JP7394483B2 - レール切換ユニット及びこのユニットを備えたレール構造 - Google Patents

レール切換ユニット及びこのユニットを備えたレール構造 Download PDF

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Description

本発明は、分岐した走行路にランナーを円滑に案内又は誘導して走行させるのに有用な
レール切換ユニットと、このユニットを備えたレール構造に関する。
天井面又は天井側空間に取り付けられたレールにランナーを走行可能に配設し、このラ
ンナーを利用して利用者が家庭や施設内を移動する補助装置が提案されている。
例えば、特開2006-26254号公報(特許文献1)には、断面C型状の走行レー
ルと、この走行レールに沿って移動可能な走行手段と、この走行手段に下向きに持設され
た連結棒と、この連結棒の長手方向外周面に沿って嵌脱し、伸縮自在に垂設された長尺の
パイプ状の手摺りとを備えた高齢者等移動装置が記載されている。この文献には、走行手
段が、支軸を中心に回動自在に取り付けられた円盤状ランナー体と、円盤状ランナー体の
底側周縁部及び側縁に取り付けられた複数のボールキャスターと、円盤状ランナー体の天
板部に貼着された滑り止め手段とを備え、走行レールの凹部に摺動可能であり、T型状の
分岐機構で方向転換や分岐動作が可能であることが記載されている。
しかし、走行レールが略T字状に分岐した分岐部では、利用者は、この略T字状の交差
点まで移動した後、向きを変えて方向転換して移動しなければならず、円滑に方向転換で
きない。特に、方向転換の過程で、走行手段の支軸が分岐装置のコーナー部に接触して係
止し易いため、利用者、特に高齢者などは、円滑に方向転換できなくなる。さらに、T型
状の分岐部では、走行路の幅が広がるため、ランナー体が脱輪しやすく、円滑な方向転換
や分岐動作が妨げられる。
レール及びランナーは、所定空間の遮蔽や間仕切り(開閉)、物品の移送、搬送などの
分野においても利用されている。特開2003-250694号公報(特許文献2)には
、カーテンレールの軌条間に挿入される軸部と、この軸部の上端に対して水平回動自在又
は一体的に連結され、レール内部の軌条上面に係止される走行部と、前記軸部の下端に対
して水平回動自在に連結され、吊り下げ物を吊り下げるための吊り下げ部とを備えた吊り
下げランナーが記載されている。この文献には、カーテンレールの曲線部分を移動すると
き、走行部が水平回転して向きを変位することも記載されている。
しかし、レールがT字状などの形態で分岐した分岐部では、このランナーでも、軸部が
分岐部に引っ掛かり易く、所定の方向に円滑に方向転換して移送できない。特に、大きな
荷重が作用すると、円滑かつ安定にランナーを走行できない。さらに、分岐したレールに
適用すると、所定のレールに移行した後、ランナーが逆走する虞があり、物品を円滑に移
送又は搬送できない。
特開2006-26254号公報(特許請求の範囲、[0010]、[0025]~[0032]、[図6]、[図8]) 特開2003-250694号公報(特許請求の範囲、[0012]、[図1]~[図4])
従って、本発明の目的は、複数のレールが分岐した分岐レール構造であっても、ランナ
ーを所定の方向に誘導又は案内するのに有用なレール切換ユニット;この切換ユニットを
備えたレール構造を提供することにある。
本発明の他の目的は、所定の荷重が作用しても円滑にかつ安定してランナーが走行可能
なレール切換ユニット;この切換ユニットを備えたレール構造を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、走行路の幅が広がる分岐部であっても円滑に所定方向に方
向転換して走行可能なレール切換ユニット;この切換ユニットを備えたレール構造を提供
することにある。
本発明の別の目的は、物品などの種々の被搬送体を、非直線的に所定の方向に移動又は
搬送するのに有用な切換ユニット;この切換ユニットを備えたレール構造を提供すること
にある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ランナーが走行可能であり、
かつ基準レールと、複数の分岐レールとの分岐部に、ランナーの進路を選択的に転換又は
切換るための切換ユニットを配置すると、基準レールと複数の分岐レールとを利用してラ
ンナーを所望の方向に移行できること;基準レールと、複数の分岐レールのうち所定の分
岐レール(又は基準分岐レール)とが連絡可能な基準位置(又は定常状態で前記レールが
連絡可能な位置)から、複数の分岐レールのうち他の分岐レール(選択された所望の進行
方向に対応する所望の移動分岐レール)とが連絡可能な移動位置に可動な可動レール部材
を利用し、複数の分岐レールのうち前記可動レール部材を介して連絡可能な(又はランナ
ーの走行が許容された)分岐レール(連絡分岐レールとしての基準分岐レール及び移動分
岐レール)と基準レールとが連絡した状態で、基準位置及び移動位置において、それぞれ
、規制部材により、前記基準レールと、連絡分岐レール以外の他の分岐レール(非連絡分
岐レール)との連絡を遮断(又はランナーの走行を規制)すると、連絡分岐レール(基準
分岐レール及び移動分岐レール)からの前記ランナーの脱落を防止しつつ、ランナーを所
望の方向に移動又は走行させて方向転換できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の切換ユニットは、ランナーが走行可能な基準レールと、この基準レ
ールから所定間隔をおいて、基準レールに対して複数の方向に延び、それぞれランナーが
走行可能な複数の分岐レールとの分岐部(又はランナーが走行可能な3以上の複数の分岐
レールの交差部)に配置され、ランナーの進路を転換又は切換(若しくは誘導)する。こ
の切換ユニットは、基準レールと複数の分岐レールとの間に配置され、前記基準レールと
複数の分岐レールとを結ぶ方向に可動な(又は配向可能な)可動レール部材と;この可動
レール部材を所定の方向に移動させて基準レールと複数の分岐レールのうち所定の分岐レ
ールとを連絡させるための移動機構とを備えている。このような切換ユニットでは、移動
機構により可動レール部材を基準レールと複数の分岐レールとを結ぶ方向に配向させるこ
とができ、ランナーの進路を選択的に転換又は切換え可能である。
前記切換ユニットは、基準レールにヒンジ式に連結された可動レール部材と;この可動
レール部材を回動又は揺動形態で移動させて基準レールと複数の分岐レールのうち所定の
分岐レールとを連絡させるための移動機構とを備えていてもよい。このようなヒンジ構造
と移動機構とにより、可動レール部材を複数の分岐レールの方向に配向可能である。すな
わち、前記切換ユニットの可動レール部材は、例えば、基準レール(又はその端部)と、
複数の分岐レールのうち所定の分岐レール又は基準分岐レール(又はその端部)とが連絡
可能な基準位置から、前記基準レールと、複数の分岐レールのうち前記所定の分岐レール
以外の他の分岐レール(又はその端部)とが連絡可能な移動位置に至る範囲で可動(又は
回動若しくは揺動可能)であってもよく、前記基準位置及び移動位置において前記基準レ
ールと前記分岐レールとをそれぞれ連絡してランナーを走行又は進行させるために利用で
きる。
さらに、切換ユニットは、前記可動レール部材と連動して、複数の分岐レールのうち所
定の分岐レール(前記可動レール部材を介して連絡可能な(又はランナーの走行が許容さ
れた)連絡分岐レール(基準分岐レール又は移動分岐レール))に移行したランナーが、
前記基準レールの方向に走行又は逆走して前記連絡分岐レールから脱輪(又は脱落)する
のを規制又は防止するための規制手段(又は遮断手段(シャッター)若しくは逆走防止手
段)を備えていてもよい。このような規制手段(又は遮断手段若しくは逆走防止手段)は
、前記可動レール部材と連動してもよく、前記可動レール部材が前記基準位置及び移動位
置(可動レール部材を介して基準レールと移動分岐レールとが連絡可能な連絡位置(基準
位置及び移動位置))に位置する状態で、それぞれ、前記分岐レールに進入又は移行した
ランナーが前記基準レールの方向に走行して前記分岐レールから脱輪するのを規制できる
例えば、前記規制手段(規制部材又は遮断手段若しくは逆走防止手段)は、前記可動レ
ール部材が前記基準位置(基準レールと複数の分岐レールのうち基準分岐レール(所定の
分岐レール)とが連絡可能な基準位置)に位置する状態では、前記可動レール部材と連動
して、複数の分岐レールのうち前記他の分岐レール(意図する進行方向に対応する移動分
岐レール)に移行又は進行したランナーが後退して前記基準レール(又はその端部)に進
入(若しくは逆走)するのを規制又は防止し;前記可動レール部材が前記移動位置(前記
基準レールと、複数の分岐レールのうち他の分岐レール(移動分岐レール)とが連絡可能
な移動位置)に位置する状態では、前記可動レール部材と連動して、前記所定の分岐レー
ル(又は基準分岐レール)に進入又は移行したランナーが前記基準レールに進入(若しく
は逆走)するのを規制又は防止してもよい。このような規制手段(又はシャッター)によ
り、ランナーの脱輪を規制又は防止しつつ、ランナーを所望の方向に移動又は走行させて
方向転換できる。
より具体的には、可動レール部材は、基準レールの端部に、ヒンジ式に回動可能に取り
付けられていてもよく、このヒンジ部を中心として複数の分岐レールに対して接続又は連
絡可能な範囲で回動可能(又は揺動可能)であってもよい。切換ユニットは、この可動レ
ール部材を、前記基準レールとのヒンジ部を中心として回動させ、複数の分岐レールのう
ち所定の分岐レールに向けるための移動又は配向機構(又は所定の分岐レールに連絡させ
るための移動機構又は回動機構)と;前記可動レール部材に取り付けられ、前記移動機構
(又は回動機構)と連動して、可動レール部材が前記基準位置及び移動位置に位置する状
態で、それぞれ、分岐レール(連絡分岐レールとしての基準分岐レール及び移動分岐レー
ル)に進入又は移行したランナーが前記基準レールの方向に走行して前記分岐レールから
脱輪するのを規制するための規制壁(又は遮断壁)とを備えていてもよい。すなわち、こ
の規制壁は、前記可動レール部材に取り付けられ、前記移動機構と連動して、可動レール
部材が基準位置に位置する状態で、前記他の分岐レール(移動分岐レール)に進入又は移
行したランナーが前記他の分岐レール(移動分岐レール)から脱輪するのを規制するとと
もに、前記可動レール部材が他の分岐レール(移動分岐レール)とが連絡可能な移動位置
に位置する状態で、前記所定の分岐レール(基準分岐レール)に進入又は移行したランナ
ーが前記所定の分岐レール(基準分岐レール)から脱輪するのを規制してもよい。
さらに、可動レール部材は、上部取り付け部(天井壁又は上部空間の取付プレートなど
)に取り付け可能であってもよく;上記上部取り付け部への取り付け状態において、この
ような可動レール部材は、下部に形成され(例えば、下端部で両側部方向に延出して形成
され)、ランナーが走行可能な走行壁と;上端部に形成された切り欠き部(例えば、貫通
して形成された切り欠き部)と;この切り欠き部を含む前記上端部に長手方向に延びて装
着された補強軸部材又は補強ピンとを備えていてもよい。例えば、可動レール部材は、長
手方向に延びる支持壁と;この支持壁の下端部に形成された走行壁(ランナーの車輪部が
走行可能な走行路を有す走行壁)と;支持壁の上端部に形成された切り欠き部と;この切
り欠き部を含む前記上端部に長手方向に延びて装着又は嵌入された補強軸部材又は補強ピ
ンとを備えていてもよい。また、前記切り欠き部において、スライド又は摺動可能に前記
補強軸部材又は補強ピンを支持した形態で、前記上部取り付け部(天井壁又は上部空間の
取付プレートなど)に取り付け可能な支持部材と;この支持部材に取り付けられ、前記可
動レール部材の可動域を規制するためのストッパーとを備えていてもよい。
前記可動レール部材は、前記基準レールと複数の分岐レールのうち所定の分岐レールと
が連絡可能な基準位置と、前記基準レールと複数の分岐レールのうち前記所定の分岐レー
ル以外の他の分岐レールとが連絡可能な移動位置とに可動(すなわち、複数の分岐レール
全体に向けて配向可能な範囲で可動)であってもよい。また、前記移動機構(又は回動機
構)は、前記移動位置において、前記ランナーが前記基準レールから他の分岐レールに移
行又は進行した状態で、前記可動レール部材を前記移動位置から基準位置に復帰させるた
めの復帰手段(又は復帰機構)を備えていてもよい。この復帰手段を利用して、可動レー
ル部材を、複数の分岐レールのうち所定の基準分岐レール(所定の分岐レール)の向きに
復帰させることができる。
移動機構(又は回動機構)は、前記可動レール部材を前記移動位置で固定(又はロック
)するためのロック機構(又は係止機構)と、このロック機構を解除して前記可動レール
部材を前記基準位置に復帰させるためのロック解除機構(又は復帰機構)とを備えていて
もよい。このようなロック機構を利用すると、可動レール部材を介して移動位置で前記基
準レールと所定の分岐レールとの間でランナーを円滑に走行させることができ、ランナー
が所定の分岐レール又は基準レールに移行した後、ロック機構を解除することにより、前
記可動レール部材を前記基準位置に復帰させることができる。
また、基準レールは、基準レール本体と、この基準レール本体と接続可能な基準レール
部材(基準レールの長手方向の端部を形成可能なレール部材)とを備えていてもよく、複
数の分岐レールは、複数の分岐レール本体と、このレール本体と接続可能な複数の分岐レ
ール部材(複数の分岐レールの長手方向の端部を形成可能なレール部材)とを備えていて
もよい。さらに、切換ユニットは、天井壁又は上部空間に取り付け又は配置可能な取付プ
レート(又は前記上部取り付け部)と;この取付プレートに取り付け可能な前記基準レー
ル部材と;前記基準レール部材に対して間隔をおいて前記取付プレートに取り付け可能な
前記複数の分岐レール部材とを備えていてもよく;前記基準レール部材の端部に、ヒンジ
式に回動可能に取り付けられ、前記基準レール部材と、複数の分岐レール部材のうち所定
のレール部材(移動分岐レール部材)とを連絡するための可動レール部材と;この可動レ
ール部材を、長手方向に対して交差する方向(又は側部方向)に弾性的に牽引又は引っ張
るためのバネ部材(復帰手段としてのスプリング)と;このバネ部材の弾性に抗して、可
動レール部材を牽引して回動させるためのクランク機構と;前記可動レール部材に取り付
けられ、前記クランク機構の牽引動と連動して可動であり、かつ基準位置及び移動位置に
おいて、前記分岐レールに進入又は移行したランナーが前記基準レール部材の方向に走行
して前記分岐レールから脱輪するのを規制するための板状規制部材とを備えていてもよい
。前記バネ部材(スプリング)とクランク機構とで、前記移動機構を形成してもよく、前
記バネ部材(スプリング)は、復帰機構を形成してもよく、クランク機構は、前記牽引機
構を形成してもよい。
さらに、前記移動機構はクランク機構を備えていてもよく、このクランク機構は、前記
可動レール部材を前記移動位置で固定(又はロック)するためのロック機構(又は係止機
構)と、このロック機構を解除して前記可動レール部材を前記基準位置に復帰させるため
のロック解除機構(又は復帰機構)とを備えていてもよい。例えば、クランク機構は、軸
支部を中心とする回動に伴って可動レール部材を牽引するための可動アーム(又は回動レ
バー)と;この可動アームを回動自在に軸支するための固定部(又は固定壁)と;前記可
動アーム(又は回動レバー)と前記固定部とに形成され、前記移動位置において、前記可
動アームと前記固定部とがロック可能なロック機構(例えば、互いに係合可能な係合機構
)と;前記可動アームの変位に伴ってロック状態を解除して可動レール部材を基準位置に
復帰可能な復帰機構又はロック解除機構とを備えていてもよい。
さらに、固定部に対して可動アームを機械的又は電磁気的に押し付け又は引き寄せ可能
な引き寄せ手段を備えていてもよい。このような引き寄せ手段を備えたクランク機構では
、前記固定部に対して可動レール部材が引き寄せられた状態(例えば、引き寄せ手段とし
ての押圧バネ部材で押し付けられた状態又はソレノイドアクチュエータで吸着された状態
)で、前記移動位置において、前記可動アームと前記固定部とをロック機構でロック可能
であり、前記引き寄せ手段の引き寄せ力(例えば、押圧バネ部材の押し付け力又はソレノ
イドアクチュエータの吸着力)に抗して前記可動アームの変位に伴ってロック状態を解除
して、復帰機構により可動レール部材を基準位置に復帰可能である。
前記複数の分岐レールは、直線状レール及び/又は湾曲したレールであってもよく、基
準レールも直線状レール及び/又は湾曲したレールであってもよい。これらのレール(前
記基準レール及び複数の分岐レール)は、長手方向に対して横方向に屈曲又は曲げ可能で
あってもよい。
前記基準レール及び複数の分岐レールは、長手方向に延びる支持壁と;この支持壁の上
端部及び下端部のうち少なくとも下端部で両側部方向に延出して形成され、ランナーが走
行可能な走行壁とを備えていてもよい。例えば、前記支持壁の少なくとも一方の端部(特
に両端部)で両側部方向に延出して形成された走行壁と;この走行壁に形成され、かつラ
ンナーの車輪部が走行可能な走行路とを備えていてもよい。
さらに、ランナーは、断面コ字状の支持部と、この支持部の両側壁に互いに対向して取
り付けられた軸部と、この軸部に回転可能に取り付けられた車輪部(ローラ)と、前記支
持部の底部壁に取り付けられ、移動体又は被搬送体を接続又は取り付けるための接続又は
連結手段とを備えていてもよい。前記接続又は連結手段は、係止部材(リング、フック部
材など)などで形成してもよく;前記支持部の屈曲コーナー部には、所定幅で内側に凹状
に窪んだ刻設部(又は陥没部)を形成し、補強してもよい。刻設部(又は陥没部)は、長
手方向に間隔をおいて、支持部の屈曲コーナー部に形成してもよい。さらに、前記支持部
の両側壁には、互いに対向して軸部を取り付けてもよく、この軸部は、長手方向に間隔を
おいて取り付けてもよく;この軸部には、回転可能に取り付けられた車輪部(ローラ)を
装着してもよく、車輪部(ローラ)はボールベアリングを備えていてもよい。前記支持部
の両側壁の長手方向に間隔をおいて、車輪部(ローラ)を装着すると、走行路の幅が広が
る分岐部であっても円滑に所定方向に方向転換して走行可能である。
本発明は、ランナーが走行可能な基準レールと、この基準レールから複数の方向に延び
、それぞれランナーが走行可能な複数の分岐レールと、前記の基準レールと複数の分岐レ
ールとの分岐部に配置され、ランナーの進路を転換するための切換ユニットとを備えた、
レール構造も包含する。この切換ユニットは、前記と同様の形態(可動レール部材、移動
機構を備えた形態)を有していてもよく、さらに、規制手段(又は遮断手段)、復帰手段
などを備えていてもよい。さらに、可動レール部材も、前記と同様の形態であってもよい
このようなレール構造において、基準レールは、基準レール本体と、この基準レール本
体と接続可能な基準レール部材とを備えていてもよく、複数の分岐レールは、複数の分岐
レール本体と、このレール本体と接続可能な複数の分岐レール部材とを備えていてもよい
。また、天井壁又は上部空間に取付プレートを取り付け又は配置し;この取付プレートに
前記基準レール部材と前記複数の分岐レール部材とを取り付けてもよい。さらに、レール
構造は、前記取付プレートに取り付け可能な下記の可動レール部材(A)と復帰手段(B
)と規制手段(C)とを備えていてもよい。
(A)前記基準レール部材と、複数の分岐レール部材のうち所定の分岐レール部材(基
準分岐レール部材)とが連絡可能な基準位置と、前記基準レール部材と、複数の分岐レー
ル部材のうち他の分岐レール部材とが連絡可能な移動位置とに可動であり、かつ前記基準
レール部材と前記他の分岐レール部材とを連絡してランナーを走行させるための可動レー
ル部材;
(B)前記移動位置において、前記ランナーが前記基準レール部材から他の分岐レール
本体又は分岐レール部材に移行した状態で、前記可動レール部材を前記移動位置から基準
位置に復帰させるための復帰手段;
(C)前記基準位置及び基準位置において、前記可動レール部材と連動して、前記分岐
レール本体又は分岐レール部材に進入又は移行したランナーが前記基準レール部材の方向
に走行して前記分岐レール部材から脱輪するのを規制するための規制手段;
さらに、前記基準レール本体と複数の分岐レール本体とは、ブラケットにより施工部位
に取り付け可能であってもよい。
なお、前記移動機構は、前記ロック機構及びロック解除機構を備えていてもよい。
なお、本明細書において、基準レールと複数の分岐レールとを単に「レール」、基準レ
ール部材及びその本体と、複数の分岐レール部材及びその本体とを単に「レール部材」と
いう場合がある。本明細書及び特許請求の範囲では、可動レール部材を介して、基準レー
ルと複数の分岐レールのうち所定の分岐レールとが連絡可能な位置を、便宜上、「基準位
置」と称し、この「基準位置」から移動した可動レール部材を介して、基準レールと複数
の分岐レールのうち他の所望の分岐レールとが連絡可能な位置を、便宜上、「移動位置」
と称する場合がある。可動レール部材とともに基準位置に位置する分岐レールを「所定の
分岐レール」又は「基準分岐レール」と称し、可動レール部材とともに移動位置に位置す
る分岐レールを「他の分岐レール」又は「移動分岐レール」と称する場合がある。さらに
、「基準位置」及び「移動位置」を「連絡位置」と総称し、可動レール部材を介して基準
レールと連絡可能な分岐レール、すなわち「基準位置」及び「移動位置」における分岐レ
ールを「連絡分岐レール」と総称する場合がある。
なお、可動レール部材は、可動レール部材が始動するスタート位置(始動位置)におい
て、基準レールから、複数の分岐レールの間(分岐レールと連絡不能な又はランナーが走
行不能な方向)に向いていてもよく、複数の分岐レールのうち任意の分岐レールを向いて
いてもよく、前記基準位置、前記移動位置に向いて位置していてもよい。また、可動レー
ル部材は、「移動位置」にあっても、この「移動位置」を新たな基準位置として第2の移
動位置に位置又は移動する場合がある。そのため、「基準位置」及び「移動位置」は、相
対的な位置関係を示すものであり、「基準位置」及び「移動位置」がそれぞれ「移動位置
」及び「基準位置」となる場合があり、スタート位置(始動位置)が「基準位置」及び「
移動位置」のいずれかとなる場合がある。
本発明では、複数のレールが分岐した分岐レール構造であっても、切換ユニットにより
、ランナーを所定の方向に円滑に誘導又は案内できる。また、規制手段により、ランナー
の逆走も防止でき、所定の方向にランナーを走行できる。さらに、可動レール部材を、補
強ピンを支持した形態で取り付けて、移動機構により移動又はさせることができ、大きな
荷重が作用しても円滑にランナーが走行可能である。さらには、所定のレール構造及びラ
ンナーを使用することにより、所定の荷重が作用しても円滑にかつ安定してランナーが走
行可能である。さらに、走行路の幅が広がる分岐部であっても円滑に所定方向に方向転換
して走行可能である。そのため、本発明の切換ユニット及びレール構造は、物品などの種
々の被搬送体、又は高齢者や身体障害者などの歩行が困難な利用者などの移動体を、非直
線的に所定の方向及び場所に移動又は搬送するのに有用である。
図1は本発明の切換ユニットを備えたレール構造の一例を示す概略斜視図である。 図2は図1の切換ユニットを備えたレール構造を示す概略底面図である。 図3は基準位置での図1の切換ユニットを示す概略斜視図である。 図4は移動位置での図1の切換ユニットを示す概略斜視図である。 図5は図1の切換ユニットの動作を説明するための概略図である。 図6は図1の切換ユニットの板状規制部材とレールとの関係を示す概略図である。 図7は図1のレールを示す概略図である。 図8は図1のレールとランナーとの関係を示す概略斜視図である。 図9は図1のレールとストッパーとの関係を示す概略斜視図である。 図10は図1のレールとストッパーとランナーとの関係を示す一部切り欠き概略側面図である。 図11は図1のレール本体を連結して取付可能なブラケットを示す概略分解斜視図である。 図12は図1のレール本体を取付可能な他のブラケットを示す概略斜視図である。 図13は図1のレール本体を取付可能なさらに他のブラケットを示す概略図である。 図14は図1のレール本体を取付可能な別のブラケットを示す概略図である。 図15は本発明の切換ユニットを備えたレール構造の他の例を示す概略底面図である 図16は図15に示す切換ユニットの可動レール部材の動作を説明するための概略底面図である。 図17は本発明の切換ユニットの他の例を示す概略底面図である。 図18は本発明の切換ユニットのさらに他の例を示す概略底面図である。 図19は本発明の切換ユニットを備えたレール構造の別の例を示す概略底面図である。 図20は図19の切換ユニットのロック解除状態を示す概略斜視図である。 図21は図19の切換ユニットのロック状態を示す概略斜視図である。
以下に、添付図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。なお、以下、同じ部材又は要
素(若しくは同様の機能を有する部材又は要素)については同じ符号を付して説明する。
図1~図8に示す切換ユニット及びレール構造は、直線状に延び、ランナーが走行可能
な基準レール1と、この基準レールの端部から複数の方向に分岐して延び、それぞれラン
ナーが走行可能な2つの分岐レール2,3とを備え、これらの分岐レールは、2つのレー
ル、すなわち、基準位置において、可動レール部材15により、前記基準レール1と連絡
可能であり、かつ直線状に延びる所定の分岐レール(基準分岐レール)2と、移動位置に
おいて、可動レール部材15により、前記基準レール1と連絡可能であり、かつ湾曲した
所望の分岐レール(移動分岐レール)3とを備えている。
図1及び図2に示されるように、前記レール[基準レール1及び2つの分岐レール(基
準分岐レール2及び移動分岐レール3)]は、それぞれ、アルミニウムなどの金属の押出
成形により、断面I字状の形態に形成され、長手方向に延びる細幅の支持壁(板状支持壁
)4と、この支持壁の両端部(上下部)に形成され、両側部方向に延出して形成された走
行壁5と、この走行壁5の上壁面(内壁面)に断面U字状(湾曲した凹状溝)に形成され
、かつランナー31の車輪部34が走行可能な走行路6と、走行壁5の外壁のうち、前記
支持壁4との交点部に形成され、長手方向に延びるアリ溝状の溝部(連結孔)7(上部壁
溝部7a及び下部壁溝部7b)とを備えている。なお、この溝部(連結孔)7は、連結ピ
ン8を利用してレール部材とレール本体とを連結するのに利用できる。支持壁4の両側壁
には、縦方向に間隔をおいて、長手方向に延びる複数の溝部9が形成されている。具体的
には、支持壁4は、走行壁5の基部側が厚肉の断面三角形状に形成された補強傾斜壁部と
、これらの補強傾斜壁部を連結する平坦支持壁と、この平坦支持壁の両側壁に、縦方向に
等間隔に、長手方向に延びて形成された5つの溝部9とを有している。
このようなレールは、前記複数の溝部9を利用して、長手方向に対して横方向に曲げ加
工可能である。そのため、直線状の走行路と屈曲又は湾曲した走行路とを組み合わせて複
数のステーション(被移送体の交換又は積み卸し場)を経由可能なレール構造を有する移
送路(又は搬送路)を形成でき、ランナー31に接続又は連結された被移送体を所定のス
テーションに移送し、被移送体を着脱して交換できる。
図1及び図2に示されるように、前記基準レール1は、基準レール1の長手方向の端部
を形成する短尺の直線状の基準レール部材1aと、連結ピン8を利用して、この基準レー
ル部材1aと連結又は接続可能な長尺な基準レール本体1bとを備えており、複数の分岐
レール2,3も、それぞれ複数の分岐レール2,3の長手方向の端部を形成する複数の短
尺の直線状の分岐レール部材2a,3a(基準分岐レール部材2a及び移動分岐レール部
材3a)と、連結ピン8を利用して、短尺の直線状の分岐レール部材2a,3aと連結又
は接続可能で長尺な複数の分岐レール本体2b,3b(基準分岐レール本体2b及び移動
分岐レール本体3b)とを備えている。なお、以下の説明において、基準位置で基準レー
ル(又は基準レール部材)と連絡可能な分岐レール(又は分岐レール部材)を基準分岐レ
ール(又は基準分岐レール部材)、移動位置で基準レール(又は基準レール部材)と連絡
可能な分岐レール(又は分岐レール部材)を移動分岐レール(又は移動分岐レール部材)
と記載している。
さらに、前記基準レール部材1aと前記複数の分岐レール部材2a,3aとは、それぞ
れ所定間隔をおいて、天井壁又は上部空間に取り付け固定又は配置可能な取付プレート1
1に取り付けられている。すなわち、平板状であり、かつ天井壁などに取り付け可能な取
付プレート11には、基準レール部材1aと基準分岐レール部材2aとが間隔をおいて対
向して(又は軸線を同じくして対峙して)、前記レール部材1a,2a,3aの両側部の
鍔状の走行壁5を、ネジ部材13を用いて挟着固定部材12と取付プレート11とで挟着
して取り付けられ、移動分岐レール部材3aは、基準分岐レール部材2aの側部に間隔を
おいて隣接し(平行な形態で隣接し)、前記移動分岐レール部材3aの走行壁を、ネジ部
材13を用いて挟着固定部材12と取付プレート11とで挟着して取り付けられている。
前記基準レール部材1aと、基準分岐レール部材2a及び移動分岐レール部材3aとの
間の分岐部には、可動レール部材15が配設され、基準レール部材1aとの連絡路が、基
準分岐レール部材2a又は移動分岐レール部材3aとに振り分けられる。すなわち、前記
基準レール部材1aの端部には、可動レール部材15がヒンジピン16によりヒンジ式に
回動可能に取り付けられており、基準位置において、この可動レール部材15は、基準レ
ール部材1aと基準分岐レール部材2aとを直線的に連絡し、移動位置において、可動レ
ール部材15は、基準レール部材1aと移動分岐レール部材3aとが連絡可能である。前
記可動レール部材15は、ヒンジ部(ヒンジピン16)を中心として、前記基準レール部
材1aと、移動分岐レール部材3aとの方向に向く回動範囲で回動可能である。なお、前
記可動レール部材15は、前記レール[基準レール1及び2つの分岐レール2,3]と同
様の断面形状を有している。
より詳細には、図3,図4及び図7に示されるように、取付プレート11に取り付け可
能な可動レール部材15の上端部のうち、長手方向の異なる部位(ヒンジ部16側及び可
動域の広い先端部側の部位)は切り欠かれ、これらの切り欠き部17a,17bを含む前
記上端部の前記溝部7(7b)には、補強軸部材又は補強ピン18が嵌入して装着されて
可動レール部材15が補強されており、これらの切り欠き部17a,17bでは、補強軸
部材又は補強ピン18が遊離している。すなわち、切り欠き部17a,17bは、前記溝
部(連結孔)7(7b)よりも上部の位置まで刳り抜かれて形成され、補強軸部材又は補
強ピン18と切り欠き部17a,17bの下部壁との間には、配置空間が形成されている
。これらの切り欠き部17a,17bの配置空間には、補強軸部材又は補強ピン18を下
部から支持した形態で細幅の板状支持部材19(19a,19b)が配設され、この板状
支持部材の両側部は、ネジ部材20により前記取付プレート11に取り付け又は固定され
ている。このような形態では、補強軸部材又は補強ピン18を板状支持部材19a,19
bにより複数箇所で支持可能であるため、切り欠き部17a,17bを形成しても、可動
レール部材15を大きく補強できるとともに、板状支持部材19a,19bを補強軸部材
又は補強ピン18が摺接しつつ、可動レール部材15が回動可能である。なお、可動レー
ル部材15の前記可動範囲(回動範囲)に対応して、ヒンジ部16側の支持部材19aの
長さは、先端部側の支持部材19bの長さよりも小さく形成されているとともに、前記基
準位置からの可動レール部材15の回動軌跡に対応させて、板状支持部材19は、前記基
準位置から前記移動位置の方向にいくにつれて、ヒンジ部16側に傾斜している。
図1及び図2に示されるように、可動レール部材15の一方の側部の取付プレート11
には、可動レール部材15を長手方向に対して交差する側部方向に弾性的に引っ張るため
のバネ部材(スプリング)22が取り付けられ、板状支持部材19のうち先端部側の支持
部材19bの両側部位には、可動レール部材15の前記可動範囲(回動範囲)を規定する
停止部材(ストッパー)21(第1及び第2の停止部材21a,21b)が取り付けられ
ている。そのため、可動レール部材15は、基準位置では、バネ部材(スプリング)22
で牽引され、かつ第1の停止部材21aにより移動が規制されて基準レール部材1aと対
向して位置し、移動位置では、バネ部材(スプリング)22の弾性(引っ張り力)に抗し
、かつ第2の停止部材21bにより過度な移動が規制されて移動分岐レール部材3aに向
いて位置する。
図3~図6に示されるように、このような可動レール部材15は、クランク機構23に
より、前記バネ部材22の弾性に抗して牽引されて前記移動位置に回動可能である。すな
わち、前記クランク機構23は、取付プレート11のうち、前記ヒンジ部16に対して長
手方向の反対側であり、かつ前記バネ部材(スプリング)22とは反対側の側部又は端部
(バネ部材22と対向する反対側)に取り付けられており、端部に牽引紐又は鎖24が取
り付可能な可動アーム25と、この可動アームを回動可能に軸支し、取付プレート11に
取り付け又は固定された固定壁26と、前記可動アーム25に一方の端部が回動可能に軸
支され、かつ他方の端部が前記可動レール部材15に取り付けられた棒状又は板状の牽引
杆27とを備えている。この例では、可動アーム25はその下部が幅広の平板状に形成さ
れており、可動アーム25による作用部位を異にして牽引杆27を牽引するため、前記幅
広部において、可動アーム25の軸線と固定壁26との軸支部とを結ぶ直線に対して、牽
引杆27との軸支部は、長L字状の位置関係で位置しており、幅広部において、固定壁2
6との軸支部は可動レール部材15側の途中部に位置し、牽引杆27との軸支部は、可動
レール部材15とは反対側の下部に位置している。このような牽引杆27は、牽引紐又は
鎖24の牽引に伴って、バネ部材(スプリング)22の弾性(引っ張り力)に抗して可動
レール部材15を牽引し、可動レール部材15を移動分岐レール部材3aに向けて移動又
は回動させて、前記移動位置で基準レール部材1aと移動分岐レール部材3aとを連絡さ
せる。そのため、ランナー31は、前記移動位置において、基準レール部材1aから移動
分岐レール部材3aに移行又は走行可能である。
一方、牽引紐又は鎖24の牽引を解除すると、バネ部材(スプリング)22の弾性(引
っ張り力)により可動レール部材15は基準分岐レール部材2aに向けて移動又は回動し
て、前記基準位置に復帰し、この基準位置で基準レール部材1aと基準分岐レール部材2
aとを連絡させる。そのため、バネ部材(スプリング)22は、復帰機構を形成する。こ
のようなバネ部材(スプリング)22による復帰機構とクランク機構23とは、可動レー
ル部材15を所定の方向に配向又は移動させるための移動機構又は配向機構(若しくは回
動位置合わせ機構)を形成する。
このような構造において、基準レール部材1aから基準分岐レール部材2aにランナー
31が移行又は移動した状態で、可動レール部材15が移動位置に回動すると、基準分岐
レール部材2aに沿ってランナー31が逆行して脱落する虞がある。さらに、基準レール
部材1aから移動分岐レール部材3aにランナーが移行又は移動した状態でも、可動レー
ル部材15が基準位置に復帰すると、移動分岐レール部材3aに沿ってランナーが逆行し
て脱落する虞がある。
そのため、前記可動レール部材15には、可動レール部材15が移動位置に回動した状
態、並びに移動位置から基準位置に復帰した状態において、前記基準分岐レール部材2a
又は移動分岐レール部材3aに移行又は進行したランナー31が前記基準レール部材1a
(可動レール部材15)の方向に走行して基準分岐レール部材2a又は移動分岐レール部
材3aから脱落又は脱輪するのを規制するための板状規制部材(又は脱落防止壁若しくは
逆走防止板)28が取り付け又は固定されている。この例では、可動レール部材15には
、移動位置では基準レール部材1aと基準分岐レール部材2aとの連絡路を遮断し、基準
位置では基準レール部材1aと移動分岐レール部材3aとの連絡路を遮断するための板状
規制部材28が取り付けられ、この板状規制部材は、前記クランク機構23の牽引動(可
動レール部材15の回動動作)と連動して、取付プレートに固定された案内部材29の案
内溝30に沿って可動である。なお、板状規制部材(逆走防止板)は、基準位置では、移
動分岐レール部材3aに移行したランナー31が基準レール部材1a(可動レール部材1
5)に後退又は逆走して脱輪するのを規制又は防止するための第1の板状部28aと、移
動位置では、基準分岐レール部材2aに移行したランナー31が基準レール部材1a(可
動レール部材15)に後退又は逆走して脱輪するのを規制又は防止するための第2の板状
部28bとを備えており、この第2の板状部は、基準位置において、基準レール部材1a
の側方部(移動分岐レール部材3aに対して反対側の側方部)に位置している。すなわち
、板状規制部材(逆走防止板)のうち、可動レール部材15の軸方向に対応する部位には
、ランナー31が走行又は通過可能な切り欠き開口部(通過部)が形成されている。
このような切換ユニット及びレール構造では、基準レール1と分岐レール2,3との分
岐部(交差部)において、ランナー31の進路を所定の方向に誘導又は案内して切り換え
ることができ、分岐したレール構造でもランナー31を円滑に方向転換できる。
さらに、図8に示されるように、前記レールに沿って走行可能なランナー31は、対向
する両側壁32a,32b及び下部壁32cを有し、上部が開放した断面コ字状の支持部
32と、この支持部の両側壁32a,32bに対向して、かつ走行方向に間隔をおいて取
り付けられた二対の軸部材33(33a,33b)と、これらの軸部材に回転可能に取り
付けられ、レールの走行路6を走行可能な二対の車輪部(回転体、又は外周部が樹脂又は
金属で被覆されたボールベアリング)34(34a,34b)とを備えている。なお、車
輪部34の外周は、前記レールの走行路6に対応して、断面形状において、外方向に湾曲
してタイヤ状に形成されている。また、ランナー31(支持部32)を補強するため、断
面コ字状の支持部32の屈曲コーナー部には、長手方向に間隔をおいて、所定幅で内側に
凹状に窪んだ陥没部(又は刻設部)35が形成され、支持部32の下部壁32cには、軸
部材36が周方向に回転可能に取り付けられ、この軸部材には、接続又は連結手段として
、被移送体(被搬送体)を着脱可能に取付又は連結するためのリング部材37が揺動可能
に取り付けられている。
このようなランナー31が、リング部材37に懸垂状態で被移送体を取り付けた状態で
、レールに沿って走行すると、前記レールの支持壁4の両側部の走行壁5において、車輪
部34がボールベアリングにより円滑に回転可能であるため、大きな速度でランナー31
を走行できるとともに、大きな速度で走行させても車輪部34が脱輪することなく円滑に
走行できる。さらに、ランナー31の断面コ字状の支持部32の屈曲コーナー部には、両
側壁32a,32bが外方向に開くのを防止するため、内側に凹状に窪んだ補強用陥没部
(又は刻設部)35が形成され、しかも長手方向に間隔をおいて両側壁32a,32bに
取り付けられた二対の車輪部34で被移送体を支持できるため、重量の大きな被移送体で
あっても円滑に移送できる。さらには、二対の車輪部34が両側壁32a,32bの長手
方向に間隔をおいて取り付けられているため、可動レール部材15と、基準レール1及び
分岐レール2,3との連絡部の幅が広くても、ランナー31が脱輪することがなく、円滑
に走行できる。
さらに、図9及び図10に示すように、前記レール[基準レール本体1b及び2つの分
岐レール本体2b,3b]には、ランナー31を所定の位置又は場所で停止させるため、
ストッパー41が取り付けられている。このストッパー41は、バネ鋼材で細幅の板状に
形成され、長手方向の両側部に形成され、前記レール1b~3bの走行壁5の下部壁に取
り付け可能な板状取付部42a,42bと、これらの取付部の間においてレール1b~3
bから遊離する遊離部に、前記取付部42a,42bに隣接して形成された2つの山形状
弾性変形部43a,43bとを備えており、弾性変形部は、常態では、前記取付部42a
,42bから下方向に膨らんでアール状に湾曲した第1の湾曲部44a,44bと、これ
らの第1の湾曲部の頂点から上方向に膨らんで緩やかに湾曲した谷部又は第2の湾曲部(
弛んだ形態の谷部、又は吊り橋状に半円状に湾曲する谷部)45とを有しており、遊離部
は、全体としてアーチ状の形態を有していてもよい。
このようなストッパー41をレール1b~3bの走行壁5の下部壁に取り付けると、第
1の湾曲部44a,44bがアール状に湾曲しているため、ランナー31の走行に伴って
、ランナー31の底部壁32cが第1の湾曲部44a,44bと接触し、弾性変形部43
a,43bのバネ変形(圧縮弾性変形)に伴って、ランナー31は弾性変形部43a,4
3bの頂部を乗り越えて、谷部(第2の湾曲部)45に侵入して停止する。特に、第1の
湾曲部44a,44bがアール状に湾曲しているため、一方の方向から走行するランナー
31がストッパー41内に侵入しやすく、先行する弾性変形部43aの頂部を乗り越えて
、谷部45に一旦侵入すると、後続の山形状弾性変形部43bに向かって上方向(図では
下方向)に傾斜しているため過度の侵入が抑制され、谷部45に戻って停止する。そのた
め、前記ランナー31のリング部材37に取り付けた被移送体(被搬送体)を所定のステ
ーションで停止できる。さらに、弾性変形部43a,43bの頂部間の谷部45が弛んだ
形態であるため、ストッパー41の両端部(取付部42a,42b)がレール1b~3b
に固定されていても、弾性変形部43a,43bのバネ変形に伴って伸縮動を吸収できる
。そのため、上記谷部45は吸収部と称することもできる。また、ストッパー41のいず
れの端部(取付部42a,42b)の方向(双方向)からランナー31が大きな速度で走
行しても、ランナー31に衝撃力を作用させることなく、弾性変形部43a,43bのバ
ネ変形力をランナー31に作用させ、ランナー31を前記谷部45で円滑に停止させるこ
とができる。さらには、谷部45で停止したランナー31は、牽引力を作用させることに
より、弾性変形部43a,43bを乗り越えることができ、ランナー31を双方向に走行
させることができ、前記ランナー31のリング部材27に取り付けた被移送体(被搬送体
)を所定のステーションに円滑に移送又は搬送できる。
そのため、開始ステーションでランナー31のリング部材37に懸垂状態で被移送体を
取り付け、ランナー31を走行させ、第1のステーションで、懸垂状態で取り付けられた
被移送体をリング部材37から取り外して、開始ステーションにランナー31を返送する
こともでき、第1のステーションで、必要により新たな被移送体をリング部材37に取り
付けて(又は新たな被移送体に交換して)、後続の第2のステーションに移送することも
できる。このような前記ストッパー41は、少なくとも1つのステーションで被移送体を
着脱交換可能に移送するための移送システムを形成するのに有用である。
なお、前記レール[基準レール本体1b及び2つの分岐レール本体2b,3b]は、天
井壁又は上部空間の取付部及び/又は側壁にブラケットを利用して取り付けられ、レール
構造を形成している。例えば、図11に示されるように、ブラケットとしての係合連結部
材51は、隣接するレール本体1b,2b,3bを連結可能であるとともに上部壁(天井
壁又は上部空間の壁部)に対して取付可能であり、ジョイントカバー及びブラケットとし
て機能させることができる。すなわち、このブラケット(係合連結部材)51は、ネジ部
材により上部壁に取り付け可能な板状取付部52と、この板状取付部の一方の端部に形成
され、延出被係合部としての隣接する走行壁5に対して係合可能な係合屈曲部53と、前
記板状取付部52の他方の端部から延び、かつネジ部材が螺合可能な側壁部54とを備え
ており、この側壁部での螺合により、ネジ部材は、前記走行壁5の下部に進入し、走行壁
5に対して係合可能である。
このような係合連結部材(板状連結取付部材)51を利用して、前記構造のレール又は
レール部材の前記溝部(連結孔)7(7a,7b)に前記連結ピン8を装着又は嵌入する
とともに、ネジ部材により上部壁(天井壁又は上部空間の壁部)に板状取付部52を取り
付け、走行壁(延出被係合部)5を係合屈曲部53を係止し、ネジ部材を前記走行壁5に
螺合させることにより、レール又はレール部材を連結してレール構造を形成できる。この
ような係合連結部材51を利用すると、互いに隣接する複数のレール本体(基準レール本
体1b,基準分岐レール本体2b,移動分岐レール本体3b)の連結のうち少なくとも1
つの連結を、前記連結ピン8と係合連結部材51とを利用して行うことができ、係合連結
部材51を利用して上部壁に取り付け可能である。を連結して延長することもできる。
図12に示すブラケット55は、ネジ部材により上部壁に取り付け可能な板状取付部5
6と、この板状取付部の両端部から屈曲又は湾曲して延び、両側方に延びる走行壁5を挟
持可能な板状挟持部(係合壁)57a,57bとを備えている。このようなブラケット5
5は、レールの走行壁5にスライド式に挿入又は装着し、挟持部57a,57bと板状取
付部56とを貫通した形態の取付孔58(装着状態で前記走行壁5に隣接する挟持部57
a,57bに形成された取付孔と、板状取付部56の両側部に形成された取付孔)にネジ
部材60を装着して螺合させ、前記走行壁5を介して、挟持部57a,57bと板状取付
部56とを締結しつつ上部壁に取付可能である。なお、板状取付部56の中央部には皿加
工孔(皿孔)59が形成されており、この加工孔59に下方からネジ部材を螺合させてブ
ラケット55を上部壁に取り付けてもよい。
さらに、施工箇所の構造などに応じて、レール構造は、上部壁(天井壁又は上部空間の
壁部)又は側壁から遊離した形態で形成することもできる。例えば、図13に示されるよ
うに、ブラケット61は、挟着機構を利用しており、レール又はレール部材の支持壁(板
状支持壁)4を断面逆傘状の形態で挟着可能な所定幅の挟着部(爪部)63a,63bを
有する一対の挟着部材(板状の挟着部材)62a,62bを備えており、逆五角形状の挟
着部位(挟着枠)を形成している。すなわち、第1の挟着部材62a及び第2の挟着部材
62bは、前記支持壁4の両側壁をそれぞれ挟着可能な挟着部(爪部)63a,63bと
、立設壁64a,64bを介して、この挟着部から横方向に延びる延出壁65a,65b
と、この延出壁から屈曲して延び、ネジ部材などで互いに締結可能な被締結壁66a及び
締結壁66bとを有しており、レール又はレール部材の支持壁4(又は支持壁4の溝部9
)に挟着部(爪部)63a,63bが係止した状態で、被締結壁66aに対して締結壁6
6bをネジ部材69で締結することにより、レール又はレール部材の支持壁4を一対の挟
着部材62a,62bで挟着可能である。さらに、第1の挟着部材62aは、板状部材の
成形により形成されたブラケット本体を構成しており、被締結壁66aから屈曲して延び
、被取付部(天井壁などの上部壁)に取り付け可能な取付壁67を備え、前記取付壁67
をネジ部材70などで被取付部(天井壁などの上部壁)に取り付けることにより、レール
又はレール部材を所定の部位に取り付けて施工可能である。すなわち、第2の挟着部材6
2bは、取付壁67及び補強部68を備えていない点を除き、前記第1の挟着部材62a
と対称な形態に形成されている。この挟着部材(ブラケット本体)62aにおいて、被締
結壁66aと延出壁65aとのコーナー部、被締結壁66aと取付壁67とのコーナー部
は、それぞれ筋交い状補強部68により補強されている。
なお、被取付部に対してレール又はレール部材を強固に取り付けるため、前記補強部6
8で補強するとともに、第1の挟着部材62aは、第2の挟着部材62bよりも厚みが大
きく形成されている。
さらに、補助ブラケット(二次ブラケット)を利用することにより、前記ブラケット6
1は、側壁などにも取り付け可能である。例えば、図14に示されるように、補助ブラケ
ット(二次ブラケット)71は、ネジ部材75で前記取付壁67に取り付け可能なプレー
ト部72と、このプレート部から断面L字状に屈曲して立ち上がり、側壁に対して、ネジ
部材76などの取り付け手段で取り付け可能な起立壁部73と、前記プレート部72と起
立壁部73とに筋交い状に取り付けられた補強部材(筋交い部材)74とを備えている。
なお、前記被締結壁66a及び/又は締結壁66bからは、屈曲することなく上方に延
びる取付壁67を形成し、この取付壁を、上部壁又は上部取付部から垂下又は吊り下げ状
態で延びる保持部材に取り付けてもよく、この保持部材は、下部に前記取付壁との取付部
を有し、この取付部から断面直線状又は複数の方向に延びる分岐状(Y字状など)の形態
で延び、前記上部壁又は上部取付部に取り付け可能な棒状又は板状部材とを備えていても
よい。
このような切換ユニット及びレール構造では、レール及びレール部材を所定箇所に安定
かつ強固に配置できるとともに、切換ユニットを利用して可動レール部材15の向きを所
定の方向に切り換えて被移送体を懸垂状態で進行させて円滑に移送可能な移送システムを
形成できる。なお、前記形態の切換ユニットは、基準分岐レール2に対する移動分岐レー
ル3の位置と移動機構による可動レール部材15の可動方向とを調整することにより、左
方向又は右方向へ可動レール部材を切り換えるための、左分岐ユニット又は右分岐ユニッ
トを形成してもよい。
なお、前記の図示する例のレール構造では、2つの分岐レール2,3を利用して被移送
体を移送しているが、ランナーが走行可能な複数の分岐レールを利用してもよい。
図15及び図16は、本発明の切換ユニット及びレール構造の他の例を示す。なお、以
下の例において、前記図1~図7に示すのと同様の要素及び部材には、同一の符号を付し
て説明する。この例では、基準レール1と、3つの分岐レール82,83,84とを備え
、3方向に分岐する例(3分岐ユニットの例)が示されており、前記と同様に、基準レー
ル1は、短尺の直線状の基準レール部材1aと、長尺な直線状の基準レール本体1bとを
備えており、3つの分岐レール82,83,84のうち中央部に位置する基準分岐レール
83は、短尺の直線状の基準分岐レール部材83aと、長尺な直線状の分岐レール本体8
3bとを備え、両側部に位置する分岐レール82,84は、短尺の直線状の第2及び第3
の分岐レール部材82a,84aと、長尺で湾曲した分岐レール本体82b,84bとを
備えている。なお、各レール部材とレール本体とは、前記と同様に、連結ピン(図示せず
)を利用して互いに連結又は接続可能である。
取付プレート11には、前記と同様に、基準レール部材1aの端部にヒンジ式に回動可
能に取り付けられた可動レール部材85を介して、基準レール部材1aと、基準分岐レー
ル部材83aとが互いに対向又は対峙して取り付けられ、第2及び第3の分岐レール部材
82a,84aは、基準分岐レール部材83aと所定間隔をおいて互いに平行な位置関係
で取り付けられている。
前記可動レール部材85の両側部には、それぞれ、可動レール部材85を弾性的に牽引
及び復帰させるバネ部材(スプリング)92a,92bと、クランク機構93a,93b
とが取り付けられている。なお、可動レール部材85には、位置を異にして貫通孔が形成
され、この貫通孔に、各スプリング92a,92bの端部の取付軸95a,95bが遊ん
で挿入され、かつ取付軸の先端部が貫通孔の壁部と係合した形態で抜け不能に接続又は取
り付けられている。そのため、可動レール部材85が一方の方向に回動しても、他方の方
向(回動方向)に位置するスプリング92a,92bの取付軸95a,95bが貫通孔を
挿通し、可動レール部材85の回動を損なうことがない。
また、クランク機構93a,93bは、前記幅広部を有する可動アームに代えて、先端
部がL字状に屈曲し、屈曲先端部で牽引杆が軸支可能な可動アーム(又はレバー)が使用
されている点を除き、前記クランク機構23と同様の形態及び機能を備えている。
また、前記可動レール部材85の先端部(基準分岐レール部材83a側)には、板状規
制部材(逆走防止板又はシャッター)98が取り付けられ、前記可動レール部材85と基
準分岐レール部材83aとが連絡した基準位置では、第2及び第3の分岐レール部材82
a,84aに移行したランナーが基準レール部材1a(可動レール部材85)に逆走して
脱輪するのを規制し、前記可動レール部材85と、第2及び第3の分岐レール部材82a
,84aのいずれかの分岐レール部材とが連絡した移動位置では、基準分岐レール部材8
3a及び他の分岐レール部材に移行したランナーが基準レール部材1a(可動レール部材
85)の方向に逆走して脱輪するのを規制している。
なお、この例では、前記基準位置からの可動レール部材85の回動に対応させて、基準
分岐レール部材83a、第2及び第3の分岐レール部材82a,84aの端面(可動レー
ル部材85と対向可能な端面)は、可動レール部材85の回動軌跡に沿った形態で形成さ
れている。
このような切換ユニットでは、スプリング92a,92bとクランク機構93a,93
bとを組み合わせた移動機構を利用して、3つの分岐レール部材82a~84aに向けて
可動レール部材85を配向又は分配でき、ランナーを3つの分岐レール部材82a~84
aのいずれかに選択的に移行させることができる。
[レール]
レールは、ランナーが走行可能な少なくとも1つの基準レールと、この基準レールから
複数の方向に分岐して延び、それぞれランナーが走行可能な複数の分岐レールとを備えて
いればよく、用途及び被搬送体の搬送ルートなどに応じて、基準レールは、複数(少なく
とも2又は3つ)の基準レールを備えていてもよく、分岐レールは、3以上の複数の分岐
レールを備えていてもよい。前記基準レールは、直線状レール及び/又は湾曲したレール
で形成してもよく、前記複数の分岐レールも直線状レール及び/又は湾曲したレールで形
成してもよく、閉じた形態のループ状走行路を形成してもよい。このようなループ状走行
路では、周方向に間隔をおいて、少なくとも2つ(特に少なくとも3つ)の分岐走行路(
基準レールで形成された走行路)が分岐していてもよい。ループ状走行路の形態は特に制
限されず、例えば、ループ状走行路は、多角枠状(正三角枠、二等辺三角枠などの三角枠
、正四角枠、長方形状の枠などの四角枠、五角枠、六角枠など)、楕円枠状、円枠状(リ
ング状)などの枠状の形態であってもよく、基準レールで形成された分岐走行路は、ルー
プ状走行路から放射方向に延びていてもよい。
基準レールは、基準レール本体と、この基準レール本体と接続可能な基準レール部材と
を備えていてもよく、複数の分岐レールは、複数の分岐レール本体と、このレール本体と
接続可能な複数の分岐レール部材とを備えていてもよい。このような形態では、基準レー
ル部材は、基準レールの長手方向の端部を形成し、複数の分岐レール部材は、複数の分岐
レールの長手方向の端部を形成できる。そのため、基準レール部材と複数の分岐レール部
材とを取付プレートに取り付け又は固定することにより、基準レール本体と複数の分岐レ
ール本体とが連絡又は接続可能であってもよい。
なお、前記図に示す形態と異なり、基準レール(又は基準レール部材)に対して、複数
の分岐レールのうち所定の分岐レール(又は分岐レール部材)は、所定間隔をおいて、対
向している必要はなく、複数の分岐レール部材は、互いに平行に配置することなく、互い
に異なる方向に向いて配置してもよい。
前記レール(基準レール及び複数の分岐レール)の構造は、ランナーが走行可能な走行
部を備えていれば特に制限されず、例えば、断面中空状(下部に長手方向に延びるスリッ
ト状開口部を有する断面中空状、例えば、四角枠中空状)の形態を有していてもよいが、
好ましいレールは、通常、断面T字状(又は逆T字状)又はI字状の形態を有している。
このようなレールは、長手方向に延びる支持壁(板状支持壁)と;この支持壁の少なく
とも下端部(特に、両端部)に両側部方向に延出して形成された走行壁と、この走行壁に
形成され、かつランナーの車輪部が走行可能な走行路とを備えていてもよい。このように
、レールは、少なくとも下部走行壁を有していればよく、レールの上部(又はランナーの
非走行部)は、必ずしも必要ではないが、天井壁又は上部空間に取り付け又は配置可能な
取付プレートなどの部材に対して取り付け又は固定可能であってもよく、側部方向に延出
した板状部などで形成してもよい。通常、上下左右の対称構造、例えば、上部走行壁及び
下部走行壁を有する場合が多い。このような対称構造のレールを用いると、折り曲げ加工
精度が高く、上下の方向性がなく、しかも右曲がりレールを反転させると左曲がりレール
として施工でき、施工性を高めることができ、変形も抑制できる。また、上部走行壁及び
下部走行壁にはアリ溝状の溝部7を形成する必要はないが、複数の隣接するレールの溝部
7に連結ピンを装着又は挿入し、連結ピンで複数のレールを接続又は連結してもよい。
このようなレールは、左右及び/又は上下対称形状に形成してもよくランナーが垂下又
は懸垂状態で走行可能な前記下部走行壁に取り付け可能である。このようなレール部材に
おいて、支持壁に延びる溝3は必ずしも必要ではなく、走行路は、断面U字状に窪んで湾
曲している必要はなく、断面凹状(又は断面コ字状)に形成してもよく、断面凸状(又は
凸条若しくは周縁部の凸条)に形成してもよく、平坦であってもよい。なお、断面凸状の
走行路は、走行路の幅方向の適所、例えば、中間部や外周部(外縁部)に形成してもよい
レールは、必ずしも曲げ加工する必要はないが、施工箇所の形態などに応じて、長手方
向に対して横方向(例えば、支持壁に対して直交する方向)に屈曲又は曲げ可能であるの
が好ましい。また、レールの支持壁の長手方向に延びる溝部9も必ずしも必要ではないが
、支持壁の長手方向に少なくとも1つの溝部(例えば、レールの支持壁の高さに応じて、
2~10、好ましくは3~7、さらに好ましくは4~6程度の複数の溝部)を形成すると
、長手方向にいくにつれて屈曲又は湾曲させる曲げ加工しても、歪みが生じることなく、
平滑なレールを形成できる。
なお、機械的強度を大きくし、重量物の移送に利用しても耐久性を向上させるため、レ
ールは大型化又は厚肉化してもよい。例えば、レールの高さは30~100mm(例えば
、40~90mm、好ましくは50~80mm、さらに好ましくは55~75mm)、支
持壁の厚みは3~10mm(例えば、4~9mm、好ましくは5~8mm)、走行壁(上
部走行壁及び下部走行壁)の幅は15~50mm(例えば、20~45mm、好ましくは
25~40mm、さらに好ましくは30~40mm)、走行壁(上部走行壁及び下部走行
壁)の厚みは2~10mm(例えば、3~8mm、好ましくは4~6mm)程度であって
もよい。さらに、走行路(走行壁)の最小厚みは、1~5mm(例えば、1.2~3mm
、好ましくは1.5~2.5mm)、溝部9の深さは0.1~1.5mm(例えば、0.
3~1.2mm、好ましくは0.5~1mm)程度であってもよい。
[切換ユニットの可動レール部材]
切換ユニットは、基準レールと複数の分岐レールとの分岐部(又は交差部)に配置され
、分岐したレール構造において、ランナーの進路を選択的に転換又は案内(若しくは誘導
)可能であればよい。
切換ユニットの可動レール部材は、基準レールと、複数の分岐レールとの間(又は分岐
部)に介在又は配置され、移動機構との関係で、前記基準レールと複数の分岐レールとを
結ぶ方向に可動又は配向可能(若しくは配列可能、振り分け可能)であればよく、例えば
、複数の分岐レール部材のうち所定の分岐レール部材に向けて振り分け、前記基準レール
と前記所定の分岐レールとを連絡してランナーを誘導又は移行可能である。
可動レール部材は、移動機構と関連して、平行移動又はシフト可能であってもよく、例
えば、回動又は揺動機構、変向機構などにより、所定の分岐レール部材に向けて振り分け
てもよく、基準レール(特に基準レール部材の端部)にヒンジ式に回動可能に連結され、
基準レールとのヒンジ部を中心として回動又は揺動可能であってもよい。また、回動可能
な可動レール部材は、少なくとも複数の分岐レールに対して配向可能(又は振り分け可能
)な範囲で回動可能であってもよく、必要であれば、回動範囲が、複数の分岐レールの範
囲を超えてもよい。このような可動レール部材は、簡単な構造で、回動操作により、複数
の分岐レールのうち所定の分岐レールに迅速に配向又は振り分け可能である。
可動レール部材は、前記基準レールと複数の分岐レールのうち所定の分岐レール(例え
ば、前記基準分岐レール)とが連絡(又は基準分岐レールに向いて配向又は配列)可能な
基準位置と、前記基準レールと複数の分岐レールのうち前記所定の分岐レール(例えば、
前記基準分岐レール)以外の他の分岐レールとが連絡可能(又は他の分岐レールに向いて
配列可能)な移動位置(又は第2の位置)との範囲で可動であってもよく、基準位置は、
例えば、可動範囲の任意の位置(例えば、隣接する複数の分岐レールと対向する位置、複
数の分岐レールと対向せずに複数の分岐レールの間を向いた位置)であってもよく、前記
図に示す態様のように、定常状態において、前記基準レールと前記基準分岐レールとをラ
ンナーが相互に走行可能な状態(基準レールと基準分岐レールとをランナーが走行するの
を許容する状態)であってもよい。可動レール部材は、基準位置から移動位置に可動であ
ってもよい。
可動レール部材の構造は、前記レール(基準レール及び分岐レール)と同じく、ランナ
ーが走行可能な走行部と、天井壁又は上部空間に取り付け又は配置可能な取付プレートな
どの取付部材に対して取り付け可能又は固定可能な取付部(側部方向に延出した板状部な
ど)とを備えていればよく、長手方向に延びる支持壁と;この支持壁の少なくとも下端部
で両側部方向に延出して形成され、ランナーが走行可能な走行壁と;この走行壁に形成さ
れ、かつランナーの車輪部が走行可能な走行路とを有していてもよい。
可動レール部材は、前記のように、ヒンジ部を利用して回動可能であってもよい。また
、回動可能な可動レール部材では、取り付けプレート又は取付部材に湾曲して形成された
スライド溝などに沿って回動な摺動部(摺動凸部など)を可動レール部材に形成し、この
摺動部を利用して配向又は回動させてもよく、必ずしも必要ではないが、前記図に示す態
様のように、補強軸部材又は補強ピンを利用して配向又は回動させてもよい。
補強軸部材は、可動レール部材と一体化していればよく、必ずしも可動レール部材の前
記溝を利用して装着又は嵌入する必要はない。また、切り欠き部は、可動レール部材が取
り付けプレート又は取付部材に取り付けられる取付部側(前記の例では、支持壁の少なく
とも上端部側)に形成すればよく、ランナーが走行可能である限り、長手方向に延びる補
強軸部材で複数の可動レール部材片が間隔をおいて連結され、複数の可動レール部材片の
間に切り欠き部が形成された形態であってもよい。切り欠き部は、ランナーの走行を阻害
しない部位(非走行部又は非走行域)に形成する場合が多い。
さらに、前記補強軸部材又は補強ピンが貫通した形態の切り欠き部では、前記のように
、支持部材が、前記補強軸部材又は補強ピンを支持した形態で、スライド又は摺動可能に
取付プレート又は取付部材に取付可能である。このような態様では、可動レール部材の移
動に伴って、支持部材に対して補強軸部材又は補強ピンが摺動する。そのため、補強軸部
材又は補強ピンを強靱で耐摩耗性の高い金属(例えば、鋼)やセラミックスで形成するこ
とにより、アルミニウムなどの金属に比べて、耐久性を向上できる。
なお、可動レール部材の可動範囲を規制する停止部材(ストッパー)は、必ずしも必要
ではなく、停止部材(ストッパー)は、前記支持部材に形成することなく、取付プレート
又は取付部材に形成してもよい。
切換ユニットにおいて、取付プレートは必ずしも必要ではなく、格子状、板状などの形
態であってもよく、施工部位(天井壁や上部空間、若しくは側壁など)に取り付けてもよ
いが、レール構造の施工性を高めるためには、可動レール部材は、天井壁又は上部空間に
取り付け又は配置可能な取付プレート又は取付部材に取り付ける場合が多い。また、基準
レール及び複数の分岐レールは必ずしも取付プレートに取り付ける必要はなく、取り付け
プレートの可動レール部材に対して、連絡又は接続可能に配置してもよい。切換ユニット
の施工性を高めるため、通常、取り付けプレート又は取付部材には、可動レール部材と、
前記基準レール部材と、前記複数の分岐レール部材とを取り付ける場合が多い。すなわち
、基準レール部材と複数の分岐レール部材とを取付プレート又は取付部材に取り付け又は
固定し、前記基準レール部材に対して基準レール本体を接続し、複数の分岐レール部材に
対して、それぞれ、複数の分岐レール本体を接続するのが有利である。なお、前記のよう
に、基準レール本体及び複数の分岐レール本体は、それぞれ、ブラケットを利用して、施
工部位(天井壁や上部空間、若しくは側壁など)に取り付け可能である。
[切換ユニットの移動機構]
移動機構は、前記可動レール部材を所定の方向に移動させて基準レールと複数の分岐レ
ールのうち所定の分岐レールとを連絡可能である限り、特に制限されず、可動レール部材
を平行移動させてもよく、可動レール部材を、前記基準レールとのヒンジ部を中心として
回動又は揺動形態で移動させてもよい。
移動機構は、回動位置合わせ機構、例えば、前記可動レール部材を前記移動位置から基
準位置に復帰させるための復帰手段(又は復帰機構)と、前記可動レール部材を基準位置
から前記移動位置に向けるための(又は移動又は位置させるための)牽引手段(又は牽引
機構)とを備えていてもよい。復帰手段は、前記可動レール部材を前記移動位置から基準
位置に復帰可能であれば、バネ部材(スプリング)に限らず、前記揺動機構、回転-直線
機構などであってもよい。好ましい復帰手段は、構造を簡素化でき、迅速に基準位置に復
帰可能なバネ部材(スプリング)である。このようなバネ部材(スプリング)を用いると
、一方の端部を固定部に取り付け、他方の端部を可動レール部材に取り付けるだけで、復
帰機構を形成でき、可動レール部材を長手方向に対して交差する側部方向(例えば、直交
する方向)に弾性的に引っ張ることができる。復帰手段は、前記移動位置において、ラン
ナーが前記基準レールから所定の分岐レールに移行した状態で、前記可動レール部材を前
記移動位置から基準位置に復帰させるために有用である。
牽引手段は、可動レール部材を牽引可能であればよく、クランク機構に限らず、歯車機
構、進退動機構などを利用してもよい。牽引手段としてのクランク機構は、前記構造に限
らず、可動アームの回動に伴って可動レール部材を牽引可能であればよく、L字状の可動
アームと、この可動アームのL字状屈曲部を回動可能に軸支する固定壁と、前記と同様の
棒状又は板状の牽引杆とを備えていてもよい。また、牽引手段は、可動レール部材に取り
付けられた紐状体(又はワイヤーなど)と、この紐状体を巻き取り可能な回転体(例えば
、ステッピングモーターなどの回転軸又はこの回転軸に取り付けられた回転部材)とを備
えていてもよい。
移動機構は、可動レール部材を回動して所定の位置(基準位置又は移動位置)に位置合
わせ可能な回動位置合わせ機構で形成してもよく、このような移動機構は、進退動機構、
揺動機構などの種々の機械要素を組み合わせた運動機構で形成してもよい。例えば、先端
部が可動レール部材に接続されたシリンダー機構(油圧式シリンダー、空気圧式シリンダ
ーなど)で移動機構を形成してもよく、回転機構と歯車機構とで移動機構を形成してもよ
い。
図17は、本発明の切換ユニットの他の例を示す概略底面図であり、この例では、ヒン
ジ式に回動可能な可動レール部材85には、シリンダー(ソレノイド)103から進退動
可能なロッド104の先端部が遊びをもって遊嵌又は接続されている。すなわち、取付プ
レート11には、シリンダー103が配置され、可動レール部材85の側壁には、ロッド
104の先端部を収容可能な収容部105が形成され、この収容部では、ロッド104の
先端部の係止部が収容部の壁部と係止して抜け止め状態で収容可能である。
図18は、本発明の切換ユニットのさらに他の例を示す概略底面図であり、この例では
、ヒンジ部に対応する部位が回転軸106として形成され、可動レール部材85と一体に
形成されて、回動可能な可動レール部材を形成している。前記回転軸106には歯車10
7が取り付けられ、この歯車107は、回転可能な歯車108を介して、ステッピングモ
ーター109の回転軸110に取り付けられた歯車111とが噛合している。
なお、回転機構はモーターに限らず種々の回転機構が採用でき、回転機構の歯車は、直
接的に又は1又は複数の歯車を介して間接的に可動レール部材の歯車と噛合していてもよ
い。さらに、回転機構を利用して可動レール部材を複数の分岐レールに振り分け(又は振
り向け)可能な種々の運動変換機構、例えば、回転運動を直線運動又は揺動運動に変換す
る機構などが利用できる。このような運動機構としては、特に制限されず、例えば、回転
軸に取り付けたピニオンと、可動レール部材に形成され、ピンを備えていてもよいラック
(又はラックが取り付けられた可動レール部材)との組み合わせなどのラック及びピニオ
ンによる機構、回転軸に形成された螺旋部と、可動レール部材に取り付けられ、この螺旋
部が螺合可能なナット部との組み合わせ、回転軸に取り付けられ、周面に螺旋溝(交差し
てもよい螺旋溝)が形成された螺旋体(又は筒状回転体)と、可動レール部材に取り付け
られ、この螺旋体の周面の螺旋溝に沿って摺動可能な滑子(摺動ピン)との組み合わせ、
ウオームギヤと歯車との組み合わせ、回転軸に爪歯車が取り付けられた刻み送り機構、歯
車に代えてプーリを用い、プーリと回転軸とにベルトを架け渡した調帯伝動機構などが例
示できる。
このような移動機構を利用すると、被搬送体を自動的に所定の搬送先又は所定のステー
ションに移送することもできる。例えば、被搬送体に貼付又は取り付けられ、搬送先又は
所定のステーションに関する情報を含むタグ(バーコードなどの情報を含む情報記録媒体
)と、このタグの情報を読み取り可能なセンサー(光学センサーなど)と、このセンサー
からの情報に基づいて、搬送先又は所定のステーションに搬送するための切換信号を生成
する制御ユニットと、この制御ユニットからの切換信号に基づいて、前記シリンダー(ソ
レノイド)、モーターを駆動するための駆動ユニットとを備えた制御システムを利用する
ことにより、被搬送体を自動的に所定の搬送先又は所定のステーションに移送できる。
なお、可動レール部材又は分岐部へのランナーの進入を、圧力センサー、光学センサー
などで検出し、この検出信号(スイッチ信号)と制御ユニットの前記切換信号とを利用し
て、可動レール部材を所定の方向に振り分け又は配向させてもよい。
さらに、前記進退動機構などを備えた移動機構でも、前記と同様に、停止部材を利用し
て可動レール部材の可動域を規定してもよく、センサーを利用したスイッチ機構などを用
い、可動レール部材の可動域を制御してもよい。
前記基準レールと複数の分岐レールのうち所定の分岐レールとが連絡可能な基準位置と
移動位置とに可動な可動レール部材(複数の分岐レールの全てに向けて配向可能な範囲で
可動な可動レール部材)を備えた切換ユニットにおいて、前記移動機構は、所定の位置で
可動レール部材を固定又はロックするためのロック機構と、ロック位置(前記所定の位置
)でロック状態を解除するためのロック解除機構とを備えていてもよい。このような移動
機構では、ロック機構を利用して、前記可動レール部材を前記移動位置又は基準位置で固
定してランナーを円滑に分岐レール又は基準レールに走行させることができ、ロック解除
機構を利用して、前記ロック機構を解除して前記可動レール部材を前記基準位置又は移動
位置に移動又は復帰させることができる。
図19~図21には本発明の切換ユニットを備えたレール構造の別の例を示している。
この例では、前記例と異なり、移動機構のクランク機構113は、案内部材29の案内
溝30に沿って可動であり、かつランナー(図示せず)の逆走(又は脱輪)を規制するた
めの板状規制部材(又は逆走防止板)28と隣接することなく離れて形成されている。ク
ランク機構113は、前記と同様に、可動レール部材15を牽引し、復帰機構を形成する
バネ部材(スプリング)22と、軸支部を中心として可動アーム(又は回動レバー)25
を回動自在に軸支する固定壁(固定部)26と、前記可動アーム(又は回動レバー)25
と前記可動レール部材15とを連結する棒状又は板状の牽引杆27とを備えており、前記
可動アーム25は、バネ部材22の弾性(引っ張り力)に抗して可動レール部材15を牽
引して移動分岐レール部材3aに向けて移動又は回動可能である。なお、可動アーム(又
は回動レバー)25の回動に伴って、前記板状規制部材(逆走防止板又はシャッター)2
8もスライドしてランナーの脱輪を阻止する。この例では、前記と同様に、取り付けプレ
ート11には、可動レール部材15を基準位置の方向に牽引するためのバネ部材(引っ張
りバネ部材)22が取り付けられている。また、このバネ部材22とは長手方向に間隔を
おいて、可動レール部材15の側壁の孔部には、軸部材102aが進退動(又は摺動)可
能に配設され、この軸部材には、牽引杆27を付勢するための付勢バネ部材(又は圧縮バ
ネ部材)102が装着されている。すなわち、軸部材102aの一方の端部は前記牽引杆
27と連結され、軸部材102aの他方の端部は、前記孔部からの抜けを防止しつつ、付
勢バネ部材(又は圧縮バネ部材)102を保持するための頭部が形成されている。そのた
め、付勢バネ部材(又は圧縮バネ部材)102は、可動レール部材15とともに移動可能
であり、移動位置では、可動レール部材15を停止部材21bに対して付勢又は押圧して
いる。なお、引っ張りバネ部材22の引張り力Fdと付勢バネ部材102の付勢力Fpと
は、Fd<Fpの関係で調整されており、各バネ部材22,102はケース(図示せず)
内に収容されている。
なお、前記固定壁26は、断面コ字状に形成された一対の固定側壁26a,26bのう
ち、可動アーム(又はレバー)25が回動可能に軸支された一方の固定側壁26aで形成
されている。前記クランク機構113は、前記移動位置において、可動レール部材15を
固定又はロックするためのロック機構を備えている。この例では、ロック機構は、前記可
動アーム(又は回動レバー)25の側壁のうち前記固定側壁26a側の側壁に取り付けら
れた係止部材(係止板)114と、前記固定壁26の周壁面のうち上端部から傾斜した傾
斜面(コーナー部が傾斜した係合傾斜面)115とで形成されており、前記可動アーム2
5の回動操作(又は移動位置への回動操作)に伴って、係止部材114の端面が前記固定
壁26の傾斜面(係合傾斜面又は傾斜部)115に係合可能である。
さらに、ロック機構は、前記固定壁(一方の固定側壁)26に対して対向する他方の固
定側壁26bに取り付けられ、前記固定壁26aに対して可動アーム(又はレバー)25
を押圧又は付勢するための押圧バネ部材(付勢部材)116(116a,116b)を備
えている。このような押圧バネ部材(付勢部材)116を利用することにより、前記固定
壁26(固定側壁26a)に対して可動アーム25が押し付けられた状態となり、係止部
材114と固定側壁26a(係合傾斜面115)との係合強度(ロック強度)を高めるこ
とができる。
このような切換ユニットでは、可動アーム25を回動して可動レール部材15を移動位
置に牽引して回動操作を解除することにより、係止部材114と固定壁26とを係合又は
ロックして可動レール部材15を移動位置に位置させ、ランナーを基準レール及び所定の
分岐レールの双方向に走行可能である。また、ランナーが所定方向に走行した後、押圧バ
ネ部材(付勢部材)116の付勢力に抗して、可動アーム25を基準レールの長手方向へ
係止部材114の厚み分だけ若干変位させる変位操作によりロック状態を解除でき、復帰
機構を形成するバネ部材(スプリング)22の牽引力を利用して可動レール部材15を基
準位置に復帰可能である。
なお、可動レール部材15を移動位置(係止部材114が固定壁26に対して係合又は
ロック状態、又はロック解除状態)に位置させるため、可動アーム25を回動操作すると
、係止部材114が板状であるため、係止部材114が側方(可動アーム側)に若干シフ
ト又は移動し、このシフト又は移動過程でバネ部材(引っ張りバネ部材)22により可動
レール部材15が幅方向(例えば、前記係止部材114の厚みに対応した側部方向)に変
位する可能性がある。しかし、前記付勢バネ部材(又は圧縮バネ部材)102により、可
動レール部材15を停止部材21bに対して付勢又は押圧可能であるため、可動アーム2
5を回動操作しても、可動レール部材15を変位させることなく、係止部材(係止板)1
14と傾斜面(係合傾斜面)115との係合(又はロック)状態を維持できる。
前記の例において、可動レール部材15を基準位置の方向に牽引するための単一のバネ
部材22を備えていればよく、付勢バネ部材(又は圧縮バネ部材)102は必ずしも必要
ではない。付勢バネ部材(又は圧縮バネ部材)102は、通常、可動レール部材とともに
可動であり、かつ移動位置において、可動レール部材15を付勢又は押圧可能である。
なお、ロック機構を備えたクランク機構は、ランナーの逆走を規制するための板状規制
部材(又は逆走防止板)と隣接して形成してもよい。ロック機構は、前記可動アーム(又
は回動レバー)と固定部としての前記固定壁とがロック(又は固定)可能であってもよく
、例えば、前記可動アームと前記固定壁とに形成され、互いに係合可能な係合手段(係合
部)で形成してもよい。このようなロック機構の係合手段(係合部)は、前記のように、
可動アーム(又はレバー)に形成された係合部材と固定部の被係合部とで形成してもよく
;ロック機構の係合部は、前記係止部材114の下部端面と固定壁26の傾斜面(係合傾
斜部)115とで形成する必要はなく、可動アーム25を回動操作しても、可動レール部
材15が幅方向に変位しない形態、例えば、係止部材114と固定壁26とに形成され、
可動アーム25の回動操作に伴って、互いに湾曲面に沿って摺動して係合可能な係合部で
形成してもよい。例えば、固定壁26(例えば、コーナー部などの上部)にアール状に湾
曲して膨らんで形成された係合湾曲面(円弧状係合面)と、係止部材114の下部にアー
ル状に湾曲して窪んで形成され、可動アーム25の回動操作に伴って、前記係合湾曲面に
沿って摺動可能な下部湾曲面(円弧状摺動面)とで係合部(又はロック部)を形成しても
よく;固定壁26に形成した湾曲溝と、可動アーム25又は係止部材114に形成され、
可動アーム25の回動操作に伴って、前記湾曲溝に沿って摺動可能な摺動凸部とで係合部
(又はロック部)を形成してもよい。また、上記係合部(又はロック部)において、固定
壁26に形成された前記係合湾曲面(円弧状係合面)の曲率半径は、渦巻き曲線状の形態
で、ロック位置で又はロック位置に向かって大きく形成し、可動アーム25のロック位置
への回動操作に伴って、係止部材114に形成された前記湾曲面(円弧状摺動面)の摺動
又は係合強度を高めてもよく;係止部材114に形成された湾曲面(円弧状摺動面)の曲
率半径は、固定壁26に形成された係合湾曲面(円弧状係合面)の曲率半径よりも大きく
又は同一であってもよく;前記ロック位置では、係止部は平坦部又は湾曲部(窪み湾曲面
)として形成してもよく、係合湾曲面(円弧状係合面)はカム面を形成してもよく、係止
部材はこのカム面に沿って摺動可能及び進退動可能に可動アームに取り付けてもよい。
さらに、ロック機構の係合手段(係合部)は、前記可動アーム(又はレバー)及び前記
固定部のうち一方(例えば、可動アーム又は固定壁)に形成された係合孔又は係合凹部(
又は溝)と、他方(例えば、固定壁又は可動アーム)に形成され、この係合孔又は係合凹
部(又は溝)に係合可能な係合凸部(又は係合ピン)とで形成してもよく、前記係合孔は
前記係合凸部(又はピン)を摺接して案内可能なガイド溝又はガイド孔の端部に形成して
もよく、前記係合凸部(又はピン)は係合孔又は係合凹部に対して進退動可能であっても
よい。
前記係合凸部(又はピン)は、バネ部材などを用いて機械的に進退動させてもよく、電
磁気的に進退動させてもよい。例えば、前記固定部及び可動アームのうち一方の部材又は
部位(例えば、固定壁)に、一方の部材又は部位に形成された係合孔又は係合凹部に対し
て係合可能な係合凸部(又は係合ピンの軸部)を電磁気的に進退動させるためのソレノイ
ドアクチュエータ(プッシュ型、プッシュプル型などのアクチュエータ)を形成してもよ
い。また、このソレノイドアクチュエータの作動をオン/オフするためのスイッチとを備
えていてもよく、このスイッチは、可動アーム(又はレバー)の回動(例えば、所定の回
動度)をセンサで感知又は検出し、センサからの信号(制御信号)に応答して自動的に作
動してもよい。
さらに、前記係合手段(係合部)は、前記可動アーム及び前記固定部のうち一方の部材
又は部位に形成された係合凸部(又はピン)と、他方の部材又は部位(例えば、可動アー
ム)に形成され、かつ可動アーム(又はレバー)の回動に伴って、係合凸部(又はピン)
に係合可能な係合爪とで形成してもよい。このような係合手段でも、係合凸部(又はピン
)は、進退動(例えば、磁気的に進退動)させてもよい。
ロック機構は、少なくとも前記係合手段(係合部)で形成すればよいが、前記可動アー
ムと前記固定部との係合手段に加えて、固定部に対して可動アーム(又はレバー)を機械
的又は電磁気的に押し付け又は引き寄せ可能な引き寄せ手段を備えていてもよい。機械的
な引き寄せ手段としては、前記のような付勢部材(押圧バネ部材)などが例示でき、磁気
的押し付け又は引き寄せ手段としては、ソレノイドアクチュエータなどが例示できる。例
えば、固定部にソレノイドアクチュエータを取り付け、可動アーム(又は回動レバー)の
回動操作に連動して、固定部(固定壁)に対して磁気的(又は電磁気的)に吸脱着させて
もよい。押し付け又は引き寄せ手段としては、通常、固定部に対して可動アーム(又は回
動レバー)を押圧するための付勢部材(又は押圧バネ部材)で形成する場合が多い。
ロック解除機構は、前記可動アームの変位機構で形成でき、前記押し付け又は引き寄せ
手段の押し付け力又は引き寄せ力(押圧バネ部材の押し付け力、磁気的アクチュエータの
吸着力(磁着力)など)に抗して可動アームを変位させることにより係合機構(ロック状
態)を解除できる。可動アームの変位に伴って、復帰機構を利用して可動レール部材を基
準位置に復帰させることができる。解除機構及び復帰機構は、係合解除操作に伴って可動
アーム(又はレバー)を、基準レール(又は可動レール部材)の長手方向に対して交差す
る方向に牽引するための牽引バネ部材で形成できる。
なお、所定の方向に可動レール部材を配列させる機構として、前記シリンダーなどの進
退動機構、ステッピングモーターなどの回転機構を利用する場合、ロック機構及びロック
解除機構は必ずしも必要ではなく、ロック機構は、シリンダーなどの進退動機構の進退度
、モータなどの回転機構の回転数に対応して作動させることができ、ロック解除機構は、
所定位置からの進退動、回転動に対応して作動させることができる。
[切換ユニットの規制又は遮断手段]
なお、切換ユニットにおいて、ランナーが逆走して脱輪又は脱落するのを防止するため
の規制手段(逆走防止手段又は遮断手段)は、必ずしも必要ではないが、複数の分岐レー
ルのうち所定の分岐レールに移行したランナーが基準レール(可動レール部材)の方向に
走行して前記分岐レールから脱落又は脱離するのを規制又は防止するための規制手段を備
えているのが好ましい。この規制手段は、前記可動レール部材が前記基準位置及び移動位
置に位置する状態で、それぞれ、前記分岐レール(可動レール部材と連絡可能な連絡分岐
レールとしての基準分岐レール及び移動分岐レール)に進入又は移行したランナーが後退
して前記分岐レール(連絡分岐レール)から脱輪(若しくは脱落)するのを規制又は防止
してもよい。すなわち、前記可動レール部材が前記基準位置及び移動位置のうち一方の位
置に位置するとき、一方の位置で前記可動レール部材を介して連絡する分岐レール(例え
ば、移動分岐レール)と基準レールとの間でランナーが走行するのを許容し、前記可動レ
ール部材を前記一方の位置から他方の位置に切換又は移動させたとき、前記分岐レール(
例えば、移動分岐レール)と基準レールとの連絡路を遮断し、前記分岐レール(例えば、
移動分岐レール)又は基準レールに移行したランナーが逆送して前記分岐レール(例えば
、移動分岐レール)又は基準レールから脱輪するのを防止する。
この規制手段には、板状の規制部材(逆走防止板)に限らず、ピン又は棒状の規制部材
、規制壁部材、シャッターなどの種々の遮断部材(移動規制部材)が利用できる。前記規
制手段は、可動レール部材とは独立して作動可能であってもよく、構造を簡素化するため
には、前記可動レール部材に取り付け、前記可動レール部材(又は前記復帰手段)と連動
して、前記基準位置と移動位置とでランナーの脱落を防止又は規制してもよい。例えば、
前記可動レール部材に板状規制部材(逆走防止板)を取り付け、前記移動機構(又は復帰
機構)と連動して、前記基準位置(又は復帰位置)及び移動位置では、それぞれ、ランナ
ーが進入又は移行した前記分岐レールと前記基準レールとの連絡路を遮断してもよい。な
お、規制手段(板状規制部材など)は、可動レール部材の前方(軸方向)に対応する部位
に、ランナーが走行(又は通過)可能な切り欠き部(通過部)を形成し、前記可動レール
部材に取り付けて、前記可動レール部材と連動可能としてもよい。また、規制手段(板状
規制部材など)を案内する案内溝は必ずしも必要ではない。
なお、前記制御システムを利用する場合には、制御ユニットからの前記切換信号に応答
して、シャッターなどの遮断部材(逆走防止板)を駆動させ、所定の連絡路を遮蔽しても
よい。
[ランナー]
ランナーは前記レールに沿って走行可能であればよく、レールの構造(例えば、前記下
部に長手方向に延びるスリット状開口部を有する断面中空状、例えば、四角枠中空状)に
対応して、対向する両側壁から延びる1又は複数の走行壁を走行可能な車輪部と、この車
輪部を軸支する軸部と、この軸部を支持し、前記スリット状開口部から垂下する支持部と
、この支持部に直接的又は回動部材を介して取り付けられ、被搬送体を取り付けるための
取付又は接続手段(前記リング部など)を有していてもよい。好ましいランナーは、対向
する両側壁を有する断面コ字状の支持部と、この支持部の両側壁にそれぞれ対向して取り
付けられた一対の軸部又は軸部材(一対の対抗軸部材)と、これらの軸部又は軸部材に回
転可能に取り付けられ、レール部材の走行路を走行可能な車輪部(例えば、ボールベアリ
ングなどのベアリング部材が軸部材に回転可能に装着された回転体)と、前記支持部の底
部壁又は下部壁に取り付けられ、被移送体又は被搬送体が接続又は取り付け可能な接続又
は連結手段取付部材とを備えていてもよい。
なお、支持部の両側壁には、互いに対向して少なくとも一対の軸部材を取り付ければよ
く、走行方向(長手方向)に間隔をおいて複数対(例えば、2~6対、好ましくは3~5
対、さらに好ましくは3~4対)の軸部材を取り付けてもよい。複数対の軸部材を取り付
けることにより、これらの軸部材に回転可能に取り付けられた複数対の車輪部により被移
送体を有効に支持でき、重量の大きな被移送体(又は被搬送体)も円滑に移送又は搬送で
きる。さらに、レールの連絡部又は分岐部であっても、脱輪することなく、ランナーを円
滑に走行できる。
ランナーにおいて、断面コ字状の支持部の屈曲コーナー部には必ずしも陥没部は必要で
はないが、所定幅で内側(内方)に凹状に窪んだ陥没部(刻設部)を形成すると、ランナ
ーの強度を高めることができる。前記屈曲コーナー部には、少なくとも1つの陥没部を形
成してもよく、長手方向に間隔をおいて複数の陥没部を形成してもよい。
車輪部(ローラ)は、円滑に走行可能である限り、ベアリング部材及び/又は外周部の
被覆樹脂は必ずしも必要ではない。円滑に回転させ、比較的大きな速度でランナーを走行
させるためには、ベアリング部材(又はベアリング)を備えているのが好ましく、静音性
を確保するためには外周部が樹脂で被覆又は形成されているのが好ましい。また、ベアリ
ング部材(又はベアリング)の外輪(金属製外輪)を、車輪又はタイヤ状、例えば、外周
方向(半径方向)に膨出(湾曲して膨出)した形態に金属などで形成し、耐久性を向上さ
せてもよい。なお、車輪部の外周部は、レール部材の走行路に適合した形態を有している
場合が多い。例えば、車輪部の外周部は、湾曲凹状、溝状又は凸条の走行路に対応させて
、断面湾曲凸状、コ字状又は台形状の形態(周面に走行溝部が形成された形態)を有して
いてもよい。
前記支持部の底部壁又は下部壁には、移動体又は被移送体(又は被搬送体)を接続又は
取り付けるための接続又は連結手段が取り付け可能であり、この接続又は連結手段は、前
記支持体に回転可能に取り付けられた軸部材を利用して、支持体に対して回転可能であっ
てもよい。また、接続又は連結手段は、移動体又は被移送体(又は被搬送体)が着脱可能
であればよく、前記リング部材に限らず、例えば、被移送体(又は被搬送体)が係止可能
なフック部などの係止部材などであってもよい。例えば、前記リング部材37に代えて、
被搬送体をワンタッチ式に着脱可能に取付又は連結するためのワンタッチ式リング部材を
取り付けてもよく、このリング部材の開放部(側部などに形成された開放部)には、被搬
送体をワンタッチ式に着脱するため、一方の端部が回動可能であり、他方の端部が開放部
を閉止可能な開閉可能な開閉ピンを取り付けてもよい。
このようなランナーの走行に伴って、レール又はレール部材に取り付けられたストッパ
ーの弾性変形部は、前記支持部の底部壁又は下部壁に対して接触可能であってもよい。
本発明では、軽量物及び重量物(例えば、20kg以上(例えば、50~150kg)
、特に100kg以上の被搬送体や移動体)の移送又は移動に利用できる。特に、複数対
の車輪部及び/又は陥没部を有するランナーを用いると、機械的強度を大きくでき、重量
物の移送に利用しても耐久性を向上できる。
[ストッパー]
さらに、レール及び/又はランナーには、必要により、ランナーの走行を停止させるた
めのストッパーを取り付けてもよい。例えば、レールの底部壁(下部壁の底面)には、ラ
ンナーとの接触により上下方向に弾性変形し、ランナーの走行を停止させるためのストッ
パーを配設してもよい。
ストッパーは、レール部材に対する取付可能な取付部と、この取付部から長手方向に行
くにつれてレール部材に対して遊離する遊離部と、この遊離部に形成された弾性変形部と
を備えていてもよい。例えば、ストッパーは、バネ鋼材で細幅の板状に形成され、前記レ
ールの下部走行壁(底部壁)に取り付け可能な板状取付部と、この取付部から長手方向に
いくにつれてレールから遊離し、断面弓形又はアーチ状の形態で延び、ランナーの底部壁
に対して接触可能な弾性変形部と、この弾性変形部から、レールの下部走行壁(底部壁)
に近づく上方向に屈曲又は湾曲して延び、長さの短い延出部(自由端部)とを備えていて
もよく、弾性変形部は、取付部から長手方向にいくにつれてレールから遊離する遊離部に
形成されている。
このようなストッパーを用いると、大きな速度でランナーを走行させても、弾性変形部
が緩やかに傾斜して湾曲しているため、大きな衝撃力を作用させることなく、弾性変形部
の圧縮弾性変形力又はバネ変形力をランナーに徐々に作用させて停止できる。また、弾性
変形部のバネ変形力よりも大きな力でランナーを牽引することにより、ストッパーの取付
部位(所定のステーション)でランナーを双方向に走行させることができる。なお、弾性
変形部のバネ変形に伴って、延出部(自由端部)はレールの長手方向に前進動(又は伸長
動)及び後退動(又は収縮動)してもよい。
なお、ストッパーは、バネ変形可能な種々の材料で形成できるが、耐久性の観点から、
バネ鋼で形成する場合が多い。特に、ストッパーは、平面形状が帯状又は板状の形態を有
する板バネで形成する場合が多い。前記取付部は、ストッパーの適所に形成でき、ストッ
パーの長手方向の途中部に形成してもよく、ストッパーの少なくも一方の端部(一方の端
部又は両端部)に形成してもよい。
自由端部は、弾性変形部のバネ変形に伴ってレール部材の長手方向に進退動可能であっ
てもよく、自由端部は、レール部材に対して摺接する必要はないが、通常、レール部材に
対して摺接可能であってもよく、レール部材に対して線接触又は面接触可能な摺接部を形
成してもよい。自由端部は、湾曲傾斜面から屈曲して延出してもよく、前記取付部と同様
に、平坦に延びていてもよい。
遊離部には、少なくとも1つの弾性変形部を形成すればよく、遊離部の長手方向に間隔
をおいて、複数の弾性変形部を備えていてもよい。また、取付部に隣接する遊離部に弾性
変形部(取付部から山形状に湾曲した弾性変形部)を形成してもよく、取付部から離れて
弾性変形部を形成してもよい。また、複数の弾性変形部を有するストッパーにおいて、複
数の弾性変形部間の中間部は、緊張していてもよいが、弾性変形部のバネ変形を損なわず
(又は前記弾性変形部のバネ変形に伴う長手方向の伸縮動又は進退動を吸収し)、ランナ
ーを円滑に停止させるため、緊張することなく弛んだ形態で谷部(又は吸収部)が形成さ
れているのが好ましい。
弾性変形部は、断面山形状の形態(頂部を有する山形状の形態)を有しており、縦断面
形状において、少なくとも一方の稜線部が直線的な山形状であってもよく、少なくとも一
方の稜線部が湾曲した山形状(上向きに膨らんで又は下向きに窪んで湾曲した山形状)で
あってもよく、階段状に屈曲した複数の屈曲部が全体として山形状の形態を形成してもよ
い。例えば、弾性変形部の縦断面形状は、直線状の傾斜した稜線部で形成された三角状(
側面において、頂部を中心として対称又は非対称の三角状)でされた山形状;直線状の傾
斜した稜線部と、この稜線部の頂部から延びる湾曲した稜線部(上向きに膨らんだ又は下
向きに窪んだ湾曲稜線部)とで形成された山形状であってもよく;湾曲した稜線部(側面
において、頂部を中心として対称又は非対称の湾曲稜線部)で形成された山形状であって
もよい。弾性変形部の縦断面形状は、通常、少なくとも湾曲した稜線部(上向きに膨らん
で又は下向きに窪んで湾曲した稜線部)を含む山形状である場合が多い。
弾性変形部の縦断面形状は、頂部を中心として対称又は非対称な形態で湾曲した稜線部
を有していてもよく、例えば、頂部を中心として、対称な形態(なだらか又は緩やかに湾
曲していてもよい断面弓状、アール状又はアーチ状などの形態)を有していてもよく、頂
部を中心として、非対称な形態(斜め上方向に直線的に延びる傾斜稜線部と、この稜線部
の頂点から下向きに窪んで湾曲する稜線部(例えば、吊り橋状に半円状に湾曲する稜線部
など)とを有する形態;上方向に膨らんで湾曲する稜線部(例えば、斜め上方向に膨らん
で湾曲する稜線部)と、この稜線部の頂点から下向きに窪んで(又は下降して)湾曲する
稜線部(例えば、吊り橋状に半円状に湾曲する稜線部など)とを有する形態など)を有し
ていてもよい。弾性変形部を有するストッパーは、長手方向の中間部(又は中央部)を中
心として、全体として、非対称であってもよいが、通常、対称である場合が多い。
弾性変形部は、通常、ランナーと接触可能な傾斜面(直線的に延びる又は湾曲した傾斜
面)を有しており、ランナーと接触可能な湾曲傾斜面を形成している。このような弾性変
形部は、走行する前記ランナーとの接触に伴って、前記レール部材と前記ランナーとの対
向方向にバネ変形可能である。
[ブラケット]
さらに、ブラケットを利用してレール(基準レール本体及び複数の分岐レール本体など
)は、天井壁、側壁などの施工部位に直接的若しくは間接的に取り付けることができる。
このブラケットは、前記構造に限らず、レールの構造及び取付施工部位の形態に応じて、
施工部位に、密着して又は遊離して(例えば、吊り下げ状態、壁面と平行な形態で)種々
の構造が採用できる。例えば、ブラケットは、レールに対する取付機構(係合機構、挟着
機構など)と、天井壁又は上部空間の取付部及び/又は側壁などに取り付け又は固定可能
な取付部とを備えていてもよい。例えば、(a)天井壁又は上部空間の取付部(上部壁)
に取り付け又は配置可能な取付部材(例えば、板状取付部材又は取付プレート)と、この
取付部材の両端部から屈曲又は湾曲してレールの上部走行壁に係合又は挟着可能な係合壁
(例えば、屈曲して取付部材と平行に延びる係合壁)と、この係合壁と取付部材とを貫通
して螺合可能な螺合部材とを備えていてもよい。このブラケット(a)では、螺合部材で
取付部材を上部壁に取り付け、前記係合壁に螺合部材を螺合してレールの走行壁を下方か
ら挟着してもよく、前記係合壁と取付部材とを貫通する螺合部材で前記取付部材を上部壁
に取り付けてもよい。また、ブラケットは、(b)取付部材の一方の端部から屈曲してレ
ールの上部走行壁に係合可能な係合壁と、この係合壁が上部走行壁の一方の走行壁と係合
した状態で、取付部材の他方の端部側の壁部(例えば、取付部材に対して直交する方向に
延びる壁部)に回動可能に取り付けられ、回動に伴って進退動して上部走行壁の他方の走
行壁と係合可能な回動部材(又は回動爪)とを備えていてもよい。(c)この回動部材(
又は回動爪)に代えて、取付部材の他方の端部側の壁部に進退動可能に取り付けられ、こ
の進退動に伴って上部走行壁の他方の走行壁と係合可能な進退動部材(ネジ部材、バネ部
材により付勢された付勢部材などの進退動爪)とを備えていてもよい。このブラケット(
b)(c)では、螺合部材で取付部材の他方の端部を上部壁などに取り付けてもよい。
さらに、前記取付部材(板状取付部材)には、側壁及び/又は上部壁などに取り付ける
ための補助ブラケット(二次ブラケット)、例えば、(d)前記取付部材に取り付け可能
なベース部(溶着、ネジ部材などで取付部材と一体化可能なベース部)と、このベース部
から断面L字状又はコ字状の形態で屈曲又は立ち上がり、ネジ部材などの取り付け手段に
より、側壁又は上部壁に取り付け可能な取付部(起立部又は横部など)とを有する補助ブ
ラケット(二次ブラケット)を備えていてもよい。また、施工部位が、壁部から側方に延
出する延出部、天井壁から垂下し、下端部で側方に延出する延出部などの延出部であると
き、補助ブラケット(二次ブラケット)は、(e)前記ベース部に一体に取り付けられ、
前記延出部が挿入又は装着可能な断面コ字状又はU字状の受容部材と、この受容部材の上
部壁から下部壁に向かって螺合可能であり、前記延出部を受容部材の下部壁に挟着するた
めの挟着部材(例えば、ネジ部材)とを備えていてもよい。
[セット]
本発明は、前記切換ユニット及びレール構造のみならず、前記基準レール(基準レール
本体及び基準レール部材)、複数の分岐レール(分岐レール本体及び分岐レール部材)、
可動レール部材、取付プレート、可動レール部材を移動(回動)又は振り分けるための移
動手段、可動レール部材を基準位置に復帰させるための復帰手段、複数の分岐レールから
のランナーの脱落を防止するための規制手段を含むセットも包含する。このセットは、少
なくとも、基準レール(基準レール本体及び基準レール部材)、複数の分岐レール(分岐
レール本体及び分岐レール部材)、可動レール部材を含んでいてもよく;さらに、取付プ
レート、前記移動手段、復帰手段、規制手段から選択された少なくとも1つを含んでいて
もよく、前記移動手段は、ロック機構及びロック解除機構を含んでいてもよい。
なお、必要であれば、レールの所定箇所(特に、走行路の末端部)には、ランナーの走
行を停止させて脱落を防止するための脱落阻止手段[例えば、レールの両側壁を貫通し、
ランナーの回転又は車輪部(ボールベアリング)と接触して走行を停止させるための脱落
阻止部材など]を取り付けてもよい。この脱落阻止部材は、ランナーの走行を停止可能で
ある限り、前記レールを横断する形態に限らず、レールの内壁に形成した突出部、レール
の開口端部に装着可能な閉塞部材などで形成してもよい。
本発明は、被移送体(被搬送体、移動体)を所定のステーションに移送又は搬送するた
めの移送システムを構築するのに有用である。
この移送システムでは、被移送体(又は移動体)が取り付けられた(又は接続された)
ランナーをレール部材に沿って走行させ、少なくとも1つのステーションに被移送体を移
送できる。被移送体は、通常、懸垂状態又は垂下状態でランナー(ランナーの取付部材)
に取り付け又は接続可能である。そして、前記ステーションに対応するレール部材の部位
に前記ストッパーの取付部を取り付けることによりステーションを形成し、レール部材に
沿って走行するランナーを前記ステーションで停止させることができる。前記ステーショ
ンでは、被移送体が着脱又は交換可能であってもよく、積み卸ししてもよい。
前記被移送体(又は移動体)は、少なくとも1つのステーションに移送すればよく、例
えば、レール部材の長手方向の複数部位にストッパーを取り付けることにより複数のステ
ーションを形成してもよい。レール部材は、配設空間、及び被移送体の移送部位などに応
じて、直線的に延びる直線移送路、湾曲して延びる湾曲移送路を形成してもよく、直線移
送路と湾曲移送路とを組み合わせて移送路を形成してもよく、ループ状の移送路を形成し
てもよい。なお、隣接するレール部材を接続するためには、前記のように、連結ピン(ジ
ョイント棒)を利用してもよい。さらに、レール部材による移送路は、高さ方向に対して
平坦であってもよく、傾斜又は湾曲していてもよい。
被移送体の移送は、手動(又は歩行)で行ってもよく、レール部材に沿って自動的に走
行可能な走行体(コンピュータなどにより動作が制御可能な走行体)を利用してもよく、
このような走行体と前記ランナーとを連結してもよい。
移送システム(又は移動システム)は、広い分野で被移送体を移送するのに有用であり
、被移送体は、家庭、工場、倉庫、店舗、配送センター、車庫、車輌などにおいて、空間
を開閉するための開閉体又は開閉装置の開閉部材(例えば、カーテン、シートなどの間仕
切りシート、間仕切りポールなど)などであってもよいが、所定部位に運搬又は移動させ
る種々の部材又は物品、例えば、工場、農場や水耕栽培場、物品の仕分け場などにおける
被移送体(又は被移送部材)であってもよい。このような部材又は物品の種類は特に制限
されず、例えば、工具などの加工機器;パーツ、組立部品、半完成品、所定の処理が施さ
れる部材(例えば、被塗装部品などの加工処理体)など;仕分け物品;水や栄養源の供給
ユニットやホースなどの被運搬用部材などが例示できる。また、移送システムは、移動体
(高齢者などのヒト、動物など)の移動などにも利用でき、例えば、医療及び介護などの
分野において、必要により、ランナーと移動体(高齢者など)との間に、高齢者や身体障
害者などの利用者(歩行者又は移動体)が家庭や施設内を移動又は歩行するための補助装
置(移動又は歩行補助装置)を介在させ(又は利用し)、例えば、歩行が困難な高齢者、
障害者が円滑にかつ安定して歩行して所望の場所に移動することを補助(支援)するのに
利用できる。
1…基準レール
2,3,82,83,84…分岐レール
15,85…可動レール部材
16…ヒンジピン
17a,17b…切り欠き部
18…補強軸部材又は補強ピン
19a,19b…板状支持部材
21a,21b…停止部材
22,92a,92b…牽引バネ部材(スプリング)
23,93a,93b…クランク機構
28,98…板状規制部材
31…ランナー
102…付勢又は圧縮バネ部材
103…シリンダー
109…ステッピングモーター
114…係止部材
115…傾斜面(係合傾斜面)
116(116a,116b)…押圧バネ部材

Claims (3)

  1. ランナーが走行可能な基準レールと、この基準レールから複数の方向に延び、それぞれランナーが走行可能な複数の分岐レールとの分岐部に配置され、ランナーの進路を切換又は転換するための切換ユニットであって、
    前記基準レールの端部にヒンジ式に回動可能に連結され、前記基準レールと複数の分岐レールとを結ぶ方向に可動な可動レール部材と;この可動レール部材を回動させて基準レールと複数の分岐レールのうち所定の分岐レールとを連絡させるための移動機構とを備えており;
    前記基準レール、複数の分岐レール及び可動レール部材が、縦方向に延びる支持壁と;この支持壁の上端部及び下端部のうち少なくとも下端部で両側部方向に延出して形成され、前記ランナーが走行可能な走行壁と;前記支持壁のうち、前記走行壁の基部側が厚肉の断面三角形状の形態で形成された補強傾斜壁部と;前記支持壁の両側壁に縦方向に間隔をおいて形成され、長手方向に延びる複数の溝部とを備え、断面逆T字状又は断面I字状の形態を有しており;
    前記ランナーが、断面コ字状の支持部と、この支持部の両側壁に互いに対向して取り付けられた少なくとも一対の軸部材と、この軸部材に回転可能に取り付けられた車輪部と、前記支持部の底部壁に取り付けられ、移動体又は被搬送体を接続又は取り付けるための接続又は連結手段とを備え、
    前記ランナーが、さらに、下記(1-1)車輪部及び/又は(1-2)補強部
    (1-1)前記支持部の両側壁に、走行方向に間隔をおいて複数対の軸部材が取り付けられ、これらの軸部材に回転可能に取り付けられた複数対の車輪部
    (1-2)前記断面コ字状の支持部の屈曲コーナー部の内側に突出して形成され、前記両側壁が外方向に開くのを防止するための少なくとも1つの補強部
    を備えており;
    前記移動機構が、モータの回転軸による回転運動を直線又は揺動運動に変換して、前記可動レール部材を、前記基準レールとのヒンジ部を中心として回動又は揺動させて複数の分岐レールに振り分け可能である、切換ユニット。
  2. ランナーが走行可能な基準レールと、この基準レールから複数の方向に延び、それぞれランナーが走行可能な複数の分岐レールとの分岐部に配置され、ランナーの進路を切換又は転換するための切換ユニットであって、
    天井壁又は上部空間に取り付け又は配置された取付プレート又は取付部材と;この取付プレート又は取付部材に取付け可能であり、前記基準レールの端部にヒンジ式に回動可能に連結され、前記基準レールと複数の分岐レールとを結ぶ方向に可動な可動レール部材と;この可動レール部材を回動させて基準レールと複数の分岐レールのうち所定の分岐レールとを連絡させるための移動機構とを備えており、
    前記可動レール部材が、下記(a1)又は(a2)の形態で、前記基準レールと所定の分岐レールとを連絡可能であり;
    (a1)前記可動レール部材に対して、前記基準レール及び複数の分岐レールが連絡又は接続可能に配置され、前記可動レール部材が回動して、前記基準レールと複数の分岐レールのうち所定の分岐レールとを連絡可能である
    (a2)前記基準レールが、基準レール本体と、この基準レール本体と接続可能な基準レール部材とを備えており、前記複数の分岐レールが、複数の分岐レール本体と、この分岐レール本体と接続可能な複数の分岐レール部材とを備えており;
    前記基準レール部材が、前記取付プレート又は取付部材に取り付け可能であり;前記複数の分岐レール部材が、前記基準レール部材に対して間隔をおいて前記取付プレート又は取付部材に取り付け可能であり;前記可動レール部材が、前記基準レール部材の端部にヒンジ式に回動可能に連結され、前記可動レール部材が回動して、前記基準レール部材と複数の分岐レール部材のうち所定の分岐レールとを連絡可能である;
    前記ランナーが、断面コ字状の支持部と、この支持部の両側壁に互いに対向して取り付けられた少なくとも一対の軸部材と、この軸部材に回転可能に取り付けられた車輪部と、前記支持部の底部壁に取り付けられ、移動体又は被搬送体を接続又は取り付けるための接続又は連結手段とを備え
    前記ランナーが、さらに、下記(2-1)車輪部及び/又は(2-2)補強部
    (2-1)前記支持部の両側壁に、走行方向に間隔をおいて複数対の軸部材が取り付けられ、これらの軸部材に回転可能に取り付けられた複数対の車輪部
    (2-2)前記断面コ字状の支持部の屈曲コーナー部の内側に突出して形成され、前記両側壁が外方向に開くのを防止するための少なくとも1つの補強部
    を備えており;
    前記移動機構が、モータの回転軸による回転運動を直線又は揺動運動に変換して、前記可動レール部材を、前記基準レールとのヒンジ部を中心として回動又は揺動させて複数の分岐レールに振り分け可能である、切換ユニット。
  3. ランナーが走行可能な基準レールと、この基準レールから複数の方向に延び、それぞれランナーが走行可能な複数の分岐レールと、前記の基準レールと前記複数の分岐レールとの分岐部に配置され、前記ランナーの進路を切換又は転換するための切換ユニットとを備えているレール構造であって、
    前記切換ユニットが、請求項1又は2記載の切換ユニットを備えている、レール構造。
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