[第1実施形態]
以下、本発明に係る遊技機用入球装置、及び遊技機を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す遊技機1は、いわゆるパチンコ機として構成されており、遊技者側に配される前面枠2に形成された窓部3に透明板(ガラス板等)が配置されている。また、透明板の後方(奥側)には、遊技盤4が配置され、この遊技盤4上にガイドレール6等によって区画された遊技領域4a(遊技球が流下可能な領域)が形成され、遊技者が透明板を介して遊技領域4aを視認できるように構成されている。遊技領域4aの中央付近には、各種表示を行い得る液晶表示部5が設けられ、液晶表示部5の下方には液晶表示部5を可変表示させる始動口センサ7aを備えた始動入賞口7が設けられている。始動入賞口7の右方には、アタッカーとして構成される遊技機用入球装置10が設けられている。また、窓部3の下方には、遊技球を貯留する遊技球受皿8が設けられており、この遊技球受皿8の右側下方には回転操作によって遊技球を打ち出す発射ハンドル9が設けられている。遊技機1は、始動入賞口7に遊技球が入球して始動口センサ7aで検出されると抽選が開始され、その抽選結果を液晶表示部5に表示演出される。そして、液晶表示部5の図柄が所定図柄に表示されると、遊技機用入球装置10の第3開閉部材75(図3参照)が開放されて大量の入賞球が獲得できる「大当り」状態となる。
なお、本明細書では、遊技盤4の前面(盤面)と直交する方向を前後方向とし、遊技盤4の前面(盤面)に対し遊技者が位置するべき側を前方側、それとは反対側(即ち、遊技機1奥側)を後方側とする。また、遊技領域4aを遊技球が流下する方向(鉛直方向)を上下方向とする。また、前後方向及び上下方向と直交する方向を左右方向とし、遊技機1前方側から見て左側を左方向、右側を右方向とする。
以下、遊技機用入球装置10について詳しく説明する。
遊技機用入球装置(以下、単に入球装置ともいう)10は、図4等に示すように、球通過部材20と、装飾部材50と、変位機構60と、第1開閉機構80(図8参照)と、第2開閉機構90(図10参照)と、第3開閉機構70(図6参照)と、発光基板25(図12参照)とを備えている。入球装置10は、アタッカーとしての機能とともに、演出装置としての機能を有する。入球装置10は、球入口33を介して入球した遊技球が球通過部材20の内部を通過して排出される。
球通過部材20は、箱状に形成されており、後述する変位機構60、第1開閉機構80、第2開閉機構90、第3開閉機構70等が組み付けられ、遊技盤4に固定される。球通過部材20は、図4に示すように、本体部30と、駆動ベース部40と、を備えている。本体部30は、前端側、及び後端側の一部が開放された箱状に形成されており、駆動ベース部40が後端側の開口部分を閉塞するように組み付けられる。
本体部30は、図4に示すように、遊技盤4に固定される板状の前板部31を備えている。前板部31の前面には、前方に立ち上がる枠部32が形成されている。枠部32は、上端の左端付近において、上方に開放され、遊技球を受け入れる球入口33が形成されている。前板部31において、球入口33と前後方向で重なる部分には、後述する第3開閉部材75が挿通する長孔31aが形成されている。本体部30は、球入口33の左側の縁から右下方へと板状に延出した球経路34が形成されている。球経路34は、球入口33から受け入れた遊技球を後述する貯留部22(図3参照)に導く。球経路34の途中には、図3に示すように、球入口33に入球した遊技球を検出する検出スイッチ34aが設けられている。また、検出スイッチ34aよりも僅かに下流側の球経路34の途中には、球入口33に入球した遊技球を排出する球流出口35が形成されている。そして、球経路34の終端から貯留部22の排出口37を介して右方向に離間した位置(枠部32の右下の角部)に、貯留部22を構成する球受け部36が形成されている。球受け部36は、図3に示すように、排出口37に向かう左方向に僅かに下り傾斜になっている。
前板部31において、球経路34と球受け部36との間の部分には、排出口37を開閉する第2開閉部材92が挿通されるV字状の開口31bが形成され、枠部32の左下の角部の内側に、板厚方向に貫通する球出口31cが形成されている。貯留部22は、図3に示すように、開口31bから前方に突出して閉鎖位置にある第2開閉部材92と、球受け部36と、前板部31と、後述する第2装飾体52と、によって構成されている。貯留部22において、排出口37は、球経路34の右端と、球受け部36の左端との間に形成されており、第2開閉部材92の作用により貯留部22に貯留された遊技球は、排出口37から排出されて枠部32の底部の上面を左方向に流下して、球出口31cから球通過部材20の外へと排出される。
前板部31には、図4に示すように、貯留部22の左右領域外に第1ガイド孔38aおよび第2ガイド孔38bがそれぞれ一対形成されている。一対の第1ガイド孔38a,38aは、前板部31において、球出口31cの右上方の位置に形成され、一対の第2ガイド孔38b,38bは、枠部32の右上の角部の内側の位置に形成されている。第1ガイド孔38aおよび第2ガイド孔38bは、右方向に向かって下り傾斜のスリット状に形成されている。第1ガイド孔38a,38aおよび第2ガイド孔38b,38bには、それぞれ後述する前側ガイド部64が挿通されて組み付けられる。
駆動ベース部40は、図4に示すように、板状に形成され、第1駆動源61,第2駆動源71,第3駆動源81が取り付けられる。第2駆動源71,第3駆動源81は、支持部材40Aを介して取り付けられる(図6および図8参照)。右端側の上下方向の中心部分に、第1駆動源61の回動軸61aが挿通される孔42が板厚方向に貫通形成されている。また、孔42の左下方の位置に後述する第2開閉部材92の透孔92bおよび第2ギヤ91の軸孔91aに挿通される軸部43が形成され、軸部43の左下方の位置にリンク部材63の軸孔63aに挿通される軸部44が形成されている。
装飾部材50は、図2、図3に示すように、球通過部材20の前面側に配置されている。装飾部材50は、隣接する第1装飾体51と第2装飾体52とを備え、図2(A),図3(A)(B)に示すように、待機状態にある常態では、本体部30における枠部32内の球経路34および貯留部22を前側から覆っている。第1装飾体51は、図4に示すように、台形の板状に形成される前壁部51aを備え、前壁部51aの後面において、左下の角部より僅かに内側の位置から後方にL字状に延出する延出部51bが形成されると共に、延出部51bの右端に連なり後方に突出する突出部51cが形成されている。第2装飾体52は、図4に示すように、逆台形の板状に形成される前壁部52aを備え、前壁部52aの右側の縁と、下側の縁における右端側とにおいて、後方に逆L字状に延出する延出部52bが形成されている。また、前壁部52aの後面において、上端且つ左右方向の右端寄りの位置から後方に突出する突出部52cが形成されている。
突出部51cおよび突出部52cには、それぞれ前側ガイド部64が取り付けられる。前側ガイド部64は、前面側に突出部51c(突出部52c)が取り付けられる取付孔64aが形成され、後面側に第1ガイド孔38a,38a(第2ガイド孔38b,38b)に移動可能に挿通される一対の小判型のガイド片64b,64bが形成されている。ガイド片64bは、第1ガイド孔38a,38aおよび第2ガイド孔38b,38bに沿うように右方向に下り傾斜して形成されている。左側の前側ガイド部64は、一対のガイド片64b,64bがそれぞれ第1ガイド孔38a,38aに挿通された状態で、左側の後側ガイド部65に固定される。そして、右側の前側ガイド部64は、一対のガイド片64b,64bがそれぞれ第2ガイド孔38b,38bに挿通された状態で、右側の後側ガイド部65に固定されている。これにより、第1装飾体51が本体部30に対して左斜め上方にスライド移動可能に組み付けられ、第2装飾体52が本体部30に対して右斜め下方にスライド移動可能に組み付けられる。
次に、装飾部材50(第1装飾体51と第2装飾体52)の変位機構60について説明する。
変位機構60は、図4に示すように、第1駆動源61と、第1ギヤ62と、リンク部材63とを備えている。第1駆動源61は、装飾部材50を変位させる駆動力を発生させる。第1駆動源61は、例えば、公知のステッピングモータによって構成され、回動軸61aが正逆回転可能になっている。駆動ベース部40の孔42に挿通した回動軸61aは、第1ギヤ62の軸孔62aに嵌め込まれ、第1ギヤ62とともに回動する。リンク部材63は、軸孔63aと、軸孔63aから左側に延出する左アーム63bと、軸孔63aから右側に延出する右アーム63cとを備えている。左アーム63bは、クランク状になっており、先端に長孔63dが形成されている。右アーム63cは、軸孔63aから右側に延出する第1アーム部63eと、第1アーム部63eの右端から前側に延出する第2アーム部63fと、第2アーム部63fの前端から上側に延出する第3アーム部63gと、第3アーム部63gの上端から右上方に延出する第4アーム部63hとを備えている。右アーム63c(第4アーム部63h)の先端側には、長孔63iが形成されている。第4アーム部63hの基端側には、第4アーム部63hの長手方向に沿った長穴状のガイド孔63jが形成されている。リンク部材63(第4アーム部63h)の先端には検出片63kが設けられている。
リンク部材63は、軸孔63aに挿通される軸部44を中心に回動自在になっている。長孔63dには、左側の後側ガイド部65のガイド突起65aが挿通している。長孔63iには、右側の後側ガイド部65のガイド突起65aが挿通している。ガイド孔63jには、第1ギヤ62の突起部62bが挿通している。突起部62bは、第1ギヤ62において軸孔62aに対して偏心した位置に形成されている。
装飾部材50は、図2(A)、図5(A)に示す常態で、第1装飾体51および第2装飾体52は、待機位置にある。そして、第1駆動源61が動作して、回動軸61aおよび第1ギヤ62が前側から見て時計回りに回動すると、ガイド孔63jが突起部62bから作用を受けて、リンク部材63が軸部44を中心として前側から見て時計回りに回動する(図5参照)。すると、左側のガイド突起65a(図4参照)が長孔63dから作用を受けて、左側の前側ガイド部64、および左側の後側ガイド部65が連動して上側に移動する。同様に、右側のガイド突起65a(図4参照)が長孔63iから作用を受けて、右側の前側ガイド部64、および右側の後側ガイド部65が連動して下側に移動する。これにより、図2(B)に示すように、第1装飾体51が上側にスライド変位するとともに、第2装飾体52が下側にスライド変位することで、装飾部材50が変位位置となる。このように、第1装飾体51および第2装飾体52は、第1装飾体51および第2装飾体52が互いに対向する端面である境界B(図2参照)に沿う方向に互いに逆方向にスライド移動する。このため、遊技者に装飾部材50の移動量を大きく見せることができる。
一方で、装飾部材50は、図2(B)に示す変位位置から、第1駆動源61が正逆反転動作を行なうことで、回動軸61aおよび第1ギヤ62が前側から見て反時計回りに回動すると、ガイド孔63jが突起部62bから作用を受けて、リンク部材63が軸部44を中心として前側から見て反時計回りに回動する(図5参照)。すると、左側の前側ガイド部64、および左側の後側ガイド部65が連動して下側に移動するとともに、右側の前側ガイド部64、および右側の後側ガイド部65が連動して上側に移動する。これにより、図2(A)に示すように、第1装飾体51が下側にスライド変位するとともに、第2装飾体52が上側にスライド変位することで、装飾部材50が待機位置に移動する。
第1駆動源61は、例えば、本体部30の後面に設けられた位置検出スイッチ66(図5参照)によってリンク部材63の位置を検出することに基づいて、正逆反転される構成である。具体的には、位置検出スイッチ66は、リンク部材63の右端に設けられた検出片63kが近接することで、検出片63kを検出して、主制御基板12に対して検出信号を出力する。主制御基板12は、このような検出信号を取得したタイミングに基づいて、第1駆動源61に対して正逆反転指令を送信する(図14参照)。
以上のようにして、第1装飾体51を第2装飾体52に対してスライド変位させるとともに、第2装飾体52を第1装飾体51に対してスライド変位させる。すなわち、第1装飾体51の変位に着目すると、第1装飾体51が「1つの装飾体」に相当し、第2装飾体52が「他の装飾体」に相当する。また、第2装飾体52の変位に着目すると、第2装飾体52が「1つの装飾体」に相当し、第1装飾体51が「他の装飾体」に相当する。装飾部材50は、図2(A)、図5(A)に示す待機位置では、第1装飾体51と第2装飾体52とによって一枚の長板を形作る装飾となる。一方で、装飾部材50は、図2(B)、図5(B)に示す変位位置では、第1装飾体51と第2装飾体52とが上下方向にずれて、一枚の長板が分断されるような装飾の変化が生じる。
次に、第3開閉部材75を開閉動作させる第3開閉機構70について説明する。
第3開閉機構70は、図6に示すように、第2駆動源71と、軸部73と、リンク部74と、第3開閉部材75とを備えている。第3開閉機構70は、第3開閉部材75を、球入口33を閉鎖する閉鎖位置と、球入口33を開放する開放位置との間で変位させる。
第2駆動源71は、ソレノイドとして構成されている。第2駆動源71は、図6に示すように、通電可能なコイルを有するコイル部71aと、コイル部71aの通電状態に応じて上下方向に往復動するプランジャ71b(図7参照)と、プランジャ71bの周囲に巻装されたばね部材71c(図7参照)とを備えている。コイル部71aが通電せず非励磁状態のとき、ばね部材71cによってプランジャ71bの先端部がコイル部71aから離間するように付勢され、プランジャ71bが突出位置に維持される。コイル部71aが通電して励磁状態のときには、プランジャ71bがばね部材71cの付勢に抗してコイル部71a内に引き込まれ、プランジャ71bは没入位置で維持される。プランジャ71bの先端には、リンク部74に作用を及ぼす作用片71dが設けられている。作用片71dは、左右方向から見てU字状に折れ曲がる板片として構成され、先端において鉤状に湾曲する係合部71eが形成されている。第2駆動源71は、支持部材40Aの収納部72に収納され、図7に示すように、駆動ベース部40の後方に組み付けられ、係合部71eが駆動ベース部40を跨いで前面側に臨んでいる。
リンク部74は、図7に示すように、軸部73を介して駆動ベース部40に回動自在に組み付けられている。軸部73は、駆動ベース部40の前面の左下部分に形成された一対の軸受片45,45の軸孔に挿通されている。リンク部74は、図6に示すように、軸部73が挿通する円筒部74aと、第2駆動源71から作用が及ぼされる被係合部74bと、第3開閉部材75に作用を及ぼす作用部74cとが形成されている。被係合部74bは、円筒部74aの側面からL字状に屈曲して軸ピン状に延出している。被係合部74bには、第2駆動源71の係合部71eが係合している。作用部74cの先端は、左右方向から見てU字状の形態になっている。
第3開閉部材75は、図6に示すように、板状の閉鎖部75aと、閉鎖部75aの下面の後端側から下方に延出する被作用部75bと、閉鎖部75aの後端から上方に延出する規制部75cと、を備えている。閉鎖部75aは、本体部30の長孔31aに後方から挿通している。被作用部75bには、リンク部74のU字状の作用部74cが係合している。
第3開閉機構70は、球入口33の閉鎖状態で、図7(A)に示すように、第2駆動源71のプランジャ71bが突出位置に位置し、第3開閉部材75が閉鎖位置に位置して球入口33を閉鎖している。そして、第2駆動源71が作動すると、図7(B)に示すように、プランジャ71bが吸引されて突出位置から没入位置に変位し、それに伴ってプランジャ71bと連係している作用片71dが上方に移動する。作用片71dが上方に移動すると、係合部71eが被係合部74bを押し上げることにより、リンク部74が軸部73を中心として左側面から見て反時計回りに回動する。これにより、作用部74cが後方に移動するため、被作用部75bが作用部74cから後方に作用を受け、第3開閉部材75が閉鎖位置から開放位置にスライド変位する。このようにして、第3開閉機構70により球入口33は、開放状態となる。
一方で、第3開閉機構70は、図7(B)に示す球入口33の開放状態で、第2駆動源71のプランジャ71bが没入位置から突出位置に変位すると、プランジャ71bと連係している作用片71dから作用を受けてリンク部74が軸部73を中心として左側面から見て時計回りに回動する。これにより、リンク部74から作用を受けて第3開閉部材75が開放位置から閉鎖位置にスライド変位する。このようにして、第3開閉機構70により球入口33は、図7(A)に示す閉鎖状態となる。
次に、第1開閉部材86を開閉動作させる第1開閉機構80について説明する。
第1開閉機構80は、図8に示すように、第3駆動源81と、ガイド部材83、軸部84と、リンク部85と、第1開閉部材86とを備えている。第1開閉機構80は、第1開閉部材86を、貯留部22へ向かう球経路34を閉鎖しつつ遊技球を球流出口35から排出させるように誘導する閉鎖位置と、貯留部22へ向かう球経路34を開放する開放位置との間で変位させる。
第3駆動源81は、ソレノイドとして構成されている。第3駆動源81は、図8に示すように、通電可能なコイルを有するコイル部81aと、コイル部81aの通電状態に応じて左右方向に往復動するプランジャ81b(図9参照)と、プランジャ81bの周囲に巻装されたばね部材81c(図9参照)とを備えている。第3駆動源81は、第2駆動源71と同様に、コイル部81aが非励磁状態のときにプランジャ81bが突出位置に維持され、コイル部81aが励磁状態のときにプランジャ81bが没入位置で維持される。プランジャ81bの先端には、リンク部85に作用を及ぼす作用片81dが設けられている。作用片81dは、上側から見て逆L字状に折れ曲がる屈曲部81eを有し、屈曲部81eの先端において鉤状に屈曲する係合部81fが形成されている。第3駆動源81は、支持部材40Aの収納部82に水平状態で収納され、駆動ベース部40の後方に組み付られる。駆動ベース部40には、図8に示すように、上端側且つ左端寄りの位置において前後方向に貫通するガイド孔46が形成されている。ガイド孔46には、作用片81dの屈曲部81eが後方から挿通され、屈曲部81eの移動をガイドしている。
リンク部85は、図9に示すように、軸部84を介して駆動ベース部40に回動自在に組み付けられている。軸部84は、駆動ベース部40の前面におけるガイド孔46の左隣に形成された一対の軸受片47,47の軸孔に挿通されている。リンク部85は、軸部84に挿通する円筒部85aと、第3駆動源81から作用が及ぼされる被係合部85bと、第1開閉部材86に作用を及ぼす作用部85cとが形成されている。被係合部85bは、円筒部85aの側面からL字状に屈曲して延出している。被係合部85bは、第3駆動源81の係合部81fが係合している。作用部85cの先端は、上下方向から見てU字状の形態になっている。
第1開閉部材86は、図8に示すように、上下方向が板厚方向の第1板部86aと、第1板部86aの左側の縁における前端側から下方に延出する第2板部86bと、第1板部86aの上面の前端側から上方に延出する軸状の被作用部86cと、第2板部86bの前端から前方に延出し、上側から見て逆L字状の閉鎖部86dと、を備えている。被作用部86cは、リンク部85の作用部85cが係合している。閉鎖部86dは、屈曲部分の内側に、平面視三角状であり、右後方に向かって下り傾斜の誘導部86eが形成されている。
第1開閉部材86は、駆動ベース部40に形成された逆L字状の開口48aに挿通して配置されている。開口48aは、図9に示すように、駆動ベース部40の中心付近において前後方向に貫通するように形成されている。駆動ベース部40には、開口48aの下縁から前方に延出する下レール部48bと、開口48aの上縁から前方に延出する上レール部48cと、が形成されている。下レール部48bは、下方に凹む溝状であり、第1開閉部材86の第2板部86bおよび閉鎖部86dの前後方向の移動をガイドすると共に、球流出口35からの遊技球が通過する流路となっている。上レール部48cは、上方に凹む浅溝状であり、溝の底部(図8では上側の壁部)の左端寄りの位置に第1板部86aの被作用部86cが移動し得る上下方向に貫通する開口部48dが形成されている。上レール部48cは、第1開閉部材86の第1板部86aの前後方向の移動をガイドする。駆動ベース部40の開口48aの後端には、ガイド部材83が組み付けられている。ガイド部材83は、水平な板面を有する板部83aを有し、板部83aで第1開閉部材86の第1板部86aの後側を下方から支持しつつ前後方向の移動をガイドする。なお、支持部材40Aの収納部82の後面下端にL字状の規制片87が形成されており(図7参照)、図9(B)に示す第1開閉部材86の作用時に第1板部86aの後端が衝止して第1開閉部材86の後方への移動を規制する。
第1開閉機構80は、図9(A)に示すように、貯留部22に導かれる球経路34を閉鎖した状態で、第3駆動源81のプランジャ81bが突出位置に位置する。これにより、第1開閉部材86が閉鎖位置に位置して、貯留部22に向かう球経路34を閉鎖しつつ、球流出口35を開放して遊技球を球流出口35から排出させるように誘導する。具体的には、第1開閉部材86は、閉鎖部86dによって球経路34を塞ぎ、球経路上に位置する誘導部86eによって遊技球を後方に誘導する。球経路34から球流出口35に入り込んだ遊技球は、駆動ベース部40の下レール部48bを後方に流下して排出される。
そして、第3駆動源81が作動すると、図9(B)に示すように、プランジャ81bが吸引されて突出位置から没入位置に変位し、それに伴ってプランジャ81bと連係している作用片81dが右方向に移動する。作用片81dが右方向に移動すると、係合部81fがリンク部85の被係合部85bに係止していることにより、リンク部85が軸部84を中心として右方向(具体的には、上側から見て反時計回り)に回動する。これにより、作用部85cが後方(具体的には、上側から見て反時計回り)に移動するため、第1開閉部材86の被作用部86cが作用部85cから後方に作用を受け、第1開閉部材86が閉鎖位置から開放位置にスライド変位する。このように第1開閉機構80により、第1開閉部材86が貯留部22に向かう球経路34を開放する開放位置となる。具体的には、図9(B)に示すように、閉鎖部86dが球経路34から後方へ退避し、閉鎖部86dの前端によって球流出口35が閉鎖される。
一方で、第1開閉機構80は、図9(B)に示す球経路34の開放した状態で、第3駆動源81のプランジャ81bが没入位置から突出位置に変位すると、プランジャ81bと連係している作用片81dから作用を受けてリンク部85が軸部84を中心として左方向(具体的には、上側から見て時計回り)に移動する。これにより、第1開閉部材86の被作用部86cがリンク部85の作用部85cから作用を受けて第1開閉部材86が開放位置から閉鎖位置にスライド変位する。このように第1開閉機構80により、図9(A)に示すように、第1開閉部材86が球経路34を閉鎖する閉鎖位置となる。
次に、第2開閉機構90について説明する。
第2開閉機構90は、図10に示すように、第1駆動源61と、第1ギヤ62と、第2ギヤ91と、第2開閉部材92とを備えている。第2開閉機構90は、第2開閉部材92を、排出口37を閉鎖する閉鎖位置と、排出口37を開放する開放位置との間で変位させる。
第2ギヤ91は、前端に円板状の板部91cが形成されると共に、その中心に有底状の凹部91dが形成され、その底部に軸孔91aが形成されている。そして、第2開閉部材92を介して軸部43に軸孔91aが挿通され、軸部43を中心として回動自在になっている。第2ギヤ91は、図11に示すように、第1ギヤ62に噛み合っている。第2ギヤ91は、ギヤ歯が並ぶ周縁部の一部から径方向に突出する突起部91bが形成されている。
第2開閉部材92は、図10に示すように、第2ギヤ91を収容する収容部92aと、排出口37を閉鎖可能な閉鎖部92eとを備えている。収容部92aは、軸方向両端が閉塞された半円筒状に形成され、後端の中心付近に軸部43が挿通される透孔92bが形成され、前端の中心付近に前板部31の後面から突設される軸部43の軸受筒39(図11参照)が挿通される挿通孔92cが形成されている。収容部92aは、周壁(前後方向に延びる側壁)において、内側から外側に向かって凹む被作用溝部92dが、周壁に沿って螺旋状に形成されている。閉鎖部92eは、収容部92aの前端から前方に延出している。閉鎖部92eは、前後方向から見てV字状(開口31bの形状と同じ形状)の板片として形成されている。第2開閉部材92は、第2ギヤ91を収容した状態で、透孔92bに軸部43が挿通されることで、第2ギヤ91とともに駆動ベース部40に組み付けられている。このとき第2ギヤ91は、突起部91bが被作用溝部92dに入り込んでいる。そして、駆動ベース部40を本体部30に組み付けることにより、軸受筒39が第2開閉部材92の挿通孔92cおよび第2ギヤ91の凹部91dを介して軸部43を軸支し、第2開閉部材92の閉鎖部92eが排出口37に挿入されて、本体部30に対して前後方向にスライド自在になっている。このとき、第2ギヤ91は、図11に示すように、軸受筒39により前方向への移動が規制され、板部91cが第1ギヤ62のギヤ部の前面に位置することにより後方向への移動が規制されている。
第2開閉機構90は、常態で、図11(A)に示すように、第2開閉部材92(閉鎖部92e)が排出口37を閉塞している。そして、第1駆動源61が動作して、回動軸61aおよび第1ギヤ62が前側から見て時計回りに回動すると、第1ギヤ62に噛み合う第2ギヤ91が連動して前側から見て反時計回りに回動する。すると、第2ギヤ91の突起部91bは、前側から見て反時計回りに被作用溝部92dに沿って回動する。このとき、突起部91bが螺旋状の被作用溝部92dの内部を一端(図11(A)参照)から他端(図11(B)参照)まで移動することで、被作用溝部92dが突起部91bから後方に押される作用を受ける。これにより、第2開閉部材92は、第2ギヤ91を収容部92a内に収容した状態で閉鎖位置(図11(A)参照)から開放位置(図11(B)参照)に変位し、排出口37を開放する。
一方で、第2開閉機構90は、図11(B)に示す第2開閉部材92の開放位置で、第1駆動源61が正逆反転動作を行なうことで、回動軸61aおよび第1ギヤ62が前側から見て反時計回りに回動すると、第1ギヤ62に噛み合う第2ギヤ91が連動して前側から見て時計回りに回動する。すると、第2ギヤ91の突起部91bは、前側から見て時計回りに被作用溝部92dに沿って回動する。このとき、突起部91bが螺旋状の被作用溝部92dの内部を他端(図11(B)参照)から一端(図11(A)参照)まで移動することで、被作用溝部92dが突起部91bから前方に押される作用を受ける。これにより、第2開閉部材92は、第2ギヤ91を収容部92a内に収容した状態で開放位置(図11(B)参照)から閉鎖位置(図11(A)参照)に変位し、閉鎖部92eによって排出口37を閉鎖する。
次に、発光基板25について説明する。
発光基板25は、照明光を照射する基板であり、図12、図13に示すように、本体部30の前板部31の後面に組み付けられている。発光基板25は、第1基板25aと、第2基板25bとを備えている。発光基板25は、前板部31に設けられた第1透過部27a、第2透過部27b、および第3透過部27cの後方に配置されている。第1透過部27a、第2透過部27b、および第3透過部27cは、例えば透過性の樹脂材料によって構成され、前板部31に形成された開口に嵌め込まれている。第1透過部27aは、前板部31の中心付近から上側に拡がるような稲妻形状である。第2透過部27bは、前板部31の中心付近から下側に拡がるような稲妻形状である。第3透過部27cは、第1装飾体51と第2装飾体52との境界Bに沿うように、左上から右下に延びる帯状に形成されている。第1基板25aは、図12に示すように、前板部31において、第1透過部27a、および第3透過部27cの上端側の後方に配置されている。第2基板25bは、図13に示すように、前板部31において、第2透過部27b、および第3透過部27cの下端側の後方に配置されている。
発光基板25は、複数の発光部材26を備えている。発光部材26は、例えばLED(Light Emitting Diode)として構成されている。複数の発光部材26は、第1透過部27a、第2透過部27b、および第3透過部27cに対して前後方向で重なるように、発光基板25の前面に分散して配置されている。例えば、複数の発光部材26は、第3透過部27cに沿って(境界Bに沿って)直線状に配置されている。
入球装置10は、図14に示す主制御基板(制御手段)12により制御される。主制御基板12は、例えば、遊技機1の遊技動作を統括制御する。主制御基板12は、公知のコンピュータとして構成され、遊技機1全体を制御し、CPU、メモリ、システムバス、入出力インタフェース等を有し、情報処理装置として機能する。主制御基板12には、始動口センサ7aからの検出信号、検出スイッチ34aへ入賞した旨の入力信号、及び位置検出スイッチ66からの検出信号等が入力される。また、主制御基板12からは、中継基板等を介して第1駆動源61、第2駆動源71、および第3駆動源81へ駆動信号が出力され、動作を制御する。
主制御基板12は、例えば、遊技者に有利な遊技状態(いわゆる「大当り」状態)となった場合に、第2駆動源71を駆動させて、第3開閉機構70を閉鎖状態から開放状態に変化させる。そして、主制御基板12は、例えば、抽選での当たり確率が高くなる期間が長くなる場合に、第3駆動源81を駆動させて、第1開閉機構80を閉鎖状態から開放状態に変化させる。さらに、主制御基板12は、所定条件が成立した場合(例えば、検出スイッチ34aによって球経路34を流下する遊技球が所定個数(例えば5個)検出される毎)に、第1駆動源61を駆動させて、変位機構60により装飾部材50(第1装飾体51と第2装飾体52)を待機位置から変位位置に変化させるとともに、第2開閉機構90により第2開閉部材92を閉鎖位置から開放位置に変化させる。また、主制御基板12は、変位機構60により装飾部材50(第1装飾体51と第2装飾体52)を待機位置から変位位置に変化させる際に、発光部材26から照明光を照射する制御を行い、第1透過部27a、第2透過部27b、および第3透過部27cを介して、遊技者に視認させ、第1装飾体51と第2装飾体52の動きを強調させている。
(第1実施形態の主な効果)
本第1実施形態の入球装置10及び遊技機1は、球通過部材20の前面側に配置され、第1装飾体51および第2装飾体52を有する装飾部材50を備えている。そして、この入球装置10および遊技機1は、所定条件が成立した場合に、主制御基板12によって第1駆動源61を動作させて、両装飾体51,52を他方に対して変位させることができる。これにより、装飾部材50において、一部(1つの装飾体)が変位することで、分断されるような装飾の変化を生じさせることができる。そのため、球通過部材20の前面側で目立った装飾の変化が生じるため、球通過部材20にも遊技者の注意を引き易くなる。このように球通過部材20が遊技者の注意を引くことで、球通過部材20の球入口33に遊技球が入球することを遊技者に認識させ易くすることができる。そして、球通過部材20への入球が単に第3開閉部材75の開閉のみという単調になりがちな演出を、装飾体51,52を他方に対して変位させることで遊技者に飽きさせない演出が可能となり遊技の興趣を高めることができる。特に、大当たりのラウンド中もラウンド間のインターバルも間延びすることなく、演出時間として遊技を楽しむことができる。
入球装置10は、球通過部材20によって、球入口33から受け入れた遊技球をすぐに球出口31cから排出することなく、一旦遊技球を貯留部22に貯留させる演出を行うことができる。そのため、貯留部22に貯留させた遊技球を球出口31cから一気に放出させることで、爽快感を味わうことができる。
入球装置10は、球通過部材20が、第1開閉部材86が貯留部22への球経路34を閉鎖する閉鎖位置にあるときに、遊技球を球流出口35から排出させるように誘導することができる。そのため、球通過部材20は、球入口33から遊技球を受け入れたとしても、貯留部22に貯留することなく球流出口35から排出させることができる。一方で、球通過部材20は、第1開閉部材86が貯留部22への球経路34を開放する開放位置にあるときには、球入口33から受け入れた遊技球を、貯留部22に貯留することができる。したがって、球通過部材20は、球入口33から受け入れた遊技球に対して、貯留部22に貯留させる状態と、貯留部22に導かれる球経路34の途中の球流出口35から排出する状態とを切り替えることができる。そのため、例えば球流出口35から排出させる状態と貯留部22に貯留する状態とで、大当たりの確変昇格演出やラウンド延長のランクアップ演出等に利用することができ、遊技者の遊技への興趣をより高めることができる。
入球装置10は、球通過部材20が、第2開閉部材92が閉鎖位置にあるとき、遊技球を貯留部22に貯留させた状態に維持することができる。一方で、第2開閉部材92が開放位置にあるとき、貯留部22の遊技球を排出口37から外部に排出することができる。したがって、球通過部材20は、貯留部22で貯留状態にある遊技球に対して、貯留部22に貯留を維持させる状態と、貯留部22から排出する状態とを切り替えることができる。
入球装置10は、球通過部材20が、第3開閉部材75を閉鎖位置に変位させて遊技球を入球させない状態と、第3開閉部材75を開放位置に変位させて遊技球を入球させる状態と、を容易に切り替えることができる。
入球装置10は、発光部材26が各装飾体51,52とそれに隣接する装飾体との間の境界Bに沿って配置されるため、このような境界Bに沿って光を照射させることができる。そのため、1つの装飾体が変位して装飾部材50が分断されるような装飾の変化時に、分断面を光らせることができ、装飾体の変化に遊技者の注意をより一層引き易くなる。また、遊技領域4aの中央に設けられる液晶表示部5と連動して、例えば刀で切る映像に合わせて各装飾体51,52を可動させ、境界Bに沿って光を照射させることで、恰も装飾部材50が切られたように表現でき、映像だけでは表現できない臨場感を味わうことができる。
[第2実施形態]
本発明に係る遊技機用入球装置、及び遊技機を具現化した第2実施形態について、図面を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態の入球装置と同様に装飾体を他の装飾体に対して変位する形態であるが、球通過部材の構成が第1実施形態と異なって可動する構成である。
第2実施形態の入球装置210は、図15に示すように、球通過部材220と、取付ベース230と、装飾部材250と、回動機構260(図17参照)と、変位機構270(図18参照)と、入賞装置280と、を備え、取付ベース230の前面側に球通過部材220と、その上方に入賞装置280が配置され、後面側に回動機構260と変位機構270が組み付けられている。
球通過部材220は、図16に示すように、入賞装置280から排出された遊技球を、球通過部材220の上端に形成された球入口225から受け入れて貯留する貯留部224を備えており、軸部221a(図15参照)を中心として回動自在に取付ベース230に組み付けられている。球通過部材220は、左右に位置する第1通過部221と第2通過部222とを備えている。第1通過部221は、球通過部材220の左側部分を構成し、板状の基板部221bに第1球受け部226が回動自在に設けられている。第1通過部221の後面には、後方に突出する軸部221a(図17参照)が形成されている。第1通過部221の前面左端付近には、第1球受け部226を軸支する軸部221cが前方に突出して設けられている。
第1球受け部226は、図16に示すように、長板状に形成され、左端に軸部221aが挿通する軸孔226bが形成され、第1通過部221に軸部221cを中心として回動自在に組み付けられている。第1球受け部226の右端側は、第2通過部222との境界Bを跨いで第2通過部222の右端付近まで延びている。第1球受け部226の右端には、前後方向に突出する軸状の被ガイド突起226cが形成されている。前側の被ガイド突起226cは、図15に示すように、後述する第2装飾体252に形成されたガイド孔252dに挿通している。後側の被ガイド突起226cは、図16に示すように、後述する第2通過部222のガイド孔222aに挿通している。
第2通過部222は、図16に示すように、球通過部材220の右側部分を構成する。第2通過部222の板状の基板部222bの中心付近には、図16(C)に示すように、左右方向(第2通過部222の上縁の延びる方向)に沿って長いガイド孔222aが形成されている。ガイド孔222aは、第2通過部222に第2装飾体252が組み付けられた状態で第2装飾体252の枠部252bの上縁に沿うように形成されている。また、基板部222bの右端には球通過部材220に受け入れた遊技球が排出される球出口となる切欠き222cが形成されている。
装飾部材250は、図15に示すように、球通過部材220(基板部221b,222b)の前面側に配置されている。装飾部材250は、第1装飾体251と、第2装飾体252とを備えている。第1装飾体251は、第1通過部221の基板部221bを前面側から覆うように固定されている。第2装飾体252は、第2通過部222に基板部222bを前面側から覆い、左側部が第1通過部221の基板部221bの右側端部を覆うように固定されている。第1装飾体251は、装飾壁251a(図15参照)と、装飾壁251aの後方に遊技球の受入を許容し得る幅員を有する枠部251b(図16参照)と、を備えている。装飾壁251aは、前側から見て第1通過部221の基板部221bと略同様の形状であるが、幅方向が基板部221bより短く、図15に示すように右端が軸部221aの略中心位置となっている。枠部251bは、装飾壁251aの左縁および下縁から後方に延出している。枠部251bの下側部分は、装飾部材250の変位時に第1球受け部226の下側を支持し得るように位置している。
第2装飾体252は、装飾壁252a(図15参照)と、装飾壁252aの後方に遊技球の受入を許容し得る幅員を有する枠部252b(図16参照)と、を備えている。装飾壁252aは、前側から見て第2通過部222の基板部222bと略同様の形状であるが、幅方向が基板部222bより長く、図15に示すように左端が軸部221aの略中心位置となっている。したがって、図15(A)に示すように、第1装飾体251および第2装飾体252の境界Bは軸部221aの中心を通っている。装飾壁252aには、図15に示すように、左右方向(装飾壁252aの上縁の延びる方向)に沿って長いガイド孔252dが形成されている。枠部252bは、装飾壁252aの下縁および右縁から後方に延出している。枠部252bの右端には、前側から見て上側に折れ曲がる第2球受け部252cが形成され、右端の底部は後方に位置する基板部222bの切欠き222cに向かって下傾している。
第1通過部221と第2通過部222は、後述するように互いに相手側に対して変位自在に取付ベース230に組み付けられる。第1球受け部226の先端が、第2通過部222の基板部222bおよび第2装飾体252の装飾壁252aに支持されているため、第2通過部222が第1通過部221に対して変位するのに伴って、第2球受け部252cが軸部221aを中心に回動変位する。なお、本第2実施形態では、球通過部材220と装飾部材250が一体となっており、第2球受け部252cが球通過部材220の構成部分ともなっている。
図16に示すように、球通過部材220、および装飾部材250によって貯留部224が構成されている。具体的には、貯留部224は、第1通過部221(基板部221b)、第2通過部222(基板部222b)、第1球受け部226、装飾壁251a、枠部251b、装飾壁252a、および枠部252bによって構成されている。貯留部224は、入賞装置280の排出口282から排出された遊技球を、球通過部材220の上端(貯留部224の上端)に形成された球入口225から受け入れて貯留し、切欠き222cから遊技球を排出する。
取付ベース230は、図15に示すように遊技盤4に固定される板状部230aを備え、入賞装置280の下方部と板状部230aの前方に突設された周壁部230bとに囲まれた空間部230cに球通過部材220が、回動機構260(図17参照)、変位機構270(図18参照)によって可動し得るように組み付けられている。また、取付ベース230には、図15、図16に示すように、切欠き222cに対応して軸部221aを中心とした円弧状のリブ230dが形成され、右下の角部に、前後方向に貫通する放出口230eが形成されている。リブ230dは、切欠き222cに位置する貯留部224に貯留された遊技球を後方から支持し、放出口230eは、第2装飾体252の変位時に切欠き222cと合致し、切欠き222cから排出される貯留部224の遊技球を後方に放出する。
入賞装置280は、図15に示すように、取付ベース230において、球通過部材220の上方に配置されている。入賞装置280は、図16に示すように、上方に開口し遊技球を受け入れる入賞口281が形成されている。入賞装置280は、入賞口281を開閉する開閉板284を備えている。開閉板284は、例えば図示しないソレノイドの作動により入賞口281が開放する位置と閉鎖する位置とに可動するようになっている。入賞装置280は、入賞口281の下方において、入賞した遊技球を排出する排出口282が形成されている。排出口282には、検出スイッチ283が設けられ、入賞口281から受け入れられた遊技球を(入賞球)を検出する。
回動機構260は、図17に示すように、回動リンク223と、第1駆動源261と、第1ギヤ262と、第2ギヤ263と、を備えている。回動リンク223は、取付ベース230の後面側に配置され、球通過部材220に軸部221aを介して直結されて第1駆動源261の駆動力を伝達する板部材であり、球通過部材220と共に軸部221aを中心に回動する。回動リンク223は、軸部221aに軸筒部223aをビス等により固着することにより、球通過部材220とともに回動する。回動リンク223は、軸筒部223aから延出する第1延出部223bおよび第2延出部223dを備え、それぞれが取付ベース230に形成された貫通孔230f、230gを介して第1通過部221および第2通過部222に連係されている。第1延出部223bには長孔223c(図17(B)(C)参照)が形成され、先端部に取付ベース230の裏面に設けられた検知スイッチ230hにより球通過部材220の常態(第1回動位置)を検知する検知片223fが屈曲形成されている。第2延出部223dには、一対の長孔223e,223eが形成されている。
第1駆動源261は、例えば公知のステッピングモータによって構成され、図17に示すように、回動軸261aが第1ギヤ262の軸孔262aに組み付けられている。第1ギヤ262は、第2ギヤ263に噛み合っており、第2ギヤ263の突起部263aは、回動リンク223の長孔223c内に挿通している。
回動機構260は、図17(A)に示すように、第1駆動源261の回動軸261aが所定の回動位置にあるときに、球通過部材220を図15(A)、図16(A)に示す第1回動位置に位置させている。そして、回動機構260は、第1駆動源261が作動して回動軸261aが前側から見て反時計回りに回動することで、第1ギヤ262および第2ギヤ263が連動して、回動リンク223を時計回りに回動させる。これにより、回動機構260は、図17(B)に示すように可動し、球通過部材220を図15(B)、図16(B)に示す第2回動位置に位置させる。さらに、回動機構260は、第1駆動源261が正逆反転動作を行なうことで回動軸261aが前側から見て時計回りに回動することで、第1ギヤ262および第2ギヤ263が連動して、回動リンク223を反時計回りに回動させる。これにより、回動機構260は、図17(A)の第1回動位置を経由して、図17(C)に示すように可動し、球通過部材220を図15(A)鎖線に示す第3回動位置に位置させる。また、装飾部材250は、回動機構260により球通過部材220とともに、第1回動位置、第2回動位置、および第3回動位置の間において回動する。このように、球通過部材220は、軸部221aを中心にシーソー状に回動することになり、第2回動位置および第3回動位置は、第1回動位置に対して左右逆傾斜となる。
変位機構270は、図18に示すように、第2駆動源271と、円盤272と、変位リンク273と、連結部274と、を備えている。第2駆動源271は、例えば公知のステッピングモータによって構成され、取付板275を介して回動リンク223の第2延出部223dに取り付けられ、回動軸271aが円盤272の軸孔272aに組み付けられている。円盤272は、軸孔272aに対して偏心した突起部272bが形成され、変位リンク273の長孔273bに挿通している。変位リンク273は、長手板状に形成され、回動リンク223の右端に設けられた軸部223gを中心として回動自在に回動リンク223に組み付けられている。変位リンク273の左端側には、長穴状の長孔273bが形成されている。連結部274は、板状に形成され、一対の長孔223e,223eにガイドされてスライド変位するように、第2延出部223dに組み付けられている。連結部274は、後面側に突起部274aが形成され、突起部274aは変位リンク273の長孔273bに遊挿している。また、連結部274には後方に屈曲する検知片274fが形成され、連結部274の前面側に突設される一対のボスが一対の長孔223e,223eを介して連結する第2通過部222の待機位置を検知するようにしている。なお、検知片274fを検知する検知スイッチは、第2駆動源271が取り付けられる取付板275に設けられている。
変位機構270は、図17および図18(A)に示すように、第2駆動源271の回動軸271aが所定の回動位置にあるときに、第2通過部222および第2装飾体252を待機位置に位置させている。このとき、第2球受け部252cは、図16(A)(B)に示すように、遊技球を貯留保持する位置にある。また、第1球受け部226における前側の被ガイド突起226cが第2装飾体252のガイド孔252dの右端に位置し(図15参照)、後側の被ガイド突起226cが第2通過部222のガイド孔222aの右端に位置している。これにより、第1球受け部226の右端側が枠部252bに上下方向で重なり、第1球受け部226の端部が第2球受け部252cの上面に近接位置している。
そして、変位機構270は、第2駆動源271が作動して回動軸271aが前側から見て反時計回りに回動することで、円盤272が連動して前側から見て反時計回りに回動する。円盤272が回動する際に突起部272bが変位リンク273の長孔273bを下方に押し下げることで、変位リンク273が軸部223gを中心として前側から見て反時計回りに回動する。連結部274は、突起部274aが変位リンク273の長孔273bによって下方に押し下げられることで、一対の長孔223e,223eに沿って下方に移動する。第2通過部222は、図16(B)に示す待機位置から連結部274とともに下方にスライドして、図16(C)に示す変位位置に移動する。これにより、第2装飾体252も同様に変位して第2球受け部252cは、図16(C)に示すように、貯留保持する遊技球を放出口230eへ誘導する位置に変位する。このとき、第1球受け部226は、前後の被ガイド突起226cが第2装飾体252のガイド孔252dおよび第2通過部222のガイド孔222aの右端から左端に移動する。このような状態では、第1球受け部226の右端が枠部252bの左側上面に近接位置している。
一方で、変位機構270は、第2通過部222が図18(B)に示す変位位置にあるときに、第2駆動源271が作動して回動軸271aが前側から見て時計回りに回動することで、円盤272が連動して前側から見て時計回りに回動する。円盤272が回動する際に突起部272bが変位リンク273の長孔273bを上方に押し上げることで、変位リンク273が軸部223gを中心として前側から見て時計回りに回動する。連結部274は、突起部274aが変位リンク273の長孔273bによって上方に押し上げられることで、一対の長孔223e,223eに沿って上方に移動し、図18(A)に示す待機位置に戻る。これにより、第2球受け部252cは、図16(C)に示す貯留部224の遊技球を放出口230eに誘導する位置から図16(B)に示すように、貯留部224に遊技球を貯留する位置に変位する。また、装飾部材250は、球通過部材220とともに、待機位置と変位位置との間で変位する。
主制御基板12は、例えば、遊技者に有利な遊技状態(いわゆる「大当り」状態)となった場合に、入賞装置280の図示しないソレノイドを駆動させて、開閉板284を入賞口281が開放する位置に変位させる。同様に、主制御基板12は、「大当り」状態となった場合に、第1駆動源261を駆動させて、第2通過部222を第1回動位置、第2回動位置、および第3回動位置の間で回動させる。そして、主制御基板12は、検出スイッチ283によって入賞口281に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞したことが検出された場合に、球通過部材220が図16(B)に示す第2回動位置にある状態で、第2駆動源271を駆動させて、第2通過部222を待機位置から変位位置に変位させる。
(第2実施形態の主な効果)
本第2実施形態の入球装置210及び遊技機1は、所定条件が成立した場合に、主制御基板12によって第1駆動源261を動作させて、球通過部材220を取付ベース230に対して回動変位させることができる。これにより、球通過部材220を遊技領域4a上で目立たせることができ、遊技者の注意を引くことができる。このように球通過部材220が遊技者の注意を引くことで、球通過部材220の球入口225に遊技球が入球したことを遊技者に認識させ易くすることができ、入球する演出を飽きさせることなく遊技の興趣を高めることができる。
入球装置210は、第2球受け部252cが、待機位置にあるときに、遊技球を貯留保持することができる。一方で、第2球受け部252cは、変位位置にあるときに、遊技球を放出口230eへ誘導して排出することができる。このようにして、球通過部材220は、第2球受け部252cを変位させることで、貯留部224で貯留状態にある遊技球に対して、貯留部224に貯留を維持させる状態と、貯留部224から排出する状態とを切り替えることができる。そして、球通過部材220は、第2球受け部252cが貯留部224の一部を構成するため、貯留部224の状態の切り替え(遊技球を貯留する状態と排出する状態との切り替え)を別途専用の部材を設けることなく実現することができる。
入球装置210は、装飾部材250が第1装飾体251と第2装飾体252に分割形成されると共に、それぞれが第1通過部221と第2通過部222に一体的に設けられているため、第2通過部222の変位により球通過部材220がより一層目立ち、上流から球通過部材220の球入口225へと遊技球を流下させる入賞装置280にも、遊技者の注意を引かせることができる。そして、装飾部材250の変位動作に対して、入賞装置280への遊技球の入賞動作を組み合わせた演出が可能となる。
入球装置210は、入賞口281に遊技球が入賞したことをトリガーにして、装飾体を変位させることができる。そのため、入賞口281に遊技球が入賞したことを装飾体の動きによって認識させることができるとともに、入賞した際の演出効果を高めることができる。
[第3実施形態]
本発明に係る遊技機用入球装置、及び遊技機を具現化した第3実施形態について、図面を参照して説明する。第3実施形態は、入球装置の構成が第1実施形態と異なり、それ以外の構成等(遊技機1の構成等)は、第1実施形態と同様である。
第3実施形態の入球装置310は、図19、図20に示すように、球通過部材320と、取付ベース330と、装飾部材350と、変位機構360(図21参照)と、入賞装置380と、を備えている。
球通過部材320は、図20に示すように、上方に開放された箱状に形成されており、取付ベース330に固定されている。球通過部材320は、上方に開放する球入口321が形成されている。球入口321は、入賞装置380から排出された遊技球を受け入れる。球通過部材320は、左下の角部において後方に開放された球出口323が形成されている。球出口323は、球通過部材320内を流下する遊技球を外部に排出する。球通過部材320は、球入口321を閉鎖する閉鎖位置と、球入口321を開放する開放位置との間で変位する第3開閉部材324を備えている。第3開閉部材324は、例えば図示しないリンク部材を介して駆動源からの駆動力を受けて、前後方向にスライド移動して球入口321を開閉する。
装飾部材350は、図19に示すように、球通過部材320の前面側に配置されている。装飾部材350は、第1装飾体351と、第2装飾体352と、を備えている。第1装飾体351は、装飾部材350の左側部分を構成し、台形板状の前壁部351aと、前壁部351aの左側及び下側後面から延出するL字状の延出部351b(図20参照)と、一対の取付突部351c,351cを備えている。一対の取付突部351c,351cは、図20に示すように、それぞれガイド片363a,363aに組み付けられている。ガイド片363a,363aは、後面に形成されたガイド突起をそれぞれ取付ベース330に形成されたガイド孔330a,330aに組み付けられて、取付ベース330の後面でガイド部材364aにより連結固定され、第1装飾体351がガイド孔330a,330aによってスライド移動するようにガイドされる。
第2装飾体352は、装飾部材350の右側部分を構成し、台形板状の前壁部352aと、前壁部352aの右側及び下側後面から延出するL字状延出部352b(図20参照)と、一対の取付突部352c,352cを備えている。一対の取付突部352c,352cは、図20に示すように、それぞれガイド片363b,363bに組み付けられている。ガイド片363b,363bは、それぞれ取付ベース330に形成されたガイド孔330b,330bに組み付けられて、取付ベース330の後面でガイド部材364bにより連結固定され、第2装飾体352がガイド孔330b,330bによってスライド移動するようにガイドされる。
図20に示すように、取付ベース330、球通過部材320の球入口321より上端側部分、および第3開閉部材324によって貯留部322(第2貯留部)が構成されている。第3開閉部材324が閉鎖位置に位置するときに、第3開閉部材324の上に遊技球が貯留する。貯留部322は、球入口321が第3開閉部材324によって閉鎖されているときに、入賞装置380の排出口382から排出された遊技球を、球入口321(貯留部322の上端)から受け入れて第3開閉部材324の上に貯留する。
変位機構360は、図21に示すように、後板部340と、第1駆動源361と、リンク部362と、を備えている。後板部340は、取付ベース330の後面側に組み付けられ、ガイド部材364aの後端側に形成された突起部364cが挿通するガイド孔340aと、ガイド部材364bの後端側に形成された突起部364dが挿通するガイド孔340bと、が形成されている。また、後板部340には検知スイッチ340cが設けられており、ガイド部材364bの後面に突設された検知片364fを検知することにより、装飾部材350の待機位置を検知する。第1駆動源361の回動軸361aは、リンク部362の軸孔262aに組み付けられている。リンク部362は、軸孔262aから左側に延出する延出部362bと、軸孔262aから右側に延出する延出部362cと、を備えている。延出部362bには、ガイド部材364aの突起部364cが挿通する孔362dが形成され、延出部362cには、ガイド部材364bの突起部364dが挿通する孔362eが形成されている。
変位機構360は、図19(A)、図20(A)、図21(A)に示すように装飾部材350が待機位置にある状態で、第1駆動源361が作動すると、図21(B)に示すように、回動軸361a及びリンク部362が前側から見て時計回りに回動する。これにより、孔362dによって突起部364cが上方に押し上げられ、第1装飾体351が上方に変位する。また、孔362eによって突起部364dが下方に押し下げられ、第2装飾体352が下方に変位する。これにより、装飾部材350は、図19(B)、図20(B)に示すように、変位位置に位置する。
一方で、変位機構360は、図19(B)、図20(B)、図21(B)に示す状態から、第1駆動源361が作動すると、回動軸361a及びリンク部362が前側から見て反時計回りに回動する。これにより、孔362dによって突起部364cが下方に押し下げられ、第1装飾体351が下方に変位する。また、孔362eによって突起部364dが上方に押し上げられ、第2装飾体352が上方に変位する。これにより、装飾部材350は、図19(A)、図20(A)、図21(A)に示すように、変位位置に位置する。
入賞装置380は、図20に示すように、取付ベース330において、球通過部材320の上方に配置されている。入賞装置380は、図20に示すように、上方に開口し遊技球を受け入れる入賞口381が形成されている。入賞装置380は、入賞口381を開閉する開閉板384を備えている。開閉板384は、例えば図示しないソレノイドの作動により入賞口381が開放する位置と閉鎖する位置とに可動するようになっている。入賞装置380は、入賞口381の下方において、遊技球を排出する排出口382が形成されており、排出口382に、検出スイッチ383が設けられている。検出スイッチ383は、入賞口381から受け入れられた遊技球を(入賞球)を検出する。
主制御基板12は、例えば、遊技者に有利な遊技状態(いわゆる「大当り」状態)となった場合に、入賞装置380の図示しないソレノイドを駆動させて、入賞口381が開放する位置に開閉板384を変位させ遊技球を入賞させる。そして、主制御基板12は、検出スイッチ383によって入賞口381に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞したことが検出された場合に、図示しない駆動源を作動させて第3開閉部材324を閉鎖位置から開放位置に変位させ、第3開閉部材324上に貯留された遊技球を球出口323から放出する。同様に、主制御基板12は、検出スイッチ383によって入賞口381に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞したことが検出された場合に、第1駆動源361を作動させて、装飾部材350を変位位置に変位させる。
(第3実施形態の主な効果)
本第3実施形態の入球装置310及び遊技機1は、第3開閉部材324が閉鎖位置に位置するときに、貯留部322に入賞装置380に入賞した遊技球を貯留させることができる。そして、第3開閉部材324が閉鎖位置から開放位置に変位する動作に応じて、貯留部322に貯留された遊技球を球出口323に向けて一気に放出させることができ、遊技者に貯留部322に貯留された遊技球の貯留量を視認させ、入賞装置380に入球した遊技球量を認識させる演出を行うことができる。そして、入賞装置380への入球が単に開閉板384の開閉のみという単調になりがちな演出を、球通過部材320に入球させると共に装飾体351,352を他方に対して変位させることで、遊技者を飽きさせない演出が可能となり遊技の興趣を高めることができる。特に、大当たりのラウンド中もラウンド間のインターバルも間延びすることなく遊技を楽しむことができる。
入球装置310(入賞装置380)に入賞した遊技球の数に応じて第3開閉部材324を閉鎖位置から開放位置に変位させることができ、第3開閉部材324の上に遊技球を貯留させる貯留部322を形成した際には貯留部322に貯留する遊技球の数を所望の値に設定することができる。
[第4実施形態]
本発明に係る遊技機用入球装置、及び遊技機を具現化した第4実施形態について、図面を参照して説明する。第4実施形態は、貯留部の排出構成が第1実施形態と異なり、それ以外の同じ構成には、第1実施形態と同一符号を付して説明する。
第4実施形態の入球装置410は、図22に示すように、球通過部材420と、装飾部材450と、変位機構60と、第3開閉機構70(図6参照)と、発光基板25(図12参照)とを備えている。
球通過部材420は、図22に示すように、球入口33に入球した遊技球を検出する検出スイッチ34aが設けられており、球入口33から受け入れた遊技球は検出スイッチ34aに検出されて、貯留部422に貯留される。貯留部422は、球受け部36と、前板部31と、第2装飾体452とによって構成している。装飾部材450は、第1実施形態と同じ第1装飾体51と、第2装飾体452とを備えている。第2装飾体452は、延出部452bの左端は、球通過部材420の一部としても構成され、待機位置において貯留部422の排出口37を閉鎖する球受け部452cとして構成されている。
球受け部452cは、第2装飾体452が待機位置と変位位置との間で変位することで、図22(A)に示すように貯留部422に貯留される遊技球を貯留保持する待機位置と、図22(B)に示すように貯留部422に貯留された遊技球を球出口31cへ放出誘導する変位位置との間で変位する。球受け部452cは、待機位置で排出口37を閉鎖し、変位位置で排出口37を開放する。
(第4実施形態の主な効果)
本第4実施形態の入球装置410及び遊技機1は、球受け部452cが、待機位置にあるときに、遊技球を貯留部422に貯留保持することができる。一方で、球受け部452cは、変位位置にあるときに、排出口37を開放し遊技球を球出口31cへ誘導して排出することができる。このようにして、球通過部材420は、球受け部452cを変位させることで、貯留部422で貯留状態にある遊技球に対して、貯留部422に貯留を維持させる状態と、貯留部422から排出する状態とを切り替えることができる。そして、球通過部材420は、球受け部452cが貯留部422の一部を構成するため、貯留部422の状態の切り替え(遊技球を貯留する状態と排出する状態との切り替え)を別途専用の部材を設けることなく実現することができる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上述した第1~4実施形態において、装飾部材を変位させるための条件(所定条件)として、検出スイッチによって遊技球が所定個数検出されたこととしたが、その他の状態となることを条件としてもよい。例えば、遊技機1でリーチ状態や大当り状態が発生したことや、抽選での当たり確率が高くなることを所定条件としてもよい。
上述した第1~4実施形態において、第1装飾体および第2装飾体は、境界B(図12参照)に沿う方向に互いに逆向きにスライド移動したが、境界Bと交差する方向(例えば左右方向)に互いに離間するように移動する構成であってもよい。また、第1装飾体および第2装飾体は、所定の回動軸(例えば境界Bの下端で前後方向に沿う回動軸)を中心として回動する構成であってもよい。
上述した第1、第4実施形態において、第1装飾体と第2装飾体との境界に沿って配置される発光部材を備える発光基板が設けられていたが、第2、第3実施形態においても、同様の構成の発光基板を設けてもよい。