JP7388718B2 - 軟カプセル皮膜組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、軟カプセル皮膜組成物並びにそれを用いた軟カプセル皮膜及び軟カプセルに関する。
軟カプセル剤の製法の1つであるロータリーダイ式充填法は、図1に示されるように、皮膜組成物の溶液をカプセル充填機の両側にある冷却した回転ドラムに展延することによりシート状とし、その皮膜シートを回転する円筒金型(ダイロール)の間に送り、これと連動するポンプのピストンで内容物を圧入し、両金型の圧切によってカプセルを成形する。このとき、セグメントにより皮膜シートは適温に熱せられ、圧力とヒートシールによって接着され軟カプセル剤となる。
この方式による成形に供される皮膜組成物に求められる性質は、皮膜シートの成形から充填までの連続工程に耐え得る機械的強度とヒートシールのためのゾル-ゲル熱可逆性、又は圧着による接着性である。従来は、軟カプセル皮膜組成物としてこれらの特性を高度なレベルで兼ね備えたゼラチンが用いられていた。
一方、近年、BSE(bovine spongiform encephalopathy:ウシ海綿状脳症)問題や宗教上の理由又はアレルギー等の懸念から、主にウシ、ブタ等の骨、皮を原料とするゼラチンに代わる非動物性の軟カプセル皮膜組成物が求められるようになってきた。ゼラチンの代替としては、寒天や、カラギーナン等の海藻多糖類(特許文献1)等を用いた様々な軟カプセル皮膜組成物が提案されている。また、この他にも特許文献2~13に見られるように、微生物が産生する多糖類であるジェランガムを始めとする非動物性材料をゲル化剤として使用した軟カプセル皮膜組成物も提案されてきている。
また、軟カプセル皮膜を製造する際には多種多様な澱粉類が使用されている。これまでに、天然澱粉や種々の加工澱粉が用いられており、天然澱粉としては、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、甘藷澱粉、緑豆澱粉、小麦澱粉、とうもろこし澱粉、米澱粉,ワキシーコーン澱粉、ワキシーポテト澱粉、ワキシー小麦澱粉、もち米澱粉等が挙げられ、加工澱粉としては、上記の天然澱粉をアセチル化、ヒドロキシプロピル化、オクテニルコハク酸化、リン酸化、架橋、酸処理、湿熱処理、超音波処理等を施した澱粉が挙げられる(特に特許文献13~14)。
特表2003-504326号公報 特許第3990741号公報 特開2005-170929号公報 特許第4959948号公報 特開2006-299052号公報 特開2007-153851号公報 特開2007-153889号公報 特許第5226281号公報 特開2009-040716号公報 特許第5688193号公報 特許第5149465号公報 特許第5923029号公報 国際公開第WO2016/052699号公報 特開2015-059106号公報
海藻由来であるカラギーナン以外のゲル形成作用を有する多糖類としてジェランガムが注目されている。ジェランガムには、ネイティブジェランガム(「ネイティブ型ジェランガム」、「高アシルジェランガム」、あるいは、「HAジェランガム」とも言う)及び脱アシル化ジェランガム(「脱アシル型ジェランガム」、あるいは、「LAジェランガム」とも言う)がある。
しかしながら、ジェランガムを用いた軟カプセル皮膜組成物及びその軟カプセル剤製造においては、以下の課題が残されている。
従来の軟カプセル皮膜組成物では、デンプン、可塑剤と共に、ネイティブジェランガム単独、又はネイティブジェランガムと脱アシル化ジェランガムの混合物、あるいはネイティブジェランガムと寒天、カラギーナン等、他の天然高分子ゲル化剤との併用により軟カプセル皮膜組成物となしているが、一般にネイティブジェランガムを主なゲル化剤として利用したデンプンからなる皮膜シートは、そのシートの回転ドラムに接しない表面が回転ドラムに接した裏面と比較してべたつきが多く、先に記した既存の軟カプセル剤製造装置として広く利用されているロータリーダイ式充填機による製造を試みると、そのべたついた皮膜シートの表面が回転するダイロールに付着してカプセル封入できない、又は辛うじて封入されても接着が弱く、且つ連続的な成形ができにくいということが問題となっている。ロータリーダイ式充填機は、ネイティブジェランガムを利用した皮膜シートとは逆の、皮膜裏面の方のべたつきが多いゼラチン皮膜からなる軟カプセル剤の充填成形に適うように装置設計されており、ネイティブジェランガムを使用した軟カプセル剤を、設備の大幅な改造等をせずに既存のロータリーダイ式充填機の活用により製造していく上で、この点は重大な問題となり得る。また、ゲル化剤としてカラギーナンとネイティブジェランガムを併用した場合、皮膜の物性に難があり、カラギーナン単独使用の場合に比べてカプセル化後の弾力性、付着性に劣っているという指摘もなされている(特許文献11及び12の段落[0042])。
なお、ネイティブジェランガムとデンプンからなる皮膜シートがこのような性質を示す理由としては、以下のことが考えられる。すなわち、ネイティブジェランガムを使用した皮膜シートのゲル化温度はゼラチン等と比較するとかなり高いために、ロータリーダイ式充填機の回転ドラム上で皮膜シートを形成する際に、皮膜シートの表面付近では、室温下での急激な空気冷却によってゲル化が進んだところとやや遅れたところが生じ、シートのゲル化状態が不均一で不十分となりべたついたゲルとなる。一方回転ドラムに接した皮膜の内側の面(裏面)では、空気冷却の影響も表面よりは少なくドラムからの加熱もあり、ゲルはゆっくりと均一にゲル化し、しっかりしたべたつきの少ないシート面を形成するようになると考えられる。
ネイティブジェランガムと脱アシル化ジェランガム及びデンプンからなる皮膜シートの場合においても、処方によっては、皮膜強度が連続製造に耐え得る機械的強度を有するまでに至らず、カプセル充填工程の途中で破断してしまう場合や、あるいは圧着時の接着強度が低く、良好な接着性を得ることができないという不都合が生じる場合もある。
また、ジェランガムは、ゼラチンや他の植物性多糖類のゲル化剤と比較して粘度が高いゲル化剤であり、ジェランガムを用いた軟カプセル皮膜組成物の製造において、これとデンプンを混合して加熱溶解し皮膜組成物を調製する際に非常に高粘度となり、カプセル製造時の操作性(組成物を互いに均一に混合させる均一混合操作性)が非常に悪くなると共に所望の濃度が得られにくいことが挙げられる。殊に軟カプセル剤製造時には、皮膜強度の点から固形分濃度を高くする必要があるが、濃度を高くすると組成物溶液の粘度が高くなり、従って操作性が悪くなり、更には工業的規模での生産の際には機械設備の大掛かりな変更が必要となるなどの課題を抱えている。
ブロッキングは従来からのゼラチンを主原料としたカプセル皮膜では度々見られる現象であり、この問題の解決も強く望まれている。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、非動物性原料由来のジェランガムを用いた軟カプセル皮膜組成物であって、ロータリーダイ式充填機等既存の軟カプセル充填製造装置利用を含む工業的軟カプセル剤生産において、皮膜シート表面のべたつき性を削減し、皮膜シートの機械強度を高めて破断等が生じ難くさせ、圧着により良好な接着性を有する軟カプセル剤を安定的に製造することを目的とする。
本発明者らは、当該課題を解決すべく種々研究を重ねた結果、(A)ネイティブジェランガム、(B)一種若しくは二種以上の親水性多糖類、(C)澱粉又は加工澱粉、(D)可塑剤、及び(E)水を含む組成物を用いれば、カラギーナンを全く必要としないで、皮膜シート強度が高く、また皮膜基剤の接合部分への噛み込みを抑えられて良好な接着性を示すカプセル皮膜が得られることを見出した。また更に、当該組成物を用いれば、カプセル化後においては、ブロッキング耐性、弾力性、透明性、速やかな崩壊性といった優れた皮膜性能が得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1)(A)ネイティブジェランガム、(B)一種若しくは二種以上の親水性多糖類、(C)澱粉又は加工澱粉、(D)可塑剤、及び(E)水を含有し、(A)ネイティブジェランガム及び(B)一種若しくは二種以上の親水性多糖類以外のゲル化剤を必須成分としないことを特徴とする軟カプセル皮膜組成物。
(2)(C)澱粉又は加工澱粉が、天然澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉、アセチル化澱粉、アセチル化、ヒドロキシプロピル化、オクテニルコハク酸化、リン酸化、架橋、酸処理、塩の存在下で湿熱処理がされてなる澱粉、又は澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする、(1)の軟カプセル皮膜組成物。
(3)(C)澱粉又は加工澱粉が、サゴ澱粉、甘藷澱粉、緑豆澱粉、小麦澱粉、とうもろこし澱粉、米澱粉,ワキシーコーン澱粉、ワキシーポテト澱粉、ワキシー小麦澱粉、もしくはもち米澱粉、又はこれらから得られる加工澱粉、から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする、(1)又は(2)の軟カプセル皮膜組成物。
(4)(C)澱粉又は加工澱粉が、ワキシーポテト澱粉、酸化澱粉、塩の存在下で湿熱処理がされてなる澱粉、又は澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする、(1)~(3)のいずれかの軟カプセル皮膜組成物。
(5)(A)ネイティブジェランガムと(B)一種若しくは二種以上の親水性多糖類の含有質量比[(A):(B)]が1:1~1:0.01である(1)~(4)のいずれかの軟カプセル皮膜組成物。
(6)澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物が、ワキシーコーン澱粉に由来する澱粉分散物である(1)~(5)のいずれかの軟カプセル皮膜組成物。
(7)澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物に用いられるワキシーコーン澱粉が未加工の天然澱粉である(6)の軟カプセル皮膜組成物。
(8)(C)澱粉又は加工澱粉が、塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉である(1)~(5)のいずれかの軟カプセル皮膜組成物。
(9)(1)~(8)のいずれかの軟カプセル皮膜組成物を用いて得られる軟カプセル皮膜。
(10)(1)~(8)のいずれかの軟カプセル皮膜組成物を用いて得られる軟カプセル。
本発明の軟カプセル皮膜組成物は、ネイティブジェランガムと一種若しくは二種以上の親水性多糖類及び特定の澱粉又は加工澱粉との組合せにより、カラギーナンを含まないにも関わらず、室温での乾燥時間の短縮化、皮膜シート表面のべたつきを抑制し、ロータリーダイ式充填機等の工場生産における連続製造に耐え得る皮膜シート強度を与え、接着性の高い良好な軟カプセル皮膜の生産を可能にする。
図1はロータリーダイ式カプセル充填機を示す模式図である。
本発明の軟カプセル皮膜組成物は、医薬品、医薬部外品、食品、健康食品、化粧品等に利用される軟カプセル剤の皮膜に用いられるものであり、少なくとも、ネイティブジェランガムと、一種若しくは二種以上の親水性多糖類と、澱粉又は加工澱粉と、可塑剤と、水とを含む。即ち、本発明の軟カプセル皮膜組成物に最低限必要な成分は、(A)ネイティブジェランガム、(B)一種若しくは二種以上の親水性多糖類、(C)澱粉又は加工澱粉である。本発明の軟カプセル皮膜組成物において、ネイティブジェランガムと一種若しくは二種以上の親水性多糖類の含有質量比は、1:1~1:0.01である。
ジェランガム(「ゲランガム」とも称される)は、シュードモナス・エロディア(Pseudomonas elodea)という微生物が菌体外に産出するヘテロ多糖類で、1-3結合したグルコース、1-4結合したグルクロン酸、1-4結合したグルコース及び1-4結合したラムノースの4つの糖が反復ユニットとなって直線状に結合している。そのうち、多糖を構成する前述の糖類にアシル基が結合していないものを一般に脱アシル化ジェランガムといい、一般に硬くて脆いゲルを形成する性質がある。一方、反復ユニット中、1-3結合したグルコースにアセチル基とグリセリル基とが結合しているものを一般にネイティブジェランガムと呼び、軟らかく伸びのあるゲルを形成する性質がある。該ネイティブジェランガムとしては、商品名で「ケルコゲルCG-HA」、「ケルコゲルLT100」、「ケルコゲルHM」、「ケルコゲルHT」、該脱アシル型ジェランガムとしては、商品名で「ケルコゲル」、「ケルコゲルF」等がある(いずれもシーピーケルコ(CP Kelco)社製)。ジェランガムは、カラギーナンや寒天など海藻由来のゲル化剤に比べて、耐熱性が高く、強いゲルを形成する。
なお、本明細書でいう「ゲル化剤」とは、液状ゾルのゲル化を起こさせる化学物質を意味する。また、「ゲル化」とは、液状ゾルがゼリー状に固化する現象を意味する。例えば寒天、ゼラチン等のように冷却によりゲル化するゲル化剤や、アルギン酸塩等のように特定のイオンの存在によってゲル化するゲル化剤などがある。
本明細書でいうネイティブジェランガムとは、すべての反復ユニットのグルコースにアセチル基とグリセリル基とが結合している必要はなく、ジェランガム全体の中にアシル化された基が存在しているジェランガムはすべて本発明でいうネイティブジェランガムに包含される。換言すると、「アシル化度:0」のジェランガムが「脱アシル化ジェランガム」、それ以外の(アシル化度が0ではない)ジェランガムはすべて「ネイティブジェランガム」である。本明細書でいうネイティブジェランガムとは、アシル化度が0ではないジェランガムを意味する。ここで、「アシル化度」はHNMR測定により、Bruker Avance DRX-400(Bruker)を用い1.3ppm付近に現れるラムノースのメチル基由来のピークと2.1ppm付近に現れるβグルコースの6位のヒドロキシル基に結合したアセチル基のピークの信号強度比により測定できる。(安藤暢毅、「ネイティブジェランのゲル化機構に関する基礎研究」東京海洋大、2009年9月)
本発明において使用するジェランガムとしてネイティブジェランガムを採用した理由は以下の通りである。
(1)脱アシル化ジェランガムを軟カプセルの製造に顕著に使用すると、ゲルが硬いため、品質の低下につながる。
(2)ネイティブジェランガムはゲルが柔軟性を有し、軟カプセルの製造に好適である。
本発明において、親水性多糖類は、ネイティブジェランガムを除く水溶性を有する多糖類を意味する。即ち、本発明における親水性多糖類は、水(温度に係わらない。)に溶解する多糖類を指す。かかる親水性多糖類の例として、ペクチン(低メトキシペクチン(LMペクチン)、高メトキシペクチン(HMペクチン))、ローカストビーンガム、グルコマンナン、キサンタンガム、カラギーナン、ファーセルラン、脱アシルジェランガム、コンドロイチン及びその硫酸塩、アルギン酸及びアルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸誘導体、アラビアガム、グアガム、タマリンドガム等のガム系高分子化合物、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、アルファ化デンプン、プルラン、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、寒天等が挙げられる。
低メトキシペクチン(LMペクチン)は、エステル化度(DE)が50%未満のペクチンを意味し、高メトキシペクチンは、エステル化度(DE)が50%以上のペクチンを意味する。なお、エステル化度とは、総ガラクツロン酸中、メチルエステル化されているものの割合を意味し、メチルエステル化されたガラクツロン酸数を総ガラクツロン酸数で割って100を乗じた値(%)として求めることができる。
本発明において、ネイティブジェランガムと一種若しくは二種以上の親水性多糖類の含有質量比は1:1~1:0.01であることが好ましく、1:0.8~1:0.03であることがより好ましく、1:0.6~1:0.05であることが更に好ましい。
親水性多糖類の含有量は、ゲル化能の点から、固形成分の合計量中、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。また、皮膜液の粘度の点から、固形成分の合計量中、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
なお、本発明において、「固形成分」とは、皮膜組成物の中から、水を除いた物のことである。
本発明において、澱粉とは、貯蔵多糖として、高等植物の種子、根、根茎などから得られた未加工のα-1,4-グルカンを意味する。なお、本明細書において使用されている「澱粉」及び「スターチ」という用語は同じ意味を表す。
本発明において、加工澱粉とは、澱粉に必要に応じて水、化学薬品(種々の塩類、アジピン酸、次亜塩素酸ナトリウム、酢酸ビニル、リン酸化合物、等)を加え、加熱処理、超音波処理、若しくはその他の処理を行って得られる澱粉を意味する。加工澱粉として、例えば、以下で言及するワキシーコーン澱粉(ワキシーコーンスターチ)が挙げられる。
本発明において使用される澱粉又は加工澱粉は特に限定されない。本発明において使用される澱粉又は加工澱粉として、天然澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉、アセチル化澱粉、アセチル化、ヒドロキシプロピル化、オクテニルコハク酸化、リン酸化、架橋、酸処理、塩の存在下で湿熱処理がされてなる澱粉、又は澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物から選ばれる一種又は二種以上が例示される。
塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉は、ワキシーコーン澱粉を、塩の存在下、湿潤状態で加熱を行った澱粉である。湿熱処理後、乾燥、必要に応じて粉砕することにより製造することができる。
このような澱粉は公知であり、例えば、ワキシーコーン澱粉から特許第4608051号公報に記載の方法又はこれに準じた方法により製造される。
塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉の澱粉糊液の粘度(B型粘度計、澱粉の含有量40質量%、液温90℃)は、100~3000mPa・sが好ましい。当該粘度が100mPa・s以上であると、澱粉の「ボディ感」がでて、皮膜シートが柔軟となり、伸びがある状態になりやすく、また、接着が良好になりやすく好適である。
湿熱処理を施すワキシーコーン澱粉は、未加工、すなわち、酸処理、アルファ化、エーテル化、アセチル化等の加工を行っていないものが好ましい。
ワキシーポテト澱粉は、ワキシーポテト澱粉を酸で処理した澱粉が好ましく、澱粉糊液の粘度(澱粉の含有量30質量%、液温80℃)は、総合的な観点(皮膜強度の点、ゲル化強度の点)から、6mPa・s以上が好ましく、更に10~20mPa・sであるのが好ましい。
ワキシーポテト澱粉は、塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉に代えて添加してもよく、塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉及び/又は超音波処理ワキシーコーン澱粉と併せて添加してもよい。
塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉及びワキシーポテト澱粉の含有量は、それらの合計量として、固形成分の合計量中、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。また、皮膜シート強度の点から、固形成分の合計量中、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物は、公知の物質であり、例えば、澱粉から特許第4288381号公報に記載の方法又はこれに準じた方法により製造される。
澱粉糊液は、常法、例えば、澱粉を水中等で加熱して澱粉質を糊化させて調製される。澱粉糊液における澱粉の含有量は、特に制限されないが、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。
澱粉の種類としては、例えば、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、甘藷澱粉、緑豆澱粉、小麦澱粉、とうもろこし澱粉(コーンスターチ)、米澱粉、ワキシーコーン澱粉、ワキシーポテト澱粉、ワキシー小麦澱粉もしくはもち米澱粉又はこれらから得られる加工澱粉が挙げられる。これらの澱粉及び加工澱粉は一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。本発明において使用される澱粉又は加工澱粉の一実施態様として、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、甘藷澱粉、緑豆澱粉、小麦澱粉、とうもろこし澱粉、米澱粉,ワキシーコーン澱粉、ワキシーポテト澱粉、ワキシー小麦澱粉、もしくはもち米澱粉、又はこれらから得られる加工澱粉、から選ばれる一種又は二種以上が挙げられる。また、本発明において使用される澱粉又は加工澱粉の他の一実施態様として、ワキシーポテト澱粉、酸化澱粉、塩の存在下で湿熱処理がされてなる澱粉、又は澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物から選ばれる一種又は二種以上が挙げられる。
なお、澱粉糊液の調製に用いられる澱粉は、未加工、すなわち、酸処理、アルファ化、エーテル化、アセチル化等の加工を行っていないものが好ましい。
また、超音波処理がなされる際の澱粉糊液の粘度(B型粘度計、澱粉の含有量5質量%、液温95℃)は、澱粉の種類によって相違するものの、400~800mPa・sが好ましく、400~600mPa・sがより好ましい。
超音波処理の条件は、適宜設定することができる。
超音波処理により、澱粉糊液の粘度は低下し、澱粉分散物が得られる。超音波処理後の澱粉分散物の粘度(B型粘度計、澱粉の含有量20質量%、液温80℃)は、澱粉の種類によって相違するものの、350mPa・s以下が好ましく、10~350mPa・sがより好ましい。
澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物の形態は、液状であってもよいが、これを乾燥した乾燥物の形態が好ましい。乾燥方法は、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、蒸発乾固等が挙げられる。
本発明において、澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物は市販品を使用することもできる。
澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物の含有量(乾燥質量、以下、同じ)は、接着性の点から、固形成分の合計量中、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上が更に好ましい。また、皮膜シート強度の点から、固形成分の合計量中、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
また、本発明の軟カプセル皮膜組成物には、塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉、ワキシーポテト澱粉及び澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物以外にも、必要に応じてその他の澱粉類を含有させることができる。
塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉及び澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物以外の澱粉類の含有量は、皮膜シート強度、接着力及び乾燥後の弾力性の点から、固形成分の合計量中、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましく、10質量%以下が更により好ましい。下限値は0質量%である。
そのような澱粉の種類としては、例えば、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、甘藷澱粉、緑豆澱粉、小麦澱粉、とうもろこし澱粉、米澱粉,ワキシーコーン澱粉、ワキシーポテト澱粉、ワキシー小麦澱粉、もち米澱粉等が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の軟カプセル皮膜組成物においては、(A)ネイティブジェランガム及び(B)一種若しくは二種以上の親水性多糖類以外のゲル化剤を必須成分としない。したがって、本発明の軟カプセル皮膜組成物は、ゲル化剤として(A)ネイティブジェランガム及び(B)一種若しくは二種以上の親水性多糖類のみを含み、他のゲル化剤を含まなくてもよい。
可塑剤としては、特に制限されず、例えば、グリセリン、ソルビトール、エリスリトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の糖アルコールが挙げられる。これらは単独で用いても混合物として用いても良い。なかでも、グリセリン、ソルビトールが好ましい。
本発明の軟カプセル皮膜組成物における可塑剤の含有量は、柔軟性の点から、固形成分の合計量中、20質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましい。また、付着性の点から、固形成分の合計量100質量部に対して、60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましい。
水は、固形成分の合計量100質量部に対して、80質量部以上、更に100質量部以上とするのが好ましい。使用する水は、精製水(例えば、水道の水をイオン交換樹脂に通すことによって得られる精製水)が好ましい。
(A)ネイティブジェランガム、(B)一種若しくは二種以上の親水性多糖類、(C)澱粉又は加工澱粉、(D)可塑剤、及び(E)水を含有し、(A)ネイティブジェランガム及び(B)一種若しくは二種以上の親水性多糖類以外のゲル化剤を必須成分としないことを特徴とする、本発明の軟カプセル皮膜組成物の処方を以下に例示する。
処方例1
(A)ネイティブジェランガム
(B)低メトキシペクチン
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例2
(A)ネイティブジェランガム
(B)低メトキシペクチン
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例3
(A)ネイティブジェランガム
(B)低メトキシペクチン
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)酸化澱粉
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例4
(A)ネイティブジェランガム
(B)低メトキシペクチン
(C)塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉
(C)澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例5
(A)ネイティブジェランガム
(B)ローカストビーンガム
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例6
(A)ネイティブジェランガム
(B)ローカストビーンガム
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例7
(A)ネイティブジェランガム
(B)ローカストビーンガム
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)酸化澱粉
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例8
(A)ネイティブジェランガム
(B)ローカストビーンガム
(C)塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉
(C)澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例9
(A)ネイティブジェランガム
(B)キサンタンガム
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例10
(A)ネイティブジェランガム
(B)キサンタンガム
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例11
(A)ネイティブジェランガム
(B)キサンタンガム
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)酸化澱粉
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例12
(A)ネイティブジェランガム
(B)キサンタンガム
(C)塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉
(C)澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例13
(A)ネイティブジェランガム
(B)低メトキシペクチン
(B)ローカストビーンガム
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例14
(A)ネイティブジェランガム
(B)低メトキシペクチン
(B)ローカストビーンガム
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例15
(A)ネイティブジェランガム
(B)低メトキシペクチン
(B)ローカストビーンガム
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)酸化澱粉
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例16
(A)ネイティブジェランガム
(B)低メトキシペクチン
(B)ローカストビーンガム
(C)塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉
(C)澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例17
(A)ネイティブジェランガム
(B)低メトキシペクチン
(B)キサンタンガム
(B)ローカストビーンガム
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例18
(A)ネイティブジェランガム
(B)低メトキシペクチン
(B)キサンタンガム
(B)ローカストビーンガム
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例19
(A)ネイティブジェランガム
(B)低メトキシペクチン
(B)キサンタンガム
(B)ローカストビーンガム
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)酸化澱粉
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例20
(A)ネイティブジェランガム
(B)低メトキシペクチン
(B)キサンタンガム
(B)ローカストビーンガム
(C)塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉
(C)澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例21
(A)ネイティブジェランガム
(B)低メトキシペクチン
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物
(C)塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例22
(A)ネイティブジェランガム
(B)低メトキシペクチン
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物
(C)酸化澱粉
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例23
(A)ネイティブジェランガム
(B)低メトキシペクチン
(C)ワキシーポテト澱粉
(C)塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉
(C)酸化澱粉
(D)グリセリン
(E)精製水
処方例24
(A)ネイティブジェランガム
(B)低メトキシペクチン
(C)澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物
(C)塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉
(C)酸化澱粉
(D)グリセリン
(E)精製水
また、本発明の軟カプセル皮膜組成物には、更に必要に応じて、軟カプセル皮膜組成物に用いられる各種添加剤、例えば、天然色素、合成色素、各種甘味料、防腐剤、水分活性低下剤、pH調整剤等を含有させることができる。
斯かる軟カプセル皮膜組成物を所定形状に成形、乾燥することで軟カプセルが得られる。軟カプセルは、例えば、従来用いられている軟カプセルの製法、例えばロータリーダイ式軟カプセル充填機等を用いた打ち抜き法、平板法により製造することができる。なかでも、本発明の効果が有効に発揮される点、工業的生産性の点から、ロータリーダイ式により製造するのが好ましい。ロータリーダイ式軟カプセル充填機は、軟カプセル皮膜液を回転ドラム上に展延することにより成形した皮膜シート2枚を、一対の回転する金型(ダイロール)でカプセル形状に打ち抜く方法で、軟カプセル成形、カプセル内容物の充填が同時に行われる。
本発明の軟カプセル皮膜組成物の溶液は、ロータリーダイ式充填機等の回転ドラム上に展延することにより皮膜シートに成形する工程において、回転ドラムを30~80℃に加熱することにより、皮膜シートに機械的強度と圧着のための接着力が付加され、十分強度を有する軟カプセルが成形され得る。カプセル充填の際の金型による内容物の密封は、2枚の皮膜シートをセグメントにより加熱してヒートシールするか、圧着、又はそれらの併用により行われるが、耐熱性の弱い薬物などを内容物とした場合の加熱からの保護という点からは、セグメント温度は低いことが望ましい。本発明においては、後のロータリーダイ式カプセル充填機による実施例に示されるように、室温にても充填密封が可能であり、そのような場合にも十分に適応でき得る。
軟カプセルの形状は、経口投与に適した形状であれば特に制限されず、例えば、オーバル(フットボール)型、オブロング(長楕円)型、ラウンド(球状)型、チューブ型等の特殊型等が挙げられる。
本発明の軟カプセル皮膜組成物を用いて製造された軟カプセルは、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等種々の用途に利用することができ、カプセル内容物の組成は用途に応じて適宜決定される。内容物の形態は溶液状、懸濁液状、ペースト状、粉末状、顆粒状等いずれであってもよい。
以下に、カプセルに含有し得るものを例示する。これら各成分は、カプセル剤中のいかなる部分にも含有しうる。
油脂類として、アボカド油、アーモンド油、亜麻仁油、ウイキョウ油、エゴマ油、オリーブ油、オリーブスクワレン、オレンジ油、オレンジラファー油、ゴマ油、ガーリックオイル、カカオ脂、カボチャ種子オイル、カミツレ油、カロット油、キューカンバー油、牛脂脂肪酸、ククイナッツ油、クランベリー種子油、玄米胚芽油、米油、小麦胚芽油、サフラワー油、シア脂、液状シア脂、シソ油、大豆油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ノコギリヤシエキスオイル、ハトムギ油、パーシック油、パセリ種子油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ボラージ油、マカデミアナッツ油、メドウホーム油、綿実油、落花生油、タートル油、ミンク油、卵黄油、魚油、パーム油、パーム核油、モクロウ、ヤシ油、長鎖・中鎖・短鎖の脂肪酸トリグリセリド、ジアシルグリセライド、牛脂、豚脂、スクワレン、スクワラン、プリスタン、並びに、これら油脂類の水素添加物等を含有可能である。
ロウ類及びワックス類として、シェラックロウ、ミツロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、環状ラノリン、ラノリンワックス、キャンデリラロウ、モクロウ、モンタンロウ、セラックロウ、ライスワックス等を含有可能である。硬化油として、植物油脂を水素添加して得られる植物硬化油、牛脂硬化油、豚脂硬化油等を含有可能である。
鉱物油として、流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、オゾケライド、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等を含有可能である。
脂肪酸類として、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、共役リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール油、ラノリン脂肪酸等の天然脂肪酸、イソノナン酸、カプロン酸、2-エチルブタン酸、イソペンタン酸、2-メチルペンタン酸、2-エチルヘキサン酸、イソペンタン酸等の合成脂肪酸、及びこれら脂肪酸を脂肪酸組成として含む油脂等を含有可能である。
ビタミン類として、ビタミンA群:レチノール、レチナール(ビタミンA1)、デヒドロレチナール(ビタミンA2)、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、ビタミンB群:フルスルチアミン、チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ピリドキシン(ビタミンB6)、シアノコバラミン、メチルコバラミン(ビタミンB12)、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、コリン、イノシトール類、ビタミンC群:アスコルビン酸又はその誘導体、ビタミンD群:エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、ジヒドロタキステロール、ビタミンE群:ビタミンE又はその誘導体、ユビキノン類、ビタミンK群:フィトナジオン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)、メナテトレノン、メナジオン(ビタミンK3)、メナジオール(ビタミンK4)、その他、必須脂肪酸(ビタミンF)、カルニチン、フェルラ酸、γ-オリザノール、オロット酸、ビタミンP類(ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン)、ビタミンU等を含有可能である。
刺激剤として、トウガラシチンキ、トウガラシオイル、ノニル酸バニルアミド、カンタリスチンキ、ショウキョウチンキ、ショウキョウ油、ハッカ油、l-メントール、カンフル、ニコチン酸ベンジル等を含有可能である。
紫外線吸収や遮断剤として、ベンゾフェノン誘導体(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン-スルホン酸ナトリウム、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン等)、パラアミノ安息香酸誘導体(パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等)、メトキシ桂皮酸誘導体(パラメトキシ桂皮酸エチル、パラメトキシ桂皮酸イソプロピル、パラメトキシ桂皮酸オクチル、パラメトキシ桂皮酸2-エトキシエチル、パラメトキシ桂皮酸ナトリウム、パラメトキシ桂皮酸カリウム、ジパラメトキシ桂皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル等)、サリチル酸誘導体(サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ミリスチル、サリチル酸メチル等)、アントラニル酸誘導体(アントラニル酸メチル等)、ウロカニン酸誘導体(ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等)、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、ベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体、カンファー誘導体、フラン誘導体、ピロン誘導体、核酸誘導体、アラントイン誘導体、ニコチン酸誘導体、ビタミンB6誘導体、ウンベリフェロン、エスクリン、桂皮酸ベンジル、シノキサート、オキシベンゾン、ジオキシベンゾン、オクタベンゾン、スリソベンゾン、ベンゾレソルシノール、アルブチン、グアイアズレン、シコニン、バイカリン、バイカレイン、ベルベリン、ネオヘリオパン、エスカロール、酸化亜鉛、タルク、カオリン等を含有可能である。
美白剤として、パラアミノ安息香酸誘導体、サルチル酸誘導体、アントラニル酸誘導体、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、ベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体、カンファー誘導体、フラン誘導体、ピロン誘導体、核酸誘導体、アラントイン誘導体、ニコチン酸誘導体、ビタミンC又はその誘導体(ビタミンCリン酸エステルマグネシウム塩、ビタミンCグルコシド等)、ビタミンE又はその誘導体、コウジ酸又はその誘導体、オキシベンゾン、ベンゾフェノン、アルブチン、グアイアズレン、シコニン、バイカリン、バイカレイン、ベルベリン、胎盤エキス、エラグ酸、ルシノール等を含有可能である。
チロシナーゼ活性阻害剤として、ビタミンC又はその誘導体(ビタミンCリン酸エステルマグネシウム塩、ビタミンCグルコシド等)、ハイドロキノン又はその誘導体(ハイドロキノンベンジルエーテル等)、コウジ酸又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、N-アセチルチロシン又はその誘導体、グルタチオン、過酸化水素、過酸化亜鉛、胎盤エキス、エラグ酸、アルブチン、ルシノール、シルク抽出物、植物エキス(カミツレ、クワ、クチナシ、トウキ、ワレモコウ、クララ、ヨモギ、スイカズラ、キハダ、ドクダミ、マツホド、ハトムギ、オドリコソウ、ホップ、サンザシ、ユーカリ、セイヨウノコギリソウ、アルテア、ケイヒ、マンケイシ、ハマメリス、カラグワ又はヤマグワ、延命草、桔梗、トシシ、続随子、射干、麻黄、センキュウ、ドッカツ、サイコ、ボウフウ、ハマボウフウ、オウゴン、牡丹皮、シャクヤク、ゲンノショウコ、葛根、甘草、五倍子、アロエ、ショウマ、紅花、緑茶、紅茶、阿仙薬)等を含有可能である。
メラニン色素還元や分解物質として、フェニル水銀ヘキサクロロフェン、酸化第二水銀、塩化第一水銀、過酸化水素水、過酸化亜鉛、ハイドロキノン又はその誘導体等を含有可能である。
ターンオーバーの促進作用や細胞賦活物質として、ハイドロキノン、乳酸菌エキス、胎盤エキス、霊芝エキス、ビタミンA、ビタミンE、アラントイン、脾臓エキス、胸腺エキス、酵母エキス、発酵乳エキス、植物エキス(アロエ、オウゴン、スギナ、ゲンチアナ、ゴボウ、シコン、ニンジン、ハマメリス、ホップ、ヨクイニン、オドリコソウ、センブリ、トウキ、トウキンセンカ、アマチャ、オトギリソウ、キュウリ、タチジャコウソウ、マンネンロウ、パセリ)等を含有可能である。
収斂剤として、コハク酸、アラントイン、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、カラミン、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム、レゾルシン、塩化第二鉄、タンニン酸(カテキン化合物を含む)等を含有可能である。
活性酸素消去剤として、SOD、カタラーゼ、グルタチオンパーオキシダーゼ等を含有可能である。
抗酸化剤として、ビタミンC又はその塩、ステアリン酸エステル、ビタミンE又はその誘導体、ノルジヒドログアセレテン酸、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ヒドロキシチロソール、パラヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、セサモール、セサモリン、ゴシポール、プロポリス等を含有可能である。
過酸化脂質生成抑制剤として、β-カロチン、植物エキス(ゴマ培養細胞、アマチャ、オトギリソウ、ハマメリス、チョウジ、メリッサ、エンメイソウ、シラカバ、サルビア、マンネンロウ、南天実、エイジツ、イチョウ、緑茶)等を含有可能である。
抗炎症剤として、イクタモール、インドメタシン、カオリン、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸メチル、アセチルサリチル酸、塩酸ジフェンヒドラミン、d-カンフル、dl-カンフル、ヒドロコルチゾン、グアイアズレン、カマズレン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸又はその塩、グリチルレチン酸又はその塩、甘草エキス、シコンエキス、エイジツエキス、プロポリス等を含有可能である。
抗菌・殺菌・消毒薬として、アクリノール、イオウ、グルコン酸カルシウム、グルコン酸クロルヘキシジン、スルファミン、マーキュロクロム、ラクトフェリン又はその加水分解物、塩化アルキルジアミノエチルグリシン液、トリクロサン、次亜塩素酸ナトリウム、クロラミンT、サラシ粉、ヨウ素化合物、ヨードホルム、ソルビン酸又はその塩、プロピオン酸又はその塩、サルチル酸、デヒドロ酢酸、パラヒドロキシ安息香酸エステル類、ウンデシレン酸、チアミンラウリル硫酸塩、チアミンラウリル硝酸塩、フェノール、クレゾール、p-クロロフェノール、p-クロロ-m-キシレノール、p-クロロ-m-クレゾール、チモール、フェネチルアルコール、o-フェニルフェノール、イルガサンCH3565、ハロカルバン、ヘキサクロロフェン、クロロヘキシジン、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2-フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、ジンクピリジオン、クロロブタノール、イソプロピルメチルフェノール、非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等)、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンカリウム等)、カチオン界面活性剤(臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルロザニリン)、ホルムアルデヒド、ヘキサミン、ブリリアントグリーン、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレット、ジャーマル、感光素101号、感光素201号、感光素401号、N-長鎖アシル塩基性アミノ酸誘導体及びその酸附加塩、酸化亜鉛、ヒノキチオール、クジン、プロポリス等を含有可能である。
保湿剤として、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリカプリルカプリン酸グリセリン、グリコール酸(αーヒドロキシ酸)、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸又はその塩、水溶性キチン又はその誘導体或いはキトサン誘導体、ピロリドンカルボン酸又はその塩、乳酸ナトリウム、尿素、ソルビトール、アミノ酸又はその誘導体(バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジンや、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、或いはピロリドンカルボン酸)等を含有可能である。
各種有機酸として、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、フェルラ酸、フィチン酸などを含有可能である。
頭髪用剤として、二硫化セレン、臭化アルキルイソキノリニウム液、ジンクピリチオン、ビフェナミン、チアントール、カスタリチンキ、ショウキョウチンキ、トウガラシチンキ、塩酸キニーネ、強アンモニア水、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム、チオグリコール酸等を含有可能である。
香料として、ジャコウ、シベット、カストリウム、アンバーグリス等の天然動物性香料、アニス精油、アンゲリカ精油、イランイラン精油、イリス精油、ウイキョウ精油、オレンジ精油、カナンガ精油、カラウェー精油、カルダモン精油、グアヤクウッド精油、クミン精油、黒文字精油、ケイ皮精油、シンナモン精油、ゲラニウム精油、コパイババルサム精油、コリアンデル精油、シソ精油、シダーウッド精油、シトロネラ精油、ジャスミン精油、ジンジャーグラス精油、杉精油、スペアミント精油、西洋ハッカ精油、大茴香精油、チュベローズ精油、丁字精油、橙花精油、冬緑精油、トルーバルサム精油、バチュリー精油、バラ精油、パルマローザ精油、桧精油、ヒバ精油、白檀精油、プチグレン精油、ベイ精油、ベチバ精油、ベルガモット精油、ペルーバルサム精油、ボアドローズ精油、芳樟精油、マンダリン精油、ユーカリ精油、ライム精油、ラベンダー精油、リナロエ精油、レモングラス精油、レモン精油、ローズマリー(マンネンロウ)精油、和種ハッカ精油等の植物性香料、その他コーヒーフレーバー、ヨーグルトフレーバー等の合成香料等を含有可能である。
そして、軟カプセルは、瓶詰め包装、PTP包装、パウチ等の包装形態で包装されて保存され、流通される。
以下、本発明について実施例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。
原料は下記のものを使用した。
ネイティブジェランガム:ケルコゲルHM(登録商標)(CP Kelco社製)
低メトキシペクチン:NEW GELIN(登録商標) LP-4(三菱商事フードテック社製)
塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉:ソフトスターチSF-930(三和澱粉工業社製)
澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物:エフスマッシュ(登録商標)(フタムラ化学社製)(ワキシーコーン澱粉に由来)
ワキシーポテト澱粉:エリアンGEL 100(松谷化学工業社製)
グリセリン:食品添加物グレード(阪本薬品工業社製)
水:精製水
実施例1~2、比較例1~2:ロータリーダイ式軟カプセル充填機による軟カプセルの製造
(1)表1に示した量(質量部)のネイティブジェランガム、低メトキシペクチン、塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉、澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物、ワキシーポテト澱粉、グリセリンをそれぞれ水に攪拌・分散させた後、90~98℃で攪拌しながら溶解させ、真空脱泡した。この皮膜液から、ロータリーダイ式軟カプセル充填機を用いてシート及び軟カプセルを製造した。
先ず、皮膜液をキャスティング装置により、回転ドラム上に展延して皮膜シートを調製した。この段階で、下記〔a.皮膜シート強度の評価〕、〔b.皮膜シートの伸びの評価〕及び〔c.皮膜シートのべたつきの評価〕を行った。
(2)次いで、得られた皮膜シート2枚を、それぞれ潤滑ローラー、デフレクトロールを経由して一対の回転する円筒金型の間に送り、カプセル化して、オーバル(フットボール)型の軟カプセルを成形した。この段階で、〔d.カプセル成形直後の皮膜シートの接着性の評価〕及び〔e.カプセル充填機での製造性の評価〕を行った。
(3)更に、得られた軟カプセルを、相対湿度20%以下に調整されたデシケータ中に24時間保存し、乾燥軟カプセルを得た。
結果を表1に示す。
〔a.皮膜シートの強度の評価〕
専門パネル5名の感覚により、以下に示す評価基準に従って、皮膜シートの強さを評価した。
5:とても強い
4:強い
3:やや弱い
2:弱い
1:とても弱い。
〔b.皮膜シートの伸びの評価〕
専門パネル5名の感覚により、皮膜シートの強度の評価時に同時に、以下に示す評価基準に従って、皮膜シートの伸びを評価した。
5:とても伸びて、弾力性がある
4:伸びて、弾力性がある
3:伸びはあるが、弾力性がやや弱い
2:ほとんど伸びがなく、弾力性が弱い
1:伸びがなく、弾力性がない
〔c.皮膜シートのべたつきの評価〕
専門パネル5名の感覚により、皮膜シートの強度の評価時に同時に、以下に示す評価基準に従って、皮膜シートの伸びを評価した。
5:べたつきがない
4:べたつきが少ない
3:べたつきがややある
2:べたつきが多い
1:べたつきが非常に多い
〔d.カプセル成形直後の皮膜シートの接着性の評価〕
専門パネル5名で乾燥前のカプセルを指で押しつぶして、以下に示す評価基準に従って、カプセル成形直後の皮膜シートの接着性を評価した。
5:強く押しても内容液が全く漏れ出さないし、24時間静置してもすべてのカプセルに浸出が発生しない
4:強く押しても内容液は漏れ出さないが、24時間静置すると一部のカプセルに浸出が発生する
3:強く押すとごく少量の内容液が漏れてしまう
2:弱く押しても少量の内容液が漏れてしまう
1:弱く押しても内容液が漏れてしまう
〔e.カプセル充填機での製造性の評価〕
上記a~dの評価を元に、以下に示す評価基準に従って、カプセル充填機での製造性を評価した。
○:従来の設備を使用し、カプセル充填機での製造が可能である。
△:カプセル充填機での製造は可能であるが、従来の設備からの変更が必要である。
×:皮膜シートの物性から、カプセル充填機での製造は不可能である。
Figure 0007388718000001
表1から明らかなように、低メトキシペクチンを含まない比較例1では、皮膜シートの強度が強いものの、べたつきが多く、カプセル充填機での製造には不向きであった。また、澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物を含まない比較例2では、べたつきが少ないものの接着が弱く、やはりカプセル充填機での製造には不向きであった。
一方、本発明に係る実施例1及び実施例2では、皮膜シートの物性が良好であり、いずれもカプセル充填機での製造が容易であった。
実施例3~7、比較例3~4:ロータリーダイ式軟カプセル充填機による軟カプセルの製造
(1)表2に示した量(質量部)のネイティブジェランガム、低メトキシペクチン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、超音波処理ワキシーコーンスターチ、ワキシーポテトスターチ、グリセリンをそれぞれ水に攪拌・分散させた後、90~98℃で攪拌しながら溶解させ、真空脱泡した。この皮膜液から、ロータリーダイ式軟カプセル充填機を用いてシート及び軟カプセルを製造した。
先ず、皮膜液をキャスティング装置により、回転ドラム上に展延して皮膜シートを調製した。この段階で、下記〔a.皮膜シート強度の評価〕、〔b.皮膜シートの伸びの評価〕及び〔c.皮膜シートのべたつきの評価〕を行った。
(2)次いで、得られた皮膜シート2枚を、それぞれ潤滑ローラー、デフレクトロールを経由して一対の回転する円筒金型の間に送り、カプセル化して、オーバル(フットボール)型の軟カプセルを成形した。この段階で、〔d.カプセル成形直後の皮膜シートの接着性の評価〕及び〔e.カプセル充填機での製造性の評価〕を行った。
(3)更に、得られた軟カプセルを、相対湿度20%以下に調整されたデシケータ中に24時間保存し、乾燥軟カプセルを得た。
結果を表2に示す。
表2における評価の基準は、前記「実施例1~2、比較例1~2:ロータリーダイ式軟カプセル充填機による軟カプセルの製造」の表1における評価基準と同一である。
Figure 0007388718000002
本発明の、(A)ネイティブジェランガム、(B)一種若しくは二種以上の親水性多糖類、(C)澱粉又は加工澱粉、(D)可塑剤、及び(E)水を含有し、カラギーナンを含まない軟カプセル皮膜組成物は、室温での乾燥時間の短縮化、皮膜シート表面のべたつきを抑制し、ロータリーダイ式充填機等の工場生産における連続製造に耐え得る皮膜シート強度を与え、接着性の高い良好な軟カプセル剤の生産を可能にする。
本発明に係る軟カプセル皮膜組成物を用いて製造された軟カプセルは、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等種々の用途に利用することができる。
10 ロータリーダイ式カプセル充填機
11 タンク
12 キャスティング装置
13 回転ドラム
14 潤滑ローラー
15 デフレクトロール
16 金型
16A 金型の凹部
17 セグメント
18 ポンプ
18A ピストン
A 皮膜シート
B 内容物
C カプセル

Claims (9)

  1. (A)ネイティブジェランガム、(B)低メトキシペクチン、ローカストビーンガム、及びキサンタンガムから選ばれる一種若しくは二種以上の親水性多糖類、(C)澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物、(D)可塑剤、及び(E)水を含有し、(A)ネイティブジェランガム及び(B)低メトキシペクチン、ローカストビーンガム、及びキサンタンガムから選ばれる一種若しくは二種以上の親水性多糖類以外のゲル化剤を含まないことを特徴とする軟カプセル皮膜組成物。
  2. 澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物が、ワキシーコーン澱粉に由来する澱粉分散物である請求項1記載の軟カプセル皮膜組成物。
  3. 澱粉糊液に超音波処理がされてなる澱粉分散物に用いられるワキシーコーン澱粉が未加工の天然澱粉である請求項2に記載の軟カプセル皮膜組成物。
  4. さらに、天然澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉、アセチル化澱粉、アセチル化、ヒドロキシプロピル化、オクテニルコハク酸化、リン酸化、架橋、酸処理、塩の存在下で湿熱処理がされてなる澱粉から選ばれる一種又は二種以上を含むことを特徴とする、請求項1~3いずれか記載の軟カプセル皮膜組成物。
  5. (C)塩の存在下で湿熱処理がされてなる澱粉が、塩の存在下で湿熱処理がされてなるワキシーコーン澱粉である請求項4記載の軟カプセル皮膜組成物。
  6. (C)澱粉の由来が、サゴ澱粉、甘藷澱粉、緑豆澱粉、小麦澱粉、とうもろこし澱粉、米澱粉,ワキシーコーン澱粉、ワキシーポテト澱粉、ワキシー小麦澱粉、もしくはもち米澱粉であることを特徴とする、請求項4記載の軟カプセル皮膜組成物。
  7. (A)ネイティブジェランガムと(B)低メトキシペクチン、ローカストビーンガム、及びキサンタンガムから選ばれる一種若しくは二種以上の親水性多糖類の含有質量比[(A):(B)]が1:1~1:0.01である請求項1~6のいずれか1項記載の軟カプセル皮膜組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか1項記載の軟カプセル皮膜組成物を用いて得られる軟カプセル皮膜。
  9. 請求項1~7のいずれか1項記載の軟カプセル皮膜組成物を用いて得られる軟カプセル。
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