JP7388007B2 - 熱交換器、冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本開示は、オイルを含む冷媒と熱媒体とを熱交換させる熱交換器、および冷凍サイクル装置に関する。
従来、圧縮機から吐出された冷媒を車室内へ送風する送風空気と熱交換させて、送風空気を加熱する蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の冷凍サイクル装置は、一般的に、圧縮機を潤滑するためのオイルを冷媒に混入させて、オイルを含む冷媒をサイクル内で循環させている。
特開2010-42698号公報
ところで、冷凍サイクル装置では、例えば、外気温が低くなると、サイクル内の低圧側で冷媒の温度が非常に低くなり、冷媒密度が小さくなることで、低圧側の熱交換器を通過する冷媒の流量が小さくなる。加えて、サイクル内の低圧側では、冷媒の温度低下によってオイルの粘性が大きくなる。
これらによって、冷凍サイクル装置では、サイクル内の低圧側の熱交換器にオイルが滞留し易くなっている。熱交換器におけるオイルの滞留は、圧縮機の信頼性の低下を招く要因となることから好ましくない。
本開示は、オイルの滞留を抑制可能な熱交換器、および冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
冷凍サイクル装置であって、
オイルを含む冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11A)と、
圧縮機から吐出された冷媒を第1熱媒体に放熱させる放熱器(12A)と、
放熱器を通過した冷媒を減圧する減圧部(13A)と、
減圧部で減圧された冷媒を第2熱媒体と熱交換させて第2熱媒体から吸熱する吸熱器(14A)と、を備え、
吸熱器(14A)は、冷媒が流通する複数の冷媒流路部(141)と第2熱媒体が流通する複数の熱媒体流路部(142)とが交互に積層されて構成される流路積層体(140)を有し、
複数の冷媒流路部は、外形寸法のうち流路積層体の積層方向に直交する第1方向の寸法が積層方向および第1方向それぞれに直交する第2方向の寸法よりも大きくなっており、
流路積層体は、複数の冷媒流路部それぞれに冷媒の入口となる冷媒入口部(143)および冷媒の出口となる冷媒出口部(144)が設けられるとともに、第1方向が鉛直方向に近くなる姿勢で設置されており、
冷媒出口部は、冷媒流路部の上端部位(141a)よりも冷媒流路部の下端部位(141b)に近い位置であって、冷媒出口部よりも上方に設定された冷媒入口部に対して前記第2方向にずれた位置に設定されており、
冷媒入口部には、減圧部で減圧された気液二相の冷媒が導入され、
冷媒入口部よりも下方にある冷媒出口部は、複数の冷媒流路部を流れ落ちる際に第2熱媒体から吸熱して蒸発した冷媒がオイルとともに導出される。
冷凍サイクル装置では、吸熱器に対して減圧部で減圧された低温低圧の冷媒が流入する。吸熱器は、冷媒の密度が低下して冷媒の流量が減少することでオイルが流れ難くなる。加えて、オイルは、温度低下によって粘性が高まる。このため、冷凍サイクル装置では、吸熱器にオイルが滞留し易い。
これに対して、冷媒流路部のうち積層方向に直交する方向において寸法が大きくなる方が鉛直方向に近くなる姿勢で吸熱器を設置すれば、冷媒流路部においてオイルが横ではなく、縦に分布し易くなる。すなわち、冷媒流路部においてオイルが下端部位付近に偏在することが抑制される。
加えて、吸熱器は、冷媒流路部にオイルが縦に分布し易い構造において、冷媒流路部の冷媒出口部が冷媒流路部の上端部位よりも下端部位に近い位置に設定されている。これによると、冷媒流路部に存在するオイルが冷媒出口部に集まり易くなるので、吸熱器におけるオイルの滞留を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、
冷凍サイクル装置であって、
オイルを含む冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
圧縮機から吐出された冷媒を熱源として空調対象空間に送風する送風空気を暖める放熱器(12)と、
放熱器を通過した冷媒を減圧する第1減圧部(13)と、
放熱器の冷媒流れ下流側において第1減圧部と並列に配置される第2減圧部(15)と、
発熱機器を冷却する機器冷却時に第1減圧部で減圧された冷媒の蒸発潜熱を利用して発熱機器(BT)を冷却する冷却器として機能し、放熱器を通過する冷媒を熱源として送風空気を加熱する室内暖房時に吸熱器として機能する機器用冷却器(14)と、
第2減圧部で減圧された冷媒の蒸発潜熱を利用して空調対象空間に送風する送風空気を冷却する空調用冷却器(16)と、を備え、
機器用冷却器は、冷媒が流通する複数の冷媒流路部(141)と熱媒体が流通する複数の熱媒体流路部(142)とが交互に積層されて構成される流路積層体(140)を有し、
複数の冷媒流路部は、外形寸法のうち流路積層体の積層方向に直交する第1方向の寸法が積層方向および第1方向それぞれに直交する第2方向の寸法よりも大きくなっており、
流路積層体は、複数の冷媒流路部それぞれに冷媒の入口となる冷媒入口部(143)および冷媒の出口となる冷媒出口部(144)が設けられるとともに、第1方向が鉛直方向に近くなる姿勢で設置されており、
冷媒出口部は、冷媒流路部の上端部位(141a)よりも冷媒流路部の下端部位(141b)に近い位置であって、冷媒出口部よりも上方に設定された冷媒入口部に対して第2方向にずれた位置に設定されており、
冷媒入口部には、第1減圧部で減圧された気液二相の冷媒が導入され、
冷媒入口部よりも下方にある冷媒出口部は、複数の冷媒流路部を流れ落ちる際に熱媒体から吸熱して蒸発した冷媒がオイルとともに導出される。
本観点の冷凍サイクル装置は、機器用冷却器がオイルの滞留が抑制されるように構成されている。すなわち、機器用冷却器は、冷媒流路部のうち積層方向に直交する方向において寸法が大きくなる方が鉛直方向に近くなる姿勢で設置されている。これによれば、冷媒流路部においてオイルが横ではなく、縦に分布し易くなる。すなわち、冷媒流路部においてオイルが下端部位付近に偏在することが抑制される。
加えて、本観点の機器用冷却器は、冷媒流路部にオイルが縦に分布し易い構造において、冷媒流路部の冷媒出口部が冷媒流路部の上端部位よりも下端部位に近い位置に設定されている。これによると、冷媒流路部に存在するオイルが冷媒出口部に集まり易くなるので、機器用冷却器におけるオイルの滞留を抑制することができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係る冷凍サイクル装置を含む空調装置の概略構成図である。 冷凍サイクル装置に用いられる機器用冷却器の模式図である。 図2の矢印IIIで示す方向における機器用冷却器の模式図である。 冷凍サイクル装置に用いられる機器用冷却器の内部構成を示す模式的な断面図である。 冷凍サイクル装置の機器用冷却器に用いられるインナーフィンを示す模式図である。 冷凍サイクル装置に用いられる機器用冷却器の搭載状態を示す模式図である。 横置きの機器用冷却器における冷媒の流れ方を説明するための説明図である。 縦置きの機器用冷却器における冷媒の流れ方を説明するための説明図である。 機器用冷却器に用いられるインナーフィンの変形例を示す模式図である。 第2実施形態に係る冷凍サイクル装置に用いられる機器用冷却器の内部構成を示す模式的な断面図である。 第3実施形態に係る冷凍サイクル装置を含む機器冷却システムの概略構成図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
以下、本実施形態について図1~図8を参照して説明する。本実施形態は、車室内空間を適切な温度に調整する空調装置1に本開示の冷凍サイクル装置10を適用した例について説明する。本実施形態では、車室内空間が空調対象空間となる。
図1に示す冷凍サイクル装置10は、図示しないが、エンジンおよび走行用の電動モータから車両走行用の駆動力を得るハイブリッド車両に搭載される。このハイブリッド車両は、車両停車時に外部電源から供給された電力を車両に搭載されたバッテリBTに充電可能なプラグインハイブリッド車両として構成されている。エンジンから出力される駆動力は、車両走行用として用いられるだけでなく、モータジェネレータで発電するためにも用いられることがある。モータジェネレータで発電された電力および外部電源から供給された電力は、バッテリBTに蓄えられる。バッテリBTに蓄えられた電力は、走行用の電動モータだけでなく、冷凍サイクル装置10の構成機器を含む各種車載機器に供給される。
冷凍サイクル装置10は、車室内へ送風する送風空気を加熱する室内暖房、車室内へ送風する送風空気を冷却する室内冷房、およびバッテリBTを冷却する機器冷却を実施可能になっている。
冷凍サイクル装置10は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルで構成されている。冷凍サイクル装置10は、冷媒が循環する冷媒回路100を有する。冷凍サイクル装置10は、冷媒回路100に対して、圧縮機11、放熱器12、第1減圧部13、機器用冷却器14、第2減圧部15、空調用冷却器16、および蒸発圧力調整弁17が設けられている。
冷媒回路100には、冷媒としてフロン系冷媒(例えば、HFO134a)が封入されている。冷媒回路100は、サイクル内の高圧側の圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界サイクルになっている。なお、冷媒としては、HFO134a以外のものが採用されていてもよい。
冷媒には、圧縮機11を潤滑するためのオイル(すなわち、冷凍機油)が混入されている。オイルは、例えば、液冷媒に相溶性を有するポリアルキレングリコールオイル(すなわち、PAGオイル)が採用される。オイルは、その一部が冷媒と共にサイクル内を循環する。
冷媒回路100は、冷媒が流れる流路として、第1冷媒流路100a、第2冷媒流路100b、および第3冷媒流路100cを有する。冷媒回路100は、第2冷媒流路100bおよび第3冷媒流路100cは、冷媒が互いに並列に流れるように第1冷媒流路100aに対して接続されている。
第1冷媒流路100aには、圧縮機11および放熱器12が直列に配置されている。具体的には、第1冷媒流路100aには、圧縮機11の下流側に放熱器12が配置されている。
第2冷媒流路100bには、第1減圧部13および機器用冷却器14が直列に配置されている。具体的には、第2冷媒流路100bには、第1減圧部13の下流側に機器用冷却器14が配置されている。
第3冷媒流路100cには、第2減圧部15および空調用冷却器16が直列に配置されている。具体的には、第3冷媒流路100cには、第2減圧部15の下流側に空調用冷却器16が配置されている。
圧縮機11は、冷媒を圧縮して吐出する機器である。圧縮機11は、冷媒を圧縮する圧縮機構部を電動モータによって回転駆動する電動圧縮機で構成されている。圧縮機11は、後述する制御装置80から出力される制御信号によって電動モータの回転数が制御される。
圧縮機11の冷媒吐出側には、放熱器12が接続されている。放熱器12は、圧縮機11から吐出された冷媒を放熱させる。放熱器12は、圧縮機11から吐出された高温高圧の冷媒(以下、高圧冷媒とも呼ぶ)を、高温熱媒体回路30を循環する高温熱媒体に放熱させる熱交換器である。
放熱器12は、凝縮部121、受液部122、および過冷却部123を有している。凝縮部121は、高圧冷媒を高温熱媒体に放熱させることで凝縮させる。受液部122は、凝縮部121を通過した冷媒の気液を分離するとともに、分離された液冷媒をサイクル内の余剰冷媒として貯留する。過冷却部123は、受液部122に貯留された液冷媒を凝縮部121に流入する前の高温熱媒体に放熱させることで過冷却する。
放熱器12は、圧縮機11から吐出された冷媒を熱源として車室内に送風する送風空気を暖める。具体的には、放熱器12は、高温熱媒体回路30を介して、高圧冷媒を車室内へ送風する送風空気に放熱させて送風空気を加熱することが可能になっている。
ここで、高温熱媒体回路30は、高温熱媒体を循環させる回路である。高温熱媒体は、例えば、エチレングリコールを含む溶液、不凍液等が採用されている。本実施形態では、高温熱媒体が第1熱媒体を構成している。高温熱媒体回路30には、放熱器12、高温側ポンプ31、ヒータコア32、高温側ラジエータ33、高温側流量調整弁34等が配置されている。
高温側ポンプ31は、高温熱媒体回路30において、放熱器12に高温熱媒体を圧送するポンプである。高温側ポンプ31は、制御装置80から出力される制御信号に応じて回転数が制御される電動ポンプで構成されている。
ヒータコア32は、後述する室内空調ユニット60のケーシング61内に配置されている。ヒータコア32は、放熱器12にて加熱された高温熱媒体と後述する空調用冷却器16を通過した送風空気とを熱交換させて、送風空気を加熱する熱交換器である。
高温側ラジエータ33は、放熱器12にて加熱された高温熱媒体を外気に放熱させる熱交換器である。高温側ラジエータ33は、車両走行時に走行風が当たる車両の前方側に配置されている。高温側ラジエータ33およびヒータコア32は、高温熱媒体回路30において、高温熱媒体の流れに対して並列的に接続されている。
高温側流量調整弁34は、放熱器12にて加熱された高温熱媒体のうち、ヒータコア32に流入させる高温熱媒体の流量と高温側ラジエータ33に流入させる高温熱媒体の流量との流量比を調整する流量調整弁である。高温側流量調整弁34は、三方弁タイプの流量調整弁で構成されている。高温側流量調整弁34は、高温熱媒体回路30におけるヒータコア32の入口側と高温側ラジエータ33の入口側との接続部に配置されている。
このように構成される高温熱媒体回路30では、高温側流量調整弁34が上述の流量比を調整することで、高圧冷媒の使用態様を変更することができる。高温熱媒体回路30は、例えば、高温側流量調整弁34によりヒータコア32に流入する高温熱媒体の流量を増加させることで、高温熱媒体の熱を送風空気の加熱に使用して車室内を暖房することができる。一方、高温熱媒体回路30は、例えば、高温側流量調整弁34により高温側ラジエータ33に流入する高温熱媒体の流量を増加させることで、高温熱媒体の熱を外気に放出することができる。
放熱器12の出口側は、第2冷媒流路100bおよび第3冷媒流路100cに分岐している。第2冷媒流路100bには、第1減圧部13および機器用冷却器14が配置されている。第3冷媒流路100cには、第2減圧部15および空調用冷却器16が配置されている。
第1減圧部13は、全閉または全開する第1開閉弁131および第1膨張弁132を有している。第1開閉弁131は、第2冷媒流路100bを開閉する電磁弁である。第1開閉弁131は、後述する制御装置80からの制御信号に応じて開閉動作が制御される。
第1膨張弁132は、第2冷媒流路100bを流れる冷媒を減圧させる膨張弁である。第1膨張弁132は、弁体と電動アクチュエータを有する電気式膨張弁で構成されている。弁体は、冷媒流路の開度である絞り開度を変更可能に構成されている。電動アクチュエータは、弁体を変位させて第1膨張弁132の絞り開度を変化させるステッピングモータを含んでいる。第1膨張弁132は、後述する制御装置80からの制御信号に応じて絞り開度が制御される。
機器用冷却器14は、第1減圧部13で減圧された冷媒を、低温熱媒体回路40を循環する低温熱媒体と熱交換させることで、冷媒を蒸発させるチラーである。機器用冷却器14では、冷媒が低温熱媒体から吸熱して蒸発することで、低温熱媒体が冷却される。機器用冷却器14の詳細については後述する。
本実施形態の機器用冷却器14は、機器冷却時に第1減圧部13で減圧された冷媒の蒸発潜熱を利用してバッテリBTを冷却する冷却器として機能し、室内暖房時に吸熱器として機能する。具体的には、機器用冷却器14は、機器冷却時に低温熱媒体回路40を介してバッテリBTを冷却し、室内暖房時に外気から吸熱する。
ここで、低温熱媒体回路40は、低温熱媒体を循環させる回路である。低温熱媒体は、例えば、エチレングリコールを含む溶液、不凍液等が採用されている。本実施形態では、低温熱媒体が第2熱媒体を構成している。低温熱媒体回路40には、機器用冷却器14、低温側ポンプ41、バッテリ冷却部42、低温側ラジエータ43、第1流路切替弁44、第2流路切替弁45等が配置されている。
低温側ポンプ41は、低温熱媒体回路40において、機器用冷却器14に低温熱媒体を圧送するポンプである。低温側ポンプ41は、制御装置80から出力される制御信号に応じて回転数が制御される電動ポンプで構成されている。
バッテリ冷却部42は、低温熱媒体回路40を流れる低温熱媒体によってバッテリBTを冷却する。なお、バッテリBTは、図示しないインバータおよび充電器と電気的に接続される。バッテリBTは、インバータに電力を供給するとともに、充電器から供給される電力を蓄える。バッテリBTは、例えば、リチウムイオン電池で構成される。
低温側ラジエータ43は、機器用冷却器14にて冷却された低温熱媒体を外気と熱交換させて外気から吸熱する熱交換器である。低温側ラジエータ43は、高温側ラジエータ33とともに、車両走行時に走行風が当たる車両の前方側に配置されている。低温側ラジエータ43およびバッテリ冷却部42は、低温熱媒体回路40において、低温熱媒体の流れに対して並列的に接続されている。
第1流路切替弁44は、バッテリ冷却部42に低温熱媒体が流れる状態とバッテリ冷却部42に低温熱媒体が流れない状態とを切り替える。第1流路切替弁44は、制御装置80から出力される制御信号に応じて開閉動作が制御される電磁弁で構成されている。
第2流路切替弁45は、低温側ラジエータ43に低温熱媒体が流れる状態と低温側ラジエータ43に低温熱媒体が流れない状態とを切り替える。第2流路切替弁45は、制御装置80から出力される制御信号に応じて開閉動作が制御される電磁弁で構成されている。
このように構成される低温熱媒体回路40では、第1流路切替弁44および第2流路切替弁45によって低温熱媒体の流路を変えることで、低圧冷媒の使用態様を変更することができる。低温熱媒体回路40は、例えば、第1流路切替弁44を開放することで、機器用冷却器14で冷却された低温熱媒体によってバッテリBTを冷却することができる。一方、低温熱媒体回路40は、例えば、第2流路切替弁45を開放して、低温熱媒体を低温側ラジエータ43に流すことで、外気から低温熱媒体に吸熱させることができる。
第2減圧部15は、放熱器12の冷媒流れ下流側において第1減圧部13と並列に配置される。第2減圧部15は、全閉または全開する第2開閉弁151および第2膨張弁152を有している。第2開閉弁151は、第3冷媒流路100cを開閉する電磁弁である。第2開閉弁151は、後述する制御装置80からの制御信号に応じて開閉動作が制御される。
第2膨張弁152は、第3冷媒流路100cを流れる冷媒を減圧させる膨張弁である。第2膨張弁152は、弁体と電動アクチュエータを有する電気式膨張弁で構成されている。弁体は、冷媒流路の開度である絞り開度を変更可能に構成されている。電動アクチュエータは、弁体を変位させて第2膨張弁152の絞り開度を変化させるステッピングモータを含んでいる。第2膨張弁152は、後述する制御装置80からの制御信号に応じて絞り開度が制御される。
空調用冷却器16は、後述する室内空調ユニット60のケーシング61内に配置されている。空調用冷却器16は、第2減圧部15で減圧された冷媒と車室内へ送風する送風空気とを熱交換させて冷媒を蒸発させる熱交換器である。空調用冷却器16は、第2減圧部15で減圧された冷媒の蒸発潜熱を利用して送風空気を冷却する。すなわち、空調用冷却器16は、低圧冷媒が送風空気から吸熱して蒸発することで、送風空気が冷却される。
空調用冷却器16の冷媒出口側には、蒸発圧力調整弁17が配置されている。蒸発圧力調整弁17は、空調用冷却器16の出口側の冷媒の圧力を機器用冷却器14の出口側の冷媒の圧力よりも高い圧力に維持するための圧力調整弁である。具体的には、蒸発圧力調整弁17は、空調用冷却器16の出口側の冷媒の温度が、空調用冷却器16の着霜を抑制可能な温度(例えば、1℃)以上に維持されるように構成されている。
このように構成される冷凍サイクル装置10は、蒸発圧力調整弁17の下流側で、第2冷媒流路100bおよび第3冷媒流路100cが第1冷媒流路100aに接続されている。冷凍サイクル装置10は、機器用冷却器14および空調用冷却器16が受液部を介さずに圧縮機11の冷媒吸入側に接続されるサイクル構成(すなわち、アキュムレータレスサイクル)になっている。具体的には、冷凍サイクル装置10は、サイクル内の高圧側に受液部122が設けられ、サイクル内の低圧側に受液部が設けられていないサイクル構成(すなわち、レシーバサイクル)になっている。
続いて、本実施形態の機器冷却器14について説明する。図2に示すように、機器用冷却器14は、複数の板状部材14aが積層された状態で接合されることによって一体的に形成されている。板状部材14aは、細長の略矩形状の板材である。
板状部材14aは、例えば、アルミニウム製の心材の両面にロウ材をクラッドした両面クラッド材が用いられる。板状部材14aの外周縁部には、板状部材14aの板面に略直交する方向に突出する張出部14bが形成されている。複数の板状部材14aは、互いに積層された状態で張出部14b同士がロウ付けにより接合されている。なお、複数の板状部材14aは、張出部14bの突出先端が同じ向きとなるように配置されている。
機器用冷却器14は、複数の板状部材14aによって、冷媒と低温熱媒体とを熱交換させるコア部140、冷媒分配部143、冷媒集合部144、熱媒体分配部145、および熱媒体集合部146が形成されている。
コア部140は、冷媒が流通する複数の冷媒流路部141および低温熱媒体が流通する複数の熱媒体流路部142を有している。コア部140は、複数の冷媒流路部141および複数の熱媒体流路部142が交互に積層されて構成される流路積層体である。
板状部材14aは、冷媒流路部141および熱媒体流路部142を仕切る隔壁の役割を果たしている。冷媒流路部141を流れる冷媒と熱媒体流路部142を流れる低温熱媒体との熱交換は、板状部材14aを介して行われる。
コア部140は、直方体状に構成されている。なお、「直方体状」とは、厳密に直方体だけを示すものではなく、多少の異形部分を有していたとしても全体としての概略形状が直方体であることを意味する。
図3に示すように、コア部140は、板状部材14aの積層方向DRstから見た外形状が略矩形状になっている。そして、冷媒流路部141および熱媒体流路部142は、外形寸法のうち、板状部材14aの積層方向DRstに直交する第1方向の寸法L1が、積層方向DRstおよび第1方向それぞれに直交する第2の方向の寸法L2よりも大きくなっている。なお、第1方向は、冷媒流路部141の長手方向DRlである。また、第2方向は、冷媒流路部141の短手方向DRsである。
ここで、図2の紙面上下方向は、板状部材14aの積層方向DRstに対応する。図2の紙面左右方向は、コア部140の積層方向DRstと直交し、冷媒流路部141の長手方向DRlに対応する。図2の紙面奥行方向は、コア部140の積層方向DRstおよび冷媒流路部141の長手方向DRlそれぞれと直交し、冷媒流路部141の短手方向DRsに対応する。
冷媒分配部143および熱媒体集合部146は、コア部140において、冷媒流路部141および熱媒体流路部142の長手方向DRlの一方側に形成されている。冷媒集合部144および熱媒体分配部145は、コア部140において、冷媒流路部141および熱媒体流路部142の長手方向DRlの他方側に形成されている。
図3に示すように、冷媒分配部143、冷媒集合部144、熱媒体分配部145、および熱媒体集合部146は、板状部材14aの四隅に形成された連通孔によって構成されている。冷媒分配部143および冷媒集合部144は、板状部材14aの四隅のうち対角線上にある2つの隅部に形成されている。また、熱媒体分配部145および熱媒体集合部146は、残りの2つの隅部に形成されている。
ここで、複数の冷媒流路部141には、冷媒分配部143を介して冷媒が分配される。このため、冷媒分配部143は複数の冷媒流路部141の冷媒入口部を構成する。また、複数の冷媒流路部141を通過した冷媒は、冷媒集合部144に集合する。このため、冷媒集合部144は複数の冷媒流路部141の冷媒出口部を構成する。
複数の板状部材14aは、積層方向DRstの外側に位置する第1端部板状部材14cおよび第2端部板状部材14dを含んでいる。第1端部板状部材14cには、冷媒分配部143が形成された位置に、冷媒配管を接続するための入口コネクタ14eが取り付けられ、冷媒集合部144が形成された位置に、冷媒配管を接続するための出口コネクタ14fが取り付けられている。また、第1端部板状部材14cには、熱媒体分配部145が形成された位置に、熱媒体配管と接続するための入口管14gが取り付けられ、熱媒体集合部146が形成された位置に、熱媒体配管を接続するための出口管14hが取り付けられている。
ここで、図4に示すように、コア部140を構成する複数の板状部材14aは、板状部材14aの四隅に積層方向DRstの一端側または他端側に向かって突出する略円筒状の突出部14iを有している。突出部14iにより、冷媒分配部143、冷媒集合部144、熱媒体分配部145、熱媒体集合部146が形成されている。
このように構成される機器用冷却器14は、図2の実線矢印に示すように、入口コネクタ14e側から流入した冷媒が、冷媒分配部143を通過する際に、複数の冷媒流路部141に分配される。そして、複数の冷媒流路部141に分配された冷媒は、長手方向DRlの一方側から他方側に向けて流れる。その後、複数の冷媒流路部141を流れる冷媒は、冷媒集合部144に集合し、出口コネクタ14f側から外部に流出する。
また、機器用冷却器14は、図2の破線矢印に示すように、入口管14g側から流入した低温熱媒体が、熱媒体分配部145を通過する際に、複数の熱媒体流路部142に分配される。そして、複数の熱媒体流路部142に分配された低温熱媒体は、長手方向DRlの他方側から一方側に向けて流れる。その後、複数の熱媒体流路部142を流れる低温熱媒体は、熱媒体集合部146に集合し、出口管14h側から外部に流出する。
本実施形態の機器用冷却器14は、コア部140を通過する冷媒の流れと低温熱媒体の流れとが互いに反対方向(すなわち、対向流)になるように構成されている。これによると、コア部140における冷媒と低温熱媒体との温度差が維持されることで、低温熱媒体から冷媒に吸熱し易くなる。
ここで、板状部材14a同士の間には、図5に示すオフセットフィン147が配置されている。オフセットフィン147は、板状部材14a同士の間に介在し、冷媒と低温熱媒体との間での熱交換を促進させるインナーフィンである。
オフセットフィン147は、部分的に切り起こされた切り起こし部147aが形成された板状の部材である。切り起こし部147aは、冷媒および低温熱媒体の流れ方向と平行な方向F1に多数形成されている。
冷媒および低温熱媒体の流れ方向と平行な方向F1に隣り合う切り起こし部147a同士は、互いにオフセットされている。図5の例では、多数個の切り起こし部147aは、冷媒および低温熱媒体の流れ方向と平行な方向F1に千鳥配置されている。
ところで、冷凍サイクル装置10は、サイクル内の低圧側で冷媒の温度が非常に低くなり、冷媒密度が小さくなる。このため、空調用冷却器16および機器用冷却器14を通過する冷媒の流量が小さくなる。加えて、サイクル内の低圧側では、冷媒の温度低下によってオイルの粘性が大きくなる。
本実施形態の冷凍サイクル装置10では、空調用冷却器16および機器用冷却器14のうち、空調用冷却器16の出口側に蒸発圧力調整弁17が接続されている。このため、空調用冷却器16の出口側の圧力低下は蒸発圧力調整弁17によって制限される。一方、機器用冷却器14の出口側の圧力低下は特に制限されない。
また、空調用冷却器16は、冷媒の温度を低くし過ぎると、空気中の水分が氷結して空調用冷却器16の表面に霜が付着してしまうことがある。このため、冷凍サイクル装置10では、空調用冷却器16に流入する冷媒の下限温度が氷点付近の温度(例えば、-1℃から1℃)に設定される。
一方、機器用冷却器14は、例えば、室内暖房時に吸熱器として機能する。機器用冷却器14は、低温の熱媒体から吸熱するために、極低温(例えば、-10℃から-30℃程度)の冷媒が通過することがある。このような事態は、例えば、低温側ラジエータ43が着霜状態となったり、外気温が極低温まで低下したりすると生ずる。
このように、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、機器用冷却器14の出口側の温度が空調用冷却器16の出口側の温度よりも低くなることがある。このため、機器用冷却器14は、空調用冷却器16よりも冷媒の流量が小さくなり易く、空調用冷却器16に比べてオイルが滞留し易くなっている。
これに対して、冷凍サイクル装置10は、機器用冷却器14がオイルの滞留が抑制されるように構成されている。具体的には、機器用冷却器14は、図6に示すように、冷媒流路部141の長手方向DRl(すなわち、第1方向)が鉛直方向に近くなる姿勢で設置されている。換言すれば、機器用冷却器14は、冷媒流路部141のうちコア部140の積層方向DRstに直交する方向において寸法が大きくなる方が鉛直方向に近くなる姿勢で設置されている。具体的には、機器用冷却器14は、冷媒流路部141の長手方向DRlが鉛直方向に一致する姿勢で設置されている。なお、機器用冷却器14は、冷媒流路部141の長手方向DRlが鉛直方向に対して若干傾いた姿勢で設置されていてもよい。
加えて、コア部140には、冷媒流路部141の冷媒出口部を構成する冷媒集合部144が、冷媒流路部141の上端部位141aよりも冷媒流路部141の下端部位141bに近い位置に設定されている。
冷媒流路部141は、冷媒集合部144に向かって流れる冷媒がダウンフローとなるように構成されている。すなわち、冷媒流路部141は、少なくとも冷媒集合部144に近い流路が冷媒集合部144の上方に位置付けられている。具体的には、冷媒流路部141を流れる冷媒の大部分がダウンフローとなるように、冷媒集合部144が冷媒分配部143よりも上方側に設定されている。
次に、室内空調ユニット60について図1を参照して説明する。図1に示す室内空調ユニット60は、車室内へ送風する送風空気を適温に調整するためのものである。室内空調ユニット60は、車室内の最前部のインストルメントパネルの内側に配置されている。室内空調ユニット60は、外殻を形成するケーシング61の内側に、空調用冷却器16およびヒータコア32等が収容されている。
ケーシング61は、車室内へ送風する送風空気の空気流路を形成する通路形成部である。図示しないが、ケーシング61の空気流れ上流側には、ケーシング61の内側へ導入する内気と外気との導入割合を調整する内外気箱が配置されている。
ケーシング61の内側には、内外気箱から導入される空気を車室内へ送風するための送風機62が配置されている。送風機62は、遠心ファンを電動モータで回転させる電動送風機で構成されている。送風機62は、後述する制御装置80から出力される制御信号に応じて回転数が制御される。
ケーシング61の内側には、送風機62の空気流れ下流側に空調用冷却器16が配置されている。ケーシング61の内側には、空調用冷却器16の空気流れ下流側が、温風流路63および冷風流路64に分けられている。温風流路63には、ヒータコア32が配置されている。冷風流路64は、空調用冷却器16を通過した空気をヒータコア32を迂回して流すための流路である。
ケーシング61の内側には、空調用冷却器16とヒータコア32との間にエアミックスドア65が配置されている。エアミックスドア65は、温風流路63を通過させる空気および冷風流路64を通過させる空気の風量割合を調整するものである。ケーシング61の内側には、温風流路63および冷風流路64の下流側に、温風流路63を通過した温風と冷風流路64を通過した冷風とを混合させるエアミックス空間66が形成されている。図示しないが、ケーシング61の内側には、空気流れの最下流部に、エアミックス空間66で所望の温度に調整された送風空気を車室内へ吹き出すための複数の開口穴が形成されている。
次に、空調装置1の電子制御部の概要について説明する。制御装置80は、プロセッサ、メモリを含むコンピュータとその周辺回路とで構成されている。制御装置80は、メモリに記憶されたプログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種機器を制御する。なお、制御装置80のメモリは、非遷移的実体的記憶媒体で構成されている。
制御装置80の出力には、冷凍サイクル装置10の構成機器を含む各種機器が接続されている。具体的には、制御装置80の出力側には、圧縮機11、第1減圧部13、第2減圧部15、高温側ポンプ31、高温側流量調整弁34、低温側ポンプ41、各流路切替弁44、45、送風機62、エアミックスドア65等が接続されている。
制御装置80の入力側には、空調制御用のセンサ群81が接続されている。このセンサ群81には、内気温センサ、外気温センサ、日射センサ、各冷却器14、16の出口側の圧力および温度を検出するPTセンサ等が含まれている。
したがって、制御装置80には、センサ群81の検出信号が入力される。これにより、冷凍サイクル装置10は、センサ群81で検出した物理量に対応して、車室内に送風される送風空気の温度等を調整することができ、快適な空調を実現することができる。
制御装置80の入力側には、種々の入力操作に用いられる操作パネル82が接続されている。操作パネル82は、インストルメントパネル付近に配置されており、各種操作スイッチを有している。制御装置80には、操作パネル82に設けられた各種操作スイッチからの操作信号が入力される。
操作パネル82の各種操作スイッチには、オートスイッチ、運転モード切替スイッチ、風量設定スイッチ、温度設定スイッチ、吹出モード切替スイッチ等が含まれている。冷凍サイクル装置10は、操作パネル82による入力を受け付けることで、冷凍サイクル装置10の運転モードを適宜切り替えることができる。
次に、上述のように構成される空調装置1の作動について説明する。空調装置1は、運転モードとして、室内冷房、機器冷却、および室内暖房を実行可能に構成されている。このため、本実施形態では、室内冷房、機器冷却、および室内暖房毎に空調装置1の作動を説明する。
<室内冷房>
室内冷房は、室内空調ユニット60で所望の温度に冷却した空気を車室内に吹き出す運転モードである。制御装置80は、室内冷房時における各種機器の作動状態をセンサ群81の検出信号および操作パネル82の操作信号を用いて適宜決定する。
例えば、制御装置80は、第1開閉弁131が全閉となるとともに、第2開閉弁151が全開となり、さらに、第2膨張弁152の絞り開度が所定開度となるように各減圧部13、15を制御する。室内冷房時の所定開度は、例えば、空調用冷却器16の出口側の冷媒状態が過熱度を有する過熱状態となる開度に設定される。
また、制御装置80は、放熱器12を通過する高温熱媒体の全量が高温側ラジエータ33に流れるように、高温側流量調整弁34を制御する。さらに、制御装置80は、温風流路63が全閉され、且つ、冷風流路64が全開される位置にエアミックスドア65を制御する。制御装置80は、その他の機器に対する制御信号について、センサ群81の検出信号および操作パネル82の操作信号を用いて適宜決定する。
室内冷房時に冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が放熱器12の凝縮部121に流入する。凝縮部121に流入した冷媒は、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体に対して放熱して凝縮する。これにより、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体が加熱されて昇温する。
凝縮部121で加熱された高温熱媒体は、高温側ラジエータ33に流れ、外気に放熱される。すなわち、室内冷房時は、サイクル内の高圧冷媒が高温熱媒体を介して外気に放熱される。
一方、凝縮部121を通過した冷媒は、受液部122に流入して気液が分離される。そして、受液部122で分離された液冷媒が過冷却部123に流入する。過冷却部123に流入した冷媒は、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体に放熱して過冷却される。
過冷却部123から流出した冷媒は、第2減圧部15に流入し、第2減圧部15の第2膨張弁152にて減圧される。なお、室内冷房時は、第1開閉弁131が全閉になっているので、冷媒が第1膨張弁132に流入せず、冷媒の全量が第2減圧部15にて減圧される。
第2減圧部15で減圧された冷媒は、空調用冷却器16に流入する。空調用冷却器16に流入した冷媒は、送風機62からの送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風機62からの送風空気が冷却される。
空調用冷却器16を通過した冷媒は、蒸発圧力調整弁17を介して圧縮機11に吸入される。圧縮機11に吸入された冷媒は、圧縮機11にて再び高圧冷媒となるまで圧縮される。
以上の如く、室内冷房時には、空調用冷却器16にて冷却された送風空気を車室内へ吹き出すことによって、車室内の冷房を行うことができる。
<機器冷却>
機器冷却は、冷媒の蒸発潜熱を利用して発熱機器であるバッテリBTを冷却する運転モードである。制御装置80は、機器冷却時における各種機器の作動状態をセンサ群81の検出信号および操作パネル82の操作信号を用いて適宜決定する。
例えば、制御装置80は、第2開閉弁151が全閉となるとともに、第1開閉弁131が全開となり、さらに、第1膨張弁132の絞り開度が所定開度となるように各減圧部13、15を制御する。機器冷却時の所定開度は、例えば、機器用冷却器14の出口側の冷媒状態が過熱度を有する過熱状態となる開度に設定される。
また、制御装置80は、放熱器12を通過する高温熱媒体の全量が高温側ラジエータ33に流れるように、高温側流量調整弁34を制御する。さらに、制御装置80は、機器用冷却器14を通過する低温熱媒体の全量がバッテリ冷却部42に流れるように、第1流路切替弁44が全開状態となり、第2流路切替弁45が全閉状態となるように制御する。制御装置80は、その他の機器に対する制御信号について、センサ群81の検出信号および操作パネル82の操作信号を用いて適宜決定する。
機器冷却時に冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が放熱器12の凝縮部121に流入する。凝縮部121に流入した冷媒は、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体に対して放熱して凝縮する。これにより、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体が加熱されて昇温する。
凝縮部121で加熱された高温熱媒体は、高温側ラジエータ33に流れ、外気に放熱される。すなわち、機器冷却時は、サイクル内の高圧冷媒が高温熱媒体を介して外気に放熱される。
一方、凝縮部121を通過した冷媒は、受液部122に流入して気液が分離される。そして、受液部122で分離された液冷媒が過冷却部123に流入する。過冷却部123に流入した冷媒は、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体に放熱して過冷却される。
過冷却部123から流出した冷媒は、第1減圧部13に流入し、第1減圧部13の第1膨張弁132にて減圧される。なお、機器冷却時は、第2開閉弁151が全閉になっているので、冷媒が第2膨張弁152に流入せず、冷媒の全量が第1減圧部13にて減圧される。
第1減圧部13で減圧された冷媒は、機器用冷却器14に流入する。機器用冷却器14に流入した冷媒は、低温熱媒体回路40を流れる低温熱媒体から吸熱して蒸発する。これにより、低温熱媒体が冷却される。機器用冷却器14を通過した冷媒は、圧縮機11に吸入される。圧縮機11に吸入された冷媒は、圧縮機11にて再び高圧冷媒となるまで圧縮される。
ここで、機器用冷却器14で冷却された低温熱媒体は、バッテリ冷却部42に流れ、バッテリBTから吸熱する。これにより、バッテリBTが冷却される。すなわち、機器冷却時は、機器用冷却器14における冷媒の蒸発潜熱を利用してバッテリBTが冷却される。
以上の如く、機器冷却時には、機器用冷却器14にて冷却された低温熱媒体をバッテリ冷却部42に供給することで、バッテリBTの冷却を行うことができる。
ここで、上述の機器冷却では、放熱器12を通過する高温熱媒体の全量が高温側ラジエータ33に流れるように、高温側流量調整弁34が制御されるものを例示したが、これに限定されない。例えば、機器冷却時に車室内の暖房が必要となる場合、放熱器12を通過する高温熱媒体がヒータコア32に流れるように制御装置80によって高温側流量調整弁34が制御されてもよい。これによると、機器冷却と室内暖房を同時に実施することが可能となる。
また、上述の機器冷却では、第2開閉弁151が全閉となるとともに、第1開閉弁131が全開となり、さらに、第1膨張弁132の絞り開度が所定開度となるように各減圧部13、15が制御されるものを例示したが、これに限定されない。例えば、機器冷却時に室内冷房が必要となる場合、第2開閉弁151が全開となるとともに、第2膨張弁152の絞り開度が所定開度となるように制御装置80によって第2減圧部15が制御されてもよい。これによると、機器冷却と室内冷房を同時に実施することが可能となる。
<室内暖房>
室内暖房は、室内空調ユニット60で所望の温度に加熱した空気を車室内に吹き出す運転モードである。制御装置80は、室内暖房時における各種機器の作動状態をセンサ群81の検出信号および操作パネル82の操作信号を用いて適宜決定する。
例えば、制御装置80は、第2開閉弁151が全閉となるとともに、第1開閉弁131が全開となり、さらに、第1膨張弁132の絞り開度が所定開度となるように各減圧部13、15を制御する。室内暖房時の所定開度は、室内暖房に適した開度に設定される。
また、制御装置80は、放熱器12を通過する高温熱媒体の全量がヒータコア32に流れるように、高温側流量調整弁34を制御する。さらに、制御装置80は、機器用冷却器14を通過する低温熱媒体の全量が低温側ラジエータ43に流れるように、第1流路切替弁44が全閉状態となり、第2流路切替弁45が全開状態となるように制御する。
制御装置80は、冷風流路64が全閉され、且つ、温風流路63が全開される位置にエアミックスドア65を制御する。制御装置80は、その他の機器に対する制御信号について、センサ群81の検出信号および操作パネル82の操作信号を用いて適宜決定する。
室内暖房時に冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が放熱器12の凝縮部121に流入する。凝縮部121に流入した冷媒は、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体に対して放熱して凝縮する。これにより、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体が加熱されて昇温する。
凝縮部121で加熱された高温熱媒体は、ヒータコア32に流れ、車室内へ送風する送風空気に放熱される。すなわち、室内暖房時は、サイクル内の高圧冷媒が高温熱媒体を介して車室内へ送風する送風空気に放熱される。
一方、凝縮部121を通過した冷媒は、受液部122に流入して気液が分離される。そして、受液部122で分離された液冷媒が過冷却部123に流入する。過冷却部123に流入した冷媒は、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体に放熱して過冷却される。
過冷却部123から流出した冷媒は、第1減圧部13に流入し、第1減圧部13の第1膨張弁132にて減圧される。なお、室内暖房時は、第2開閉弁151が全閉になっているので、冷媒が第2膨張弁152に流入せず、冷媒の全量が第1減圧部13にて減圧される。
第1減圧部13で減圧された冷媒は、機器用冷却器14に流入する。機器用冷却器14に流入した冷媒は、低温熱媒体回路40を流れる低温熱媒体から吸熱して蒸発する。これにより、低温熱媒体が冷却される。機器用冷却器14で冷却された低温熱媒体は、低温側ラジエータ43に流れ、外気から吸熱する。
機器用冷却器14を通過した冷媒は、圧縮機11に吸入される。圧縮機11に吸入された冷媒は、圧縮機11にて再び高圧冷媒となるまで圧縮される。
以上の如く、室内暖房時には、ヒータコア32にて加熱された送風空気を車室内へ吹き出すことによって、車室内の暖房を行うことができる。
ここで、上述の室内暖房時には、低温熱媒体がバッテリ冷却部42を通過しないように第1流路切替弁44が全閉状態に制御されるものを例示したが、これに限定されない。室内暖房時には、低温熱媒体がバッテリ冷却部42を通過するように制御装置80によって第1流路切替弁44が全開状態に制御されてもよい。
これによると、低温熱媒体を介してバッテリBTの排熱を機器用冷却器14で冷媒に吸熱させることができる。したがって、バッテリBTの排熱を車室内へ送風する送風空気を加熱するための熱源として用いることができる。
冷凍サイクル装置10は、室内暖房時に機器用冷却器14が吸熱器として機能する。機器用冷却器14は、低温の熱媒体を介して外気から吸熱するために、極低温(例えば、-10℃から-30℃程度)の冷媒が通過することがある。この場合、冷媒の流量が減少するとともに、オイルの粘性が大きくなることで、機器用冷却器14にオイルが滞留し易くなる。
図7は、機器用冷却器14を横置きで設置した際の冷媒流路部141を示している。換言すれば、図7は、冷媒流路部141の短手方向DRsが鉛直方向に一致する向きで機器用冷却器14を設置した際の冷媒流路部141を示している。
図7に示すように、横置きの機器用冷却器14では、冷媒分配部143から冷媒流路部141に流入した気液二相の冷媒が冷媒集合部144に向けて流れる。冷媒流路部141を通過する液冷媒は、低温熱媒体から吸熱して蒸発する。そして、液冷媒が蒸発する際に冷媒からオイルが分離する。冷媒から分離されたオイルの一部は、重力によって冷媒流路部141の下方側に落下する。これにより、冷媒流路部141の下方側には、オイルが滞留するオイル滞留部OPが形成される。このオイル滞留部OPは、冷媒分配部143の下方に形成され易い。
横置きの機器用冷却器14では、冷媒流路部141の長手方向DRlが水平方向に近い状態となるので、オイル滞留部OPが横長となるが、オイル滞留部OPから冷媒集合部144までの距離Laが大きいことで、オイルの滞留が解消され難い。
一方、図8は、機器用冷却器14を縦置きで設置した際の冷媒流路部141を示している。すなわち、図8は、本実施形態の機器用冷却器14の設置状態での冷媒流路部141を示している。
図8に示すように、縦置きの機器用冷却器14では、冷媒流路部141の下方側にオイル滞留部OPが形成される。縦置きの機器用冷却器14では、冷媒流路部141の長手方向DRlが鉛直方向に近い状態となるので、オイル滞留部OPが縦長となる。すなわち、冷媒流路部141においてオイルが下端部位141b付近に偏在することが抑制される。加えて、縦置きの機器用冷却器14は、オイル滞留部OPから冷媒集合部144までの距離Lbが小さくなるので、オイルの滞留が解消され易い。
以上説明した冷凍サイクル装置10は、機器用冷却器14がオイルの滞留が抑制されるように構成されている。具体的には、機器用冷却器14は、冷媒流路部141の長手方向DRl(すなわち、第1方向)が鉛直方向に近くなる姿勢で設置されている。これによれば、機器用冷却器14の冷媒流路部141においてオイルが横ではなく、縦に分布し易くなる。すなわち、機器用冷却器14の冷媒流路部141においてオイルが下端部位141b付近に偏在することが抑制される。
加えて、機器用冷却器14は、冷媒流路部141にオイルが縦に分布し易い構造において、冷媒集合部144が冷媒流路部141の上端部位141aよりも下端部位141bに近い位置に設定されている。これによると、冷媒流路部141に存在するオイルが冷媒集合部144に集まり易くなるので、機器用冷却器14におけるオイルの滞留を抑制することができる。
また、機器用冷却器14の冷媒流路部141は、冷媒集合部144に向かって流れる冷媒がダウンフローとなるように構成されている。具体的には、冷媒集合部144が冷媒分配部143よりも上方側に設定されている。これによると、冷媒流路部141に存在するオイルが、重力によって落下する冷媒の流れによって冷媒集合部144側に押し流され易くなるので、機器用冷却器14におけるオイルの滞留を抑制することができる。
ここで、冷凍サイクル装置10は、放熱器12が受液部122を有し、機器用冷却器14および空調用冷却器16の出口側が圧縮機11の冷媒吸入側に接続されている。このように、サイクル内の高圧側に受液部122が設けられた構成は、機器用冷却器14および空調用冷却器16の出口側に受液部を備える構成に比べて、機器用冷却器14の熱交換性能を発揮し易くなる。このため、本構成によれば、機器用冷却器14におけるオイルの滞留を抑制しつつ、機器用冷却器14の熱交換性能を適切に発揮させることができる。
また、空調用冷却器16の冷媒流れ下流側には、空調用冷却器16の出口側の冷媒の圧力を機器用冷却器14の出口側の冷媒の圧力よりも高い圧力に維持するための蒸発圧力調整弁17が配置されている。これによると、空調用冷却器16および機器用冷却器14の双方に冷媒が流れる場合に、空調用冷却器16および機器用冷却器14を流れる冷媒をそれぞれに適した温度に調整することが可能となる。
(第1実施形態の変形例)
上述の第1実施形態では、機器用冷却器14として、内部にオフセットフィン147が配置されるものを例示したが、これに限定されない。機器用冷却器14は、オフセットフィン147以外のインナーフィンが内部に配置されていてもよい。インナーフィンとしては、例えば、図9に示すコルゲートフィン148を採用することができる。コルゲートフィン148は、波形状に折り曲げられたフィンである。本例のコルゲートフィン148は、板面にスリット状のルーバ148aが形成されている。なお、コルゲートフィン148は、板面にルーバ148aが形成されていなくてもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図10を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図10に示すように、機器用冷却器14には、冷媒流路部141および熱媒体流路部142それぞれにインナーフィンが配置されていない。その一方で、機器用冷却器14を構成する板状部材14aは、冷媒流路部141および熱媒体流路部142を隔てる部位141cが波形状に折り曲げられている。これによると、機器用冷却器14の内側における冷媒と低温熱媒体との伝熱面積が大きくなることで、冷媒と低温熱媒体との間での熱交換が促進される。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の機器用冷却器14は、第1実施形態と共通の構成を有している。このため、第1実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図11を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
本実施形態では、発熱機器であるバッテリBTを冷却するための機器冷却システムに本開示の冷凍サイクル装置10Aを適用した例について説明する。図11に示す冷凍サイクル装置10Aは、バッテリBTを冷却する機器冷却を実施可能になっている。
冷凍サイクル装置10Aは、圧縮機11A、放熱器12A、減圧部13A、および機器用冷却器14A、および制御装置80を備えている。冷凍サイクル装置10Aの冷媒回路100には、圧縮機11A、放熱器12A、減圧部13A、および機器用冷却器14Aがこの順序で配置されている。なお、圧縮機11Aおよび機器用冷却器14Aは、第1実施形態で説明した圧縮機11および機器用冷却器14と同様に構成されることから、その説明を省略する。
放熱器12Aは、圧縮機11から吐出された冷媒を放熱させる。放熱器12Aは、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を、第1熱媒体である外気に放熱させる熱交換器である。放熱器12Aは、車両走行時に走行風が当たる車両の前方側に配置されている。
具体的には、放熱器12Aは、冷媒を凝縮させる凝縮部121A、凝縮部121Aを通過した冷媒の気液を分離するとともに、サイクル内で余剰となる液冷媒を貯留する受液部122Aを有する。凝縮部121Aは、例えば、複数のチューブをアウターフィンで接続するフィンアンドチューブ型の熱交換器で構成される。なお、受液部122Aは、第1実施形態で説明した受液部122と同様に構成される。
放熱器12の出口側には減圧部13Aが接続されている。減圧部13Aは、放熱器12を通過した冷媒を減圧する膨張弁である。減圧部13Aは、弁体と電動アクチュエータを有する電気式膨張弁で構成されている。弁体は、冷媒流路の開度である絞り開度を変更可能に構成されている。電動アクチュエータは、弁体を変位させて減圧部13Aの絞り開度を変化させるステッピングモータを含んでいる。減圧部13Aは、制御装置80からの制御信号に応じて絞り開度が制御される。
機器用冷却器14Aは、減圧部13Aで減圧された冷媒を、低温熱媒体回路40Aを循環する低温熱媒体と熱交換させることで、冷媒を蒸発させるチラーである。機器用冷却器14Aは、減圧部13Aで減圧された冷媒を第2熱媒体である低温熱媒体と熱交換させて低温熱媒体から吸熱する吸熱器である。
ここで、低温熱媒体回路40Aは、低温熱媒体を循環させる回路である。低温熱媒体回路40Aには、機器用冷却器14A、低温側ポンプ41A、バッテリ冷却部42A等が配置されている。低温側ポンプ41Aおよびバッテリ冷却部42Aは、第1実施形態で説明した低温側ポンプ41Aおよびバッテリ冷却部42Aと同様に構成されている。
このように構成される機器冷却システムは、冷凍サイクル装置10における冷媒の蒸発潜熱を利用して発熱機器であるバッテリBTを冷却する。制御装置80は、バッテリBTを冷却する機器冷却時に、各種機器の作動状態をセンサ群81の検出信号および操作パネル82の操作信号を用いて適宜決定する。例えば、制御装置80は、減圧部13Aの絞り開度が所定開度となるように制御する。なお、所定開度は、例えば、機器用冷却器14Aの出口側の冷媒状態が過熱度を有する過熱状態となる開度に設定される。
冷凍サイクル装置10Aでは、圧縮機11Aから吐出された高圧冷媒が放熱器12Aの凝縮部121Aに流入する。凝縮部121Aに流入した冷媒は、外気に放熱して凝縮する。凝縮部121Aを通過した冷媒は、受液部122Aに流入して気液が分離される。そして、受液部122Aで分離された液冷媒が減圧部13Aに流入し、減圧部13Aにて減圧される。
減圧部13Aで減圧された冷媒は、機器用冷却器14Aに流入する。機器用冷却器14Aに流入した冷媒は、低温熱媒体回路40Aを流れる低温熱媒体から吸熱して蒸発する。これにより、低温熱媒体が冷却される。機器用冷却器14Aを通過した冷媒は、圧縮機11Aに吸入される。圧縮機11Aに吸入された冷媒は、圧縮機11Aにて再び高圧冷媒となるまで圧縮される。
ここで、機器用冷却器14Aで冷却された低温熱媒体は、バッテリ冷却部42Aに流れ、バッテリBTから吸熱する。これにより、バッテリBTが冷却される。すなわち、機器冷却時は、機器用冷却器14における冷媒の蒸発潜熱を利用してバッテリBTが冷却される。
以上の如く、機器冷却システムは、機器冷却時に、機器用冷却器14にて冷却された低温熱媒体をバッテリ冷却部42に供給することで、バッテリBTの冷却を行うことができる。
本実施形態の冷凍サイクル装置10Aは、第1実施形態と共通の構成を有している。このため、第1実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態では、冷凍サイクル装置10として、室内冷房、機器冷却、および室内暖房を実施可能なものを例示したが、これに限定されない。冷凍サイクル装置10は、例えば、室内冷房および室内暖房だけを実施可能に構成されていてもよい。また、冷凍サイクル装置10は、車室内の除湿暖房を実施可能に構成されていてもよい。
上述の実施形態で説明した冷凍サイクル装置10の各構成は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。圧縮機11は、例えば、内燃機関により駆動されるものが採用されていてもよい。放熱器12は、例えば、受液部122や過冷却部123が省略され、凝縮部121だけを備える構成になっていてよい。第1膨張弁132、第2膨張弁152、および減圧部13Aは、例えば、少なくとも一方が機械式膨張弁や固定絞りで構成されていてもよい。第1開閉弁131および第2開閉弁151は、例えば、第1膨張弁132および第2膨張弁152の下流側に配置されていてもよい。また、第1減圧部13および第2減圧部15は、全閉機能を有する電気式膨張弁で構成されていてもよい。蒸発圧力調整弁17は、例えば、第3冷媒流路100cではなく第2冷媒流路100bに配置されていてもよい。
上述の実施形態では、機器用冷却器14として、冷媒流路部141および熱媒体流路部142が積層方向DRstに1本ずつ交互に積層配置されているものを例示したが、これに限定されない。機器用冷却器14は、例えば、冷媒流路部141および熱媒体流路部142が積層方向DRstに複数本ずつ交互に積層配置されていてもよい。
上述の実施形態では、機器用冷却器14として、冷媒の流れがUターンしない冷媒流路部141を含んで構成されているものを例示したが、これに限定されない。機器用冷却器14は、例えば、冷媒の流れがUターンする冷媒流路部141を含んで構成されていてもよい。機器用冷却器14は、冷媒流路部141が冷媒の流れがUターンする場合、少なくとも冷媒集合部144に向かう流れがダウンフローとなるように設置されることが望ましい。
上述の実施形態では、機器用冷却器14として、冷媒の流れと低温熱媒体の流れとが互いに反対方向(すなわち、対向流)になっているものを例示したが、これに限定されない。機器用冷却器14は、例えば、冷媒の流れと低温熱媒体の流れとが互いに同じ方向(すなわち、平行流)になっていてもよい。
上述の実施形態では、機器用冷却器14として、インナーフィンを備えるものや板状部材14aの一部が波形状に形成されるものを例示したが、これに限定されない。機器用冷却器14は、例えば、インナーフィンがなく、且つ、板状部材14aの一部が波形状に形成されて構成になっていてもよい。
上述の実施形態の如く、機器用冷却器14の冷媒流路部141は、冷媒集合部144に向かって流れる冷媒がダウンフローとなるように構成されていることが望ましいが、これに限定されない。機器用冷却器14の冷媒流路部141は、冷媒集合部144に向かって流れる冷媒がダウンフローにならないように構成されていてもよい。
上述の実施形態の如く、機器用冷却器14の冷媒流路部141は、冷媒分配部143が冷媒集合部144よりも上方側に設定されていることが望ましいが、これに限定されない。機器用冷却器14の冷媒流路部141は、例えば、冷媒分配部143と冷媒集合部144とが同様の位置に設定されていてもよい。
上述の実施形態では、高温熱媒体および低温熱媒体として不凍液等の液体が用いられる例を説明したが、これに限定されない。高温熱媒体および低温熱媒体は、熱伝導性に優れていれば気体が採用されていてもよい。
上述の実施形態で説明した高温熱媒体回路30の各構成は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。高温熱媒体回路30は、例えば、ヒータコア32および高温側ラジエータ33それぞれに対応して設けられた2つの流量調整弁によってヒータコア32および高温側ラジエータ33に流れる冷媒の流量比が調整される構成になっていてもよい。
上述の実施形態で説明した低温熱媒体回路40の各構成は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。低温熱媒体回路40は、三方弁タイプの流路切替弁によって流路切替がなされる構成になっていてもよい。
また、低温熱媒体回路40を流れる低温熱媒体で冷却する機器は、作動時に発熱を伴う発熱機器であれば、バッテリBT以外の機器であってもよい。
車載される発熱機器は、バッテリBT以外に走行用の駆動力を出力する電動モータ、電動モータに供給させる電力の周波数を変換するインバータ、バッテリBTに電力を充電するための充電器等がある。
このため、低温熱媒体回路40は、バッテリBTだけでなく、電動モータ、インバータ、充電器等を冷却するように構成されていてもよい。このような構成は、各種の発熱機器を低温熱媒体の流れに対して並列的あるいは直列的に接続することで実現可能である。
また、上述の実施形態では、高温側ラジエータ33および低温側ラジエータ43の関係について言及していないが、高温側ラジエータ33および低温側ラジエータ43は、互いに独立した構成に限定されない。例えば、高温側ラジエータ33および低温側ラジエータ43は、高温熱媒体の有する熱と低温熱媒体の有する熱が互いに熱移動可能に一体化されていてもよい。具体的には、高温側ラジエータ33および低温側ラジエータ43の一部の構成部品(例えば、熱交換フィン)を共通化することによって、熱媒体同士が熱移動可能に一体化されていてもよい。
上述の実施形態では、冷凍サイクル装置10をハイブリッド車両の空調装置1や機器冷却システムに適用したものを例示したが、これに限定されない。冷凍サイクル装置10は、例えば、電動車両の空調装置1や機器冷却システムに適用可能である。また、冷凍サイクル装置10は、車両のような移動体ではなく、定置型の装置やシステムにも適用可能である。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
上述の実施形態において、センサから車両の外部環境情報(例えば、外気温)を取得することが記載されている場合、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報を受信することも可能である。あるいは、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報に関連する関連情報を取得し、取得した関連情報からその外部環境情報を推定することも可能である。
本開示に記載の制御装置及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御装置及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御装置及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移実態的記憶媒体に記憶されていてもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、熱交換器は、冷媒が流通する複数の冷媒流路部と熱媒体が流通する複数の熱媒体流路部とが交互に積層されて構成される流路積層体を備える。流路積層体は、冷媒流路部のうち積層方向に直交する方向において寸法が大きくなる方が鉛直方向に近くなる姿勢で設置されている。そして、冷媒流路部の冷媒出口部は、冷媒流路部の上端部位よりも冷媒流路部の下端部位に近い位置に設定されている。
第2の観点によれば、熱交換器の冷媒流路部は、冷媒出口部に向かって流れる冷媒がダウンフローとなるように構成されている。これによると、冷媒流路部に存在するオイルが、重力によって落下する冷媒の流れによって冷媒出口部側に押し流され易くなるので、熱交換器におけるオイルの滞留を抑制することができる。ここで、「ダウンフロー」とは、重力の方向に沿って流れる下向きの流れだけではなく、下向きの成分を含む流れも含まれる。
第3の観点によれば、熱交換器の冷媒流路部は、冷媒入口部が冷媒出口部よりも上方側に設定されている。これによれば、冷媒流路部に存在するオイルが、重力によって落下する冷媒の流れによって冷媒出口部側に押し流され易くことがあるので、熱交換器におけるオイルの滞留を抑制することができる。
第4の観点によれば、冷凍サイクル装置は、圧縮機、放熱器、減圧部、および吸熱器を備える。吸熱器は、冷媒が流通する複数の冷媒流路部と熱媒体が流通する複数の熱媒体流路部とが交互に積層されて構成される流路積層体を有する。流路積層体は、冷媒流路部のうち積層方向に直交する方向において寸法が大きくなる方が鉛直方向に近くなる姿勢で設置されている。そして、冷媒流路部の冷媒出口部は、冷媒流路部の上端部位よりも冷媒流路部の下端部位に近い位置に設定されている。
第5の観点によれば、放熱器は、冷媒を凝縮させる凝縮部、凝縮部を通過した冷媒の気液を分離するとともに、サイクル内で余剰となる液冷媒を貯留する受液部を有する。そして、吸熱器は、冷媒の出口側が圧縮機の冷媒吸入側に接続されている。
このように、サイクル内の高圧側に受液部を設ける構成(いわゆるレシーバサイクル)は、吸熱器の出口側に受液部を備える構成(いわゆるアキュムレータサイクル)に比べて、吸熱器の熱交換性能を発揮し易くなる。このため、本観点によれば、吸熱器におけるオイルの滞留を抑制しつつ、吸熱器の熱交換性能を適切に発揮させることができる。なお、アキュムレータサイクルは、受液部によって圧縮機の冷媒吸入側での損失が生ずるため、レシーバサイクルに比べて吸熱器の熱交換性能が低くなる。
第6の観点によれば、冷凍サイクル装置は、圧縮機、放熱器、第1減圧部、第2減圧部、機器用冷却器、および空調用冷却器を備える。機器用冷却器は、冷媒が流通する複数の冷媒流路部と熱媒体が流通する複数の熱媒体流路部とが交互に積層されて構成される流路積層体を有する。流路積層体は、冷媒流路部のうち積層方向に直交する方向において寸法が大きくなる方が鉛直方向に近くなる姿勢で設置されている。そして、冷媒流路部の冷媒出口部は、冷媒流路部の上端部位よりも冷媒流路部の下端部位に近い位置に設定されている。
第7の観点によれば、放熱器は、冷媒を凝縮させる凝縮部、凝縮部を通過した冷媒の気液を分離するとともに、サイクル内で余剰となる液冷媒を貯留する受液部を有する。そして、機器用冷却器および空調用冷却器は、冷媒の出口部が圧縮機の冷媒吸入側に接続されている。このように、サイクル内の高圧側に受液部を設ける構成は、機器用冷却器および空調用冷却器の出口側に受液部を備える構成に比べて、機器用冷却器の熱交換性能を発揮し易くなる。このため、本観点によれば、機器用冷却器におけるオイルの滞留を抑制しつつ、機器用冷却器の熱交換性能を適切に発揮させることができる。
第8の観点によれば、空調用冷却器の冷媒流れ下流側には、空調用冷却器の出口側の冷媒の圧力を機器用冷却器の出口側の冷媒の圧力よりも高い圧力に維持するための圧力調整弁が配置されている。これによると、空調用冷却器および機器用冷却器の双方に冷媒が流れる場合に、空調用冷却器および機器用冷却器を流れる冷媒をそれぞれに適した温度に調整することが可能となる。
14 機器用冷却器(熱交換器、吸熱器)
140 コア部
141 冷媒流路部
141a 上端部位
141b 下端部位
142 熱媒体流路部
143 冷媒分配部(冷媒入口部)
144 冷媒集合部(冷媒出口部)

Claims (7)

  1. 冷凍サイクル装置であって、
    オイルを含む冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11A)と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を第1熱媒体に放熱させる放熱器(12A)と、
    前記放熱器を通過した冷媒を減圧する減圧部(13A)と、
    前記減圧部で減圧された冷媒を第2熱媒体と熱交換させて第2熱媒体から吸熱する吸熱器(14A)と、を備え、
    前記吸熱器(14A)は、冷媒が流通する複数の冷媒流路部(141)と第2熱媒体が流通する複数の熱媒体流路部(142)とが交互に積層されて構成される流路積層体(140)を有し、
    複数の前記冷媒流路部は、外形寸法のうち前記流路積層体の積層方向に直交する第1方向の寸法が前記積層方向および前記第1方向それぞれに直交する第2方向の寸法よりも大きくなっており、
    前記流路積層体は、複数の前記冷媒流路部それぞれに冷媒の入口となる冷媒入口部(143)および冷媒の出口となる冷媒出口部(144)が設けられるとともに、前記第1方向が鉛直方向に近くなる姿勢で設置されており、
    前記冷媒出口部は、前記冷媒流路部の上端部位(141a)よりも前記冷媒流路部の下端部位(141b)に近い位置であって、前記冷媒出口部よりも上方に設定された前記冷媒入口部に対して前記第2方向にずれた位置に設定されており、
    前記冷媒入口部には、前記減圧部で減圧された気液二相の冷媒が導入され、
    前記冷媒入口部よりも下方にある前記冷媒出口部は、複数の前記冷媒流路部を流れ落ちる際に前記第2熱媒体から吸熱して蒸発した冷媒がオイルとともに導出される、冷凍サイクル装置。
  2. 前記放熱器は、冷媒を凝縮させる凝縮部(121A)、前記凝縮部を通過した冷媒の気液を分離するとともに、サイクル内で余剰となる液冷媒を貯留する受液部(122A)を有し、
    前記吸熱器は、冷媒の出口側が前記圧縮機の冷媒吸入側に接続されている、請求項に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 冷凍サイクル装置であって、
    オイルを含む冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を熱源として空調対象空間に送風する送風空気を暖める放熱器(12)と、
    前記放熱器を通過した冷媒を減圧する第1減圧部(13)と、
    前記放熱器の冷媒流れ下流側において前記第1減圧部と並列に配置される第2減圧部(15)と、
    発熱機器を冷却する機器冷却時に前記第1減圧部で減圧された冷媒の蒸発潜熱を利用して前記発熱機器(BT)を冷却する冷却器として機能し、前記放熱器を通過する冷媒を熱源として前記空調対象空間に送風する送風空気を加熱する室内暖房時に吸熱器として機能する機器用冷却器(14)と、
    前記第2減圧部で減圧された冷媒の蒸発潜熱を利用して前記空調対象空間に送風する送風空気を冷却する空調用冷却器(16)と、を備え、
    前記機器用冷却器は、冷媒が流通する複数の冷媒流路部(141)と熱媒体が流通する複数の熱媒体流路部(142)とが交互に積層されて構成される流路積層体(140)を有し、
    複数の前記冷媒流路部は、外形寸法のうち前記流路積層体の積層方向に直交する第1方向の寸法が前記積層方向および前記第1方向それぞれに直交する第2方向の寸法よりも大きくなっており、
    前記流路積層体は、複数の前記冷媒流路部それぞれに冷媒の入口となる冷媒入口部(143)および冷媒の出口となる冷媒出口部(144)が設けられるとともに、前記第1方向が鉛直方向に近くなる姿勢で設置されており、
    前記冷媒出口部は、前記冷媒流路部の上端部位(141a)よりも前記冷媒流路部の下端部位(141b)に近い位置であって、前記冷媒出口部よりも上方に設定された前記冷媒入口部に対して前記第2方向にずれた位置に設定されており、
    前記冷媒入口部には、前記第1減圧部で減圧された気液二相の冷媒が導入され、
    前記冷媒入口部よりも下方にある前記冷媒出口部は、複数の前記冷媒流路部を流れ落ちる際に前記熱媒体から吸熱して蒸発した冷媒がオイルとともに導出される、冷凍サイクル装置。
  4. 前記放熱器は、冷媒を凝縮させる凝縮部(121)、前記凝縮部を通過した冷媒の気液を分離するとともに、サイクル内で余剰となる液冷媒を貯留する受液部(122)を有し、
    前記機器用冷却器および前記空調用冷却器は、冷媒の出口部が前記圧縮機の冷媒吸入側に接続されている、請求項に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記空調用冷却器の冷媒流れ下流側には、前記空調用冷却器の出口側の冷媒の圧力を前記機器用冷却器の出口側の冷媒の圧力よりも高い圧力に維持するための圧力調整弁(17)が配置されている、請求項またはに記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記冷媒流路部は、前記冷媒出口部に向かって流れる冷媒がダウンフローとなるように構成されている、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記冷媒流路部は、前記冷媒入口部が前記冷媒出口部よりも上方側に設定されている、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
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