JP7390224B2 - ボイラ - Google Patents

ボイラ Download PDF

Info

Publication number
JP7390224B2
JP7390224B2 JP2020045127A JP2020045127A JP7390224B2 JP 7390224 B2 JP7390224 B2 JP 7390224B2 JP 2020045127 A JP2020045127 A JP 2020045127A JP 2020045127 A JP2020045127 A JP 2020045127A JP 7390224 B2 JP7390224 B2 JP 7390224B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
gas
water
boiler
heating element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020045127A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021148307A (ja
Inventor
和之 大谷
信行 石崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Miura Co Ltd
Clean Planet Inc
Original Assignee
Miura Co Ltd
Clean Planet Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Miura Co Ltd, Clean Planet Inc filed Critical Miura Co Ltd
Priority to JP2020045127A priority Critical patent/JP7390224B2/ja
Publication of JP2021148307A publication Critical patent/JP2021148307A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7390224B2 publication Critical patent/JP7390224B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、ボイラに関する。
従来、工業用や商業用を含め様々な用途にボイラが広く利用されている。ボイラにおいては加熱を行うための発熱手段が設けられるが、この発熱手段の一形態として、容器内部に発熱体を設けたものが挙げられる。
また、このような発熱手段の具体的形態は種々挙げられるが、その一例として、水素吸蔵金属または水素吸蔵合金からなる複数の金属ナノ粒子が表面に形成された反応体(発熱体)を容器内部に設けたものが、発熱システムとして特許文献1に開示されている。特許文献1によれば、この発熱システムにおいて、発熱に寄与する水素系ガスが容器内に供給されることで金属ナノ粒子内に水素原子が吸蔵され、過剰熱を発することが記載されている。
なお特許文献1においても説明されているとおり、パラジウムで作製した発熱体を容器内部に設け、この容器内部に重水素ガスを供給しつつ、容器内部を加熱することによって発熱反応が生じた旨の発表がなされている。また、水素吸蔵金属または水素吸蔵合金を利用して過剰熱(入力エンタルピーより高い出力エンタルピー)を発生させる発熱現象に関し、過剰熱を発するメカニズムの詳細については各国の研究者の間で議論されており、発熱現象が発生したことが報告されている。
特許第6448074号公報 米国特許第9,182,365号明細書
容器内部に発熱体を設けた発熱手段で加熱を行うボイラにおいては、発熱体の温度を上げる必要がある。例えば、発熱体として上記の反応体を採用したボイラにおいては、過剰熱を発する反応を適切に生じさせるため、反応体へ水素系ガスを供給するとともに反応体を適度に加熱する必要がある。
そのため当該ボイラにおいては、反応体の温度を上げるためにこれを加熱するヒータ(例えばセラミックヒータ)が用いられ、このヒータを駆動するための電力供給が行われることになる。一方、発熱体として一般的な発熱素子(例えばハロゲンヒータ)が採用される場合には、当該発熱素子の温度を上げるための電力供給が行われることになる。
このような電力供給について、ボイラ内での自給あるいは外部電力(例えば商用電源)への依存度の低減を実現させるため、低温側と高温側の温度差により発電する熱電交換素子の利用が考えられる。しかしこの場合には、熱電交換素子の低温側対応部を冷却するための冷却水等が別途必要となり、その分の運転コスト増大等が問題となり得る。
本発明は上記課題に鑑み、冷却水等を別途要することなく、熱電交換素子を利用した電力供給が可能となるボイラの提供を目的とする。
本発明に係るボイラは、伝熱管と、発熱体と、内部に前記伝熱管および前記発熱体が設けられ、空気よりも比熱の高いガスを内部に充満できる容器と、を備え、前記発熱体が発する熱を用いて前記伝熱管を加熱するボイラであって、前記ボイラへの給水が行われる低温側と、前記ガスが前記容器の内部に充満した状況において前記発熱体が発する熱を用いて温められる高温側と、の温度差により発電する熱電変換素子を備える構成とする。本構成によれば、冷却水等を別途要することなく、熱電交換素子を利用した電力供給が可能となる。
また上記構成としてより具体的には、前記ガスが循環する経路として、前記容器内を一部として含む循環経路を備え、前記熱電変換素子は、前記ボイラへの給水が行われる低温側と前記循環経路である高温側との温度差により発電する構成としても良い。本構成によれば、給水が行われる箇所と循環経路の温度差を利用して、発熱体の温度を上げることが可能となる。
また上記構成としてより具体的には、前記ガスは水素系ガスであり、前記発熱体は、水素吸蔵金属類からなる金属ナノ粒子が表面に設けられており、前記水素系ガスが前記容器内に供給された状況において、前記金属ナノ粒子内に水素原子が吸蔵され過剰熱を発生させる反応体であって、前記熱電変換素子が発生させる電力を、前記反応体を加熱するヒータに供給する構成としても良い。なお本願における水素系ガスは、重水素ガス、軽水素ガス、或いはこれらの混合ガスのことである。また本願での「水素吸蔵金属類」は、Pd,Ni,Pt,Ti等の水素吸蔵金属、或いはこれらを1種以上含む水素吸蔵合金を意味する。
また上記構成としてより具体的には、前記熱電変換素子が発生させる電力を用いて前記発熱体の温度を上げる構成としても良い。本構成によれば、冷却水等を別途要することなく、熱電交換素子を利用して発熱体の温度を上げることが可能となる。
本発明に係るボイラによれば、冷却水等を別途要することなく、熱電交換素子を利用した電力供給が可能となる。
第1実施形態に係るボイラ1の概略的な構成図である。 ボイラ1の伝熱管を通る水の進路に関する説明図である。 第2実施形態に係るボイラ2の概略的な構成図である。 第3実施形態に係るボイラ3の概略的な構成図である。 水経路に熱媒体を流すボイラ1aの模式的な構成図である。
本発明の各実施形態に係るボイラについて、各図面を参照しながら以下に説明する。
1.第1実施形態
まず本発明の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係るボイラ1の概略的な構成図である。本図に示すようにボイラ1は、容器11、反応体12、ヒータ13、ガス経路14、ガス受入部15、ガスポンプ16、ガスフィルタ17、セパレータ21、水経路22、水受入部23、水ポンプ24、および熱電変換素子31を備えている。
なお、図1(後述する図3~図5も同様)における容器11およびその内部の様子は、容器11を概ね二分する平面で切断した場合の概略的な断面図として表されており、上下左右の方向(上下方向は鉛直方向に一致する)は本図に示すとおりである。また、図1(図3~図5も同様)の容器11内の点線は、伝熱管22aの配置を概略的に示している。
容器11は、全体的に見て上下を軸方向とする上下両端に底を有する円筒状に形成されており、内部に気体を密閉させ得るように形成されている。より具体的に説明すると、容器11は、後述する伝熱管22aにより形成された円筒状の側壁11aを有するとともに、側壁11aの上側は上底部11bにより閉じられており、側壁11aの下側は下底部11cにより閉じられている。なお本実施形態では一例として、容器11の側壁11aを円筒状としているが、その他の筒状に形成されても構わない。また、側壁11aの外周に缶体カバーを設置してもよく、側壁11aと当該缶体カバーの間には断熱材を設けるようにしてもよい。
反応体12は、全体が細かい網目状に形成されている担持体の表面に、多数の金属ナノ粒子を設けて構成されている。この担持体は、素材として水素吸蔵合金類(水素吸蔵金属、或いは水素吸蔵合金)が適用されており、上下を軸方向とする上下両端に底を有する円筒状に形成されている。反応体12の上面はガス経路14に連接しており、反応体12の網目状の隙間を介してその内部に流入したガスを、ガス経路14内に送出することが可能となっている。本実施形態の例では容器11の内部において、3個の反応体12が左右方向へ並ぶように設けられている。
ヒータ13は、有底円筒形状に形成された反応体12の側面に螺旋状に巻かれており、熱電変換素子31からの供給電力を用いて発熱するように形成されている。なお、熱電変換素子31の発電量が不足する際には、ヒータ13への電力供給に不図示の外部電力(例えば商用電源)も併用可能である。
ヒータ13としては、例えばセラミックヒータが採用され得る。ヒータ13が発熱することにより反応体12を加熱し、後述する過剰熱を発生させるための反応が生じ易い所定の反応温度まで、反応体12の温度を上昇させることができる。なおヒータ13の温度は、ヒータ13への供給電力を制御することにより調節可能である。
ガス経路14は、容器11の外部に設けられ、容器11の内部を一部として含むガスの循環経路を形成するものであり、一方の端部は各反応体12の上面に連接し、他方の端部は容器11の内部に連接している。より詳細に説明すると、各反応体12の上面に連接したガス経路14の部分それぞれは容器11内で合流し、一本の経路となって上底部11bを貫通した上で、ガス受入部15、ガスポンプ16、およびガスフィルタ17を順に介して下底部11cを更に貫通し、容器11の内部に繋がっている。
ガス受入部15は、外部の供給元から水素系ガス(重水素ガス、軽水素ガス、或いはこれらの混合ガス)の供給を受けるようになっており、供給された水素系ガスをガス経路14内へ流入させる。例えば、水素系ガスを予め貯留したタンクからガス受入部15へ水素系ガスが供給される場合、このタンクが水素系ガスの供給元となる。
ガスポンプ16は、例えばインバータ制御により回転数が制御され、この回転数に応じた流量で、ガス経路14内のガスが上流側から下流側へ(すなわち、図1に点線矢印で示す方向へ)流れるようにする。なお、ガス経路14を含む循環経路でのガスの循環量は、ガスポンプ16の回転数を制御することにより調節可能である。
ガスフィルタ17は、ガス経路14内のガスに含まれる不純物(特に、反応体12における過剰熱を発生させる反応の阻害要因となるもの)を除去する。セパレータ21は、伝熱管22aを通る際に水が加熱されて生じた蒸気を受け入れ、この蒸気に対して気水分離(当該蒸気に含まれるドレンの分離)がなされるようにする。セパレータ21において気水分離された蒸気は、ボイラ1の外部へ供給することが可能である。
水経路22は、水受入部23からセパレータ21まで繋がる水の経路である。水経路22の一部は、先述した側壁11aを形成する伝熱管22aとなっている。また水経路22の途中には、水受入部23の下流側直近の位置において水ポンプ24が配置されている。なお水経路22のうち、伝熱管22aよりも上流側の経路では、水受入部23から供給された液体の水が流れ、伝熱管22aよりも下流側の経路(容器11とセパレータ21の間)では、伝熱管22aで加熱されて気化した水(蒸気)が流れることになる。
水受入部23は、外部から蒸気の元となる水の供給を適宜受けるようになっており、供給された水を水経路22内へ流入させる。水ポンプ24は、水経路22内の水を上流側から下流側へ向けて(すなわち、図1に実線矢印で示す方向へ)流すようにする。
伝熱管22aは、容器11の筒状の側壁11aを形成するように、下底部11cから上底部11bに向けて螺旋状に延びている。すなわち伝熱管22aは、上下に隣合う伝熱管22aの部分同士の間に隙間が無いように、筒状の側壁11aの軸方向(上下方向)へ進むように螺旋状に延びている。なお本実施形態の例では、伝熱管22aの内壁の断面形状を四角形としているが、円形或いはその他の形状としても構わない。
熱電変換素子31は、低温側に配置される低温側対応部と、低温側よりも高温となる高温側に配置される高温側対応部を有し、ゼーベック効果を利用して低温側と高温側との温度差により発電して、その発電電力を駆動電力としてヒータ13へ供給する。より具体的に説明すると、熱電変換素子31は、水経路22における伝熱管22aよりも上流側の所定位置(図1に白丸で示す位置)である低温側と、水経路22における伝熱管22aよりも下流側の所定位置(図1に黒丸で示す位置)である高温側との温度差により発電する。
これにより熱電変換素子31は、反応体12の熱による加熱前の水と加熱後の水の温度差を利用して、ヒータ13の駆動電力を賄うことが可能である。なお熱電変換素子31の動作原理や具体的形態などは、本発明の趣旨を逸脱しない限り、特に限定されるものではない。
次に、ボイラ1の動作について説明する。ボイラ1では、外部の供給元からガス受入部15へ水素系ガスが供給され、容器11の内部とガス経路14を含むガスの循環経路に水素系ガスが充満される。充満された水素系ガスはガスポンプ16の作用により、この循環経路において図1に点線矢印で示す方向へ循環する。
このとき容器11の内部においては、水素系ガスが反応体12の網目状の隙間を介してその内部に流入した後、反応体12の上部に連接しているガス経路14内に送出される。またこれと同時に、主に熱電変換素子31の発電電力が駆動電力としてヒータ13へ供給される。これによりヒータ13が発熱し、反応体12が加熱されるようになっている。
このように、水素系ガスを容器11の内部に供給された状態でヒータ13により反応体12を加熱すると、反応体12に設けた金属ナノ粒子に水素原子が吸蔵され、反応体12はヒータ13による加熱温度以上の過剰熱を発生させる。このように反応体12は、過剰熱を発生させる反応が行われることにより、発熱体として機能する。この過剰熱を発生させる反応の原理は、例えば特許文献1に開示された過剰熱を発生させる反応の原理と同様である。
容器11内部を含む循環経路内の水素系ガスは、ガスフィルタ17を通る際に不純物が除去される。そのため、不純物が除去された純度の高い水素系ガスが、容器11内部へ継続的に供給される。これにより、純度の高い水素系ガスを反応体12へ安定的に与え、過剰熱の出力を誘発し易い状態を維持して、反応体12を効果的に発熱させることが可能となっている。
また、上記の反応体12を発熱させる動作と並行して、外部から水受入部23へ水が供給される。この供給された水は、水ポンプ24の作用により、水経路22内を図1に実線矢印で示す方向へ流される。
水経路22内を流れる水は、容器11の側壁11aを形成する伝熱管22aを通る際に、反応体12が発する熱によって加熱される。すなわち反応体12の発する熱は、容器11内の水素系ガスによる対流(熱伝達)、熱伝導および輻射によって伝熱管22aへ伝わり、これにより高温となった伝熱管22aによってその内部を流れる水が加熱される。
図2は、伝熱管22aを通る水の進路を実線矢印で概略的に示している。本図に示すように、伝熱管22aの入口α(伝熱管22aの最下部)から伝熱管22a内に進入した水は、螺旋状に延びた伝熱管22a内の通路に沿って進み、伝熱管22aの出口β(伝熱管22aの最上部)から蒸気としてセパレータ21に向けて排出される。この際に伝熱管22aを通る水は、反応体12の発する熱により加熱された伝熱管22a(容器の側壁11a)からの熱が伝わり、温度が上昇する。
このようにして、水経路22を流れる水は伝熱管22aを通る際に加熱されて温度が上昇し、最終的には蒸気となる。この蒸気はセパレータ21に送り込まれ、気水分離により乾き度が高められた後、ボイラ1の外部へ供給されることになる。なお、水経路22内の水はこのように加熱されるため、先述した高温側(伝熱管22aよりも下流側)の温度は低温側(伝熱管22aよりも上流側)の温度に比べて高くなる。そのため熱電変換素子31は、この温度差により発生させた電力を駆動電力としてヒータ13へ供給することができる。
セパレータ21から外部へ供給する蒸気の量は、外部からの蒸気の要求量(蒸気負荷)等に応じて調整可能としても良い。このような調整は、外部へ供給する蒸気の量が適正量より少ないときは、反応体12の発熱量を増大させて蒸気の発生量を増やし、適正量より多いときは、反応体12の発熱量を減少させて蒸気の発生量を減らすことで実現可能である。
なお反応体12の発熱量は、ヒータ13の温度または先述したガスの循環量の調節により制御可能であり、ヒータ13の温度を上げるほど、或いは当該循環量を増やすほど、反応体12の発熱量を増大させることができる。またボイラ1においては、外部へ蒸気を供給した分だけ、つまり水が減少した分だけ水受入部23へ逐次水が供給されるようになっており、継続的に蒸気を発生させて外部へ供給することが可能である。
以上に説明したとおりボイラ1は、反応体12(発熱体)が発する熱を用いて供給される水を加熱するものであって、加熱前の当該水の経路である低温側と当該経路よりも温度の高い高温側(本実施形態の場合は、加熱後の当該水の経路)との温度差により発電する熱電変換素子31を備え、熱電変換素子31が発生させる電力をヒータ13に供給し、反応体12の温度を上げるようになっている。そのため冷却水等を別途要することなく、熱電交換素子31を利用して発熱体の温度を上げることが可能となっている。なお、当該低温側は、ボイラ1への給水が行われる箇所と見ることができ、当該高温側は、水素系ガスが容器11の内部に充満した状況において発熱体12が発する熱を用いて温められる箇所と見ることができる。
熱電交換素子31を利用することにより、ヒータ13への電力供給について、ボイラ1内での自給あるいは外部電力への依存度の低減を実現させることが可能である。なお、低温側と高温側の温度差が小さいとき(例えばボイラ1の運転開始時)など、熱電交換素子31の発電量が不足する状況では、この不足分を補うように外部電力等を利用すれば良い。
更に本実施形態では、水受入部23へ供給された水(加熱対象の水)が、熱電変換素子31の低温側対応部の冷却に用いられることになる。そのため、当該水の温度を上げるために、熱電変換素子31の熱を有効利用することも可能となっている。
2.第2実施形態
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお第2実施形態は、発熱体の形態およびこれに関する点を除き、基本的に第1実施形態と同様である。以下の説明では第1実施形態と異なる事項の説明に重点をおき、第1実施形態と共通する事項については説明を省略することがある。
図3は、第2実施形態におけるボイラ2の概略的な構成図である。第1実施形態のボイラ1では発熱体として反応体12が採用されていたが、第2実施形態ではその代わりに、一般的な発熱素子12aが採用されている。なおここでの発熱素子12aは、一例として、電力が供給されることにより発熱するハロゲンヒータであるとする。また、発熱素子12aの形状および寸法は便宜上、反応体12と同様であるとする。
発熱体として発熱素子12aを適用する場合は、第1実施形態のように過剰熱を発生させる必要は無く、ヒータ13に相当するものは不要であるため設置が省略されている。また第2実施形態の熱電交換素子31は、発生させた電力を発熱素子12aへ供給するようになっている。第2実施形態におけるガス経路14の上流側の端部は、発熱素子12aの代わりに上底部11bに連接しており、容器11内の空間と繋がっている。
ボイラ2では、反応体12の代わりに発熱素子12aから発せられる熱により伝熱管22aが加熱され、伝熱管22aを通る水は、伝熱管22a(容器の側壁11a)からの熱が伝わり温度が上昇することになる。またこの形態では、先述した過剰熱を発生させるための反応は不要であり、電力制御によって発熱素子12aの温度を直接的に制御することにより、適度に水を加熱して蒸気を発生させることができる。
またボイラ2においては、発熱素子12aへの供給電力を調節することにより、発熱素子12a(発熱体)の発熱量を制御することが可能である。発熱素子12aの発熱量を増大させるほど、伝熱管22aを通る水が強く加熱され、ボイラ2における蒸気の発生量を増やすことが可能である。
3.第3実施形態
次に本発明の第3実施形態について説明する。なお第3実施形態は、熱電変換素子の配置およびこれに関する点を除き、基本的に第1実施形態と同様である。以下の説明では第1実施形態と異なる事項の説明に重点をおき、第1実施形態と共通する事項については説明を省略することがある。
図4は、第3実施形態におけるボイラ3の概略的な構成図である。第3実施形態における熱電変換素子31は、水経路22における伝熱管22aよりも上流側の所定位置(図4に白丸で示す位置)である低温側と、ガス経路14におけるガス受入部15よりも上流側の所定位置(図4に黒丸で示す位置)である高温側との温度差により発電する。なお、この高温側は、容器11内を一部として含む水素系ガスの循環経路に位置する。
ボイラ3では、水素系ガスが容器11の内部に充満した状況において、容器11内で反応体12が発する熱により水素系ガスが温められる。そしてこの水素系ガスが循環することにより、循環経路が温められることになる。そのため上記の高温側は、水素系ガスが容器11の内部に充満した状況において反応体12が発する熱を用いて温められ、上記の低温側よりも高温となる。これにより熱電変換素子31は、低温側と高温側の温度差を利用して、ヒータ13の駆動電力を賄うことが可能である。
また更に本実施形態では、熱電変換素子31の低温側対応部は、ガス経路14におけるガスポンプ16やガスフィルタ17よりも上流側に配置されている。そのため熱電変換素子31の作用により、この位置においてガス経路14内のガスの温度を下げることができるため、その分、ガスポンプ16やガスフィルタ17に要求される耐熱温度(要求耐熱温度)を下げることが可能である。
3.その他
以上に説明した各実施形態のボイラ1~3は、発熱体と、内部にこの発熱体が設けられた容器11とを備え、供給された水(流体の一例)を加熱して蒸気を発生させるものである。更に各ボイラ1~3では、空気よりも比熱の高いガス(本実施形態の例では水素系ガス)が容器11の内部に充満した環境下において、前記発熱体が発する熱により加熱される伝熱管22a、を備えており、伝熱管22aを通る水(蒸気の元となる水)が加熱されるようになっている。なお、例えば200℃で1atmの条件下において、空気の比熱が約1,026J/Kg℃であるのに対し、水素の比熱は約14,528J/Kg℃となっており、空気の比熱よりも非常に高くなっている。また発熱体として、ボイラ1,3では反応体12が採用され、ボイラ2では発熱素子12aが採用されている。
各ボイラ1~3によれば、容器11内部に発熱体を設けた発熱手段により水を加熱して蒸気を発生させるものでありながら、当該発熱体が発する熱を効率良く当該水に伝えることが可能である。各ボイラ1~3では、伝熱管自体を発熱体を囲むように配置することで、発熱体が発する熱を更に効率良く伝熱管へ伝えることが可能である。
更に、容器11の内部に空気より比熱の高いガスが充満されるため、一般的な空気が充満される場合と比較して熱伝達が良好になされ、発熱体が発する熱を蒸気の元となる水へ効率良く伝えることができる。また、比熱が高いためガスの温度が変動し難く、当該水へより安定的に熱を伝えることが可能である。
また伝熱管22aは、筒状に形成された側壁11aの全周を形成しているため、発熱体が発する熱を蒸気の元となる水へ効率良く伝えることが可能である。特に本実施形態での伝熱管22aは、発熱体を囲んで配置されていることから、側壁11aの全周のほぼ全ての領域を網羅し、発熱体が発する熱を極力無駄なく蒸気の元となる水へ伝えることが可能である。なお上記の各実施形態では、伝熱管は螺旋状に伸びて発熱体を囲んで配置されているが、発熱体を囲む形態はこれに限られず、例えば、鉛直方向に伸びる複数本の伝熱管が発熱体を囲んで配置する形態等が採用されても良い。
また上記の各実施形態では、容器11内にガスを密閉するための側壁11aが伝熱管22aにより形成されているが、その代わりに側壁11aを伝熱管22aとは別に設けておき、側壁11aの内側に(すなわち、容器11の内部に)伝熱管22aを設けるようにしても良い。この場合においても、空気よりも比熱の高いガスが容器11の内部に充満した環境下において、発熱体が発する熱により伝熱管22aを加熱することが可能である。またこの場合には、伝熱管22aは側壁11aとしての役割を果たす必要は無いが、上下に隣合う伝熱管22aの部分同士の間に隙間があると発熱体からの熱を更に受けやすく好ましい。
また各ボイラ1~3では、容器11内を一部として含む循環経路において、前記ガスを循環させるようになっている。これにより、容器11内のガスの動きを活発化させて、当該ガスから側壁11aへの熱伝達がより効果的になされる効果が期待される。特に第1および第3実施形態のボイラでは、反応体12における過剰熱を発生させる反応を促進させるためにも、当該ガスを循環させることが重要である。なお、第2実施形態のボイラにおいては過剰熱を発生させる反応を要しないため、上述した空気よりも比熱の高いガスとして、水素系ガス以外のガスを採用しても良い。
なお、上記の各実施形態では、伝熱管22aを含む水経路22に蒸気の元となる水を流すようにしているが、その代わりに、伝熱管を含む熱媒経路に熱媒体Yを流すようにし、この熱媒体Yを用いて蒸気の元となる水を加熱することも可能である。このように構成したボイラの模式的な構成図を図5に例示する。
図5に示すボイラ1aでは、水経路22の代わりに熱媒経路40が設けられるとともに、セパレータ21の代わりに熱交換器50が設けられている。熱交換器50は、熱媒体Yが流れる熱媒経路40の一部が配置されるとともに、外部からの給水(蒸気の元となる水の供給)を受ける。なお熱媒体Yは、図5に実線矢印で示すように、伝熱管40aを含む熱媒経路40を循環するようになっている。伝熱管40aの構成や配置形態は、第1実施形態の伝熱管22aと同様である。これにより、反応体12(発熱体)により加熱された熱媒体Yを熱交換器50へ送り込み、供給された水を当該熱媒体Yにより加熱して蒸気を発生させ、外部へ供給することが可能である。なお熱交換器50は、水を加熱して蒸気を生成する構成の他、温水を生成する構成としても良い。
そしてボイラ1aにおいては、熱電変換素子31は、外部から熱交換器50への給水経路の所定位置(図5に白丸で示す位置)である低温側と、熱媒経路40における伝熱管40aよりも下流側の所定位置(図5に黒丸で示す位置)である高温側との温度差により発電する。これにより熱電変換素子31は、熱媒体Yを介して反応体12の熱により加熱される前の水と反応体12の熱で加熱された熱媒体Yとの温度差を利用して、ヒータ13の駆動電力を賄うことが可能である。
熱交換器50としては、例えば、プレート式やシェルアンドチューブ式の熱交換器を採用しても良く、各種形態のスチームジェネレータを採用しても良い。このスチームジェネレータの一例としては、供給された水を貯留する貯留スペースと、当該貯留スペース内に配置された熱媒体Yを通す管状体を有し、熱媒体Yの熱が当該管状体を介して貯留した水に伝わる構成のものが挙げられる。
また、図1或いは図3に示すボイラにおいて、熱電変換素子31の高温側対応部が配置される高温側の位置は、先述した黒丸で示す位置の代わりに、点線の丸で示す位置Xとしても良い。この場合、セパレータ21に送り込まれる蒸気の温度を極力下げないようにすることが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の構成は上記実施形態に限られず、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。例えば、本発明に係るボイラは、上記実施形態のような蒸気を発生させるボイラの他、温水ボイラや熱媒ボイラ等にも適用可能である。本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
本発明は、各種用途のボイラに利用可能である。
1~3、1a ボイラ
11 容器
11a 側壁
11b 上底部
11c 下底部
12 反応体
12a 発熱素子
13 ヒータ
14 ガス経路
15 ガス受入部
16 ガスポンプ
17 ガスフィルタ
21 セパレータ
22 水経路
22a 伝熱管
23 水受入部
24 水ポンプ
31 熱電変換素子
40 熱媒経路
40a 伝熱管
50 熱交換器

Claims (3)

  1. 伝熱管と、
    発熱体と、
    内部に前記伝熱管および前記発熱体が設けられ、空気よりも比熱の高いガスを内部に充満できる容器と、を備え、
    前記発熱体が発する熱を用いて前記伝熱管を加熱するボイラであって、
    前記ボイラへの給水が行われる低温側と、前記ガスが前記容器の内部に充満した状況において前記発熱体が発する熱を用いて温められる高温側と、の温度差により発電する熱電変換素子を備え
    前記熱電変換素子が発生させる電力を用いて前記発熱体の温度を上げることを特徴とするボイラ。
  2. 前記ガスが循環する経路として、前記容器内を一部として含む循環経路を備え、
    前記熱電変換素子は、前記ボイラへの給水が行われる低温側と前記循環経路である高温側との温度差により発電することを特徴とする請求項1に記載のボイラ。
  3. 前記ガスは水素系ガスであり、
    前記発熱体は、
    水素吸蔵金属類からなる金属ナノ粒子が表面に設けられており、前記水素系ガスが前記容器内に供給された状況において、前記金属ナノ粒子内に水素原子が吸蔵され過剰熱を発生させる反応体であって、
    前記熱電変換素子が発生させる電力を、前記反応体を加熱するヒータに供給することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボイラ。
JP2020045127A 2020-03-16 2020-03-16 ボイラ Active JP7390224B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020045127A JP7390224B2 (ja) 2020-03-16 2020-03-16 ボイラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020045127A JP7390224B2 (ja) 2020-03-16 2020-03-16 ボイラ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021148307A JP2021148307A (ja) 2021-09-27
JP7390224B2 true JP7390224B2 (ja) 2023-12-01

Family

ID=77848161

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020045127A Active JP7390224B2 (ja) 2020-03-16 2020-03-16 ボイラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7390224B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999058820A1 (fr) 1998-05-14 1999-11-18 Yyl Corporation Generateur d'energie
JP2013002661A (ja) 2011-06-13 2013-01-07 Panasonic Environmental Systems & Engineering Co Ltd ボイラ廃熱利用システム
JP2017110835A (ja) 2015-12-15 2017-06-22 株式会社クリーンプラネット 発熱システム
JP6448074B2 (ja) 2016-09-28 2019-01-09 株式会社クリーンプラネット 発熱システム

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62131101A (ja) * 1985-12-02 1987-06-13 工業技術院長 蒸気発生装置
JP2920860B2 (ja) * 1993-03-01 1999-07-19 日本電信電話株式会社 発熱装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999058820A1 (fr) 1998-05-14 1999-11-18 Yyl Corporation Generateur d'energie
JP2013002661A (ja) 2011-06-13 2013-01-07 Panasonic Environmental Systems & Engineering Co Ltd ボイラ廃熱利用システム
JP2017110835A (ja) 2015-12-15 2017-06-22 株式会社クリーンプラネット 発熱システム
JP6448074B2 (ja) 2016-09-28 2019-01-09 株式会社クリーンプラネット 発熱システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021148307A (ja) 2021-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5506929B2 (ja) タンクレス温水システム用のコイル管熱交換器
US8057559B2 (en) Hydrogen generator and hydrogenation apparatus
JP6795129B1 (ja) ボイラ
JP6283027B2 (ja) 水蒸気改質器、モジュール、及び使用方法
PT1425244E (pt) Unidade de reformação compacta papa produção de hidrogénio a partir de hidrocarbonetos em estado gasoso na gama de baixa potência.
JP7390224B2 (ja) ボイラ
JP7423359B2 (ja) ボイラ
JP7390223B2 (ja) ボイラ
JP7441083B2 (ja) ボイラ
WO2021187284A1 (ja) ボイラ
JP7337437B2 (ja) ボイラ
JP7441084B2 (ja) ボイラ
JP7423360B2 (ja) ボイラ
CA2834946C (en) Heat exchange system
WO2021187286A1 (ja) ボイラ
WO2021095430A1 (ja) ボイラ
JP4680628B2 (ja) 重質油改質装置及び重質油焚きガスタービンシステム
CN112709976A (zh) 锅炉
JP7153608B2 (ja) 水素トーチ
WO2021187285A1 (ja) ボイラ
US20240125466A1 (en) Boiler
JP2012201575A (ja) Co除去装置およびそれを備えた燃料改質システム
RU2021120029A (ru) Система утилизации тепла и теплогенерирующее устройство
JP2012056805A (ja) 水素生成装置
JPH11228104A (ja) 燃料改質器

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20220119

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230802

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20230811

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230925

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7390224

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150