JP2006139163A - 保安作業訓練システム - Google Patents
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Abstract
【課題】
コンピュータ処理による疑似体験を通して保安作業に関する訓練及びその評価を効果的に実行可能な保安作業訓練システムを提供する。
【解決手段】
訓練シナリオを保安作業現場における個別作業の集合として記憶した訓練シナリオデータベース8と、個別作業に係る各作業個所を含む保安作業現場を模擬的に表現するとともに、使用者の入力操作により表示領域が変更可能、且つ、作業個所が選択可能に構成された現場画面を所定の現場画面表示領域に表示する現場画面表示部9と、使用者の入力操作により現場画面内から選択された作業個所に対する個別作業の作業内容入力を受け付け、時系列に記録する作業内容記録部4と、作業内容記録部4が記録した作業内容入力に基づいて、使用者が現場画面上で行った個別作業の集合で規定される訓練内容に対する評価を行い、所定の出力形式で評価結果を出力する作業内容評価部6を備える。
【選択図】 図1
コンピュータ処理による疑似体験を通して保安作業に関する訓練及びその評価を効果的に実行可能な保安作業訓練システムを提供する。
【解決手段】
訓練シナリオを保安作業現場における個別作業の集合として記憶した訓練シナリオデータベース8と、個別作業に係る各作業個所を含む保安作業現場を模擬的に表現するとともに、使用者の入力操作により表示領域が変更可能、且つ、作業個所が選択可能に構成された現場画面を所定の現場画面表示領域に表示する現場画面表示部9と、使用者の入力操作により現場画面内から選択された作業個所に対する個別作業の作業内容入力を受け付け、時系列に記録する作業内容記録部4と、作業内容記録部4が記録した作業内容入力に基づいて、使用者が現場画面上で行った個別作業の集合で規定される訓練内容に対する評価を行い、所定の出力形式で評価結果を出力する作業内容評価部6を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、使用者に対して保安作業手順に関する訓練をコンピュータ処理により実行する保安作業訓練システムに関する。
コンピュータ処理を利用した作業訓練を行う訓練システム(または、学習システム或いは教育システムとも言う。)として種々のものが開発されている。その中で、コンピュータ処理により所定のコンピュータ端末の画面上にシミュレーション画像を表示させて、当該画面上での疑似体験を通して作業訓練を行う訓練システムがある。一例として、下記の特許文献1に開示されている危機管理方法及び危機管理システム等がある。
例えば、下記特許文献1に開示されている危機管理システムでは、危機管理システムを構成するサーバが、インターネットを介して使用者(ユーザ)が使用する携帯端末に接続し、危機に備える学習をするための学習情報を該携帯端末に提供可能に構成されている。また、該サーバは、危機を疑似体験するシミュレーション画像を該携帯端末に送信し、使用者は該携帯端末の画面上のシミュレーションによる疑似体験を通して学習度を試すテストを受けることができる。そして、該サーバは、該携帯端末からの入力データを基に使用者の学習度を判定する。
特開2003−178131号公報
コンピュータ処理を利用した訓練システムでは、訓練対象となる作業内容に応じて種々の形態のシステムが存在し、1つの訓練システムが全ての作業内容に対して有効に訓練効果を発揮するとは限らない。
例えば、ガス供給事業者がガス漏れ等の異常通報を受けて通報現場に保安作業員を緊急出動させる場合等の保安作業に関しては、保安作業員は、通報現場及びその周辺地域の保安作業現場において、通報者及び近隣住人に対する聞き込み調査、ガス漏れの測定、必要な処置等を、適切な手順で迅速且つ遺漏なく行う必要がある。
そこで、当該保安作業に対する訓練を全ての保安作業員、特に、新人作業員に対して、実地の訓練環境を提供して行うには困難を伴うことから、少なくとも基本的な訓練内容につき、コンピュータ処理を用いた疑似体験を通して行う方法が考えられる。
しかしながら、上述の特許文献1に記載の従来システムのように、シミュレーション画像を使用者の携帯端末に表示させるだけの疑似体験では、必ずしも使用者の試行錯誤を伴う訓練が可能な構成となっていない。また、当該従来システムでは、疑似体験を伴うテストモードに加え、別途疑似体験を伴わない学習モードが設定されている。しかし、疑似体験を伴わない学習モードの場合、単に、知識情報を詰め込むだけの学習であり、臨場感がなく、保安作業訓練に対しては適当な訓練システムとは言えない。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、コンピュータ処理による疑似体験を通して保安作業に関する訓練及びその評価を効果的に実行可能な保安作業訓練システムを提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る保安作業訓練システムの第一の特徴構成は、使用者に対して保安作業手順に関する訓練をコンピュータ処理により実行する保安作業訓練システムであって、前記保安作業手順に関する訓練シナリオを保安作業現場における個別作業の集合として記憶した訓練シナリオデータベースと、前記個別作業に係る各作業個所を含む前記保安作業現場を模擬的に表現するとともに、前記使用者の入力操作により表示領域が変更可能、且つ、前記作業個所が選択可能に構成された現場画面を所定の現場画面表示領域に表示する現場画面表示部と、前記使用者の入力操作により前記現場画面内から選択された前記作業個所に対する前記個別作業の作業内容入力を受け付け、時系列に記録する作業内容記録部と、前記作業内容記録部が記録した前記作業内容入力に基づいて、前記使用者が前記現場画面上で行った前記個別作業の集合で規定される訓練内容に対する評価を行い、所定の出力形式で評価結果を出力する作業内容評価部と、を備えてなる点にある。
上記第一の特徴構成によれば、本発明に係る保安作業訓練システムの使用者は、現場画面表示部が現場画面表示領域に表示した現場画面によって、保安作業現場を疑似体験できるとともに、訓練者である使用者の意思によって、現場画面の表示領域を変更しながら保安作業現場を移動して、現場画面内に表示されている作業個所を選択することで、訓練シナリオで予定されている一連の保安作業における個別作業を、使用者の意思によって選択された順序で各別に実行することができる。また、作業内容記録部が使用者の意思によって選択された順序で各別に実行される作業内容入力を受け付けて記録することにより、作業内容評価部が、作業内容入力により特定される順序で実行された各個別作業の作業内容を、訓練シナリオの各個別作業の内容と比較して評価することができる。使用者は、所定の出力形式で出力されたその評価結果により、自己の成績を知ることができ、当該訓練を繰り返すことで、習熟度の進展を把握することが可能となる。
更に、上記第一の特徴構成によれば、訓練シナリオに含まれる個別作業として種々の作業種別の作業を設定可能であるため、種々の個別作業を任意の作業個所に配置することで、多種多様な訓練に対応可能となる。
本発明に係る保安作業訓練システムの第二の特徴構成は、上記第一の特徴構成に加えて、前記現場画面表示領域の前記現場画面内に表示された前記作業個所を、前記使用者の入力操作により選択されると、所定の接近画面表示領域に表示する接近画面表示部を、更に備える点にある。
上記第二の特徴構成によれば、現場画面内から選択された特定の作業個所が、接近画面表示領域に拡大表示されるので、使用者は、接近画面表示領域に拡大表示された作業個所によって、実地での作業に近い臨場感のある作業を疑似体験することができる。また、現場画面表示領域には、選択された作業個所を含む現場画面が表示されているので、作業個所の周辺状況を把握しながら擬似的な作業を行える。
本発明に係る保安作業訓練システムの第三の特徴構成は、上記何れかの特徴構成に加えて、前記作業個所に対する作業内容は、その作業種別が前記作業個所における測定作業である場合は、前記現場画面表示領域の周辺部に設けられた作業具表示領域に表示された測定器を前記使用者の入力操作により選択することで特定される点にある。
上記第三の特徴構成によれば、訓練対象の保安作業が測定作業を含む場合に、使用者に対して、作業個所及び状況に応じた適切な測定器を使用して測定作業を行う訓練が可能となる。
本発明に係る保安作業訓練システムの第四の特徴構成は、上記何れかの特徴構成に加えて、前記作業個所に対する作業内容は、その作業種別が前記作業個所における作業対象物の開閉作業である場合は、前記使用者の入力操作により前記作業対象物を指定することで特定される点にある。
上記第四の特徴構成によれば、訓練対象の保安作業が作業対象物の開閉作業を含む場合に、使用者に対して、作業個所及び状況に応じた適切な開閉作業を行う訓練が可能となる。
本発明に係る保安作業訓練システムの第五の特徴構成は、上記第四の特徴構成に加えて、前記作業種別が前記作業個所における作業対象物の開閉作業である場合は、前記作業内容の結果が、前記作業種別が測定作業である別の作業個所における作業結果に対して反映されるように、前記個別作業の関連するもの同士が規定されている点にある。
上記第五の特徴構成によれば、使用者が適切な開閉作業を行ったか否かを後続の測定作業の測定結果に反映できるので、使用者は、後続の測定作業において先に行った或いは行わなかった開閉作業を反映した測定作業を疑似体験できる。例えば、保安作業がガス漏れに対する処置である場合では、ガスの元栓の開閉やガス漏れが屋内である場合の窓の開閉によってガス濃度の測定結果が異なる状況を、正確にシミュレーションできるので、使用者は、自己の意思によって変化するガス濃度の状況を疑似体験できる。
更に、本発明に係る保安作業訓練システムの第六の特徴構成は、上記何れかの特徴構成に加えて、前記作業個所に対する作業内容は、その作業種別が前記作業個所における対人作業である場合は、前記使用者の入力操作により前記対人作業の対象人物を指定することで特定される点にある。
上記第六の特徴構成によれば、訓練対象の保安作業が作業個所における対人作業を含む場合に、使用者に対して、作業個所及び状況に応じた適切な対人作業を行う訓練が可能となる。
更に、本発明に係る保安作業訓練システムの第七の特徴構成は、上記何れかの特徴構成に加えて、前記作業内容評価部は、その作業種別が前記作業個所における測定作業である前記個別作業に対し、前記使用者が適切な作業を行った前記作業個所と、そうでない前記作業個所を相互に区別して、前記現場画面上または所定の評価出力用の前記保安作業現場を模擬的に表現する評価出力用現場画面に表示する点にある。
上記第七の特徴構成によれば、使用者は、訓練の評価結果、特に、欠落した個別作業を、現場画面上または評価出力用現場画面上で視覚的に確認できるため、訓練結果をより効果的に認識することが可能となり、訓練効果を高めることができる。
更に、本発明に係る保安作業訓練用プログラムの第一の特徴構成は、上記何れかの特徴構成の保安作業訓練システムにおける現場画面表示部、作業内容記録部、及び、作業内容評価部の各処理内容をコンピュータ上で実行するプログラムステップを備えてなる点にある。
更に、本発明に係る保安作業訓練用プログラムの第二の特徴構成は、上記第一の特徴構成に加えて、上記第二の特徴構成の保安作業訓練システムにおける接近画面表示部の処理内容をコンピュータ上で実行するプログラムステップを備えてなる点にある。
上記本発明に係る保安作業訓練用プログラムによれば、当該保安作業訓練用プログラムをコンピュータにインストールすることで、上記第一乃至第七の特徴構成の保安作業訓練システムを当該コンピュータ上で実現することができる。
本発明に係る保安作業訓練システム(以下、単に「本発明システム」と称す。)の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明システムは、使用者に対して保安作業手順に関する訓練をコンピュータ処理により実行する保安作業訓練システムである。本実施形態では、訓練対象となる保安作業として、ガス供給事業者がガス漏れ等の異常通報を受けて通報現場に保安作業員を緊急出動させる場合等の保安作業を想定する。具体的には、一例として、屋内外の所定個所におけるガス配管、ガス機器、或いは、カセットボンベ等のガスボンベ等からのガス漏れを想定し、ガス漏れ点検個所(ガス濃度の測定個所)として、上記ガス漏れ個所に関連する屋内外の所定個所(屋内外の排水溝、室内、ガス機器の周辺等)を想定し、保安作業には、現場での通報者や近隣住人からの聞き取り調査を含むものとする。
本発明システム1は、図1に示すように、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータ2上に、画面データ生成部3、作業内容記録部4、作業内容評価部5、画面表示部6、入力データ受付部7、及び、訓練シナリオデータベース8を備えて構成される。コンピュータ2は、画面データ生成部3で生成された画面データを画面表示部6が液晶ディスプレイ等の表示画面上に総合画面として出力表示し、当該表示画面上に表示された総合画面上で使用者の入力操作によりデータ入力を行うための入出力処理用のユーザインターフェイスとしても機能し、保安作業訓練を受ける訓練者(使用者)の入力操作端末として利用される。
保安作業訓練は、保安作業手順に関する訓練シナリオに基づいて実行される。その訓練シナリオは、保安作業現場における個別作業の集合として、訓練シナリオデータベース8に記憶されている。本実施形態では、保安作業現場における個別作業の作業種別として、作業個所における測定作業(ガス検知器によるガス漏れ点検)、作業対象物の開閉作業(排水溝等の会所やマンホールの蓋の開閉、ガス元栓の開閉、窓の開閉等)、及び、作業個所における対人作業(現場での通報者や近隣住人からの聞き取り調査)を想定する。訓練シナリオデータベース8は、コンピュータ2のハードディスク装置等の記憶装置に、各個別作業に関するデータが記憶され形成されるとともに、訓練シナリオに関連する保安作業現場を模擬的に表現する現場画面を3次元画像として生成するための形状モデルデータや環境モデルデータ等が記憶されている。尚、訓練シナリオは1つに限らず2以上であってもよく、訓練シナリオが複数の場合は、その内の1つが選択され実行される。
画面データ生成部3は、更に、現場画面表示部9、接近画面表示部10、テキスト出力表示部11、テキスト入力表示部12、作業具表示部13、操作ボタン表示部14を備えて構成され、各表示部が個別に生成する画面データを合成して総合画面データを生成する。総合画面データによって表示される総合画面20は、図2に例示するように、現場画面表示領域21、接近画面表示領域22、テキスト出力表示領域23、テキスト入力表示領域24、作業具表示領域25、及び、操作ボタン表示領域26の6つの表示領域(ウィンドウ)を備えて構成される。
現場画面表示部9は、現場画面表示領域21に表示される保安作業現場を模擬的に表現する現場画面であって、操作ボタン表示領域26の操作ボタンの入力操作により指定された視点位置と視線方向と表示倍率で規定される表示範囲の現場画面の3次元画像データを生成する。具体的には、訓練シナリオデータベース8に記憶されている選択された訓練シナリオに係る現場画面の形状モデルデータや環境モデルデータを読み出し、当該データを基にレンダリング処理を実行して現場画面表示領域21に表示可能な上記表示範囲の3次元画像データを生成する。尚、3次元画像データ生成に係るデータ処理手順は公知の3次元画像生成処理を用いるものとして詳細な説明は割愛する。
尚、現場画面表示領域21に表示される現場画面内には、訓練シナリオで規定される複数の個別作業が夫々実行される各作業個所の画像が含まれる。測定作業の作業個所では、ガス漏れ点検の対象となる屋内外の排水溝、室内の特定個所、及び、ガス機器等の画像が、現場画面内に使用者の入力操作により選択可能に埋め込まれている。また、開閉作業の作業個所では、排水溝等の会所やマンホールの蓋、ガスメータ、ガス元栓、及び、窓等の画像が、現場画面内に使用者の入力操作により選択可能に埋め込まれている。更に、対人作業の作業個所では、通報者や近隣住人等の作業対象人物の画像が、現場画面内に使用者の入力操作により選択可能に埋め込まれている。
接近画面表示部10は、使用者のマウス等のポインティング装置の入力操作により、現場画面表示領域21内でのポインティング装置の指示個所を選択する作業個所の画像部分に合わせてクリックして選択された当該作業個所を中心に、作業対象物または人物(例えば、マンホールの蓋、ガスメータ等)の全体が接近画面表示領域22に表示可能な倍率で拡大された現場画面の拡大画像データを生成する。
テキスト出力表示部11は、訓練内容である保安作業に対する通報内容、現場での対人作業での聞き込み内容、及び、訓練の評価結果等のテキストデータを、訓練の実行経過に応じて、必要なこれらのデータを訓練シナリオデータベース8或いは作業内容評価部5から取得して、テキスト出力表示領域23に表示するための画像データを生成する。
テキスト入力表示部12は、現場画面表示領域21内で対人作業に係る作業個所(通報者や近隣住人の画像)を選択した後に、使用者の入力操作によりキーボードから入力されたテキストデータを受け付けてテキスト入力表示領域24に表示するための画像データを生成する。
作業具表示部13は、測定作業に使用する1または複数の測定器(図2に示す例では4種類のガス検知器)を、使用者の入力操作により選択可能に作業具表示領域25に表示するための画像データを生成する。各測定器は、使用者のマウス等のポインティング装置の入力操作により、作業具表示領域25内でのポインティング装置の指示個所を選択する測定器の画像部分に合わせてクリックして選択される。
操作ボタン表示部14は、仮想的な保安作業現場にいる訓練者(使用者)が現場画面表示領域21に表示される現場画面を見る視点位置と方向を変更する8種類の操作ボタンを、操作ボタン表示領域26に表示するための画像データを生成する。操作ボタンは、上方向と下方向の各矢印(三角形)を表示した視点位置を視線方向に対して前後に移動させるための2つの視点移動ボタンと、左方向と右方向の各矢印(三角形)を表示した視線方向を左右に回転させるための2つの視線回転ボタンと、上方向と下方向の回転矢印を表示した視線方向を上下に移動させるための2つの視線移動ボタンと、「Up」と「Down」の2種類の英単語を表示した表示倍率を増減させるための2つの表示倍率変更ボタンの8つが設けてある。
使用者のマウス等のポインティング装置の入力操作により、現場画面表示領域21内でのポインティング装置の指示個所を上記8つの操作ボタンの何れかの画像部分に合わせてクリックすることで、1つの操作ボタンが選択され、その選択された操作ボタンによる現場画面表示領域21に対する画面変更操作が実行される。具体的には、上記要領で選択された操作ボタンに割り当てられた処理内容に応じて、現場画面表示部9が、当該操作ボタンの入力操作によって指定された視点位置と視線方向と表示倍率で規定される表示範囲の現場画面の3次元画像データを生成して、当該現場画面を現場画面表示領域21に表示する。
作業内容記録部4は、訓練対象の保安作業において使用者(訓練者)が意識的に行った各個別作業の作業内容として、現場画面表示領域21に表示された各種画像等を通して使用者が入力操作した作業内容入力を受け付け、コンピュータ2の所定の記憶領域に、コンピュータ2が発生するタイムスタンプを付して時系列に記録する。記録されたタイムスタンプによって、保安作業訓練の開示時刻、各個別作業の実施時刻、及び、保安作業訓練の終了時刻が判別される。
作業内容入力の一例として、道路上のマンホール内のガス漏れ状態を検査する場合は、マンホールの蓋を開ける開閉作業と、蓋を開けたマンホール内のガス漏れ状態を検査する測定作業の一連の個別作業について説明する。先ず、使用者は、現場画面表示領域21に表示される現場画面内に作業対象のマンホールが表示されるように、操作ボタン表示領域26に表示された操作ボタンを操作し、現場画面表示領域21に作業対象のマンホールが表示されると、次に、当該マンホールまたはその付近をマウス等のポインティング装置の入力操作により選択すると、当該マンホールの拡大画面が接近画面表示領域22に表示される。当該マンホールが初期状態として蓋が閉まっているので、接近画面表示領域22に表示された当該マンホールの蓋をマウス等のポインティング装置の入力操作により指定すると、開閉状態が反転して当該マンホールの蓋が開く。具体的には、現場画面表示部9が、当該蓋を開ける入力操作を認識して、当該マンホールの蓋が開いた状態の現場画面に変更する。また、当該蓋を開ける入力操作によって、選択された作業個所で特定されるマンホールに対して、上記蓋を開ける入力操作によって特定される開閉作業(上記具体例では、蓋を開ける作業)が、作業内容記録部4によって個別作業として認識され、記憶される。次に、作業具表示領域25に表示された測定器の1つを上述の要領で選択し、引き続いて当該マンホールの蓋が開いた状態の当該マンホールの内部をポインティング装置の入力操作により指示すると、予め訓練シナリオによって設定された当該マンホールの内部のガス種及びガス濃度に応じた測定結果が出力される。本実施形態では、測定結果は、使用した測定器の本来の出力形態に応じた方法で出力される。例えば、特定のガス種のガス濃度を測定する測定器の場合は、作業具表示領域25内に表示された該測定器の画像上部に測定結果としてのガス濃度を表示する。ここで、選択された作業個所で特定されるマンホールに対して、作業具表示領域25に表示された測定器を選択して当該マンホールの内部を指示する入力操作によって特定される測定作業が、作業内容記録部4によって個別作業として認識され、測定結果とともに記憶される。尚、上記測定結果の作業具表示領域25内への表示は、作業内容記録部4が当該測定結果データを訓練シナリオデータベース8から取得して作業具表示部13に提供し、作業具表示部13がその測定結果を作業具表示領域25内に表示する画像データを生成することにより実行される。
また、対人作業の作業内容入力については、作業対象物である通報者または近隣の住人が現場画面表示領域21に表示される現場画面内に表示されるように、操作ボタン表示領域26に表示された操作ボタンを操作し、現場画面表示領域21に通報者等が表示されると、次に、当該通報者等をマウス等のポインティング装置の入力操作により選択すると、当該通報者等が接近画面表示領域22に表示され、同時に、当該通報者等の会話内容が作業内容記録部4によって訓練シナリオデータベース8から取得され、テキスト出力表示部11によってテキスト出力表示領域23にテキスト表示される。当該通報者等の対人作業に係る作業対象物が選択された状態で、使用者がキーボードを入力操作すると、キーボードから入力されたテキストデータが入力データ受付部7によって作業内容記録部4及びテキスト入力表示部12に提供され、テキスト入力表示部12によってテキスト入力表示領域24に表示される。使用者がその表示されたテキスト内容を確認してテキスト入力表示領域24の確認ボタンをポインティング装置の入力操作によりクリックすると、入力されたテキストデータが確定する。ここで、現場画面表示領域21に表示された対人作業に係る対象人物を選択することによって特定される対人作業が、作業内容記録部4によって個別作業として認識され、記憶される。また、上記具体例のように引き続き対象人物への聞き取り作業のための訓練者からの会話内容がテキスト入力された場合は、その確定したテキストデータも、同個別作業に係る作業入力内容の一部として、作業内容記録部4によって記録される。
作業内容評価部5は、作業内容記録部4が記録した作業内容入力に基づいて、使用者が現場画面上で行った個別作業の集合で規定される訓練内容に対する評価を行い、所定の出力形式で評価結果を出力する。作業内容評価部5は、例えば、図3に例示するようなテキスト形式の評価結果をテキスト出力表示領域23に表示する。この場合、総合画面20内に設けられた結果表示ボタンをクリックすることで、テキスト出力表示領域23に評価結果が表示される。また、当該テキスト形式の評価結果は印字出力することも可能である。
図3に例示する評価結果は、使用者(訓練者)が訓練シナリオで予定している全ての個別作業を実行した場合の一例である。従って、ガス漏れ対応の保安作業における所定の必須実施項目に関して、内容別に分類した項目別の未実施リストには該当する個別作業が表示されていない。これに対して、図4に例示するテキスト形式の評価結果では、屋内での一部の個別作業だけが実行されたため、当該未実施リストには該当する実行されなかった個別作業が列挙されている。
また、作業内容評価部5は、テキスト形式の評価結果における使用者(訓練者)が実行した個別作業と実行しなかった個別作業を、例えば色分け表示等して、現場画面表示領域21に表示される現場画面の作業個所に重ねて表示する。具体的には、どの作業個所の個別作業が実行済みで、どの作業個所の個別作業が実行未了かの情報を現場画面表示部9に提供することにより、現場画面表示部9は、評価結果としての個別作業の色別表示画像を、元の現場画面に重ね合わせた3次元画像を生成する。この場合、現場画面表示のための視点移動を訓練シナリオに規定された個別作業の実行順序に従って予め定められたコースに沿って行うことで、訓練者に対して典型的な作業手順と、欠落した個別作業を知らしめることができる。更に、作業内容評価部5は、訓練時に使用した3次元画像の現場画面に代えて、保安作業現場全体を上空から一望できる平面図または俯瞰図上に、テキスト形式の評価結果における訓練者が実行した個別作業と実行しなかった個別作業を、例えば色分け表示等して、現場画面表示領域21に表示するのも好ましい。何れの場合においても、テキスト形式の評価結果を出力表示する場合と同様に、総合画面20内に設けられた結果表示ボタンをクリックすることで、現場画面表示領域21に評価結果が表示される。
画面表示部6は、画面データ生成部3で生成された総合画面20の画面データを処理して液晶ディスプレイ等のコンピュータ2の表示画面上に、上記の現場画面表示領域21、接近画面表示領域22、テキスト出力表示領域23、テキスト入力表示領域24、作業具表示領域25、及び、操作ボタン表示領域26を備えた総合画面20を表示する。この場合、画面表示部6は、コンピュータ2の当該表示画面への表示方式に沿ってコンピュータ2に付属の画面描画用プログラムを用いて表示処理を実行する。
入力データ受付部7は、使用者の入力操作によるマウスやキーボード等の入力装置からの入力信号を処理して、総合画面20の各表示領域の状態に応じた入力データに変換して、当該入力データを画面データ生成部3、作業内容記録部4、或いは、訓練シナリオデータベース8の必要個所に提供する。
本発明システム1を構成する画面データ生成部3、作業内容記録部4、作業内容評価部5、画面表示部6、及び、入力データ受付部7は、何れも、各部3〜7の機能をソフトウェア処理により実現するコンピュータプログラムをコンピュータ2上で、当該コンピュータ2のハードウェア資源を利用しながら実行することで実現される。
特に、本発明システム1において特徴的な処理は、画面データ生成部3の各表示部9〜14と作業内容記録部4と作業内容評価部5によって実行されるため、本発明に係る保安作業訓練用プログラムは、画面データ生成部3の各表示部9〜14と作業内容記録部4と作業内容評価部5の各機能をソフトウェア処理により実現するプログラムステップを備えて構成され、画面表示部6と入力データ受付部7を実現するプログラムとともにコンピュータ2にインストールされ実行されることにより、本発明システム1が具体的に実現される。
次に、訓練シナリオデータベース8に記憶されている訓練シナリオの一例について説明する。図5は、外管(顧客敷地外にあるガス配管)でガス漏れが発生し、当該漏洩ガスが排水溝を介して通報者の敷地内の屋内排水口から屋内へ漏洩している状況を模擬したシナリオを図式化して示している。図5中、紙面中央の上下に貫通している領域は、通報者宅前の道路であり、当該道路の右側の中央部の領域が通報者宅の敷地を表している。本実施形態では、道路上、通報者宅の敷地内、通報者宅の隣宅敷地内、通報者宅の隣接空地内、通報者宅の向い宅敷地内の5つの区画内に個別作業の作業個所を指定している。また、外管ガス漏れは、通報者宅前のマンホール内の近傍で発生している。図5中の各作業個所に該当する位置に、各個別作業における属性値が作業個所名または作業対象物名とともに定義されている。各個別作業における属性値として、作業種別が開閉作業と測定作業に係る個別作業については、蓋の開閉、或いは、ガス栓の開栓または閉栓が開閉作業内容として指定され、更に、使用する測定器別の測定結果が指定されている。開閉作業内容は、当該作業個所または作業対象物を、開閉作業として使用者の入力操作で指示した場合の動作を定義している。また、作業個所によって作業対象物の開閉状態の初期状態が規定されている。初期状態が規定されていないものは、固定の初期状態(例えば、閉状態)が使用される。ここで、開閉作業は、例えばマンホールや会所の蓋を開けて、測定作業後に閉めるという動作において、蓋が閉まっている場合は開ける動作で、開いている場合は閉める動作となる。また、測定器は作業具表示領域25に表示される測定器の型番(例えば、xp702、xp304、xp333、mp301等)で示され、測定器の出力形式に応じた測定結果が規定されている。出力形式とは、測定値を表示するもの、ガス種と測定値を表示するもの、感知レベルを音声や光信号で出力するものがあり、前2者の場合は、測定結果を測定値またはガス種と測定値で定義し、後者の場合は、例えば、測定結果をその出力レベル「無」、「微」、「大」等で定義している。また、ガスメータのガス栓の開閉状態に応じてガス濃度が変わる場合には、その状態別に測定器の出力形式に応じた測定結果が規定されている。
以下に、別実施形態を説明する。
〈1〉上記実施形態では、本発明システム1の画面データ生成部3は、現場画面表示部9、接近画面表示部10、テキスト出力表示部11、テキスト入力表示部12、作業具表示部13、操作ボタン表示部14を備えて構成され、各表示部が個別に生成する画面データを合成して、図2に例示するような総合画面データを生成する場合を説明した。しかしながら、画面データ生成部3を構成する各表示部の組み合わせは、少なくとも現場画面表示部9を備えていれば、訓練内容に応じて変更可能である。例えば、接近画面表示領域22は、現場画面表示領域21での現場画面のズーム機能により省略可能であるため、接近画面表示部10は省略可能である。また、テキスト出力表示領域23やテキスト入力表示領域24は別ウィンドウで構成することも可能であり、また、一部音声出力で代替することも可能であるため、必ずしも総合画面20内に設ける必要はないため、テキスト出力表示部11及びテキスト入力表示部12も適宜省略可能である。また、訓練内容によっては、作業具(測定器等)を使用しない場合、或いは、使用しても1種類の場合は、作業具表示領域25は必ずしも設ける必要がないため、作業具表示部13も適宜省略可能である。また、現場画面表示領域21の現場画面における視点移動や視線移動等の画面操作は、キーボードからも入力操作可能であるため、操作ボタン表示部14も適宜省略可能である。
更に、総合画面20のレイアウト構成は、図2に例示した構成に限定されるものではない。また、現場画面表示領域21、接近画面表示領域22、テキスト出力表示領域23、テキスト入力表示領域24、作業具表示領域25、及び、操作ボタン表示領域26以外の表示領域を備えても構わない。
〈2〉上記実施形態では、画面データ生成部3の現場画面表示部9及び接近画面表示部10は、夫々、現場画面表示領域21、接近画面表示領域22において、現場画面を3次元表示する場合を説明したが、3次元表示に代えて、或いは、追加して、各々の表示を2次元表示で行っても構わない。
〈3〉上記実施形態では、作業内容評価部5は、作業内容記録部4が記録した作業内容入力に基づいて、使用者が現場画面上で行った個別作業の集合で規定される訓練内容に対する評価を行い、所定の出力形式で評価結果を出力するように構成されている。ここで、評価の対象となる個別作業の集合は、必ずしも使用者の行った個別作業の全体でなくても構わない。例えば、訓練シナリオで規定される複数の個別作業が、複数のグループに区分されている場合等において、グループ毎に評価を行うようにしても構わない。また、複数のグループが作業順序に応じて時系列に区分されている場合は、各グループの個別作業が終了する度に、評価を行い、その評価結果を出力するようにしても構わない。
〈4〉上記実施形態では、本発明システム1は、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータ2上に構成される場合を説明したが、本発明システム1は、専用のコンピュータハードウェアを用いて形成しても構わない。
また、上記実施形態では、本発明システム1は、スタンドアローン型の構成となっていたが、本発明システム1をサーバコンピュータ上に構成し、コンピュータネットワークを介して接続するクライアント端末上に、総合画面20を表示するようにして、各使用者(訓練者)が当該クライアント端末で訓練を行える構成としても構わない。
〈5〉上記実施形態では、本発明システム1の訓練対象となる保安作業として、ガス供給事業者がガス漏れ等の異常通報を受けて通報現場に保安作業員を緊急出動させる場合等の保安作業を想定したが、訓練対象となる保安作業はこれらに限定されるものではなく、広く保安に関連する作業であれば、本発明システム1を用いた訓練が可能である。
1: 本発明に係る保安作業訓練システム
2: コンピュータ
3: 画面データ生成部
4: 作業内容記録部
5: 作業内容評価部
6: 画面表示部
7: 入力データ受付部
8: 訓練シナリオデータベース
9: 現場画面表示部
10: 接近画面表示部
11: テキスト出力表示部
12: テキスト入力表示部
13: 作業具表示部
14: 操作ボタン表示部
20: 総合画面
21: 現場画面表示領域
22: 接近画面表示領域
23: テキスト出力表示領域
24: テキスト入力表示領域
25: 作業具表示領域
26: 操作ボタン表示領域
2: コンピュータ
3: 画面データ生成部
4: 作業内容記録部
5: 作業内容評価部
6: 画面表示部
7: 入力データ受付部
8: 訓練シナリオデータベース
9: 現場画面表示部
10: 接近画面表示部
11: テキスト出力表示部
12: テキスト入力表示部
13: 作業具表示部
14: 操作ボタン表示部
20: 総合画面
21: 現場画面表示領域
22: 接近画面表示領域
23: テキスト出力表示領域
24: テキスト入力表示領域
25: 作業具表示領域
26: 操作ボタン表示領域
Claims (9)
- 使用者に対して保安作業手順に関する訓練をコンピュータ処理により実行する保安作業訓練システムであって、
前記保安作業手順に関する訓練シナリオを保安作業現場における個別作業の集合として記憶した訓練シナリオデータベースと、
前記個別作業に係る各作業個所を含む前記保安作業現場を模擬的に表現するとともに、前記使用者の入力操作により表示領域が変更可能、且つ、前記作業個所が選択可能に構成された現場画面を所定の現場画面表示領域に表示する現場画面表示部と、
前記使用者の入力操作により前記現場画面内から選択された前記作業個所に対する前記個別作業の作業内容入力を受け付け、時系列に記録する作業内容記録部と、
前記作業内容記録部が記録した前記作業内容入力に基づいて、前記使用者が前記現場画面上で行った前記個別作業の集合で規定される訓練内容に対する評価を行い、所定の出力形式で評価結果を出力する作業内容評価部と、
を備えてなることを特徴とする保安作業訓練システム。 - 前記現場画面表示領域の前記現場画面内に表示された前記作業個所を、前記使用者の入力操作により選択されると、所定の接近画面表示領域に表示する接近画面表示部を、更に備えることを特徴とする請求項1に記載の保安作業訓練システム。
- 前記作業個所に対する作業内容は、その作業種別が前記作業個所における測定作業である場合は、前記現場画面表示領域の周辺部に設けられた作業具表示領域に表示された測定器を前記使用者の入力操作により選択することで特定されることを特徴とする請求項1または2に記載の保安作業訓練システム。
- 前記作業個所に対する作業内容は、その作業種別が前記作業個所における作業対象物の開閉作業である場合は、前記使用者の入力操作により前記作業対象物を指定することで特定されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の保安作業訓練システム。
- 前記作業種別が前記作業個所における作業対象物の開閉作業である場合は、前記作業内容の結果が、前記作業種別が測定作業である別の作業個所における作業結果に対して反映されるように、前記個別作業の関連するもの同士が規定されていることを特徴とする請求項4に記載の保安作業訓練システム。
- 前記作業個所に対する作業内容は、その作業種別が前記作業個所における対人作業である場合は、前記使用者の入力操作により前記対人作業の対象人物を指定することで特定されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の保安作業訓練システム。
- 前記作業内容評価部は、その作業種別が前記作業個所における測定作業である前記個別作業に対し、前記使用者が適切な作業を行った前記作業個所と、そうでない前記作業個所を相互に区別して、前記現場画面上または所定の評価出力用の前記保安作業現場を模擬的に表現する評価出力用現場画面に表示することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の保安作業訓練システム。
- 請求項1〜7の何れか1項に記載の保安作業訓練システムにおける現場画面表示部、作業内容記録部、及び、作業内容評価部の各処理内容をコンピュータ上で実行するプログラムステップを備えてなることを特徴とする保安作業訓練用プログラム。
- 請求項2に記載の保安作業訓練システムにおける接近画面表示部の処理内容をコンピュータ上で実行するプログラムステップを更に備えてなることを特徴とする請求項8に記載の保安作業訓練用プログラム。
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JP2004329990A JP2006139163A (ja) | 2004-11-15 | 2004-11-15 | 保安作業訓練システム |
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- 2004-11-15 JP JP2004329990A patent/JP2006139163A/ja not_active Withdrawn
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