JP7393445B2 - 訓練教材提示システムおよび訓練教材提示方法 - Google Patents

Description

本発明は、対象機器の保守作業向け訓練教材を訓練者に提示する訓練教材提示システムおよび訓練教材提示方法に関する。

対象機器の保守作業が実施される前に、作業者に保守作業の手順・内容を理解させるための訓練が行われている。通常、訓練は、インストラクタが対象機器の構造、保守作業の手順・内容などを実際の対象機器を用いて説明する、集合教育の形式で行われている。

一方、集合教育の代わりに、或いは併用して、コンピュータを利用して作業者を個別に訓練するための訓練システムも既に知られている（例えば、特許文献１参照）。

特許文献１には、保守作業における準備作業、必要工具、作業内容を提供する図面、画像、テキスト、音声などのマルチメディアデータを編集して教材とする、プラント用の保守教育訓練システムが開示されている。

特開平１０－２６８７４６号公報

しかしながら、特許文献１に記載の従来のプラント用の保守教育訓練システムにあっては、保守作業の対象機器について訓練者がある程度の専門知識を有していることを前提としたものであり、訓練者に保守作業の対象機器についての専門知識がなくても保守作業の手順・内容を理解させることに関して、何ら考慮されていなかった。

本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、訓練者に保守作業の対象機器についての専門知識がなくても、作業手順を実機なしで容易・的確に把握させることができる保守作業訓練システムおよび保守作業訓練方法を提供することを目的とする。

本発明に係る訓練教材提示システムは、上記目的を達成するため、対象機器（４０１）の保守作業に関連する３次元画像を含む訓練教材を作業空間表示と共に提示する一方、前記保守作業の各段階に対応する模擬作業の操作入力に応じて前記訓練教材の提示内容を変化させる訓練教材提示システム（１）であって、前記模擬作業の操作入力の情報を取得する情報入力装置（１０，３０）と、前記保守作業の作業対象部位（４０２）と前記保守作業に使用するツール（４０４）とを表示可能かつ選択操作可能な複数の操作対象画像（４００，４０３）として記憶するとともに、前記模擬作業の操作入力の手順を記憶する記憶装置（２２０）と、前記記憶装置の記憶情報に基づいて、前記複数の操作対象画像のうち前記保守作業のいずれかの工程に必要な特定のツール（４０４）、前記複数の操作対象画像のうち特定工程の作業対象部位（４０２）、および前記特定工程の作業対象部位に対する前記模擬作業の操作入力（４０５）のうちいずれか１つ以上を表示或いは実行可能な１または複数の表示画面（７０Ａ，７０Ｂ，７０Ｃ）を、それぞれ表示出力可能に生成する出力情報生成装置（２０）と、表示画面上に、前記１又は複数の表示画面の各画面を所定の出力条件に従って表示出力する表示出力装置（３０）と、を備え、前記情報入力装置が、インストラクタ（３）による前記選択操作もしくは前記模擬作業の操作入力の情報である第１の入力情報を取得可能であり、前記出力情報生成装置が、前記インストラクタによる前記選択操作もしくは前記模擬作業の操作入力の情報に基づいて、前記インストラクタとは異なる訓練者（４）が前記模擬作業を行う際に用いられる前記所定の出力条件であって、前記模擬作業の操作入力の手順に対応する前記所定の出力条件を設定し、前記所定の出力条件に基づいて、前記模擬作業の作業対象部位および前記模擬作業に使用する適切なツールを操作対象画像表示領域（５０２）に表示出力するとともに、前記訓練者が行うべき前記模擬作業の操作入力の指示をインストラクション表示領域（５０１）に表示出力するための表示画面を生成するとともに、前記訓練者による前記模擬作業の操作入力に応じて、前記保守作業の作業手順に従って表示画面を遷移させ、前記操作対象画像表示領域（５０２）内で、前記作業対象部位（４０２）の画像の近くに、その作業対象部位の操作に使用する適切なツールの画像（４０３）を表示することを特徴としている。

この構成により、インストラクタの模範操作入力を基に、所要の保守作業手順に則した訓練教材や演習教材を容易・迅速に作成可能となる。

また、本発明の訓練教材提示システムでは、前記インストラクタによる前記選択操作もしくは前記模擬作業の操作入力の情報が、前記模擬作業において前記インストラクタが表示画面上に選択可能または操作可能に表示された画像に対して行った選択操作、前記インストラクタの前記模擬作業を記録した動画、または、前記インストラクタの前記模擬作業の際に記録した音声から得られるものであってもよい。

また、本発明の訓練教材提示方法は、対象機器の保守作業に関連する３次元画像を含む訓練教材を作業空間表示と共に提示する一方、前記保守作業の各段階に対応する模擬作業の操作入力に応じて前記訓練教材の提示内容を変化させる訓練教材提示方法であって、前記模擬作業の操作入力の情報を取得する情報入力ステップ（Ｓ１，Ｓ９）と、前記保守作業の作業対象部位と前記保守作業に使用するツールとを表示可能かつ選択操作可能な複数の操作対象画像として記憶するとともに、前記模擬作業の操作入力の手順を記憶する記憶ステップ（Ｓ２，Ｓ３）と、前記記憶ステップで記憶された記憶情報に基づいて、前記複数の操作対象画像のうち前記保守作業のいずれかの工程に必要な特定のツール、前記複数の操作対象画像のうち特定工程の作業対象部位（４０２）、および前記特定工程の作業対象部位に対する前記模擬作業の操作入力（４０５）のうちいずれか１つ以上を表示或いは実行可能な１または複数の表示画面（７０Ａ，７０Ｂ，７０Ｃ）を、それぞれ表示出力可能に生成する出力情報生成ステップ（Ｓ４）と、表示画面上に、前記１又は複数の表示画面の各画面を所定の出力条件に従って表示出力する表示出力ステップ（Ｓ８）と、を含む各ステップをコンピュータにより実行する訓練教材提示方法であり、前記情報入力ステップでは、インストラクタ（３）による前記選択操作もしくは前記模擬作業の操作入力の情報を取得可能であり、前記出力情報生成ステップでは、前記インストラクタによる前記選択操作もしくは前記模擬作業の操作入力の情報に基づいて、前記インストラクタとは異なる訓練者（４）が前記模擬作業を行う際に用いられる前記所定の出力条件であって、前記模擬作業の操作入力の手順に対応する前記所定の出力条件を設定し、前記所定の出力条件に基づいて、前記模擬作業の作業対象部位および前記模擬作業に使用する適切なツールを操作対象画像表示領域（５０２）に表示出力するとともに、前記訓練者が行うべき前記模擬作業の操作入力の指示をインストラクション表示領域（５０１）に表示出力するための表示画面を生成するとともに、前記訓練者による前記模擬作業の操作入力に応じて、前記保守作業の作業手順に従って表示画面を遷移させ、前記操作対象画像表示領域（５０２）内で、前記作業対象部位（４０２）の画像の近くに、その作業対象部位の操作に使用する適切なツールの画像（４０３）を表示することを特徴としている。

この構成により、インストラクタの模範操作入力を基に、所要の保守作業手順に則した訓練教材や演習教材を容易・迅速に作成可能となる。

また、本発明の訓練教材提示方法では、前記インストラクタによる前記選択操作もしくは前記模擬作業の操作入力の情報が、前記模擬作業において前記インストラクタが表示画面上に選択可能または操作可能に表示された画像に対して行った選択操作、前記インストラクタの前記模擬作業を記録した動画、または、前記インストラクタの前記模擬作業の際に記録した音声から得られるものであってもよい。

本発明によれば、訓練者に保守作業の対象機器についての専門知識がなくても、作業手順を実機なしで容易・的確に把握させることができる訓練教材提示システムおよび訓練教材提示方法を提供することができる。

本発明の実施形態に係る訓練教材提示システムの構成図である。 図１に示された動作取得端末の構成図である。 図２に示された作業情報記録データベースの構成図である。 図１に示された訓練教材生成サーバの構成図である。 図４に示されたテンプレートデータベースの構成図である。 図１に示された訓練教材実行端末の構成図である。 図６に示された実行情報記録データベースの構成図である。 本実施形態に係る訓練教材提示方法のフローチャートである。 訓練教材実行端末の表示画面の構成（教育モード）を示す図である。 訓練教材実行端末の表示画面の構成（教育モード）を示す図である。 訓練教材実行端末の表示画面の構成（教育モード）を示す図である。 訓練教材実行端末の表示画面の構成（演習モード）を示す図である。 訓練教材実行端末の表示画面の構成（演習モード）を示す図である。 訓練教材実行端末の表示画面の構成（演習モード）を示す図である。 訓練教材実行端末の画面の表示例（教育モード）を示す図である。 訓練教材実行端末の画面の表示例（演習モード）を示す図である。 訓練教材実行端末の画面の表示例（演習モード）を示す図である。 訓練教材実行端末の画面の表示例（演習モード）を示す図である。 訓練教材実行端末の画面の表示例（機器構造説明用）を示す図である。

以下、本発明の実施形態に係る訓練教材提示システムについて、図面を参照して説明する。

本実施形態に係る訓練教材提示システム１は、対象機器の保守作業の技術、特に作業手順を習得するための訓練教材を訓練者に提示するためのシステムである。以下では、対象機器の例としてエアロバイク（登録商標）を用いて説明するが、保守作業の対象機器がこれに限定されないことは勿論である。

本実施形態に係る訓練教材提示システム１は、対象機器４０１の保守作業に関連する３次元画像（３ＤＣＧ（Ｔｈｒｅｅ－ｄｉｍｅｎｓｉｏｎａｌ ｃｏｍｐｕｔｅｒ ｇｒａｐｈｉｃｓ）データ）を含む訓練教材を作業空間表示と共に提示する一方、保守作業の各段階に対応する模擬作業の操作入力に応じて訓練教材の提示内容を変化させるようになっている。

図１は、本発明の実施形態に係る訓練教材提示システム１の構成を示す構成図である。図１に示すように、訓練教材提示システム１は、動作取得端末１０と、訓練教材生成サーバ２０と、訓練教材実行端末３０とを備え、それらが通信ネットワーク４０を介して接続されている。

訓練教材提示システム１は、通信ネットワーク４０を介さない構成であってもよく、また、動作取得端末１０と訓練教材生成サーバ２０と訓練教材実行端末３０とのうち任意の２つの組合せを統合して１つの装置（或いはサーバ又は端末）として実現してもよいし、３つを統合して１つの装置としてもよい。

（動作取得端末）
まず、動作取得端末１０について説明する。
動作取得端末１０は、タブレット端末、パーソナルコンピュータ（ＰＣ）、スマートフォンなどであり、保守作業の訓練教材を生成（オーサリング）するための情報を取得するようになっている。具体的には、動作取得端末１０は、保守作業の各段階に対応する模擬作業における、インストラクタ３による選択操作もしくは操作入力の情報（第１の入力情報という）を取得するようになっている。なお、動作取得端末１０は本発明の情報入力装置および出力情報生成装置に対応する。

例えば、保守作業の対象機器がエアロバイクの場合、エアロバイクのコンソール取り外し段階に対応する模擬作業の「選択操作・操作入力」は、使用するツール（工具）の選択操作、ツールを使用する作業対象部位（例えば六角ボルト）の選択操作、コンソールを特定方向に移動させて取り外す操作入力などである。

動作取得端末１０は、模擬作業におけるインストラクタ３の画像、動画、音声、身体の動き、作業場所の位置情報などの情報を取得するようにしてもよい。これらの情報を画像処理等により分析することにより、模擬作業における選択操作・操作入力の情報を得ることができる。

図２は、動作取得端末１０の構成を示す構成図である。図２に示すように、動作取得端末１０は、制御部１００、各種処理プログラムを格納したメモリ１１０、各種データベースを格納したストレージ１２０、通信部１０１、センシング部１０２、録音部１０３、録画部１０４、表示部１０５、操作部１０６、および電源供給部１０７を備えており、これらが接続ライン（或いはバス）１３０により接続されている。

制御部１００は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、入出力インタフェース、外部記憶装置等を有するコンピュータを用いる構成であってもよく、その機能の一部または全部は、メモリ１１０に記憶された各種処理プログラムをＣＰＵで実行することにより実現することができる。

通信部１０１は、通信ネットワーク４０を介して訓練教材生成サーバ２０および訓練教材実行端末３０と通信を行うようになっている。

録音部１０３は、マイクを備え、作業時のインストラクタ３の音声、作業対象機器から発する音、周囲の音などを録音するようになっている。

録画部１０４は、カメラまたはビデオカメラを備え、例えば、作業対象機器とインストラクタ３の腕が映り込むようにして、作業を録画するようになっている。

表示部１０５は、例えば液晶ディスプレイであり、パーソナルコンピュータ（ＰＣ）、タブレット端末などの表示部で構成される。

操作部１０６は、例えばキーボード、マウス、タッチパネルなどを備え、インストラクタ３からの入力操作を検知できるようになっている。

センシング部１０２は、ＴｏＦ（Ｔｉｍｅ Ｏｆ Ｆｌｉｇｈｔ）センサを備え、作業対象機器とインストラクタ３との距離を測定することにより、作業対象機器に対するインストラクタ３の空間的な位置関係を検知するようになっている。これにより、例えば、インストラクタ３と作業対象機器との接触を検知できるようになっている。また、センシング部１０２は、ＧＰＳ（Ｇｌｏｂａｌ Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ）により動作取得端末１０の位置を検出できるようになっている。

電源供給部１０７は、動作取得端末１０を駆動するのに必要な電力を供給するようになっている。

メモリ１１０には、動作集計処理部１１１、教材生成処理部１１２、および情報送受信処理部１１３を構成する各種処理プログラムが格納されている。これらの処理プログラムは、制御部１００のＣＰＵにより実行されることにより、それぞれの処理機能を実現できるようになっている。

動作集計処理部１１１は、制御部１００のＣＰＵにより処理プログラムが実行されることにより、インストラクタ３の動作（選択操作・操作入力）の情報を取得し、集計するようになっている。インストラクタ３の動作の情報は、ストレージ１２０に格納された作業情報記録データベース１２１に記憶されるようになっている。

教材生成処理部１１２は、制御部１００のＣＰＵにより処理プログラムが実行されることにより、３ＤＣＧエンジンを用いて訓練教材（コンテンツ）を作成する処理を実行するようになっている。

情報送受信処理部１１３は、制御部１００のＣＰＵにより処理プログラムが実行されることにより、通信部１０１を駆動、制御して訓練教材生成サーバ２０または訓練教材実行端末３０と情報を送受する処理を実行するようになっている。

ストレージ１２０には、作業情報記録データベース１２１が格納されている。

図３は、作業情報記録データベース１２１の構成を示す構成図である。図３に示すように、作業情報記録データベース１２１の各レコード（行）に記録される項目は、インストラクタ番号、作業番号、手順番号、使用工具番号、作業対象部位、操作、記録動画、および記録音声である。

インストラクタ番号は、各インストラクタ３に一意に割り当てられた識別番号である。作業番号は、作業を特定するために一意に割り当てられた番号である。手順番号は、作業番号で特定される作業についての作業手順のうち、どの手順かを特定する番号である。

使用工具番号は、作業番号、手順番号により特定される工程に使用された工具に一意に割り当てられた識別番号である。作業対象部位は、使用工具により操作された対象部位である。操作は、使用工具を作業対象部位に用いて行う操作の内容を示している。

記録動画は、作業を記録した動画ファイル名が記載されており、訓練教材生成サーバ２０のストレージ２２０等に別途保存された記録動画にアクセスできるようになっている。記録音声は、作業時に音声を記録した音声ファイル名が記載されており、訓練教材生成サーバ２０のストレージ２２０等に別途保存された記録音声にアクセスできるようになっている。

なお、記録動画、記録音声は、インストラクタ３が動作取得端末１０の表示部１０５に選択可能または操作可能に表示された画像に対して、操作部１０６を用いて選択操作を行う場合には、記録動画、記録音声は無くてもよい。

作業情報記録データベース１２１には、インストラクタ３が作業番号と手順番号で特定される作業工程を実施するごとに、レコード（行）データが追加されるようになっている。

（訓練教材生成サーバ）
次に、訓練教材生成サーバ２０について説明する。

図４は、訓練教材生成サーバ２０の構成図である。図４に示すように、訓練教材生成サーバ２０は、制御部２００、各種処理プログラムを格納したメモリ２１０、各種データベースを格納したストレージ２２０、通信部２０１、表示部２０５、操作部２０６、および電源供給部２０７備えており、これらが接続ライン（或いはバス）２３０により接続されている。

なお、訓練教材生成サーバ２０が本発明の出力情報生成装置に対応し、ストレージ２２０が、本発明の記憶装置に対応する。

制御部２００は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、入出力インタフェース、外部記憶装置等を有するコンピュータを用いる構成であってもよく、訓練教材生成サーバ２０の機能の一部または全部は、メモリ２１０に記憶された各種処理プログラムをＣＰＵで実行することにより実現することができる。

通信部２０１は、通信ネットワーク４０を介して動作取得端末１０および訓練教材実行端末３０と通信を行うようになっている。

表示部２０５は、液晶ディスプレイ等で構成され、訓練教材、インストラクタ３の作業映像、訓練教材提示システムの管理状況等を表示できるようになっている。

操作部２０６は、例えばキーボード、マウス、タッチパネルなどを備え、操作者からの入力操作を検知できるようになっている。

電源供給部２０７は、訓練教材生成サーバ２０を駆動するのに必要な電力を供給するようになっている。

メモリ２１０には、動作集計処理部２１１、教材生成処理部２１２、および情報送受信処理部２１３を構成する各種処理プログラムが格納されている。これらの処理プログラムは、制御部２００のＣＰＵにより実行されることにより、それぞれの処理機能を実現できるようになっている。

動作集計処理部２１１は、制御部２００のＣＰＵにより処理プログラムが実行されることにより、動作取得端末１０から送信された作業情報の集計処理を行うようになっている。

教材生成処理部２１２は、制御部２００のＣＰＵにより処理プログラムが実行されることにより、動作取得端末１０から送信された作業情報を基に３ＤＣＧエンジンを用いて訓練教材の生成処理を行うようになっている。

情報送受信処理部２１３は、制御部２００のＣＰＵにより処理プログラムが実行されることにより、通信部２０１を駆動、制御して動作取得端末１０または訓練教材実行端末３０と情報を送受する処理を実行するようになっている。

ストレージ２２０には、テンプレートデータベース２２１、および訓練教材データベース２２２が格納されている。

図５は、テンプレートデータベース２２１の構成を示す構成図である。図５に示すように、テンプレートデータベース２２１の各レコード（行）に記録される項目は、テンプレート番号、進行パターン番号、および画面構成番号である。

テンプレート番号は、訓練教材が用いるテンプレートに一意に割り当てられた識別番号である。進行パターン番号は、訓練者４からの操作入力により表示画面が進行するパターンに一意的に割り当てられた識別番号である。例えば、進行パターン番号が１の場合、表示部２０５に表示される画面構成は、訓練者４からの操作入力がある度に画面構成番号１→画面構成番号２→画面構成番号４のように変化（進行）していく。

画面構成番号は、表示部２０５に表示される画面構成に一意的に割り当てられた識別番号である。例えば、画面構成番号１は、図９に示すように、画面右上にインストラクション表示領域５０１と、画面右下に操作対象画像表示領域５０２と、画面左にガイド表示領域５０３とを有し、操作対象画像表示領域５０２に対象機器４０１を示す操作対象画像４００が表示される配置パターンを示す。

教材生成処理部２１２は、テンプレートデータベース２２１に登録されているテンプレート番号を指定することにより、訓練画面の進行パターンを特定することができる。

新たな進行パターンが考案されるごとに、レコード（行）データが追加されるようになっている。

訓練教材データベース２２２は、教材生成処理部２１２により生成された訓練教材を記憶したものである。訓練教材は、各教材に一意に割り当てられた教材番号、対象機器名、作業内容等によって紐付けられており、教材番号等の情報を基に検索、取得できるようになっている。

（訓練教材実行端末）
次に訓練教材実行端末３０について説明する。
訓練教材実行端末３０は、例えば、タブレット端末、ＰＣなどである。なお、訓練教材実行端末３０は本発明の情報入力装置、および表示出力装置に対応する。

図６は、訓練教材実行端末３０の構成を示す構成図である。図６に示すように、訓練教材実行端末３０は、制御部３００、各種処理プログラムを格納したメモリ３１０、各種データベースを格納したストレージ３２０、通信部３０１、表示部３０５、操作部３０６、および電源供給部３０７を備えている。

制御部３００は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、入出力インタフェース、外部記憶装置等を有するコンピュータを用いる構成であってもよく、その機能の一部または全部は、メモリ３１０に記憶された各種処理プログラムをＣＰＵで実行することにより実現することができる。

通信部３０１は、通信ネットワーク４０を介して訓練教材生成サーバ２０および動作取得端末１０と通信を行うようになっている。

表示部３０５は、例えば液晶ディスプレイであり、タブレット端末、ＰＣなどの表示部で構成される。

操作部３０６は、例えばキーボード、マウス、タッチパネルなどを備え、訓練者４からの入力操作を検知できるようになっている。

電源供給部３０７は、訓練教材実行端末３０を駆動するのに必要な電力を供給するようになっている。

メモリ３１０には、教材実行処理部３１１、実行データ集計処理部３１２、および情報送受信処理部３１３を構成する各種処理プログラムが格納されている。これらの処理プログラムは、制御部３００のＣＰＵにより実行されることにより、それぞれの処理機能を実現できるようになっている。

教材実行処理部３１１は、制御部３００のＣＰＵにより処理プログラムが実行されることにより、訓練教材生成サーバ２０から配信された訓練教材を実施する処理を実行するようになっている。訓練教材の実施とは、訓練教材に含まれる表示画面を表示部３０５に表示し、操作部３０６に対する訓練者４からの操作入力に従って演習や教育を進行していくことである。

実行データ集計処理部３１２は、制御部３００のＣＰＵにより処理プログラムが実行されることにより、訓練者４が実行した選択操作・操作入力の情報を取得し、集計するようになっている。訓練者４の実行情報は、ストレージ３２０に格納された実行情報記録データベース３２１に記憶されるようになっている。

情報送受信処理部３１３は、制御部３００のＣＰＵにより処理プログラムが実行されることにより、通信部３０１を駆動、制御して訓練教材生成サーバ２０または動作取得端末１０と情報を送受する処理を実行するようになっている。

ストレージ３２０には、実行情報記録データベース３２１が格納されている。

図７は、実行情報記録データベース３２１の構成を示す構成図である。図７に示すように、実行情報記録データベース３２１の各レコード（行）に記録される項目は、訓練者番号、作業番号、手順番号、使用工具番号、作業対象部位、操作、正誤、および習熟度である。

訓練者番号は、各訓練者４に一意に割り当てられた識別番号である。作業番号は、作業を特定するために一意に割り当てられた番号である。手順番号は、作業番号で特定される作業についての作業手順のうち、どの手順かを特定する番号である。

使用工具番号は、作業番号、手順番号により特定される工程に使用された工具に一意に割り当てられた番号である。作業対象部位は、使用工具により操作された対象部位である。操作は、使用工具を作業対象部位に用いて行う操作の内容を示している。

正誤は、訓練者４による作業内容（使用工具、作業対象部位、操作）がインストラクタ３の作業内容と一致しているか否かを示す。例えば、○印は一致を示し、×印は不一致を示す。

習熟度は、訓練者４の作業の習熟度を示し、訓練者４による作業内容（使用工具、作業対象部位、操作）とインストラクタ３の作業内容との一致度合いに応じてランク付けされている。習熟度は例えばＡ，Ｂ，Ｃの３段階（Ａ＞Ｂ＞Ｃ）で表し、図７では、手順１～３のうち２つが正解で、１つが不正解であったので、習熟度は中間のＢとされている。

実行情報記録データベース３２１には、訓練者４が作業番号と手順番号で特定される作業を行うごとに、レコード（行）データが追加されるようになっている。

次に、本実施形態に係る訓練教材提示方法を説明する。

図８は、本実施形態に係る訓練教材提示方法のフローチャートである。まず、訓練教材の生成段階について説明する。

訓練教材の生成段階では、動作取得端末１０において、インストラクタ３が模擬作業を行い、模擬作業における操作入力の情報を取得する（Ｓ１）。具体的には、インストラクタ３が、動作取得端末１０の表示画面に操作可能に表示された対象機器の３ＤＣＧデータの画像に対して、マウス、キーボード、タッチパネルなどの操作部１０６を用いて操作し、その操作入力の情報を動作取得端末１０が取得する。

模擬作業での操作入力の情報は、インストラクタ３による模擬作業を撮影した映像を基に画像処理等を用いて取得するようにしてもよい。

一方、訓練教材生成サーバ２０は、保守作業の作業対象部位と保守作業に使用するツールとを表示可能かつ選択操作可能な複数の操作対象画像としてストレージ２２０に記憶するとともに（Ｓ２）、ステップＳ１で取得した操作入力の情報を基に模擬作業の操作入力の手順をストレージ２２０に記憶する（Ｓ３）。

次に、訓練教材生成サーバ２０が、ステップＳ２、Ｓ３で記憶された記憶情報に基づいて、第１～第３表示画面を含めて訓練教材の表示画面を表示出力可能に生成する（Ｓ４）。第１表示画面（図１６の７０Ａ）は、ステップＳ２で記憶した複数の操作対象画像のうち保守作業のいずれかの工程に必要な特定のツールを表示する画面である。第２表示画面（図１７の７０Ｂ）は、複数の操作対象画像のうち特定工程の作業対象部位を表示する画面である。第３表示画面（図１８の７０Ｃ）は、特定工程の作業対象部位に対する模擬作業の操作入力を実行可能な画面である。

上述したように、第１表示画面、第２表示画面および第３表示画面の各画面は、インストラクション表示領域（７０１）と操作対象画像表示領域（７０２）とを含んでいる。インストラクション表示領域は、選択操作または操作入力を要求する表示領域である。操作対象画像表示領域は、複数の操作対象画像のうちインストラクション表示領域の表示内容に対応する特定の操作対象画像を該操作対象画像に対する選択操作または模擬作業の操作入力を実行可能に表示する表示領域である。

次に、訓練教材の実行段階について説明する。

図８に示すように、まず、訓練者４が保守作業の対象となる機器名および訓練メニューを訓練教材実行端末３０に入力する（Ｓ５）。訓練メニューの項目としては、例えば、教育モード、演習モードがある。

次に、訓練者４が入力した機器名および訓練メニューの情報が訓練教材生成サーバ２０に送信される（Ｓ６）。

訓練教材生成サーバ２０は、訓練教材実行端末３０から受信した機器名および訓練メニューの情報を基に対応する訓練教材（コンテンツ）を検索し、検索で見つかった訓練教材を訓練教材実行端末３０に配信する（Ｓ７）。

次いで、訓練教材実行端末３０が、表示部３０５の表示画面上に、配信された訓練教材の第１表示画面、第２表示画面および第３表示画面の各画面を所定の出力条件に従って表示出力する（Ｓ８）。

訓練者４は、訓練教材実行端末３０の表示画面のインストラクション表示領域に表示された指示に従って、操作部３０６を用いて操作を行い、訓練教材実行端末３０は模擬作業におけるこの操作入力の情報を取得する（Ｓ９）。

ステップＳ１０では、訓練或いは工程が終了したか否かを判断し、未終了の場合はステップＳ８に戻り、終了の場合はステップＳ１１に進む。

ステップＳ１１では、ステップＳ９において取得した訓練者４の操作入力と、訓練教材の生成段階のステップ１で取得したインストラクタ３による操作入力とを比較判定し、その一致度合に応じて保守作業の習熟度を評価する（Ｓ１１）。例えば、習熟度をＡ，Ｂ，Ｃ（習熟度はＡ＞Ｂ＞Ｃ）や、１～１０の整数（大きいほど習熟度大）によりランク付けしてもよい。

訓練教材実行端末３０は、保守作業についての訓練者４の習熟度をストレージ３２０の実行情報記録データベース３２１に記録し管理する（Ｓ１２）。

次に、訓練教材実行端末３０における訓練教材の実行について、表示部３０５の表示画面を参照して説明する。

まず、訓練メニューのモードが「教育」の場合について説明する。

図９、図１０、図１１は、教育モードでの訓練教材の一部を説明するものであり、訓練教材実行端末３０の表示部３０５の表示画面の構成を示す図である。図９に示すように、教育モードの表示画面５０Ａは、インストラクション表示領域５０１、操作対象画像表示領域５０２、およびガイド表示領域５０３を含む。

インストラクション表示領域５０１は、訓練者４に対する指示内容が表示される領域であり、例えば、「「バルブ交換」をクリックしてください」などと表示される。

操作対象画像表示領域５０２は、作業の対象機器４０１の画像が表示される領域であり、例えば、機器名Ａにより特定される対象機器４０１の画像が表示される。

ガイド表示領域５０３は、訓練のガイド情報を表示する領域であり、機器名、訓練メニューのモード、作業内容、作業手順などの情報が表示される。

図９の表示画面５０Ａにおいて、訓練者４がガイド表示領域５０３に記載された「バルブ交換」をマウスでクリックすると、操作対象画像表示領域５０２に表示された操作対象画像４００内の対象機器４０１の対応する部品（作業対象部位４０２）の表示色が変わるようになっている。

次いで、図１０の表示画面５０Ｂに進み、インストラクション表示領域５０１に「「（１）カバーを外す」をクリックしてください」と表示される。操作対象画像表示領域５０２に表示された操作対象画像４００内の対象機器４０１の対応する作業対象部位４０２（ネジ）が点滅して表示される。また、作業対象部位４０２の近くに工具４０４（ネジまわし）が映った工具画像４０３が表示される。また、ガイド表示領域５０３内でクリックされて操作が完了した項目は、色が変わるか、下線が付されるか、太字にされるかなどの表示により完了したことが分かるようになっている。この状態で、訓練者４は、ガイド表示領域５０３内の「（１）カバーを外す」をマウス等でクリックする。

次いで、図１１の表示画面５０Ｃに進む。インストラクション表示領域５０１に「「（３）バルブを外す」をクリックしてください」と表示される。また、操作対象画像表示領域５０２に重なるようにして注意喚起表示領域５０４が表示される。注意喚起表示領域５０４には、「取り外す前の回転方向に注意」などと点滅表示され、バルブを取り外す際の回転方向に注意するよう訓練者４に伝える。訓練者４がガイド表示領域５０３内の「（３）バルブを外す」をマウス等でクリックすると、さらに次の表示画面に進んでいく。このようにして、訓練者４は、インストラクション表示領域５０１に表示された指示に従ってガイド表示領域５０３の項目をクリックしていくだけで、保守作業の手順・内容を理解できるようになっている。

次に、訓練メニューのモードが「演習」の場合について説明する。

図１２、図１３、図１４は、演習モードでの訓練教材の一部を説明するものであり、訓練教材実行端末３０の表示部３０５の表示画面の構成を示す図である。図１２に示すように、訓練モードの表示画面６０Ａは、インストラクション表示領域６０１、操作対象画像表示領域６０２、ガイド表示領域６０３、およびツール表示領域６０４を含む。

インストラクション表示領域６０１は、訓練者４に対する指示内容が表示される領域であり、例えば、「カバーの取り外しに必要な工具を選択してください」などと表示される。

操作対象画像表示領域６０２は、作業の対象機器４０１の画像が表示される領域であり、例えば、機器名Ａにより特定される対象機器４０１の画像が表示される。

ガイド表示領域５０３は、訓練のガイド情報を表示する領域であり、機器名、訓練メニューのモード、作業内容、作業手順などの情報が表示される。

ツール表示領域６０４には、保守作業に使用される工具の画像４０３ａ、４０３ｂ、４０３ｃ、４０３ｄ、・・・が横方向にスクロール可能に表示される。訓練者４は、インストラクション表示領域６０１の指示に従ってツール表示領域６０４に表示された工具のうち使用する工具をマウス等で選択する。

訓練者４が選択した工具が正しければ「正解」の表示がされ、間違っていれば「不正解」の表示がされて、図１３の表示画面６０Ｂに進む。不正解の場合は、正解するまで選択操作を繰り返すようにしてもよい。

図１３の表示画面６０Ｂでは、インストラクション表示領域６０１に、「カバー取り外しに必要なネジの位置を本数分クリックしてください」と表示されている。

操作対象画像表示領域６０２には、作業対象部位４０２（ネジ）が埋め込まれた対象機器４０１の３ＤＣＧモデルの画像が表示される。訓練者４が必要な本数分マウス等でクリックすると、そのクリックした位置が作業対象部位であれば、「正解」の表示がされ、間違っていれば「不正解」の表示がされ、次の問題、すなわち図１４の表示画面６０Ｃに進む。

図１４の表示画面６０Ｃでは、インストラクション表示領域６０１に、「カバー取り外す目的を選択してください」と表示されている。

解答表示領域６０５には解答文章６０６ａ、６０６ｂ、６０６ｃが表示される。訓練者４は、解答文章のうち正しいと思うものをクリックして選択する。訓練者４が選択した解答文章が正しければ「正解」の表示がされ、間違っていれば「不正解」の表示がされて、次の表示画面に進んでいく。このようにして、訓練者４は、インストラクション表示領域６０１に表示された指示に従って選択操作を行っていくだけで、保守作業の演習問題を解答できるようになっている。

次に、例として対象機器４０１がエアロバイクの場合について、訓練教材実行端末３０の表示部３０５の表示画面を説明する。

図１５は、教育モードにおいて訓練教材実行端末３０の表示画面８０を示す図である。図１５に示すように、表示画面８０は、インストラクション表示領域８０１、操作対象画像表示領域８０２、ガイド表示領域８０３、８０５、および注意喚起表示領域８０４を含む。

ガイド表示領域８０３には作業項目が列挙されており、「ドライブベルトの交換」における「（１）固定ネジを緩める」項目が訓練者４により選択された状態となっている。選択された項目は、文字色の変更、下線の付加、太字変換などの強調表示が施されている。

ガイド表示領域８０５は保守作業のうちどの手順（作業）を行っているのかを表示する領域であり、例えば「手順：ドライブベルトの交換」などと表示される。

操作対象画像表示領域８０２には、対象機器４０１であるエアロバイクが映った操作対象画像４００が表示されている。また、操作対象画像表示領域８０２には注意喚起表示領域８０４が重ねて設けられており、「注意 ネジは少し緩めるだけ、外さないこと。」などと「（１）固定ネジを緩める」作業における注意点を訓練者４に知らせるようになっている。また、操作対象部位である固定ネジを点滅させるか、或いは表示色を変更して強調表示するようにしてもよい。

インストラクション表示領域８０１には、訓練者４に対する指示が表示されており、ここでは「ユーザ操作：確認したらクリックしてください。」などと表示される。訓練者４は、「ドライブベルトの交換」における「（１）固定ネジを緩める」作業における操作対象部位や作業の注意点を理解して、次の操作である「（２）ベルトテンションプーリを緩める」をクリックする。訓練者４のクリック操作により、次の表示画面に進むようになっている。

次に、例として対象機器４０１がエアロバイクの場合について、訓練教材実行端末３０の表示部３０５の表示画面を説明する。

図１６は、演習モードにおける、訓練教材実行端末３０の表示画面７０Ａを示す図である。図１６に示すように、表示画面７０Ａは、インストラクション表示領域７０１、操作対象画像表示領域７０２、ガイド表示領域７０３、およびツール表示領域７０４を含む。なお、この表示画面７０Ａは、本発明の表示画面に対応する。

ガイド表示領域７０３には作業項目が列挙されており、「コンソール交換」項目が訓練者４により選択された状態である。選択された項目は、文字色の変更、下線の付加、太字変換などの強調表示が施されている。

操作対象画像表示領域７０２には、対象機器４０１であるエアロバイクが映った操作対象画像４００が表示されている。

ツール表示領域７０４には、複数の工具（ツール）４０４ａ、４０４ｂ、４０４ｃ、４０４ｄ、・・・がそれぞれ映った複数の工具（ツール）画像４０３ａ、４０３ｂ、４０３ｃ、４０３ｄ、・・・が表示されるようになっている。図１６では、４個の工具画像が表示されているが、横スクロールすることにより別の工具画像を表示させることができる。例えば、エアロバイクの保守作業に用いられるすべての工具について工具画像を用意しておき、ツール表示領域７０４に表示するようにしてもよい。

インストラクション表示領域７０１には、訓練者４に対する指示として「ユーザ操作：コンソール取り外し時の工具を選択してください」と表示されている。訓練者４は、ツール表示領域７０４に表示された工具群の中から、コンソール取り外し時に使用する工具を選択する。選択は、マウスなどのポインティングデバイスで選択対象を指示した状態でクリック操作することにより行うことができる。

訓練者４が選択した工具が正しければ「正解」の表示がされ、間違っていれば「不正解」の表示がされた後、図１７に示す次の問題の表示画面に進むようになっている。

図１７は、次の問題の表示画面７０Ｂを示す図である。

操作対象画像表示領域７０２には、対象機器４０１であるエアロバイクが映った操作対象画像４００が表示されている。インストラクション表示領域７０１には、訓練者４に対する指示として「ユーザ操作：コンソールを外すための六角ボルトの位置を本数分クリックしてください。」と表示されている。

訓練者４は、操作対象画像表示領域７０２に表示されたエアロバイクの一部が映った操作対象画像４００内の六角ボルト（作業対象部位４０２）の位置をすべてクリック選択する。クリックした六角ボルトの位置がすべて正しければ「正解」の表示がされ、１つでも間違っていれば「不正解」の表示がされた後、図１８に示す次の問題の表示画面に進むようになっている。なお、この表示画面７０Ｂは、本発明の第２表示画面に対応する。

図１８は、次の問題の表示画面７０Ｃを示す図である。

操作対象画像表示領域７０２には、対象機器４０１であるエアロバイクのコンソールの部分が映った操作対象画像４００が表示されている。コンソールの近くには、コンソールを取り外すときに移動させる方向を示す矢印が３つ表示されている。インストラクション表示領域７０１には、訓練者４に対する指示として「ユーザ操作：コンソールをポストから外すとき、最初にコンソールを移動する方向を選択してください。」と表示されている。

訓練者４は、操作対象画像表示領域７０２に表示されたエアロバイクのコンソールを取り外す方向を示す矢印のうち、正しいと思った矢印をクリック選択する。クリックした矢印が示す方向が正しければ「正解」の表示がされ、間違っていれば「不正解」の表示がされた後、次の問題の表示画面に進むようになっている。このようにして、訓練者４は、インストラクション表示領域７０１に表示された指示に従って選択操作或いは操作入力を行っていくだけで、保守作業の演習を行うことができるようになっている。なお、この表示画面７０Ｃは、本発明の第３表示画面に対応する。

上記説明では、訓練教材データベース２２２は、複数の操作対象画像のうち保守作業のいずれかの工程に必要な特定の工具４０４を表示する第１表示画面７０Ａ、複数の操作対象画像のうち特定工程の作業対象部位４０２を表示する第２表示画面７０Ｂ、および特定工程の作業対象部位４０２に対する模擬作業の操作入力４０５を実行可能な画面である第３表示画面７０Ｃを生成する構成であったが、構成はこれに限定されない。訓練教材データベース２２２は、ストレージ２２０（記憶装置）の記憶情報に基づいて、複数の操作対象画像のうち保守作業のいずれかの工程に必要な特定の工具４０４、複数の操作対象画像のうち特定工程の作業対象部位４０２、および特定工程の作業対象部位４０２に対する模擬作業の操作入力４０５のうちいずれか１つ以上を表示或いは実行可能な１または複数の表示画面を、それぞれ表示出力可能に生成する構成であってもよい。

例えば、第１表示画面７０Ａに、複数の操作対象画像のうち保守作業のいずれかの工程に必要な特定の工具４０４と、複数の操作対象画像のうち特定工程の作業対象部位４０２とを表示するようにしてもよい。また、例えば、第１表示画面７０Ａに、複数の操作対象画像のうち保守作業のいずれかの工程に必要な特定の工具４０４と、複数の操作対象画像のうち特定工程の作業対象部位４０２とを表示するとともに、特定工程の作業対象部位４０２に対する模擬作業の操作入力４０５を実行可能に表示してもよい。この場合、当該特定工程に対して生成される表示画面は１つであってもよい。また、例えば、第２表示画面７０Ｂに、複数の操作対象画像のうち特定工程の作業対象部位４０２を表示し、かつ特定工程の作業対象部位４０２に対する模擬作業の操作入力４０５を実行可能に表示してもよい。いずれの場合も、各表示画面７０Ａ、７０Ｂ、７０Ｃにおいて、保守作業の各段階に対応する模擬作業の操作入力または選択操作に応じて訓練教材の提示内容が変化していくようになっている。

図１９は、訓練教材実行端末３０の表示部３０５の別の表示画面の例を示す図である。図１９（ａ）に示すように、表示部３０５には組み立てられたエアロバイクの画像が表示されている。訓練者４が操作部３０６を用いて所定の操作、例えば表示画面内の任意の場所をクリックする操作を行うと、図１９（ｂ）に示すような分解図が示されるようになっている。

図１９（ａ）、図１９（ｂ）において、マウスをドラッグ操作等することによりエアロバイク或いはその部品群をドラッグ方向に回転できるようにしてもよい。このようにすることで、任意の方向からエアロバイク或いはその部品群を見ることができ、対象機器の構造がより理解しやすくなる。

次に、作用・効果について説明する。

上述のように、本実施形態に係る訓練教材提示システム１および訓練教材提示方法は、第１ないし第３表示画面７０Ａ、７０Ｂ、７０Ｃの各画面が、工具（ツール）４０４や作業対象部位４０２の選択操作または選択済み作業対象部位への操作入力４０５を要求するインストラクション表示領域７０１と、その表示内容に対応する特定の操作対象画像４００の選択操作または模擬作業操作入力を実行可能な操作対象画像表示領域７０２とを含んでいる。この構成により、各画面に対するユーザの操作入力に応じて画面表示内容が順次変更されていき、作業手順を実機無しで容易・的確に把握することができる。

また、本実施形態に係る訓練教材提示システム１では、動作取得端末１０が、インストラクタ３による選択操作もしくは模擬作業の操作入力の情報である第１の入力情報を取得可能であり、訓練教材実行端末３０が、訓練者４による選択操作もしくは模擬作業の操作入力の情報である第２の入力情報を取得可能であり、訓練教材生成サーバ２０が、第１の入力情報に基づいて、模擬作業の操作入力の手順に対応する所定の出力条件を設定するようになっている。この構成により、インストラクタ３の模範操作入力を基に、所要の保守作業手順に則した訓練教材や演習教材を容易・迅速に作成可能となる。

また、本実施形態に係る訓練教材提示システム１では、訓練教材生成サーバ２０が、インストラクタ３による第１の入力情報に基づき、第１表示画面７０Ａで選択すべき特定のツール４０４と、第２表示画面７０Ｂで選択すべき特定工程の作業対象部位４０２と、第３表示画面７０Ｃで実行すべき模擬作業の基準操作入力４０５の内容とを、所定の出力条件の一部として、それぞれ設定するようになっている。この構成により、インストラクタ３の模範操作入力を基に、的確な訓練教材や演習教材を容易・迅速に作成可能となる。

また、本実施形態に係る訓練教材提示システム１は、表示画面上に、第１表示画面７０Ａで選択操作すべき特定のツール４０４と、第２表示画面７０Ｂで選択すべき特定工程の作業対象部位４０２と、第３表示画面７０Ｃで実行すべき模擬作業の基準操作入力４０５の内容とを、それぞれ案内表示する教育用教材提示機能を有している。この構成により、訓練者４が案内表示に基づき学習することで保守作業手順を実機無しで容易・的確に把握することができる。

また、本実施形態に係る訓練教材提示システム１は、表示画面上のインストラクション表示領域７０１に、第１表示画面７０Ａまたは第２表示画面７０Ｂでの選択操作を要求しまたは第３表示画面７０Ｃでの模擬作業の操作入力の実行を要求するインストラクション表示を実行するとともに、第１表示画面７０Ａまたは第２表示画面７０Ｂでの選択操作の入力内容または第３表示画面７０Ｃでの模擬作業の操作入力の内容を訓練者４による第２の入力情報から取得し、第１の入力情報に基づいて設定された特定のツール、特定工程の作業対象部位および模擬作業の基準操作入力の内容と、第２の入力情報から取得した選択操作または模擬作業の操作入力の内容とに応じて、インストラクション表示領域７０１および操作対象画像表示領域７０２とにおける訓練教材の提示内容を変化させ、訓練者に模擬作業の演習を実行させる演習用教材提示機能を有している。この構成により、訓練者４が演習を実行することで保守作業手順を実機無しで容易・的確に把握することができる。

また、本実施形態に係る訓練教材提示システム１は、訓練教材生成サーバ２０が、保守作業の少なくとも一部の段階について、第１表示画面７０Ａないし第３表示画面７０Ｃでの選択操作または第３表示画面７０Ｃでの模擬作業の操作入力の内容を訓練者４による第２の入力情報から取得し、該選択操作または該模擬作業の操作入力の内容を、第１表示画面７０Ａで選択操作すべき特定のツール、第２表示画面７０Ｂで選択すべき特定工程の作業対象部位、および第３表示画面７０Ｃで実行すべき模擬作業の操作入力の内容と比較して、訓練者４による模擬作業の習熟度合いを評価する機能と、訓練者４による模擬作業の習熟度合いの評価結果を管理する機能とを有している。この構成により、保守作業について訓練者の習熟度合いを評価および管理することができるので、訓練者４の訓練に対するモチベーションを高めるとともに、訓練者４に対して適切な指導を行うことができる。

以上説明したように、本発明は、訓練者に保守作業の対象機器についての専門知識がなくても、作業手順を実機なしで容易・的確に把握させることができるという効果を有し、訓練教材提示システムおよび訓練教材提示方法の全般に有用である。

１ 訓練教材提示システム
３ インストラクタ
４ 訓練者
１０ 動作取得端末（情報入力装置）
２０ 訓練教材生成サーバ（出力情報生成装置）
３０ 訓練教材実行端末（情報入力装置、表示出力装置）
４０ 通信ネットワーク
５０Ａ、５０Ｂ、５０Ｃ、６０Ａ、６０Ｂ、６０Ｃ 表示画像
７０Ａ 第１表示画面
７０Ｂ 第２表示画面
７０Ｃ 第３表示画面
１００、２００、３００ 制御部
１０１、２０１、３０１ 通信部
１０２ センシング部
１０３ 録音部
１０４ 録画部
１０５、２０５、３０５ 表示部
１０６、２０６、３０６ 操作部
１０７、２０７、３０７ 電源供給部
１１０、２１０、３１０ メモリ
１１１、２１１ 動作集計処理部
１１２、２１２ 教材生成処理部
１１３、２１３、３１３ 情報送受信処理部
１２０、２２０、３２０ ストレージ（記憶装置）
１２１ 作業情報記録データベース
２２１ テンプレートデータベース
２２２ 訓練教材データベース
３１１ 教材実行処理部
３１２ 実行データ集計処理部
３２１ 実行情報記録データベース
４００ 操作対象画像
４０１ 対象機器
４０２ 作業対象部位
４０３ 工具画像
４０４ 工具（ツール）
４０５ａ、４０５ｂ、４０５ｃ 操作入力
５０１、６０１、７０１、８０１ インストラクション表示領域
５０２、６０２、７０２、８０２ 操作対象画像表示領域
５０３、６０３、７０３、８０３、８０５ ガイド表示領域
５０４、８０４ 注意喚起表示領域
６０４、７０４ ツール表示領域
６０５ 解答表示領域
６０６ａ、６０６ｂ、６０６ｃ 解答文章

Claims (4)

1. 対象機器（４０１）の保守作業に関連する３次元画像を含む訓練教材を作業空間表示と共に提示する一方、前記保守作業の各段階に対応する模擬作業の操作入力に応じて前記訓練教材の提示内容を変化させる訓練教材提示システム（１）であって、
   前記模擬作業の操作入力の情報を取得する情報入力装置（１０，３０）と、
   前記保守作業の作業対象部位（４０２）と前記保守作業に使用するツール（４０４）とを表示可能かつ選択操作可能な複数の操作対象画像（４００，４０３）として記憶するとともに、前記模擬作業の操作入力の手順を記憶する記憶装置（２２０）と、
   前記記憶装置の記憶情報に基づいて、前記複数の操作対象画像のうち前記保守作業のいずれかの工程に必要な特定のツール（４０４）、前記複数の操作対象画像のうち特定工程の作業対象部位（４０２）、および前記特定工程の作業対象部位に対する前記模擬作業の操作入力（４０５）のうちいずれか１つ以上を表示或いは実行可能な１または複数の表示画面（７０Ａ，７０Ｂ，７０Ｃ）を、それぞれ表示出力可能に生成する出力情報生成装置（２０）と、
   表示画面上に、前記１又は複数の表示画面の各画面を所定の出力条件に従って表示出力する表示出力装置（３０）と、
   を備え、
   前記情報入力装置が、インストラクタ（３）による前記選択操作もしくは前記模擬作業の操作入力の情報を取得可能であり、
   前記出力情報生成装置が、前記インストラクタによる前記選択操作もしくは前記模擬作業の操作入力の情報に基づいて、前記インストラクタとは異なる訓練者（４）が前記模擬作業を行う際に用いられる前記所定の出力条件であって、前記模擬作業の操作入力の手順に対応する前記所定の出力条件を設定し、前記所定の出力条件に基づいて、前記模擬作業の作業対象部位および前記模擬作業に使用する適切なツールを操作対象画像表示領域（５０２）に表示出力するとともに、前記訓練者が行うべき前記模擬作業の操作入力の指示をインストラクション表示領域（５０１）に表示出力するための表示画面を生成するとともに、前記訓練者による前記模擬作業の操作入力に応じて、前記保守作業の作業手順に従って表示画面を遷移させ、
   前記操作対象画像表示領域（５０２）内で、前記作業対象部位（４０２）の画像の近くに、その作業対象部位の操作に使用する適切なツールの画像（４０３）を表示することを特徴とする訓練教材提示システム。
2. 前記インストラクタによる前記選択操作もしくは前記模擬作業の操作入力の情報が、前記模擬作業において前記インストラクタが表示画面上に選択可能または操作可能に表示された画像に対して行った選択操作、前記インストラクタの前記模擬作業を記録した動画、または、前記インストラクタの前記模擬作業の際に記録した音声から得られるものであることを特徴とする請求項１に記載の訓練教材提示システム。
3. 対象機器の保守作業に関連する３次元画像を含む訓練教材を作業空間表示と共に提示する一方、前記保守作業の各段階に対応する模擬作業の操作入力に応じて前記訓練教材の提示内容を変化させる訓練教材提示方法であって、
   前記模擬作業の操作入力の情報を取得する情報入力ステップ（Ｓ１，Ｓ９）と、
   前記保守作業の作業対象部位と前記保守作業に使用するツールとを表示可能かつ選択操作可能な複数の操作対象画像として記憶するとともに、前記模擬作業の操作入力の手順を記憶する記憶ステップ（Ｓ２，Ｓ３）と、
   前記記憶ステップで記憶された記憶情報に基づいて、前記複数の操作対象画像のうち前記保守作業のいずれかの工程に必要な特定のツール、前記複数の操作対象画像のうち特定工程の作業対象部位（４０２）、および前記特定工程の作業対象部位に対する前記模擬作業の操作入力（４０５）のうちいずれか１つ以上を表示或いは実行可能な１または複数の表示画面（７０Ａ，７０Ｂ，７０Ｃ）を、それぞれ表示出力可能に生成する出力情報生成ステップ（Ｓ４）と、
   表示画面上に、前記１又は複数の表示画面の各画面を所定の出力条件に従って表示出力する表示出力ステップ（Ｓ８）と、
   を含む各ステップをコンピュータにより実行する訓練教材提示方法であり、
   前記情報入力ステップでは、インストラクタ（３）による前記選択操作もしくは前記模擬作業の操作入力の情報を取得可能であり、
   前記出力情報生成ステップでは、前記インストラクタによる前記選択操作もしくは前記模擬作業の操作入力の情報に基づいて、前記インストラクタとは異なる訓練者（４）が前記模擬作業を行う際に用いられる前記所定の出力条件であって、前記模擬作業の操作入力の手順に対応する前記所定の出力条件を設定し、前記所定の出力条件に基づいて、前記模擬作業の作業対象部位および前記模擬作業に使用する適切なツールを操作対象画像表示領域（５０２）に表示出力するとともに、前記訓練者が行うべき前記模擬作業の操作入力の指示をインストラクション表示領域（５０１）に表示出力するための表示画面を生成するとともに、前記訓練者による前記模擬作業の操作入力に応じて、前記保守作業の作業手順に従って表示画面を遷移させ、
   前記操作対象画像表示領域（５０２）内で、前記作業対象部位（４０２）の画像の近くに、その作業対象部位の操作に使用する適切なツールの画像（４０３）を表示することを特徴とする訓練教材提示方法。
4. 前記インストラクタによる前記選択操作もしくは前記模擬作業の操作入力の情報が、前記模擬作業において前記インストラクタが表示画面上に選択可能または操作可能に表示された画像に対して行った選択操作、前記インストラクタの前記模擬作業を記録した動画、または、前記インストラクタの前記模擬作業の際に記録した音声から得られるものであることを特徴とする請求項３に記載の訓練教材提示方法。

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