JP7389573B2 - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents
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Description
中でも、効率的に半導体膜、たとえばSiOやSiNを成膜するために、枚葉式でかつ複数チャンバから構成される、マルチチャンバ型のプラズマ処理装置が広く利用されている。
その対策として、アノード電極周辺に集塵用電極を配置する方法(特許文献1)や、基板上にカバーを設ける方法(特許文献2)など、様々な手法が提案されている。
プラズマ処理方法であって、
ガラス基板を交換するための搬送手段を内在する第一チャンバ、反応室として機能する第三チャンバ、及び、前記第一チャンバと前記第三チャンバの内部空間同士を連通する内部空間を備えた第二チャンバを少なくとも備え、前記第三チャンバの内部空間には、微細孔を通して成膜ガスを供給するシャワープレートからなる上部電極と、前記ガラス基板を載置する支持台からなる下部電極とが、所定の離間距離をもって対向配置されており、前記上部電極には、交流電力を印可する手段Aと、直流電力を印可する手段Bとが、電気的に独立して連結されているプラズマ処理装置を用い、
前記第三チャンバの内部空間へ前記シャワープレートから成膜ガスを導入する工程S1と、
前記上部電極に対して前記手段Aから交流電力を印加するプラズマ成膜工程S2と、
前記手段Aから前記上部電極に印加していた交流電力を停止する工程S3と、
前記工程S2と前記工程S3との間に行われ前記上部電極に前記手段Bから直流電力を印可して、成膜時に発生したパーティクルを前記上部電極の下面に付着した状態としてパーティクルの落下を抑制する工程SP1と、
前記シャワープレートから前記成膜ガスの導入を停止した後、不活性ガスを導入する工程S4と、
前記上部電極に交流電力を印加することにより、前記上部電極の近傍に前記不活性ガスによるプラズマを生起させて前記ガラス基板に対して除電放電を行う工程S5と、
前記上部電極に印可する交流電力を停止して前記不活性ガスによるプラズマを消滅させる工程S6と、
前記不活性ガスの導入を停止する工程S7と、
前記第一チャンバと前記第三チャンバと前記第二チャンバとを連通し前記ガラス基板を前記第一チャンバへ移動する工程S8と、
前記工程S8後に前記第一チャンバを前記第三チャンバから分離する工程S9と、
前記ガラス基板の移動が終わった後の前記第三チャンバにおいて前記シャワープレートの前記微細孔を通して前記不活性ガスを前記支持台に向けて噴出させ、前記上部電極に付着した状態にあるパーティクルの除去を促す工程S10と、
前記工程S9と前記工程S10との間に前記手段Bから前記上部電極に対する直流電力の印加を停止してパーティクルを前記上部電極から落下させる工程SP2と、
を備え、
前記工程SP1から前記工程SP2まで、前記上部電極に対して前記手段Bから直流を印可し続ける
ことを特徴とする。
本発明は、前記工程S10により前記第三チャンバにおいてパーティクルが除去された環境を回復する工程S11を備えることができる。
本発明は、前記工程S11後に新たなガラス基板を導入して、次のバッチ処理を繰り返すことができる。
本発明は、
プラズマ処理装置であって、
基板を交換するための搬送手段を内在する第一チャンバ、反応室として機能する第三チャンバ、及び、前記第一チャンバと前記第三チャンバの内部空間同士を連通する内部空間を備えた第二チャンバを少なくとも備え、
前記第三チャンバの内部空間には、微細孔を通して成膜ガスを供給するシャワープレートからなる上部電極と、基板を載置する支持台からなる下部電極とが、所定の離間距離をもって対向配置されており、
前記上部電極には、交流電力を印可する手段Aと、直流電力を印可する手段Bとが、電気的に独立して連結されていることができる。
プラズマ処理方法であって、
基板を交換するための搬送手段を内在する第一チャンバ、反応室として機能する第三チャンバ、及び、前記第一チャンバと前記第三チャンバの内部空間同士を連通する内部空間を備えた第二チャンバを少なくとも備え、前記第三チャンバの内部空間には、微細孔を通して成膜ガスを供給するシャワープレートからなる上部電極と、基板を載置する支持台からなる下部電極とが、所定の離間距離をもって対向配置されており、前記上部電極には、交流電力を印可する手段Aと、直流電力を印可する手段Bとが、電気的に独立して連結されているプラズマ処理装置を用い、
プラズマ処理中は、前記上部電極に対して前記手段Aから交流電力を印可するとともに、前記手段Bから直流電力を印可し、
プラズマ処理後は、基板が前記第三チャンバから前記第一チャンバへ退避完了するまで、前記上部電極に対して前記手段Bから直流電力を印可し続けることができる。
前記基板が前記第三チャンバから前記第一チャンバへ退避完了した後、
前記手段Bは前記上部電極に対する直流電力の印可を停止することが好ましい。
前記手段Bが前記上部電極に対する直流電力の印可を停止した後、
前記下部電極をなす前記支持台に向けて、前記上部電極をなす前記シャワープレートの微細孔を通して不活性ガスを吹き付けることが好ましい。
ゆえに、プラズマ処理中はもとより、プラズマ処理後にあっても、基板サイズに依存せず、大型(大面積)の基板であっても、成膜時に発生するパーティクルを上部電極がその全域に亘って面内均一に吸着することが可能となる。これにより、本発明は、基板へのパーティクル付着が抑制されるプラズマ処理方法をもたらす。
以下では、本発明のプラズマ処理装置とプラズマ処理方法について、図面に基づき説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1に示すとおり、本発明のプラズマ処理方法は、工程S1から工程S11へ順に行われる。ただし、工程S2と工程S3との間の段階で工程SP1が、工程S9と工程S10との間の段階で工程SP2が、それぞれ実行される。
以下に詳述するが、本発明のプラズマ処理方法は、工程SP1と工程SP2と工程S10を備えている点が特徴である。
図2~図9は何れも、本発明のプラズマ処理装置を示す概略断面図であり、上記工程S1~S11、SP1及びSP2の何れかに相当する状態を表している。
本発明のプラズマ処理装置10は、基板(ガラス基板)Wを交換するための搬送手段(R1、R2)を内在する第一チャンバ20、反応室として機能する第三チャンバ40、及び、第一チャンバ20の内部空間20Sと第三チャンバ40の内部空間(40S1、40S2)同士を連通する内部空間30Sを備えた第二チャンバ30を少なくとも備える。
なお、第三チャンバ40の内部空間(40S1、40S2)は、排気口40eを通じて排気手段(不図示)により減圧可能に構成されている。
第二チャンバ30の内部空間30Sから見て、第三チャンバ40側には、開口部S30bと開口部S40が設けられており、第二チャンバ30の内部空間30Sと第三チャンバ40の内部空間(40S1、40S2)とを仕切るための第二ドアバルブDV2が配置されている。
また、第一ドアバルブDV1と第二ドアバルブDV2を閉状態にすることにより、第一チャンバ20の内部空間20S、第二チャンバ30の内部空間30S、及び、第三チャンバ40の内部空間(40S1、40S2)は、おのおの孤立した状態となる。
上部電極45には、交流電力を印可する手段A(46、47a、47b)と、直流電力を印可する手段B(48a、48b)とが、電気的に独立して連結されている。
プロセスガスは、不図示の導入部から、シャワープレート(上部電極)45の下面に開口部を有する微細孔(不図示)を経て、空間40S1に放出される。ここで、符号46は、シャワープレート(上部電極)45に対して交流電力を印可する導入部である。符号47aはマッチングボックス(M.BOX)であり、符号47bは高周波電源(RF)である。
また、支持台41aは、基板Wの温度を制御する手段(不図示)を内在しており、基板Wの温度は適宜、調整可能とされている。
本発明のプラズマ処理方法は、図2~図9を参照して説明した上記のプラズマ処理装置を用い、プラズマ処理中は、前記上部電極に対して前記手段Aから交流を印可するとともに、前記手段Bから直流を印可し、プラズマ処理後は、基板が前記第三チャンバから前記第一チャンバへ退避完了するまで、前記上部電極に対して前記手段Bから直流を印可し続けることを特徴とする。これにより、第一チャンバへ基板を退避するまで、手段Bは上部電極に対して直流を印可し続けることにより、プラズマによって生起されたパーティクルは上部電極に付着した状態が維持されるので、基板上へのパーティクル落下を防ぐことが可能となる。
工程S1(Process Gas In)は、第三チャンバの内部空間へプロセスガス(成膜ガス)を導入する工程である。プロセスガスは、上部電極(シャワープレート)45と下部電極41aの間に位置する上方空間40S1に向けて、上部電極(シャワープレート)45の微細孔から放出される。
その際、シャワープレートの微細孔からプロセスガス(成膜ガス)が導入された、上部電極(シャワープレート)45と下部電極41aの間に位置する上方空間40S1にプラズマ(不図示)が生起させる。これにより、基板Wの表面に所望の被膜が形成される。
図5は、基板Wを搬出するため、搬出手段のアーム部R2が第三チャンバにある基板の下方まで、延伸された状態を表している。図6は、搬出手段のアーム部R2が基板Wの下方まで延伸された状態において、基板Wを載置した状態を表している。
これにより、第三チャンバ40の内部空間40Sにおいて、パーティクルDの落下がない環境で、プラズマ処理(成膜)を終えた基板は、第一チャンバ20の内部空間20Sへ回収される。
換言すると、本発明のプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法は、量産プロセスの構築に寄与する。
図10は、従来のプラズマ処理方法を示すフローチャートである。
図10に示す従来のプラズマ処理方法における工程J1~J10は、上述した本発明のプラズマ処理方法における工程S1~S9と工程11に相当する。
すなわち、従来のプラズマ処理方法には、上述した本発明のプラズマ処理方法における工程SP1、工程SP2、工程S10が含まれていない。
このため、従来のプラズマ処理方法においては、シャワープレートの微細孔を通して成膜ガスを供給し、プラズマCVD法により基板(被処理体)に成膜する際に、シャワープレート上に発生するパーティクルが、基板に及ぼす影響を回避することが困難であった。
ゆえに、本発明は、基板へのパーティクル付着を解消し、歩留まりを大きく改善できるプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法をもたらす。
Claims (3)
- プラズマ処理方法であって、
ガラス基板を交換するための搬送手段を内在する第一チャンバ、反応室として機能する第三チャンバ、及び、前記第一チャンバと前記第三チャンバの内部空間同士を連通する内部空間を備えた第二チャンバを少なくとも備え、前記第三チャンバの内部空間には、微細孔を通して成膜ガスを供給するシャワープレートからなる上部電極と、前記ガラス基板を載置する支持台からなる下部電極とが、所定の離間距離をもって対向配置されており、前記上部電極には、交流電力を印可する手段Aと、直流電力を印可する手段Bとが、電気的に独立して連結されているプラズマ処理装置を用い、
前記第三チャンバの内部空間へ前記シャワープレートから成膜ガスを導入する工程S1と、
前記上部電極に対して前記手段Aから交流電力を印加するプラズマ成膜工程S2と、 前記手段Aから前記上部電極に印加していた交流電力を停止する工程S3と、
前記工程S2と前記工程S3との間に行われ前記上部電極に前記手段Bから直流電力を印可して、成膜時に発生したパーティクルを前記上部電極の下面に付着した状態としてパーティクルの落下を抑制する工程SP1と、
前記シャワープレートから前記成膜ガスの導入を停止した後、不活性ガスを導入する工程S4と、
前記上部電極に交流電力を印加することにより、前記上部電極の近傍に前記不活性ガスによるプラズマを生起させて前記ガラス基板に対して除電放電を行う工程S5と、
前記上部電極に印可する交流電力を停止して前記不活性ガスによるプラズマを消滅させる工程S6と、
前記不活性ガスの導入を停止する工程S7と、
前記第一チャンバと前記第三チャンバと前記第二チャンバとを連通し前記ガラス基板を前記第一チャンバへ移動する工程S8と、
前記工程S8後に前記第一チャンバを前記第三チャンバから分離する工程S9と、
前記ガラス基板の移動が終わった後の前記第三チャンバにおいて前記シャワープレートの前記微細孔を通して前記不活性ガスを前記支持台に向けて噴出させ、前記上部電極に付着した状態にあるパーティクルの除去を促す工程S10と、
前記工程S9と前記工程S10との間に前記手段Bから前記上部電極に対する直流電力の印加を停止してパーティクルを前記上部電極から落下させる工程SP2と、
を備え、
前記工程SP1から前記工程SP2まで、前記上部電極に対して前記手段Bから直流を印可し続ける
ことを特徴とするプラズマ処理方法。 - 前記工程S10により前記第三チャンバにおいてパーティクルが除去された環境を回復する工程S11を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理方法。 - 前記工程S11後に新たなガラス基板を導入して、次のバッチ処理を繰り返す
ことを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理方法。
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