JP7384568B2 - 熱電変換材料および熱電変換モジュール - Google Patents

熱電変換材料および熱電変換モジュール Download PDF

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Description

本発明は、熱電変換材料およびこれを用いた熱電変換モジュールに関する。
近年、エネルギーの有効活用に関する研究開発が盛んになっているが、石炭や石油を中心とする一次エネルギーが最終消費されるまでの過程で約60%が熱として廃棄されている。そのため、この排熱の再利用技術の開発が求められている。特に、排熱の電力変換技術は最も大きな要求の一つであり、これを実現する技術として、ゼーベック効果を用いた熱電変換モジュール(熱電変換素子)から構成される熱電変換システムがある。熱電変換システムは、スケーラブルかつタービンレスであるため、汎用性が高い。
例えば、特許文献1および特許文献2には、母材料と異種材料とを組み合わせた複合材料構造が記載され、特に特許文献1には、この複合材料構造を熱電変換材料として含む熱電変換素子が記載されている。
特開2016-164960号公報 特開2015-51883号公報
本発明者は、熱電変換モジュールに用いる熱電変換材料の構成を詳細に検討している。熱電変換材料の構成を工夫することにより、熱電変換材料および熱電変換モジュールの性能の向上が望まれる。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態による熱電変換材料は、4~9族の第1元素および13~15族の第2元素により構成されるチムニーラダー型化合物からなる母相と、前記母相の粒界に存在する添加相とを有し、前記母相は、前記チムニーラダー型化合物の格子定数を変化させる第3元素を含み、前記添加相は、前記第2元素を含む。
一実施の形態によれば、熱電変換材料および熱電変換モジュールの性能を向上することができる。
一実施の形態に係る熱電変換モジュールの要部を示す斜視模式図である。 図1に示す熱電変換モジュールの要部を示す断面模式図である。 一実施の形態に係る熱電変換材料の構成を示す断面模式図である。 一実施の形態に係る熱電変換材料の電子顕微鏡像である。 MnSiγ単相、および、MnSiγとSiとの複合材料構造のX線回折による結晶構造解析結果を示すグラフである。 MnSiγとSi1-xGeとの複合材料構造のX線回折による結晶構造解析結果を示すグラフである。 Mn(Si0.98Ge0.02γとSi1-xGeとの複合材料構造のX線回折による結晶構造解析結果を示すグラフである。 MnSiγとSiとからなる複合材料構造において、Geを添加したときのゼーベック係数の温度依存性を示すグラフである。 MnSiγとSiとからなる複合材料構造において、Geを添加したときの電気抵抗率の温度依存性を示すグラフである。 MnSiγとSiとからなる複合材料構造において、Geを添加したときの無次元性能指数の温度依存性を示すグラフである。 Mn1-zCrSiγとSiとの複合材料構造のX線回折による結晶構造解析結果を示すグラフである。 Mn1-zFeSiγとSiとの複合材料構造のX線回折による結晶構造解析結果を示すグラフである。 第1の変形例に係る熱電変換モジュールの要部を示す斜視模式図である。 図13に示す熱電変換モジュールの要部を示す平面模式図である。 第2の変形例に係る熱電変換モジュールの要部を示す断面模式図である。 第3の変形例に係る熱電変換モジュールの要部を示す断面模式図である。 第4の変形例に係る熱電変換モジュールの要部を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
(検討事項)
以下、実施の形態を説明する前に、本発明者が検討した事項について説明する。
熱電変換モジュールは、p型およびn型の熱電変換材料を含んでおり、熱電変換モジュールの熱電変換効率は、熱電変換材料の特性(熱電特性)に強く依存する。そのため、まず、熱電変換材料の特性(熱電性能)について説明する。熱電変換材料を評価するための無次元性能指数ZTは次式で示される。
ZT=ST/ρκ=ST/ρ(κ+κph
この式中、Sはゼーベック係数、Tは絶対温度、ρは比抵抗、κは熱伝導率、κはキャリアによる熱伝導率、κphは格子による熱伝導率を表している。この無次元性能指数ZTが大きいほど優れた熱電変換効率が高くなり、優れた熱電変換材料となる。
ここで、S、ρおよびκは、いずれもキャリア密度の関数であり、熱電変換材料中のキャリア密度が高いと、Sおよびρは小さく、κは大きくなる。一方、熱電変換材料中のキャリア密度が低いと、Sおよびρは大きく、κは小さくなる。そのため、熱電変換材料のキャリア密度には最適値が存在する。一般に、キャリア密度の依存性の大きいSおよびρからなる出力因子S/ρを大きくするように、熱電変換材料のキャリア密度を最適化する。
また、上記式中、κphはキャリア密度に依存しないため、熱電変換材料の結晶組織を制御することにより、κphを小さくすることが可能である。
以上より、熱電変換材料において無次元性能指数ZTを大きくするためには、(1)熱電変換材料の選択、(2)S/ρを最大にするための熱電変換材料中のキャリア密度の最適化、および、(3)熱電変換材料のκphの低減が必要である。
まず、(1)熱電変換材料の選択として、本発明者は、チムニーラダー型化合物に着目した。チムニーラダー型化合物は、4~9族金属Mと13~15族元素Xとからなる化合物MXγであり、M原子からなる正四角柱状の格子(煙突、チムニー)中にX原子が螺旋状の格子(梯子、ラダー)が配置される構造をとる。なお、γはMに対するXの組成比であり、1から2までの値をとる。チムニーラダー型化合物MXγは、環境低負荷かつ安価な材料選択が可能であること、この化合物のほとんどが半導体でありキャリア密度の制御が容易であること、および、複雑な結晶格子により他の化合物よりも低いκphが期待できることから、熱電変換材料として有望な材料である。
次に、(2)S/ρを最大にするための熱電変換材料中のキャリア密度の最適化、および、(3)熱電変換材料のκphの低減について説明する。
まず、熱電変換材料中のキャリア密度を変化させるためには、熱電変換材料の母材料(母相)を構成する第1元素を、前記第1元素と異なる価数を有する元素と置換(元素置換)することが一般的である。しかし、熱電変換材料の母材料であるチムニーラダー型化合物MXγに対して元素置換を行うと、母材料の格子定数が変化したり、格子欠陥が生成されたりするため、γも同時に変化する。γはMに対するXの組成比であるため、γが変化することによって、この熱電変換材料のキャリア密度も変化してしまう。このように、元素置換による最終的なキャリア密度が予測しにくいため、チムニーラダー型化合物を母材料とする熱電変換材料において、元素置換によってキャリア密度を制御することは困難である。
また、熱電変換材料のκphを小さくするには、熱電変換材料の母材料を構成する元素(第1元素)を、前記第1元素よりも原子量の大きい元素(重元素)と置換(元素置換)することが一般的である。それは、母材料を構成する元素を重元素で置換することで、(a)フォノンの群速度を低減させ、(b)フォノンのウムクラップ散乱を増加させ、(c)結晶構造の不規則性によるフォノンの散乱確率を増大させることができるからである。しかし、前述したように、熱電変換材料の母材料であるチムニーラダー型化合物MXγに対して元素置換を行うと、母材料の格子定数が変化したり、格子欠陥が生成されたりするため、γも同時に変化する。そのため、γが変化することによって、この熱電変換材料のキャリア密度も変化してしまう。このように、元素置換による最終的なキャリア密度が予測しにくいため、チムニーラダー型化合物を母材料とする熱電変換材料において、元素置換によってκphを小さくすることは困難である。
以上より、チムニーラダー型化合物を母材料とする熱電変換材料において、キャリア密度を最適化すること、および、κphを小さくすることを目的として元素置換を行った場合に、組成比γを容易に制御できることが望まれる。
(実施の形態)
[熱電変換モジュール]
以下、本実施の形態の熱電変換モジュール(熱電変換素子)について、図1および図2を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る熱電変換モジュールの要部を示す斜視模式図である。図2は、図1に示す熱電変換モジュールの要部を示す断面模式図である。
図1および図2に示すように、本実施の形態の熱電変換モジュール10は、熱電変換部11と、下部基板12と、上部基板13とを有している。熱電変換部11は、下部基板12と上部基板13とにより挟まれている。熱電変換部11は、複数のp型熱電変換材料14と、複数のn型熱電変換材料15と、複数の電極16とにより構成されている。p型熱電変換材料14とn型熱電変換材料15とは、電極16を介して交互に接続されている。このような熱電変換部11は、π型と呼ばれる。
図1に示すように、熱電変換モジュール10において、下部基板12と上部基板13との間に温度差を付けると、ゼーベック効果により熱電変換部11に含まれるp型熱電変換材料14およびn型熱電変換材料15にそれぞれ電圧が発生する。そのため、熱電変換モジュール10によれば、p型熱電変換材料14およびn型熱電変換材料15に発生した電圧を、電極16を介して外部に取り出すことで、熱を電気エネルギーに変換することができる。
図1および図2に示す本実施の形態の熱電変換モジュール10のp型熱電変換材料14には、後述する図3に示す本実施の形態の熱電変換材料101を採用することができる。本実施の形態の熱電変換材料101の具体例としては、Mn(Si0.98Ge0.02γ+SiGeが挙げられる。
また、図1および図2に示す本実施の形態の熱電変換モジュール10のn型熱電変換材料15は、例えばMgSiにより構成することができる。
[熱電変換材料]
<熱電変換材料の構成>
以下、本実施の形態の熱電変換材料の構成について、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態の熱電変換材料の構成を示す断面模式図である。
図3に示すように、本実施の形態の熱電変換材料101は、チムニーラダー型化合物からなる母相102と、母相102の粒界に存在する添加相103とを含んでいる。チムニーラダー型化合物MXγは、4~9族の元素(第1元素)Mと、13~15族の元素(第2元素)Xとにより構成されている。ここでγは、チムニーラダー型化合物中の第1元素Mに対する第2元素Xの組成比を表している。第1元素Mは、例えばMn、Fe、Ti、Ru、Rh、Mo、V、Reである。また、第2元素Xは、例えばSi、Ge、Ga、Snである。
そして、母相102は、元素(第3元素)Yを含んでいる。これにより、母相102を構成するチムニーラダー型化合物中の第2元素Xの一部は、元素Yと置換される。その結果、母相102を構成するチムニーラダー型化合物は、M(X1-yγという組成を有する。また、チムニーラダー型化合物中の第2元素Xの一部が、元素Yと置換されることにより、チムニーラダー型化合物MXγ中の組成比γが変化する。元素Yは、例えばGe、Al、Snである。元素Yとして、第2元素Xよりも原子量の大きい元素(重元素)を用いた場合には、前述したように、熱電変換材料101のκphを小さくすることができる。
そして、母相102は、元素(第3元素)Zを含んでいる。これにより、母相102を構成するチムニーラダー型化合物中の第1元素Mの一部は、元素Zと置換される。その結果、母相102を構成するチムニーラダー型化合物は、M1-zγという組成を有する。また、チムニーラダー型化合物中の第1元素Mの一部が、元素Zと置換されることにより、チムニーラダー型化合物MXγ中の組成比γが変化する。元素Zは、例えばCr、Re、Fe、W、Os、Irである。元素Zとして、第1元素Mと異なる価数の元素を用いた場合には、前述したように、熱電変換材料101のキャリア密度を大きく変化させることができる。そして、元素Zとして、第1元素Mよりも原子量の大きい元素(重元素)を用いた場合には、前述したように、熱電変換材料101のκphを小さくすることができる。
また、添加相103は、第2元素Xを含んでいる。さらに、添加相103は、第2元素Xと化合物を形成する元素(第4元素)Tを含んでいる。元素Tは、例えばGe、Al、Snである。
また、母相102と添加相103とは、共晶反応、共析反応、包晶反応、包析反応、偏晶反応または偏析反応のいずれの反応によっても化合物を形成せずに、互いに分離された状態で存在している。
以上より、本実施の形態の熱電変換材料101において、母相102の組成がM1-z(X1-yγであり、添加相103の組成がT1-xである。そのため、以下では、本実施の形態の熱電変換材料101の組成を、M1-z(X1-yγ+T1-xとして表す。
本実施の形態の具体例としては、母相102は、第1元素MをMn(マンガン)と、第2元素XをSi(ケイ素)としたチムニーラダー型化合物MnSiγ(マンガンシリサイド)からなる。そして、母相102は、元素YとしてGe(ゲルマニウム)を含んでいる。これにより、チムニーラダー型化合物MnSiγ中のSiの一部はGeと置換され、母相102を構成するチムニーラダー型化合物は、Mn(Si1-yGeγという組成を有する。
また、本実施の形態の具体例として、添加相103は、元素TをGeとしたSiGe(シリコンゲルマニウム)からなる。
また、本実施の形態の母相102を構成するチムニーラダー型化合物のその他の具体例としては、第1元素MをFe(鉄)と、第2元素XをGe(ゲルマニウム)としたチムニーラダー型化合物FeGeγが挙げられる。この場合には、本実施の形態の添加相103をFeGeとすればよい。すなわち、添加相103を構成するFeGeは、第2元素XであるGeを含んでいる。また、FeGeγからなる母相102とFeGeからなる添加相103とは、共晶反応、共析反応、包晶反応、包析反応、偏晶反応または偏析反応のいずれの反応によっても化合物を形成せずに、互いに分離された状態で存在している。
本実施の形態の母相102を構成するチムニーラダー型化合物のさらにその他の具体例としては、TiSi、RuGa、RuSi、RuSn、Rh10Ga17、Mo13Ge23、Rh17Ge22、V17Ge31、ReGeがある。また、本実施の形態の母相102には、これらのチムニーラダー型化合物のうち、一部元素欠陥した化合物や、これらのチムニーラダー型化合物の組み合わせが含まれていてもよい。
そして、添加相103には、母相102を構成するこれらのチムニーラダー型化合物と、共晶反応、共析反応、包晶反応、包析反応、偏晶反応または偏析反応のいずれの反応によっても化合物を形成しない材料を採用することができる。
<結晶構造>
以下、本実施の形態の熱電変換材料の結晶構造について、図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態の熱電変換材料の電子顕微鏡像である。
以下で説明する熱電変換材料は、原料粉末をメカニカルアロイング法によって粉砕すると共に反応させ、その後、スパークプラズマ焼結法によって900℃で熱処理し、焼結体として形成したものを用いた。
図4には、本実施の形態の熱電変換材料において、MnとSiとGeとの仕込み組成比が、Mn:Si:Ge=1.0:1.8:0.1である焼結体(実施例1)をBF-STEM(Bright Field Scanning Transmission Electron Microscope)により観察したBF-STEM像である。図4に示すように、実施例1の熱電変換材料は、数百nm大の粒状結晶によって構成されている。また、BF-STEM像では、原子量の大きい元素(重元素)は暗く、原子量の小さい元素(軽元素)は明るく表示される。これをEDX分析(Energy Dispersive X-ray spectrometry)の結果と組み合わせることにより、図4に示す数百nm大の明視野領域はMn(Si0.98Ge0.02γであり、暗視野領域はSi0.5Ge0.5であることがわかった。この結果から、実施例1の熱電変換材料は、母相をMn(Si0.98Ge0.02γとし、添加相をSi0.5Ge0.5とする複合材料構造を形成していることを確認できた。
また、図示しないが、実施例1の熱電変換材料の熱伝導率κを測定したところ、室温(25℃程度)から600℃程度までの範囲において、2.2W/Km程度とほぼ一定であった。一方、母相を構成するMn(Si0.98Ge0.02γのみからなる焼結体(比較例1)を形成して、この比較例1の熱電変換材料の熱伝導率κを測定したところ、室温(25℃程度)から600℃程度の範囲において、2.5~4.0W/Km程度となった。
実施例1の熱伝導率が比較例1よりも小さくなったのは、母相と添加相との間の界面熱抵抗によるものと考えられる。そして、実施例1の熱伝導率が温度を上昇させても変化しなかったことから、母相と添加相との界面構造が温度を上昇させても変化しないということを示している。これにより、実施例1と同様の構成を有する本実施の形態の熱電変換材料を600℃程度の高温で使用した場合であっても、熱電性能を維持することが可能であることを示している。
なお、上記熱電変換材料の作製方法において、熱処理温度は、900℃に限定されるものではなく、材料および組織構造に応じて最適な熱処理温度を選択することができる。また、実施例および比較例に係る熱電変換材料の作製方法は、前述したものに限定されるものではなく、例えばアーク溶解法やガスアトマイズ法などのバルク作製方法を用いてもよい。
<元素置換の影響>
以下、本実施の形態の熱電変換材料において、母相および添加相を構成する元素を他の元素に置換した場合における、母相の組成比γおよび熱電特性への影響について説明する。
図5は、MnSiγ単相、および、MnSiγとSiとの複合材料構造のX線回折による結晶構造解析結果を示すグラフである。図6は、MnSiγとSi1-xGeとの複合材料構造のX線回折による結晶構造解析結果を示すグラフである。図7は、Mn(Si0.98Ge0.02γとSi1-xGeとの複合材料構造のX線回折による結晶構造解析結果を示すグラフである。
また、図8は、MnSiγとSiとからなる複合材料構造において、Geを添加したときのゼーベック係数Sの温度依存性を示すグラフである。図9は、MnSiγとSiとからなる複合材料構造において、Geを添加したときの比抵抗ρの温度依存性を示すグラフである。図10は、MnSiγとSiとからなる複合材料構造において、Geを添加したときの無次元性能指数ZTの温度依存性を示すグラフである。
また、図11は、Mn1-xCrSiγとSiとの複合材料構造のX線回折による結晶構造解析結果を示すグラフである。図12は、Mn1-xFeSiγとSiとの複合材料構造のX線回折による結晶構造解析結果を示すグラフである。
図5に示すMnSiγのみからなる焼結体、MnSiγとSiとの焼結体、図6に示すMnSiγとSi1-xGeとの焼結体、図7に示すMn(Si0.98Ge0.02γとSi1-xGeとの焼結体、図11に示すMn1-zCrSiγとSiとの焼結体、および、図12に示すMn1-zFeSiγとSiとの焼結体は、いずれも上記実施例1と同様の作製方法によって作製した。
図5~図7、図11および図12に示す2θが39.5°、42.0°および42.5°近傍の回折ピークは、いずれもMnSiγ由来のピークである。2θが42.0°近傍のピークを第1ピークと、2θが42.5°近傍のピークを第2ピークとすると、第1ピークと第2ピークとの距離が、チムニーラダー型化合物MXγにおける組成比γに対応する。すなわち、組成比γが大きくなると、第1ピークと第2ピークとの距離が大きくなり、組成比γが小さくなると、第1ピークと第2ピークとの距離が小さくなる。また、第1ピークの位置がチムニーラダー型化合物MXγにおけるa軸およびb軸の格子定数に対応する。すなわち、チムニーラダー型化合物MXγにおけるa軸またはb軸の格子定数が大きくなると、第1ピークが低角側にシフトし、チムニーラダー型化合物MXγにおけるa軸またはb軸の格子定数が小さくなると、第1ピークが高角側にシフトする。
以上を前提に、まず、チムニーラダー型化合物MXγのみからなる単相構造の組成比γと、チムニーラダー型化合物MXγからなる母相、および、チムニーラダー型化合物MXγを構成する第2元素Xを含む添加相の複合材料構造の組成比γとを比較した結果について説明する。ここでは、MnSiγのみからなる焼結体の組成比γと、MnSiγおよびSiの焼結体(以下、焼結体MnSiγ+Siと表す)の組成比γとを比較した。
図5に示すように、MnSiγのみからなる焼結体(以下、焼結体MnSiγと表す)と、MnSiγとSiとの焼結体(以下、焼結体MnSiγ+Siと表す)とを比較すると、第1ピークの位置は同じであることから、母相を構成するチムニーラダー型化合物MnSiγにおけるa軸またはb軸の格子定数は、添加相Siの有無によって変化しないことがわかる。一方、添加相Siの存在によって、第2ピークが高角側にシフトしている。その結果、焼結体MnSiγの第1ピークと第2ピークとの間の距離d1よりも、焼結体MnSiγ+Siの第1ピークと第2ピークとの間の距離d2の方が大きい。
以上の図5に示す結果から、母相を構成するチムニーラダー型化合物MnSiγの組成比γは、添加相Siの存在によって大きくなることがわかった。前述したように、チムニーラダー型化合物MnSiγは、Mn原子からなる正四角柱状の格子中にSi原子が螺旋状の格子が配置される構造をとる。添加相Siが存在すると、系全体のSi量が多くなるため、添加相中のSiの一部が母相に取り込まれる。その結果、Mn原子からなる正四角柱状の格子は変化しない一方、Si原子からなる螺旋状の格子が縮み、γが大きくなったものと考えられる。
次に、添加相を構成する元素を他の元素に置換した場合の、その置換量と組成比γとの関係について説明する。すなわち、母相をMXγと、添加相をT1-xとした複合材料構造において、xの値を変化させた場合の組成比γの変化について説明する。ここでは、MnSiγとSi1-xGeとの焼結体(以下、焼結体MnSiγ+Si1-xGeと表す)を用いた。
図6に示す焼結体MnSiγ+Si1-xGeにおいては、添加相のSiに対してGeを最大で95%まで置換している。すなわち、添加相Si1-xGe中のxは、最大で0.95である。添加相Si1-xGe中のxが最も小さい(x=0)焼結体MnSiγ+Si1-xGeは、図5に示す焼結体MnSiγ+Siに相当する。
図6に示すように、焼結体MnSiγ+Si1-xGeにおいて、添加相Si1-xGe中のGe量を増やした場合であっても、第1ピークの位置は変化しないことから、母相を構成するチムニーラダー型化合物MnSiγにおけるa軸またはb軸の格子定数は、添加相Si1-xGe中のGe量にかかわらず一定であることがわかる。一方、添加相Si1-xGe中のGe量を増やすにしたがって、第2ピークが低角側にシフトしている。すなわち、添加相Si1-xGe中のGe量を増やすにしたがって、第1ピークと第2ピークとの間の距離が小さくなっている。例えば、焼結体MnSiγ+Si1-xGeにおいて、Ge量が最も少ない焼結体の第1ピークと第2ピークとの間の距離d3よりも、Ge量が最も多い焼結体の第1ピークと第2ピークとの間の距離d4の方が小さい。
以上の図6に示す結果から、母相を構成するチムニーラダー型化合物MnSiγの組成比γは、添加相Si1-xGe中のGe量を増やすにしたがって、小さくなることがわかった。前述したように、添加相Si1-xGeが存在すると、系全体のSi量が多くなるため、添加相中のSiの一部が母相に取り込まれる。ただし、添加相中のGeはSiと化合物を形成するため、添加相Si1-xGe中のGe量が多くなると、添加相中のSiのうち母相に取り込まれるSi量が相対的に少なくなる。
また、添加相Si1-xGe中のGe量がさらに多くなると、添加相中のSiは母相に取り込まれず、逆に母相を構成するMnSiγ中のSiが添加相に取り込まれて添加相中のGeと化合物を作るようになる。その結果、母相MnSiγ中のSi量が減少し、Mn原子からなる正四角柱状の格子は変化しない一方、Si原子からなる螺旋状の格子が伸び、γが小さくなったものと考えられる。
このことは、図6に示す焼結体MnSiγ+Si1-xGeのうち、Ge量が最も多い焼結体の第1ピークと第2ピークとの間の距離d4が、図5に示す添加相Siを有しない焼結体MnSiγの第1ピークと第2ピークとの間の距離d2よりも小さいという結果と矛盾しない。すなわち、図6に示す焼結体MnSiγ+Si1-xGeのうち、Ge量が最も多い焼結体は、添加相にSiを含むにもかかわらず、図5に示す添加相Siを有しない(添加相にSiを含まない)焼結体よりも組成比γが小さいことと矛盾しない。
なお、SiとGeとでは価数が同じであるため、添加相Si1-xGe中のGe量を変化させても、焼結体のキャリア密度は変化しないとも思われる。しかし、前述したように、γは母相中のMnに対するSiの組成比であるため、γが小さくなるにしたがって、この焼結体のキャリア密度は高くなる。MnSiγにおいては、γ=1.75のときに真性半導体と、γ<1.75のときにp型半導体となる。
次に、母相を構成する元素を他の元素に置換し、かつ、添加相を構成する元素を他の元素に置換した場合の、添加相中の置換量と組成比γとの関係について説明する。ここでは、置換元素として、母相MXγを構成する第2元素Xと置換される元素Yを導入している。すなわち、母相をM(X1-yγと、添加相をT1-xとした複合材料構造において、xの値を変化させた場合の組成比γの変化について説明する。ここでは、Mn(Si0.98Ge0.02γとSi1-xGeとの焼結体(以下、焼結体Mn(Si0.98Ge0.02γ+Si1-xGeと表す)を用いた。
図7に示す焼結体Mn(Si0.98Ge0.02γ+Si1-xGeにおいては、添加相のSiに対してGeを最大で60%まで置換している。すなわち、添加相Si1-xGe中のxは、最大で0.60である。
図7に示すように、焼結体Mn(Si0.98Ge0.02γ+Si1-xGeにおいて、添加相Si1-xGe中のGe量を増やすにしたがって、第1ピークの位置は低角側にシフトする。これは、母相を構成するチムニーラダー型化合物Mn(Si0.98Ge0.02γにおけるa軸またはb軸の格子定数が大きくなったことを示している。すなわち、母相MnSiγを構成するSiをあらかじめGeに置換しておくと、添加相中のGe量を増やすにしたがって、Geが母相に取り込まれることを意味している。もともと、チムニーラダー型化合物MnSiγに対するGeの固溶量は2at%程度であることが知られている(すなわちMn(Si0.98Ge0.02γ)が、Geが母相に取り込まれることによって、母相中のSiがさらにGeに置換され、母相の結晶構造が変化したものと考えられる。
一方、添加相Si1-xGe中のGe量を増やすにしたがって、第2ピークが低角側にシフトしている。これは、図6で説明したように、添加相中のGeが母相を構成するMn(Si1-yGeγ中のSiと化合物を作り、母相Mn(Si1-yGeγ中のSi量が相対的に減少するためであると考えられる。
なお、第2ピークのシフト量は、前述の第1ピークのシフト量よりも大きい。すなわち、添加相Si1-xGe中のGe量を増やすにしたがって、第1ピークと第2ピークとの距離が小さくなっている。例えば、焼結体Mn(Si0.98Ge0.02γ+Si1-xGeにおいて、Ge量が最も少ない焼結体の第1ピークと第2ピークとの間の距離d5よりも、Ge量が最も多い焼結体の第1ピークと第2ピークとの間の距離d6の方が小さい。
以上より、母相を構成するチムニーラダー型化合物MnSiγの組成比γは、母相を構成する第2元素(Si)が他の元素(Ge)に置換されると変化することがわかる。そして、第2元素(Si)、および、第2元素(Si)と化合物を形成する第5元素(Ge)により添加相を構成し、添加相中の第5元素(Ge)の量を変化させると、母相を構成するチムニーラダー型化合物MnSiγの組成比γが変化することがわかる。
ここで、本実施の形態の熱電変換材料において、母相および添加相を構成する元素を他の元素に置換した場合における、元素置換の割合と熱電変換材料の特性との関係について、図8~図10を用いて説明する。
図8~図10に示すグラフは、図7に示す焼結体Mn(Si0.98Ge0.02γ+Si1-xGeにおいて、添加するGe量を変化させて測定した物性値を表している。具体的には、本実施の形態の熱電変換材料において、MnとSiとGeとの仕込み組成比が、Mn:Si:Ge=1.0:1.9-g:gである焼結体において、gを0.00、0.05、0.10、0.15と変化させたものにそれぞれ対応するものである。すなわち、これらの焼結体においては、gが大きくなるにつれて、添加相中のGe量が多くなる。
図8に示すように、ゼーベック係数Sは、添加相中のGe量を増やすにしたがって小さくなる。また、図9に示すように、比抵抗ρは、添加相中のGe量を増やすにしたがって小さくなる。これらの結果より、図示しないが、本実施の形態において、出力因子S/ρはg=0.10のときに最大値をとる。
次に、母相を構成する元素を他の元素に置換し、かつ、添加相を構成する元素を他の元素に置換した場合の、添加相中の置換量と組成比γとの関係について説明する。先ほどと異なり、ここでは、置換元素として、母相MXγを構成する第1元素Mと置換される元素Zを導入している。すなわち、母相をM1-zγと、添加相をXとした複合材料構造において、zの値を変化させた場合の組成比γの変化について説明する。ここでは、Mn1-zCrSiγとSiとの焼結体(以下、焼結体Mn1-zCrSiγ+Siと表す)、および、Mn1-zFeSiγとSiとの焼結体(以下、焼結体Mn1-zFeSiγ+Siと表す)を用いた。
図11に示す焼結体Mn1-zCrSiγ+Siにおいては、添加相のMnに対してCrを最大で20%まで置換している。すなわち、母相Mn1-zCrSiγ中のzは、最大で0.20である。同様に、図12に示す焼結体Mn1-zFeSiγ+Siにおいては、添加相のMnに対してFeを最大で20%まで置換している。すなわち、母相Mn1-zFeSiγ中のzは、最大で0.20である。
図11に示すように、焼結体Mn1-zCrSiγ+Siにおいて、母相Mn1-zCrSiγ中のCr量を増やすにしたがって、第1ピークの位置は低角側にシフトする。これは、母相を構成するチムニーラダー型化合物Mn1-zCrSiγにおけるa軸またはb軸の格子定数が大きくなったことを示している。すなわち、母相を構成するMn原子からなる正四角柱状の格子において、MnがCrに置換されるにしたがって、母相の結晶構造が変化したものと考えられる。
一方、第2ピークの位置は同じであることから、Si原子からなる螺旋状の格子には変化がないものと考えられる。すなわち、母相Mn1-zCrSiγ中のCr量を増やすにしたがって、第1ピークと第2ピークとの距離が大きくなっている。例えば、焼結体Mn1-zCrSiγ+Siにおいて、Cr量が最も少ない焼結体の第1ピークと第2ピークとの間の距離d7よりも、Cr量が最も多い焼結体の第1ピークと第2ピークとの間の距離d8の方が大きい。
また、図12に示すように、焼結体Mn1-zFeSiγ+Siにおいて、母相Mn1-zFeSiγ中のFe量を増やすにしたがって、第1ピークの位置は高角側にシフトする。これは、母相を構成するチムニーラダー型化合物Mn1-zFeSiγにおけるa軸またはb軸の格子定数が小さくなったことを示している。すなわち、母相を構成するMn原子からなる正四角柱状の格子において、MnがFeに置換されるにしたがって、母相の結晶構造が変化したものと考えられる。
一方、第2ピークの位置は同じであることから、Si原子からなる螺旋状の格子には変化がないものと考えられる。すなわち、母相Mn1-zFeSiγ中のFe量を増やすにしたがって、第1ピークと第2ピークとの距離が大きくなっている。例えば、焼結体Mn1-zFeSiγ+Siにおいて、Fe量が最も少ない焼結体の第1ピークと第2ピークとの間の距離d9よりも、Fe量が最も多い焼結体の第1ピークと第2ピークとの間の距離d10の方が小さい。
以上より、母相を構成するチムニーラダー型化合物MnSiγの組成比γは、母相を構成する第1元素(Mn)が他の元素(CrまたはFe)に置換されると変化することがわかる。
<本実施の形態の主要な特徴および効果>
本実施の形態の熱電変換材料101の主要な特徴の一つは、図3に示すように、チムニーラダー型化合物MXγ(例えばMnSiγ)からなる母相102と、母相102の粒界に存在する添加相103とを含んでいることである。そして、母相102は、チムニーラダー型化合物MXγの格子定数を変化させる第3元素を含んでいる。すなわち、母相102は、チムニーラダー型化合物中の第2元素X(例えばSi)の一部と置換される元素Y(例えばGe)、または、母相102を構成するチムニーラダー型化合物中の第1元素M(例えばMn)の一部と置換される元素Z(例えばCr、Fe)を含んでいる。また、添加相103は、元素T(例えばGe)および第2元素Xを含んでいる。元素Tは、第2元素Xと化合物を形成する元素である。
前述したように、母相102が元素Yを含むことにより、母相102を構成するチムニーラダー型化合物MXγ中の第2元素Xの一部が元素Yと置換される。これにより、置換後のチムニーラダー型化合物M(X1-yγの格子定数が、置換前のチムニーラダー型化合物MXγの格子定数と異なる値になる。その結果、チムニーラダー型化合物MXγ中の組成比γが変化する。
同様に、母相102が元素Zを含むことにより、母相102を構成するチムニーラダー型化合物MXγ中の第1元素Mの一部が元素Zと置換される。これにより、置換後のチムニーラダー型化合物M1-zγの格子定数が、置換前のチムニーラダー型化合物MXγの格子定数と異なる値になる。その結果、チムニーラダー型化合物MXγ中の組成比γが変化する。
一方、添加相103が第2元素Xを含むことで、母相102を構成するチムニーラダー型化合物MXγ中の第2元素Xの量が相対的に変化する。より詳細には、添加相103が元素Tを含むことにより、母相102を構成するチムニーラダー型化合物MXγ中の第2元素Xの一部が、添加相103の元素Tと化合物を形成し、母相102を構成するチムニーラダー型化合物MXγ中の第2元素Xの量が相対的に減少する。その結果、チムニーラダー型化合物MXγ中の組成比γが小さくなる。
以上より、本実施の形態の熱電変換材料にあっては、母相と添加相との両方に元素を添加することにより、母相を構成するチムニーラダー型化合物MXγの組成比γを目的の値に調整することができる。すなわち、母相を構成するチムニーラダー型化合物MXγの第1元素M(例えばMn)または第2元素X(例えばSi)を他の元素(例えばGe、CrまたはFe)に置換した場合に、添加相中の第2元素Xの量を元素T(例えばGe)によって調整することにより、組成比γを目的の値に調整することができる。その結果、本実施の形態のチムニーラダー型化合物を母材料とする熱電変換材料において、キャリア密度を最適化すること、および、κphを小さくすることを目的として元素置換を行った場合に、組成比γを容易に制御できる。そして、組成比γを制御することで、熱電変換材料中のキャリア密度を最適化して、出力因子S/ρを最大にすることができる。
また、本実施の形態では、本実施の形態の熱電変換材料101は、母相と添加相との複合材料構造を採用している。これにより、母相と添加相との間の界面熱抵抗によって、格子による熱伝導率κphを小さくすることができる。
特に、本実施の形態では、母相102と添加相103とは、共晶反応、共析反応、包晶反応、包析反応、偏晶反応または偏析反応のいずれの反応によっても化合物を形成せずに、互いに分離された状態で存在している。そのため、熱電変換材料の温度を上昇させたとしても、母相102と添加相103との界面構造が崩れることがない。その結果、本実施の形態の熱電変換材料は、高温で使用した場合であっても、熱電性能を維持することができる。
なお、前述したように、κphはキャリア密度に依存しない。そして、焼結体MXγ+X1-x中の母相MXγと添加相X1-xとの比率や、母相や添加相の結晶粒径を変化させても、組成比γは変化しないことがわかっている。そのため、添加相を母相の粒界等に分散させることにより、κphを効果的に小さくすることが可能である。
また、図1および図2に示すように、本実施の形態の熱電変換モジュール10においては、p型熱電変換材料14に、図3に示す本実施の形態の熱電変換材料101を採用することができるため、熱電変換モジュール10の性能を向上することができる。
なお、本実施の形態では、添加相103は、母相102の粒界に存在する場合を例に説明したが、これに限定されず、添加相103は、母相102の粒界以外に存在してもよい。すなわち、母相102は、チムニーラダー型化合物MXγと、添加相103とを含んでいてもよい。ただし、添加相103は、少なくとも母相102の粒界には必ず存在している。
また、母相102を構成するチムニーラダー型化合物は、元素欠陥があってもよい。また、複数のチムニーラダー型化合物を組み合わせてもよい。また、母相102および添加相103において、構成元素の一部が、前述した第3元素、第4元素および第5元素以外の別の元素で置換されていてもよい。
また、図示しないが、本実施の形態の熱電変換材料には、前述した母相および添加相に加え、第2添加相が前記母相の粒界等に存在していてもよい。第2添加相を設けることで、熱電変換材料の格子による熱伝導率κphをより小さくすることができる。ここで、第2添加相を例えば金属により構成した場合には、第2添加相の抵抗率を前記母相および前記添加相の抵抗率よりも小さいため、熱電変換材料の比抵抗ρが高くなりにくいというメリットがある。一方、第2添加相を例えば半導体や絶縁体により構成した場合には、第2添加相を金属により構成した場合に比べて、格子による熱伝導率κphをより小さくすることができるというメリットがある。すなわち、格子による熱伝導率κphおよび比抵抗ρの両方を小さくするという観点からは、第2添加相を金属により構成した方が、第2添加相を半導体や絶縁体により構成するよりも有利である。一方、格子による熱伝導率κphをできるだけ小さくするという観点からは、第2添加相を半導体や絶縁体により構成した方が、第2添加相を金属により構成するよりも有利である。
(変形例1)
以下、上記実施の形態の第1の変形例(以下、変形例1)の熱電変換モジュールについて、図13および図14を用いて説明する。図13は、変形例1に係る熱電変換モジュールの要部を示す斜視模式図である。図14は、図13に示す熱電変換モジュールの要部を示す平面模式図である。
図13および図14に示すように、変形例1の熱電変換モジュール20は、熱電変換部21と、下部基板22とを有している。熱電変換部21は、下部基板22上に形成されている。熱電変換部21は、複数のp型熱電変換材料24と、複数のn型熱電変換材料25と、複数の電極26とにより構成されている。p型熱電変換材料24とn型熱電変換材料25とは、電極26を介して交互に接続されている。下部基板22は、例えばサファイア基板により構成している。p型熱電変換材料24およびn型熱電変換材料25は、下部基板22上に、例えばマグネトロンスパッタリング法により薄膜状に成膜し、800℃程度で熱処理することにより形成した。なお、p型熱電変換材料24およびn型熱電変換材料25は、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法やPLD(Pulse Laser Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等の薄膜形成手法を用いて形成してもよい。
図13に示すように、熱電変換モジュール20において、面内方向(図13中矢印の方向)に温度差を付けると、ゼーベック効果により熱電変換部21に含まれるp型熱電変換材料24およびn型熱電変換材料25にそれぞれ電圧が発生する。そのため、熱電変換モジュール20によれば、p型熱電変換材料24およびn型熱電変換材料25に発生した電圧を、電極26を介して外部に取り出すことで、熱を電気エネルギーに変換することができる。
図13および図14に示す変形例1の熱電変換モジュール20のp型熱電変換材料24には、図3に示す上記実施の形態の熱電変換材料101を採用することができる。また、図13および図14に示す変形例1の熱電変換モジュール20のn型熱電変換材料25は、例えばMgSiにより構成することができる。
変形例1の熱電変換部21は、図1および図2に示す上記実施の形態の熱電変換部11と同様にπ型であるが、薄膜状に形成されている点が、上記実施の形態の熱電変換部11との相違点である。変形例1の熱電変換モジュール20においても、上記実施の形態の熱電変換モジュール10と同様に、p型熱電変換材料24に、図3に示す上記実施の形態の熱電変換材料101を採用することができるため、熱電変換モジュール20の性能を向上することができる。
なお、変形例1のp型熱電変換材料24においても、母相102と添加相103とは、共晶反応、共析反応、包晶反応、包析反応、偏晶反応または偏析反応のいずれの反応によっても化合物を形成せずに、互いに分離された状態で存在している。そのため、p型熱電変換材料24を構成する熱電変換材料101の熱処理温度は、800℃に限定されず、構成元素や組織構造に合わせて熱電性能を最大化できる熱処理温度を選択することが可能である。
(変形例2)
以下、上記実施の形態の第2の変形例(以下、変形例2)の熱電変換モジュールについて、図15を用いて説明する。図15は、変形例2に係る熱電変換モジュールの要部を示す断面模式図である。
図15に示すように、変形例2の熱電変換モジュール30は、熱電変換部31と、下部基板32と、上部基板33とを有している。熱電変換部31は、下部基板32と上部基板33とにより挟まれている。熱電変換部31は、複数のp型熱電変換材料34と、複数の電極36とにより構成されている。p型熱電変換材料34は、電極36を介して交互に接続されている。変形例2の熱電変換モジュール30のp型熱電変換材料34には、図3に示す上記実施の形態の熱電変換材料101を採用することができる。なお、p型熱電変換材料34の代わりにn型熱電変換材料を用いてもよい。
熱電変換モジュール30において、下部基板32と上部基板33との間に温度差を付けると、ゼーベック効果により熱電変換部31に含まれるp型熱電変換材料34に電圧が発生する。そのため、熱電変換モジュール30によれば、p型熱電変換材料34に発生した電圧を、電極36を介して外部に取り出すことで、熱を電気エネルギーに変換することができる。
変形例2の熱電変換部31は、ユニレグ型である点、すなわちp型熱電変換材料またはn型熱電変換材料のいずれか一種類のみにより構成されている点が、上記実施の形態の熱電変換部11との相違点である。変形例2の熱電変換モジュール30においても、上記実施の形態の熱電変換モジュール10と同様に、p型熱電変換材料34に、図3に示す上記実施の形態の熱電変換材料101を採用することができるため、熱電変換モジュール30の性能を向上することができる。
(変形例3)
以下、上記実施の形態の第3の変形例(以下、変形例3)の熱電変換モジュールについて、図16を用いて説明する。図16は、変形例3に係る熱電変換モジュールの要部を示す断面模式図である。
図16に示すように、変形例3の熱電変換モジュール40は、熱電変換部41と、下部基板42と、上部基板43とを有している。熱電変換部41は、下部基板42と上部基板43とにより挟まれている。熱電変換部41は、複数のp型熱電変換材料44と、複数の電極46とにより構成されている。p型熱電変換材料44は、電極46を介して交互に接続されている。複数のp型熱電変換材料44は、絶縁膜47を介して並んでいる。変形例3の熱電変換モジュール40のp型熱電変換材料44には、図3に示す上記実施の形態の熱電変換材料101を採用することができる。なお、p型熱電変換材料44の代わりにn型熱電変換材料を用いてもよい。
熱電変換モジュール40において、下部基板42と上部基板43との間に温度差を付けると、ゼーベック効果により熱電変換部41に含まれるp型熱電変換材料44に電圧が発生する。そのため、熱電変換モジュール40によれば、p型熱電変換材料44に発生した電圧を、電極46を介して外部に取り出すことで、熱を電気エネルギーに変換することができる。
変形例3の熱電変換部41は、図15に示す変形例2の熱電変換部31と同様にユニレグ型であるが、薄膜状に形成されている点が、変形例2の熱電変換部31との相違点である。変形例3の熱電変換モジュール40においても、上記実施の形態の熱電変換モジュール10と同様に、p型熱電変換材料44に、図3に示す上記実施の形態の熱電変換材料101を採用することができるため、熱電変換モジュール40の性能を向上することができる。
(変形例4)
以下、上記実施の形態の第4の変形例(以下、変形例4)の熱電変換モジュールについて、図17を用いて説明する。図17は、変形例4に係る熱電変換モジュールの要部を示す断面模式図である。
図17に示すように、変形例4の熱電変換モジュール50は、熱電変換部51と、下部基板52と、上部基板53とを有している。熱電変換部51は、下部基板52と上部基板53とにより挟まれている。熱電変換部51は、複数のp型熱電変換材料54と、複数のn型熱電変換材料55と、複数の電極56とにより構成されている。p型熱電変換材料54とn型熱電変換材料55とは、電極56を介して交互に接続されている。下部基板52とp型熱電変換材料54およびn型熱電変換材料55との間、ならびに、上部基板53とp型熱電変換材料54およびn型熱電変換材料55との間には、絶縁膜57が配置されている。
熱電変換モジュール50において、下部基板52と上部基板53との間に温度差を付けると、ゼーベック効果により熱電変換部51に含まれるp型熱電変換材料54およびn型熱電変換材料55にそれぞれ電圧が発生する。そのため、熱電変換モジュール50によれば、p型熱電変換材料54およびn型熱電変換材料55に発生した電圧を、電極56を介して外部に取り出すことで、熱を電気エネルギーに変換することができる。
変形例4の熱電変換モジュール50のp型熱電変換材料54には、図3に示す上記実施の形態の熱電変換材料101を採用することができる。また、図17に示す変形例4の熱電変換モジュール50のn型熱電変換材料55は、例えばMgSiにより構成することができる。
変形例4の熱電変換部51は、トランスバース型である点、すなわちp型熱電変換材料とn型熱電変換材料とが接続される方向がπ型(図2の熱電変換部11参照)に比べて90°回転している点が、上記実施の形態の熱電変換部11との相違点である。変形例4の熱電変換モジュール50においても、上記実施の形態の熱電変換モジュール10と同様に、p型熱電変換材料54に、図3に示す上記実施の形態の熱電変換材料101を採用することができるため、熱電変換モジュール50の性能を向上することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
10,20,30,40,50 熱電変換モジュール
11,21,31,41,51 熱電変換部
12,22,32,42,52 下部基板
13,33,43,53 上部基板
14,24,34,44,54 p型熱電変換材料
15,25,55 n型熱電変換材料
16,26,36,46,56 電極
47,57 絶縁膜
101 熱電変換材料
102 母相
103 添加相

Claims (15)

  1. 4~9族の第1元素および13~15族の第2元素により構成されるチムニーラダー型化合物を含む母相と、前記母相の粒界に存在する添加相とを有し、
    前記母相は、前記チムニーラダー型化合物の格子定数を変化させる第3元素を含み、
    前記添加相は、前記第2元素を含む(ただし、前記添加相は、前記母相または前記添加相に含まれる前記第2元素もしくは前記第2元素を含む化合物よりも抵抗の低い成分を含まない)、熱電変換材料。
  2. 請求項1記載の熱電変換材料において、
    前記母相と前記添加相とは、共晶反応、共析反応、包晶反応、包析反応、偏晶反応または偏析反応のいずれの反応によっても化合物を形成せずに、互いに分離された状態で存在している、熱電変換材料。
  3. 請求項1記載の熱電変換材料において、
    前記添加相は、前記第2元素と化合物を形成する第4元素を含む、熱電変換材料。
  4. 請求項3記載の熱電変換材料において、
    前記第4元素は、GeまたはSnである、熱電変換材料。
  5. 請求項1記載の熱電変換材料において、
    前記第3元素は、前記第1元素の一部または前記第2元素の一部と置換されることによって、前記チムニーラダー型化合物中の前記第1元素に対する前記第2元素の組成比を変化させる、熱電変換材料。
  6. 請求項5記載の熱電変換材料において、
    前記第3元素は、前記第2元素の一部と置換され、
    前記第3元素の原子量は、前記第2元素の原子量よりも大きい、熱電変換材料。
  7. 請求項6記載の熱電変換材料において、
    前記第3元素は、GeまたはSnである、熱電変換材料。
  8. 請求項5記載の熱電変換材料において、
    前記第3元素は、前記第1元素の一部と置換され、
    前記第3元素は、前記第1元素と異なる価数の元素である、熱電変換材料。
  9. 請求項8記載の熱電変換材料において、
    前記第3元素は、Cr、Re、Fe、W、OsまたはIrである、熱電変換材料。
  10. 請求項5記載の熱電変換材料において、
    前記第3元素は、前記第1元素の一部と置換され、
    前記第3元素の原子量は、前記第1元素の原子量よりも大きい、熱電変換材料。
  11. 請求項10記載の熱電変換材料において、
    前記第3元素は、Cr、Re、Fe、W、OsまたはIrである、熱電変換材料。
  12. 請求項1記載の熱電変換材料を含む熱電変換部を備える、熱電変換モジュール。
  13. 請求項12記載の熱電変換モジュールにおいて、
    前記熱電変換部は、π型である、熱電変換モジュール。
  14. 請求項12記載の熱電変換モジュールにおいて、
    前記熱電変換部は、ユニレグ型である、熱電変換モジュール。
  15. 請求項12記載の熱電変換モジュールにおいて、
    前記熱電変換部は、トランスバース型である、熱電変換モジュール。
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