JP7384194B2 - チェーン部品挿抜装置 - Google Patents

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本発明は、リンクプレートの孔に対して例えばピン等のチェーン部品を挿抜する際に用いられるチェーン部品挿抜装置に関する。
従来、この種のチェーン部品挿抜装置の一例として、例えば特許文献1に記載の履帯のピン抜き装置が知られている。この履帯のピン抜き装置は、一対の平行なシャフトと、両シャフトの先端で上部と下部が支持される先端側ヨークと、両シャフトの後端で上部と下部が支持される後端側ヨークと、を備えている。先端側ヨークの中央部には、チェーンのリンクのピン孔に端部が圧入された状態にあるチェーン部品の一例であるピンの一端とピンの軸方向において対向するピン挿通孔が貫通形成されている。一方、後端側ヨークの中央部には、その同じピンの他端とピンの軸方向において対向するピンプッシャを先端部に保持した油圧シリンダが取り付けられている。
先端側ヨークの後端面には、チェーンのリンクのピン孔からピンを抜く場合に該当するリンクを位置決めして支持可能な位置決めプレートが片持ち梁状に支持されている。位置決めプレートには、その下面側にチェーンのリンクのシュー取付側端を接触させてリンクを支持するときに支持用のボルトを挿通するボルト挿通孔が貫通形成されている。一方、リンクのシュー取付側端において位置決めプレートのボルト挿通孔と上下方向で対向する位置には、シュー取付用ボルト挿通孔が形成されている。
上記のピン抜き装置を用いてチェーンのリンクのピン孔からピンを抜く際には、ピンがピン孔に圧入されているリンクが位置決めプレートの下面側にボルトにより固定される。そして、その状態から、油圧シリンダの駆動に伴いピンプッシャがピンの他端に当接してピンを一端側に押圧する。すると、ピンは、その一端が先端側ヨークのピン挿通孔に挿通されると共に、その他端がリンクのピン孔から抜け出るため、チェーンのリンクのピン孔からのピン抜き作業が完了する。
特開平7-267158号公報
上記の履帯のピン抜き装置では、チェーンのリンクのピン孔からピンを抜き取る際に、次のような複数の作業が事前に必要となる。すなわち、位置決めプレートの下面側の狭いスペース内で位置決めプレートのボルト挿通孔に対してリンクのシュー取付側端のシュー取付用ボルト挿通孔が先ず位置合わせされる。次には、位置合わせされた両ボルト挿通孔に位置決めプレートのボルト挿通孔の側からボルトの先端が挿通される。そして、リンクのシュー取付用ボルト挿通孔から当該リンクの肉抜き貫通孔内に突出したボルトの先端部に対して締結用ナットが螺合される。このように従来のピン抜き装置では、狭いスペース内での位置合わせ作業や小さな肉抜き貫通孔内でのナットの締結作業等という面倒な作業を事前に要するという課題があった。
上記課題を解決するチェーン部品挿抜装置は、チェーンにおけるリンクプレートの孔に対してチェーン部品を挿抜可能なチェーン部品挿抜装置であって、駆動時に作用点が一方向へ直線的に移動するアクチュエータを支持可能なアクチュエータ支持部と、前記チェーンを前記リンクプレートの前記孔の中心軸線が前記一方向に沿う状態にして支持可能なチェーン支持部材と、を備え、前記チェーン支持部材は、前記チェーンの一部を鉛直方向上側から嵌め入れ可能とする凹部を有し、当該凹部に前記チェーンの前記一部を嵌め入れさせることで、前記チェーンを前記孔の中心軸線が前記アクチュエータ支持部に支持された前記アクチュエータの前記作用点の直線的な移動経路に一致した位置決め状態にして支持可能である。
この構成によれば、チェーンのリンクプレートの孔に対して例えばピン等のチェーン部品を挿抜する場合、チェーン支持部材の凹部にチェーンの一部が鉛直方向上側から嵌め入れられる。すると、チェーンは、チェーン部品が挿抜されるリンクプレートの孔の中心軸線がアクチュエータ支持部に支持されたアクチュエータの作用点の直線的な移動経路に一致した位置決め状態となって、チェーン支持部材上に載置される。すなわち、チェーンは、その一部がチェーン支持部材の凹部に上方から嵌め入れられるようにチェーン支持部材上に載置されるだけでアクチュエータの駆動によりチェーン部品を挿抜可能な位置決め状態になる。そのため、狭いスペース内での面倒な位置合わせ作業や締付け作業等を事前に要することなく、容易にチェーンのリンクプレートの孔に対してピン等のチェーン部品を挿抜できる。
上記のチェーン部品挿抜装置において、前記凹部には、前記チェーンにおいて前記チェーン部品を構成するピンが回動自在に挿通されるブシュ又は当該ブシュが回動自在に挿通されるローラである円筒状部材の前記一部が鉛直方向上側から部分的に嵌め入れられることが好ましい。
この構成によれば、チェーン支持部材の凹部に対してチェーンでの円筒状部材の一例であるローラを上方から嵌め入れるだけで、チェーンをアクチュエータの駆動によりピン等のチェーン部品を挿抜可能な位置決め状態に支持できる。
上記のチェーン部品挿抜装置において、前記凹部は、当該凹部に前記円筒状部材の前記一部が鉛直方向上側から部分的に嵌め入れられた場合に、当該凹部を前記アクチュエータ支持部に支持された前記アクチュエータの前記作用点が移動する方向から見たときの当該凹部の内側面のうちで少なくとも左右の各上端縁が前記円筒状部材の外周面に対して接することで、前記チェーンを前記孔の中心軸線と交差する方向への移動を規制する状態に位置決め可能であることが好ましい。
この構成によれば、チェーンの円筒状部材をチェーン支持部材の凹部に嵌め入れると、その凹部の内側面のうち左右の各上端縁がチェーンの円筒状部材に対して移動を規制するように係止する。その結果、チェーン支持部材によりチェーンを安定した位置決め状態に支持することができる。
上記のチェーン部品挿抜装置において、前記凹部は、当該凹部を前記アクチュエータ支持部に支持された前記アクチュエータの前記作用点が移動する方向から見たときの当該凹部の内側面の形状が凹状の円弧面となるように形成されていることが好ましい。
この構成によれば、チェーン支持部材における内側面が円弧面状の凹部によりチェーンの円筒状部材を支持するので、チェーンに対してチェーン部品を安定的に挿抜できる。
上記のチェーン部品挿抜装置は、外径が異なる複数の前記円筒状部材と個別に対応する複数の前記チェーン支持部材を着脱交換可能であって、複数の前記チェーン支持部材の各々における前記凹部の内側面は、外径が異なる複数の前記円筒状部材の各々における外周面と曲率が個別に対応する円弧面で各々構成されていることが好ましい。
この構成によれば、例えばローラである円筒状部材の外径のサイズが異なるチェーンであっても、複数のチェーン支持部材から最適なチェーン支持部材を選択することで、チェーン部品の挿抜を面倒な位置決め作業等を要せずに容易にできる。
本発明によれば、チェーンにおけるピン等のチェーン部品をリンクプレートの孔に挿入したり当該孔から抜き出したりする挿抜作業を面倒な位置合わせ作業や締付け作業を事前に要することなく容易に行うことができる。
チェーン部品挿抜装置の一実施形態の正面図である。 図1における2-2線矢視の断面図である。 チェーンの長さ方向の一部を部分的に破断して示す平面図である。 チェーンの長さ方向の一部の正面図である。 第1チェーン支持部材の正面図である。 第2チェーン支持部材の正面図である。 第3チェーン支持部材の正面図である。 第4チェーン支持部材の正面図である。 (a)は第1当て工具の正面図、(b)は第1当て工具の平面図である。 (a)は第2当て工具の正面図、(b)は第2当て工具の平面図である。 (a)は第3当て工具の正面図、(b)は第3当て工具の平面図である。 (a)は受け工具の正面図、(b)は受け工具の左側面図である。 (a)はシムの正面図、(b)はシムの左側面図である。 リンクプレートのピン孔からピンを抜く直前のチェーン部品挿抜装置の正面図である。 リンクプレートのピン孔からピンを抜いた直後のチェーン部品挿抜装置の正面図である。 リンクプレートのピン孔にピンを圧入直前のチェーン部品挿抜装置の正面図である。 リンクプレートのピン孔にピンを圧入直後のチェーン部品挿抜装置の正面図である。 ピン孔にピンを圧入直前の変形例のチェーン部品挿抜装置の正面図である。 ピン孔にピンを圧入直後の変形例のチェーン部品挿抜装置の正面図である。 変形例のチェーン支持部材の正面図である。 他の変形例のチェーン支持部材の正面図である。
以下、チェーン部品挿抜装置の一実施形態について、図を参照して説明する。
<全体構成>
図1及び図2に示すように、チェーン部品挿抜装置11は、図1では左右方向である一方向Xに間隔を空けて対向する一対のプレート12を有している。一対のプレート12は、長辺が鉛直方向Zに沿うと共に短辺がチェーン部品挿抜装置11の奥行方向Yに沿う縦長矩形状の平らな板材で構成されている。プレート12の四隅には板厚方向に貫通する孔13が形成されている。一方向Xで対向する両プレート12において互いに一方向Xで対向する孔13には、長尺棒状のボルト部材14が両プレート12間で梁状をなすように挿通されている。本実施形態では上下各2本ずつ合計4本のボルト部材14が一方向Xで対向する両プレート12の孔13に挿通されている。
ボルト部材14の長さ方向において一方向Xで対向する両プレート12の間となる部分には、外径が孔13の直径よりも大きい筒状のパイプ15~19が挿通されている。上側の2本のボルト部材14には、その長さが一方向Xで対向する両プレート12の間隔に相当する長尺のパイプ15が各々挿通されている。下側の2本のボルト部材14には、それぞれ長さが異なる複数のパイプ16,17,18,19が直列配置の状態で挿通されている。これら複数のパイプ16~19のうち、図1で左端のパイプ16と左から2番目のパイプ17との間及びそのパイプ17と左から3番目のパイプ18との間にはアクチュエータ支持部の一例である薄板状のシリンダサポート20が挟持されている。また、図1で左から3番目のパイプ18と右端のパイプ19との間には、シリンダサポート20よりも厚みがある厚板状のチェーン支持部材21が挟持されている。
図1に示すように、チェーン部品挿抜装置11の両プレート12のうち一方のプレート12の孔13から挿入され且つ先端が他方のプレート12の孔13から突出したボルト部材14の先端部にはナット22が螺合される。これにより、チェーン部品挿抜装置11は、一方向Xで対向する両プレート12と例えば4本のボルト部材14に挿通されたパイプ15~19とで囲まれた空間域を内部に有する枠体形状に形成される。こうしたチェーン部品挿抜装置11において、シリンダサポート20上にはアクチュエータの一例である油圧シリンダ23が支持されている。油圧シリンダ23は、その駆動時に作用点であるロッド24の先端が一方向Xへ直線的に移動する姿勢でシリンダサポート20上に支持されている。一方、チェーン支持部材21上にはチェーン25が支持される。
<チェーン>
図3及び図4に示すように、チェーン25は、その長さ方向と直交する幅方向に互いに離れて各々対向する複数対の内リンクプレート26と複数対の外リンクプレート27とを備えている。内リンクプレート26と外リンクプレート27は、例えば鋼材等から鍛造、プレス加工等で形成され、それぞれがチェーン25の長さ方向に沿って延びる略矩形板状をなしている。外リンクプレート27は、各対の内リンクプレート26を幅方向の両外側から各々挟むように配置される。そして、内リンクプレート26と外リンクプレート27は、チェーン25の長さ方向に交互に位置して互いの端部同士が重なるように直列に配置されている。なお、本実施形態の場合、チェーン25は、チェーン支持部材21上に支持されたとき、その長さ方向はチェーン部品挿抜装置11の奥行方向Yに一致し、その幅方向は一対のプレート12が対向する一方向Xに一致する。
内リンクプレート26の長さ方向における両端部には、それぞれ円形のブシュ孔28が内リンクプレート26の厚さ方向に貫通するように形成されている。そして、各対の対向する内リンクプレート26同士の間には、対向する内リンクプレート26同士の幅方向の間隔を保つように円筒状部材の一種であるブシュ29が組み付けられている。すなわち、ブシュ29は、その両端部が対をなす内リンクプレート26のブシュ孔28に対して回転不能に嵌合されている。また、ブシュ29には、ブシュ29よりも大径の円筒状部材であるローラ30が回転可能に外嵌合されている。すなわち、ローラ30はブシュ29に対して回転可能な所謂遊嵌状態に支持されている。
外リンクプレート27の長さ方向における両端部には、ブシュ孔28よりも僅かに小径である円形のピン孔31が外リンクプレート27の厚さ方向に貫通形成されている。このピン孔31には、ブシュ29に回転可能に挿入された略円柱状のピン32が挿入される。そして、図3及び図4に示すように、複数対の内リンクプレート26と複数対の外リンクプレート27とはチェーン25の長さ方向で隣り合う互いの端部同士がピン32を介して回動自在に連結されている。
ピン32は、その鍔状の基端部32aが各対における一方側の外リンクプレート27の外面に係止した状態で、その先端部32bが他方側の外リンクプレート27のピン孔31から外側に突出している。この場合、ピン32は、その端部の外周面が外リンクプレート27のピン孔31の内周面に圧接した状態、すなわち、ピン孔31に対して回転不能に嵌合された所謂しまり嵌め状態となることで、ピン孔31からの抜け止めが図られている。本実施形態では、リンクプレートの一例である外リンクプレート27に孔の一例である円形のピン孔31が貫通形成され、そのピン孔31に対してチェーン部品の一例であるピン32がチェーン部品挿抜装置11を用いて挿抜される。
<チェーン支持部材>
図2に示すように、チェーン支持部材21は、長辺がチェーン部品挿抜装置11の奥行方向Yに沿うと共に短辺が鉛直方向Zに沿う横長矩形状の平らな板材で構成されている。チェーン支持部材21のチェーン部品挿抜装置11に対する装着時に下側となる隅角部にはチェーン部品挿抜装置11における下側の2本のボルト部材14が挿通される円孔33が形成されている。また、チェーン支持部材21は、チェーン部品挿抜装置11に対する装着時に上側となる辺の略中央部に、チェーン25のローラ30の一部を鉛直方向上側から部分的に嵌め入れ可能とする凹部34を有している。凹部34は、油圧シリンダ23の作用点であるロッド24の先端が移動する一方向Xから見た場合の内側面の形状が、凹状の円弧面となるように形成されている。本実施形態では、凹部34は、一例として、その凹部34に嵌め込まれる外径dのローラ30の外周面と曲率が同じである円弧面となるように形成されている。
図1及び図2に示すように、チェーン25は、ローラ30の一部がチェーン支持部材21の凹部34に上側から嵌め込まれることで、チェーン支持部材21上に載置された状態となる。この場合、チェーン25は、ローラ30の外周面の一部がチェーン支持部材21における凹部34の円弧面状をなす内側面に面接触した状態となる。また、チェーン25は、ローラ30の外周面の一部がチェーン支持部材21の凹部34に上側から嵌め込まれることで、ピン孔31の中心軸線Pと交差する水平な奥行方向Yへの移動を規制された状態に位置決め可能とされる。
そして、チェーン25は、図1に示すように、ピン孔31の中心軸線Pが油圧シリンダ23の作用点であるロッド24の先端の直線的な移動経路に一致した位置決め状態で、チェーン支持部材21に支持される。すなわち、チェーン25は、下側のボルト部材14からピン孔31の中心軸線Pまでの鉛直方向Zの距離Dが下側のボルト部材14から油圧シリンダ23のロッド24の軸中心までの距離Dhと等しくなるように、チェーン支持部材21に支持される。
図5~図8に示すように、本実施形態のチェーン部品挿抜装置11に対して装着が可能とされるチェーン支持部材21は、正面視での大きさ及び形状が異なる複数種のチェーン支持部材21A~21Dで構成される。各チェーン支持部材21A~21Dは、チェーン部品挿抜装置11に対する装着時にチェーン部品挿抜装置11の奥行方向Yに沿う長辺の長さが互いに同じとなるように形成されている。一方、各チェーン支持部材21A~21Dは、チェーン部品挿抜装置11に対する装着時に鉛直方向Zに沿う短辺の長さが互いに異なるように形成されている。すなわち、各チェーン支持部材21A~21Dの短辺の長さは、図5のチェーン支持部材21A<図6のチェーン支持部材21B<図7のチェーン支持部材21C<図8のチェーン支持部材21Dとなるように形成されている。
また、各チェーン支持部材21A~21Dにおいて、チェーン部品挿抜装置11に対する装着時に上側となる辺の略中央部に形成される円弧面状の凹部34は、各々の曲率が互いに異なるように形成されている。すなわち、各チェーン支持部材21A~21Dにおける円弧面状の凹部34の曲率は、図5のチェーン支持部材21A>図6のチェーン支持部材21B>図7のチェーン支持部材21C>図8のチェーン支持部材21Dとなるように形成されている。なお、図6~図8に示すチェーン支持部材21B~21Dは、チェーン部品挿抜装置11に対して図6~図8に示す姿勢で装着される場合と図6~図8に示す姿勢とは上下逆さまの姿勢で装着される場合とがある。そして、これらのチェーン支持部材21B~21Dの凹部34については図6~図8における上側の辺の凹部34の曲率の方が下側の辺の凹部34の曲率よりも大きくなるように形成されている。
図5~図8に示す各チェーン支持部材21A~21Dは、チェーン部品挿抜装置11がピン32を挿抜するチェーン25におけるローラ30の外径d1~d7の相違に応じて適宜に選択されてチェーン部品挿抜装置11に装着される。すなわち、チェーン部品挿抜装置11は、外径d1~d7が異なる複数のローラ30と個別に対応する複数種のチェーン支持部材21A~21Dが必要に応じて着脱交換可能とされる。例えば、ピン32を挿抜予定のチェーン25が外径d1のローラ30を有する場合には、そのローラ30の外周面と内側面が同じ曲率の円弧面状の凹部34を有する図5のチェーン支持部材21Aが選択されてチェーン部品挿抜装置11に装着される。この場合、チェーン支持部材21Aにおける下側のボルト部材14が挿通される円孔33とピン孔31の中心軸線Pとの鉛直方向Zの距離D1は、チェーン部品挿抜装置11の下側のボルト部材14から油圧シリンダ23の軸中心までの距離Dhと等しい。
同様に、ピン32を挿抜予定のチェーン25が外径d2のローラ30を有する場合及び外径d3のローラ30を有する場合は、それらのローラ30の外周面と内側面が同じ曲率の円弧面状の凹部34を有する図6のチェーン支持部材21Bが選択される。すなわち、図6のチェーン支持部材21Bは、外径d2のローラ30と個別に対応する凹部34及び外径d3のローラ30と個別に対応する凹部34を有している。そして、チェーン25が外径d2のローラ30を有するチェーン25の場合、図6のチェーン支持部材21Bは、図6に示す姿勢でチェーン部品挿抜装置11に装着される。一方、チェーン25が外径d3のローラ30を有するチェーン25の場合、図6のチェーン支持部材21Bは、図6に示す姿勢とは上下逆さまの姿勢でチェーン部品挿抜装置11に装着される。この場合も、チェーン支持部材21Bにおける下側のボルト部材14が挿通される円孔33とピン孔31の中心軸線Pとの鉛直方向Zの距離D2、D3は、チェーン部品挿抜装置11の下側のボルト部材14から油圧シリンダ23の軸中心までの距離Dhと等しい。
また、ピン32を挿抜予定のチェーン25が外径d4のローラ30を有する場合及び外径d5のローラ30を有する場合は、それらのローラ30と個別に対応する凹部34を有する図7のチェーン支持部材21Cが選択される。そして、チェーン支持部材21Cは、チェーン25のローラ30が、外径d4の場合は図7に示す姿勢で、外径d5の場合は図7に示す姿勢とは上下逆さまの姿勢で、チェーン部品挿抜装置11に装着される。この場合も、チェーン支持部材21Cにおける下側のボルト部材14が挿通される円孔33とピン孔31の中心軸線Pとの鉛直方向Zの距離D4、D5は、チェーン部品挿抜装置11の下側のボルト部材14から油圧シリンダ23の軸中心までの距離Dhと等しい。
さらに、ピン32を挿抜予定のチェーン25が外径d6のローラ30を有する場合及び外径d7のローラ30を有する場合は、それらのローラ30と個別に対応する凹部34を有する図8のチェーン支持部材21Dが選択される。そして、チェーン支持部材21Dは、チェーン25のローラ30が、外径d6の場合は図8に示す姿勢で、外径d7の場合は図8に示す姿勢とは上下逆さまの姿勢で、チェーン部品挿抜装置11に装着される。この場合も、チェーン支持部材21Dにおける下側のボルト部材14が挿通される円孔33とピン孔31の中心軸線Pとの鉛直方向Zの距離D6、D7は、チェーン部品挿抜装置11の下側のボルト部材14から油圧シリンダ23の軸中心までの距離Dhと等しい。
<使用工具>
次に、チェーン部品挿抜装置11によりチェーン25に対してピン32を挿抜する場合に用いる各種の工具について説明する。
図9~図13に示すように、本実施形態のチェーン部品挿抜装置11では、例えば3種類の当て工具35~37、受け工具38及びシム39等からなる複数の工具が適宜に組み合わせて使用される。
まず、図9(a)及び図9(b)に示す第1当て工具35は、長棒状の柄部40と、柄部40の一端に取り付けられた円柱状の本体部41を有している。第1当て工具35は、チェーン25のピン孔31からピン32を抜くピン抜き時と、チェーン25のピン孔31にピン32の端部を圧入するピン圧入時の両方の場合に使用される工具である。この第1当て工具35は、ピン抜き時には第3当て工具37との組み合わせで使用され、ピン圧入時には第2当て工具36との組み合わせで使用される。
次に、図10(a)及び図10(b)に示す第2当て工具36は、第1当て工具35の場合と同様に、長棒状の柄部42と、柄部42の一端に取り付けられた略円柱状の本体部43を有している。図10(b)に示すように、本体部43の一方側の端面には、第2当て工具36がチェーン部品挿抜装置11に装着された場合に鉛直方向Zに沿う溝44が形成されている。この溝44は、チェーン25の外リンクプレート27のピン孔31から外側に突出した状態にあるピン32の先端部32bを収容可能な溝幅及び溝深さを有している。この第2当て工具36は、前述したように、ピン圧入時に第1当て工具35との組み合わせで使用される。
また、図11(a)及び図11(b)に示す第3当て工具37も、第1当て工具35や第2当て工具36の場合と同様に、長棒状の柄部45と、柄部45の一端に取り付けられた略円柱状の本体部46を有している。図11(b)に示すように、本体部46の一方側の端面には、第3当て工具37がチェーン部品挿抜装置11に装着された場合に鉛直方向Zに沿う溝47が形成されている。この溝47は、チェーン25の外リンクプレート27のピン孔31に端部が挿通されたピン32における前記ピン孔31の周縁に鍔状に係止した状態にある基端部32aを収容可能な溝幅及び溝深さを有している。この第3当て工具37は、前述したように、ピン抜き時に第1当て工具35との組み合わせで使用される。
図12(a)及び図12(b)に示す受け工具38は、各当て工具35~37の本体部41,43,46と端面同士を当接させた状態でチェーン部品挿抜装置11に装着される略楕円柱状の部材である。図12(a)に示すように、受け工具38の一方側の端面にはボルト穴48が形成されている。このボルト穴48には、図1において油圧シリンダ23のロッド24が伸びる側に位置する一方側のプレート12の中央部に形成された貫通孔49に挿通されたボルト50が螺合する。すなわち、受け工具38は、その一方側の端面のボルト穴48に、一方側のプレート12の貫通孔49に軸部を挿通されたボルト50の先端部分が螺合することで、チェーン部品挿抜装置11に装着される。なお、貫通孔49は、プレート12においてチェーン支持部材21に支持されたチェーン25のピン孔31の中心軸線P及び油圧シリンダ23の作用点であるロッド24の先端の直線的な移動経路と一致する位置に形成されている。
図13(a)及び図13(b)に示すシム39は、例えば炭素鋼等の金属からなる薄片状の部材である。このシム39は、チェーン25におけるリンクプレート26,27の板幅よりも少し長い縦長矩形の挟入片部51と、境界となる折曲線52を介して挟入片部51の上側に傾けて設けられる折曲片部53とを有している。挟入片部51には切欠凹部54が下端縁から上方に向けて切り欠き形成され、折曲片部53には図示しないワイヤー等の紐部材を挿通可能な孔55が貫通形成されている。このシム39は、チェーン25からのピン抜き時とチェーン25に対するピン圧入時の両方の場合に、内リンクプレート26と外リンクプレート27との間の隙間に挟み入れられて使用される。
<作用>
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、チェーン25のピン孔31に端部が圧入された状態にあるピン32をピン孔31から抜くピン抜き時について説明した後、チェーン25のピン孔31にピン32の端部を圧入するピン圧入時について説明する。なお、図14~図17に示す事例では、外径d6のローラ30を有するチェーン25のピン孔31に対してピン32を挿抜する場合を一例として説明するものとする。
<ピン抜き時>
図14及び図15に示すように、ピン抜き時には、チェーン部品挿抜装置11における図14では右側となる一方のプレート12にボルト50を介して受け工具38が取り付けられる。また、図5~図8に示す4つのチェーン支持部材21A,21B,21C,21Dのうちから何れか一つのチェーン支持部材21が選択される。すなわち、この場合は、外径d6のローラ30の外周面と曲率が同じである円弧面状の凹部34を有する図8に示すチェーン支持部材21Dが、ピン挿抜用のチェーン支持部材21(21D)として選択される。そして、そのチェーン支持部材21(21D)が、図8に示す姿勢でチェーン部品挿抜装置11に装着される。
次には、このチェーン支持部材21(21D)の凹部34に対して、鉛直方向Zの上側からチェーン25のローラ30の外周面の一部が嵌め入れられる。すると、チェーン25は、ピン孔31の中心軸線Pが油圧シリンダ23のロッド24の一方向Xに沿う直線的な移動経路に一致した位置決め状態となって、チェーン支持部材21(21D)上に載置される。すなわち、チェーン25は、チェーン支持部材21(21D)上にローラ30を介して載置されるだけで、面倒な位置合わせ作業等をしなくても、油圧シリンダ23の駆動によりピン32を挿抜可能な位置決め状態になる。なお、この場合、チェーン25は、ピン32の先端部32bが油圧シリンダ23のロッド24の先端と対向する姿勢で、チェーン支持部材21(21D)上に載置される。
そして、このピン抜き時には、図9(a)及び図9(b)に示す第1当て工具35と、図11(a)及び図11(b)に示す第3当て工具37とが、ピン抜き時の使用工具として、チェーン部品挿抜装置11にセットされる。すなわち、図14に示すように、図示しない可動支持部に第1当て工具35と第3当て工具37が柄部40,45を介して吊り下げ状態に支持される。なお、可動支持部は、ピン32の軸線でもあるピン孔31の中心軸線Pに沿う一方向Xに移動自在な構成とされている。ピン孔31の中心軸線Pに沿う一方向Xにおいて、油圧シリンダ23とピン32との間には第1当て工具35の本体部41が配置され、ピン32と受け工具38との間には第3当て工具37の本体部46が配置される。
第1当て工具35は、その本体部41の一方側の端面がピン32の先端部32bとの間に若干の間隔をおいた状態で且つ他方側の端面が油圧シリンダ23のロッド24の先端面に当接した状態で、油圧シリンダ23とピン32との間に配置される。第3当て工具37は、その本体部46の一方側の端面が受け工具38の端面に当接した状態で且つ溝47が形成された他方側の端面がチェーン25の外リンクプレート27に当接した状態で、ピン32と受け工具38との間に配置される。なお、その状態において、第3当て工具37の本体部46の溝47内には、ピン32の基端部32aが僅かだけ進入した状態にある。
また、チェーン25において、挿抜対象のピン32が位置する内リンクプレート26と外リンクプレート27の端部同士が重なり合う箇所の隙間には、シム39の挟入片部51が上方から挟入される。この場合においてピン32はシム39の挟入片部51の切欠凹部54内に位置する。そして、この状態から油圧シリンダ23が駆動される。すると、油圧シリンダ23のロッド24が図14に白抜き矢印で示す一方側に伸長し、第1当て工具35の本体部41をピン32の先端部32bが位置する一方側に押動する。
すると、図15に示すように、それまで図14及び図15では左側となる他方側の外リンクプレート27のピン孔31から先端部32bが外側に突出していたピン32が一方側に移動する第1当て工具35の本体部41により一方側に押動される。すると、ピン32は、その長さ方向の全体がピン32の軸線でもあるピン孔31の中心軸線Pに沿う一方向Xにおける一方側に移動する。すなわち、ピン32は、その先端部32bの端面が他方側の外リンクプレート27の外面と面一になる一方、その基端部32aが第3当て工具37の本体部46の溝47内に収容される位置まで一方側に移動する。
その結果、ピン32は、そのピン32の端部の外周面が両側の外リンクプレート27の各ピン孔31の内周面に対して圧接した状態から、各ピン孔31の内周面に対しては回動可能に嵌合した所謂すきま嵌め状態となる。こうした所謂すきま嵌め状態となることで、ピン32は、チェーン25における外リンクプレート27のピン孔31からの抜き出しが可能となる。従って、図15の状態から第1当て工具35及び第3当て工具37を取り除けば、チェーン支持部材21(21D)上に支持されたチェーン25からピン32を容易に抜き出し可能となる。
なお、第1当て工具35の本体部41によりピン32が一方側に押動されたとき、それまでピン32の端部がピン孔31に圧入されていた外リンクプレート27もピン32と共に一方側に移動する可能性がある。そうなると、外リンクプレート27のピン孔31からピン32が抜き出し難くなったり、外リンクプレート27と内リンクプレート26の端部同士が無用に圧着されて回動し難くなったりする虞がある。しかし、本実施形態の場合、外リンクプレート27と内リンクプレート26の端部同士が重なり合う箇所の隙間には、シム39の挟入片部51が上方から挟入されているため、そのような虞が低減される。
<ピン圧入時>
図16及び図17に示すように、ピン圧入時にも、チェーン部品挿抜装置11における図16では右側となる一方のプレート12にボルト50を介して受け工具38が取り付けられる。また、この場合も、外径d6のローラ30の外周面と曲率が個別に対応する円弧面の凹部34を有する図8に示すチェーン支持部材21Dが、ピン挿抜用のチェーン支持部材21(21D)として選択される。そして、そのチェーン支持部材21(21D)が、図8に示す姿勢でチェーン部品挿抜装置11に装着され、そのチェーン支持部材21(21D)の凹部34に対して、鉛直方向Zの上側からチェーン25のローラ30の外周面の一部が嵌め入れられる。
すると、チェーン25は、ピン抜き時と同様に、ピン孔31の中心軸線Pが油圧シリンダ23のロッド24の一方向Xに沿う直線的な移動経路に一致した位置決め状態となって、チェーン支持部材21(21D)上に載置される。但し、このピン圧入時には、チェーン25は、ピン32の基端部32aが油圧シリンダ23のロッド24の先端と対向する姿勢で、チェーン支持部材21(21D)上に載置される。すなわち、チェーン25は、ピン圧入時とピン抜き時とでは、ピン32の基端部32aと先端部32bの向きが異なる姿勢で、チェーン支持部材21上へ載置される。
そして、このピン圧入時には、図9(a)及び図9(b)に示す第1当て工具35と、図10(a)及び図10(b)に示す第2当て工具36とが、ピン圧入時の使用工具として、チェーン部品挿抜装置11にセットされる。すなわち、図16に示すように、図示しない可動支持部に第1当て工具35と第2当て工具36が柄部40,42を介して吊り下げ状態に支持される。そして、ピン32の軸線でもあるピン孔31の中心軸線Pに沿う一方向Xにおいて、油圧シリンダ23とピン32との間には第1当て工具35の本体部41が配置され、ピン32と受け工具38との間には第2当て工具36の本体部43が配置される。
第1当て工具35は、その本体部41の一方側の端面がピン32の基端部32aとの間に若干の間隔をおいた状態で且つ他方側の端面が油圧シリンダ23のロッド24の先端面に当接した状態で、油圧シリンダ23とピン32との間に配置される。第2当て工具36は、その本体部43の一方側の端面が受け工具38の端面に当接した状態で且つ溝44が形成された他方側の端面がチェーン25の外リンクプレート27に当接した状態で、ピン32と受け工具38との間に配置される。また、このピン圧入時もピン抜き時と同様に、チェーン25における挿抜対象のピン32が位置する内リンクプレート26と外リンクプレート27の端部同士が重なり合う箇所の隙間には、シム39が挟入される。
そして、この状態から油圧シリンダ23が駆動される。すると、ロッド24が図16に白抜き矢印で示す一方側に伸長し、第1当て工具35の本体部41をピン32の基端部32aが位置する一方側に押動する。すると、図17に示すように、それまで図16及び図17では左側となる他方側の外リンクプレート27のピン孔31から基端部32aが外側に突出していたピン32が一方側に移動する第1当て工具35の本体部41により一方側に押動される。すると、ピン32は、その長さ方向の全体がピン32の軸線でもあるピン孔31の中心軸線Pに沿う一方向Xにおける一方側に移動する。すなわち、ピン32は、その鍔状の基端部32aが他方側の外リンクプレート27のピン孔31の周縁に係止する一方、その先端部32bが第2当て工具36の本体部43の溝44内に進入して収容された状態になる。
その結果、ピン32は、そのピン32の端部の外周面が両側の外リンクプレート27の各ピン孔31の内周面に対して回動可能に嵌合した状態から、各ピン孔31の内周面に対して回動不能に圧接した所謂しまり嵌め状態となる。その後、図17の状態から第1当て工具35、第2当て工具36及びシム39を取り除けば、ピン32の端部が外リンクプレート27のピン孔31に圧入されたチェーン25を得ることが可能となる。
<効果>
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)チェーン25は、その一部であるローラ30がチェーン支持部材21の凹部34に上方から嵌め入れられるようにチェーン支持部材21上に載置されるだけで油圧シリンダ23の駆動によりピン32を挿抜可能な位置決め状態になる。そのため、狭いスペース内での面倒な位置合わせ作業や締付け作業等を事前に要することなく、容易にチェーン25の外リンクプレート27のピン孔31に対してピン32を挿抜できる。
(2)チェーン支持部材21の凹部34に対してチェーン25での円筒状部材の一例であるローラ30を上方から嵌め入れるだけで、チェーン25を油圧シリンダ23の駆動によりピン32を挿抜可能な位置決め状態に支持できる。
(3)チェーン支持部材21における円弧面状の凹部34の内側面の全体が面接触状態でチェーン25の円筒状部材であるローラ30を支持するので、チェーン25に対してピン32を安定的に挿抜できる。
(4)例えばローラ30である円筒状部材の外径dのサイズが異なるチェーン25であっても、複数のチェーン支持部材21(21A~21D)から最適なチェーン支持部材21を選択することで、ピン32の挿抜を面倒な位置決め作業等を要せずに容易にできる。
<変更例>
なお、上記の実施形態は以下に示す変更例のように変更してもよい。また、実施形態に含まれる構成と下記変更例に含まれる構成とを任意に組み合わせてもよいし、下記変更例に含まれる構成同士を任意に組み合わせてもよい。
・図18及び図19に示す変更例のように、ピン圧入時に、チェーン25を、ピン32の先端部32bが油圧シリンダ23のロッド24の先端と対向する姿勢で、チェーン支持部材21(21D)上に載置してもよい。なお、この場合、ピン32は、基端側の端部の外周面が図18では右側となる一方側の外リンクプレート27のピン孔31に対して所謂しまり嵌め状態とされているものとする。また、この変更例は、外径d1のローラ30を有するチェーン25のピン孔31に対してピン32の端部を圧入する場合を説明するものとする。そのため、外径d1のローラ30の外周面と曲率が個別に対応する円弧面の凹部34を有する図5に示すチェーン支持部材21Aが、ピン挿抜用のチェーン支持部材21(21A)として選択されて、チェーン部品挿抜装置11に装着される。
この場合、そのピン32の先端部32bには、図18に示すように、他方側の外リンクプレート27がピン孔31に対して当該ピン32の先端部32bが所謂すきま嵌め状態となるようにして仮止めされる。また、この場合は、第2当て工具36の本体部43が油圧シリンダ23とピン32との間に配置され、第1当て工具35の本体部41がピン32と受け工具38との間に配置される。
このような配置状態で、第2当て工具36は、本体部43の溝44が形成された一方側の端面がピン32の先端部32bに仮止めされた外リンクプレート27に当接すると共に他方側の端面が油圧シリンダ23のロッド24の先端面に当接する。その一方、第1当て工具35は、本体部41の一方側の端面が受け工具38の端面に当接すると共に他方側の端面がチェーン25の一方側の外リンクプレート27に当接した状態とされる。また、この場合も、チェーン25の内リンクプレート26と外リンクプレート27の端部同士が重なり合う箇所の隙間には、シム39が挟入される。
そして、この状態から油圧シリンダ23が駆動されると、ロッド24が図18に白抜き矢印で示す一方側に伸長し、第2当て工具36の本体部43をピン32の先端部32bが位置する一方側に押動する。すると、図19に示すように、それまでピン32の先端部32bに仮止めされていた他方側の外リンクプレート27が第2当て工具36の本体部43に押動されて一方側に移動し、他方側の内リンクプレート26に面接触する。このとき、ピン32は、その先端側の端部が他方側の外リンクプレート27のピン孔31に圧入されると共に、そのピン孔31から突出した先端部32bが第2当て工具36の本体部43の溝44内に進入して収容された状態になる。換言すると、油圧シリンダ23の駆動に伴い第2当て工具36に押動されて一方側に移動する外リンクプレート27に対してピン32が他方側に相対移動することで、外リンクプレート27のピン孔31に対してピン32の先端側の端部が圧入される。
その結果、ピン32は、その先端側の端部の外周面が他方側の外リンクプレート27のピン孔31の内周面に対して回動不能に圧接した所謂しまり嵌め状態となる。そのため、その後において、図19の状態から第1当て工具35、第2当て工具36及びシム39を取り除けば、ピン32の端部が外リンクプレート27のピン孔31に圧入されたチェーン25を得ることが可能となる。
・図20及び図21に示す変更例のように、チェーン25のローラ30の外周面の一部が鉛直方向Zの上側から嵌め入れられる凹部34は、その内側面が円弧面で構成されていなくてもよい。例えば、その凹部34をチェーン25のピン孔31の中心軸線Pの方向から見たときの形状が、図20に示すチェーン支持部材21Eのように矩形状をなしていたり、図21に示すチェーン支持部材21Fのように逆三角形状をなしていたりしてもよい。
要するに、その凹部34を油圧シリンダ23の作用点であるロッド24が移動する方向から見たときの当該凹部34の内側面における左右の各上端縁34aがローラ30の外周面に対して接することで、チェーン25を載置状態に支持可能であればよい。この構成によれば、チェーン25のローラ30をチェーン支持部材21E,21Fの凹部34に嵌め入れると、その凹部34の内側面のうちで左右の各上端縁34aがチェーン25のローラ30に対して移動を規制するように係止する。その結果、チェーン支持部材21E,21Fによりチェーン25を安定した位置決め状態に支持することができる。
・チェーン支持部材21の内側面が円弧面状をなす凹部34は、その凹部34に対してチェーン25のローラ30の外周面の下側半分が面接触する半円弧面状の内側面を有する凹部34であってもよい。
・上記実施形態におけるチェーン支持部材21の凹部34の内側面は、その凹部34に嵌め込まれるローラ30の外周面と曲率が同じである凹状の円弧面でなくてもよい。すなわち、製作公差を考慮して、チェーン25のローラ30が嵌め込まれるチェーン支持部材21の円弧面状の凹部34の曲率は、ローラ30の外周面の曲率よりも僅かに小さくてもよい。換言すると、円弧面状の凹部34は、その曲率半径が、ローラ30の外周面の曲率半径よりも僅かに大きくてもよい。
・チェーン部品挿抜装置11に対してチェーン25のローラ30の外径サイズに適合させて着脱交換されるチェーン支持部材21は、4種類以外の複数種類であってもよい。
・チェーン25のローラ30の外径サイズと個別に対応する凹部34を各々有してチェーン部品挿抜装置11への装着時に鉛直方向Zに沿う短辺の長さが異なる複数のチェーン支持部材21を、チェーン部品挿抜装置11における複数位置に離して配置してもよい。例えば、チェーン部品挿抜装置11の一方向Xの長さを延長し、その一方向Xに離間した複数位置に図5~図8に示す各チェーン支持部材21(21A~21D)をそれぞれ固定配置してもよい。このようにすれば、チェーン25のローラ30の外径サイズに適合させて複数のチェーン支持部材21(21A~21D)を着脱交換する手間をなくすことができる。
・チェーン25は、ブシュ29にローラ30が回転可能に外嵌合していない所謂ブシュチェーンであってもよい。この場合、そのチェーン25における円筒状部材であるブシュ29の外周面の一部がチェーン支持部材21の凹部34に上方から嵌め入れられることにより、チェーン25はチェーン支持部材21上に載置状態で支持される。
・チェーン支持部材21は、その凹部34に対してチェーン25におけるローラ30等の円筒状部材以外の部位を上方から嵌め入れさせてチェーン25を位置決めした載置状態に支持する構成でもよい。例えば、チェーン25における内リンクプレート26の端部と外リンクプレート27の端部とが重なり合う箇所の段差形状部を上方から嵌め入れ可能とする凹部34を平面視において有するチェーン支持部材21であってもよい。
・アクチュエータは、例えば空圧シリンダ等の油圧シリンダ23以外の動力シリンダ、電磁ソレノイド、リニアガイドなど、他のアクチュエータであってもよい。
・シリンダサポート20で例示したアクチュエータ支持部は、油圧シリンダ23で例示したアクチュエータを下方から支持する構成に限らず、上方から吊り下げて支持したり、水平方向に嵌め入れて支持したりするなど、その支持態様は任意である。
・チェーン部品挿抜装置11は、リンクプレートの一例である内リンクプレート26の孔であるブシュ孔28に対してチェーン部品の一例であるブシュ29を挿抜する構成でもよい。この場合、幅方向で対をなす内リンクプレート26の両外側から外リンクプレート27は予め取り外しておくことが好ましい。また、この場合において、ブシュ29の内側からピン32は予め抜き取っておくことが好ましい。
11…チェーン部品挿抜装置
20…アクチュエータ支持部の一例であるシリンダサポート
21(21A~21F)…チェーン支持部材
23…アクチュエータの一例である油圧シリンダ
24…作用点であるロッド
25…チェーン
26…リンクプレートの一例である内リンクプレート
27…リンクプレートの一例である外リンクプレート
28…孔の一例であるブシュ孔
29…円筒状部材及びチェーン部品の一例であるブシュ
30…円筒状部材の一例であるローラ
31…孔の一例であるピン孔
32…チェーン部品の一例であるピン
34…凹部
34a…上端縁
P…中心軸線
X…一方向
Y…奥行方向
Z…鉛直方向

Claims (4)

  1. チェーンにおけるリンクプレートの孔に対してチェーン部品を構成するピンを挿抜可能なチェーン部品挿抜装置であって、
    駆動時に作用点が一方向へ直線的に移動するアクチュエータを支持可能なアクチュエータ支持部と、
    前記チェーンを前記リンクプレートの前記孔の中心軸線が前記一方向に沿う状態にして支持可能なチェーン支持部材と、
    一方向に対向する一対のプレートと、
    を備え、
    前記一対のプレートは、四隅に板厚方向に貫通する孔が形成されており、
    前記一対のプレートにおいて互いに一方向で対向する前記孔に長尺棒状のボルト部材が前記一対のプレート間で梁状をなすように挿通されており、
    前記チェーン支持部材は、前記ピンが回動自在に挿通されるブシュ又は当該ブシュが回動自在に挿通されるローラである円筒状部材の一部が鉛直方向上側から部分的に嵌め入れられる凹部を有し、当該凹部に前記ブシュ又は前記ローラである前記円筒状部材の一部を嵌め入れさせることで、前記チェーンを前記孔の中心軸線が前記アクチュエータ支持部に支持された前記アクチュエータの前記作用点の直線的な移動経路に一致した位置決め状態にして支持可能であることを特徴とするチェーン部品挿抜装置。
  2. 前記凹部は、当該凹部に前記円筒状部材の前記一部が鉛直方向上側から部分的に嵌め入れられた場合に、当該凹部を前記アクチュエータ支持部に支持された前記アクチュエータの前記作用点が移動する方向から見たときの当該凹部の内側面のうちで少なくとも左右の各上端縁が前記円筒状部材の外周面に対して接することで、前記チェーンを前記孔の中心軸線と交差する方向への移動を規制する状態に位置決め可能であることを特徴とする請求項に記載のチェーン部品挿抜装置。
  3. 前記凹部は、当該凹部を前記アクチュエータ支持部に支持された前記アクチュエータの前記作用点が移動する方向から見たときの当該凹部の内側面の形状が凹状の円弧面となるように形成されていることを特徴とする請求項又は請求項に記載のチェーン部品挿抜装置。
  4. 外径が異なる複数の前記円筒状部材と個別に対応する複数の前記チェーン支持部材を着脱交換可能であって、複数の前記チェーン支持部材の各々における前記凹部の内側面は、外径が異なる複数の前記円筒状部材の各々における外周面と曲率が個別に対応する円弧面で各々構成されていることを特徴とする請求項~請求項のうち何れか一項に記載のチェーン部品挿抜装置。
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