以下、第1~第4実施形態にかかる鍵管理装置及び、その鍵管理装置を用いた駐車場管理システムを、図面を用いて説明する。第1~第3実施形態では、複数の被管理物である複数の車両の鍵を管理する鍵管理装置を例示して説明する。また、第4実施形態では、複数の異なる被管理物である複数の車両及び複数の会議室の鍵を管理する鍵管理装置を例示して説明する。
[第1実施形態]
始めに、第1実施形態について説明する。第1実施形態では、使用者が車両の鍵を鍵管理装置から取り出す場合には、複数の駐車エリアに駐車している車両をカメラで撮影した画像に基づいて、どの駐車エリアにどの車両が駐車しているかを判定し、駐車場の入り口に最も近い駐車エリア(つまり、次に出庫可能と判定された車両が駐車している駐車エリア)に駐車している車両を特定し、その車両の鍵を保持している鍵保持部を使用者に報知する場合を例示して説明する。また、第1実施形態では、使用者が鍵を鍵管理装置に返却する場合には、複数の鍵保持部のうち、次に返却可能と判定された鍵保持部に鍵が返却されるように、鍵が返却されるべき鍵保持部を使用者に報知する場合を例示して説明する。
図1は、第1実施形態による駐車場管理システム200の概要を説明する図である。図1に示すように、駐車場管理システム200を使用する使用者である従業員が働く会社100では、複数の使用者が共用で使用する複数の社用車である複数の車両(移動体とも称する)300A~300Dが用いられる。第1実施形態では、車両300として、車両300A~300Dが用いられる場合について説明する。なお、車両300A~300Dを特に区別しない場合には、車両300と称することもある。
なお、第1実施形態では、会社100で、複数の会社員である使用者が、複数の社用車を使用して働く場合について説明するが、これに限定されるものではない。例えば、ホテルや旅館に雇用される複数の従業員である使用者が、複数の送迎車を使用して送迎を行うような場合も、駐車場管理システム200を適用することができる。
会社100では、複数の車両300(図1では、車両300A~300D)を駐車するための駐車エリア110A~110Dが設けられている。なお、駐車エリア110A~110Dを特に区別しない場合には、駐車エリア110と称することもある。車両300A~300Dは、外出先から戻った場合に、駐車エリア110A~110Dのいずれかに駐車される。
ここで、第1実施形態では、駐車エリア110A~110Dの周囲には、多数の木70が植えられているため、入出庫の際の車両300の移動スペース(切り返しのためのスペース)は殆ど無く、車両300A~300Dを一列に駐車する程度の駐車エリア110A~110Dしか存在しない。このような狭い駐車場では、車両300A~300Dが、外出先から、道路80を通って帰社した場合に、駐車エリア110A~110Dの入口111Aから遠い奥側から詰めて順番に駐車される。
図1では、車両300A~300Cが駐車エリア110A~110Cに入庫した順番で、入口111Aから遠い奥側から詰めて駐車されている。つまり、車両300Aは、入口111Aから最も遠い駐車エリア110Aに駐車されており、車両300Bは、入口111Aから2番目に遠い駐車エリア110Bに駐車されており、車両300Cは、入口111Aから3番目に遠い駐車エリア110Cに駐車されている場合について示している。最後に帰社する車両300Dは、入口111Aに最も近い駐車エリア110Dに駐車される。
そのため、駐車エリア110A~110Dから車両300A~300Dを出庫させる場合、入口111Aに最も近い駐車エリア110D位置に駐車している車両300Dから先に出庫させる必要がある。その後、駐車エリア110A~110Dの入口111Aに近い位置に駐車している車両300C、300B、300Aの順番で出庫させる必要がある。
駐車エリア110A~110Dにおける車両300A~300Dの入出庫は、駐車場管理システム200により管理される。駐車場管理システム200は、入出庫検出装置210、鍵管理装置220、カメラ211を有する。
カメラ211は、駐車エリア110A~110Dの全体を撮像できる場所に設置される。カメラ211は、駐車エリア110A~110Dに入庫又は出庫した車両300を撮影することで車両300A~300Dの入出庫を検出する。入出庫検出装置210は、カメラ211で検出した車両300A~300Dの入出庫を検出することで、駐車エリア110における車両300A~300Dの駐車状況(車両300の有無、駐車位置など)を把握する。
入出庫検出装置210、鍵管理装置220は、例えば、会社100の中に設置される。入出庫検出装置210は、駐車エリア110A~110Dにおける車両300A~300Dの入出庫の状況を検出する。鍵管理装置220は、車両300A~300Dで用いられる鍵を保持及び管理する。
図2は、第1実施形態による駐車場管理システム200のより詳細な概要を説明する図である。図2では、駐車エリア110Aに、車両300Aが入庫しており、駐車エリア110Bに、車両300Bが入庫しており、駐車エリア110Cに、車両300Cが入庫しており、駐車エリア110Dには、いずれの車両300も入庫していない場合を示している。
カメラ211は、駐車エリア110A~110Dの全体を撮像し、撮像した撮像データを、有線通信又は無線通信により、入出庫検出装置210に送信する。入出庫検出装置210は、カメラ211から受信した撮像データに基づいて、被管理物情報を生成し、この被管理物情報を、有線通信又は無線通信により、鍵管理装置220に送信する。鍵管理装置220は、入出庫検出装置210から受信した被管理物情報に基づき、車両300C、300B、300Aを個別に使用する際に必要な鍵の取り出し及び返却を制御する。
図3は、第1実施形態による入出庫検出装置210のハードウェア構成を示すブロック図である。入出庫検出装置210は、画像取得部2101、駐車エリア検出部2102、車両検出部2103、被管理物情報生成部2104、被管理物情報送信部2105、被管理物情報要求受信部2106を有する。
画像取得部2101は、カメラ211から送信された撮像データを受信し、駐車エリア検出部2102及び車両検出部2103に出力する。撮像データは、駐車エリア110A~110Dの画像を含むとともに、これらの駐車エリア110A~110Dに入庫している車両300(図2では、車両300A~300C)の画像を含む。駐車エリア検出部2102は、画像取得部2101から出力された撮像データについて、画像解析を行うことにより、画像中の駐車エリア110A~110Dの領域を検出し、検出結果を、被管理物情報生成部2104に出力する。
車両検出部2103は、画像取得部2101から出力された撮像データについて、画像解析を行うことにより、画像中に含まれる車両300(図2では、車両300A~300C)を検出し、検出結果を、被管理物情報生成部2104に出力する。車両検出部2103による車両300の検出は、例えば、車両300に取り付けられている車両ナンバーを、画像取得部2101が取得した画像データから抽出することにより行われる。
被管理物情報生成部2104は、被管理物情報要求受信部2106から送信要求が入力された場合に、駐車エリア検出部2102による駐車エリア110A~110Dの領域の検出結果と、車両検出部2103による駐車エリア110A~110Dに入出庫している車両300の検出結果に基づき、駐車エリア(110A~110D)に関する情報と、車両(300A~300C)に関する情報とが関連付けられた被管理物情報を生成する。具体的には、被管理物情報生成部2104は、駐車エリア検出部2102が検出した駐車エリア110A~110D上に、車両検出部2103が検出したどの車両300が停車しているかを特定することにより、被管理物情報を生成する。
被管理物情報送信部2105は、被管理物情報生成部2104から出力された被管理物情報を、鍵管理装置220に送信する。被管理物情報要求受信部2106は、鍵管理装置220から、被管理物情報の送信要求を受信した場合に、その送信要求を、被管理物情報生成部2104に出力する。
図4は、第1実施形態による被管理物情報生成部2104が生成する被管理物情報の一例を示す図である。被管理物情報は、複数の駐車エリア110A~110Dのどこに、どの車両300が駐車しているかを特定するために用いられる。
被管理物情報では、駐車エリアに関する情報である駐車エリア識別情報と、車両に関する情報である車両識別情報とが、関連付けられている。駐車エリア識別情報は、駐車エリア110(例えば、駐車エリア110A~110D)を特定するための識別情報である。第1実施形態では一例として、駐車エリア110A~110Dに、駐車エリア識別情報として、“110A”、“110B”、“110C”、“110D”がそれぞれ一対一の関係で規定されている場合を例示して説明する。
また、車両識別情報は、車両300(例えば、車両300A~300D)を特定するための識別情報である。第1実施形態では、車両300A~300Dに、車両識別情報として、“300A”、“300B”、“300C”、“300D”がそれぞれ一対一の関係で規定されている場合を例示して説明する。
図2に示すように、駐車エリア110A~110Cに、それぞれ、車両300A~300Cが停車しており、駐車エリア110Dには、車両300が停車していない。そのため、図4に示す被管理物情報では、駐車エリア識別情報“110A”、“110B”、“110C”には、それぞれ、車両識別情報“300A”、“300B”、“300C”が関連付けられている。一方、図4に示す被管理物情報では、駐車エリア識別情報“110D”には、関連する車両識別情報が存在しないことを示す“N/A(Not Applicable)”が設定されている。
図5は、鍵管理装置220の外観を示す斜視図である。また、図6は、鍵管理装置220のハードウェア構成を示すブロック図である。鍵管理装置220は、会社100が保有する複数の車両300A~300Dを、その会社100に雇用される使用者が使用する際に必要な鍵を管理するために用いられる。鍵管理装置220は、鍵10と、一対一で鍵10を保持する鍵ホルダ11と、鍵ホルダ11を整列状態で着脱可能に保持する装置本体12とを有する。鍵10は、車両300のエンジンを駆動させて、車両300を運転するために用いられる。
装置本体12は、装置主体部14と、この装置主体部14の上下方向中間部から下部に設けられた開閉部15を覆う開閉可能なカバー16とを有している。カバー16は、装置主体部14の側縁部に設けられたヒンジ17を介して一端側が装置主体部14に回動可能に連結されており、他端側の内面には、係合突起部18及び検出突起部19が固定されている。
装置主体部14には、カバー16で閉塞されない上部に、使用者による暗証番号等の入力操作や文字の入力操作がなされる複数の操作キー21aを有する操作部21と、日時、操作状況、アラーム情報及びガイダンス等を表示する液晶ディスプレイからなる表示部22と、IDカード23が走査されると、このIDカード23からデータを読み取るカードリーダ24と、必要な情報を紙面に印字して鍵管理装置220の本体上面の排紙口25aから排紙するプリンタ部25と、報知音を発生させるブザー26とが設けられている。なお、IDカード23は、ICチップを有する電子カードや磁気カード等からなるもので、鍵管理装置220の使用が許可されたすべての使用者にそれぞれ個別に準備されて他の使用者との識別のための個別の使用者識別情報等が記憶されている。また、操作部21は、数字のほかに、アルファベット、ひらがな及びカタカナのうちの少なくとも一種類の入力が可能となっている。操作部21は、必要により漢字変換を可能としても良い。
装置主体部14には、カバー16で閉塞されない側部に、主電源のオン・オフ操作が入力される電源スイッチ27と、外部電源用の電源ケーブルが接続される接続部28とが設けられている。
装置主体部14には、カバー16で閉塞される開閉部15に、それぞれが一対一で対応する鍵ホルダ11を取り外し不可となるようにロック状態で保持する鍵保持部31が設けられている。
図5の開閉部15には、カバー16の閉時に係合突起部18が挿入される係合挿入穴32と、カバー16の閉時に検出突起部19が挿入される検出挿入穴33とが設けられている。さらに、開閉部15には、収納部34が設けられている。
係合挿入穴32の内側には、係合挿入穴32に挿入された係合突起部18をロック及びロック解除する電磁駆動式のカバーロック機構35(図6)が設けられており、検出挿入穴33の内側には、検出挿入穴33に挿入された検出突起部19の挿入・非挿入を検出することでカバー16が閉状態にあるか否かを検出する閉検出センサ37(図6)が設けられている。カバーロック機構35は、カバー16が閉じられることで検出突起部19の挿入を閉検出センサ37が検出したことを条件に、係合突起部18を係合挿入穴32内でロックする。
鍵管理装置220は、装置主体部14の上部に設けられた取手38を介して持ち運び可能となっており、また背面に設けられた折り畳み収納式のスタンド39を用いることで机上等に傾斜状態で立設可能となっている。
鍵ホルダ11は、装置本体12の鍵保持部31に対し着脱可能であって装着状態でロックされる着脱部材40と、この着脱部材40に鍵10を連結する連結部材41とからなっている。
着脱部材40には、厚さ方向に貫通する貫通穴42が形成されており、一対一で保持する鍵10を他の鍵10と識別するための個別の鍵識別情報が記憶されたICタグが側面に貼着されている。さらに、着脱部材40には、ICタグに記憶されたものと同じ個別の鍵識別情報が視認可能に表記された鍵識別情報表記部が側面に設けられている。
複数の鍵保持部3101~3130は、それぞれ、着脱部材40が挿入される個別の着脱部材装着穴45と、着脱部材装着穴45に着脱部材40が挿入されるとこれをロックしてロック状態で保持し、かつロック解除可能な個別の電磁駆動式の鍵ロック機構46(図6)とを有している。
図7は、第1実施形態による鍵管理装置220の鍵保持部31の構成を示す概略図である。第1実施形態では、図7に示すように、鍵保持部31が、2行×15列=30個の鍵保持部3101~3130からなる場合について説明する。なお、鍵保持部3101~3130の少なくともいずれかを、鍵保持部31と称することもある。図7では、鍵保持部3101~3130が、上下二段に整列するように設けられている。具体的には、鍵保持部3101~3115が、鍵保持部31の上段の右端から左端に整列するように設けられている。また、鍵保持部3116~3130が、鍵保持部31の下段の右端から左端に整列するように設けられている。
また、鍵保持部3101~3130は、それぞれが、同じ鍵保持部31を構成する鍵ロック機構46のロックを解除する際に押圧される操作ボタンであって点灯及び点滅することで操作を案内可能な表示ランプ5001~5030が一体に設けられた操作ボタン51と、装着された着脱部材40のICタグと通信可能であって通信状態から非通信状態への切り替えで鍵10の持ち出しを検出し非通信状態から通信状態への切り替えで鍵10の返却を検出するICタグリーダ52(図6)とを有している。なお、表示ランプ5001~5030の少なくともいずれかを、表示ランプ50と称することもある。すべての鍵保持部31には、他の鍵保持部31と識別するための例えば“3101”~“3115”のような個別の鍵保持部識別情報が関連付けられており、着脱部材装着穴45の上側には、鍵保持部識別情報が視認用に記載される鍵保持部識別表記部53が設けられている。
図5に示すように、鍵10には、厚さ方向に貫通する貫通穴60が形成されており、着脱部材40とで鍵ホルダ11を構成する連結部材41は、着脱部材40の貫通穴42と鍵10の貫通穴60とに挿入可能な線状部材と、線状部材をその両端部を同時に収容した状態でロックする連結部材本体63とからなっている。
収納部34の天井面には、ICタグリーダ107(図6)が設けられており、このICタグリーダ107は、収納部34内に挿入された連結部材41のICタグと通信可能であり、そのICタグに記憶された鍵識別情報を読み取る。
収納部34には開閉扉110が設けられている。装置本体12には、開閉扉110を閉状態でロック及びロック解除する電磁駆動式の扉ロック機構111(図6)と、開閉扉110が閉状態にあるか否かを検出する閉検出センサ112と、扉ロック機構111のロックを解除する際に押圧されるものであって点灯及び点滅可能な表示ランプ113が一体に設けられた操作ボタン114と、が設けられている。
装置本体12(図5)は、上記各部を制御する制御部115(図6)と、制御部115とデータのやり取りが可能なRAM(Random Access Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等からなる記憶部116(図6)とを有している。記憶部116は、後述する車両情報、駐車エリア情報、鍵保持部情報、鍵保持部使用情報を記憶する。車両情報、駐車エリア情報、鍵保持部情報、鍵保持部使用情報の詳細については後述する。
また、鍵管理装置220は、被管理物情報要求部150(図6)を有する。被管理物情報要求部150は、入出庫検出装置210に対して、被管理物情報(図4)の送信を要求する。また、鍵管理装置220は、被管理物情報取得部151(図6)を有する。被管理物情報取得部151は、入出庫検出装置210から送信された被管理物情報(図4)を受信する。
図8は、第1実施形態による鍵管理装置220の記憶部116が記憶する車両情報の一例を示す図である。車両情報は、どの車両300を使用するために、どの鍵10が必要であるかを特定するために用いられる。車両情報では、鍵識別情報と車両識別情報とが、関連付けられている。鍵識別情報は、それぞれの鍵10に固有に設けられた識別情報であり、この鍵識別情報により、それぞれの鍵10を特定することができる。例えば、車両300A~300Cの鍵10として、それぞれ、鍵1001、1002、1003、1004が用いられる場合について説明する。また、鍵1001、1002、1003、1004に鍵識別情報“1001”、“1002”、“1003”、“1004”がそれぞれ一対一の関係で関連付けられている。
また、前述した車両識別情報は、それぞれの車両300に固有に設けられた識別情報であり、この車両識別情報により、それぞれの車両300を特定することができる。例えば、車両300A~300Dに、車両識別情報“300A”、“300B”、“300C”、“300D”がそれぞれ一対一の関係で関連付けられている。図8に示すように、車両情報では、鍵10を特定するための鍵識別情報“1001”、“1002”、“1003”、“1004”と、車両300を特定するための車両識別情報“300A”、“300B”、“300C”、“300D”とが関連付けられている。
図9は、駐車エリア情報の一例を示す図である。駐車エリア情報は、前述した鍵管理装置220の記憶部116に記憶されている。駐車エリア情報では、駐車エリア優先度と駐車エリア識別情報とが関連付けられている。この駐車エリア情報は、前述した駐車エリア110のうち、どの駐車エリアを優先して使用するのかを規定するものである。
駐車エリア識別情報は、駐車エリア110を特定するための固有の識別情報である。例えば、駐車エリア110A~110Dに、駐車エリア識別情報“110A”、“110B”、“110C”、“110D”がそれぞれ一対一の関係で関連付けられている。
また、駐車エリア優先度は、複数の駐車エリア110A~110Dにおける相対的な優先順位を規定するものである。第1実施形態では、駐車エリア識別情報“110A”、“110B”、“110C”、“110D”に、駐車エリア優先度として、“4”、“3”、“2”、“1”がそれぞれ設定されている。なお、駐車エリア優先度の数値が小さいほど、駐車エリアを使用する優先度が高いことを意味している。駐車エリア優先度は、駐車場の入口111Aの駐車エリア110が高く、入口111Aから離れるほど低くなるように設定されている。この結果、車両を出庫させる際は、入口111Aの車両エリア110が優先的に使用され、入口111Aから離れるほど車両エリアが使用される優先度が低くなる。
図10は、鍵管理装置220の記憶部116が記憶する鍵保持部情報の一例を示す図である。鍵保持部情報は、鍵保持部3101~3130の優先度が規定されており、これにより、どの鍵保持部3101~3130が次に優先的に使用されるべきかが決められる。鍵保持部3101~3130に優先度を設定することで、例えば、利用者が、鍵管理装置220に鍵10を返却する場合に、鍵10が、鍵保持部3101~3130の任意の位置に返却されることを防ぎ、鍵保持部情報で規定される優先度に従って、鍵10を、鍵保持部3101~3130に返却させることができる。
鍵保持部情報では、鍵保持部識別情報と鍵保持部優先度とが関連付けられている。鍵保持部識別情報は、各鍵保持部3101~3130に固有に設けられた識別情報であり、この鍵保持部識別情報により、鍵管理装置220が有する複数の鍵保持部31(ここでは、図7に示すように、2行×15列=30個の鍵保持部3101~3130)のうち、所定の鍵保持部31(例えば、鍵保持部3101)を特定することができる。第1実施形態では、鍵保持部3101~3130に、鍵保持部識別情報として、“3101”~“3130”がそれぞれ一対一の関係で関連付けられている。
また、鍵保持部優先度は、30個の鍵保持部3101~3130における相対的な優先順位を規定するものである。第1実施形態では、30個の鍵保持部3101~3130に、鍵保持部優先度として、“1”~“30”がそれぞれ設定されている。具体的には、図7に示す2行×15列=30個の鍵保持部3101~3130において、1行目の最右列の鍵保持部3101の優先度を“1”とし、左に向かうにつれて、鍵保持部優先度が1つずつ下がり、1行目の最左列の鍵保持部3115の優先度を“15”とするように、鍵保持部優先度が定められている。また、2行目の最右列の鍵保持部3116の優先度を“16”とし、左に向かうにつれて、鍵保持部優先度が1つずつ下がり、2行目の最左列の鍵保持部3130の優先度を“30”とするように、鍵保持部優先度が定められている。
図10に示す鍵保持部情報では、鍵保持部識別情報“3101”~“3130”には、それぞれ、鍵保持部優先度“1”~“30”が関連付けられている。なお、鍵保持部優先度の数値が小さいほど優先度が高いことを意味している。
なお、図10では、鍵保持部識別情報“3101”~“3130”に、“1”~“30”の順に鍵保持部優先度が設定されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図10において、鍵保持部識別情報“3101”~“3130”に、“30”~“1”の順に鍵保持部優先度が設定されてもよい。また、駐車場管理システム200の管理者が、鍵保持部識別情報“3101”~“3130”に、鍵保持部優先度“1”~“30”を任意に設定してもよい。
図11は、鍵管理装置220の記憶部116が記憶する鍵保持部使用情報の一例を示す図である。鍵保持部使用情報は、鍵保持部3101~3130のどこに、どの鍵10が保持されているかを特定するために用いられる。図11の鍵保持部使用情報では、鍵保持部識別情報と、その鍵保持部識別情報で特定される鍵保持部31で保持されている鍵10の鍵識別情報とが、関連付けられている。車両300A~300Dの鍵1001~1004の各々には、それらの鍵1001~1004を個別に特定するための鍵識別情報が、鍵1001~1004のそれぞれに取り付けられたICタグ(図示省略)などに記憶されている。なお、鍵1001~1004を特に区別しない場合には、鍵10と称することもある。鍵保持部31に設けられたICタグリーダ(図示省略)で、鍵10に取り付けられたICタグ(図示省略)に記憶された鍵識別情報を読み取ることで、どの車両300A~300Dの鍵1001~1004が、どの鍵保持部31で保持されているのかが関連付けられる。
第1実施形態では、図7に示す2行×15例=30個の鍵保持部3101~3130のうち、上の行の最右列の鍵保持部3101が、鍵識別情報“1001”を有する鍵1001を保持し、上の行の右から2番目の鍵保持部3102が、鍵識別情報“1002”を有する鍵1002を保持し、上の行の右から3番目の鍵保持部3103が、鍵識別情報“1003”を有する鍵1003を保持している場合を例示して説明する。なお、その他の鍵保持部3104~3130は鍵10を保持していない場合を例示して説明する。
図11に示す鍵保持部使用情報では、鍵保持部識別情報“3101”、“3102”、“3103”に、それぞれ、鍵識別情報“1001”、“1002”、“1003”が関連付けられて記憶されている。また、鍵保持部識別情報“3104”~“3130”を有する鍵保持部3104~3130は、鍵10を保持していないため、鍵保持部識別情報“3104”~“3130”には、関連する鍵識別情報が存在しないことを示す“N/A(Not Applicable)”がそれぞれ設定されている。
例えば、外出先から車両300で帰社した使用者が、鍵識別情報“1001”を有する鍵1001を、鍵保持部識別情報“3101”に返却した場合に、つまり、鍵保持部3101が鍵1001を保持するようになった場合に、鍵保持部3101は、その鍵1001に取り付けられているICタグ(図示省略)が記憶している鍵識別情報“1001”を、鍵管理装置220が備えるICタグリーダ(図示省略)による無線通信などを用いて読み取り、鍵保持部3101が有する鍵保持部識別情報“3101”と関連付けて、図11に示す鍵保持部使用情報を作成し、記憶部116に記憶する。
なお、他の鍵保持部3102~3130も、鍵保持部3101と同様の構成を有しており、鍵保持部3102~3130に、鍵10が返却された場合に、その鍵10が記憶している鍵識別情報を、無線通信などを用いて読み取り、鍵保持部3102~3130が有する鍵保持部識別情報“3102”~“3130”と関連付けて、図11に示す鍵保持部使用情報を作成し、記憶部116に記憶する。
なお、鍵保持部3101~3130に、鍵10が保持されていない場合には、鍵保持部3101~3130は、鍵保持部3101~3130が、鍵識別情報を読み取ることができないことを示す“N/A”を、鍵保持部3101~3130が有する鍵保持部識別情報“3101”~“3130”と関連付けて、図11に示す鍵保持部使用情報が作成され、記憶部116に記憶される。
<鍵の取り出し処理>
図12は、鍵管理装置220からの鍵10の取り出し処理を説明するフローチャートである。ここでは、図2に示す状況(つまり、駐車エリア110A~110Cに、車両300A~300Cが駐車しており、駐車エリア110Dには、車両300が駐車していない状況)において、車両300で外出しようとする使用者が、車両300の鍵10を、鍵管理装置220から取り出そうとしている場合について説明する。
始めに、鍵管理装置220の制御部115(図6)は、使用者の認証に成功したか否かについて判定する(ステップS101)。ステップS101で、カードリーダ24が、会社100の従業員として登録されている使用者が有するIDカード23を読み取った場合には、制御部115は、認証が成功したと判定する(ステップS101でYES)。なお、使用者には、会社100に雇用されている者であることを示すIDカード23が配布されている。IDカード23には、会社に雇用されている各使用者を識別するための使用者識別情報が記憶されている。また、鍵管理装置220の記憶部116には、会社100に雇用されている使用者を識別する使用者識別情報が、駐車場管理システム200の管理者などにより、予め記録される。使用者が、駐車場管理システム200を使用する際には、使用者は、IDカード23を、カードリーダ24にかざす。制御部115は、カードリーダ24により読み取られた使用者識別情報が、記憶部116に記録されている使用者識別情報に含まれる場合に、使用者の認証に成功したと判定する。
一方、ステップS101で、カードリーダ24が、会社100に雇用されている使用者として登録されている人物が有するIDカード23を読み取れなかった場合には、制御部115は、認証が失敗したと判定し(ステップS101でNO)、図12に示すフローチャートの処理を終了する。
ステップS101で、使用者の認証に成功した場合には、制御部115(図6)は、カバーロック機構35(図6)に、カバー16のロックを解除させる(ステップS102)。これにより、使用者は、鍵管理装置220のカバー16を開けることができるようになる。
次に、制御部115(図6)は、使用者が、鍵10の取り出しを希望しているか否か、つまり、使用者が、車両300の使用を希望しているか否かについて判定する(ステップS103)。具体的には、制御部115は、表示部22に、「車両の使用を希望しますか?」などのメッセージを表示させ、それに対して、使用者が、操作部21を介して、「車両の使用を希望する。」との指示を入力した場合に、制御部115は、ステップS103で、使用者が車両300の使用を希望していると判定する(ステップS103でYES)。一方、制御部115が、ステップS103で、使用者が車両300の使用を希望していると判定しなかった場合には(ステップS103でNO)、制御部115は、図12に示すフローチャートの処理を終了する。
ステップS103で、制御部115が、使用者が車両300の使用を希望していると判定した場合には、制御部115は、被管理物情報要求部150に、被管理物情報の送信要求を、入出庫検出装置210に送信させ、それに応答して、入出庫検出装置210の被管理物情報送信部2105(図3)から送信された被管理物情報(図4)を、被管理物情報取得部151を介して取得する(ステップS104)。
次に、制御部115は、ステップS104で取得した被管理物情報(図4)と、記憶部116が記憶している駐車エリア情報(図9)に基づいて、車両300が駐車中の駐車エリア110の中で、駐車エリア優先度が最も高い駐車エリア110を特定する(ステップS105)。第1実施形態では、制御部115は、被管理物情報(図4)に基づいて、車両300が駐車中の駐車エリア110として、車両識別情報“300A”、“300B”、“300C”が存在する駐車エリア識別情報“110A”、“110B”、“110C”を特定する。次に、制御部115は、駐車エリア情報(図9)に基づいて、駐車エリア識別情報が、“110A”、“110B”、“110C”を有する駐車エリア100A、100B、100Cのうち、駐車エリア優先度が最も高い駐車エリア110は、駐車エリア優先度が“2”である駐車エリア識別情報“110C”を有する駐車エリア110Cであると特定する。
次に、制御部115は、ステップS104で取得した被管理物情報(図4)に基づいて、ステップS105で特定した駐車エリア110Cに駐車している車両300の車両識別情報を特定する(ステップS106)。第1実施形態では、被管理物情報(図4)に基づいて、制御部115は、駐車エリア識別情報“110C”を有する駐車エリア110Cに駐車している車両300は、車両識別情報“300C”を有する車両300Cであると特定する。
次に、制御部115は、記憶部116(図6)が記憶している車両情報(図8)に基づいて、ステップS106で特定した車両識別情報に関連付けられた鍵識別情報を特定する(ステップS107)。第1実施形態では、車両情報(図8)に基づいて、制御部115は、車両識別情報“300C”に関連付けられた鍵識別情報“1003”を特定する。
次に、制御部115は、記憶部116(図6)が記憶している鍵保持部使用情報(図11)に基づいて、ステップS107で特定した鍵識別情報に関連付けられた鍵保持部識別情報を特定する(ステップS108)。第1実施形態では、鍵保持部使用情報(図11)に基づいて、制御部115は、鍵識別情報“1003”に関連付けられた鍵保持部識別情報“3103”を特定する。
次に、制御部115は、ステップS108で特定された鍵保持部識別情報“3103”に関連する鍵保持部3103の鍵ロック機構46に、鍵10のロックを解除させるとともに、ステップS108で特定された鍵保持部識別情報“3103”に対応する鍵保持部3103の表示ランプ50を点灯させる(ステップS109)。これにより、車両300の使用者は、駐車エリア110に駐車されている車両300を確認することなく、次に使用可能な車両300の鍵10を確実に取り出すことができ、駐車エリア110からの車両300の出庫を円滑に行うことができる。なお、前述した次に使用可能な車両300は、駐車エリア110に駐車されている車両300のうち、入口111Aに最も近い駐車エリアに駐車されている車両である。
なお、ステップS109では、使用者が鍵10を取りだす鍵保持部31を、その鍵保持部31に関連付けられた表示ランプ50を点灯させることにより、使用者に報知する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ステップS109の処理において、制御部115は、表示ランプ50を点灯させるとともに、使用者に音声で報知するようにしてもよい。また、制御部115による次に使用可能な鍵10の鍵保持部31の報知は、次に使用可能な鍵10の鍵保持部31が決定した後、常時行ってもよく、使用者の認証後、表示部22に表示された取出ボタンを押下したタイミングで行っても良い。
次に、制御部115は、ステップS107で特定した鍵識別情報“1003”を有する鍵10が、ステップS108で特定した鍵保持部識別情報“3103”を有する鍵保持部3103から取り出されたか否かについて判定する(ステップS110)。ステップS107で特定した鍵識別情報を有する鍵10が、ステップS108で特定した鍵保持部識別情報を有する鍵保持部3103から取り出されたと、制御部115が判定した場合には(ステップS110でYES)、ステップS111の処理が行われる。一方、ステップS107で特定した鍵識別情報を有する鍵10が、ステップS108で特定した鍵保持部識別情報を有する鍵保持部3103から取り出されていないと、制御部115が判定した場合には(ステップS110でNO)、制御部115は、再度、ステップS110の処理を行う。
ステップS110で、制御部115がYESと判定した場合には、制御部115は、カバー16が閉じられたか否かについて判定する(ステップS111)。ステップS111で、制御部115が、カバー16が閉じられたと判定した場合には(ステップS111でYES)、制御部115は、図12に示すフローチャートの処理を終了する。一方、ステップS111で、制御部115が、カバー16が閉じられていないと判定した場合には(ステップS111でNO)、制御部115は、再度、ステップS111の処理を行う。
図12に示すように、前述した鍵管理装置220からの鍵10の取り出し処理によれば、制御部115は、車両300A~300Cが駐車中の駐車エリア110A~110Cの中で、駐車場駐車エリア優先度が最も高い駐車エリア110C(つまり、他の車両300に遮られずに駐車場から出庫することができる車両300Cが駐車されている駐車エリア110C)を特定し、その車両300Cに用いられる鍵1003を保持している鍵保持部3103の位置を表示ランプ50で示すことにより、鍵保持部3103から鍵1003を取り出すように、使用者に促すことができる。
よって、使用者は、駐車エリア110に駐車されている他の車両300により進路が遮られ、駐車場から出庫させることができない車両300の鍵10を、鍵管理装置220から取り出してしまうことを避けることができる。また、使用者は、会社100から車両300を用いて外出する際に、わざわざ駐車場まで行って確認しなくても、駐車場からの出庫が可能な車両300の鍵10を、容易に特定して、鍵管理装置220から取り出すことができる。
<鍵の返却処理>
図13は、第1実施形態にかかる鍵管理装置220に対する鍵10の返却処理を説明するフローチャートである。ここでは、図1に示す状況(つまり、駐車エリア110A~110Cに、車両300A~300Cが駐車しており、駐車エリア110Dには、車両300が駐車していない状況)において、車両300Dで外出していた使用者が、駐車エリア110Dに車両300Dを駐車させた後、会社100に戻り、車両300Dの鍵10を、鍵管理装置220に返却する場合について説明する。
始めに、鍵管理装置220の制御部115(図6)は、使用者の認証に成功したか否かについて判定する(ステップS201)。ステップS201で、制御部115が、会社100の従業員として登録されている使用者が有するIDカード23を読み取った場合には、制御部115は、認証が成功したと判定する(ステップS201でYES)。一方、ステップS201で、カードリーダ24が、会社100に雇用されている使用者として登録されている人物が有するIDカード23を読み取れなかった場合には、制御部115は、認証が失敗したと判定し(ステップS201でNO)、図13に示すフローチャートの処理を終了する。なお、図13のステップS201の処理は、図12のステップS101の処理と同じである。
ステップS201で、使用者の認証に成功した場合には、制御部115(図6)は、カバーロック機構35(図6)に、カバー16のロックを解除させる(ステップS202)。これにより、使用者は、鍵管理装置220のカバー16を開けることができるようになる。
次に、制御部115(図6)は、使用者が、鍵10の返却を希望しているか否かについて判定する(ステップS203)。具体的には、制御部115は、表示部22に、「車両の鍵の返却を希望しますか?」などのメッセージを表示させ、それに対して、使用者が、操作部21を介して、「車両の鍵の返却を希望する。」との指示を入力した場合に、制御部115は、ステップS203で、使用者が、車両300の鍵10の返却を希望していると判定する(ステップS203でYES)。一方、制御部115が、ステップS203で、使用者が車両300の鍵10の返却を希望していると判定しなかった場合には(ステップS203でNO)、制御部115は、図13に示すフローチャートの処理を終了する。
ステップS203で、制御部115が、使用者が車両300の鍵10の返却を希望していると判定した場合には、制御部115は、被管理物情報要求部150に、被管理物情報の送信要求を、入出庫検出装置210に送信させ、それに応答して、入出庫検出装置210の被管理物情報送信部2105(図3)から送信された被管理物情報(図4)を、被管理物情報取得部151を介して取得する(ステップS204)。
なお、被管理物情報(図4)では、駐車エリア識別情報“110A”、“110B”、“110C”、“110D”に、それぞれ、車両識別情報として、“300A”、“300B”、“300C”、“N/A”が関連付けられて設定されている場合が示されている。しかし、図13では、図1に示す状況(つまり、駐車エリア110A~110Cに、車両300A~300Cが駐車しており、駐車エリア110Dには、車両300が駐車していない状況)において、車両300Dで外出していた使用者が、駐車エリア110Dに車両300Dを駐車させた後、車両300Dの鍵10を、鍵管理装置220に返却する場合について説明している。そのため、ここでは、図2の駐車エリア110A~110Dに、車両300A~300Dが、それぞれ駐車していることになる。つまり、図4に示す被管理物情報では、駐車エリア情報“110A”、“110B”、“110C”、“110D”に、車両識別情報“300A”、“300B”、“300C”、“N/A”が、それぞれ関連付けられて設定されているが、図13のフローチャートの処理が行われる際には、被管理物情報として、駐車エリア識別情報“110A”、“110B”、“110C”、“110D”に、それぞれ、車両識別情報として、“300A”、“300B”、“300C”、“300D”が関連付けられて設定されていることになる。
次に、制御部115は、ステップS204で取得した被管理物情報(図4)と、記憶部116が記憶している駐車エリア情報(図9)に基づいて、車両300が駐車中の駐車エリア110の中で、駐車エリア優先度が最も高い駐車エリア110を特定する(ステップS205)。第1実施形態では一例として、制御部115は、被管理物情報(図4)に基づいて、車両300が駐車中の駐車エリア110は、関連付けられた車両識別情報“300A”、“300B”、“300C”、“300D”が存在する駐車エリア識別情報が、“110A”、“110B”、“110C”、“110D”を有する駐車エリア100A、100B、100C、100Dであると特定する。次に、制御部115は、駐車エリア情報(図9)に基づいて、駐車エリア識別情報が、“110A”、“110B”、“110C”、“110D”を有する駐車エリア100A、100B、100C、100Dのうち、駐車エリア優先度が最も高い駐車エリア110は、駐車エリア優先度が“1”である駐車エリア識別情報“110D”を有する駐車エリア110Dであると特定する。
次に、制御部115は、ステップS204で取得した被管理物情報(図4)に基づいて、ステップS205で特定した駐車エリア110に駐車している車両300の車両識別情報を特定する(ステップS206)。第1実施形態では、被管理物情報(図4)に基づいて、制御部115は、駐車エリア識別情報“110D”を有する駐車エリア110Dに駐車している車両300は、車両識別情報“300D”を有する車両300Dであると特定する。
次に、制御部115は、記憶部116(図6)が記憶している車両情報(図8)に基づいて、ステップS206で特定した車両識別情報に関連付けられた鍵識別情報を特定する(ステップS207)。第1実施形態では、車両情報(図8)に基づいて、制御部115は、車両識別情報“300D”に関連付けられた鍵識別情報“1004”を特定する。
次に、制御部115は、記憶部116(図6)が記憶している鍵保持部情報(図10)及び鍵保持部使用情報(図11)に基づいて、鍵10を保持していない未使用の鍵保持部31であって、鍵保持部優先度が最も高い鍵保持部31の鍵保持部識別情報を特定する(ステップS208)。第1実施形態では、制御部115は、鍵保持部使用情報(図11)に基づいて、関連する鍵識別情報が存在しない鍵保持部識別情報“3104”を特定する。そして、制御部115は、特定した鍵保持部識別情報“3104”から、鍵保持部情報(図10)に基づいて、最も高い鍵保持部優先度“1”を有する鍵保持部識別情報“3104”を特定する。
なお、ステップS208では、鍵保持部優先度が最も高い鍵保持部31の鍵保持部識別情報を特定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、鍵保持部優先度が最も低い鍵保持部31の鍵保持部識別情報を特定するようにしてもよいし、任意に決められた順序に基づいて、鍵保持部識別情報を特定するようにしてもよい。
次に、制御部115は、ステップS208で特定された鍵保持部識別情報“3104”に関連する鍵保持部31の鍵ロック機構46に、鍵10のロックを解除させるとともに、ステップS208で特定された鍵保持部識別情報“3104”に関連する鍵保持部31の表示ランプ50を点灯させる(ステップS209)。これにより、使用者は、鍵管理装置220の鍵10に応じて予め決められた鍵保持部31に鍵を返却するのではなく、空いている鍵保持部31の中で、最も右側の鍵保持部31に鍵を返却することができる。よって使用者は、次に使用可能な車両の鍵を容易に取り出すことができる。
なお、ステップS209では、使用者が鍵10を返却する鍵保持部31を、その鍵保持部31に関連付けられた表示ランプ50を点灯させることにより、使用者に報知する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ステップS209の処理において、制御部115は、表示ランプ50を点灯させるとともに、使用者に音声で報知するようにしてもよい。
次に、制御部115は、ステップS207で特定した鍵識別情報“1004”を有する鍵10が、ステップS208で特定した鍵保持部識別情報“3104”を有する鍵保持部3104に対して返却されたか否かについて判定する(ステップS210)。ステップS207で特定した鍵識別情報を有する鍵10が、ステップS208で特定した鍵保持部識別情報を有する鍵保持部3104に対して返却されたと、制御部115が判定した場合には(ステップS210でYES)、ステップS212の処理が行われる。一方、ステップS207で特定した鍵識別情報を有する鍵10が、ステップS208で特定した鍵保持部識別情報を有する鍵保持部3104に対して返却されていないと、制御部115が判定した場合には(ステップS210でNO)、制御部115は、ブザー26から警告音を出力させ(ステップS211)、その後、再度、ステップS210の処理を行う。
なお、制御部115は、使用者が、次に鍵10を返却可能な鍵保持部31として決定した鍵保持部31とは異なる鍵保持部31に鍵10を返却しようとした場合には、鍵保持部31をロックして、使用者による鍵10の返却ができないように制御してもよい。
ステップS210で、制御部115がYESと判定した場合には、制御部115は、カバー16が閉じられたか否かについて判定する(ステップS212)。ステップS212で、制御部115が、カバー16が閉じられたと判定した場合には(ステップS212でYES)、制御部115は、図13に示すフローチャートの処理を終了する。一方、ステップS212で、制御部115が、カバー16が閉じられていないと判定した場合には(ステップS212でNO)、制御部115は、再度、ステップS212の処理を行う。
例えば、第1実施形態における鍵管理装置220への鍵10の返却処理では、制御部115は、車両300A~300Dが駐車中の駐車エリア110A~110Dの中で、駐車エリア優先度が最も高い駐車エリア110D(つまり、使用者が、車両300で帰社した際に駐車した駐車エリア110D)を特定する。そして、制御部115は、駐車エリア110Dに駐車されている車両300Dの鍵1004を、鍵10が保持されていない鍵保持部31であって、鍵保持部優先度が最も高い鍵保持部3104の位置を表示ランプ50で示すことにより、鍵保持部3104から鍵1004を返却することを、使用者に促すことができる。
そのため、複数の車両300A~300Dの鍵10が、複数の鍵保持部31の所定位置に、所定の鍵保持部優先度に従って保持されるようになるため、次に車両300を使用する使用者は、複数の鍵保持部31のどの位置に、次に使用する車両300の鍵10が保持されているかを探す手間を少なくすることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、使用者が車両の鍵を鍵管理装置から取り出す場合には、複数行×複数列からなる駐車エリアに駐車している車両をカメラで撮影した画像に基づいて、どの駐車エリアにどの車両が駐車しているかを判定し、駐車エリアの各行において、駐車場の入り口に最も近い駐車エリアに駐車している車両のうち、いずれの車両を使用するかを使用者に問い合わせ、使用者が選択した車両の鍵を保持している鍵保持部を使用者に知らせる。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成をとり、また、第1実施形態と同様の処理を行う部分については、それらの説明を省略する。
図14は、第2実施形態で用いられる駐車エリア120A~120Oを示す図である。前述した第1実施形態では、図1に示すように、会社100に雇用されている使用者が使用する4台の車両300A~300Dを、1行×4列=4ヵ所の駐車エリア110A~110Dに駐車可能な場合について説明した。
しかし、第2実施形態では、図14に示すように、5行×3列=15ヵ所の駐車エリア120A~120Oに、車両310を駐車可能な場合について説明する。なお、図14では、駐車エリア120A~120Nに、車両310A~310Nが駐車している場合を示している。また、図14では、駐車エリア120Oには、車両310が駐車していない場合を示している。
駐車エリア120A~120Nを含む駐車場の周りには、塀500Aが設けられているため、車両310A~310Nは、駐車場の入口111Bを通ることにより、駐車場から道路80に出たり、道路80から駐車場に入ったりすることが可能である。なお、駐車エリア120A~120Oの少なくともいずれかを、駐車エリア120と称することもある。なお、車両310A~310Nの少なくともいずれかを、車両310と称することもある。
なお、前述した第1実施形態では、入出庫検出装置210の被管理物情報生成部2104は、図4に示すように、駐車エリア識別情報“110A”~“110D”と、それらの駐車エリア識別情報“110A”~“110D”を有する駐車エリア110A~110Dの上に駐車している車両300が有する車両識別情報とを関連付けて記憶する場合について説明した。しかし、第2実施形態では、入出庫検出装置210の被管理物情報生成部2104は、駐車エリア識別情報“120A”~“120O”と、それらの駐車エリア識別情報“120A”~“120O”を有する駐車エリア120A~120Oの上に駐車している車両310が有する車両識別情報とを関連付けて記憶する。
また、前述した第1実施形態では、鍵管理装置220の記憶部116(図6)が、図8に示すように、鍵識別情報“1001”~“1004”と、それらの鍵識別情報“1001”~“1004”が運転に使用される車両300の車両識別情報“300A”~“300D”とを関連付けて記憶する場合について説明した。しかし、第2実施形態では、鍵管理装置220の記憶部116が、鍵識別情報“1001”~“1015”と、それらの鍵識別情報“1001”~“1015”が運転に使用される車両310の車両識別情報“310A”~“310O”とを関連付けて記憶する場合について説明する。
図15は、第2実施形態による鍵管理装置220の記憶部116が記憶する駐車エリア情報の一例を示す図である。第2実施形態による駐車エリア情報は、駐車エリア120に車両310が駐車されている場合に、どの駐車エリア120に駐車されている車両310が出車させ易いかを、駐車エリアグループごとに、特定するために用いられる。
前述した第1実施形態では、図9に示すように、駐車エリア識別情報“110A”~“110D”と、駐車エリア優先度“4”~“1”が一対一で関連付けられる場合について説明した。しかし、図15に示す第2実施形態による駐車エリア情報では、第1駐車エリアグループ、第2駐車エリアグループ、第3駐車エリアグループ、第4駐車エリアグループ、第5駐車エリアグループごとに、駐車エリア優先度が定められている。
第1駐車エリアグループには、図14の上から1行目に位置する駐車エリア120A、120F、120Kの駐車エリア識別情報“120A”、“120F”、“120K”が含まれる。図15に示すように、駐車エリア識別情報“120A”、“120F”、“120K”には、駐車エリア優先度“3”、“2”、“1”が、それぞれ関連付けられている。なお、駐車エリア優先度の数値が小さいほど、優先度は高い。
また、第2駐車エリアグループには、図14の上から2行目に位置する駐車エリア120B、120G、120Lの駐車エリア識別情報“120B”、“120G”、“120L”が含まれる。図15に示すように、駐車エリア識別情報“120B”、“120G”、“120L”には、駐車エリア優先度“3”、“2”、“1”が、それぞれ関連付けられている。
また、第3駐車エリアグループには、図14の上から3行目に位置する駐車エリア120C、120H、120Mの駐車エリア識別情報“120C”、“120H”、“120M”が含まれる。図15に示すように、駐車エリア識別情報“120C”、“120H”、“120M”には、駐車エリア優先度“3”、“2”、“1”が、それぞれ関連付けられている。
また、第4駐車エリアグループには、図14の上から4行目に位置する駐車エリア120D、120I、120Nの駐車エリア識別情報“120D”、“120I”、“120N”が含まれる。図15に示すように、駐車エリア識別情報“120D”、“120I”、“120N”には、駐車エリア優先度“3”、“2”、“1”が、それぞれ関連付けられている。
また、第5駐車エリアグループには、図14の上から5行目に位置する駐車エリア120E、120J、120Oの駐車エリア識別情報“120E”、“120J”、“120O”が含まれる。図15に示すように、駐車エリア識別情報“120E”、“120J”、“120O”には、駐車エリア優先度“3”、“2”、“1”が、それぞれ関連付けられている。
<鍵の取り出し処理>
図16は、第2実施形態による鍵管理装置220からの鍵10の取り出し処理を説明するフローチャートである。第2実施形態では一例として、図14に示す状況において、車両310で外出しようとする使用者が、車両310の鍵10を、鍵管理装置220から取り出そうとしている場合について説明する。なお、図16のステップS301~S304、S310~S313の処理は、図12のステップS101~S104、S108~S111の処理と同様であるため、それらの処理の説明は省略する。
ステップS304で、制御部115が、入出庫検出装置210の被管理物情報送信部2105(図3)から送信された被管理物情報を、被管理物情報取得部151を介して取得すると、制御部115は、ステップS304で取得した被管理物情報と、記憶部116が記憶している駐車エリア情報(図15)に基づいて、車両310が駐車中の駐車エリア120の中で、駐車エリア優先度が最も高い駐車エリア120を、第1~第5駐車エリアグループごとに特定する(ステップS305)。第2実施形態では一例として、制御部115は、被管理物情報に基づいて、車両310が駐車中の駐車エリア120として、関連付けられた車両識別情報“310A”~“310N”が存在する駐車エリア識別情報“310A”~“310N”を特定する場合について説明する。
次に、制御部115は、駐車エリア情報(図15)に基づいて、第1駐車エリアグループに含まれる駐車エリア識別情報が“120A”、“120F”、“120K”のうち、駐車エリア優先度が最も高い駐車エリア120は、駐車エリア優先度が“1”である駐車エリア識別情報“120K”を有する駐車エリア120Kであると特定する。
また、制御部115は、駐車エリア情報(図15)に基づいて、第2駐車エリアグループに含まれる駐車エリア識別情報が“120B”、“120G”、“120L”のうち、駐車エリア優先度が最も高い駐車エリア120は、駐車エリア優先度が“1”である駐車エリア識別情報“120L”を有する駐車エリア120Lであると特定する。また、制御部115は、駐車エリア情報(図15)に基づいて、第3駐車エリアグループに含まれる駐車エリア識別情報が“120C”、“120H”、“120M”のうち、駐車エリア優先度が最も高い駐車エリア120は、駐車エリア優先度が“1”である駐車エリア識別情報“120M”を有する駐車エリア120Mであると特定する。
また、制御部115は、駐車エリア情報(図15)に基づいて、第4駐車エリアグループに含まれる駐車エリア識別情報が“120D”、“120I”、“120N”のうち、駐車エリア優先度が最も高い駐車エリア120は、駐車エリア優先度が“1”である駐車エリア識別情報“120N”を有する駐車エリア120Nであると特定する。また、制御部115は、駐車エリア情報(図15)に基づいて、第5駐車エリアグループに含まれる駐車エリア識別情報が“120E”、“120J”のうち、駐車エリア優先度が最も高い駐車エリア120は、駐車エリア優先度が“2”である駐車エリア識別情報“120J”を有する駐車エリア120Jであると特定する。
次に、制御部115は、ステップS304で取得した被管理物情報に基づいて、ステップS305で、第1~第5駐車エリアグループごとに特定した駐車エリア120に駐車している車両310の車両識別情報を特定する(ステップS306)。第2実施形態では一例として、被管理物情報に基づいて、制御部115は、駐車エリア識別情報“120K”、“120L”、“120M”、“120N”、“120J”を有する駐車エリア120K、120L、120M、120N、120Jに駐車している車両310は、それぞれ、車両識別情報“310K”、“310L”、“310M”、“310N”、“310J”を有する車両310K、310L、310M、310N、310Jであると特定する場合について説明する。
次に、制御部115は、ステップS306で特定した車両識別情報“310K”、“310L”、“310M”、“310N”、“310J”を有する車両310K、310L、310M、310N、310Jのいずれの使用を希望するか問い合わせるメッセージを、表示部22に表示する(ステップS307)。そのメッセージに対して、使用者が、操作部21を介して、車両310K、310L、310M、310N、310Jのいずれかの使用を希望するとの回答の入力が無い場合には(ステップS308でNO)、制御部115は、再度、ステップS308の処理を行う。
一方、ステップS308で、使用者からの回答を受けた場合には(ステップS308でYES)、制御部115は、記憶部116(図6)が記憶している車両情報(図8)に基づいて、使用者の回答で指定された車両310(例えば、車両310J)の車両識別情報“310J”に関連付けられた鍵識別情報“1010”を特定し(ステップS309)、ステップS310の処理を行う。
なお、上述した第2実施形態では、駐車エリア120A~120Oにおいて、出庫可能な車両310が複数ある場合、鍵管理装置220は、出庫可能な車両310の鍵10を保持する鍵保持部31を使用可能な鍵10の鍵保持部31として全て報知し、何れの鍵10を使用するのかは使用者に選択させる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、鍵管理装置220は、駐車エリア120A~120Oに駐車されている複数の出庫可能な車両310の状態から、何れか一つの車両310を出庫可能な車両310として選択して決定してもよい。例えば、鍵管理装置220は、複数の車両310の鍵10の取り出し履歴、返却履歴及び実際の車両310の位置情報を参照し、出庫可能な車両310を選択して決定してもよい。
例えば、図14において、使用者は、複数の出庫可能な車両310J~310Nのうち、車両310Lを選択して鍵管理装置220から車両310Lの鍵10を取り出したにも関わらず、使用者による車両310Lの実際の出庫作業が遅れ、車両310Lが駐車エリア120に駐車されたままの状態を想定する。鍵管理装置220は、入出庫検出装置210により駐車エリア120における車両310の位置情報を取得し、鍵10の取り出しが行われたにも関わらず、当該鍵10が使用される車両310がいまだに駐車されていると判断した場合、本来であれば、次の使用者に対して、310Lの奥に駐車されている車両310Gを出庫可能な車両310として決定するが、310Gを出庫可能な車両310として決定せず、このような場合には、車両310J、310K、310M、310Nを出庫可能な車両310と決定し、これらの車両310の鍵10が保持される鍵保持部31の報知を行う。
例えば、第2実施形態における鍵管理装置220からの鍵10の取り出し処理では、制御部115は、車両310A~310Nが駐車中の駐車エリア120A~120Oの中で、駐車場駐車エリア優先度が最も高い駐車エリア120(つまり、他の車両310に遮られずに駐車場から出庫することができる車両310が駐車されている駐車エリア120)を、駐車エリアグループごとに特定し、使用者が選択した車両310に用いられる鍵10を保持している鍵保持部31の位置を表示ランプ50で示すことにより、鍵保持部31から鍵10を取り出すように、使用者に促すことができる。
第2実施形態によれば、使用者は、会社100から車両310を用いて外出する際に、わざわざ駐車場まで行って確認しなくても、複数の出庫可能な車両310の中から自分が使用を希望する車両310の鍵10を、容易に特定して、鍵管理装置220から取り出すことができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、使用者が車両の鍵を鍵管理装置に返却する場合には、最後に鍵が返却された鍵保持部よりも鍵保持部優先度が高い鍵保持部を、使用者が鍵を返却する鍵保持部として、使用者に知らせる。なお、第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成をとり、また、第1実施形態と同様の処理を行う部分については、それらの説明を省略する。
図17は、第3実施形態による鍵管理装置220の記憶部116が記憶する鍵保持部使用情報の一例を示す図である。鍵保持部使用情報は、最後に鍵保持部31に返却された鍵10が、鍵保持部3101~3130のうち、どの鍵保持部31に保持されているかを特定するために用いられる。
図17の鍵保持部使用情報では、鍵保持部識別情報と、鍵10を取りだした使用者を特定する使用者識別情報と、その鍵保持部識別情報を有する鍵保持部31で保持されている鍵10の鍵識別情報と、鍵保持部31から鍵10を取り出した使用者の使用者識別情報と、鍵保持部31から鍵10が取り出された時刻を示す鍵取出時刻と、鍵保持部31に鍵10が返却された時刻を示す鍵返却時刻とが、関連付けられている。
第3実施形態では一例として、図2に示すように、車両300A~300Cは、駐車エリア110A~110Cに駐車中であり、車両300A~300Cの鍵1001~1003は、鍵管理装置220の鍵保持部31に保持されている場合について説明する。また、図2に示すように、車両300Dは、出庫中である場合について説明する。
図17に示す鍵保持部使用情報では、鍵保持部識別情報“3101”、“3102”、“3103”、“3104”に、それぞれ、鍵識別情報“1001”、“1002”、“1003”、“1004”が関連付けられて記憶されている。また、図17に示す鍵保持部使用情報では、鍵保持部識別情報“3101”、“3102”、“3103”、3104”に、それぞれ、使用者識別情報として、“N/A”、“N/A”、“N/A”、“U01”が関連付けられて記憶されている。なお、“N/A”は、関連する使用者識別情報が存在しないことを示す。
また、図17に示す鍵保持部使用情報では、鍵保持部識別情報“3101”、“3102”、“3103”、3104”に、それぞれ、鍵取出時刻として、“N/A”、“N/A”、“N/A”、“09時30分”が関連付けられて記憶されている。なお、“N/A”は、関連する鍵取出時刻が存在しないことを示す。また、図17に示す鍵保持部使用情報では、鍵保持部識別情報“3101”、“3102”、“3103”、3104”に、それぞれ、鍵返却時刻として、“10時00分”、“10時30分”、“11時00”、“N/A”が関連付けられて記憶されている。
<鍵の返却処理>
図18は、第3実施形態による鍵管理装置220に対する鍵10の返却処理を説明するフローチャートである。第3実施形態では一例として、図1に示す状況(つまり、駐車エリア110A~110Cに、車両300A~300Cが駐車しており、駐車エリア110Dには、車両300が駐車していない状況)において、車両300Dで外出していた使用者が、駐車エリア110Dに車両300Dを駐車させた後、会社100に戻り、車両300Dの鍵10を、鍵管理装置220に返却する場合について説明する。
なお、図18のステップS401~S403、S407~S410の処理は、図13のステップS201~S203、S209~S212の処理と同様であるため、それらの処理の説明は省略する。
ステップS403で、制御部115が、使用者が車両300の鍵10の返却を希望していると判定した場合には(ステップS403でYES)、制御部115は、鍵保持部使用情報(図17)に基づき、ステップS401で認証に成功した使用者の使用者識別情報(例えば、“U01”)に関連付けられた鍵識別情報(例えば、“1004”)を特定する(ステップS404)。
次に、制御部115は、鍵管理装置220の記憶部116が記憶している鍵保持部使用情報(図17)に基づき、最後に鍵10が返却された鍵保持部31の鍵保持部識別情報を特定する(ステップS405)。具体的には、鍵保持部使用情報(図17)で、鍵返却時刻が最も遅い鍵識別情報(例えば、鍵識別情報“1003”)を特定する。
次に、制御部115は、ステップS405で特定した鍵保持部識別情報を有する鍵保持部31よりも、鍵保持部優先度が高く、未使用の鍵保持部31の鍵保持部識別情報を特定する(ステップS406)。第3実施形態では一例として、ステップS405で特定した鍵保持部識別情報“1003”を有する鍵保持部31であって、鍵保持部優先度“2”を有する鍵保持部31よりも、鍵保持部優先度が高く、未使用の鍵保持部31(つまり、図17の鍵保持部使用情報の鍵返却時刻が、“N/A”の鍵保持部識別情報を有する鍵保持部31)の鍵保持部識別情報(例えば、“3104”)を特定する。第3実施形態では、鍵保持部優先度が“1”であり、未使用の鍵保持部31(つまり、図5に示す2行×15列で配置された鍵保持部31のうち、右から4番目の鍵保持部31)が特定される。
第3実施形態の鍵管理装置220によれば、返却される鍵10が、鍵保持部31の所定位置近傍(例えば、図7の鍵保持部3101近傍)に集中するので、使用者は、鍵保持部3101~3130の全体を見る必要がなくなり、使用者による鍵10の取り出し及び返却を分かり易くすることができる。また、第3実施形態では、鍵管理装置220は、被管理物情報(図4)を用いることなく、鍵保持部使用情報(図17)を用いて、車両300で外出先から会社100に戻った使用者が、車両300の鍵10を、鍵管理装置220の複数の鍵保持部31のいずれに返却すればよいかを示すことができる。よって、第3実施形態によれば、図1の駐車場管理システム200に、入出庫検出装置210やカメラ211を設けなくても、使用者は、鍵管理装置220の複数の鍵保持部31のいずれに車両300の鍵10を返却すればよいかについて、容易に知ることができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態にかかる駐車場管理システム200について説明する。第4実施形態の鍵管理装置は、被管理物として、車両300の鍵10だけでなく、例えば、会社の会議室の鍵も車両300の鍵と同時に管理することができる。この鍵管理装置は、車両及び会議室の鍵を管理し、使用者が使用可能な車両と会議室のいずれか1つを選択することにより、その選択された車両又は会議室の鍵が保持されている鍵保持部を使用者に知らせる。なお、第4実施形態において、第1実施形態と同様の構成をとり、また、第1実施形態と同様の処理を行う部分については、それらの説明を省略する。
図19は、第4実施形態の駐車エリア130A~130Dの一例を示す図である。この駐車エリア130A~130Dに駐車される車両320A~320Dの鍵10が、第4実施形態の鍵管理装置220で管理される。図19では、駐車場に、4行×1列の駐車エリア130A~130Dが設けられている。この駐車エリア130A~130Dには、それぞれ、車両320A~320Dが駐車されている。駐車エリア130A~130Dに駐車されている車両は、車体の大きさがそれぞれ異なり、例えば、車両320Aは、4トントラックであり、車両320Bは、2トントラックであり、車両320Cは、バンであり、車両320Dは、軽トラックである。なお、車両320A~320Dを特に区別しない場合には、単に車両320と称することもある。
なお、車両320A~320Dには、それぞれを特定するための車両識別情報“320A”、“320B”、“320C”、“320D”がそれぞれ一対一の関係で設定されている。駐車エリア130A~130Dを含む駐車場の周りには、塀500Bが設けられているため、車両320A~320Dは、駐車場の入口111Cを通ることにより、駐車場から道路80に出たり、道路80から駐車場に入ったりすることが可能である。
なお、車両320A~320Dを使用するために必要な鍵10には、それぞれ、鍵識別情報“1101”、“1102”、“1103”、“1104”がそれぞれ一対一の関係で設定されている。第4実施形態の鍵管理装置220では、車両320A~320Dの鍵10は、図7に示す鍵管理装置220の2行×15列の鍵保持部3101~3130のうち、上の列の鍵保持部3101~3115(第1鍵保持部グループとも称する)で管理される。
図20は、第4実施形態の会議室R1~R3の一例を示す図である。この会議室R1~R3の扉の施錠又は開錠に使用される鍵が鍵管理装置で管理される。図20では、会社100(図1)の建物内に設けられる3つの会議室R1~R3を示している。会議室R1~R3には、テーブル700、椅子800が設置されている。会議室R1~R3の規模は、会議室R3、会議室R2、会議室R1の順に大きくなる。なお、会議室R1~R3には、それぞれを特定するための会議室識別情報“R1”、“R2”、“R3”それぞれ一対一の関係で関連付けられている。なお、会議室R1~R3を使用するために必要な鍵10には、それぞれ、“1201”、“1202”、“1203”の鍵識別情報がそれぞれ一対一の関係で関連付けられている。
第4実施形態では、会議室R1~R3の鍵10は、図7に示す鍵管理装置220の2行×15列の鍵保持部3101~3130のうち、下の列の鍵保持部3116~3130(第2鍵保持部グループとも称する)で管理される。
図21は、第4実施形態による鍵管理装置220の記憶部116が記憶する使用者権限情報の一例を示す図である。使用者権限情報は、会社100に雇用されるどの使用者に、どの車両320の使用が認められているか、及び、どの会議室R1~R3の使用が認められているかを規定するために用いられる。
図21の使用者権限情報では、会社100(図1)に雇用されている使用者を特定するための使用者識別情報(例えば、“U11”、“U12”、“U13”)と、使用者が使用可能な車両320の車両識別情報(例えば、“320A”、“320B”、“320C”、“320D”)と、使用者が使用可能な会議室R1~R3の会議室識別情報(例えば、“R1”、“R2”、“R3”)とが、関連付けられて記憶されている。
図21に示す使用者権限情報で示すように、例えば、使用者識別情報“U11”の使用者には、車両識別情報“320A”、“320B”、“320C”、“320D”の車両320A、320B、320C、320Dを使用する権限が認められているとともに、会議室識別情報“R1”、“R2”、“R3”の会議室R1、R2、R3を使用する権限が認められている。
また、図21に示す使用者権限情報で示すように、使用者識別情報“U12”の使用者には、車両識別情報“320B”、“320C”、“320D”の車両320B、320C、320Dを使用する権限が認められているとともに、会議室識別情報“R2”、“R3”の会議室R2、R3を使用する権限が認められている。また、図21に示す使用者権限情報で示すように、使用者識別情報“U13”の使用者には、車両識別情報“320D”の車両320Dを使用する権限が認められているとともに、会議室識別情報“R3”の会議室R3を使用する権限が認められている。
図22は、第4実施形態にかかる鍵管理装置220からの鍵10の取り出し処理を説明するフローチャートである。なお、図22のステップS501、S502、S510~S513の処理は、図12のステップS101、S102、S108~S111の処理と同様であるため、それらの処理の説明は省略する。
始めに、鍵管理装置220の制御部115(図6)は、使用者の認証に成功したか否かについて判定する(ステップS501)。ステップS501で、カードリーダ24が、会社100に雇用されている使用者として登録されている人物が有するIDカード23を読み取った場合には、制御部115は、認証が成功したと判定する(ステップS501でYES)。一方、ステップS501で、カードリーダ24が、会社100に雇用されている使用者として登録されている人物が有するIDカード23を読み取れなかった場合には、制御部115は、認証が失敗したと判定し(ステップS501でNO)、図22に示すフローチャートの処理を終了する。なお、図22のステップS501の処理は、図12のステップS101の処理と同じである。
ステップS502で、制御部115(図6)が、カバーロック機構35(図6)に、カバー16のロックを解除させると、制御部115(図6)は、使用者が、取り出しを希望しているのは、車両320の鍵10と会議室R1~R3の鍵10のいずれかを判定する(ステップS503)。具体的には、制御部115は、表示部22に、「車両の鍵と会議室の鍵のいずれの使用を希望しますか?」などのメッセージを表示させる。
ステップS503で、使用者が、操作部21を介して、「車両の使用を希望する。」との指示を入力した場合には(ステップS503で“車両”)、ステップS504の処理を行う。つまり、制御部115は、使用者権限情報(図21)に基づいて、ステップS501での認証時に読み取る使用者の使用者識別情報(例えば、“U12”)に関連付けられた車両識別情報(例えば、“320B”、“320C”、“320D”)を特定し、特定した車両識別情報のいずれの使用を使用者が希望するかを問い合わせるメッセージを、表示部22に表示させる(ステップS504)。
制御部115は、使用者が、操作部21を介して、ステップS504で特定した車両識別情報を有する車両320のいずれかが選択されたか否かについて判定する(ステップS505)。ステップS505で、ステップS504で特定した車両識別情報を有する車両320のいずれも選択されない場合には(ステップS505でNO)、制御部115は、再度、ステップS505の処理を行う。
一方、ステップS505で、ステップS504で特定した車両識別情報(例えば、“320B”)を有する車両320のいずれかが選択された場合には(ステップS505でYES)、ステップS505で選択された車両識別情報“320B”に関連付けられた鍵識別情報“1102”を特定し(ステップS506)、ステップS510の処理を行う。
一方、ステップS503で、使用者が、操作部21を介して、「会議室の使用を希望する。」との指示を入力した場合には(ステップS503で“会議室”)、ステップS507の処理を行う。つまり、制御部115は、使用者権限情報(図21)に基づいて、ステップS501での認証時に読み取る使用者の使用者識別情報(例えば、“U12”)に関連付けられた会議室識別情報(例えば、“R2”、“R3”)を特定し、特定した会議室識別情報のいずれの使用を使用者が希望するかを問い合わせるメッセージを、表示部22に表示させる(ステップS507)。
制御部115は、使用者が、操作部21を介して、ステップS507で特定した会議室識別情報を有する会議室R1~R3のいずれかが選択されたか否かについて判定する(ステップS508)。ステップS508で、ステップS507で特定した会議室識別情報を有する会議室R1~R3のいずれも選択されない場合には(ステップS508でNO)、制御部115は、再度、ステップS508の処理を行う。
一方、ステップS508において、ステップS507で特定した会議室識別情報(例えば、“R2”)を有する会議室R1~R3のいずれかが選択された場合には(ステップS508でYES)、ステップS508で選択された会議室識別情報“R2”に関連付けられた鍵識別情報“1202”を特定し(ステップS509)、ステップS510の処理を行う。
第4実施形態によれば、複数の第1被管理物(例えば、車両320)の鍵10と、複数の第2被管理物(例えば、会議室R1~R3)の鍵10を、1つの鍵管理装置220内で、容易に管理することができる。また、使用者は、使用する被管理物に応じて、異なる場所に鍵10を取りに行く必要がなくなるとともに、希望する被管理物の鍵10を容易に、鍵管理装置220から取りだすことができる。
また、鍵管理装置220の複数の鍵保持部31が、第1被管理物と第2被管理物とによりグループ分けされているので、次に使用可能な鍵10の鍵保持部31が配置されている範囲を容易に把握することができ、使用者は、鍵10の取り出し、返却を円滑に行うことができる。
なお、上述の第1~第4実施形態において、下記のような変更を加えてもよい。例えば、前述した鍵管理装置220において、鍵管理装置220に、カレンダ機能部(図示省略)及びタイマ機能部(図示省略)を設け、日時に応じて使用者による鍵10の使用権限を変更するようにしてもよい。
また、使用者が営業日や営業時間外に被管理物(例えば、車両300、310、320)を使用しようとした場合に、鍵管理装置220は、カレンダ機能部により、鍵10の取り出しなどを制限してもよい。また、使用者の勤務日以外の日に、使用者が鍵管理装置220から鍵10を取り出そうとした場合に、鍵管理装置220は、鍵10の取り出しを制限してもよい。鍵管理装置220は、登録されている使用者の勤怠情報を取得し、この勤怠情報に基づいて鍵10の使用に問題がない使用者である場合、鍵10を使用する権限を、当該使用者に与えるようにしてもよい。これにより、使用者は、自身の勤怠情報に基づいて、鍵管理装置220からの鍵10の取り出しの可否が決められるので、勤務の適正化を図ることができる。
また、鍵管理装置220は、使用者の作業内容に応じて鍵10の取り出し時間を推測するようにしてもよい。そして、鍵管理装置220は、タイマ機能部により、実際の鍵10の取り出し時間が、推測した取り出し時間を超えた場合に、何らかの不具合が発生したと判断し、使用者による鍵10の返却を制限してもよい。
また、前述したように鍵管理装置220がカレンダ機能部とタイマ機能部とを有する構成とすると、鍵管理装置220を使用者の出退勤を管理するタイムレコーダとして用いることができる。使用者が認証を行った後、鍵管理装置220の表示部22に表示された出勤ボタン又は退勤ボタンを押下することで、認証が成立した使用者と、出勤時間又は退勤時間とが関連付けられる。これにより、鍵管理装置220をタイムレコーダとして用いることができ、鍵管理装置220に接続された印刷装置により使用者ごとに出退勤の時刻を表示した帳票を印刷できる。よって、鍵管理装置220が設置される店舗に、別にタイムレコーダなどを設ける必要がなく、タイムレコーダの設置費用、設置スペースを削減することができる。
また、前述した鍵管理装置220で管理される鍵10自体又は鍵10のホルダに報知装置(LEDやスピーカ等)を設け、前述したタイマ機能部により鍵10の持ち出し時間が所定の時間(閾値時間:例えば、1時間)を超えたと判定された場合に、鍵管理装置220は、鍵10自体又は鍵10のホルダに設けた報知装置により鍵10の持ち出しが所定時間を越えたこと報知してもよい。このようにすると、鍵10自体又は鍵10のホルダに報知装置が設けられているので、使用者は所定の持ち出し時間を越えたことを鍵管理装置から離れた場所にいても気が付くことができる。
なお、前述したカレンダ機能部やタイマ機能部は、鍵管理装置の外部にある鍵10自体又は鍵10のホルダに設けられていてもよい。
なお、前述した第1~第4実施形態では、駐車エリア110、120、130に駐車する車両300、310、320の鍵10を鍵管理装置220で管理する場合を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、所定の順番で使用する機器の鍵10を、鍵管理装置220で管理してもよい。このようにすると、使用者は機器の使用順序で取り出すことができ、機器を使用順序で適切に使用することができる。
なお、前述した第1~第4実施形態において、IDカード23により使用者の認証が成立した場合、使用者の使用権限がある鍵10の装置名称と位置とが表示部22に表示されるようにしてもよい。例えば、使用者による車両300、310、320の出庫において、次に出庫可能な車両300、310、320として、軽トラック、バン、2トントラック、4トントラックがある場合、使用者が運転免許により2トントラックまでしか運転できない場合、軽トラック、バン、2トントラックの車両名と鍵10が保持されている鍵保持部31の位置とを表示部22に表示してもよい。また、例えば、使用者がAT(Automatic Transmission)車限定の運転免許しか取得していない場合、駐車場から出庫可能な車両300、310、320のうち、AT車の名称とAT車の鍵10の鍵保持部31の位置のみを表示部22に表示してもよい。このようにすると、使用者は自分が使用できる鍵10と、使用できる機器とを迅速に把握することができる。
なお、前述した第1~第4実施形態では、鍵管理装置220は、次に使用可能な鍵10を保持する鍵保持部31を決定して報知する場合について説明したが、鍵10のホルダ又は鍵10自体に報知装置(LEDやスピーカ)などを設け、この、鍵10のホルダ又は鍵10自体に設けられた報知装置により報知することにより、次に使用可能な鍵10を使用者に知らせるようにしてもよい。このように構成すると、例えば、鍵10が鍵保持部31に保持されていないような状態(机の上に放置されている等)でも、次に使用可能な鍵10を使用者に適切に知らせることができる。
また、前述した鍵管理装置220において、鍵10による被管理物の使用が終了したか否かを当該鍵管理装置220が判定する鍵使用判定部を設けてもよい。例えば、鍵10が車両(被管理物)300、310、320に使用される場合、使用者が鍵10を使用して車両300、310、320のドアをロックすると、当該鍵10にロックしたことを示すマーカが表示され又は穴が開放するようにしてもよい。鍵管理装置220の鍵使用判定部は、鍵10が鍵保持部31に返却された場合、鍵10に表示されたマーカ又は穴を認識し、鍵10により車両300、310、320のドアがロックされたか否かを判定する。そして、鍵管理装置220は、鍵使用判定部により鍵10により車両300、310、320のドアがロックされていない(鍵10のマーカが表示されていない又は穴が閉塞している)と判定された場合、鍵10により車両300、310、320のドアがロックされていないことを報知してもよい。これにより、使用者は、当該鍵10による車両300、310、320のドアのロック忘れに気が付き、ドアロック忘れを防止することができる。
また、前述した鍵管理装置220において、鍵返却確認部を設けてもよい。鍵返却確認部は、鍵10自体又は鍵10のホルダが鍵管理装置220の鍵保持部31に返却された際、鍵保持部31に対して鍵10自体又は鍵10のホルダが適切な状態で返却されたか否かを判定し、適切な状態で返却されていない場合、表示や音又は音声でその旨を報知してもよい。例えば、鍵返却確認部は、鍵10自体又は鍵10のホルダが鍵保持部31に差し込まれて返却される構成の場合、当該鍵保持部31の所定の差込位置まで、鍵10自体又は鍵10のホルダが差し込まれたか否かを判定し、差し込まれていないと判定した場合、適切な位置まで差し込まれていないことをLEDや音声で報知してもよい。この鍵返却確認部は、鍵管理装置220に設けられていてもよく、鍵10自体又は鍵10のホルダに設けられていてもよい。
また、前述した第1実施形態~第4実施形態では、次に使用可能な鍵10を、鍵管理装置220の表示ランプ50で報知する場合を例示して説明したが、次に使用可能な鍵10の報知方法はこれに限定されるものではない。例えば、他の例の駐車場管理システムでは、鍵10自体にランプなどの報知手段を設け、次に使用可能な鍵10の報知を鍵10自体に設けられたランプなどの報知手段により行うようにしてもよい。
このようにすると、次に使用可能な鍵10を直接把握することができ、より迅速に間違いなく鍵10を取り出すことができる。
以上の通り、第1実施形態などにかかる駐車場管理システムでは、(1)鍵管理装置220は、複数の鍵10を個別に保持可能な複数の鍵保持部31と、複数の鍵10が個別に使用される複数の被管理物(車両300、310、320)のうち、次に使用可能な被管理物に使用される鍵10が保持されている鍵保持部31を決定し、決定した鍵保持部31からの次に使用可能な被管理物に使用される鍵10の取り出しを制御する制御部115と、を有する構成とした。
このように構成すると、鍵管理装置220の制御部115は、複数の鍵保持部31のうち、次に使用可能な被管理物(車両300、310、320)に使用される鍵10の鍵保持部31を、次に取り出し可能な鍵10の鍵保持部31として決定する。よって、被管理物の使用者は、次に使用可能な被管理物の鍵10を鍵管理装置220から間違いなく取り出すことができる。
(2)また、複数の被管理物(車両300、310、320)に関する被管理物情報を取得する被管理物情報取得部151を更に有し、制御部115は、被管理物情報取得部151により取得された被管理物情報に基づいて、次に取り出し可能な鍵10が保持されている鍵保持部31を決定する構成とした。
このように構成すると、制御部115は、被管理物情報取得部(入出庫検出装置210)により取得された被管理物(車両300、310、320)に関する情報(車両300、310、320の駐車位置等)に基づいて、次に使用可能な被管理物を判定することができる。よって、制御部115は、次に使用可能な被管理物に使用される鍵10の鍵保持部31を適切に報知し、使用者による次に使用可能な車両の出庫を促すことができる。
(3)また、被管理物情報は、複数の被管理物(車両300、310、320)の使用の順序(車両の出庫及び入庫の順番)と、複数の被管理物の動作状態(車両の稼働状況)と、複数の被管理物の位置(車両の駐車位置)とのうちの少なくとも何れか一つであり、制御部115は、複数の被管理物の使用の順序と、複数の被管理物の動作状態と、複数の被管理物の位置とのうちの少なくとも何れ一つに基づいて、次に取り出し可能な鍵10が保持されている鍵保持部31を決定する構成とした。
このように構成すると、被管理物(車両300、310、320)に関する情報を、被管理物の使用順序、動作状態、位置の少なくとも何れか一つに限定することにより、制御部115は、これらのパラメータから次に使用可能な被管理物を正確に判定することができる。
(4)また、複数の被管理物は、複数の移動体(車両300、310、320)であり、制御部115は、複数の移動体の位置(駐車エリアにおける車両の駐車位置)に基づいて、次に取り出し可能な鍵10が保持されている鍵保持部31を決定する構成とした。
このように構成すると、車両300、310、320は、その駐車位置によっては、すぐに使用できないことがある。制御部115は、車両の駐車位置を把握することにより、車両がすぐに使用できるか否かを判定し、次に使用可能な移動体を決定することができる。よって、制御部115は、次に使用可能な車両に使用される鍵10の鍵保持部31を適切に決定することができる。
(5)また、制御部115は、複数の鍵保持部31への鍵10の返却に関する鍵返却情報に基づいて、次に使用可能な被管理物(車両300、310、320)を決定し、次に使用可能な被管理物に使用される鍵10が保持されている鍵保持部31を、次に取り出し可能な鍵10が保持されている鍵保持部31として決定する構成とした。
このように構成すると、鍵管理装置220では、鍵保持部31からの鍵10の返却に関する情報に基づいて決定された次に使用可能な被管理物(車両300、310、320)に使用される鍵10の鍵保持部31を、次に取出可能な鍵10の鍵保持部31として決定するので、鍵10の使用者は、次に使用可能な被管理物の鍵10を迅速かつ間違いなく取り出すことができる。
(6)また、制御部115は、複数の鍵保持部31のいずれかに最後に返却された鍵10が保持されている鍵保持部31を、次に取り出し可能な鍵10が保持されている鍵保持部31として決定する構成とした。
このように構成すると、制御部115は、最後に返却された鍵10の鍵保持部31を、次に取り出し可能な鍵10の鍵保持部31に決定するので、車両300、310、320の使用者は、次に車両を使用する場合、最後に返却された車両に使用される鍵10から順番に取り出すことが可能となり、車両を駐車エリアの奥側から入庫した順番で詰めて駐車するような場合には、当該鍵10を用いて最後に返却した車両を確実に使用することができる。
(7)また、複数の鍵保持部31の配置に基づく優先度(鍵保持部優先度)が予め規定されており、制御部115は、複数の鍵保持部31のうち鍵10を保持していない鍵保持部31であって、次に取り出し可能な鍵10が保持されている鍵保持部31を、優先度に基づいて決定する構成とした。
このように構成すると、鍵管理装置220では、鍵10が返却されていない複数の鍵保持部31のうち、次に返却可能な鍵10の鍵保持部31を、予め規定された優先度に基づいて決定するので、鍵10の使用者は、優先度に基づいて、鍵10を返却可能な鍵保持部31を容易に判定することができる。また、優先度に基づいて、鍵保持部31から鍵10を取り出すことができるので、次に使用可能な車両300、310、320の鍵10を確実の取り出すことができる。
(8)また、制御部115は、被管理物情報取得部151により取得された被管理物情報に基づいて決定した次に取り出し可能な鍵10の鍵保持部31を報知する構成とした。
このように構成すると、制御部115は、次に取り出し可能な鍵10の鍵保持部31を報知するので、鍵10の使用者は、次に取り出し可能な鍵10の鍵保持部31を容易に認識することができる。
(9)また、制御部115は、次に取り出し可能な鍵10が保持されている鍵保持部31以外に対する鍵10の取り出し操作があった場合、又は、次に鍵10を返却可能な鍵保持部31以外の鍵保持部31に対する鍵10の返却操作があった場合、取り出し操作又は返却操作に誤りがあることを報知する構成とした。
このように構成すると、鍵管理装置220では、次に取出可能又は返却可能でない鍵10の鍵保持部31に対して鍵10の取出操作又は返却操作があった場合、その鍵保持部31からの取出が間違っていることが報知されるので、鍵10の使用者による取出間違い又は返却間違いを未然に防ぐことができる。
(10)また、制御部115は、次に取り出し可能な鍵10が保持されている鍵保持部31のロック、又は次に鍵10を返却可能な鍵保持部31のロックを解除する構成とした。
このように構成すると、鍵管理装置220では、次に取出可能な鍵10の鍵保持部31及び/又は次に返却可能な鍵10の鍵保持部31として決定した鍵保持部31のロックを解除するので、使用者による次に使用可能な鍵10の取り出し及び又は返却を確実に行わせることができる。
(11)また、複数の鍵保持部31は、異なる、複数の第1鍵保持部グループと、複数の第2鍵保持部グループとに区分けされ、制御部115は、第1鍵保持部グループ又は第2鍵保持部グループのうちの少なくとも何れかに含まれる鍵保持部31の各々に保持可能な鍵10が個別に使用される複数の車両300、310、320又は会議室R1~R3のうち、次に使用可能な車両又は会議室に使用される鍵10の鍵保持部31が含まれる第1又は第2鍵保持部グループを、次に取り出し可能な鍵10を保持している鍵保持部グループとして決定する構成とした。
このように構成すると、制御部115は、複数の鍵保持部31を異なる複数のグループにグループ分けした上で各々のグループごとに、次に使用可能な鍵10の鍵保持部31を決定するので、柔軟な鍵10の取出処理又は返却処理を行うことができる。
(12)また、駐車場管理システム200は、駐車場における複数の車両300、310、320の入出庫状態を検出する入出庫検出装置210と、複数の車両300、310、320を使用する際に個別に使用される複数の鍵10を管理する鍵管理装置220と、を有し、鍵管理装置220は、複数の鍵10を個別に保持可能な複数の鍵保持部31と、複数の車両300、310、320のうち、次に使用可能な車両300、310、320に使用される鍵10が保持されている鍵保持部31を、次に取り出し可能な鍵10が保持されている鍵保持部31として決定し、決定した鍵保持部31からの次に取り出し可能な鍵10の取り出しを制御する制御部115と、を有する構成とした。
このように構成すると、駐車場管理システム200は、入出庫検出装置210により検出された車両300、310、320の入出庫状態に基づいて、鍵管理装置220による次に取出可能な鍵10の鍵保持部31又は次に返却可能な鍵10の鍵保持部31を決定し、鍵10の取り出し又は返却を制御するので、鍵10の使用者は、次に出庫可能な車両300、310、320を実際に確認する必要なく、迅速かつ確実に次に出庫可能な車両300、310、320の鍵10を取り出すことができる。
なお、図3、図6における各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより図3、図6における各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうる様々な変更、改良が含まれる。