JP2003277583A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物及び半導体装置Info
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- JP2003277583A JP2003277583A JP2002084077A JP2002084077A JP2003277583A JP 2003277583 A JP2003277583 A JP 2003277583A JP 2002084077 A JP2002084077 A JP 2002084077A JP 2002084077 A JP2002084077 A JP 2002084077A JP 2003277583 A JP2003277583 A JP 2003277583A
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- JP
- Japan
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- epoxy resin
- resin composition
- coupling agent
- fused silica
- semiconductor
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 流動性、耐半田性に優れた特性を有する半導
体封止用エポキシ樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール
樹脂、(C)硬化促進剤、(D)溶融シリカ、(E)カ
ップリング剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物であ
って、前記溶融シリカの表面のシラノール基1個に対
し、前記カップリング剤の分子数が0.1〜10個であ
ることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
体封止用エポキシ樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール
樹脂、(C)硬化促進剤、(D)溶融シリカ、(E)カ
ップリング剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物であ
って、前記溶融シリカの表面のシラノール基1個に対
し、前記カップリング剤の分子数が0.1〜10個であ
ることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動性、耐半田性
に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びこれを用
いた半導体装置に関するものである。
に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びこれを用
いた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】IC、LSI等の半導体素子の封止方法
としてエポキシ樹脂組成物のトランスファー成形が低コ
スト、大量生産に適しており、採用されて久しく、信頼
性の点でもエポキシ樹脂や硬化剤であるフェノール樹脂
の改良により特性の向上が図られてきた。しかし、近年
の電子機器の小型化、軽量化、高性能化の市場動向にお
いて、半導体の高集積化も年々進み、又半導体装置の表
面実装化が促進されるなかで、半導体封止用エポキシ樹
脂組成物への要求は益々厳しいものとなってきている。
このため、従来からのエポキシ樹脂組成物では解決出来
ない問題点も出てきている。その最大の問題点は、表面
実装の採用により半導体装置が半田浸漬或いは半田リフ
ロー工程で急激に200℃以上の高温にさらされ、吸湿
した水分が爆発的に気化する際の応力により、半導体装
置にクラックが発生したり、半導体素子、リードフレー
ム、インナーリード上の各種メッキされた各接合部分と
エポキシ樹脂組成物の硬化物の界面で剥離が生じたりし
て、信頼性が著しく低下する現象である。
としてエポキシ樹脂組成物のトランスファー成形が低コ
スト、大量生産に適しており、採用されて久しく、信頼
性の点でもエポキシ樹脂や硬化剤であるフェノール樹脂
の改良により特性の向上が図られてきた。しかし、近年
の電子機器の小型化、軽量化、高性能化の市場動向にお
いて、半導体の高集積化も年々進み、又半導体装置の表
面実装化が促進されるなかで、半導体封止用エポキシ樹
脂組成物への要求は益々厳しいものとなってきている。
このため、従来からのエポキシ樹脂組成物では解決出来
ない問題点も出てきている。その最大の問題点は、表面
実装の採用により半導体装置が半田浸漬或いは半田リフ
ロー工程で急激に200℃以上の高温にさらされ、吸湿
した水分が爆発的に気化する際の応力により、半導体装
置にクラックが発生したり、半導体素子、リードフレー
ム、インナーリード上の各種メッキされた各接合部分と
エポキシ樹脂組成物の硬化物の界面で剥離が生じたりし
て、信頼性が著しく低下する現象である。
【0003】半田処理による信頼性低下を改善するため
に、エポキシ樹脂組成物中の無機質充填材の充填量を増
加させることで低吸湿化、高強度化、低熱膨張化を達成
し耐半田性を向上させ、低溶融粘度の樹脂を使用して、
成形時に低粘度で高流動性を維持させる手法がある。と
ころが無機質充填材を多量に配合されたエポキシ樹脂組
成物は、成形時のエポキシ樹脂組成物の溶融粘度が高く
なり、流動性が悪化し充填不良等の問題が生じ、良好な
半導体封止用エポキシ樹脂組成物は得られなかった。
に、エポキシ樹脂組成物中の無機質充填材の充填量を増
加させることで低吸湿化、高強度化、低熱膨張化を達成
し耐半田性を向上させ、低溶融粘度の樹脂を使用して、
成形時に低粘度で高流動性を維持させる手法がある。と
ころが無機質充填材を多量に配合されたエポキシ樹脂組
成物は、成形時のエポキシ樹脂組成物の溶融粘度が高く
なり、流動性が悪化し充填不良等の問題が生じ、良好な
半導体封止用エポキシ樹脂組成物は得られなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、流動性に優
れ、熱時強度が高い特性を有する半導体封止用エポキシ
樹脂組成物及び耐半田性に優れた半導体装置を提供する
ものである。
れ、熱時強度が高い特性を有する半導体封止用エポキシ
樹脂組成物及び耐半田性に優れた半導体装置を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、[1]
(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬
化促進剤、(D)溶融シリカ及び(E)カップリング剤
を必須成分とするエポキシ樹脂組成物であって、前記溶
融シリカの表面のシラノール基1個に対し、前記カップ
リング剤の分子数が0.1〜10個であることを特徴と
する半導体封止用エポキシ樹脂組成物、[2] 溶融シ
リカが、表面シラノール基密度0.5〜6個/nm2で
ある第[1]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物、[3] カップリング剤が、一般式(1)で示され
る化合物である第[1]項又は[2]項記載の半導体封
止用エポキシ樹脂組成物、
(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬
化促進剤、(D)溶融シリカ及び(E)カップリング剤
を必須成分とするエポキシ樹脂組成物であって、前記溶
融シリカの表面のシラノール基1個に対し、前記カップ
リング剤の分子数が0.1〜10個であることを特徴と
する半導体封止用エポキシ樹脂組成物、[2] 溶融シ
リカが、表面シラノール基密度0.5〜6個/nm2で
ある第[1]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物、[3] カップリング剤が、一般式(1)で示され
る化合物である第[1]項又は[2]項記載の半導体封
止用エポキシ樹脂組成物、
【0006】
【化2】
【0007】[4] 第[1]項〜[3]項のいずれか
に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導
体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、で
ある。
に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導
体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、で
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いるエポキシ樹脂とし
ては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマ
ー、オリゴマー、ポリマー全般を言い、その分子量、分
子構造は特に限定するものではないが、例えばビフェニ
ル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ス
チルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリ
フェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフ
ェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポ
キシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポ
キシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(フェ
ニレン骨格、ジフェニレン骨格等を有する)等が挙げら
れ、これらは単独でも混合して用いても差し支えない。
ては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマ
ー、オリゴマー、ポリマー全般を言い、その分子量、分
子構造は特に限定するものではないが、例えばビフェニ
ル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ス
チルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリ
フェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフ
ェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポ
キシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポ
キシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(フェ
ニレン骨格、ジフェニレン骨格等を有する)等が挙げら
れ、これらは単独でも混合して用いても差し支えない。
【0009】本発明に用いるフェノール樹脂としては、
1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマ
ー、オリゴマー、ポリマー全般を言い、その分子量、分
子構造を特に限定するものではないが、例えばフェノー
ルノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ジシク
ロペンタジエン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェ
ノール樹脂、トリフェノールメタン型樹脂、フェノール
アラルキル樹脂(フェニレン骨格、ジフェニレン骨格等
を有する)等が挙げられ、これらは単独でも混合して用
いても差し支えない。これらの配合量としては、全エポ
キシ樹脂のエポキシ基数と全フェノール樹脂のフェノー
ル性水酸基数の比は、0.8〜1.3が好ましい。
1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマ
ー、オリゴマー、ポリマー全般を言い、その分子量、分
子構造を特に限定するものではないが、例えばフェノー
ルノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ジシク
ロペンタジエン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェ
ノール樹脂、トリフェノールメタン型樹脂、フェノール
アラルキル樹脂(フェニレン骨格、ジフェニレン骨格等
を有する)等が挙げられ、これらは単独でも混合して用
いても差し支えない。これらの配合量としては、全エポ
キシ樹脂のエポキシ基数と全フェノール樹脂のフェノー
ル性水酸基数の比は、0.8〜1.3が好ましい。
【0010】本発明に用いる硬化促進剤としては、エポ
キシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促進させる
ものであればよく、一般に封止材料に使用するものを用
いることができる。例えば1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7、トリフェニルホスフィ
ン、2−メチルイミダゾール、テトラフェニルホスホニ
ウム・テトラフェニルボレート等が挙げられ、これらは
単独でも混合して用いても差し支えない。
キシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促進させる
ものであればよく、一般に封止材料に使用するものを用
いることができる。例えば1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7、トリフェニルホスフィ
ン、2−メチルイミダゾール、テトラフェニルホスホニ
ウム・テトラフェニルボレート等が挙げられ、これらは
単独でも混合して用いても差し支えない。
【0011】本発明での溶融シリカの表面のシラノール
基1個に対するカップリング剤分子数は、0.1〜10
個である。0.1個未満であると十分な流動性やエポキ
シ樹脂組成物の硬化物の強度が得られず、10個を越え
ると自己縮合できずに溶融シリカ表面に固着できないカ
ップリング剤が多くなり、エポキシ樹脂とフェノール樹
脂の反応に関与して粘度上昇、保存性の低下を起こす。
本発明でのシラノール基1個に対するカップリング剤分
子数の計算例を、実施例1も用いて説明すると、溶融シ
リカ(比表面積3.2m2/g、表面シラノール基密度
2.1個/nm2)85.0重量部に、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランカップリング剤(分子量
236.3)0.30重量部添加したときのシラノール
基1個に対するカップリング剤の分子数は、(1/23
6.3×6.02×1023×0.3)/(3.2×2.
1×1018×85)=1.34個となる。
基1個に対するカップリング剤分子数は、0.1〜10
個である。0.1個未満であると十分な流動性やエポキ
シ樹脂組成物の硬化物の強度が得られず、10個を越え
ると自己縮合できずに溶融シリカ表面に固着できないカ
ップリング剤が多くなり、エポキシ樹脂とフェノール樹
脂の反応に関与して粘度上昇、保存性の低下を起こす。
本発明でのシラノール基1個に対するカップリング剤分
子数の計算例を、実施例1も用いて説明すると、溶融シ
リカ(比表面積3.2m2/g、表面シラノール基密度
2.1個/nm2)85.0重量部に、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランカップリング剤(分子量
236.3)0.30重量部添加したときのシラノール
基1個に対するカップリング剤の分子数は、(1/23
6.3×6.02×1023×0.3)/(3.2×2.
1×1018×85)=1.34個となる。
【0012】本発明に用いるカップリング剤とは、通常
無機物質の表面処理に用いられているカップリング剤を
指す。例えばエポキシシラン、メルカプトシラン、アミ
ノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシ
ラン等のシランカップリング剤や、チタネートカップリ
ング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/
ジルコニウムカップリング剤等が挙げられるが、最も好
適に使用されるものとしてはシランカップリング剤であ
り、より好ましくは一般式(1)で示される構造のもの
である。これらは単独でも混合して用いても差し支えな
い。又カップリング剤は、予め水或いは必要に応じて酸
又はアルカリを添加して、加水分解処理して用いてもよ
い。カップリング剤は、溶融シリカの表面のシラノール
基と反応し、溶融シリカの表面に固着することにより、
その効果を発揮すると考えられている。又シラノール基
と反応して固着したカップリング剤分子を起点にしてカ
ップリング剤同士が自己縮合して溶融シリカの表面を被
覆すると考えられる。
無機物質の表面処理に用いられているカップリング剤を
指す。例えばエポキシシラン、メルカプトシラン、アミ
ノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシ
ラン等のシランカップリング剤や、チタネートカップリ
ング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/
ジルコニウムカップリング剤等が挙げられるが、最も好
適に使用されるものとしてはシランカップリング剤であ
り、より好ましくは一般式(1)で示される構造のもの
である。これらは単独でも混合して用いても差し支えな
い。又カップリング剤は、予め水或いは必要に応じて酸
又はアルカリを添加して、加水分解処理して用いてもよ
い。カップリング剤は、溶融シリカの表面のシラノール
基と反応し、溶融シリカの表面に固着することにより、
その効果を発揮すると考えられている。又シラノール基
と反応して固着したカップリング剤分子を起点にしてカ
ップリング剤同士が自己縮合して溶融シリカの表面を被
覆すると考えられる。
【0013】カップリング剤で予め溶融シリカの表面を
処理する場合は、スーパーミキサー等で溶融シリカと、
シラノール基1個に対してカップリング剤分子数が0.
1〜10個となる量のカップリング剤を攪拌混合し、混
合機から取り出して常温にて1日以上放置する方法が有
効である。カップリング剤を溶融シリカの表面に均一に
処理するために、更に水又は有機溶媒を加えて攪拌した
後に、常温にて1日以上放置するという手法も有効であ
り、噴霧機によりゆっくりとまんべんなく添加する方法
もよい。又より反応を進めるために攪拌時に混合機内の
温度を50〜200℃に加熱するか、或いは常温で攪拌
し混合機から取り出した後に50〜200℃で加熱して
もよい。
処理する場合は、スーパーミキサー等で溶融シリカと、
シラノール基1個に対してカップリング剤分子数が0.
1〜10個となる量のカップリング剤を攪拌混合し、混
合機から取り出して常温にて1日以上放置する方法が有
効である。カップリング剤を溶融シリカの表面に均一に
処理するために、更に水又は有機溶媒を加えて攪拌した
後に、常温にて1日以上放置するという手法も有効であ
り、噴霧機によりゆっくりとまんべんなく添加する方法
もよい。又より反応を進めるために攪拌時に混合機内の
温度を50〜200℃に加熱するか、或いは常温で攪拌
し混合機から取り出した後に50〜200℃で加熱して
もよい。
【0014】本発明で用いる溶融シリカの表面シラノー
ル基密度は、溶融シリカに大過剰のヘキサメチルジシラ
ザンを加え、300℃で2時間放置して、溶融シリカ表
面のシラノール基とヘキサメチルジサラザンを完全に反
応させた後、未反応分を洗浄し、Leco社 CHN−
900により炭素量を求め、その量より、シラノール基
密度を算出する。溶融シリカの表面のシラノール基密度
としては、特に限定するものではないが、0.5〜6個
/nm2が好ましい。0.5個/nm2未満だとカップリ
ング剤との反応点が少なく十分な流動性やエポキシ樹脂
組成物の硬化物の熱時強度が得られないおそれがあり、
6個/nm2を越えると溶融シリカが水分を吸収し易く
なり、熱時のエポキシ樹脂組成物硬化物の強度を低下さ
せるおそれがあるので好ましくない。
ル基密度は、溶融シリカに大過剰のヘキサメチルジシラ
ザンを加え、300℃で2時間放置して、溶融シリカ表
面のシラノール基とヘキサメチルジサラザンを完全に反
応させた後、未反応分を洗浄し、Leco社 CHN−
900により炭素量を求め、その量より、シラノール基
密度を算出する。溶融シリカの表面のシラノール基密度
としては、特に限定するものではないが、0.5〜6個
/nm2が好ましい。0.5個/nm2未満だとカップリ
ング剤との反応点が少なく十分な流動性やエポキシ樹脂
組成物の硬化物の熱時強度が得られないおそれがあり、
6個/nm2を越えると溶融シリカが水分を吸収し易く
なり、熱時のエポキシ樹脂組成物硬化物の強度を低下さ
せるおそれがあるので好ましくない。
【0015】本発明に用いる溶融シリカの含有量は、特
に限定するものではないが、全エポキシ樹脂組成物中に
65〜95重量%が好ましく、更に好ましくは70〜9
4重量%望ましい。下限値を下回ると吸湿率の上昇に伴
い耐半田性が低下し、上限値を越えると金線変形及びパ
ッドシフト等の問題が生じるので好ましくない。
に限定するものではないが、全エポキシ樹脂組成物中に
65〜95重量%が好ましく、更に好ましくは70〜9
4重量%望ましい。下限値を下回ると吸湿率の上昇に伴
い耐半田性が低下し、上限値を越えると金線変形及びパ
ッドシフト等の問題が生じるので好ましくない。
【0016】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(E)成分を必須とするが、必要に応じてカーボンブラ
ック等の着色剤、結晶シリカ、タルク、アルミナ、窒化
珪素、窒化アルミ等の無機充填材、天然ワックス、合成
ワックス等の離型剤及びシリコーンオイル、ゴム等の低
応力添加剤、臭素化エポキシ樹脂や三酸化アンチモン、
赤燐、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう
酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、フォスファゼン等の難燃剤
等の添加剤を適宜配合しても差し支えない。本発明のエ
ポキシ樹脂組成物は、(A)〜(E)成分の他、必要に
応じて添加する添加物をミキサー等を用いて十分に均一
に混合した後、更に熱ロール又はニーダー等で溶融混練
し、冷却後粉砕して得られる。本発明のエポキシ樹脂組
成物を用いて、半導体素子等の各種の電子部品を封止
し、半導体装置を製造するには、トランスファーモール
ド、コンプレッションモールド、インジェクションモー
ルド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよい。
(E)成分を必須とするが、必要に応じてカーボンブラ
ック等の着色剤、結晶シリカ、タルク、アルミナ、窒化
珪素、窒化アルミ等の無機充填材、天然ワックス、合成
ワックス等の離型剤及びシリコーンオイル、ゴム等の低
応力添加剤、臭素化エポキシ樹脂や三酸化アンチモン、
赤燐、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう
酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、フォスファゼン等の難燃剤
等の添加剤を適宜配合しても差し支えない。本発明のエ
ポキシ樹脂組成物は、(A)〜(E)成分の他、必要に
応じて添加する添加物をミキサー等を用いて十分に均一
に混合した後、更に熱ロール又はニーダー等で溶融混練
し、冷却後粉砕して得られる。本発明のエポキシ樹脂組
成物を用いて、半導体素子等の各種の電子部品を封止
し、半導体装置を製造するには、トランスファーモール
ド、コンプレッションモールド、インジェクションモー
ルド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよい。
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。配合割合は重量部とす
る。なお、実施例及び比較例で用いた溶融シリカ及びカ
ップリング剤の内容について以下に示す。表面シラノー
ル基密度は、前記した方法で求めた。なお用いた溶融シ
リカのシラノール基数は、表1、表2に示す。
れらに限定されるものではない。配合割合は重量部とす
る。なお、実施例及び比較例で用いた溶融シリカ及びカ
ップリング剤の内容について以下に示す。表面シラノー
ル基密度は、前記した方法で求めた。なお用いた溶融シ
リカのシラノール基数は、表1、表2に示す。
【0018】溶融シリカ1(比表面積3.2m2/g、
表面シラノール基密度2.1個/nm2) 溶融シリカ2(比表面積4.1m2/g、表面シラノー
ル基密度3.8個/nm2) カップリング剤1(γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシランカップリング剤、分子量236.3) カップリング剤2(γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ランカップリング剤、分子量221.4)
表面シラノール基密度2.1個/nm2) 溶融シリカ2(比表面積4.1m2/g、表面シラノー
ル基密度3.8個/nm2) カップリング剤1(γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシランカップリング剤、分子量236.3) カップリング剤2(γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ランカップリング剤、分子量221.4)
【0019】
実施例1
溶融シリカ1 85.0重量部
カップリング剤1 0.3重量部
エポキシ樹脂[ジャパンエポキシレジン(株)製、YX−4000、エポキシ
当量190g/eq、融点105℃、以下、E−1という] 7.2重量部
フェノール樹脂[三井化学(株)製、XLC−LL、水酸基当量165g/e
q、軟化点79℃、以下H−1という] 6.2重量部
1、8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUという
) 0.5重量部
カーボンブラック 0.3重量部
カルナバワックス 0.5重量部
を混合し、熱ロールを用いて、95℃で8分間混練して
冷却後粉砕し、エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエ
ポキシ樹脂組成物を、以下の方法で評価した。結果を表
1に示す。
冷却後粉砕し、エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエ
ポキシ樹脂組成物を、以下の方法で評価した。結果を表
1に示す。
【0020】評価方法
スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイ
ラルフロー測定用金型を用いて、金型温度175℃、圧
力6.9MPa、硬化時間120秒で測定した。 熱時曲げ強度・熱時曲げ弾性率:JIS K 6911
(5.17.1 成形材料)の試験条件に準じて測定し
た。試験片(長さ80mm、高さ4mm、幅10mm)
は、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時
間120秒でトランスファー成形機を用いて成形し、1
75℃、8時間で後硬化して作成した。この試験片を測
定台(支点間距離64mm)に設置し、260℃に保持し
た槽内で6分間予熱した後測定した。単位はMPa。 耐半田性:低圧トランスファー成形機を用いて成形温度
175℃、圧力8.3MPa、硬化時間120秒で80
pQFP(チップサイズ6.0mm×6.0mm)を成
形し、アフターベークとして175℃、8時間処理した
後、85℃、相対湿度85%で120時間の吸水処理を
行った後、260℃のIRリフロー処理をした。パッケ
ージ内部の剥離とクラックを超音波探傷機で確認した。
10個のパッケージ中の不良パッケージ数を示す。
ラルフロー測定用金型を用いて、金型温度175℃、圧
力6.9MPa、硬化時間120秒で測定した。 熱時曲げ強度・熱時曲げ弾性率:JIS K 6911
(5.17.1 成形材料)の試験条件に準じて測定し
た。試験片(長さ80mm、高さ4mm、幅10mm)
は、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時
間120秒でトランスファー成形機を用いて成形し、1
75℃、8時間で後硬化して作成した。この試験片を測
定台(支点間距離64mm)に設置し、260℃に保持し
た槽内で6分間予熱した後測定した。単位はMPa。 耐半田性:低圧トランスファー成形機を用いて成形温度
175℃、圧力8.3MPa、硬化時間120秒で80
pQFP(チップサイズ6.0mm×6.0mm)を成
形し、アフターベークとして175℃、8時間処理した
後、85℃、相対湿度85%で120時間の吸水処理を
行った後、260℃のIRリフロー処理をした。パッケ
ージ内部の剥離とクラックを超音波探傷機で確認した。
10個のパッケージ中の不良パッケージ数を示す。
【0021】実施例2〜7、比較例1〜4
表1、表2の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキ
シ樹脂組成物を得て、実施例1と同様にして評価した。
結果を表1、表2に示す。
シ樹脂組成物を得て、実施例1と同様にして評価した。
結果を表1、表2に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明に従うと、溶融シリカの表面のシ
ラノール基1個に対するカップリング剤の分子数が0.
1〜10個となるように配合されたエポキシ樹脂組成物
は、流動性に優れ、その硬化物は熱時の強度が高くなる
特性を有しており、これを用いて封止された半導体装置
は、耐半田性に優れている。
ラノール基1個に対するカップリング剤の分子数が0.
1〜10個となるように配合されたエポキシ樹脂組成物
は、流動性に優れ、その硬化物は熱時の強度が高くなる
特性を有しており、これを用いて封止された半導体装置
は、耐半田性に優れている。
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
H01L 23/31
Fターム(参考) 4J002 CC042 CC052 CC072 CD041
CD051 CD061 CD071 CD131
CE002 DJ017 EU116 EU136
EW176 EX018 EX068 EX078
FD017 FD142 FD156 FD208
4J036 AA01 DC41 DC46 FA05 FA13
FB07 GA04 JA07
4M109 AA01 CA21 EA02 EB03 EB06
EB13 EB17 EC05
Claims (4)
- 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール
樹脂、(C)硬化促進剤、(D)溶融シリカ及び(E)
カップリング剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物で
あって、前記溶融シリカの表面のシラノール基1個に対
し、前記カップリング剤の分子数が0.1〜10個であ
ることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】 溶融シリカが、表面シラノール基密度
0.5〜6個/nm2である請求項1記載の半導体封止
用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 カップリング剤が、一般式(1)で示さ
れる化合物である請求項1又は2記載の半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物。 【化1】 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の半導体
封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止し
てなることを特徴とする半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002084077A JP2003277583A (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002084077A JP2003277583A (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003277583A true JP2003277583A (ja) | 2003-10-02 |
Family
ID=29231591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002084077A Pending JP2003277583A (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003277583A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005225970A (ja) * | 2004-02-12 | 2005-08-25 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
JP2005336362A (ja) * | 2004-05-27 | 2005-12-08 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
JP2006045393A (ja) * | 2004-08-06 | 2006-02-16 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
-
2002
- 2002-03-25 JP JP2002084077A patent/JP2003277583A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005336362A (ja) * | 2004-05-27 | 2005-12-08 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
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