JP7385481B2 - サーマルプリントヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、サーマルプリントヘッドの製造方法およびサーマルプリントヘッドに関する。
特許文献1には、従来のサーマルプリントヘッドの一例が開示されている。サーマルプリントヘッドは一般に、ヘッド基板上に主走査方向に並ぶ多数の発熱部を備えている。各発熱部は、ヘッド基板に蓄熱層を介して、形成した抵抗体層上に、その一部を露出させるようにして、上流側電極層と下流側電極層とをそれらの端部を対向させて積層することにより形成されている。上流側電極層と下流側電極層との間を通電することにより、上記抵抗体層の露出部(発熱部)がジュール熱により発熱する。蓄熱層は、たとえば、発熱部が発する熱が無駄にヘッド基板等に露出することを抑制して、高速印字を可能とするために設けられる。
同文献に開示されたサーマルプリントヘッドにおいて、蓄熱層は、SiO2(二酸化ケイ素)を用いたスパッタリングやCVD法により形成される。しかしながら、この方法では、十分な厚みの蓄熱層を形成するには相当時間を要し、サーマルプリントヘッドの製造効率が悪化するという問題がある。
特開2017-7203号公報
本開示は、上記した事情のもとで考え出されたものであり、その目的は、発熱部の下位に設けられる蓄熱層を簡易に形成することができるサーマルプリントヘッドの製造方法を提供することにある。
本開示の第1の側面によって提供されるサーマルプリントヘッドの製造方法は、厚さ方向の一方を向く主面を有する基板を用意する工程と、前記主面上に、部分グレーズを形成する部分グレーズ形成工程と、前記部分グレーズを覆う電極層を形成する電極層形成工程と、前記部分グレーズ上に形成され、かつ、前記厚さ方向に見て前記電極層の一部に重なる抵抗体層を形成する抵抗体層形成工程と、を含み、前記部分グレーズ形成工程は、ガラスペーストを前記基板上に厚膜印刷する第1工程と、前記ガラスペーストを固化し、中間グレーズを形成する第2工程と、ショットブラストにより前記中間グレーズをパターニングする第3工程と、前記パターニング後の中間グレーズを焼成し、前記部分グレーズを形成する第4工程と、を含んでいることを特徴とする。
本開示の第2の側面によって提供されるサーマルプリントヘッドは、厚さ方向の一方を向く主面を有する基板と、前記主面上に形成され、主走査方向に延びる帯状の部分グレーズと、主走査方向に配列され、かつ、前記部分グレーズ上に形成された複数の発熱部を含む抵抗体層と、前記抵抗体層に通電するための電極層と、を備えており、前記部分グレーズは、主走査方向に直交する断面の形状が前記基板の厚さ方向に膨出した形状であり、前記主面は、前記部分グレーズに接する当接領域および前記部分グレーズに接しない非当接領域を含み、前記当接領域および前記非当接領域は、前記部分グレーズの上面よりも微細な凹凸を有することを特徴とする。
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本開示のサーマルプリントヘッドの製造方法によれば、蓄熱層を簡易に形成することができる。
本開示のサーマルプリントヘッドを示す平面図である。 図1のII-II線に沿う断面図である。 図1に示す平面図の一部を拡大した部分拡大図である。 図3のIV-IV線に沿う要部拡大断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一工程を示す要部拡大断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一工程を示す要部拡大断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一工程を示す要部拡大断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一工程を示す要部拡大断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一工程を示す要部拡大断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一工程を示す要部拡大断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一工程を示す要部拡大断面図である。 図1のサーマルプリントヘッドの製造方法の一工程を示す要部拡大断面図である。 変形例にかかるサーマルプリントヘッドを示す要部拡大断面図である。
本開示のサーマルプリントヘッドの製造方法およびサーマルプリントヘッドの好ましい実施の形態について、図面を参照して、以下に説明する。
本開示において、「ある物Aがある物Bに形成されている」および「ある物Aがある物B上に形成されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接形成されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに形成されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物Bに配置されている」および「ある物Aがある物B上に配置されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接配置されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに配置されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物B上に位置している」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに接して、ある物Aがある物B上に位置していること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物が介在しつつ、ある物Aがある物B上に位置していること」を含む。また、「ある物Aがある物Bにある方向に見て重なる」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bのすべてに重なること」、および、「ある物Aがある物Bの一部に重なること」を含む。
図1~図4は、一実施形態にかかるサーマルプリントヘッドA1を示している。サーマルプリントヘッドA1は、基板1、グレーズ層2、電極層3、抵抗体層4、保護層5、駆動IC71、封止樹脂72、コネクタ73、配線基板74および放熱部材75を備えている。サーマルプリントヘッドA1は、印刷媒体82に印刷を行うプリンタに組み込まれる。印刷媒体82は、図2に示すように、サーマルプリントヘッドA1とプラテンローラ81とに挟まれ、プラテンローラ81の回転運動によって、副走査方向に搬送される。印刷媒体82としては、たとえばバーコードシートやレシートを作成するための感熱紙が挙げられる。
図1は、サーマルプリントヘッドA1を示す平面図である。図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。図3は、サーマルプリントヘッドA1を示す要部拡大平面図である。図4は、図3のIV-IV線に沿う要部拡大断面図である。図1においては、保護層5およびワイヤ61を省略しており、図3においては、保護層5を省略している。理解の便宜上、図1~図4において、主走査方向をx方向、副走査方向をy方向、基板1の厚さ方向をz方向としている。印刷時において、印刷媒体は、副走査方向yの図中矢印が指す方向に送られる。副走査方向yにおいて、図中矢印が指す方向を下流とし、その反対方向を上流とする。また、厚さ方向zにおいて、図中矢印が指す方向を上方とし、その反対方向を下方とする。
サーマルプリントヘッドA1において、基板1および配線基板74は、図2に示すように、副走査方向yに隣接しており、各々が放熱部材75上に搭載されている。配線基板74は、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる基材層とCu(銅)などからなる配線層とが積層された基板である。放熱部材75は、Al(アルミニウム)などの金属からなる。基板1上の駆動IC71と配線基板74の配線とは、図2に示すように、ワイヤ61によって接続されている。配線基板74には、コネクタ73が設けられている。サーマルプリントヘッドA1には、後に詳説する構成により、主走査方向xに配列される複数の発熱部41が形成されている。この発熱部41は、コネクタ73を介して外部から送信される印字信号に従い、駆動IC71によって選択的に発熱駆動される。サーマルプリントヘッドA1は、図2に示すように、プラテンローラ81によって発熱部41に押圧される印刷媒体82に印字を行う。サーマルプリントヘッドA1は、配線基板74を備えず、基板1にコネクタ73が設けられていてもよい。
基板1は、たとえばAlN(窒化アルミニウム)、Al23(アルミナ)、ジルコニアなどのセラミックからなる。基板1は、たとえばその厚さが0.5mm以上1.5mm以下である。図1に示すように、基板1は、主走査方向xに長く延びる長矩形状である。基板1は、主面11を有する。主面11は、基板1の上面である。主面11は、図4に示すように、当接領域11aおよび非当接領域11bを含む。当接領域11aは、後述の部分グレーズ22が形成され、部分グレーズ22に接する。非当接領域11bは、後述のガラス層23が形成され、部分グレーズ22に接しない。当接領域11aおよび非当接領域11bは、たとえばグレーズ層2の表面と比べて微細な凹凸(「第1凹凸」という場合もある)を有する粗面である。この微細な凹凸は、セラミックからなる基板1を生成した際に生じる。図4においては、当接領域11aおよび非当接領域11b(主面11)が粗面である状態を模式的に示している。非当接領域11bの第1凹凸の表面には、第1凹凸よりもさらに微細な凹凸(「第2凹凸」という場合もある)を有する。つまり、第2凹凸により、非当接領域11bの第1凹凸の表面は、当接領域11aの第1凹凸の表面よりも、粗面である。この第2凹凸は、後述する部分グレーズ形成工程において、ショットブラストによって研磨材が衝突したことで形成される。基板1の下面には、放熱部材75が設けられている。基板1の下面も、主面11と同様に、第1凹凸を有する粗面であってもよい。なお、主面11(当接領域11aおよび非当接領域11b)に第1凹凸が形成されていなくてもよいし、非当接領域11bに第2凹凸が形成されていなくてもよい。
グレーズ層2は、基板1上に形成されている。グレーズ層2は、たとえば非晶質ガラスなどのガラス材料からなる。グレーズ層2は、部分グレーズ22およびガラス層23を含んでいる。なお、グレーズ層2は、ガラス層23を含まず、部分グレーズ22のみで構成されていてもよい。
部分グレーズ22は、主走査方向xに長く延びている。部分グレーズ22は、主走査方向x視において、厚さ方向zに膨出している。部分グレーズ22は、図4に示すように、主走査方向xに直交する平面による断面(y-z断面)が、円弧状である。部分グレーズ22は、副走査方向yにおける寸法dyがたとえば100μm以上1000μm以下(好ましくは200μm以上600μm以下)であり、厚さ方向z方向における寸法dzが10μm以上300μm以下(好ましくは30μm以上100μm以下)である。また、部分グレーズ22は、副走査方向yの寸法dyに対する厚さ方向zの寸法dzの比率(dz/dy)が0.05以上1以下(好ましくは0.1以上0.3以下)である。部分グレーズ22は、抵抗体層4のうち発熱する部分(後述の発熱部41)を印刷媒体82に押し当てる易くするために、設けられる。また、部分グレーズ22は、発熱部41からの熱を蓄積する蓄熱層として、設けられている。
ガラス層23は、部分グレーズ22に隣接して形成されており、上面が平坦な形状である。ガラス層23は、部分グレーズ22の一部に重なっている。ガラス層23の厚さは、たとえば5μm程度である。
グレーズ層2において、部分グレーズ22は、軟化点がたとえば1200℃以下であるガラス材料からなり、ガラス層23は、軟化点がたとえば680℃程度であるガラス材料からなる。ガラス層23を形成するガラス材料は、部分グレーズ22を形成するガラス材料よりも軟化点が低い。つまり、ガラス層23のガラス材料は、部分グレーズ22のガラス材料よりも、軟化点が低い材料を使用する。
電極層3は、抵抗体層4に通電するための経路を構成するためのものであり、導電性材料によって形成されている。電極層3は、たとえば添加元素としてロジウム、バナジウム、ビスマス、シリコンなどが添加されたレジネートAu(金)からなる。電極層3は、レジネートAuのペーストを厚膜印刷したのちに、これを焼成することにより形成されている。電極層3は、複数のAu層を積層させた構成でもよい。また、電極層3は、Cu層とTi層とを積層させた構成であってもよいし、Cu層のみで構成されていてもよい。電極層3の厚さは、たとえば0.5μm以上20μm以下である。電極層3における抵抗値を下げるために、電極層3にCuめっきを上塗りし、さらに厚さを大きくしてもよい。電極層3は、グレーズ層2上に形成されている。図3および図4に示すように、電極層3は、共通電極33および複数の個別電極36を含んでいる。
共通電極33は、図3に示すように、複数の共通電極帯状部34および連結部35を有している。連結部35は、基板1の副走査方向yの下流側端縁寄りに配置されており、主走査方向xに延びる帯状である。複数の共通電極帯状部34は、各々が連結部35から副走査方向yに延びており、主走査方向xに等ピッチで配列されている。図3に示す例においては、連結部35の抵抗値を低減させるために、連結部35上にAg層351が積層されているが、Ag層351が積層されていなくてもよい。
複数の個別電極36は、抵抗体層4に対して部分的に通電するためのものであり、共通電極33に対して逆極性となる部位である。各個別電極36は、抵抗体層4から駆動IC71に向かって延びている。複数の個別電極36は、図3に示すように、主走査方向xに配列されており、各々が、個別電極帯状部38、連結部37およびボンディング部39を有している。
各個別電極帯状部38は、図3に示すように、副走査方向yに延びており、厚さ方向z視において帯状である。各個別電極帯状部38は、共通電極33の隣り合う2つの共通電極帯状部34の間に位置している。隣り合う個別電極36の個別電極帯状部38と共通電極33の共通電極帯状部34との間隔はたとえば100μm以下である。
連結部37は、図3に示すように、個別電極帯状部38から駆動IC71に向かって延びる部分である。連結部37は、平行部371および斜行部372を含む。平行部371は、一端がボンディング部39に繋がり、かつ、副走査方向yに沿っている。斜行部372は、副走査方向yに対して傾斜している。斜行部372は、副走査方向yにおいて、平行部371と個別電極帯状部38との間に挟まれている。また、複数の個別電極36は、駆動IC71に集約される。このため、図3における主走査方向xにおける一端側での平行部371および斜行部372の境界と、他端側での平行部371および斜行部372の境界とは、副走査方向yにズレL1が生じている。
ボンディング部39は、図3に示すように、個別電極36の副走査方向yの上流側端部に形成されており、平行部371に繋がっている。ボンディング部39には、個別電極36と駆動IC71とを接続するためのワイヤ61がボンディングされている。複数のボンディング部39は、第1ボンディング部39Aと第2ボンディング部39Bとを含む。隣り合う2つの第1ボンディング部39Aに挟まれた平行部371の幅(主走査方向xにおける長さ)は、たとえば10μm以下である。また、第2ボンディング部39Bは、y方向において第1ボンディング部39Aよりも抵抗体層4から遠ざかる側に位置する。第2ボンディング部39Bは、隣り合う2つの第1ボンディング部39Aに挟まれた平行部371に繋がっている。このような構成により、複数のボンディング部39は、連結部37のほとんどの部位よりも幅が大きいにも関わらず、たがいに干渉することが回避されている。連結部37のうち隣り合う第1ボンディング部39Aに挟まれた部位は、個別電極36において最も幅が小さい。
なお、電極層3の各部の形状および配置は特に限定されず、様々な構成とすることができる。また、電極層3の各部の材料も限定されない。
抵抗体層4は、電極層3を構成する材料よりも抵抗率が大であるたとえば酸化ルテニウムなどからなる。抵抗体層4は、図1に示すように、部分グレーズ22上に形成されている。抵抗体層4は、図1および図3に示すように、厚さ方向z視において、主走査方向xに延びる帯状である。抵抗体層4は、複数の共通電極帯状部34(共通電極33)と複数の個別電極帯状部38(複数の個別電極36)とに交差している。抵抗体層4は、複数の共通電極帯状部34と複数の個別電極帯状部38に対して基板1とは反対側に積層されている。抵抗体層4のうち各共通電極帯状部34と各個別電極帯状部38とに挟まれた部位が、電極層3によって部分的に通電されることにより発熱する発熱部41とされている。発熱部41の発熱によって印字ドットが形成される。複数の発熱部41は、主走査方向xに配列されている。抵抗体層4の厚さは、たとえば0.05μm以上10μm以下である。抵抗体層4の材料および厚さは限定されない。図4に示す例では、抵抗体層4は、部分グレーズ22の頂部上に形成されているが、部分グレーズ22の頂部上に形成されている必要はなく、部分グレーズ22上に形成されていればよい。
保護層5は、電極層3および抵抗体層4などを保護するためのものである。ただし、保護層5は、複数の個別電極36のボンディング部39を含む領域を露出させている。保護層5は、たとえば非晶質ガラスからなる。保護層5は、非結晶ガラスからなる第1層と、たとえばSiAlONからなる第2層とが積層されていてもよい。SiAlONは、窒化ケイ素(Si34)にアルミナ(Al23)とシリカ(SiO2)を合成した窒化ケイ素系のエンジニアリングセラミックスである。第2層はたとえばスパッタリングで形成される。第2層は、SiAlONの代わりにSiC(炭化ケイ素)を採用してもよい。
保護層5は、第1被覆部51および第2被覆部52を含んでいる。第1被覆部51は、保護層5のうち、厚さ方向z視において部分グレーズ22に重なる部分である。第1被覆部51は、部分グレーズ22上に形成されている。第1被覆部51は、隆起部511を含んでいる。隆起部511は、厚さ方向z視において、抵抗体層4(各発熱部41)に重なる。抵抗体層4が電極層3あるいは部分グレーズ22の各表面に対して隆起するように配置されていることから、隆起部511は、抵抗体層4に沿って隆起した形状となっている。第2被覆部52は、保護層5のうち、厚さ方向z視において、部分グレーズ22に重ならない部分である。第2被覆部52は、厚さ方向z視において、第1被覆部51の副走査方向y両端に配置されている。副走査方向y上流側の第2被覆部52は、第1被覆部51の副走査方向yの下流側端縁からボンディング部39の手前に至る領域に形成されている。
保護層5において、第1被覆部51の表面51aは、第2被覆部52の表面52aよりも粗面である。図4においては、表面51aが粗面である状態を模式的に示している。本実施形態では、第1被覆部51の表面51aにおいて、その全体が粗面であるものとするが、第1被覆部51の表面51aのうち隆起部511の表面511aのみが粗面であってもよい。また、第2被覆部52の表面52aが、第1被覆部51の表面51aと同等に粗面であってもよい。第1被覆部51の表面51aは、後述するウェットブラストにより粗面化されている。
駆動IC71は、複数の個別電極36を選択的に通電させることにより、抵抗体層4を部分的に発熱させる。駆動IC71には、複数のパッドが設けられている。駆動IC71のパッドと複数の個別電極36とは、それぞれにボンディングされた複数のワイヤ61を介して接続されている。ワイヤ61は、Auからなる。図1および図2に示すように、駆動IC71およびワイヤ61は、封止樹脂72によって覆われている。封止樹脂72は、絶縁性であり、たとえば黒色の軟質樹脂からなる。また、駆動IC71とコネクタ73とは、図示しない信号線によって接続されている。
次に、サーマルプリントヘッドA1の製造方法の一例について、図5~図12を参照して、説明する。図5~図12はそれぞれ、サーマルプリントヘッドA1の製造方法の一工程を示す断面図であって、図4に示す断面に対応する。
まず、たとえばセラミックからなる基板1を用意する。このセラミックの素材としては、たとえば、AlN、Al23、ジルコニアなどのいずれであってもよい。基板1は、厚さ方向zの上方を向く主面11を有している。主面11は、基板1(セラミック)の素地による微細な凹凸(第1凹凸)が形成されており、粗面である。
次いで、基板1の主面11上に部分グレーズ22を形成する。部分グレーズ22を形成する工程(部分グレーズ形成工程)は、次に示す4つの第1工程ないし第4工程を含む。
第1工程では、図5に示すように、基板1の主面11上にガラスペースト22aを厚膜印刷する。厚膜印刷は、たとえばスクリーン印刷である。スクリーン印刷では、スクリーン版が用いられ、スクリーン版に設けられた孔に通して、ガラスペースト22aが転写される。このとき、ガラスペースト22aの流動性により、転写されたガラスペースト22aは、上記スクリーン版の孔よりも主面11に沿って広がる。このため、図5に示すように、副走査方向yにおいて、厚膜印刷されたガラスペースト22aの寸法は、後に形成される部分グレーズ22の寸法よりも十分に大きい。理解の便利上、図5において、後に形成される部分グレーズ22を想像線で示している。また、ガラスペースト22aの流動性により、ガラスペースト22aに表面張力が働く。この表面張力により、図5に示すように、厚膜印刷されたガラスペースト22aは、その表面が厚さ方向zに膨出する曲面となり、副走査方向yの両端が厚さ方向zに直列した部位とならない。第1工程において、1回の厚膜印刷により、所定の厚みのガラスペースト22aが得られない場合、この厚膜印刷を複数回行う。
第2工程では、図6に示すように、ガラスペースト22aを固化させ、中間グレーズ22bを形成する。本実施形態では、たとえば、ガラスペースト22aを乾燥させることで、ガラスペースト22aに含まれる溶媒を減少させ、ガラスペースト22aを固化する。乾燥の代わりに焼成してもよい。これにより、図6に示す中間グレーズ22bが形成される。形成された中間グレーズ22bは、ガラスペースト22aよりも流動性が低くなる。中間グレーズ22bのy-z断面は、図6に示すように、ガラスペースト22aのy-z断面(図5参照)と略同等である。中間グレーズ22bは、部分グレーズ22と同等に固化されているが、部分グレーズ22よりも相対的に脆い。
第3工程では、中間グレーズ22bにショットブラストを施し、中間グレーズ22bのパターニングを行う。ショットブラストとしては、たとえばウェットブラストを採用する。ウェットブラストは、加工技術の一種であり、研磨材と水(薬品を混ぜることもある)とを混合させたスラリーを、圧縮エアで加速させ、対象物に向けて噴射することで、対象物の加工を行う。第3工程では、図6の想像線で示すように、中間グレーズ22bを対象物として、ウェットブラストを行い、中間グレーズ22bの副走査方向yの両端部分を部分除去する。このとき、図6の想像線で示すように、残留させる中間グレーズ22b上にマスク29を配置する。これにより、図7に示すパターニングされた中間グレーズ22cが得られる。上記したように、中間グレーズ22bは乾燥によって流動性が低くなっているため、副走査方向yの両端部分を除去しても、副走査方向yに流出しない。そのため、図7に示すように、パターニング(ウェットブラスト)された中間グレーズ22cは、副走査方向yの両端が、厚さ方向zに略直立した部位となる。
第4工程では、パターニング後の中間グレーズ22cをたとえば約800℃の焼成温度で焼成する。これにより、図8に示すように、部分グレーズ22が形成される。この焼成の際に、中間グレーズ22cが一時的に軟化する。このため、形成される部分グレーズ22の表面は、中間グレーズ22cに形成されていた角が取られ、厚さ方向zに膨出する滑らかな曲面となる。また、中間グレーズ22cが一時的に軟化した際、基板1(主面11)に沿って副走査方向yに少し広がることがある。しかしながら、上述の通り、一次的に軟化した中間グレーズ22cはガラスペースト22aよりも流動性が低いので、形成される部分グレーズ22はガラスペースト22aほど副走査方向yに広がることはない。
次いで、部分グレーズ22を形成した基板1上に、ガラス層23を構成するガラスペーストを厚膜印刷する。このガラスペーストは、部分グレーズ22から露出する主面11上であり、主面11の全面に厚膜印刷される。なお、ガラス層23を構成するガラスペーストは、主面11の全面に形成する必要はなく、少なくとも電極層3を形成する領域に厚膜印刷すればよい。そして、厚膜印刷したガラスペーストをたとえば約680℃の焼成温度で焼成する。これにより、図9に示すガラス層23が形成される。この工程がガラス層形成工程である。
次いで、グレーズ層2上に、レジネートAuのペーストを厚膜印刷した後に、これを焼成することで、金属膜を形成する。そして、金属膜に対してたとえばエッチングを用いたパターニングを施す。これにより、図10に示すように、電極層3が形成される。電極層3は、部分グレーズ22からガラス層23に跨って形成される。電極層3は、上述の通り、共通電極33および複数の個別電極36を含んでいる。この工程が電極層形成工程である。
次いで、部分グレーズ22上に、たとえば酸化ルテニウムなどの抵抗体を含む抵抗体ペーストを厚膜印刷する。抵抗体ペーストは、部分グレーズ22上において、主走査方向xに延びる帯状に厚膜印刷され、電極層3の共通電極帯状部34(共通電極33)と個別電極帯状部38(個別電極36)とを交互に交差する。そして、厚膜印刷した抵抗体ペーストを焼成する。これにより、図11に示すように、抵抗体層4が形成される。この工程が抵抗体層形成工程である。
次いで、基板1の厚さ方向zの上方において、外部に露出するグレーズ層2、電極層3(ボンディング部39を除く)および抵抗体層4の上に、保護層5を構成するガラスペーストを厚膜印刷する。そして、厚膜印刷したガラスペーストを焼成する。これにより、図12に示すように、保護層5が形成される。この工程が保護層形成工程である。
次いで、図12の想像線で示すように、第1被覆部51(保護層5)の表面51aにショットブラストを行い、第1被覆部51の表面51aを粗面化する。ショットブラストとしては、上記第3工程と同様に、ウェットブラストを採用する。このとき、図12の想像線で示すように、粗面化しない保護層5上にマスク59を配置する。本実施形態では、第2被覆部52上にマスク59が配置され、第2被覆部52の表面52aは、ウェットブラスト(粗面化)されない。これにより、第1被覆部51の表面が、第2被覆部52の表面52aよりも粗面となる。この工程が粗面化工程である。
その後、駆動IC71の実装、ワイヤ61のボンディング、基板1および配線基板74の放熱部材75への取り付けなどを行うことにより、サーマルプリントヘッドA1が製造される。
本開示のサーマルプリントヘッドA1およびその製造方法の作用・効果は、次の通りである。
サーマルプリントヘッドA1は、蓄熱層としての部分グレーズ22を含んでいる。部分グレーズ22は、主走査方向xに直交する断面の形状が厚さ方向zに膨出した形状である。部分グレーズ22は、上記部分グレーズ形成工程によって形成されたガラスペーストの焼成体であり、たとえば蓄熱層としてのSiO2をスパッタリングで形成させることに比較し、圧倒的な厚みで、かつ、圧倒に短時間で形成される。このことは、サーマルプリントヘッドA1の製造効率の向上およびコスト低減に大いに寄与する。したがって、本開示のサーマルプリントヘッドA1の製造方法によれば、蓄熱層(部分グレーズ22)を簡易に形成することができる。
サーマルプリントヘッドA1の製造方法の部分グレーズ形成工程では、図5~図8に示すように、第1工程によって厚膜印刷されたガラスペースト22aを、第2工程によって固化させる。次いで、第2工程を経て形成された中間グレーズ22bを、第3工程によって部分除去することで、パターニングする。そして、第3工程を経てパターニングされた中間グレーズ22cを焼成することで、部分グレーズ22を形成する。つまり、本開示の部分グレーズ形成工程は、厚膜印刷したガラスペースト22aをそのまま焼成して、部分グレーズ22を形成する方法ではない。ガラスペースト22aをそのまま焼成する場合、ガラスペースト22aの流動性により、厚膜印刷したガラスペースト22aが基板1に沿ってたとえば副走査方向yに広がることがあり、部分グレーズ22を精度良くパターニング(形成)することが困難であった。一方、本開示の部分グレーズ形成工程では、第2工程および第3工程を経ることで、ガラスペースト22aを厚膜印刷した時に不用に形成された部分を除去できるため、ガラスペースト22aをそのまま焼成する場合と比較して、高精度にパターニングされた部分グレーズ22を形成することができる。
サーマルプリントヘッドA1の製造方法では、部分グレーズ形成工程の第3工程において、ショットブラストにより、中間グレーズ22bのパターニングを行っている。この手法とは異なる中間グレーズ22bのパターニングとして、たとえば、フッ酸を用いたエッチングにより、中間グレーズ22bの部分除去を行うことが考えられる。しかしながら、この場合、中間グレーズ22bがフッ酸と反応することでさらに脆くなり、中間グレーズ22bを傷つけたり、意図せぬ箇所が除去されたり、きれいにエッチングできないことがあった。したがって、ショットブラストにより中間グレーズ22bのパターニングを行うことで、強力な除去機能を発揮する除去手法を採用する必要がないため、中間グレーズ22bを不当に傷つける虞が少ない。また、中間グレーズ22bを、不当に除去させることがなく、所望箇所を確実に除去することができる。さらに、上述のとおり、中間グレーズ22bは、部分グレーズ22よりも脆い。そのため、ショットブラストによりパターニングする際、中間グレーズ22bの状態の方が、ガラスペーストの焼成体(部分グレーズ22)の状態よりも、相対的に容易に部分除去できる。
サーマルプリントヘッドA1の製造方法では、部分グレーズ形成工程の第3工程において、ショットブラストとしてウェットブラストを採用した。ショットブラストには、ウェットブラストの他、ドライブラスト(サンドブラスト)もあるが、ウェットブラストの場合、ドライブラストの場合よりも、粉塵が少ないことや埋め込み残留が少ないことから、形成される部分グレーズ22に異物が混在することを抑制できる。埋め込み残留とは、研磨材の粒子が粒子を打ち込む現象が発生し、中間グレーズ22cに研磨材の粒子が残ることである。したがって、ショットブラストとしてウェットブラストを採用することで、部分グレーズ22に異物が混在することを抑制できるので、部分グレーズ22の性能低下が抑制される。たとえば、部分グレーズ22に異物が混在すると、部分グレーズ22の蓄熱性が低減する虞がある。よって、ショットブラストとしてウェットブラストを採用することで、部分グレーズ22の蓄熱性が低減することを抑制できる。また、第4工程によって中間グレーズ22cを焼成する前に、異物を除去するための追加の工程を必要としない。さらに、ウェットブラストの場合、ドライブラストよりも研磨材の粒子が小さいので、除去する中間グレーズ22bの領域をより細かく設定できる。つまり、本開示の製造方法では、さらに高精度にパターニングされた部分グレーズ22を形成することができる。
サーマルプリントヘッドA1の製造方法では、部分グレーズ形成工程の第3工程において、中間グレーズ22bの副走査方向yの両端部分(不用な中間グレーズ22b)を部分除去している。この構成によれば、部分グレーズ22の厚み(厚さ方向zの寸法dz)を小さくすることなく、幅(副走査方向yの寸法dy)のみを小さくできる。つまり、部分グレーズ22の厚みを確保することで、部分グレーズ22による蓄熱性の向上を図りつつ、幅を小さくすることで、基板1の大型化を抑制できる。
サーマルプリントヘッドA1の製造方法では、粗面化工程において、ショットブラストにより保護層5の第1被覆部51の表面51aを粗面化している。第1被覆部51は、プラテンローラ81によって印刷媒体82が押し付けられる部分である。この構成によると、第1被覆部51の表面51aに微細な凹凸が形成されるため、表面51aが粗面化されない場合と比較して、スタッキング(印刷媒体82の貼り付き)が抑制される。また、粗面化工程におけるショットブラストにおいて、ウェットブラストを採用している。ウェットブラストによる粗面化は、サンドブラストによる粗面化よりも、表面粗さ(たとえば算術平均粗さなど)が、比較的小さい。表面51aの凹凸が大きいほど、スタッキングの抑制には効果的であるが、印刷媒体82と第1被覆部51との接触面積が小さくなり、熱の伝達効率が低下する。したがって、ウェットブラストにより表面51a(第1被覆部51)の粗面化を行うことで、スタッキングを抑制しつつ、発熱部41からの熱の損失を抑制できる。このことは、サーマルプリントヘッドA1の印字品質を向上させる上で好適である。
上記実施形態では、粗面化工程により、第1被覆部51(保護層5)の表面51aを粗面化した場合を示したが、表面51aの粗面化を行わなくてもよい。また、この粗面化工程では、ウェットブラストを採用したが、他の方法で、表面51aの粗面化を行ってもよい。
上記実施形態では、部分グレーズ形成工程の第3工程でウェットブラストを採用したが、これに限定されず、他の方法で、中間グレーズ22bをパターニングしてもよい。
上記実施形態では、保護層5の第1被覆部51が隆起部511を含んでいる場合を示したが、これに限定されない。たとえば、図13に示すように、第1被覆部51が隆起部511を含んでいなくてもよい。図13は、このような変形例にかかるサーマルプリントヘッドを示す要部拡大断面図であり、図4に示す断面に対応する。たとえば、保護層形成工程で用いる保護層5を構成するガラスペーストの粘度およびこのガラスペーストの焼成条件などにより、図13に示すサーマルプリントヘッドが製造されうる。
上記実施形態では、基板1がセラミックからなる場合を示したが、これに限定されない。たとえば、基板1がシリコンからなっていてもよい。基板1がシリコンからなる場合
、基板1がセラミックからなる場合よりも、基板1における熱伝導率が高いため、発熱部41の熱の放熱性が高い。このため、蓄熱層(グレーズ層2の部分グレーズ22)に適度な厚みがないと、蓄熱性が損なわれ、印字効率の低下を招く。したがって、本開示のサーマルプリントヘッドの製造方法においては、部分グレーズ22の厚さを容易に確保することができるため、蓄熱性の低下を抑制し、印字効率の低下を抑制できる。なお、シリコンからなる基板1に応じて、グレーズ層2、電極層3、抵抗体層4および保護層5などの素材を、適宜変更してもよい。
本開示にかかるサーマルプリントヘッドの製造方法およびサーマルプリントヘッドは、上記した実施形態に限定されるものではない。本開示のサーマルプリントヘッドの製造方法の各工程の具体的な処理、および、サーマルプリントヘッドの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
本開示にかかるサーマルプリントヘッドの製造方法およびサーマルプリントヘッドは、以下の付記に関する実施形態を含む。
[付記1]
厚さ方向の一方を向く主面を有する基板を用意する工程と、
前記主面上に、部分グレーズを形成する部分グレーズ形成工程と、
前記部分グレーズを覆う電極層を形成する電極層形成工程と、
前記部分グレーズ上に形成され、かつ、前記厚さ方向に見て前記電極層の一部に重なる抵抗体層を形成する抵抗体層形成工程と、
を含み、
前記部分グレーズ形成工程は、
ガラスペーストを前記基板上に厚膜印刷する第1工程と、
前記ガラスペーストを固化し、中間グレーズを形成する第2工程と、
ショットブラストにより前記中間グレーズをパターニングする第3工程と、
前記パターニング後の中間グレーズを焼成し、前記部分グレーズを形成する第4工程と、
を含んでいる、ことを特徴とするサーマルプリントヘッドの製造方法。
[付記2]
前記ショットブラストは、ウェットブラストである、付記1に記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
[付記3]
前記第2工程では、前記ガラスペーストを乾燥させることで、前記ガラスペーストを固化する、付記1または付記2のいずれかに記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
[付記4]
前記第1工程において厚膜印刷された前記ガラスペーストは、副走査方向の両端が、第4工程後に形成される前記部分グレーズの副走査方向の両端よりもそれぞれ外方に位置する、付記1ないし付記3のいずれかに記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
[付記5]
前記第3工程では、前記パターニングにより、前記中間グレーズの副走査方向の両端部分をそれぞれ除去する、付記4に記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
[付記6]
前記主面のうち前記部分グレーズから露出する領域にガラス層を形成するガラス層形成工程を、さらに含み、
前記電極層形成工程では、前記部分グレーズから前記ガラス層に跨るように前記電極層を形成する、付記1ないし付記5のいずれかに記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
[付記7]
前記ガラス層形成工程では、ガラスペーストを焼成することで、前記ガラス層を形成し、
前記ガラス層形成工程におけるガラスペーストは、前記第1工程におけるガラスペーストよりも軟化点が低い、付記6に記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
[付記8]
前記部分グレーズ、前記抵抗体層および前記電極層を覆う保護層を形成する保護層形成工程と、
前記部分グレーズ上に形成された保護層の表面を粗面化する粗面化工程と、
をさらに含む、付記1ないし付記7のいずれかに記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
[付記9]
前記粗面化工程では、ウェットブラストにより粗面化を行う、付記8に記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
[付記10]
前記基板は、シリコンあるいはセラミックからなる、付記1ないし付記9のいずれかに記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
[付記11]
厚さ方向の一方を向く主面を有する基板と、
前記主面上に形成され、主走査方向に延びる帯状の部分グレーズと、
主走査方向に配列され、かつ、前記部分グレーズ上に形成された複数の発熱部を含む抵抗体層と、
前記抵抗体層に通電するための電極層と、
を備えており、
前記部分グレーズは、主走査方向に直交する断面の形状が前記基板の厚さ方向に膨出した形状であり、
前記主面は、前記部分グレーズに接する当接領域および前記部分グレーズに接しない非当接領域を含み、
前記当接領域および前記非当接領域は、前記部分グレーズの上面よりも微細な凹凸を有する、ことを特徴とするサーマルプリントヘッド。
[付記12]
前記非当接領域の前記凹凸の表面は、前記当接領域の前記凹凸の表面よりも粗面である、付記11に記載のサーマルプリントヘッド。
[付記13]
前記非当接領域に接するガラス層をさらに備える、付記11または付記12のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
[付記14]
前記部分グレーズは、副走査方向の寸法に対する厚さ方向の寸法の比率が0.05以上0.5以下である、付記11ないし付記13のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
[付記15]
前記部分グレーズ、前記抵抗体層および前記電極層を覆う保護層をさらに備えている、付記11ないし付記14のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
[付記16]
前記保護層は、前記部分グレーズ上に形成された第1被覆部および前記部分グレーズ上に形成されない第2被覆部を含み、
前記第1被覆部の表面は、前記第2被覆部の表面よりも粗面である、付記15に記載のサーマルプリントヘッド。
A1 :サーマルプリントヘッド
1 :基板
11 :主面
11a :当接領域
11b :非当接領域
2 :グレーズ層
22 :部分グレーズ
22a :ガラスペースト
22b,22c:中間グレーズ
23 :ガラス層
29 :マスク
3 :電極層
33 :共通電極
34 :共通電極帯状部
35 :連結部
351 :Ag層
36 :個別電極
37 :連結部
371 :平行部
372 :斜行部
38 :個別電極帯状部
39 :ボンディング部
39A :第1ボンディング部
39B :第2ボンディング部
4 :抵抗体層
41 :発熱部
5 :保護層
51 :第1被覆部
51a :表面
511 :隆起部
511a :表面
52 :第2被覆部
52a :表面
59 :マスク
61 :ワイヤ
71 :駆動IC
72 :封止樹脂
73 :コネクタ
74 :配線基板
75 :放熱部材
81 :プラテンローラ
82 :印刷媒体

Claims (10)

  1. 厚さ方向の一方を向く主面を有する基板を用意する工程と、
    前記主面上に、部分グレーズを形成する部分グレーズ形成工程と、
    前記部分グレーズを覆う電極層を形成する電極層形成工程と、
    前記部分グレーズ上に形成され、かつ、前記厚さ方向に見て前記電極層の一部に重なる抵抗体層を形成する抵抗体層形成工程と、
    を含み、
    前記部分グレーズ形成工程は、
    ガラスペーストを前記基板上の一部に厚膜印刷する第1工程と、
    前記ガラスペーストを固化し、中間グレーズを形成する第2工程と、
    ショットブラストにより前記中間グレーズをパターニングする第3工程と、
    前記パターニング後の中間グレーズを焼成し、前記部分グレーズを形成する第4工程と、
    を含んでおり、
    前記パターニング後の中間グレーズの上面は、凸に湾曲している、
    ことを特徴とするサーマルプリントヘッドの製造方法。
  2. 前記ショットブラストは、ウェットブラストである、
    請求項1に記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
  3. 前記第2工程では、前記ガラスペーストを乾燥させることで、前記ガラスペーストを固化する、
    請求項1または請求項2のいずれかに記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
  4. 前記第1工程において厚膜印刷された前記ガラスペーストは、副走査方向の両端が、第4工程後に形成される前記部分グレーズの副走査方向の両端よりもそれぞれ外方に位置する、
    請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
  5. 前記第3工程では、前記パターニングにより、前記中間グレーズの副走査方向の両端部分をそれぞれ除去する、
    請求項4に記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
  6. 前記主面のうち前記部分グレーズから露出する領域にガラス層を形成するガラス層形成工程を、さらに含み、
    前記電極層形成工程では、前記部分グレーズから前記ガラス層に跨るように前記電極層を形成する、
    請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
  7. 前記ガラス層形成工程では、ガラスペーストを焼成することで、前記ガラス層を形成し、
    前記ガラス層形成工程におけるガラスペーストは、前記第1工程におけるガラスペーストよりも軟化点が低い、
    請求項6に記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
  8. 前記部分グレーズ、前記抵抗体層および前記電極層を覆う保護層を形成する保護層形成工程と、
    前記部分グレーズ上に形成された保護層の表面を粗面化する粗面化工程と、
    をさらに含む、
    請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
  9. 前記粗面化工程では、ウェットブラストにより粗面化を行う、
    請求項8に記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
  10. 前記基板は、シリコンあるいはセラミックからなる、
    請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
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