JP7388974B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタに関する。
互いに嵌合して接続されるコネクタとして、内部の端子を保護するためのシャッターが設けられ、相手側のコネクタの先端部によって押圧されてシャッターが開くものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平8-138785号公報
ところで、コネクタ同士を嵌合させる嵌合作業において、コネクタ同士の嵌合が不完全であると電気的な接続信頼性が低下してしまう。特に、車両に搭載されるコネクタでは、コネクタ同士の嵌合が不完全の状態で車両に搭載されると、走行時の振動等によってコネクタ同士が外れてしまうおそれがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、端子を保護しつつ、相手側コネクタとの不完全な嵌合状態を効果的に回避させることが可能なコネクタを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るコネクタは、下記(1)~(2)を特徴としている。
(1) 相手側コネクタが嵌合されることにより、端子収容室内に収容された端子が前記相手側コネクタに設けられた相手側端子に接続されるコネクタであって、
前記端子収容室を備えた嵌合部と、
前記嵌合部の先端における前記端子収容室の前部に形成された開口部と、
前記嵌合部に設けられて前記開口部を開閉させるシャッター機構と、
を備え、
前記シャッター機構は、
前記相手側コネクタとの嵌合方向に沿って前記嵌合部にスライド可能に設けられたスライダーと、
前記スライダーを前記嵌合部の先端側へ向かって付勢するスライドスプリングと、
前記スライダーに設けられ、前記スライダーが前記嵌合部の先端側へ配置された状態で回動可能な開閉扉と、
前記開閉扉を、前記開口部を閉鎖する方向へ付勢する回動スプリングと、
前記スライダーに設けられ、嵌合される前記相手側コネクタに当接可能な当接部と、
を有し、
嵌合される前記相手側コネクタに前記当接部が当接されて前記スライダーが前記スライドスプリングの付勢力に反して前記嵌合部の後方側へ移動されることにより、前記開閉扉が前記回動スプリングの付勢力に反して前記開口部を開く方向へ回動される、
ことを特徴とするコネクタ。
(2) 前記開閉扉は、前記相手側コネクタによって前記嵌合部の後方側へ移動する前記スライダーとともに、前記嵌合部の後方側へ移動されて前記嵌合部の両側部に沿って配置される、
ことを特徴とする上記(1)に記載のコネクタ。
上記(1)の構成のコネクタによれば、端子収容室の前部の開口部がシャッター機構の開閉扉によって閉鎖されるので、端子収容室内の端子への不用意な接触を回避させることができ、しかも、端子を収容した端子収容室へのゴミや塵埃などの入り込みを抑制できる。
また、相手側コネクタが嵌合されると、相手側コネクタが当接部に当接されてスライダーがスライドスプリングの付勢力に反して嵌合部の後方側へ押し込まれる。すると、開閉扉が回動スプリングの付勢力に反して回動されて開口部が開かれ、これにより、開口部を通して端子と相手側端子とを円滑に接続させることができる。
しかも、相手側コネクタとの嵌合途中で嵌合作業が中断されると、相手側コネクタがスライドスプリングの付勢力によってスライダーとともに嵌合部の先端側へ押し戻されて強制的に離脱される。これにより、相手側コネクタとの中途嵌合状態を回避させることができる。また、嵌合作業を行っている作業者は、相手側コネクタが離脱することで、相手側コネクタとの嵌合が完了されていないことを認識することができる。これにより、相手側コネクタとの嵌合が中途の状態で車両等へ搭載されることを回避でき、信頼性を高めることができる。
上記(2)の構成のコネクタによれば、相手側コネクタとの嵌合時に、開閉扉が嵌合部の後方側へ移動されて嵌合部の両側部に沿って配置される。したがって、開閉扉を嵌合部へ単に回動可能に設けた構造と比較し、相手側コネクタとの嵌合時に開閉扉が相手側コネクタに干渉して嵌合作業が滞るようなことがない。
本発明によれば、端子を保護しつつ、相手側コネクタとの不完全な嵌合状態を効果的に回避させることが可能なコネクタを提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本実施形態に係るメスコネクタ及びオスコネクタの分解斜視図である。 メスコネクタ及びオスコネクタを示す図であって、図2(a)は縦断面図、図2(b)は横断面図である。 シャッター機構を説明するメスコネクタを横方向に断面視した斜視図である。 シャッター機構を説明するメスコネクタをシャッター機構の位置で縦方向に断面視した斜視図である。 シャッター機構の斜視図である。 メスコネクタとオスコネクタとの嵌合状態を示す図であって、図6(a)~(c)は、それぞれメスコネクタ及びオスコネクタの縦断面図である。 メスコネクタとオスコネクタとの嵌合状態を示す図であって、図7(a)~(c)は、それぞれメスコネクタ及びオスコネクタの横断面図である。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
図1は、本実施形態に係るメスコネクタ及びオスコネクタの分解斜視図である。図2は、メスコネクタ及びオスコネクタを示す図であって、図2(a)は縦断面図、図2(b)は横断面図である。
図1、図2(a)及び図2(b)に示すように、本実施形態に係るメスコネクタ(コネクタ)13は、オスコネクタ(相手側コネクタ)15が嵌合される。
オスコネクタ15は、合成樹脂製のオスハウジング20を有している。オスハウジング20は、メスコネクタ13との嵌合側である先端側に筒状の接続部21を有している。接続部21は、その上部に、一対のガイド突条22と、係止突起23とを有している。ガイド突条22は、メスコネクタ13との嵌合方向(以下、単に嵌合方向と呼ぶ)に沿って形成されている。係止突起23は、一対のガイド突条22の間である接続部21の上部における幅方向中央位置に形成されている。係止突起23は、接続部21の上面に突設している。
オスハウジング20は、メスコネクタ13との嵌合側と反対側である後方側に、端子収容室30を有している。端子収容室30には、電線31の端部に接続されたオス端子(相手側端子)33が収容されており、電線31は、オスハウジング20の後端から引き出される。なお、電線31は、図1にのみ示し、図2等の他の図面においては図示を省略する。
オス端子33は、例えば、銅または銅合金等の導電性金属材料により形成されたもので、電線31に圧着されて接続されている。このオス端子33は、板状に形成されたタブ35を有しており、タブ35は、接続部21内に配置される。
メスコネクタ13は、合成樹脂製のメスハウジング40を有している。メスハウジング40は、フード部41と、嵌合部43と、ロック機構44と、を有している。メスハウジング40は、オスコネクタ15との嵌合側が筒状のフード部41となっている。嵌合部43は、フード部41の内側に設けられ、オスコネクタ15との嵌合方向(以下、単に嵌合方向と呼ぶ)へ向かって突設している。この嵌合部43は、端子収容室51を有している。端子収容室51には、電線55の端部に接続されたメス端子(端子)56が収容されており、電線55は、メスハウジング40の後端から引き出されている。メス端子56は、端子収容室51内へ突出されたランス45によって係止され、端子収容室51から抜け止めされる。嵌合部43の先端には、開口部52,52´が形成されている。開口部52はオス端子33との接続用の孔であり、この開口部52からオス端子33のタブ35が挿抜される。開口部52´は、メス端子56を係止するためのランス45を金型で成形した際に、金型の抜き孔として形成された孔である。この嵌合部43には、その先端における両側部に、開口部52,52´を開閉させる一対のシャッター機構70が設けられている。なお、電線55は、図1にのみ示し、図2等の他の図面においては図示を省略する。
メス端子56は、例えば、銅または銅合金等の導電性金属材料により形成されたもので、電線55に圧着されて接続されている。このメス端子56は、筒状に形成された電気接続部57を有している。この電気接続部57には、その内部にバネ接点58が設けられている。このバネ接点58は、電気接続部57の底部57aに対して隙間をあけて配置されている。
ロック機構44は、メスハウジング40の上部に設けられている。ロック機構44は、ロックアーム60と、一対の解除アーム61とを有している。ロックアーム60は、メスハウジング40の上面から前方側へ屈曲して延在している。このロックアーム60には、その先端近傍にロック孔63が形成されている。
解除アーム61は、ロックアーム60の先端に連設されて後方へ延在している。これらの解除アーム61の後端は、操作部65によって連結されている。操作部65は、ロックアーム60よりも後方側に配置されている。
ロック機構44では、オスコネクタ15とメスコネクタ13とが嵌合した際に、ロックアーム60のロック孔63にオスハウジング20の接続部21に形成された係止突起23が入り込む。これにより、オスコネクタ15とメスコネクタ13とが互いに嵌合した状態にロックされる。
図3は、シャッター機構を説明するメスコネクタを横方向に断面視した斜視図である。図4は、シャッター機構を説明するメスコネクタをシャッター機構の位置で縦方向に断面視した斜視図である。図5は、シャッター機構の斜視図である。
図3及び図4に示すように、嵌合部43の先端における両側部に設けられた一対のシャッター機構70は、スライダー71と、開閉扉72と、回動スプリング73(図1参照)と、スライドスプリング74と、を備えている。
図5に示すように、スライダー71は、本体部75と、装着部76とを有している。本体部75は、板状に形成されており、この本体部75の一方の面側に、連結部77を介して装着部76が一体に連結された状態で形成されている。これにより、本体部75と装着部76との間には、連結部77の上下に溝が形成されている。
本体部75には、一端側に、側方へ張り出す当接部78が形成されており、他端側に、上下に突出する回動軸79が形成されている。また、本体部75には、他端部に、収容凹部80が形成されており、この収容凹部80には、回動スプリング73が収容される。
装着部76には、一端側に、支持ピン81が形成されている。また、装着部76は、連結部77に沿うスリット82を形成することにより、一対のアーム部83を有しており、これらのアーム部83は、内側へ弾性変形可能とされている。これらのアーム部83には、外方へ突出する突起部84が形成されている。
開閉扉72は、板状に形成されており、一側部には、装着凹部85が形成されている。この装着凹部85には、その上下に、係合穴86が形成されている。係合穴86は、側部の一部が開口されている。
開閉扉72の装着凹部85には、スライダー71の本体部75の回動軸79が形成された端部が収容されている。そして、装着凹部85の係合穴86に、本体部75の回動軸79が開口部分から嵌め込まれている。これにより、開閉扉72は、スライダー71の本体部75に対して、回動軸79の軸線を中心として回動可能に連結されている。この開閉扉72は、本体部75の収容凹部80に収容された回動スプリング73によって、装着部76側である内側(図5中矢印A方向)へ付勢され、スライダー71に対して略90°屈曲した閉位置に配置される。
シャッター機構70が設けられるメスハウジング40の嵌合部43には、その両側壁43aに、嵌合方向に沿うスライド空間部90が形成されている。また、嵌合部43の側壁43aには、嵌合方向に沿うスリット92が形成されており、スライド空間部90は、スリット92によって外部に連通している。また、嵌合部43には、スライド空間部90における後端側に、支持ピン93が形成され、スライド空間部90の前方側に、係止壁部94が形成されている。スライド空間部90には、スライドスプリング74が収容されており、このスライドスプリング74の一端が支持ピン93に嵌装されて保持されている。
スライド空間部90には、スライダー71の装着部76が嵌合部43の先端における係止壁部94の間から挿し込まれて装着されている。この装着部76をスライド空間部90へ装着する際には、本体部75を側壁43aの外側に配置させておく。また、装着部76をスライド空間部90へ装着する際に、装着部76の突起部84が係止壁部94に当接するが、アーム部83が内側へ弾性変形することにより、突起部84を内側へ変位させて係止壁部94の開口部分を通すことができる。
このスライド空間部90に装着されたスライダー71の装着部76は、支持ピン81がスライド空間部90内に収容されたスライドスプリング74の他端に挿し込まれる。これにより、スライドスプリング74の他端が装着部76に保持される。そして、このスライドスプリング74によってスライダー71は、嵌合部43の前方側へ向かって付勢され、装着部76の突起部84が係止壁部94に当接された状態となる。この状態において、開閉扉72は、回動スプリング73によって付勢されて閉位置に配置され、嵌合部43の先端の開口部52,52´が閉鎖された状態とされる。
このように、メスコネクタ13は、メス端子56を収容している端子収容室51の開口部52がシャッター機構70の開閉扉72によって閉鎖されている。したがって、このメスコネクタ13のメス端子56への不用意な接触を回避させることができ、しかも、メス端子56を収容した端子収容室51へのゴミや塵埃などの入り込みが抑制される。なお、本発明の実施形態では、嵌合部43の端子収容室51に収容されたメス端子56を係止するためのランス45を金型で成形した際に生じた開口部52´もシャッター機構70の開閉扉72によって閉鎖されている。したがって、この開口部52´からのゴミや塵埃などの入り込みも抑制される。なお、メスコネクタ13は、その後端側に不図示のリアホルダが装着されるので、後端側から端子収容室51内へのゴミや塵埃などの入り込みが抑えられる。
次に、メスコネクタ13とオスコネクタ15とを嵌合させる場合について説明する。
図6は、メスコネクタとオスコネクタとの嵌合状態を示す図であって、図6(a)~(c)は、それぞれメスコネクタ及びオスコネクタの縦断面図である。図7は、メスコネクタとオスコネクタとの嵌合状態を示す図であって、図7(a)~(c)は、それぞれメスコネクタ及びオスコネクタの横断面図である。
(嵌合初期)
図6(a)及び図7(a)に示すように、メスコネクタ13とオスコネクタ15とを近接させ、メスハウジング40のフード部41にオスハウジング20の接続部21を嵌め込む。この嵌め込みは、オスハウジング20の接続部21がフード部41内における嵌合部43との間に入り込むように行われる。この時点では、接続部21がシャッター機構70のスライダー71の当接部78に接触しているだけで、スライダー71はメスハウジング40の後端側へ押し込められていない。これにより、シャッター機構70の閉位置に配置された開閉扉72によって嵌合部43の開口部52,52´が閉鎖された状態に維持される。
(嵌合途中)
図6(b)及び図7(b)に示すように、メスコネクタ13とオスコネクタ15とをさらに近接させ、メスハウジング40のフード部41にオスハウジング20の接続部21をさらに嵌め込む。すると、接続部21がスライダー71の当接部78に当接したまま、スライダー71が、スライドスプリング74による付勢に反してメスハウジング40の後端側へ押し込められる。したがって、スライダー71に支持された開閉扉72は、スライダー71における支持箇所がメスハウジング40の後方へ移動することにより、嵌合部43の先端部によって相対的に押圧され、回動スプリング73の付勢力に反して回動される。これにより、開閉扉72によって閉鎖されていた嵌合部43の開口部52が開かれる。なお、開口部52とともに開口部52´も開かれる。
この嵌合途中において、作業者による嵌合作業が中断されると、オスコネクタ15は、圧縮されたスライドスプリング74の弾性力によって押し戻されるスライダー71によって嵌合方向の後方側へ押し出され、メスコネクタ13から強制的に離脱される。これにより、メスコネクタ13とオスコネクタ15との中途嵌合状態が回避される。また、嵌合作業を行っている作業者は、メスコネクタ13からオスコネクタ15が離脱することで、メスコネクタ13とオスコネクタ15との嵌合が完了されていないことを認識することができる。
また、オスコネクタ15が離脱されると、シャッター機構70の開閉扉72が、回動スプリング73によって閉位置に回動され、嵌合部43の開口部52が再び閉ざされる。これにより、メスコネクタ13の端子収容室51へのゴミや塵埃などの入り込みが抑制され、また、端子収容室51内のメス端子56への不用意な接触が回避される。なお、開口部52´もシャッター機構70の開閉扉72によって閉鎖される。したがって、この開口部52´からのゴミや塵埃などの入り込みも抑制される。
(嵌合完了)
図6(c)及び図7(c)に示すように、メスコネクタ13に対してオスコネクタ15が完全に嵌合された完全嵌合状態となると、オスハウジング20の接続部21によってシャッター機構70のスライダー71がさらにメスハウジング40の後端側へ押し込められる。これにより、開閉扉72がフード部41と嵌合部43との隙間へ押し込まれ、嵌合部43の開口部52が開かれた状態に維持される。
このとき、開閉扉72は、オスコネクタ15に押圧されて嵌合部43の後方側へ移動するスライダー71とともに、嵌合部43の後方側へ移動されて嵌合部43の両側部に沿って配置される。したがって、オスコネクタ15との嵌合時に開閉扉72がオスコネクタ15に干渉して嵌合作業が滞るようなことがない。
また、完全嵌合状態となることで、嵌合部43の開口部52からオスコネクタ15のオス端子33に形成されたタブ35が端子収容室51内へ挿し込まれる。そして、このオス端子33のタブ35は、メス端子56の電気接続部57におけるバネ接点58と底部57aとの隙間に挿し込まれ、これらのバネ接点58と底部57aとで挟持される。これにより、オス端子33とメス端子56とが電気的に接続された状態となる。
さらに、この完全嵌合状態となると、メスコネクタ13のロック機構44を構成するロックアーム60のロック孔63にオスハウジング20の接続部21に形成された係止突起23が入り込む。これにより、オスコネクタ15とメスコネクタ13とが完全嵌合した状態にロックされる。
次に、メスコネクタ13とオスコネクタ15とを離脱させる場合について説明する。
メスコネクタ13とオスコネクタ15とを離脱させるには、メスコネクタ13のロック機構44の操作部65を押下する。すると、解除アーム61とともにロックアーム60が揺動されることにより、ロック孔63から係止突起23が外れ、メスコネクタ13とオスコネクタ15とのロックが解除される。
これにより、オスコネクタ15は、圧縮されたスライドスプリング74の弾性力によって押し戻されるスライダー71によって嵌合方向の後方側へ押し出され、メスコネクタ13から強制的に離脱される。これにともない、オス端子33のタブ35が、メス端子56の電気接続部57におけるバネ接点58と底部57aとの間から引き抜かれ、嵌合部43の開口部52から抜き出される。これにより、オス端子33とメス端子56との電気的な接続状態が解除される。
さらに、オスコネクタ15がメスコネクタ13から離脱されることにより、シャッター機構70の開閉扉72が、回動スプリング73によって閉位置に回動され、嵌合部43の開口部52が再び閉ざされる。これにより、メスコネクタ13の端子収容室51へのゴミや塵埃などの入り込みが抑制され、また、端子収容室51内のメス端子56への不用意な接触が回避される。なお、開口部52´もシャッター機構70の開閉扉72によって閉鎖される。したがって、この開口部52´からのゴミや塵埃などの入り込みも抑制される。
以上、説明したように、本実施形態に係るメスコネクタ13によれば、端子収容室51の前部の開口部52がシャッター機構70の開閉扉72によって閉鎖されるので、端子収容室51内のメス端子56への不用意な接触を回避させることができ、しかも、メス端子56を収容した端子収容室51へのゴミや塵埃などの入り込みを抑制できる。
また、オスコネクタ15が嵌合されると、オスコネクタ15のオスハウジング20の接続部21が当接部78に当接されてスライダー71がスライドスプリング74の付勢力に反して嵌合部43の後方側へ押し込まれる。すると、開閉扉72が回動スプリング73の付勢力に反して回動されて開口部52が開かれ、これにより、開口部52を通してメス端子56とオス端子33とを円滑に接続させることができる。
しかも、オスコネクタ15との嵌合途中で嵌合作業が中断されると、オスコネクタ15がスライドスプリング74の付勢力によってスライダー71とともに嵌合部43の先端側へ押し戻されて強制的に離脱される。これにより、オスコネクタ15との中途嵌合状態を回避させることができる。また、嵌合作業を行っている作業者は、オスコネクタ15が離脱することで、オスコネクタ15との嵌合が完了されていないことを認識することができる。これにより、オスコネクタ15との嵌合が中途の状態で車両等へ搭載されることを回避でき、信頼性を高めることができる。
また、オスコネクタ15との嵌合時に、開閉扉72が嵌合部43の後方側へ移動されて嵌合部43の両側部に沿って配置される。したがって、開閉扉72を嵌合部43へ単に回動可能に設けた構造と比較し、オスコネクタ15との嵌合時に開閉扉72がオスコネクタ15に干渉して嵌合作業が滞るようなことがない。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
ここで、上述した本発明の実施形態に係るコネクタの特徴をそれぞれ以下[1]~[2]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 相手側コネクタ(オスコネクタ15)が嵌合されることにより、端子収容室(51)内に収容された端子(メス端子56)が前記相手側コネクタ(オスコネクタ15)に設けられた相手側端子(オス端子33)に接続されるコネクタ(メスコネクタ13)であって、
前記端子収容室(51)を備えた嵌合部(43)と、
前記嵌合部(43)の先端における前記端子収容室(51)の前部に形成された開口部(52)と、
前記嵌合部(43)に設けられて前記開口部(52)を開閉させるシャッター機構(70)と、
を備え、
前記シャッター機構(70)は、
前記相手側コネクタ(オスコネクタ15)との嵌合方向に沿って前記嵌合部(43)にスライド可能に設けられたスライダー(71)と、
前記スライダー(71)を前記嵌合部(43)の先端側へ向かって付勢するスライドスプリング(74)と、
前記スライダー(71)に設けられ、前記スライダー(71)が前記嵌合部(43)の先端側へ配置された状態で回動可能な開閉扉(72)と、
前記開閉扉(72)を、前記開口部(52)を閉鎖する方向へ付勢する回動スプリング(73)と、
前記スライダー(71)に設けられ、嵌合される前記相手側コネクタ(オスコネクタ15)に当接可能な当接部(78)と、
を有し、
嵌合される前記相手側コネクタ(オスコネクタ15)に前記当接部(78)が当接されて前記スライダー(71)が前記スライドスプリング(74)の付勢力に反して前記嵌合部(43)の後方側へ移動されることにより、前記開閉扉(72)が前記回動スプリング(73)の付勢力に反して前記開口部(52)を開く方向へ回動される、
ことを特徴とするコネクタ。
[2] 前記開閉扉(72)は、前記相手側コネクタ(オスコネクタ15)によって前記嵌合部(43)の後方側へ移動する前記スライダー(71)とともに、前記嵌合部(43)の後方側へ移動されて前記嵌合部(43)の両側部に沿って配置される、
ことを特徴とする上記[1]に記載のコネクタ。
13 メスコネクタ(コネクタ)
15 オスコネクタ(相手側コネクタ)
33 オス端子(相手側端子)
43 嵌合部
51 端子収容室
52 開口部
56 メス端子(端子)
70 シャッター機構
71 スライダー
72 開閉扉
73 回動スプリング
74 スライドスプリング
78 当接部

Claims (2)

  1. 相手側コネクタが嵌合されることにより、端子収容室内に収容された端子が前記相手側コネクタに設けられた相手側端子に接続されるコネクタであって、
    前記端子収容室を備えた嵌合部と、
    前記嵌合部の先端における前記端子収容室の前部に形成された開口部と、
    前記嵌合部に設けられて前記開口部を開閉させるシャッター機構と、
    を備え、
    前記シャッター機構は、
    前記相手側コネクタとの嵌合方向に沿って前記嵌合部にスライド可能に設けられたスライダーと、
    前記スライダーを前記嵌合部の先端側へ向かって付勢するスライドスプリングと、
    前記スライダーに設けられ、前記スライダーが前記嵌合部の先端側へ配置された状態で回動可能な開閉扉と、
    前記開閉扉を、前記開口部を閉鎖する方向へ付勢する回動スプリングと、
    前記スライダーに設けられ、嵌合される前記相手側コネクタに当接可能な当接部と、
    を有し、
    嵌合される前記相手側コネクタに前記当接部が当接されて前記スライダーが前記スライドスプリングの付勢力に反して前記嵌合部の後方側へ移動されることにより、前記開閉扉が前記回動スプリングの付勢力に反して前記開口部を開く方向へ回動される、
    ことを特徴とするコネクタ。
  2. 前記開閉扉は、前記相手側コネクタによって前記嵌合部の後方側へ移動する前記スライダーとともに、前記嵌合部の後方側へ移動されて前記嵌合部の両側部に沿って配置される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
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