JP7389815B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、半導体素子などの電子部品用のエポキシ樹脂系封止剤の製造に適したエポキシ樹脂組成物に関する。
IC等の半導体素子の封止方法として、エポキシ樹脂組成物のトランスファー成形が低コスト、大量生産に優れている。しかし、電子機器の小型化、軽量化のために半導体の高集積化が進んでおり、また表面実装も進んでいる中で半導体封止剤用エポキシ樹脂組成物もそれらにつれて、信頼性の要求が非常に強くなってきた。信頼性をあげるためには、半導体封止剤用エポキシ樹脂組成物を硬化した後の誘電率を抑える手法が用いられてきた。具体的には、エポキシ樹脂組成物の構造をより嵩高くして、ガラス転移温度をあげ、高温で分子運動やイオン性物質の電気伝導性を抑制することで、誘電率を抑えてきた。
エポキシ樹脂組成物の構造をより嵩高くしガラス転移温度をあげた場合の弊害は、高粘度になる点である。高粘度となり流動性が悪いと、エポキシ樹脂組成物がパッケージ内に十分に充填されず、空隙が生じてしまう恐れがある。そのため、温度を上げ粘度を下げる必要がでてくる。それに伴い、エポキシ樹脂硬化促進剤もより高温で触媒効果を示すもの(例えば、特許文献1、特許文献2)が提案されている。しかし、高温で触媒機能をださせるため、未反応のエポキシ樹脂硬化促進剤が残存したり、添加量が多く必要であること等の結果、本来の目的である硬化後の誘電率を抑え、信頼性を高める目的が不十分となってきている。また高温で硬化させることで半導体素子にダメージをあたえることも懸念される。
特開2007-119598号公報 特開2018-104559号公報
そこで、特定のエポキシ樹脂組成物を用いることで、流動性が良く、信頼性も優れるエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、一般式(1)で示されるイミダゾリウムカチオン(A)と、カルボキシラートアニオンおよびフェノキシドアニオンの群から選ばれる少なくとも1種のアニオン(B)からなるイミダゾリウム塩(S)とエポキシ樹脂(C)と硬化剤(D)を含有するエポキシ樹脂組成物である。
Figure 0007389815000001
[式(1)中、R1は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表し、R2及びR3は、同一または異なって、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表し、R4及びR5は、同一または異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、イミダゾリウム塩(S)が硬化促進剤として働く。イミダゾリウムカチオン(A)の共役構造であるため、カルボキシラートアニオン、およびフェノキシドアニオンと塩を組むことができ、安定である。そのため、加熱溶融する配合温度でも塩を組むことができ、硬化反応の促進を抑制させることが可能となる。一方、さらに温度があがった硬化温度では、すばやく分解し、エポキシ樹脂と硬化剤の反応を促進させることができるため、エポキシ樹脂組成物を用いた半導体装置の信頼性を高めることができる。
さらに、イミダゾリウム塩(S)は、共役構造であるイミダゾリウムカチオン(A)を有するため、比較的融点が低い。つまり、加熱溶融する配合温度と融点が近い。このことから、流動性が良いエポキシ樹脂組成物を設計できる。さらに、アニオン(B)に用いているカルボキシアニオン、およびフェノキシドアニオンは、エポキシ樹脂へ硬化過程で取り込まれやすい。つまり分解しやすく、エポキシ樹脂組成物中にイオンが残存しにくく、添加量も少なくて効果が発現できるので、半導体装置の信頼性を高めることができる。この流動性が良さのため、エポキシ樹脂組成物がパッケージ内に十分に充填され、空隙が生じてしまう恐れのないエポキシ樹脂組成物となり、信頼性も優れているので半導体などの電子部品用のエポキシ樹脂系封止材の製造に好適である。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。本発明のエポキシ樹脂組成物のエポキシ樹脂硬化促進剤は、イミダゾリウム塩(S)である。一般式(1)で示されるイミダゾリウムカチオン(A)と、カルボキシラートアニオンおよびフェノキシドアニオンの群から選ばれる少なくとも1種のアニオン(B)からなる。
イミダゾリウム塩(S)の融点は、160℃以下が好ましく、さらに好ましくは、130℃以下である。下限は扱いやすさの観点で、-50℃以上が好ましい。より好ましい融点としては、-30℃~120℃、さらに好ましくは、-20℃~120℃、もっとも好ましくは、50℃~120℃である。
イミダゾリウムカチオン(A)は、一般式(1)で示され、式(1)中、R1は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表し、R2及びR3は、同一又は異なって、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表し、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。
Figure 0007389815000002
イミダゾリウムカチオン(A)は、エポキシ樹脂組成物の信頼性の観点から、R1は、好ましくは水素原子である。
イミダゾリウムカチオン(A)の具体例としては、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-プロピル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3-ジエチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3-トリメチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3,4-テトラメチルイミダゾリウムカチオン、1,3,4-トリメチル-2-エチルイミダゾリウムカチオン、1,3-ジメチル-2,4-ジエチルイミダゾリウムカチオン、1,2-ジメチル-3,4-ジエチルイミダゾリウムカチオン、1-メチル-2,3,4-トリエチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3,4-テトラエチルイミダゾリウムカチオン、1,3-ジメチル-2-エチルイミダゾリウムカチオン、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン、及び1,2,3-トリエチルイミダゾリウムカチオン等が挙げられる。
イミダゾリウムカチオン(A)の製造は、例えば、イミダゾールを、アルキル炭酸を使用し四級化する反応、及びイミダゾリウムの水酸化物を使用する反応等により得られる。
アニオン(B)を構成するカルボキシラートアニオンはオクチル酸アニオン、アジピン酸アニオン、セバシン酸アニオン、フタル酸アニオン、イソフタル酸アニオン、安息香酸アニオン、コハク酸アニオン、マレイン酸アニオン、サリチル酸アニオン、ピロメリット酸アニオンなどが挙げられる。これらのなかで、信頼性の観点で芳香族のカルボキシラートアニオンが好ましい。
アニオン(B)を構成するフェノキシドアニオンは、フェノール、カテコール、ナフトール、フロログリシノール、ピロガロール、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFなど)、明和化成株式会社製の:Hシリーズ、HFシリーズ、MEH-7500シリーズ、MEH-7800シリーズ、MEH-7851シリーズ、MEH-7600シリーズ、MEH-8000シリーズ;本州化学工業株式会社製の:TriP-PA、BisP-TMC、BisP-AP、OC-BP、TekP-4HBPA、CyRS-PRD4などのアニオンが挙げられる。
アニオン(B)の中でも、流動性の観点から、分子量が100~1000が好ましい。
アニオン(B)がカルボキシラートアニオンであるとき、一般式(2)で示される化合物(E)を含有することが好ましく、化合物(E)の含有量はアニオン(B)に対し、1.0~0.3当量であることが好ましい。
Figure 0007389815000003
[式(2)中、R6、R7、及びR8は、水素原子又は水酸基を表し、少なくとも1つは水酸基である。]
化合物(E)の具体例としては、ピロガロール、カテコール、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン、1,2,3,5-テトラヒドロキシベンゼンなどがあげられる。これらのうち、ピロガロール、カテコールが好ましい。
エポキシ樹脂(C)は、分子内にエポキシ基を持つものを指し、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造は特に限定するものではない。また1分子内にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂が好ましく、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても差し支えない。
エポキシ樹脂(C)の例としては、DIC株式会社製の:HP-4032、HP-4700、HP-7200、HP-820、HP-4770、HP-5000、EXA-850、EXA-830、EXA-1514、EXA-4850シリーズ;日本化薬株式会社製の:EPPN-201L、BREN-105、EPPN-502H、EOCN-1020、NC-2000-L、XD-1000、NC-7000L、NC-7300L、EPPN-501H、NC-3000;三菱ケミカル株式会社製の:XY-4000などが挙げられる。
硬化剤(D)としては、フェノール樹脂化合物、酸無水物化合物などが挙げられる。フェノール樹脂化合物を用いた場合、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物が好ましく、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するオリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、トリフェノールメタン型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂、ビスフェノール化合物等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても差し支えない。
フェノール性水酸基を2個以上有する化合物の例としては、明和化成株式会社製の:HFシリーズ、Hシリーズ、MEH-7500シリーズ、MEH-7800シリーズ、MEH-7851シリーズ、MEH-7600シリーズ、MEH-8000シリーズ;本州化学工業株式会社製の:TriP-PA、BisP-TMC、BisP-AP、OC-BP、TekP-4HBPA、CyRS-PRD4などが挙げられる。
酸無水物としては、新日本理化株式会社製のリカシッドシリーズなどが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、これを硬化することにより、最終的に硬化エポキシ樹脂物が得られる。イミダゾリウム塩(S)、エポキシ樹脂(C)、硬化剤(D)のそれぞれの配合量はエポキシ樹脂や硬化剤の反応性に応じて調整されるが、エポキシ樹脂(C)100重量部に対してイミダゾリウム塩(S)は、通常0.5~5重量部、好ましくは1~3重量部である。
エポキシ樹脂(C)と、硬化剤(D)との配合比率も、特に限定されないが、エポキシ樹脂(C)のエポキシ基1当量に対し、硬化剤(D)の酸無水物当量、または水酸基当量の比率が0.5~2当量となるように用いるのが好ましく、0.7~1.5当量となるように用いるのが、より好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、さらに無機充填材(H)を含むことが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体素子などの電子部品の封止などに用いる場合、得られる半導体装置の耐半田性向上などを目的として、エポキシ樹脂組成物中に配合されるものであり、その種類については、特に制限はなく、一般に封止材料に用いられているものを使用することができる。
また、無機充填材(H)の含有量は、特に限定されないが、エポキシ樹脂(C)と硬化剤(D)との合計量100重量部あたり、200~2400重量部が好ましく、400~1400重量部が、より好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、さらに他の機能性ある化合物(機能性添加剤)を含むことが好ましい。
機能性添加剤には、例えば、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン及びフェニルトリメトキシシラン、等のアルコキシシラン類やチタネートエステル類及びアルミナートエステル類に代表されるカップリング剤;カーボンブラック等の着色剤;臭素化エポキシ樹脂、酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛及びリン系化合物等の難燃剤;シリコーンオイル及びシリコーンゴム等の低応力成分;カルナバワックス等の天然ワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス;ステアリン酸やステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸、該高級脂肪酸の金属塩類及びパラフィン等の離型剤;マグネシウム、アルミニウム、チタン及びビスマス系等のイオンキャッチャー、ビスマス酸化防止剤等の各種添加剤;ベンゾオキサジン、シアネートエステル、ビスマレイミドのような耐熱性UPさせる変性化合物が挙げられる。
他の機能性ある化合物は、「総説エポキシ樹脂第一巻」、「総説エポキシ樹脂第一巻」、エポキシ樹脂技術協会、2003;エクトロニクス実装学会誌、14、204、2011;journal of Applied Polymer Science,109,2023-2028,2008;Polymer Preprints,Japan,60,1K19,2011;ネックワークポリマー,33,130,2012;Polym.Int.54,1103-1109,2005;Journal of Applied Polymer Science,92,2375-2386,2004;ネックワークポリマー,29,175,2008;高分子論文集,65,562,2008;高分子論文集,66(6),217,2009などに記載されている。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記成分、必要に応じて、その他の添加剤等を、ミキサーを用いて均一混合して得られ、さらには、常温で混合したものを、ロール、ニーダー、コニーダー及び二軸押出機等の混練機を用いて、加熱混練した後、冷却、粉砕することにより得ることができる。また、上記で得たエポキシ樹脂組成物は、紛体である場合、使用にあたっての作業性を向上させるために、プレス等により加圧タブレット化して使用することもできる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の用い方としては、例えば、半導体素子等の各種の電子部品を封止し、半導体装置を製造する場合には、トランスファーモールド、コンプレッションモールド及びインジェクションモールド等の従来からの成形方法により、硬化成形することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
なお、実施例、比較例で用いたイミダゾリウム塩(S)であるエポキシ樹脂硬化促進剤(以下、硬化促進剤と記す。)の内容について以下に示す。なお、実施例7は参考例である。
<イミダゾリウム塩(S-1)の製造方法>
攪拌式のオートクレーブに、炭酸ジエチル(東京化成工業株式会社社製)141部及び溶媒のエタノール500部を仕込み、この中に1-メチルイミダゾール(東京化成工業株式会社社製)82部を仕込み、反応温度135℃にて80時間反応させることで、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム・エチル炭酸塩(S-1-1)のエタノール溶液を得た。これにフェノール樹脂(明和化成株式会社製、H-4)500部投入し、エバポレータで脱溶剤することで、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム・フェノール樹脂塩(S-1)を作成した。カチオン構造は下記式(S1)で表わされる。
Figure 0007389815000004
<イミダゾリウム塩(S-2)の製造方法>
イミダゾリウム塩(S-1)の製造方法の1-メチルイミダゾールの代わりに、1,2ジメチルイミダゾール(東京化成工業株式会社社製)96部を用いることで、1-エチル-2、3-ジメチルイミダゾリウム・フェノール樹脂塩(S―2)が得られた。カチオン構造は下記式(S2)で表わされる。
Figure 0007389815000005
<イミダゾリウム塩(S-3)の製造方法>
イミダゾリウム塩(S-1)の製造方法の炭酸ジエチルの代わりに、炭酸ジメチル(東京化成工業株式会社社製)96部を用いることで、1、3-ジメチルイミダゾリウム・フェノール樹脂塩(S―3)が得られた。カチオン構造は下記式(S3)で表わされる。
Figure 0007389815000006
<イミダゾリウム塩(S-4)の製造方法>
イミダゾリウム塩(S-3)の製造方法のフェノール樹脂の代わりに、フェノール(東京化成工業株式会社社製)94部を用いることで、1、3-ジメチルイミダゾリウム・フェノール塩(S―4)が得られた。
<イミダゾリウム塩(S-5)の製造方法>
イミダゾリウム塩(S-3)の製造方法のフェノール樹脂の代わりに、ナフトール(東京化成工業株式会社社製)144部を用いることで、1、3-ジメチルイミダゾリウム・ナフトール塩(S―5)が得られた。
<イミダゾリウム塩(S-6)の製造方法>
イミダゾリウム塩(S-3)の製造方法のフェノール樹脂の代わりに、イソフタル酸(東京化成工業株式会社社製)166部を用いることで、1、3-ジメチルイミダゾリウム・フタル酸塩(S―6)が得られた。
<イミダゾリウム塩(S-7)の製造方法>
イミダゾリウム塩(S-3)の製造方法のフェノール樹脂の代わりに、オクチル酸(東京化成工業株式会社社製)144部を用いることで、1、3-ジメチルイミダゾリウム・オクチル酸塩(S―7)が得られた。
<比較例に用いる塩(S’-1)の製造例>
<塩(S’-1)の製造方法>
攪拌式のオートクレーブに、炭酸ジメチル(東京化成工業株式会社社製)108部及び溶媒のメタノール500部を仕込み、この中にDBU(サンアプロ株式会社社製)152部を仕込み、反応温度125℃にて80時間反応させたることで、中間体のDBU誘導体のメチル炭酸塩(S’-1-1)を得た。以降は、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム・フェノール樹脂塩(S-1)の製造方法と同様にすることで、下記式(S’1)で表わされる塩(S’-1)が得られた。
Figure 0007389815000007
<塩(S’-2)の製造方法>
塩(S’-1)の製造方法の中間体のDBU誘導体のメチル炭酸塩(S’-1-1)に
フタル酸(東京化成工業株式会社社製)166部を投入し、エバポレータで脱溶剤することで、DBU誘導体・フタル酸塩(S’-2)を作成した。なお、DBU誘導体は、式(S’-1)のカチオン構造と同じである。
<塩(S’-3)の製造方法>
滴下ロート、および還流管を備え付けたガラス製丸底3つ口フラスコに、トリエトキシフェニルシラン(東京化成工業株式会社社製)240部、2,3-ジヒドロキシナフタレン(東京化成工業株式会社社製)320部、およびナトリウムメトキシド28%メタノール溶液(東京化成工業株式会社社製)30部をメタノール900部中に投入後、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム・エチル炭酸塩(S-1-1)のエタノール溶液を滴下し、下記式(S’3)で表わされるイミダゾリウム塩が得られた。ろ過しメタノールで数回洗浄し乾燥することで精製を行い、塩(S’-3)とした。
Figure 0007389815000008
<塩(S’-4)の製造方法>
塩(S’-3)の製造方法の1-エチル-3-メチルイミダゾリウム・エチル炭酸塩(S-1-1)の代わりに、テトラフェニルホスホニウムブロミド(東京化成工業株式会社社製)419部を用いることで、下記式(S’4)で表わされる塩(S’-4)が得られた。
Figure 0007389815000009
イミダゾリウム塩(S-1)~(S-7)、塩(S’-1)~(S’-4)の融点を以下の方法で測定した。結果を表1に示す。
<融点>
SUS製の試験台にサンプルを置き、徐々に昇温させ目視で溶解した温度を読み取った。
Figure 0007389815000010
実施例1
エポキシ樹脂1:日本化薬(株)製、商品名NC3000(軟化点58℃、エポキシ当量273)100部;フェノール樹脂系硬化剤1:明和化成(株)製、商品名MEH-7500(軟化点110℃、水酸基当量97)33部;1-エチル-3-メチルイミダゾリウム・フェノール樹脂塩(S-1)3部;1重量%のシランカップリング剤で処理した溶融シリカ粉末1000部、カルナバワックス1.5部、三酸化アンチモン4部及びカーボンブラック1部を均一に粉砕混合後、 110℃の熱ロールを用いて10分間溶融混練し、冷却後粉砕して封止材を得た。得られたエポキシ樹脂組成物を、以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
<性能評価>
<流動性(フロー値)>
前記の得られたエポキシ樹脂組成物について、EMMI 1-66 の方法に準じて165℃(70kg/cm2)でのスパイラルフローのフロー値(単位はcm)を測定し、流動性の指標とした。フロー値が大きいほど流動性が良いことを表す。
<ゲルタイム>
キュラストメーター7型(株式会社エー・アンド・デイ製)を使用して、温度165℃、ダイスP-200及び振幅角度±1/4°の条件で、それぞれの上記エポキシ樹脂組成物について硬化トルクを測定し、硬化トルクの立ち上がる点をゲルタイム(単位は秒)とした。
<信頼性(誘電率)>
175℃で5時間硬化した硬化物を、LCRメーター(アジレントテクノロジー社製、E4980A)にて、155℃、100Hzの条件で誘電率を測定した。値が低いほうが低誘電率となり、信頼性が高いといえる。
実施例2~9、比較例1~4
表2の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得て、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
実施例1以外で用いた原材料を以下に示す。
エポキシ樹脂2:三菱ケミカル(株)製、商品名XY-4000H(軟化点80℃、エポキシ当量192)
フェノール樹脂系硬化剤2:明和化成(株)製、商品名MEH-7851SS(軟化点67℃、水酸基当量203)
酸無水物1:新日本理化(株)製、商品名リカシッドMH(融点20℃、当量170)
化合物(E-1):東京化成(株)製、ピロガロール
表2から明らかなように、ゲルタイムが同程度になるように配合したときに、本発明の実施例1~9のエポキシ樹脂組成物は、比較例と比べて、溶融混練後の封止剤のフロー値が大きく流動性に優れており、また誘電率も低く信頼性に優れていることが分かる。
Figure 0007389815000011
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂組成物の流動性が良く、信頼性を高めたエポキシ樹脂組成物となり、半導体などの電子部品用のエポキシ樹脂系封止材の製造に好適である。

Claims (6)

  1. 一般式(1)で示されるイミダゾリウムカチオン(A)と、カルボキシラートアニオン(B)からなるイミダゾリウム塩(S)とエポキシ樹脂(C)と硬化剤(D)を含有し、一般式(2)で示される化合物(E)をカルボキシラートアニオンに対し、1.0~0.5当量含有するエポキシ樹脂組成物。
    Figure 0007389815000012
    [式(1)中、R1は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表し、R2及びR3は、同一または異なって、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を表し、R4及びR5は、同一または異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。]
    Figure 0007389815000013
    [式(2)中、R6、R7、及びR8は、水素原子又は水酸基を表し、少なくとも1つは水酸基である。]
  2. イミダゾリウム塩(S)の融点が160℃以下である請求項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. アニオン(B)の分子量が100~1000である請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 一般式(1)中のR1が水素原子である請求項1~のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 硬化剤(D)が、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物を含有する請求項1~のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1~のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物が硬化してなる硬化物。
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