[第1実施例]
図1を参照して、この発明の第1実施例である画像形成システム100は、情報処理装置10および画像形成装置70を含む。
情報処理装置10は、スーパーマーケット、レストランまたはコンビニエンスストアなどの店舗、並びに駅、バスターミナル、空港、役所または図書館などの公共施設に配置されるマルチメディアキオスク(MMK)端末である。この情報処理装置10は、配置される場所に応じて各種情報または所定の商品若しくはサービスを利用者(ユーザ)に提供する。たとえば、情報処理装置10は、写真等を印刷(プリント)するサービスをユーザに提供することができる。したがって、情報処理装置10は、印刷装置(プリンタ)であるともいえる。また、詳細は後述するが、情報処理装置10は、画像形成装置70と協働して、コピー、ファクス(FAX)、スキャンおよび印刷などの所定のサービスをユーザに提供することもできる。
なお、この明細書では、ユーザの立ち位置に対向する面、つまり後述するディスプレイ14の表示面が設けられる側の面を前面(正面)として情報処理装置10およびその構成部材の前後方向(奥行方向)を規定し、情報処理装置10およびその構成部材の左右方向(横方向)は、ユーザから情報処理装置10を見た状態を基準として規定する。これらのことは、画像形成装置70についても同様である。
図1および図2に示すように、情報処理装置10は、操作部としても機能するタッチパネル12付きのディスプレイ14、記憶媒体接続部16、紙片用プリンタ18、符号読取部20、近距離通信部22、貨幣処理部24、および写真印刷部26を含む装置本体28を備える。また、装置本体28の前面には、前ドア(前扉)30が設けられる。たとえば、前ドア30は、ヒンジなどを用いて装置本体28に開閉可能に取り付けられる。
タッチパネル12付きのディスプレイ14は、装置本体28(情報処理装置10)の上面を形成する上部パネル28aに設けられる。ただし、上部パネル28aの上面(装置本体28の上面)は、後方(情報処理装置10の背面側)から前方(情報処理装置10の前面側)に向かって下り勾配となる傾斜面となっており、タッチパネル12付きのディスプレイ14は、上部パネル28aの前後方向の略中央に回動可能に設けられる。
タッチパネル12は、汎用のタッチパネルであり、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。この第1実施例では、タッチパネル12としては、静電容量方式のタッチパネルが用いられ、ディスプレイ14の表示面上にタッチパネル12が設けられる。ただし、タッチパネル12とディスプレイ14とが一体的に形成されたタッチパネルディスプレイが用いられてもよい。ディスプレイ14としては、たとえばLCDまたはEL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを用いることができる。
記憶媒体接続部16は、各種の記憶媒体を装着するための装着部を含む。記憶媒体接続部16に接続可能な記憶媒体は、光ディスク(たとえばCD-R、DVD-RおよびBD-Rなど)および持ち運びが可能な可搬型の不揮発性メモリ(たとえばUSBメモリ、SDメモリカードおよびメモリースティックなどのフラッシュメモリ)などがある。本実施例では、記憶媒体接続部16は、光ディスク接続部(光学ドライブ)およびメモリ接続部(メモリスロット部)を含み、光ディスクは、光ディスク接続部に装着され、可搬型の不揮発性メモリは、メモリ接続部に装着される。
紙片用プリンタ18は、たとえばサーマルプリンタ(感熱式プリンタ)またはドットインパクトプリンタであり、レシート、ジャーナルまたはクーポン券などの画像が印刷された紙片を発行する。具体的には、紙片用プリンタ18は、ロール紙上に各種の文字列、画像、コードパターン(バーコードなど)などを印刷し、印刷済の紙片を排紙部(排紙口)18aから排出(排紙)する。
符号読取部20は、たとえばレーザスキャナまたはカメラなどを含み、商品、商品の包装、カード、レシートなどに付された符号またはユーザ端末(携帯端末)の画面に表示された符号などを読み取ることができる。符号読取部20で読み取ることができる符号には、バーコード(1次元バーコード)または2次元コード(たとえばQRコード(登録商標)、マイクロQRコード、DataMATRIX、MaxiCODEおよびVeriCODEなど)などがある。
近距離通信部22は、たとえば、ISO/IEC18092等の通信規格(いわゆるNFC(Near Field Communication))に従って、通信対象との間で無線による非接触のデータ通信を行うものである。たとえば、近距離通信部22は、Felica(登録商標)等の通信規格に従って、ICカード、携帯端末(フィーチャーフォン、スマートフォンおよびタブレットPC等)、身分証、会員証または社員証などの通信対象との間で無線による非接触のデータ通信を行う。近距離通信部22の通信可能距離は、数cm~数m程度である。たとえば、近距離通信部22は、通信対象に対して、通信対象に記憶されたデータの読み出しを指示する信号(読出し命令)を送信する。通信対象は、読出し命令に対する応答としてデータを近距離通信部22に送信する。また、近距離通信部22は、通信対象に書き込むデータ(書き込みデータ)とともに書き込みを指示する信号(書き込み命令)を送信する。通信対象は、書き込み命令に従って、受信した書き込みデータを記憶部に書き込む(記憶する)。
また、近距離通信部22がデータ通信を行う通信対象には、所謂電子マネー媒体が含まれる。電子マネー媒体とは、ICカードおよび携帯端末等であって、少なくとも電子マネーの残高(電子マネー残高)についてのデータを含む電子マネーによる決済(電子決済)に係るデータ(電子マネーデータ)を記憶する記憶部を備える媒体のことである。この場合、近距離通信部22は、電子マネー媒体に対して、電子マネー媒体に記憶された電子マネーデータの読み出しを指示する読出し命令を送信する。電子マネー媒体は、読出し命令に対する応答として電子マネーデータを近距離通信部22に送信する。また、近距離通信部22は、電子マネー媒体に書き込む書き込みデータとともに書き込みを指示する書き込み命令を送信する。電子マネー媒体は、書き込み命令に従って、受信した書き込みデータを記憶部に記憶する。このように、近距離通信部22は、電子マネー読取部としても機能する。
貨幣処理部(釣銭機)24は、貨幣投入部24aおよび硬貨返却口24bを含む。なお、貨幣投入部24aおよび硬貨返却口24bを含む貨幣処理部24の構成部品は、前ドア30に取り付けられる。貨幣投入部24aは、硬貨投入口、紙幣投入口および釣銭返却レバー等を含み、前ドア30の上端部に配置される。一方、硬貨返却口24bは、貨幣投入部24aよりも下方であって、貨幣投入部24aに対して所定の間隔を隔てて配置される。
硬貨投入口から投入された硬貨および紙幣投入口から投入された紙幣は、それぞれ種類毎に分類され、釣銭機本体に収容される。詳しくは、釣銭機本体に設けられる貨幣格納部に収容される。貨幣格納部は、硬貨用の格納部および紙幣用の格納部を含む。硬貨または紙幣が投入されると、硬貨用の格納部に収容された硬貨の種類および枚数と、紙幣用の格納部に収容された紙幣の種類および枚数とに応じて、投入金額が算出される。情報処理装置10において所定のサービス等が実行されると、そのサービス等の内容に応じた費用(サービス等の提供に係る料金)が投入金額から減算され、投入金額から料金を差し引いて残った金額(残額)が算出される。また、釣銭返却レバーが操作されると、残額に応じて、硬貨または紙幣が返却される。ただし、硬貨は、硬貨返却口24bから返却され、紙幣は、紙幣投入口から返却される。
ただし、貨幣処理部24における貨幣での決済に代えて、またはこれに加えて、電子決済が行われることがある。たとえば、サービス等が選択された後に、情報処理装置10のディスプレイ14に複数の電子マネーのブランド(種類)を表示して、ユーザに決済用の電子マネーを選択させ、決済用の電子マネーを利用して決済を行い、決済が完了されることでサービス等が提供される。
また、電子決済では、情報処理装置10において利用可能な電子マネーに対応する電子マネー媒体が近距離通信部22にかざされると、近距離通信部22によって電子マネー媒体に含まれる電子マネーデータが読み取られる。このとき、電子マネーデータに含まれる電子マネー残高が読み取られる。そして、提供されるサービス等の内容に応じた費用が電子マネー残高から減算される。
写真印刷部26は、たとえば昇華型プリンタまたはインクジェットプリンタ(特に染料インクを用いるインクジェットプリンタ)であり、光沢紙等の写真用の用紙(写真用紙)またはラベル・シール用の用紙(シール紙)上に画像を印刷する。シール紙は、画像が印刷される面(印刷面)の裏面に、粘着剤(のり)が塗布された粘着層が形成され、この裏面には、容易に剥がせる剥離紙(台紙または裏紙)が接着されている。
また、写真印刷部26は、上下方向に積み重ねられた第1印刷ユニット260と第2印刷ユニット262とを含む。本実施例では、第1印刷ユニット260が下側(下段)に配置され、第2印刷ユニット262が上側(上段)に配置される。さらに、本実施例では、第1印刷ユニット260は、写真用紙上に画像を印刷する所謂写真プリンタであり、第2印刷ユニット262は、シール紙上に画像を印刷する所謂シールプリンタである。
また、第1印刷ユニット260および第2印刷ユニット262には、写真用紙またはシール紙(以下、まとめて「記録紙」ということがある。)がロール状に巻かれた状態(所謂ロール紙の状態)でセットされている。第1印刷ユニット260および第2印刷ユニット262では、記録紙供給装置(図示せず)によって繰り出されるロールの記録紙の一部を任意の大きさで切断し、切断された記録紙に画像が印刷(形成)される。
ここで、写真印刷部26で記録紙に画像を形成するための画像データとしては、記憶媒体接続部16に接続された記憶媒体に記憶された画像データ、またはサーバ等の外部コンピュータから送信された画像データ等が利用される。また、写真印刷部26で印刷される記録紙のサイズは、L判サイズ(89mm×127mm)、スクエア(正方形)サイズ(127mm×127mm)または2L判サイズ(178mm×127mm)などである。
写真印刷部26(第1印刷ユニット260または第2印刷ユニット262)で印刷された記録紙は、装置本体28(前ドア30)の内部に形成された排紙通路Rを通って積載トレイ32(図3~図7等参照)に排出される。前ドア30には、積載トレイ32と、積載トレイ32に積載された記録紙を取り出すためのプリント取出口26aが設けられ、プリント取出口26aには、開閉可能な蓋体26bが設けられる。なお、排紙通路Rおよび積載トレイ32の具体的な構成は後述する。
図1に戻って、画像形成装置(第1画像形成装置に相当)70は、印刷(プリント)機能、複写機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。
画像形成装置70は、画像読取部72、画像形成部74、給紙部76および排紙トレイ78を含む装置本体80を備える。ただし、画像形成装置70は、情報処理装置10の近傍に設置される。本実施例では、画像形成装置70は、情報処理装置10の右側に隣接して設けられる。
画像読取部72は、透明材によって形成される原稿載置台を備え、装置本体80に内蔵される。原稿載置台の上方には、ヒンジ等を介して原稿押えカバー72aが開閉自在に取り付けられる。
また、画像読取部72は、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える。この画像読取部72は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度または色度が検出され、原稿表面の画像に基づく読取画像データが生成される。ラインセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)またはCIS(Contact Image Sensor)等が用いられる。
画像形成部74は、装置本体80に内蔵され、画像読取部72の下方に設けられる。この画像形成部74は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置および定着装置などを備える電子写真方式の画像形成部である。また、画像形成部74は、カラーのプリント機能を備えており、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色について、感光体ドラム、帯電装置および現像装置等を含む画像形成ステーションが構成される。たとえば、画像形成部74は、給紙部76等から搬送される所定の記録媒体(用紙)上に電子写真方式によって画像を形成し、画像形成済みの用紙を画像読取部72および画像形成部74の間に設けられる排紙トレイ78に排出する。
ただし、用紙上に画像を形成するための印刷画像データとしては、画像読取部72で読み取った読取画像データ、情報処理装置10から送信された画像データ、または外部コンピュータから送信された画像データ等が利用される。なお、画像形成部74は、電子写真方式の画像形成部に限定されない。たとえば、画像形成部74は、たとえばインクジェット式の画像形成部であっても良い。
また、図示は省略するが、情報処理装置10の装置本体28には、制御部、主記憶部および通信モジュール等が内蔵される。さらに、画像形成装置70の装置本体80にも同様に、制御部、主記憶部および通信モジュール等が内蔵される。情報処理装置10の制御部および画像形成装置70の制御部のそれぞれは、CPUおよびメモリ等を含む。情報処理装置10の制御部は、情報処理装置10の各部位に制御信号を送信し、情報処理装置10に種々の動作を実行させ、画像形成装置70の制御部は、画像形成装置70の各部位に制御信号を送信し、画像形成装置70に種々の動作を実行させる。ただし、本実施例では、情報処理装置10の制御部は、画像形成システム100の主制御部として機能し、画像形成装置70の制御部は、画像形成システム100の副制御部として機能する。すなわち、主制御部を備える情報処理装置10が画像形成システム100の主制御装置(マスター装置)として機能する。
さらに、情報処理装置10の主記憶部および画像形成装置70の主記憶部のそれぞれは、ROMまたはHDD等を含み、情報処理装置10の制御部および画像形成装置70の制御部のそれぞれが画像形成システム100の各部位の動作を制御するための制御プログラム、各種情報についてのデフォルト値および各種の画面についての表示画像データ等を適宜記憶する。情報処理装置10の通信モジュールおよび画像形成装置70の通信モジュールのそれぞれは、インターネットなどのネットワークに接続するための通信回路を含む。この通信回路は、有線通信回路または無線通信回路であり、制御部からの指示に従って、ネットワークを介して、外部コンピュータ(外部端末)と通信する。なお、情報処理装置10と画像形成装置70とは、それぞれの通信モジュールを介して、互いに通信可能である。
次に、図3~図7を参照して、写真印刷部26、積載トレイ32および排紙通路Rの構成について説明する。
図3~5に示すように、第1印刷ユニット260は、印刷済みの記録紙(第1記録紙)を排出する第1排紙部260aを側面部に有する。また、第2印刷ユニット262も同様に、印刷済みの記録紙(第2記録紙)を排出する第2排紙部262aを側面部に有する。これら第1排紙部260aおよび第2排紙部262aは、横長の矩形枠状に形成され、同じ方向を向くように配置される。この実施例では、第1排紙部260aおよび第2排紙部262aのそれぞれは、第1印刷ユニット260および第2印刷ユニット262のそれぞれの前面に配置される。なお、本実施例では、第1排紙部260aおよび第2排紙部262aのそれぞれは、第1印刷ユニット260および第2印刷ユニット262のそれぞれ自体に形成されているが、これに限定されず、第1排紙部260aおよび第2排紙部262aのそれぞれは、第1印刷ユニット260および第2印刷ユニット262のそれぞれに取り付けられる別の部材によって形成されていてもよい。
図3および図5に示すように、積載トレイ32は、第1排紙部260aおよび第2排紙部262aから排出された記録紙(第1記録紙および第2記録紙)を受け止めて積載(収容)しておく部位であり、第1排紙部260aおよび第2排紙部262aの下方に設けられる。また、積載トレイ32は、上側に解放された上部空間を有する有底矩形筒状に形成され、積載トレイ32の前壁320は、上方に向かうに従って前方に傾斜するように設けられる。記録紙は、この前壁320の上面(又は内面)に寄り掛かるように積載される。また、積載トレイ32の上部空間は、硬貨返却口24bの右隣りに横並びで配置されるプリント取出口26aと連通しており、積載トレイ32に積載された記録紙は、このプリント取出口26aからこの上部空間を介して取り出すことが可能である。このように、プリント取出口26aが硬貨返却口24bと横並びで配置されることによって、硬貨返却口24bの下側にプリント取出口26aを配置することと比較して、記録紙の取り忘れを低減できる。また、情報処理装置10が載置される床面からプリント取出口26aまでの距離L1(図5参照)を大きくして、プリント取出口26aをできるだけ高い場所に配置することができ、ユーザが腰をかがめる量が少なくなり、記録紙の取り出しが容易となる(記録紙の取出性が向上する)。
ただし、図5および図6に示すように、積載トレイ32は、第1排紙部260aおよび第2排紙部262aに対して左右方向(第1排紙部260aおよび第2排紙部262aの排紙方向と直交する方向、言い換えると第1排紙部260aおよび第2排紙部262aから排出され、落下する記録紙の幅方向)および前後方向(落下する際の記録紙の厚み方向)において異なる(オフセットされた)位置に配置される。
本実施例では、図5に示すように、積載トレイ32は、前後方向においては第1排紙部260aおよび第2排紙部262aよりも前面側(前寄りの位置)に配置される。このようにするのは、第1印刷ユニット260および第2印刷ユニット262は、貨幣処理部24を避けるために貨幣処理部24の前後方向の厚み分、前ドア30の前面から背面側に所定距離離れて配置する必要があり、その一方で、積載トレイ32に積載された記録紙を取り出しやすくするために、積載トレイ32はできるだけ前面側に(前ドア30の前面との距離に近づくように)配置する必要があるからである。
また、図6に示すように、積載トレイ32は、左右方向においては第1排紙部260aおよび第2排紙部262aよりも右側(右寄りの位置)に配置される。第1印刷ユニット260および第2印刷ユニット262は、左右方向において装置本体28(前ドア30)の略中央に配置されており、第1印刷ユニット260および第2印刷ユニット262の左右方向の中心位置PCは、装置本体28の左右方向の中心位置と略同じである。一方、積載トレイ32の左右方向の中心位置TCは、印刷ユニット(装置本体28)の中心位置PCよりも右側に位置する。このようにするのは、貨幣処理部24と写真印刷部26とが左右方向において重なる(オーバーラップする)ように配置されているので、貨幣処理部24の構造物を避ける位置に積載トレイ32を配置する必要があることに加え、積載トレイ32に対応するプリント取出口26aと硬貨返却口24bとを横並びで配置するためである。
図3~図7に示すように、積載トレイ32の上方には、上下開口の矩形筒状に形成される排紙ガイド34が設けられる。排紙ガイド34は、第1排紙部260aおよび第2排紙部262aから排出された記録紙を積載トレイ32に導く(ガイドする)ための排紙通路(ガイド経路)Rを形成するものである。排紙ガイド34の下端(下部開口)は、積載トレイ32の上部開口に連通しており、第1排紙部260a又は第2排紙部262aから排紙された記録紙は、排紙ガイド34内に形成される排紙通路Rを起立姿勢で落下移動することで、積載トレイ32に導かれる。
この排紙ガイド34は、排紙通路Rを落下する記録紙の幅方向側縁を挟むようにして記録紙の幅方向の端部(左右の端部)を案内する第1側壁40および第2側壁42、排紙通路Rを落下する記録紙の表裏面を挟むようにして記録紙の表面または裏面を案内する第1案内壁44および第2案内壁46を備える。
第1側壁40は、排紙ガイド34の左壁を構成し、第2側壁42は、排紙ガイド34の右壁を構成する。したがって、第1側壁40は、記録紙の左端部を案内し、第2側壁42は、記録紙の右端部を案内する。上述したように、積載トレイ32は、左右方向においては第1排紙部260aおよび第2排紙部262aよりも右側(右寄り)に配置されるので、第1側壁40は、左右方向において積載トレイ32から遠い側(積載トレイ32の反対側)の側壁であり、第2側壁42は、左右方向において積載トレイ32に近い側(積載トレイ32側)の側壁である。
第1案内壁44は、排紙ガイド34の後壁を構成し、第1排紙部260aおよび第2排紙部262aと対向して上下方向に延びるように設けられる。第2案内壁46は、排紙ガイド34の前壁を構成する。ここで、第1案内壁44は、第2案内壁46と所定間隔L2(図5および図6参照)で対向するように設けられ、第2案内壁46よりも第1排紙部260aおよび第2排紙部262a側に配置される。第2案内壁46の用紙案内面には、左右方向(つまり記録紙の幅方向)に所定間隔で並び、上下方向に延びる複数の案内リブ(突条)が形成される。これらの案内リブは、第1案内壁44に設けてもよい。
第1案内壁44と第2案内壁46と間の間隔(つまり記録紙の厚み方向における排紙通路Rの大きさ)L2は、写真印刷部26に適用される最大サイズの記録紙(たとえば2L判サイズ)が最大量カールした場合でも通過できる程度の大きさに設定される。一方で、第1案内壁44と第2案内壁46と間の間隔L2を大きくし過ぎると、情報処理装置10(装置本体28)の前後方向の大型化を招くという問題がある。このため、本実施例では、第1案内壁44と第2案内壁46と間の間隔L2は、想定される最大カール量の2L判サイズの記録紙が通過でき、かつ、情報処理装置10が必要以上に大きくならない程度の大きさに設定されており、たとえば80mmである。
また、第1案内壁44には、第1排紙部260aと対向する位置に横長矩形状の開口が形成されており、この開口が第1排紙部260aから排出された記録紙を受け入れる第1受入口36となる。さらに、排紙ガイド34の上部開口は、第2排紙部262aから排出された記録紙を受け入れるための第2受入口38となる。
また、図7~図9に示すように、排紙通路(ガイド経路)Rには、第1排紙部260aおよび第2排紙部262aに対してオフセット配置された積載トレイ32に、記録紙をスムーズに導くための、第1傾斜部48、第2傾斜部50、対向傾斜部54および拡大傾斜部56が設けられる。第1傾斜部48、第2傾斜部50、対向傾斜部54および拡大傾斜部56のそれぞれは、少なくとも第1受入口36よりも下方に設けられる。
第1傾斜部48は、第1側壁40の下方に設けられ、下方に向かうに従って積載トレイ32側(積載トレイ32の中心)または第2側壁42側に寄るように、すなわち積載トレイ32側に向かって下り勾配となるように傾斜する。本実施例では、第1傾斜部48は、下方に向かうに従って右側に寄るように右下がりに傾斜する。ただし、第1傾斜部48は、前後方向には傾斜していない。なお、第1傾斜部48の傾斜角度は、水平方向に対して60°~70°である。
対向傾斜部54は、第2側壁42の下方に設けられ、第1傾斜部48との間隔を維持するように、下方に向かうに従って第1側壁40(第1傾斜部48)の反対側に向かうように(第1傾斜部48と同じ傾斜方向で)傾斜する。すなわち、対向傾斜部54は、下方に向かうに従って右側に寄るように右下がりに傾斜する。なお、対向傾斜部54は、前後方向には傾斜していない。ただし、第1傾斜部48と対向傾斜部54との間隔は、L判サイズの対角線の長さPW(155mm)よりも所定距離だけ大きくなるように設定される(図8参照)。すなわち、第1傾斜部48と対向傾斜部54との間には、L判サイズの対角線の長さPWに加えて所定の隙間が設定される。なお、L判サイズの対角線の長さPWに加える隙間の寸法は、第1傾斜部48の傾斜角度が水平方向に対して65°の場合、10mm下がる毎に4.6mm積載トレイ32側(第2側壁42側)に突出するので、その半分以下(たとえば2.1mm)に設定される。この対向傾斜部54を設けることによって、第1傾斜部48が第2側壁42側(右側)にせり出してくる部分に記録紙が詰まることを抑制ないし防止できる。
第2傾斜部50は、第1案内壁44の下方に設けられ、下方に向かうに従って積載トレイ32側に寄るように、すなわち積載トレイ32側に向かって下り勾配となるように傾斜する。本実施例では、第2傾斜部50は、下方に向かうに従って前面側に寄るように前下がりに傾斜する。ただし、第2傾斜部50は、左右方向には傾斜していない。なお、第2傾斜部50の傾斜角度は、水平方向に対して60°~70°である。
拡大傾斜部56は、第2案内壁46に設けられ、第2傾斜部50との間隔を維持するように、下方に向かうに従って第2案内壁46(第2傾斜部50)の反対側に向かうように(第2傾斜部50と同じ傾斜方向で)傾斜する。すなわち、拡大傾斜部56は、下方に向かうに従って前面側に寄るように前下がりに傾斜する。なお、第2傾斜部50と拡大傾斜部56との間隔L3(図9参照)は、適用される最大サイズの記録紙が最大量カールした場合でも通過できるように、少なくとも第1案内壁44と第2案内壁46と間の間隔L1よりも狭くならないように(L1以上の大きさに)設定される。このため、第2傾斜部50が第2案内壁46側(前面側)にせり出してくる部分に記録紙が詰まることを抑制ないし防止できる。
以上のように、記録紙を積載トレイ32に導くための排紙通路Rは、第1傾斜部48および対向傾斜部54によって右側、すなわち積載トレイ32の中心(TC)に向かうように屈曲している。また、排紙通路Rは、第2傾斜部50および拡大傾斜部56によって前面側、すなわち積載トレイ32に向かうように屈曲している。
ただし、第1傾斜部48と第2傾斜部50とは、横並びで略同じ高さに配置され、第1傾斜部48の少なくとも一部と、第2傾斜部50の少なくとも一部とは、上下方向において互いに重なるように設けられる。また、第2傾斜部50の上端部50bは、第1傾斜部48の上端部48aよりも下方に位置し、第2傾斜部50の下端部50cは、第1傾斜部48の下端部48bよりも下方に位置する。すなわち、第2傾斜部50は、第1傾斜部48よりも下方に延出し、第1傾斜部48は、第2傾斜部50よりも上方に延出する。
図8に示すように、記録紙の詰まり防止の観点から、対向傾斜部54の上端部54aは、第1傾斜部48の上端部48aに対して所定間隔L4を隔てて上方に位置する。対向傾斜部54の上端部54aと第1傾斜部48の上端部48aとの間隔L4は、写真印刷部26で印刷される最小の記録紙の排紙方向の大きさよりも大きくなるように設定される。本実施例では、写真印刷部26で印刷される最小の記録紙はL判サイズであるので、対向傾斜部54の上端部54aと第1傾斜部48の上端部48aとの間隔L4は、89mmよりも大きくなるように設定される。
また、図9に示すように、第2傾斜部50の下端部50cは、前後方向において、少なくとも第2案内壁46に対応する位置に位置する。すなわち、第2傾斜部50は、第2案内壁46に対応する位置か、それより前方まで突出する。ただし、第2案内壁46に対応する位置とは、第2案内壁46の真下の位置だけでなく、その近傍の位置も含む。
図7および図8に示すように、第1傾斜部48と第2傾斜部50との間には、積載トレイ32から遠い側(背面側)に窪む窪み部52が設けられる。下端部50cを含む第2傾斜部50の積載トレイ32側の一部は、窪み部52を挟んで第1傾斜部48に対して離間して設けられる。ただし、窪み部52の左右方向(記録紙の幅方向)の大きさ(幅寸法)は、写真印刷部26で印刷される記録紙の幅方向の大きさよりも小さい。すなわち、第1傾斜部48と第2傾斜部50とが左右方向で最も離れている部分同士の距離(第1傾斜部48の下端部48bと第2傾斜部50の下端部50cとの水平方向の距離)は、写真印刷部26で印刷される記録紙の幅方向の大きさ(127mm)よりも小さい。
さらに、窪み部52の左右の内壁のうち第1傾斜部48から遠い側の内壁52aは、積載トレイ32側に向かって第1傾斜部48との距離が大きくなるように(第1傾斜部48の反対側に向かって)傾斜する。また、窪み部52の内壁52aは、左右方向において、プリント取出口26aの第1傾斜部48側(左側)の端部26cよりも第1傾斜部48の反対側(右側)に位置する。すなわち、窪み部52の第1傾斜部48側の一部が、端部26cよりも第1傾斜部48の反対側に位置する。このように窪み部52を設けることによって、図10および図11(A)~図11(D)に示すように、排紙通路Rが前面側に(積載トレイ32に向かうように)屈曲する部分において、排紙通路Rの背面(窪み部52の後壁)と第2案内壁46との間隔を維持することができ、排紙通路Rの記録紙の厚み方向の間隔を確保することができる。
次に、排紙通路Rを落下移動する記録紙の動きについて説明する。まず、L判サイズの記録紙の動きについて説明する。
図12および図13に示すように、第1排紙部260aまたは第2排紙部262aから排出された記録紙Sは、排紙通路Rを下方に向かって落下する。そして、記録紙Sが或る高さまで落下すると、記録紙Sの下側の角のうち、第1傾斜部48に近い側(積載トレイ32から遠い側)の角(本実施例では左下の角、以下、第1の角という。)が第1傾斜部48の所定位置(“A1”の位置)に接触(当接)する。このとき、記録紙Sは、落下しながら第1傾斜部48に接触した反動で回転する。具体的には、記録紙Sは、第1傾斜部48に接触する第1の角を中心に、記録紙Sの下側の角のうち、第1の角の反対側の角(右下角、以下、第2の角という。)が下方に向かうように、すなわち、正面から見た場合に時計回りに回転する。
なお、記録紙Sは、第1傾斜部48に接触した反動で、第1傾斜部48の表面に垂直な方向に跳ね上がり、急激に回転することがある。この場合、第1傾斜部48に接触する部分の対角(右上角、以下、第3の角という。)が対向傾斜部54の所定位置に接触し、記録紙Sの回転が止まるとともに、第3の角を中心に、その対角(第1の角)が下方に向かうように、反対方向に回転する。そうすると、再び第1の角が第1傾斜部48に接触する。このように、記録紙Sは、第1の角が第1傾斜部48に接触し、第3の角が対向傾斜部54に接触することを繰り返し、回り過ぎないように姿勢を維持しながら、徐々に右側、すなわち積載トレイ32側に向かって移動しながら落下する。
そして、記録紙Sがさらに落下すると、記録紙Sの第3の角が第1傾斜部48の所定位置(“A2”の位置)に接触し、記録紙Sの第2の角が第2傾斜部50の所定位置(“A3”の位置)に最初に接触する。その後、記録紙Sは、第1傾斜部48から離れ、第2傾斜部50を滑り落ちて、積載トレイ32に到達する。
なお、上述したように、第2傾斜部50は左右方向には傾斜していないので、第2傾斜部50を滑り落ちる間に、第2傾斜部50につられて記録紙Sの姿勢が徐々に水平(第1排紙部260aまたは第2排紙部262aから排出された直後と同じ姿勢)に近づく。すなわち、第2傾斜部50における記録紙Sが最初に接触する点(“A3”の位置)よりも下方の領域は、記録紙Sの姿勢を水平方向に矯正する姿勢矯正領域SAとして機能する。
上述したように、第2傾斜部50が第1傾斜部48よりも下方に延出するので、記録紙Sは、少なくとも積載トレイ32に到達する直前には、第1傾斜部48から離れており、第2傾斜部50だけに接触するので、水平に近づいた状態で積載トレイ32に到達することができる。このため、積載トレイ32上に積載される記録紙Sの姿勢が安定し、積載トレイ32上の記録紙Sの整列性が向上する。
また、第1傾斜部48が第2傾斜部50よりも上方に延出するので、排紙通路Rを落下する記録紙Sは、最初に第1傾斜部48に接触する。このため、最初に記録紙Sの左右方向の移動が行われ、その後に、記録紙Sの姿勢が矯正されるように、記録紙Sの移動と姿勢矯正とを順序良く行うことができる。したがって、積載トレイ32上の記録紙Sの整列性が向上する。
さらに、記録紙Sの前後方向の落下位置にはばらつきがあるが、第2傾斜部50が第2案内壁46に対応する位置まで突出するので、記録紙Sは、必ず第2傾斜部50に接触し、積載トレイ32に到達する前に姿勢が矯正される。このため、積載トレイ32上に積載される記録紙Sの姿勢が安定し、積載トレイ32上の記録紙Sの整列性が向上する。
次に、2L判サイズの記録紙Sの動きについて説明する。2L判サイズの記録紙Sであっても、基本的な動きは上述したL判サイズの記録紙Sの動きと同様である。ただし、2L判サイズは、L判サイズに比べて排紙方向の寸法が大きいので、カールした場合に、厚み方向(前後方向)の寸法がL判サイズに比べて大きくなり、排紙通路Rに詰まりやすいという特徴がある。以下、図14~図16を参照して、カールした2L判サイズの記録紙Sの動きについて説明する。
図14および図15に示すように、カールした記録紙Sは上下方向に変形しやすいことから、記録紙Sの第1の角が第1傾斜部48に接触すると、第1の角を含む積載トレイ32から遠い側の記録紙Sの角部が背面側に湾曲(変位)した(捻じ曲げられた)状態となる。また、この反動によって、第2の角を含む積載トレイ32に近い側の記録紙Sの角部は、前面側に変位した状態となる。すなわち、記録紙Sの下端部は、積載トレイ32から遠い側が背面側に入り込み、積載トレイ32に近い側が前面側にせり出すように、斜めに傾いた(ねじれた)状態となる。
ここで、図16に示すように、第1傾斜部48が設けられている部分において、積載トレイ32から遠い側では、貨幣処理部24に沿う第2案内壁46の存在によって排紙通路Rの前面側(前方)のスペース(空間)が少なくなっている一方で、窪み部52が設けられていることによって、排紙通路Rの背面側(後方)の空間が大きくなっている。また、積載トレイ32に近い側では、第2傾斜部50が下方に向かうにつれて前面側に突出してくるので、排紙通路Rの背面側の空間が少なくなっている一方で、第2案内壁46が無いので、前面側の空間が大きくなっている。
このような排紙通路Rの構造に対し、記録紙Sの下端部のうち積載トレイ32から遠い側は、背面側に変位されるので、第2案内壁46を避けながら、窪み部52によって生じる背面側の空間に入り込むことができる。また、記録紙Sの下端部のうち積載トレイ32に近い側は、前面側に変位されるので、第2案内壁46が無い前面側の空間に入り込むことができる。さらに、積載トレイ32に近い側では、拡大傾斜部56が設けられているので、記録紙Sが入り込む空間がより大きくなっている。このため、カールした記録紙Sであっても、左右の端部が、前後方向においてそれぞれ比較的空間が広い側に変位して落下するので、排紙通路Rに詰まることなく、積載トレイ32に到達させることができる。したがって、記録紙Sの詰まり防止のためだけに排紙通路Rを上下に長くする必要がなく、積載トレイ32およびプリント取出口26aをできるだけ高い位置に配置できる。したがって、記録紙Sの取出性が向上する。
この第1実施例の情報処理装置10であれば、上述したように、積載トレイ32が第1排紙部260aおよび第2排紙部262aに対して前後方向および左右方向において異なる位置に配置される場合であっても、積載トレイ32上の用紙の整列性を向上させることができる。特に、印刷する記録紙のサイズによらず、積載トレイ32上に積載される印刷済み用紙の整列性を効果的に向上できる。
なお、第1傾斜部48は、排紙ガイド34に設けてもよいし、積載トレイ32に設けてもよいし、排紙ガイド34および積載トレイ32の間に介在する別の部材に設けてもよい。同様に第2傾斜部50も、排紙ガイド34に設けてもよいし、積載トレイ32に設けてもよいし、排紙ガイド34および積載トレイ32の間に介在する別の部材に設けてもよい。
[第2実施例]
第2実施例では、排紙ガイド34が分割可能な複数の部材で構成されるようにした以外は第1実施例と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
図17および図18に示すように、前ドア30は、左側部に設けられるヒンジ部30aを介して、装置本体28に対して開閉可能(横開き可能)に設けられる。また、前ドア30の背面側のヒンジ部30aの反対側(右側部)には、前ドア30を閉じた状態で装置本体28にロックするロック爪30bが設けられる。
また、排紙ガイド34は、前ドア30の内面側に取り付けられる。詳しくは、前ドア30の内面側に設けられ、排紙ガイド34の一部は、磁性体からなるパネル部材240に取り付けられる。また、排紙ガイド34は、第1部材340、第2部材342および第3部材344によって構成される。
第1部材340は、排紙ガイド34の積載トレイ32から遠い側(背面側)の上側部分を構成する。詳しくは、第1部材340は、第1側壁40、第2側壁42、第1案内壁44および対向傾斜部54のそれぞれの少なくとも一部を構成する。第2部材342は、排紙ガイド34の積載トレイ32に近い側(前面側)の上側部分を構成し、詳しくは、第2案内壁46の一部および拡大傾斜部56を構成する。第3部材344は、排紙ガイド34の下側部分および積載トレイ32を構成し、詳しくは、第1傾斜部48、第2傾斜部50等を構成する。
ただし、第1部材340、第2部材342および第3部材344のそれぞれは、分割可能な構成となっている。第1部材340および第2部材342は、パネル部材240に取り付けられ、第3部材344は、前ドア30におけるパネル部材240以外の部分(前ドア30の本体)に取り付けられる。
また、図18に示すように、第1部材340は、左側部に設けられるヒンジ部60(回動支点)を介して、パネル部材240、第2部材342および第3部材344に対して横開き可能に設けられる。つまり、第1案内壁44は、第2案内壁46に対して回動可能に設けられており、第1案内壁44(第1部材340)を回動させることで排紙通路Rが開放可能である。すなわち、第1部材340は、排紙通路Rの一部を構成する位置(閉位置)から、排紙通路Rの内部が開放される位置(開位置)まで変位可能である。したがって、記録紙が排紙通路Rに詰まった場合に、第1部材340を回動させて排紙通路Rを開放することによって、記録紙を簡単に取り出すことができる。
また、図18に示すように、第1部材340の前面には、位置決め用の係合突部(ボス)340aが設けられており、第2部材342の背面には、係合突部340aに対応する係合凹部342aが設けられる。第1部材340が閉じられた状態では、係合突部340aと係合凹部342aとが係合し、これによって、第2部材342に対する第1部材340の位置が決まる。
さらに、第1部材340には、第1部材340を回動させる際に把持するための取っ手340bおよび磁石部材340cが設けられる。磁石部材340cは、第1部材340の前面であって、第2部材342に対向しない部分であって、第1部材340が閉じられた状態でパネル部材240に接触する位置に配置されている。上述したように、パネル部材240は、磁性体からなるので、パネル部材240と磁石部材340c(第1部材340)との間に磁気力が生じる。この磁気力によって、第1部材340がパネル部材240に引き寄せられ、第1部材340が閉じられた状態が維持される。
図18および図19に示すように、パネル部材240もまた、左側部に設けられるヒンジ部240aを介して、前ドア30に対して横開き可能に設けられる。このパネル部材240を回動させることで貨幣処理部24が開放可能である。すなわち、パネル部材240を回動させるだけで、貨幣処理部24にアクセス可能となる。したがって、貨幣処理部24のメンテナンス作業を容易に実行できる。また、パネル部材240が回動されることによって、第1部材340および第2部材342が積載トレイ32を構成する第3部材344の上方から移動するので、積載トレイ32の上部開口の全体が開放される。したがって、記録紙が積載トレイ32に詰まった場合等に、パネル部材240を回動させて積載トレイ32の上部開口を開放することによって、記録紙を積載トレイ32から簡単に取り出すことができる。
ただし、パネル部材240は、鍵(物理キー)を用いたロック機構242によって前ドア30に対してロック可能に構成されている。図17および図18に示すように、第1部材340が閉じられた状態では、ロック機構242の鍵穴242aは第1部材340に覆われた状態であり、鍵を差し込むことができない。一方、第1部材340が開かれた状態では、鍵穴242aが完全に露出し、鍵を差し込むことができる。したがって、貨幣処理部24に格納される釣銭用の貨幣の盗難を抑止ないし防止することができる。
なお、上述の実施例で挙げた具体的な構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。