JP7381673B1 - 渦電流式ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な制動力を得ることが可能な、エレベータ装置用の渦電流式ブレーキ装置を提供する。【解決手段】渦電流式ブレーキ装置10は、磁石ユニット11,12と作動機構30とを備えている。磁石ユニット11,12は、少なくとも1つの磁石を含む。作動機構30は、磁石ユニット11,12を、ガイドレール8に接近してブレーキを作動させる作動位置と、作動位置よりもガイドレール8から離間した非作動位置と、の間で移動させる。作動機構30は、バネ32とアクチュエータ33とを有する。バネ32は、エレベータかご又は釣合い重りからガイドレール8に向かう方向に沿う伸縮方向D2に沿って伸縮して、磁石ユニット11,12を伸縮方向D2に移動させる。アクチュエータ33は、上記伸縮方向D2に沿って前記バネ32を収縮させる。【選択図】図3

Description

本発明の実施の形態は、エレベータ装置用の渦電流式ブレーキ装置に関する。
従来、エレベータ装置で用いられる補助ブレーキとして、ロープブレーキが知られている。ロープブレーキは、エレベータ装置のメインロープを把持することで、制動力を得るものである。
しかしながら、エレベータかごの容量等によっては、ロープブレーキでは十分な制動力を得ることができない場合がある。また、ロープブレーキは、メインロープに損傷を与える懸念がある。さらに、ロープブレーキが損傷した場合には、修復作業に多くの人員を要する。
そこで、特許文献1に開示されているように、ロープブレーキに代わる補助ブレーキとして、渦電流式ブレーキ装置のエレベータへの適用が検討されている。
特許第5514918号
しかしながら、渦電流式ブレーキ装置は、鉄道での利用が開始されつつあるだけである。このため、エレベータ装置において渦電流式ブレーキ装置によって十分な制動力を得るための検討が、十分になされていない。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、十分な制動力を得ることが可能な、エレベータ装置用の渦電流式ブレーキ装置を提供することを目的とする。
本実施の形態による渦電流式ブレーキ装置は、上下方向に延びるガイドレールに沿って移動するエレベータかご又は釣合い重りに取り付けられる渦電流式ブレーキ装置であって、
少なくとも1つの磁石を含む磁石ユニットと、
前記磁石ユニットを、前記ガイドレールに接近してブレーキを作動させる作動位置と、前記作動位置よりも前記ガイドレールから離間した非作動位置と、の間で移動させる作動機構と、
を備え、
前記作動機構は、
前記エレベータかご又は前記釣合い重りから前記ガイドレールに向かう方向に沿う伸縮方向に沿って伸縮して、前記磁石ユニットを前記伸縮方向に移動させるバネと、
前記伸縮方向に沿って前記バネを収縮させるアクチュエータと、
を有する。
あるいは、本実施の形態による渦電流式ブレーキ装置は、上下方向に延びるガイドレールに沿って移動するエレベータかご又は釣合い重りに取り付けられる渦電流式ブレーキ装置であって、
少なくとも1つの磁石を含む磁石ユニットと、
前記磁石ユニットを、前記ガイドレールに接近してブレーキを作動させる作動位置と、前記作動位置よりも前記ガイドレールから離間した非作動位置と、の間で移動させる作動機構と、
を備え、
前記作動機構は、前記磁石ユニットを前記作動位置から前記非作動位置に移動させるアクチュエータを有し、
前記磁石ユニットは、前記磁石と前記ガイドレールとの間に働く磁気引力によって、前記非作動位置から前記作動位置に移動可能である。
あるいは、本実施の形態による渦電流式ブレーキ装置は、上下方向に延びるガイドレールに沿って移動するエレベータかご又は釣合い重りに取り付けられる渦電流式ブレーキ装置であって、
少なくとも1つの磁石を含む磁石ユニットと、
前記磁石ユニットを、前記ガイドレールに接近してブレーキを作動させる作動位置と、前記作動位置よりも前記ガイドレールから離間した非作動位置と、の間で移動させる作動機構と、
を備え、
前記作動機構は、
前記非作動位置から前記作動位置に向かう方向に沿う伸縮方向に沿って伸縮して、前記磁石ユニットを前記伸縮方向に移動させるバネと、
前記伸縮方向に沿って前記バネを収縮させるアクチュエータと、
を有する。
図1は、第1実施形態によるエレベータ装置の構成を概略的に示す図である。 図2は、第1実施形態による渦電流式ブレーキ装置の斜視図である。 図3は、図1に示す渦電流式ブレーキ装置を模式的に示す図であって、磁石ユニットが非作動位置にある渦電流式ブレーキ装置を示す図である。 図4は、図1に示す渦電流式ブレーキ装置を模式的に示す図であって、磁石ユニットが第1中間位置にある渦電流式ブレーキ装置を示す図である。 図5は、図1に示す渦電流式ブレーキ装置を模式的に示す図であって、磁石ユニットが作動位置にある渦電流式ブレーキ装置を示す図である。 図6は、図1に示す渦電流式ブレーキ装置を模式的に示す図であって、磁石ユニットが第2中間位置にある渦電流式ブレーキ装置を示す図である。 図7は、作動位置にある磁石ユニットとガイドレールとを、模式的に示す図である。 図8は、図7に示す磁石ユニットによる磁束線を示す図である。 図9は、第2実施形態による渦電流式ブレーキ装置を模式的に示す図であって、磁石ユニットが非作動位置にある渦電流式ブレーキ装置を示す図である。 図10は、第2実施形態による渦電流式ブレーキ装置を模式的に示す図であって、磁石ユニットが作動位置にある渦電流式ブレーキ装置を示す図である。 図11は、第3実施形態による渦電流式ブレーキ装置を模式的に示す図であって、磁石ユニットが非作動位置にある渦電流式ブレーキ装置を示す図である。 図12は、第3実施形態による渦電流式ブレーキ装置を模式的に示す図であって、磁石ユニットが作動位置にある渦電流式ブレーキ装置を示す図である。 図13は、第3実施形態による渦電流式ブレーキ装置を模式的に示す図であって、磁石ユニットが第3中間位置にある渦電流式ブレーキ装置を示す図である。 図14は、第3実施形態による渦電流式ブレーキ装置を模式的に示す図であって、磁石ユニットが中第3間位置にある渦電流式ブレーキ装置を示す図である。 図15は、渦電流式ブレーキ装置の変形例を模式的に示す図であって、補助手段を有する渦電流式ブレーキ装置を示す図である。 図16は、図15に示す渦電流式ブレーキ装置であって、補助手段が作動している状態を示す図である。 図17は、図7に対応する図であって、渦電流式ブレーキ装置の他の変形例を示す図である。 図18は、図7に対応する図であって、渦電流式ブレーキ装置の更に他の変形例を示す図である。 図19は、図7に対応する図であって、渦電流式ブレーキ装置の更に他の変形例を示す図である。 図20は、図7に対応する図であって、渦電流式ブレーキ装置の更に他の変形例を示す図である。 図21は、図7に対応する図であって、渦電流式ブレーキ装置の更に他の変形例を示す図である。 図22は、図7に対応する図であって、渦電流式ブレーキ装置の更に他の変形例を示す図である。
<第1実施形態>
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。方向の関係を図面間で明確にするため、いくつかの図面には、共通する符号を付した矢印により共通する方向を示している。図面の紙面に垂直な方向に沿った矢印を、例えば図1に示すように、円の中に点を設けた記号により示した。
図1に示すように、エレベータ装置1は、昇降路2内を昇降可能なエレベータかご3と、エレベータかご3にメインロープ4を介して連結された釣合い重り5と、機械室6に設けられ、メインロープ4を介してエレベータかご3及び釣合い重り5を昇降させる巻上機7と、を備えている。メインロープ4は、巻上機7に連結されたトラクションシーブ7aに巻き掛けられている。このような構成において、巻上機7がトラクションシーブ7aを回転駆動することにより、メインロープ4が巻き上げられ、エレベータかご3及び釣合い重り5がそれぞれ昇降する。昇降路2内には、上下方向D1に延びる一対のかごガイドレール8,8及び一対の錘ガイドレール(不図示)が設けられている。エレベータかご3及び釣合い重り5は、それぞれ、かごガイドレール8,8及び錘ガイドレールに沿って移動する。また、巻上機7には、主ブレーキとして電磁ブレーキ9が設けられている。また、エレベータかご3の上部及び下部には、補助ブレーキとして、渦電流式ブレーキ装置10が設けられている。さらに、エレベータ装置1は、エレベータ装置1の各部を制御する制御装置(不図示)を備えている。
次に、図2乃至図8を参照して、第1実施形態による渦電流式ブレーキ装置10について説明する。図2は、渦電流式ブレーキ装置10の斜視図である。図3乃至図6は、渦電流式ブレーキ装置10を模式的に示す図である。図7は、図5の渦電流式ブレーキ装置10のA-A線に沿った断面を示す図である。また、図8は、図7に示す磁石ユニット11,12による磁束線を示す図である。
図2に示すように、渦電流式ブレーキ装置10は、一対の磁石ユニット11,12と、各磁石ユニット11,12に取り付けられた低摩擦パッド20と、磁石ユニット11,12をかごガイドレール8に対して相対移動させる作動機構30と、を備えている。図7に示すように、各磁石ユニット11,12は、少なくとも1つの磁石13,14を有する。
作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を、対応するかごガイドレール8に接近してブレーキを作動させる作動位置(図2及び図5参照)と、作動位置よりもかごガイドレール8から離間した非作動位置(図3参照)との間で移動させる。図5によく示されているように、一対の磁石ユニット11,12は、磁石ユニット11,12が作動位置に配置されたとき、対応するかごガイドレール8の両側に位置づけられる。図示された例では、かごガイドレール8は、基部8aと、基部8aからエレベータかご3の側へ向けて延び出すレールフィン8bとを有する。そして、一対の磁石ユニット11,12は、磁石ユニット11,12が作動位置に配置されたとき、レールフィン8bの両側に位置づけられる。
図示された例では、渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキを作動させる際、作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を、図3に示す非作動位置から、図4に示す第1中間位置を経由して、図5に示す作動位置に移動させる。また、渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキの作動を解除する際、作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を、図5に示す作動位置から、図6に示す第2中間位置を経由して、図3に示す非作動位置に移動させる。具体的には、作動機構30は、エレベータかご3から対応するかごガイドレール8に向かう方向D2に伸縮する伸縮機構31と、伸縮機構31を収縮させるアクチュエータ33と、磁石ユニット11,12をかごガイドレール8の幅方向D3にスライド可能に保持するスライド機構35と、を有する。方向D2,D3は、水平方向であり、方向D1と直交している。方向D2,D3は、互いに交差する方向(非平行)である。図示された例では、方向D1,D2,D3は、互いに直交している。
伸縮機構31は、方向D2に沿って伸縮可能なバネ32を含む。方向D2は、バネ32の伸縮方向である。図示された例では、バネ32は、コイルバネである。バネ32は、図3に示す収縮位置と図4及び図5に示す伸長位置との間で、伸縮する。
バネ32の一端は、エレベータかご3に対して固定されている。バネ32の他端は、スライド機構35の後述するフレーム36に対して固定されている。バネ32は、図3に示す収縮位置にあるとき、バネ32の自然長よりも短い長さに収縮している。バネ32は、図4及び図5に示す伸長位置にあるとき、バネ32の自然長と実質的に同じ長さに伸長(弛緩)している。言い換えると、バネ32は、かごガイドレール8からエレベータかご3に向かう方向に収縮して、弾性エネルギーを蓄える。バネ32は、図3に示す磁石ユニット11,12が非作動位置にあるとき、スライド機構35を、エレベータかご3からかごガイドレール8に向かう方向に付勢する。また、バネ32は、バネ32に蓄えられた弾性エネルギーが解放されると、復元力によってエレベータかご3からかごガイドレール8に向かう方向に伸長(弛緩)する。
アクチュエータ33は、バネ32を方向D2に沿って収縮させる。また、アクチュエータ33は、バネ32を収縮位置に保持する。アクチュエータ33は、図示しない電源に接続されている。アクチュエータ33は、電源から給電されると(通電状態になると)、自動的にバネ32を方向D2に沿って収縮させ、バネ32を収縮位置に保持する。また、アクチュエータ33は、電源からの給電が止められると(非通電状態になると)、自動的にバネ32を収縮位置から解放する。アクチュエータ33は、エレベータ装置1の制御装置から作動機構30に補助ブレーキを作動させる信号が入力されると、非通電状態になる。また、アクチュエータ33は、エレベータ装置1の制御装置から作動機構30に補助ブレーキの作動を解除させる信号が入力されると、通電状態になる。
スライド機構35は、フレーム36と、フレーム36に対して方向D3に沿ってスライド可能に設けられた一対のスライダ37,38と、を含む。スライダ37に磁石ユニット11が固定されている。また、スライダ38に磁石ユニット12が固定されている。スライダ37,38(したがって、磁石ユニット11,12)は、フレーム36上を、方向D3においてかごガイドレール8から離間した離間位置(図3、図4及び図6参照)と、方向D3においてかごガイドレール8に接近した接近位置(図5参照)との間で、移動可能である。離間位置にあるスライダ37,38(磁石ユニット11,12)は、伸縮機構31が伸長して方向D2にかごガイドレール8に十分に接近すると(例えば、磁石ユニット11,12が図3に示す非作動位置から図4に示す第1中間位置に移動されると)、各磁石ユニット11,12の磁石13又は14とかごガイドレール8との間に働く磁気引力によって、かごガイドレール8にさらに接近するよう、方向D3に沿って自動的に移動する。これにより、磁石ユニット11,12は、接近位置に配置される。その一方で、スライダ37,38(磁石ユニット11,12)は、かごガイドレール8から方向D2に十分に離れると(例えば、磁石ユニット11,12が作動位置から図6に示す第2中間位置に移動されると)、磁石13と磁石14との間に働く磁気斥力によって、互いから離間するよう、自動的に方向D3に沿って移動する。これにより、磁石ユニット11,12は、離間位置に配置される。
なお、図示された例では、スライド機構35のスライダ37,38は強磁性体で構成されている。このようなスライダ37,38は、磁石ユニット11,12のバックヨークとして機能し、磁石ユニット11,12の磁力が低下することを抑制することができる。スライダ37,38を構成する強磁性体としては、例えば、鉄、コバルト及び鉄コバルト合金を採用可能である。
図示された例では、図7に示すように、各磁石ユニット11,12は、上下方向に並んだ4つの磁石13a,13b,13c,13d;14a,14b,14c,14dを含んでいる。一対の磁石ユニット11,12の磁極の配置は、上下方向D1に沿った軸線を中心として鏡面対称である。図7に示す例では、各磁石ユニット11,12の複数の磁石13a,13b,13c,13d;14a,14b,14c,14dは、ハルバッハ配列で配列されている。この場合、作動位置に配置された磁石ユニット11,12による磁束線は、図8に示すようになる。図8に示す例において、各磁石ユニット11,12による磁束線は、一対の磁石ユニット11,12の一方から他方に向けてかごガイドレール8を貫通しない。
非作動位置に配置された磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との方向D2に沿った距離は、5mm以上40mm以下であることが好ましく、5mm以上20mm以下であることがさらに好ましい。非作動位置に配置された磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との方向D2に沿った距離が5mm以上であることにより、磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との間に働く磁気引力によって、磁石ユニット11,12が意図せず(言い換えると、アクチュエータ33が磁石ユニット11,12を非作動位置に保持しようとする力(バネ32を収縮位置に保持しようとする力)に逆らって)、非作動位置からかごガイドレール8に向けて移動する、という虞が抑制される。これにより、渦電流式ブレーキ装置10の誤作動の虞を低減させることができる。また、非作動位置に配置された磁石ユニット11,12とかごガイドレール8とがエレベータかご3やかごガイドレール8の振動又は揺動によって干渉して、渦電流式ブレーキ装置10が損傷したり伸縮機構31(バネ32)の伸長が妨げられる、という虞が効果的に低減される。また、非作動位置に配置された磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との方向D2に沿った距離が40mm以下、好ましくは20mm以下であることにより、磁石ユニット11,12を非作動位置から第1中間位置へ、迅速に移動させることができる。これにより、渦電流式ブレーキ装置10の応答性を向上させることができる。
また、離間位置に配置された磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との方向D3に沿った距離は、2mm以上30mm以下であることが好ましく、2mm以上20mm以下であることがさらに好ましい。離間位置に配置された磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との方向D3に沿った距離が2mm以上であることにより、磁石ユニット11,12を非作動位置から第1中間位置に移動させる際に、エレベータかご3やかごガイドレール8の振動又は揺動によって磁石ユニット11,12がかごガイドレール8と方向D2に干渉して、伸縮機構31(バネ32)の伸長が妨げられる、という虞が効果的に低減される。また、離間位置に配置された磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との方向D3に沿った距離が30mm以下、好ましくは20mm以下であることにより、磁石ユニット11,12を離間位置から接近位置へ(より具体的には第1中間位置から作動位置へ)、迅速に移動させることができる。これにより、渦電流式ブレーキ装置10の応答性を向上させることができる。
低摩擦パッド20は、各磁石ユニット11,12に取り付けられている。図7に示すように、低摩擦パッド20は、磁石ユニット11,12が作動位置にあるとき磁石ユニット11,12の磁石13,14とかごガイドレール8のレールフィン8bとの間に位置するように、磁石ユニット11,12の磁石13,14の少なくとも一部を覆う。したがって、各磁石ユニット11,12は、磁石ユニット11,12が作動位置に配置されたとき、その磁石13,14が低摩擦パッド20を介してかごガイドレール8,8に対面する。
低摩擦パッド20は、摩擦係数の低い材料で作製される。このような低摩擦パッド20が作動位置にある磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との間に配置されることにより、磁石ユニット11,12の磁石13,14がかごガイドレール8に吸着して、かごガイドレール8と上下方向に移動する磁石ユニット11,12との間に摩擦力が発生し、かごガイドレール8が損傷する、という虞を抑制することができる。好ましくは、低摩擦パッド20は、耐摩耗性を有する材料で作製される。具体的には、低摩擦パッド20を形成する材料として、一般にエレベータ装置の各種ガイドシューに取り付けられる低摩擦パッドと同じ材料を採用可能である。このような材料で形成された低摩擦パッド20は、摩擦係数が低くて摺動性に優れ、耐摩耗性にも優れる。
なお、低摩擦パッド20の厚みが大きすぎると、磁石ユニット11,12とかごガイドレール8とを十分に接近させることができず、磁石ユニット11,12による制動力を十分に得ることができない、という虞がある。その一方で、低摩擦パッド20の厚みが小さすぎると、磁石ユニット11,12の磁石13,14がかごガイドレール8に吸着して、かごガイドレール8を損傷させてしまう、という虞がある。このような観点から、低摩擦パッド20の厚みは、2mm以上30mm以下であることが好ましく、2mm以上10mm以下であることがより好ましい。低摩擦パッド20の厚みが2mm以上30mm以下、より好ましくは2mm以上10mm以下であることにより、かごガイドレール8を損傷させずに制動力を得ることができる。
次に、渦電流式ブレーキ装置10の動作について説明する。
まず、エレベータ装置1の制御装置から作動機構30に補助ブレーキを作動させる信号が入力されるまでは、渦電流式ブレーキ装置10のアクチュエータ33は通電状態にあり、バネ32を収縮位置に収縮した状態に保持している。このとき、バネ32は、弾性エネルギーを蓄え、磁石ユニット11,12を、非作動位置から第1中間位置に向かう方向に付勢している。また、スライダ37,38(磁石ユニット11,12)は、磁石13と磁石14との間に働く磁気斥力によって離間位置にある。このため、一対の磁石ユニット11,12は、図3に示す非作動位置にある。このとき渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキは作動していない。
次に、エレベータ装置1の制御装置から作動機構30に補助ブレーキを作動させる信号が入力されると、アクチュエータ33は非通電状態になり、自動的にバネ32を収縮位置から解放する。これにより、伸縮機構31は、バネ32の復元力によって、エレベータかご3から対応するかごガイドレール8に向かう方向に伸長する。バネ32が伸長位置まで伸長することにより、一対の磁石ユニット11,12は、図4に示す第1中間位置まで移動する。これにより、一対の磁石ユニット11,12は、対応するかごガイドレール8の両側に位置づけられる。
一対の磁石ユニット11,12が第1中間位置に配置されると、各磁石ユニット11,12は、その磁石13又は14とかごガイドレール8との間に働く磁気引力によって、自動的に方向D3に沿ってかごガイドレール8に向かって移動する。これにより、磁石ユニット11,12は、フレーム36上を離間位置から接近位置に移動する。言い換えると、磁石ユニット11,12は、図4に示す第1中間位置から、図5に示す作動位置に移動する。この結果、磁石ユニット11,12がかごガイドレール8のレールフィン8bに近接して配置される。図示された例では、磁石ユニット11,12が低摩擦パッド20を介してレールフィン8bに接触する。エレベータかご3と共に上下方向に移動する磁石ユニット11,12がかごガイドレール8に近接して配置されると、かごガイドレール8内に渦電流が励起される。これにより、一対の磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との間に電磁相互作用が生じて、渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキが作動する。この結果、かごガイドレール8に対するエレベータかご3の移動が阻止される。図示された例では、作動機構30によって磁石ユニット11,12をかごガイドレール8に十分に接近させることができるため、磁石ユニット11,12による制動力を、補助ブレーキとして十分な大きさにすることができる。
次に、エレベータ装置1の制御装置から作動機構30に補助ブレーキの作動を解除させる信号が入力されると、作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を、図5に示す作動位置から、図6に示す第2中間位置を経由して、図3に示す非作動位置に移動させる。具体的には、作動機構30に補助ブレーキの作動を解除させる信号が入力されると、アクチュエータ33が通電状態になり、自動的に、バネ32を、その弾発力に抗して収縮位置へ向けて収縮させる。バネ32が収縮位置に収縮する途中、磁石ユニット11,12がかごガイドレール8から十分に離間すると、磁石ユニット11,12はその磁石13,14の間に働く磁気斥力によって、自動的に、接近位置から離間位置に移動する。この結果、磁石ユニット11,12は図6に示す第2中間位置に配置される。そして、アクチュエータ33によってバネ32が収縮位置までさらに収縮することで、磁石ユニット11,12は図3に示す非作動位置に配置される。これにより、磁石ユニット11,12がかごガイドレール8から十分に離間して配置され、渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキが解除される。
なお、図3乃至図8に示す例では、作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を、その磁石13,14の間に働く磁気斥力によって、接近位置から離間位置へ移動させ、離間位置に保持するが、これに限られない。作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を、追加のアクチュエータによって、接近位置から離間位置へ移動させ、離間位置に保持してもよい。この場合、作動機構30は、バネ32が収縮位置へ向けて収縮する前に磁石ユニット11,12を接近位置から離間位置に移動させてもよいし、バネ32が収縮位置に収縮した後に磁石ユニット11,12を接近位置から離間位置に移動させてもよい。また、この場合、一対の磁石ユニット11,12の磁極の配置は、上下方向D1に沿った軸線を中心として鏡面対称でなくてもよい。また、一対の磁石ユニット11,12の磁極の配置は、磁石ユニット11,12が作動位置に配置されたとき、各磁石ユニット11,12による磁束線が一対の磁石ユニット11,12の一方から他方に向けてかごガイドレール8を貫通するように決定されてもよい。
上述した渦電流式ブレーキ装置10によれば、磁石ユニット11,12の非作動位置から作動位置への移動にバネ32の復元力が利用されるため、渦電流式ブレーキ装置10の構成をシンプルにすることができる。また、磁石ユニット11,12を、信頼性高く非作動位置から作動位置へ移動させることができる。
また、上述した渦電流式ブレーキ装置10によれば、磁石ユニット11,12の非作動位置から作動位置への移動に、磁石13,14とかごガイドレール8との間の磁気引力が利用される。このことによっても、渦電流式ブレーキ装置10の構成をシンプルにすることができ、磁石ユニット11,12を、信頼性高く非作動位置から作動位置へ移動させることができる。
また、上述した渦電流式ブレーキ装置10によれば、磁石ユニット11,12の作動位置から非作動位置への移動及び非作動位置への保持に、磁石13,14の間に働く磁気斥力が利用される。このことによっても、渦電流式ブレーキ装置10の構成をシンプルにすることができる。また、磁石ユニット11,12を、信頼性高く作動位置から非作動位置へ移動させることができ、また非作動位置に保持することができる。
<第2実施形態>
次に、図9及び図10を参照して、第2実施形態による渦電流式ブレーキ装置110について説明する。図9及び図10は、渦電流式ブレーキ装置110を模式的に示す図である。図9及び図10に示す第2実施形態では、作動機構130が伸縮機構31を有していない点で、第1実施形態と異なる。また、作動機構130が、スライド機構35のスライダ37,38(磁石ユニット11,12)を離間位置と接近位置との間で移動させるアクチュエータ40を有する点で、第1実施形態と異なる。その他の構成は、図1乃至図8に示す第1実施形態と略同一である。図9及び図10に示す第2実施形態において、図1乃至図8に示す第1実施形態と同様の部分には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図9及び図10に示すように、渦電流式ブレーキ装置110は、一対の磁石ユニット11,12と、各磁石ユニット11,12に取り付けられた低摩擦パッド20と、磁石ユニット11,12をかごガイドレール8に対して相対移動させる作動機構130と、を備えている。
作動機構130は、一対の磁石ユニット11,12を、対応するかごガイドレール8に接近してブレーキを作動させる作動位置(図10参照)と、作動位置よりもかごガイドレール8から離間した非作動位置(図9参照)との間で移動させる。図9及び図10に示す例では、作動機構130は、一対の磁石ユニット11,12を、方向D3に沿って移動させる。図9及び図10に示す例では、作動機構130は、一対の磁石ユニット11,12を、方向D2に沿って移動させない。
具体的には、作動機構130は、磁石ユニット11,12をかごガイドレール8の幅方向D3にスライド可能に保持するスライド機構35と、スライド機構35のスライダ37,38を方向D3に沿って接近位置から離間位置へ移動させるアクチュエータ40と、を有する。スライダ37,38が接近位置にあるとき、磁石ユニット11,12は作動位置にある。また、スライダ37,38が離間位置にあるとき、磁石ユニット11,12は非作動位置にある。図示された例では、磁石ユニット11,12が非作動位置に配置された状態であっても、磁石ユニット11,12の磁石13,14とかごガイドレール8との間に磁気引力が働いている。しかしながら非作動位置に配置された磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との距離は、かごガイドレール8に渦電流が励起されない程度に(言い換えると、渦電流式ブレーキ装置110によるブレーキが作動しない程度に)、十分に大きい。
アクチュエータ40は、図示しない電源に接続されている。アクチュエータ40は、電源から給電されると(通電状態になると)、自動的に、スライダ37,38(磁石ユニット11,12)を、磁石ユニット11,12の磁石13又は14とかごガイドレール8との間に働く磁気引力に抗して、離間位置(非作動位置)に移動させ、離間位置(非作動位置)に保持(拘束)する。また、アクチュエータ40は、電源からの給電が止められると(非通電状態になると)、自動的に、スライダ37,38(磁石ユニット11,12)の拘束を解除する。アクチュエータ40は、エレベータ装置1の制御装置から作動機構130に補助ブレーキを作動させる信号が入力されると、非通電状態になる。また、アクチュエータ40は、エレベータ装置1の制御装置から作動機構130に補助ブレーキの作動を解除させる信号が入力されると、通電状態になる。
次に、渦電流式ブレーキ装置110の動作について説明する。
まず、エレベータ装置1の制御装置から作動機構130に補助ブレーキを作動させる信号が入力されるまでは、渦電流式ブレーキ装置110のアクチュエータ40は通電状態にあり、スライダ37,38(磁石ユニット11,12)を、図9に示す離間位置(非作動位置)に保持(拘束)している。このとき渦電流式ブレーキ装置110によるブレーキは作動していない。
次に、エレベータ装置1の制御装置から作動機構130に補助ブレーキを作動させる信号が入力されると、アクチュエータ40は非通電状態になり、自動的にスライダ37,38(磁石ユニット11,12)の離間位置(非作動位置)への拘束を解除する。これにより、スライダ37,38(磁石ユニット11,12)は、磁石13,14とかごガイドレール8との間に働く磁気引力によって、自動的に、方向D3に沿って図10に示す接近位置(作動位置)に移動する。エレベータかご3と共に上下方向に移動する磁石ユニット11,12がかごガイドレール8に近接して配置されると、かごガイドレール8内に渦電流が励起される。これにより、一対の磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との間に電磁相互作用が生じて、渦電流式ブレーキ装置110によるブレーキが作動する。この結果、かごガイドレール8に対するエレベータかご3の移動が阻止される。
次に、エレベータ装置1の制御装置から作動機構130に補助ブレーキの作動を解除させる信号が入力されると、作動機構130は、一対の磁石ユニット11,12を、図10に示す作動位置から、図9に示す非作動位置に移動させる。具体的には、作動機構130に補助ブレーキの作動を解除させる信号が入力されると、アクチュエータ40が通電状態になり、自動的に、スライダ37,38(磁石ユニット11,12)を、方向D3に沿って接近位置(作動位置)から離間位置(非作動位置)に移動させる。これにより、磁石ユニット11,12がかごガイドレール8から十分に離間して配置され、渦電流式ブレーキ装置110によるブレーキが解除される。
上述した渦電流式ブレーキ装置110によれば、磁石ユニット11,12の非作動位置から作動位置への移動に、磁石13,14とかごガイドレール8との間の磁気引力が利用される。このため、渦電流式ブレーキ装置110の構成をシンプルにすることができる。また、磁石ユニット11,12を、信頼性高く非作動位置から作動位置へ移動させることができる。
<第3実施形態>
次に、図11乃至図14を参照して、第3実施形態による渦電流式ブレーキ装置210について説明する。図11乃至図14は、渦電流式ブレーキ装置210を模式的に示す図である。図11乃至図14に示す第3実施形態では、作動機構230がスライダ37,38と磁石ユニット11,12との間に配置されたバネ55,56を有している点で、第2実施形態と異なる。その他の構成は、図9及び図10に示す第2実施形態と略同一である。図11乃至図14に示す第3実施形態において、図9及び図10に示す第2実施形態と同様の部分には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図11乃至図14に示すように、渦電流式ブレーキ装置210は、一対の磁石ユニット11,12と、各磁石ユニット11,12に取り付けられた低摩擦パッド20と、磁石ユニット11,12をかごガイドレール8に対して相対移動させる作動機構230と、を備えている。
作動機構230は、一対の磁石ユニット11,12を、対応するかごガイドレール8に接近してブレーキを作動させる作動位置(図12参照)と、作動位置よりもかごガイドレール8から離間した非作動位置(図11参照)との間で移動させる。図11及び図12に示す例では、作動機構230は、一対の磁石ユニット11,12を、方向D3に沿って移動させる。
図示された例では、渦電流式ブレーキ装置210によるブレーキを作動させる際、作動機構230は、一対の磁石ユニット11,12を、図11に示す非作動位置から、図12に示す作動位置に移動させる。また、渦電流式ブレーキ装置210によるブレーキの作動を解除させる際、作動機構230は、一対の磁石ユニット11,12を、図12に示す作動位置から、図13及び図14に示す第3中間位置を経由して、図11に示す非作動位置に移動させる。第3中間位置は、方向D3において非作動位置よりも作動位置から離間した位置である。
具体的には、作動機構230は、磁石ユニット11,12をかごガイドレール8の幅方向D3にスライド可能に保持するスライド機構35と、スライド機構35のスライダ37,38を方向D3に沿って移動させるアクチュエータ50と、方向D3に沿って伸縮可能なバネ55,56と、を有する。図示された例では、磁石ユニット11,12が非作動位置に配置されている場合、磁石ユニット11,12の磁石13,14とかごガイドレール8との間に磁気引力が働いていなくてもよい。
スライダ37,38は、フレーム36上を、基準位置(図11及び図12参照)と、基準位置よりも方向D3にかごガイドレール8から離間した引き離し位置(図13及び図14参照)との間で、移動可能である。
バネ55,56は、方向D3に沿って伸縮可能である。方向D3は、バネ55,56の伸縮方向である。図示された例では、バネ55,56は、コイルバネである。バネ55は、方向D3における磁石ユニット11とスライダ37との間に配置されている。バネ56は、磁石ユニット12とスライダ38との間に配置されている。バネ55,56の一端は、対応するスライダ37,38に対して固定されている。バネ55,56の他端は、対応する磁石ユニット11,12に対して固定されている。バネ55,56は、図11に示す収縮位置と図12、図13及び図14に示す伸長位置との間で、伸縮する。バネ55,56は、収縮位置にあるとき、バネ55,56の自然長よりも短い長さに収縮している。バネ55,56は、伸長位置にあるとき、バネ55,56の自然長と実質的に同じ長さに伸長(弛緩)している。言い換えると、バネ55,56は、かごガイドレール8の幅方向D3に収縮して、弾性エネルギーを蓄える。バネ55,56は、磁石ユニット11,12が非作動位置にあるとき、磁石ユニット11,12をかごガイドレール8に向かう方向に(すなわち、作動位置に向かう方向に)付勢する。また、バネ55,56は、バネ55,56に蓄えられた弾性エネルギーが解放されると、復元力によってかごガイドレール8に向かって伸長(弛緩)する。
アクチュエータ50は、方向D3に沿って磁石ユニット11,12を移動させる。また、アクチュエータ50は、磁石ユニット11,12を非作動位置に保持する。アクチュエータ50は、図示しない電源に接続されている。アクチュエータ50は、電源から給電されると(通電状態になると)、自動的に、磁石ユニット11,12を作動位置から非作動位置に移動させ、非作動位置に保持(拘束)する。また、アクチュエータ50は、電源からの給電が止められると(非通電状態になると)、自動的に、磁石ユニット11,12の非作動位置への拘束を解除する。アクチュエータ50は、エレベータ装置1の制御装置から作動機構230に補助ブレーキを作動させる信号が入力されると、非通電状態になる。また、アクチュエータ50は、エレベータ装置1の制御装置から作動機構230に補助ブレーキの作動を解除させる信号が入力されると、通電状態になる。図示された例では、アクチュエータ50は、スライダ37,38を移動させる駆動部51と、磁石ユニット11,12を非作動位置に保持するストッパ53,54と、を有する。
駆動部51は、アクチュエータ50が通電状態になると、自動的に、スライダ37,38を、磁石ユニット11,12の磁石13又は14とかごガイドレール8との間に働く磁気引力に抗して基準位置から引き離し位置に移動させ、その後、基準位置に移動させる。
ストッパ53,54は、アクチュエータ50が通電状態にあってスライダ37,38が基準位置にあるとき、バネ55,56の弾発力に抗して磁石ユニット11,12を非作動位置に拘束する。図示された例では、ストッパ53,54は、スライド機構35のフレーム36に取り付けられている。ストッパ53,54は、方向D2に沿って移動可能に、フレーム36に取り付けられている。ストッパ53,54は、非干渉位置(図12及び図13)と、非干渉位置よりも方向D2にそってフレーム36から突出した干渉位置(図11及び図14参照)との間を移動する。ストッパ53,54が非干渉位置にあるとき、ストッパ53,54は磁石ユニット11,12と干渉せず、磁石ユニット11,12が非作動位置から作動位置へ向けて移動することを許容する。ストッパ53,54が干渉位置にあるとき、ストッパ53,54は磁石ユニット11,12と干渉して、磁石ユニット11,12が非作動位置から作動位置へ向けて移動することを防止する。とりわけと、ストッパ53,54は、ストッパ53,54が干渉位置にあり且つスライダ37,38が基準位置にあるとき、バネ55,56の弾発力に抗して、磁石ユニット11,12を非作動位置に保持(拘束)する。言い換えると、このとき、ストッパ53,54は、バネ55,56を収縮位置に保持する。ストッパ53,54は、アクチュエータ50が通電状態から非通電状態になると、自動的に干渉位置から非干渉位置に移動する。また、ストッパ53,54は、アクチュエータ50が非通電状態から通電状態になって所定時間経過後、自動的に非干渉位置から干渉位置に移動する。
次に、渦電流式ブレーキ装置210の動作について説明する。
まず、エレベータ装置1の制御装置から作動機構230に補助ブレーキを作動させる信号が入力されるまでは、渦電流式ブレーキ装置210のアクチュエータ50は通電状態にあり、駆動部51は、スライダ37,38を、図11に示す離間位置に保持(拘束)している。また、ストッパ53,54は、非干渉位置に配置されて、磁石ユニット11,12を非作動位置に(したがって、バネ55,56を収縮位置に)保持(拘束)している。このとき、バネ55,56は、弾性エネルギーを蓄え、磁石ユニット11,12を、非作動位置から作動位置に向かう方向に付勢している。また、渦電流式ブレーキ装置210によるブレーキは作動していない。
次に、エレベータ装置1の制御装置から作動機構230に補助ブレーキを作動させる信号が入力されると、アクチュエータ50は非通電状態になり、ストッパ53,54が自動的に干渉位置から非干渉位置に移動する。この結果、磁石ユニット11,12の非作動位置への拘束が解除される。具体的には、バネ55,56に蓄積された弾性エネルギーが解放され、バネ55,56は復元力によってかごガイドレール8に向かって伸長(弛緩)する。これに伴って、磁石ユニット11,12は、非作動位置からかごガイドレール8に向かって移動する。さらに、磁石ユニット11,12は、バネ55,56の伸長によって及び/又は磁石ユニット11,12の磁石13,14とかごガイドレール8との間に働く磁気引力によって、作動位置に配置される。エレベータかご3と共に上下方向に移動する磁石ユニット11,12がかごガイドレール8に近接して配置されると、かごガイドレール8内に渦電流が励起される。これにより、一対の磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との間に電磁相互作用が生じて、渦電流式ブレーキ装置110によるブレーキが作動する。この結果、かごガイドレール8に対するエレベータかご3の移動が阻止される。なお、磁石ユニット11,12が非作動位置から作動位置へ移動する間、スライダ37,38は基準位置に配置されたままである。
次に、エレベータ装置1の制御装置から作動機構230に補助ブレーキの作動を解除させる信号が入力されると、作動機構230は、一対の磁石ユニット11,12を、図12に示す作動位置から、図11に示す非作動位置に移動させる。具体的には、作動機構230に補助ブレーキの作動を解除させる信号が入力されると、アクチュエータ50が通電状態になり、駆動部51が、自動的に、スライダ37,38を方向D3に沿って基準位置から引き離し位置に移動させる。これ伴って、磁石ユニット11,12が、作動位置から第3中間位置(図13参照)に移動する。これにより、磁石ユニット11,12がかごガイドレール8から十分に離間して配置され、渦電流式ブレーキ装置210によるブレーキが解除される。アクチュエータ50が通電状態になってから所定時間が経過してスライダ37,38(磁石ユニット11,12)が引き離し位置(第3中間位置)に配置されると、ストッパ53,54は自動的に非干渉位置から干渉位置に移動する。その後、駆動部51が、スライダ37,38を方向D3に沿って引き離し位置から基準位置に向けて移動させる。これ伴って、磁石ユニット11,12が、第3中間位置からストッパ53,54に向かって移動する。磁石ユニット11,12は、非作動位置においてストッパ53,54に当接し、移動を停止する。駆動部51は、磁石ユニット11,12がストッパ53,54によって移動を停止した後も、スライダ37,38を基準位置に向けて移動させる。これにより、バネ55,56が伸長位置から収縮位置に収縮される。
上述した渦電流式ブレーキ装置210によれば、磁石ユニット11,12の非作動位置から作動位置への移動に、バネ55,56の復元力が利用される。このため、渦電流式ブレーキ装置210の構成をシンプルにすることができる。また、磁石ユニット11,12を、信頼性高く非作動位置から作動位置へ移動させることができる。
なお、上述してきた一実施の形態に対して、さらに様々な変更を加えることが可能である。
<変形例1>
例えば、図15及び図16に示すように、作動機構30,130,230は、作動位置にある磁石ユニット11,12に、かごガイドレール8から磁石ユニット11,12に向かう方向に力を加えてアクチュエータ33,40,50による磁石ユニット11,12の移動を補助する補助機構60を有していてもよい。これにより、磁石ユニット11,12の磁石13,14とかごガイドレール8との間に働く磁気引力に抗して磁石ユニット11,12を、作動位置から非作動位置へ移動させることが容易になる。
図15及び図16に示す例では、補助機構60は、ボールねじ等の送りねじとして実現されている。補助機構60は、送りねじ軸61を含む。補助機構60は、磁石ユニット11,12に取り付けられている。送りねじ軸61は、磁石ユニット11,12に対して、方向D3に沿って移動可能である。送りねじ軸61は、その回転に伴って、方向D3に沿って移動する。送りねじ軸61は、磁石ユニット11,12が作動位置にあるときにかごガイドレール8から離間した非補助位置(図15参照)と、磁石ユニット11,12が作動位置にあるときにかごガイドレール8に当接する補助位置(図16参照)と、の間を移動可能である。磁石ユニット11,12が作動位置にあり且つ送りねじ軸61が補助位置にあるとき、送りねじ軸61は、かごガイドレール8を方向D3に沿って押圧する。この押圧力の反作用によって、補助機構60は、磁石ユニット11,12に、かごガイドレール8から磁石ユニット11,12に向かう方向に力を加える。磁石ユニット11,12に、かごガイドレール8から磁石ユニット11,12に向かう方向に力が加わることにより、作動位置にある磁石ユニット11,12を、磁石13,14とかごガイドレール8との間に働く磁気引力に抗してかごガイドレール8から引き離すことが容易になる。
送りねじ軸61は、電動で(例えば、図示しないモータによって)回転するものであってもよいし、手動で回転するものであってもよい。
さらに、補助機構60は、アクチュエータ33,40,50が非通電状態から通電状態になると、自動的に磁石ユニット11,12に力を加えるよう構成されていてもよい。あるいは、補助機構60は、エレベータ装置1の保守・点検作業を行う者が補助機構60へ信号を入力した場合に、自動的に磁石ユニット11,12に力を加えるよう構成されていてもよい。あるいは、補助機構60は、エレベータ装置1の保守・点検作業を行う者が手動で操作することにより、自動的に磁石ユニット11,12に力を加えるよう構成されていてもよい。
<変形例2>
また、図17に示すように、渦電流式ブレーキ装置10,110,210は、低摩擦パッド20の代わりに、ローラ25を備えていてもよい。この場合、図17に示すように、ローラ25は、磁石ユニット11,12が作動位置にあるときにかごガイドレール8上を転動するように、磁石ユニット11,12に取り付けられる。このようなローラ25によっても、作動位置にある磁石ユニット11,12の磁石13,14がかごガイドレール8に吸着する虞を抑制することができ、また、かごガイドレール8と磁石ユニット11,12との間に摩擦力が発生してかごガイドレール8が損傷する、という虞を抑制することができる。
<変形例3>
また、図18に示すように、渦電流式ブレーキ装置10,110,210は、かごガイドレール8の一方の側に複数の磁石ユニット11,11を配置し、かごガイドレール8の他方の側に複数の磁石ユニット12,12を配置するように構成されていてもよい。図18に示す例では、4つの磁石13a,13b,13c,13dを含む磁石ユニット11が2つ、スライド機構35のスライダ37に固定されている。また、4つの磁石14a,14b,14c,14dを含む磁石ユニット12が2つ、スライド機構35のスライダ38に固定されている。一方の磁石ユニット11の複数の磁石13a,13b,13c,13dの磁極の配置と、他方の磁石ユニット11の複数の磁石13a,13b,13c,13dの磁極の配置とは、互いに同じである。また、一方の磁石ユニット12の複数の磁石14a,14b,14c,14dの磁極の配置と、他方の磁石ユニット12の複数の磁石14a,14b,14c,14dの磁極の配置とは、互いに同じである。
<変形例4>
図7に示す例では、磁石ユニット11,12の複数の磁石13a,13b,13c,13d;14a,14b,14c,14dはハルバッハ配列で配列されているが、これに限られない。複数の磁石13, 14の配列としては、かごガイドレール8とかごガイドレール8に沿って移動する磁石ユニット11,12との間に電磁相互作用を生じさせることが可能な配列であれば、任意の配列を採用可能である。例えば、図19に示すように、磁石ユニット11,12が作動位置に配置されたときにN極がレールフィン8bの側を向く磁石13,14とS極がレールフィン8bの側を向く磁石13,14とが、交互に配置されていてもよい。また、図20に示すように、複数の磁石13,14が上下方向に間隔を空けて配列されていてもよい。この場合、複数の磁石13a,13b,13c;14a,14b,14cは、磁石ユニット11,12が作動位置に配置されたときに同じ極(図示された例ではN極)がレールフィン8bの側を向くように配置されていてもよい。図20に示す例では、複数の磁石13a,13b,13c;14a,14b,14cの間には、スペーサ16が配置されている。
また、磁石ユニット11,12は複数の磁石13,14を含んでいなくてもよく、ただ1つの磁石13,14を含んでいてもよい。
また、渦電流式ブレーキ装置10,110,210は、かごガイドレール8の一方の側にのみ磁石ユニット11を配置するように構成されていてもよい。この場合も、磁石ユニット11とかごガイドレール8との間に電磁相互作用を生じさせて、渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキを作動させることができる。
また、図示された例では、渦電流式ブレーキ装置10,110,210はエレベータかご3に取り付けられているが、これに限られない。渦電流式ブレーキ装置10,110,210は、釣合い重り5に取り付けられてもよい。この場合、渦電流式ブレーキ装置10,110,210は、その磁石ユニット11,12が錘ガイドレールとの間に電磁相互作用を生じさせることにより、ブレーキ機能を作動させるものであってよい。
また、上述した実施形態及びその変形例では、磁石ユニット11,12の磁力が低下することを抑制するため、スライド機構35のスライダ37,38は強磁性体で構成されているが、これに限られない。図21及び図22に示すように、磁石13,14とスライダ37,38との間にバックヨークとして機能する強磁性体39を配置することにより、磁石ユニット11,12の磁力が低下することを抑制してもよい。
上述した第1実施形態及びその変形例によれば、渦電流式ブレーキ装置10は、上下方向に延びるガイドレール8に沿って移動するエレベータかご3又は釣合い重り5に取り付けられている。渦電流式ブレーキ装置10は、磁石ユニット11,12と作動機構30とを備えている。磁石ユニット11,12は、少なくとも1つの磁石13,14を含む。作動機構30は、磁石ユニット11,12を、ガイドレール8に接近してブレーキを作動させる作動位置と、作動位置よりもガイドレール8から離間した非作動位置と、の間で移動させる。作動機構30は、バネ32とアクチュエータ33とを有する。バネ32は、エレベータかご3又は釣合い重り5からガイドレール8に向かう方向に沿う伸縮方向D2に沿って伸縮して、磁石ユニット11,12を伸縮方向D2に移動させる。アクチュエータ33は、上記伸縮方向D2に沿って前記バネ32を収縮させる。このような渦電流式ブレーキ装置10によれば、磁石ユニット11,12の非作動位置から作動位置への移動にバネ32の復元力が利用されるため、渦電流式ブレーキ装置10の構成をシンプルにすることができる。また、磁石ユニット11,12を、信頼性高く非作動位置から作動位置へ移動させることができる。
また、上述した第1実施形態及びその変形例によれば、バネ32は、アクチュエータ33が給電されると収縮させられ、アクチュエータ33が給電されないと復元力によって伸縮方向D2に伸長する。これにより、アクチュエータ33への給電が停止されると、自動的に磁石ユニット11,12の非作動位置から作動位置への移動を開始させることができる。
また、上述した第1実施形態及びその変形例によれば、作動機構30は、磁石ユニット11,12を、非作動位置から作動位置へ、第1中間位置を経由して移動させる。また、磁石ユニット11,12は、バネ32によって、非作動位置から第1中間位置まで上記伸縮方向D2に移動可能であり、且つ、磁石ユニット11,12の磁石13,14とガイドレール8との間に働く磁気引力によって、第1中間位置から作動位置まで、伸縮方向D2と交差する方向に移動可能である。このような渦電流式ブレーキ装置10によれば、磁石ユニット11,12の非作動位置から作動位置への移動に、バネ32の復元力と、磁石13,14とガイドレール8との間の磁気引力とが利用される。このため、渦電流式ブレーキ装置10の構成を更にシンプルにすることができる。また、磁石ユニット11,12を、信頼性高く非作動位置から作動位置へ移動させることができる。
また、上述した第1実施形態及びその変形例によれば、渦電流式ブレーキ装置10は、少なくとも1つの磁石13,14を含む一対の磁石ユニット11,12を備えている。一対の磁石ユニット11,12は、非作動位置において、一対の磁石ユニット11,12の磁石13,14の間に働く磁気斥力によって、互いから離間した状態に維持される。このような渦電流式ブレーキ装置10によれば、磁石ユニット11,12の作動位置から非作動位置への移動及び非作動位置への保持に、磁石13,14の間に働く磁気斥力が利用される。このため、渦電流式ブレーキ装置10の構成を更にシンプルにすることができる。また、磁石ユニット11,12を、信頼性高く作動位置から非作動位置へ移動させることができ、また非作動位置に保持することができる。
上述した第2実施形態及びその変形例によれば、渦電流式ブレーキ装置110は、上下方向に延びるガイドレール8に沿って移動するエレベータかご3又は釣合い重り5に取り付けられている。渦電流式ブレーキ装置110は、磁石ユニット11,12と作動機構130とを備えている。磁石ユニット11,12は、少なくとも1つの磁石13,14を含む。作動機構130は、磁石ユニット11,12を、ガイドレール8に接近してブレーキを作動させる作動位置と、作動位置よりもガイドレール8から離間した非作動位置と、の間で移動させる。作動機構130は、磁石ユニット11,12を作動位置から非作動位置に移動させるアクチュエータ40を有する。磁石ユニット11,12は、磁石13,14とガイドレール8との間に働く磁気引力によって、非作動位置から作動位置に移動可能である。このような渦電流式ブレーキ装置110によれば、磁石ユニット11,12の非作動位置から作動位置への移動に、磁石13,14とガイドレール8との間の磁気引力が利用される。このため、渦電流式ブレーキ装置110の構成をシンプルにすることができる。また、磁石ユニット11,12を、信頼性高く非作動位置から作動位置へ移動させることができる。
また、上述した第3実施形態及びその変形例によれば、渦電流式ブレーキ装置210は、上下方向に延びるガイドレール8に沿って移動するエレベータかご3又は釣合い重り5に取り付けられている。渦電流式ブレーキ装置210は、磁石ユニット11,12と作動機構230とを備えている。磁石ユニット11,12は、少なくとも1つの磁石13,14を含む。作動機構230は、磁石ユニット11,12を、ガイドレール8に接近してブレーキを作動させる作動位置と、作動位置よりもガイドレール8から離間した非作動位置と、の間で移動させる。作動機構230は、非作動位置から作動位置に向かう方向に沿う伸縮方向D3に沿って伸縮して、磁石ユニット11,12を上記伸縮方向D3に移動させるバネ55,56と、上記伸縮方向D3に沿ってバネ55,56を収縮させるアクチュエータ50と、を有する。このような渦電流式ブレーキ装置210によれば、磁石ユニット11,12の非作動位置から作動位置への移動に、バネ55,56の復元力が利用される。このため、渦電流式ブレーキ装置210の構成をシンプルにすることができる。また、磁石ユニット11,12を、信頼性高く非作動位置から作動位置へ移動させることができる。
また、上述した第3実施形態及びその変形例によれば、バネ55,56は、アクチュエータ50が給電されると収縮させられ、アクチュエータ50が給電されないと復元力によって伸縮方向D3に伸長する。これにより、アクチュエータ50への給電が停止されると、自動的に磁石ユニット11,12の非作動位置から作動位置への移動を開始させることができる。
また、上述した変形例1によれば、作動機構30,130,230は、作動位置にある磁石ユニット11,12に、ガイドレール8から磁石ユニット11,12に向かう方向に力を加えてアクチュエータ33,40,50による磁石ユニット11,12の移動を補助する補助機構60を有する。これにより、磁石ユニット11,12の作動位置から非作動位置への移動が容易になる。
また、上述した第1乃至第3実施形態及びその変形例によれば、渦電流式ブレーキ装置10,110,210は、磁石ユニット11,12が作動位置にあるとき磁石ユニット11,12の磁石13,14とガイドレール8との間に位置する低摩擦パッド20を更に備えている。この場合、作動位置にある磁石ユニット11,12の磁石13,14がガイドレール8に吸着する虞を抑制することができ、また、磁石ユニット11,12とガイドレール8との間に摩擦力が発生してガイドレール8が損傷する、という虞を抑制することができる。
また、上述した変形例2によれば、渦電流式ブレーキ装置10,110,210は、磁石ユニット11,12が作動位置にあるときにガイドレール8上を転動するように磁石ユニット11,12に取り付けられたローラ25を更に備えている。この場合も、作動位置にある磁石ユニット11,12の磁石13,14がガイドレール8に吸着する虞を抑制することができ、また、磁石ユニット11,12とガイドレール8との間に摩擦力が発生してガイドレール8が損傷する、という虞を抑制することができる。
また、上述した第1乃至第3実施形態及びその変形例において、磁石ユニット11,12は、上下方向に並んだ複数の磁石13a,13b,13c,13d;14a,14b,14c,14dを含んでいる。複数の磁石13a,13b,13c,13d;14a,14b,14c,14dは、ハルバッハ配列で配列されている。この場合、作動位置に配置された磁石ユニット11,12による磁束線がガイドレール8を貫通しないように、磁石ユニット11,12を構成することができる。
また、上述した第1乃至第3実施形態及びその変形例によれば、渦電流式ブレーキ装置10,110,210は、各々が少なくとも1つの磁石13,14を含む一対の磁石ユニット11,12を備えている。作動機構30,130,230は、一対の磁石ユニット11,12を、ガイドレール8に接近してブレーキを作動させる作動位置と、作動位置よりもガイドレール8から離間した非作動位置と、の間で移動させる。作動位置において一対の磁石ユニット11,12はガイドレール8の両側に位置づけられる。この場合、各磁石ユニット11,12とガイドレール8との間に電磁相互作用を生じさせることができ、渦電流式ブレーキ装置10,110,210によるブレーキ機能を向上させることができる。
また、上述した第1乃至第3実施形態及びその変形例によれば、一対の磁石ユニット11,12は、それぞれ上下方向に並んだ複数の磁石13a,13b,13c,13d;14a,14b,14c,14dを含んでいる。一対の磁石ユニット11,12が作動位置にあるとき、一対の磁石ユニット11,12の磁極の配置は、上下方向に沿った軸線を中心として鏡面対称である。この場合、渦電流式ブレーキ装置10,110,210によるブレーキ機能を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内でこれらの実施形態および変形例を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。
1:エレベータ装置、3:エレベータかご、5:釣合い重り、8:かごガイドレール、10,110,210:渦電流式ブレーキ装置、11,12:磁石ユニット、13,14:磁石、20:低摩擦パッド、25:ローラ、30,130,230:作動機構、33,40,50:アクチュエータ、31:伸縮機構、32,55,56:バネ、35:スライド機構、60:補助機構

Claims (9)

  1. 上下方向に延びるガイドレールに沿って移動するエレベータかご又は釣合い重りに取り付けられる渦電流式ブレーキ装置であって、
    少なくとも1つの磁石を含む磁石ユニットと、
    前記磁石ユニットを、前記ガイドレールに接近してブレーキを作動させる作動位置と、
    前記作動位置よりも前記ガイドレールから離間した非作動位置と、の間で移動させる作動機構と、
    を備え、
    前記作動機構は、
    前記エレベータかご又は前記釣合い重りから前記ガイドレールに向かう方向に沿う伸縮方向に沿って伸縮して、前記磁石ユニットを前記伸縮方向に移動させるバネと、
    前記伸縮方向に沿って前記バネを収縮させるアクチュエータと、
    を有
    前記作動機構は、前記磁石ユニットを、前記非作動位置から前記作動位置へ、第1中間位置を経由して移動させ、
    前記磁石ユニットは、前記バネによって、前記非作動位置から前記第1中間位置まで前記伸縮方向に移動可能であり、且つ、前記磁石と前記ガイドレールとの間に働く磁気引力によって、前記第1中間位置から前記作動位置まで、前記伸縮方向と交差する方向に移動可能である、渦電流式ブレーキ装置。
  2. 前記バネは、前記アクチュエータが給電されると収縮させられ、前記アクチュエータが給電されないと復元力によって前記伸縮方向に伸長する、請求項1に記載の渦電流式ブレーキ装置。
  3. 少なくとも1つの磁石を含む一対の磁石ユニットを備え、
    前記一対の磁石ユニットは、前記非作動位置において、前記一対の磁石ユニットの前記磁石の間に働く磁気斥力によって、互いから離間した状態に維持される、請求項1に記載の渦電流式ブレーキ装置。
  4. 前記作動機構は、前記作動位置にある前記磁石ユニットに前記ガイドレールから前記磁石ユニットに向かう方向に力を加えて、前記アクチュエータによる前記磁石ユニットの移動を補助する補助機構を有する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の渦電流式ブレーキ装置。
  5. 前記磁石ユニットが前記作動位置にあるとき前記磁石ユニットの磁石と前記ガイドレールとの間に位置する低摩擦パッドを更に備えた、請求項1乃至のいずれか一項に記載の渦電流式ブレーキ装置。
  6. 前記磁石ユニットが前記作動位置にあるとき前記ガイドレール上を転動するように前記磁石ユニットに取り付けられたローラを更に備えた、請求項1乃至のいずれか一項に記載の渦電流式ブレーキ装置。
  7. 前記磁石ユニットは、上下方向に並んだ複数の磁石を含み、
    前記磁石ユニットの複数の磁石は、ハルバッハ配列で配列されている、請求項1乃至のいずれか一項に記載の渦電流式ブレーキ装置。
  8. 各々が少なくとも1つの磁石を含む一対の磁石ユニットを備え、
    前記作動機構は、前記一対の磁石ユニットを、前記ガイドレールに接近してブレーキを作動させる作動位置と、前記作動位置よりも前記ガイドレールから離間した非作動位置と、の間で移動させ、
    前記作動位置において前記一対の磁石ユニットは前記ガイドレールの両側に位置づけられる、請求項1乃至のいずれか一項に記載の渦電流式ブレーキ装置。
  9. 前記一対の磁石ユニットは、それぞれ上下方向に並んだ複数の磁石を含み、
    前記一対の磁石ユニットが前記作動位置にあるとき、前記一対の磁石ユニットの磁極の配置は、上下方向に沿った軸線を中心として鏡面対称である、請求項に記載の渦電流式ブレーキ装置。
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