルタ本体10の第二面13は、出口側の空間23oを臨んでいることになる。
本実施形態のバグフィルタ20では、入口22iから流入したガス中に含まれる塵等の粉状物を各ガス浄化フィルタ1で捕捉し、この粉状物を排出機25から外部に排出する。さらに、本実施形態のバグフィルタ20は、上述したガス浄化フィルタ1を備えているので、このガス浄化フィルタ1でガス中の化学物質を効率的に除去することができる。ガス浄化フィルタ1を通過したガスは、出口22oから下流側配管33を介して外部へ排気される。ガス浄化フィルタ1で除去する代表的な化学物質はダイオキシン類、及び窒素酸化物、処理の過程で投入され残留したアンモニアなどである。
ブロワー36は、下流側配管33中に設けられ、バグフィルタ20内のガスを吸引して、このガスを煙突37に送る。煙突37は、バグフィルタ20を通過してブロワー36で吸引した処理済みガスを、外部へ排気する。
以上の構成により、ガス浄化フィルタ1は、ガス浄化触媒16の粒径や、フィルタ本体10にガス浄化触媒16が不均一に付着することによってガス流路14が拡縮して発生するガス浄化フィルタ1内のガス流れの乱れ(不均一な流量分布)をフィルタ本体10内のろ過層3で抑えることで、ガス流れの乱れによって発生するフィルタ本体10からのガス浄化触媒16の剥離や、フィルタ本体10の摩耗を防止してガス浄化フィルタ1の耐久性を向上させることができる。またガス浄化触媒16を実質的に担持しないろ過層3を適切に定めることで、ガス浄化フィルタ1のガス浄化性能を維持することができる。
よって、ガス浄化フィルタ1は、フィルタを通過するガスに対する流体力学的知見を考慮して、ガス浄化フィルタ1内でガス浄化触媒16を担持する触媒担持層2とガス浄化触媒を担持しないろ過層3の境界4を適切に定めることで、ガス浄化触媒16の浄化性能とガス浄化フィルタ1の耐久性向上を両立させることができる。
以上の実施形態に関する付記を開示する。
[付記1]
複数の繊維により形成されるフィルタ本体と、前記フィルタ本体に付着したガス浄化触媒と、を備えるガス浄化フィルタであって、
前記ガス浄化触媒を担持させた触媒担持層と、前記ガス浄化触媒を担持させないろ過層と、を有し、
前記触媒担持層と前記ろ過層との境界を、ガスの流れ方向において下流側に存在する前記フィルタ本体の表面から、前記触媒担持層に形成される推定流路径以上の所定距離を持つように構成した
ガス浄化フィルタ。
[付記2]
前記フィルタ本体の前記触媒担持層と前記ろ過層との前記境界を、前記ガスの前記流れ方向において前記下流側に存在する前記フィルタ本体の前記表面から、以下の式(1)で示される前記触媒担持層の推定流路径Dxに対して5倍以上の距離を持ち、かつ、前記フィルタ本体の厚さの10%以下に構成する
付記1に記載のガス浄化フィルタ。
Figure 0007395044000002
上記式1において、Dxは推定流路径、μは排ガス粘性係数、vは排ガス流速、Lはフィルタ本体の厚み、ΔPはガス浄化フィルタの圧損とする
[付記3]
前記フィルタ本体が、ポリテトラフルオロエチレン系繊維を主組成として形成された
付記1または2に記載のガス浄化フィルタ。
[付記4]
前記ガス浄化触媒が脱硝機能を有する
付記1~3の何れか1つに記載のガス浄化フィルタ。
1 ガス浄化フィルタ
2 触媒担持層
3 ろ過層
4 境界
10 フィルタ本体
11 繊維
12 第一面
13 第二面(表面)
14 ガス流路
16 ガス浄化触媒
17 吸着剤
20 バグフィルタ
21i 内面
21o 外面
22 バグフィルタケース
22a 第一側板
22b 第二側板
22i 入口
22o 出口
23i 空間
23o 空間
24 フィルタ支持部材
25 排出機
30 排ガス浄化設備
31 ガス発生源
32 上流側配管
33 下流側配管
35 ガス冷却器
36 ブロワー
37 煙突
Dx 推定流路径
L フィルタ本体の厚み
Lx ろ過層の厚み
Dc 触媒担持層の厚み
Dt 厚み方向

Claims (3)

  1. 複数の繊維により形成されたろ布からなり、前記繊維の相互間が処理対象となるガスが通るガス流路をなすフィルタ本体と、前記フィルタ本体に付着したガス浄化触媒と、を備えるガス浄化フィルタであって、
    前記フィルタ本体が、ガスの流れ方向の上流側に配置されるとともに前記ガス浄化触媒を前記ガス流路内に担持させた触媒担持層と、前記フィルタ本体において前記触媒担持層と境界で区切られるとともに前記触媒担持層よりも下流側に配置されて前記ガス浄化触媒を担持させないろ過層と、を有し、
    前記触媒担持層と前記ろ過層との前記境界前記ガスの流れ方向において下流側に存在する前記フィルタ本体の表面から前記フィルタ本体の厚さの10%以下に設定されるとともに、前記フィルタ本体の前記表面から、前記触媒担持層における前記ガス流路の流路径として推定された推定流路径に対して5倍以上距離を持つように設定されており、
    前記推定流路径は、前記フィルタ本体における前記ガス流路を直管とみなしてモデル化して得られた以下の式1で示される流路径Dxを推定流路径Dxとしたものである
    ガス浄化フィルタ。
    Figure 0007395044000003

    上記の式1において、Dxは推定流路径、μは排ガス粘性係数、vは排ガス流速、Lはフィルタ本体の厚み、ΔPはガス浄化フィルタの圧損とする
  2. 前記フィルタ本体が、ポリテトラフルオロエチレン系繊維を主組成として形成された
    請求項に記載のガス浄化フィルタ。
  3. 前記ガス浄化触媒が脱硝機能を有する
    請求項に記載のガス浄化フィルタ。
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