JP7380437B2 - 情報コード、情報コード印刷媒体、情報コード生成装置、情報コード生成プログラム、情報コード生成方法、情報コード読取装置、情報コード読取プログラム、及び情報コード読取方法 - Google Patents

Description

この明細書による開示は、情報を記録した情報コードの技術に関する。

特許文献１に開示のバーコードでは、通常は黒色であるバーの一部が青色等に着色されている。同様に、通常は白色であるバー間のスペースの一部が赤色等に着色されている。こうしたバーコードを通常のバーコードリーダで読み取った場合、着色されたバー及びスペースは、通常のバー及びスペースと同じように認識される。一方で、上記のバーコードをカメラ装置で読み取ると、着色されたバー及びスペースは、通常の黒色であるバー及び白色であるスペースと区別される。故に、カメラ装置は、バーコードリーダでは読み取ることのできない情報を、読み取ることができる。

国際公開第２００９／０５４３６３号

特許文献１のバーコードには、利便性が十分でないという課題があった。本開示は、複数種類の情報を記録しつつ、利便性を確保可能な情報コード等の提供を目的とする。

上記目的を達成するため、開示された一つの態様は、第一読取機（１３）及び第二読取機（２３）によって読み取られる情報を記録した情報コードであって、複数のバー領域（Ｂｒ）と、複数のバー領域の間に形成される複数のスペース領域（Ｓｐ）と、を含み、複数のバー領域及び複数のスペース領域は、第一読取機によって認識される第一情報を記録したバーコード（Ｃｄ１）を形成し、複数のバー領域及び複数のスペース領域の少なくとも一方は、第一読取機によるバー領域及びスペース領域の判別を変えないよう規定された複数色（ＣＬｂｒ，ＣＬｂ１～ＣＬｂ５，ＣＬｂｎ，ＣＬｗｒ，ＣＬｗ１，ＣＬｗｎ）の配列により、第二読取機によって認識される第二情報を、ハッシュ値を含む形式で記録する情報コードとされる。

この態様では、第二読取機によって認識される第二情報がハッシュ値を含む形式で記録されている。こうしたハッシュ値の長さは予め決まっているため、第二情報の内容が変化しても、情報コードは、第二情報を適切に記録し得る。以上によれば、第二情報として記録できる情報量が限られていても、情報コードの利便性の確保が可能になる。

また開示された一つの態様は、第一読取機（１３）及び第二読取機（２３）によって読み取られる情報を記録した情報コードであって、複数のバー領域（Ｂｒ）と、複数のバー領域の間に形成される複数のスペース領域（Ｓｐ）と、を含み、複数のバー領域及び複数のスペース領域は、第一読取機によって認識される第一情報を記録したバーコード（Ｃｄ１）を形成し、複数のバー領域及び複数のスペース領域の少なくとも一方は、第一読取機によるバー領域及びスペース領域の判別を変えない範囲で明度の異なる複数色（ＣＬｂｒ，ＣＬｂｎ，ＣＬｗｒ，ＣＬｗｎ）の配列により、第二読取機によって認識される第二情報を、ハッシュ値を含む形式で記録する情報コードとされる。

この態様では、第二読取機によって認識される第二情報が、第一読取機の判別を変えない範囲で明度の異なる複数色の配列によって記録されている。故に、情報コードの出力手段がカラーに対応していなくても、第二情報を記録した情報コードが利用可能になる。したがって、情報コードの利便性が確保され得る。

また開示された一つの態様は、第一読取機（１３）及び第二読取機（２３）によって読み取られる情報を記録した情報コードであって、複数のバー領域（Ｂｒ）と、複数のバー領域の間に形成される複数のスペース領域（Ｓｐ）と、を含み、複数のバー領域及び複数のスペース領域は、第一読取機によって認識される第一情報を記録したバーコード（Ｃｄ１）を形成し、複数のバー領域及び複数のスペース領域の少なくとも一方には、予め規定された模様が形成されており、当該模様が形成された各領域（Ｐｔｂ１～Ｐｔｂ５，Ｐｔｗ１）の配列を用いて、第二読取機によって認識される第二情報を、ハッシュ値を含む形式で記録する情報コードとされる。

この態様では、第二読取機によって認識される第二情報が、予め規定された模様を形成する各領域の配列によって記録されている。故に、情報コードの出力手段がカラー出力及び中間色の出力に対応していない場合でも、第二情報を記録した情報コードが利用可能になる。したがって、情報コードの利便性が確保され得る。

また開示された一つの態様は、二次元配列された複数のセル（Ｃｅ）を有する情報コードであって、複数のセルにより第一情報を第一の基準に従って記録し、複数のセルにより第二情報を第二の基準に従って記録した情報コードであって、複数のセルそれぞれは、第一情報が当該セルにおいて第一の値として示され、第二情報が当該セルにおいて第一の値として示される場合、淡色セル（Ｃｅｗ）として示され、第一情報が当該セルにおいて第二の値として示され、第二情報が当該セルにおいて第二の値として示される場合、淡色セルより明度が低い濃色セル（Ｃｅｂ）として示され、第一情報が当該セルにおいて第一の値として示され、第二情報が当該セルにおいて第二の値として示される場合、淡色セルより明度が低く濃色セルより明度が高い第一中間色（ＣＬｗｎ）である第一中間色セル（Ｃｅｎ１）として示され、第一情報が当該セルにおいて第二の値として示され、第二情報が当該セルにおいて第一の値として示される場合、第一中間色より明度が低く、濃色セルより明度が高い第二中間色（ＣＬｂｎ）である第二中間色セル（Ｃｅｎ２）として示され、第一の基準に従った第一読取機（１３）において、淡色セル及び第一中間色セルは、第一の値として読み取られ、濃色セル及び第二中間色セルは、第二の値として読み取られ、第二の基準に従った第二読取機（２３）において、淡色セル及び第二中間色セルは、第一の値として読み取られ、濃色セル及び第一中間色セルは、第二の値として読み取られる、情報コードとされる。

この態様では、第一中間色セル及び第二中間色セルを情報コードに含むことで、第一読取機により認識される第一情報と第二読取機により認識される第二情報とが、一つの情報コードに記録可能となっている。そして、二次元配列された複数のセルによって第二情報を記録できるため、第二情報として記録可能な情報量が確保され易くなる。その結果、情報コードの利便性も確保され得る。

また開示された一つの態様は、第一読取機（１３）及び第二読取機（２３）によって読み取られる情報を記録した情報コード（Ｃｄ２）を生成する情報コード生成方法であって、少なくとも一つのプロセッサ（２０ｐ）にて実行される処理に、複数のバー領域（Ｂｒ）及び複数のスペース領域（Ｓｐ）を含み、第一読取機によって認識される第一情報を記録したバーコード（Ｃｄ１）を取得し（Ｓ１１）、複数のバー領域及び複数のスペース領域の少なくとも一方に適用する配色パターンであって、第一読取機によるバー領域及びスペース領域の判別を変えないよう規定された複数色（ＣＬｂｒ，ＣＬｂ１～ＣＬｂ５，ＣＬｂｎ，ＣＬｗｒ，ＣＬｗ１，ＣＬｗｎ）を用いた配色パターンを、第二読取機に認識させる第二情報に基づき決定し（Ｓ１３）、配色パターンに対して複数パターンのマスクを適用することにより、複数色の配列が相互に異なる複数の候補を生成し（Ｓ１４）、複数の候補の中から一つの採用パターンを選択する（Ｓ１５）、というステップを含み、採用パターンを示すマスク情報を記録する範囲を、マスクの適用範囲外とする情報コード生成方法とされる。

この態様では、複数パターンのマスクを適用する処理により、第二情報の記録に利用されている各色の面積割合が調整され得る。以上によれば、添付されるアイテム等に適した配色パターンの情報コードが利用可能になる。したがって、情報コードの利便性が確保され得る。

尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。

本開示の第一実施形態によるトレーサビリティシステムを、既存の流通管理システムと共に運用する場合の全体像を示す図である。 流通管理システムで用いるバーコードの詳細を示す図である。 トレーサビリティシステムで利用可能なパターン１の情報コードの詳細を示す図である。 パターン２の情報コードの詳細を示す図である。 パターン３の情報コードの詳細を示す図である。 パターン３の情報コードから読み出される二次元コードを示す図である。 フォーマット情報の詳細を一覧にて示す表である。 履歴管理サーバにて実施されるコード生成処理の詳細を示すフローチャートである。 マスク処理にて適用されるマスクパターンの代表例を示す図である。 コードスキャナにて実施されるコード読取処理の詳細を示すフローチャートである。 第二実施形態によるトレーサビリティシステムを、既存の流通管理システムと共に運用する場合の全体像を示す図である。 第二実施形態のコード生成処理の詳細を示すフローチャートである。 第二実施形態の情報コードの詳細を示す図である。 第三実施形態の情報コードの詳細を示す図である。 変形例１による情報コードの詳細を示す図である。 変形例２による情報コードの詳細を示す図である。 変形例３による情報コードの詳細を示す図である。 変形例４による情報コードの詳細を示す図である。 変形例５による情報コードの詳細を示す図である。 変形例６による情報コードの詳細を示す図である。

以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。

（第一実施形態）
図１に示す本開示の第一実施形態によるトレーサビリティシステム１２０は、複数の取引者を含んで構築されたサプライチェーンＳＣにおいて、各取引者間にて取引されるアイテムの取引記録を管理する管理システムである。サプライチェーンＳＣは、例えば工業製品、農業製品及び水産物等を消費者に届けるための取引者同士の繋がりである。一例として、農業製品を消費者に届けるためのサプライチェーンＳＣでは、農家ＴＲ１、集荷施設である農業協同組合ＴＲ２、運送業者ＴＲ３、及び小売業者ＴＲ４等が取引者に含まれる。

上記のサプライチェーンＳＣの管理には、既存の流通管理システム１１０が使用されている。流通管理システム１１０は、旧管理システムに相当し、トレーサビリティシステム１２０は、新管理システムに相当する。トレーサビリティシステム１２０は、既存の流通管理システム１１０に変更を加えることなく、流通管理システム１１０と共に運用される。以下、流通管理システム１１０及びトレーサビリティシステム１２０の詳細を順に説明する。

＜流通管理システム１１０＞
流通管理システム１１０は、取引者間での取引アイテムの取引記録を、バーコードＣｄ１（図２参照）を利用して収集する。流通管理システム１１０は、入力端末１１、ラベルプリンタ１２、バーコードリーダ１３及びシステムサーバ１０等によって構成されている。入力端末１１、ラベルプリンタ１２及びバーコードリーダ１３は、個々の取引者の施設に適宜設置されている。入力端末１１、ラベルプリンタ１２及びバーコードリーダ１３は、ネットワークを通じて、データセンター等に設置されたシステムサーバ１０と接続されている。

入力端末１１は、例えばパーソナルコンピュータ及びタブレット端末等である。入力端末１１には、サプライチェーンＳＣに供給される取引アイテム（例えば、野菜及び果物等）の基本情報が所定のフォーマットに従って入力される。一例として、取引アイテムの物品名、生産地、生産設備及び生産者等の情報が、基本情報として入力される。入力端末１１は、入力された基本情報を、出荷される取引アイテムの出荷情報として、システムサーバ１０に送信する。

ラベルプリンタ１２は、バーコードＣｄ１を紙媒体（シール等）に印刷する出力機器である。バーコードＣｄ１が印刷された紙媒体は、ラベルとして、出荷される取引アイテムのパッケージ又は外箱等に貼り付けられ、取引アイテムに付属した状態で流通する。ラベルプリンタ１２は、システムサーバ１０によって生成されたバーコードＣｄ１のデータを、ネットワークを通じて取得する。バーコードＣｄ１は、画像データ又はテキストデータ等の形式で、ラベルプリンタ１２に通知される。ラベルプリンタ１２は、モノクロ印刷のみを実施可能なモノクロプリンタであってもよく、カラー印刷を実施可能なカラープリンタであってもよい。

バーコードリーダ１３は、バーコードＣｄ１に記録された情報（以下、アイテム情報）を読み取る読取機器である。バーコードリーダ１３は、発光ユニット、受光ユニット及び信号処理部等によって構成されている。発光ユニットは、例えば赤色ＬＥＤ（Light Emitting Diode）又は半導体レーザー等の光源を有している。発光ユニットは、赤色光又はレーザー光等の光源光を、バーコードＣｄ１へ向けて照射する。

受光ユニットは、ＣＣＤ（Charge Coupled Device）素子を一次元配列させてなるイメージセンサを主体とする構成である。受光ユニットは、バーコードＣｄ１にて反射された反射光を受光する。バーコードＣｄ１における光源光の反射率は、バーＢｒ（図２参照）の部分で顕著に低くなる一方、スペースＳｐ（図２参照）の部分では比較的高くなる。受光ユニットは、バーＢｒ及びスペースＳｐの配列に起因する反射光の明暗を反映したアナログ波形を、信号処理部に出力する。

信号処理部は、受光ユニットより入力されるアナログ波形を、デジタル波形にＡＤ変換する。デジタル波形では、アナログ波形よりもバーＢｒ及びスペースＳｐが明確に判別可能となっている。信号処理部は、所定の規則に従ってデジタル波形をデコードし、バーコードＣｄ１に記録されたアイテム情報を取得する。信号処理部は、取得したアイテム情報を、システムサーバ１０へ向けて送信する。

システムサーバ１０は、入力端末１１、ラベルプリンタ１２及びバーコードリーダ１３と通信可能なホストノードである。システムサーバ１０は、入力端末１１から取得する基本情報を登録する。システムサーバ１０は、基本情報に紐づけたアイテム情報を準備し、このアイテム情報を記録したバーコードＣｄ１を生成する。システムサーバ１０は、生成したバーコードＣｄ１の画像データ等を、基本情報の送信元にあるラベルプリンタ１２へ向けて送信する。

さらに、システムサーバ１０は、バーコードリーダ１３より送信されるアイテム情報を取得すると、アイテム情報の送信元である取引者での取引記録を登録する。具体的に、システムサーバ１０は、アイテムの取引者名、取引場所、取引時間、及び取引環境（例えば、施設温度）等を、取引記録として蓄積する。

尚、流通管理システム１１０では、全ての取引者の施設にバーコードリーダ１３が設置されなくてもよい。一例として、中間の取引者である農業協同組合ＴＲ２及び運送業者ＴＲ３の施設には、バーコードリーダ１３が設置されなくてもよい。加えて、ラベルプリンタ１２は、農家ＴＲ１以外の施設に設置されてもよい。例えば、入荷した取引アイテムが複数の小売店に分配される場合、個別の取引アイテムに付属させるラベルを印刷するためのラベルプリンタ１２が、各取引者の施設に設置されてよい。

＜トレーサビリティシステム１２０＞
トレーサビリティシステム１２０は、流通管理システム１１０と併用され、流通管理システム１１０と同様に取引記録を蓄積する。トレーサビリティシステム１２０は、取引記録を蓄積する記録生成機能に加えて、取引記録を参照可能に提供する記録参照機能を備えている。トレーサビリティシステム１２０では、取引記録の改ざん防止を目的として、取引記録の管理にブロックチェーンの技術が利用される。

トレーサビリティシステム１２０は、システムサーバ１０によって発行されるバーコードＣｄ１に基づき生成された情報コードＣｄ２（図３～図５参照）を利用して、取引記録を収集する。トレーサビリティシステム１２０では、後述する複数種類（パターン１～３）の情報コードＣｄ２が利用可能となっている。各情報コードＣｄ２では、後述するように、トレーサビリティを確保するために付加する情報の記録方法が互いに異なっている。

トレーサビリティシステム１２０は、コード出力機２２、複数（多数）のコードスキャナ２３及び履歴管理サーバ２０等によって構成されている。トレーサビリティシステム１２０では、流通管理システム１１０の入力端末１１及びラベルプリンタ１２が利用される。コード出力機２２、コードスキャナ２３、及び入力端末１１は、ネットワークを通じて、データセンター等に設置された履歴管理サーバ２０と接続されている。

コード出力機２２は、ラベルプリンタ１２の設置される取引者（例えば、農家ＴＲ１）の施設に設置されている。コード出力機２２は、システムサーバ１０及びラベルプリンタ１２間の通信回線に割り込むかたちで設置されている。コード出力機２２は、システムサーバ１０からラベルプリンタ１２へ向けて送信されるバーコードＣｄ１のデータを取得する。コード出力機２２は、取得したバーコードＣｄ１のデータを履歴管理サーバ２０へ送信する。

コード出力機２２は、情報コードＣｄ２の画像データ又はテキストデータ等を、履歴管理サーバ２０から受信する。情報コードＣｄ２は、送信したバーコードＣｄ１をベースに生成されており、トレーサビリティシステム１２０のための情報（以下、追跡用情報）をさらに記録している。コード出力機２２は、バーコードＣｄ１のデータに替えて、情報コードＣｄ２のデータを、ラベルプリンタ１２に送信する。

以上のコード出力機２２の介入により、ラベルプリンタ１２は、取得するコードデータの改変を認識することなく、情報コードＣｄ２を紙媒体に印刷する。その結果、バーコードＣｄ１に代わって、情報コードＣｄ２を印刷した紙媒体（ラベル）が、取引アイテムに貼り付けられる。以上により、情報コードＣｄ２は、取引アイテムに付属された状態で流通する。

尚、コード出力機２２も、ラベルプリンタ１２と同様に、農家ＴＲ１以外の取引者の施設に設置されていてもよい。さらに、トレーサビリティシステム１２０のためのラベルプリンタが、農家ＴＲ１以外の取引者の施設に設置されていてもよい。こうしたラベルプリンタは、アイテムの取引毎に発行される新規の情報コードＣｄ２を、紙媒体に印刷する。こうした形態では、アイテムの取引が進むにつれて、情報コードＣｄ２の内容が、それまでの取引記録を反映した内容に更新される。

コードスキャナ２３は、情報コードＣｄ２に記録された追跡用情報であって、アイテム情報とは別にバーコードＣｄ１に付加された情報を読み取る読取機器である。コードスキャナ２３は、バーコードリーダ１３と同じ対象物をスキャンする構成であるため、バーコードリーダ１３と物理的に一体化されていてもよい。トレーサビリティシステム１２０では、原則的に全ての取引者の施設に、コードスキャナ２３が設置されている。これにより、トレーサビリティシステム１２０では、流通管理システム１１０よりも多くの取引記録が蓄積される。

コードスキャナ２３は、ＣＣＤ素子を二次元配列させてなるエリアセンサと、信号処理部２３ｐ等とによって構成されている。エリアセンサは、平面的に記録された情報を、バーコードリーダ１３よりも高い解像度で読み取ることができる。加えてエリアセンサは、バーＢｒ及びスペースＳｐ（図３等参照）の色の濃淡（明度の違い）だけでなく、色相及び彩度の違いを検出可能である。

信号処理部２３ｐは、情報コード読取プログラム等を記憶する記憶部、情報コード読取プログラムに基づき、後述するコード読取処理（図１０参照）を実行する処理部及びＲＡＭを有している。信号処理部２３ｐは、コード読取処理により、所定の規則に従ってエリアセンサの読み取り信号をデコードし、アイテム情報とは別に情報コードＣｄ２に記録された追跡用情報を取得する。信号処理部２３ｐは、取得した追跡用情報に基づき、履歴管理サーバ２０との間で取引記録を残すための通信を行う。

履歴管理サーバ２０は、コード出力機２２及びコードスキャナ２３に加えて、入力端末１１とも通信可能なホストノードである。履歴管理サーバ２０は、処理部２０ｐ、ＲＡＭ２０ｒ、記憶部２０ｓ、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を備えるコンピュータを主体とする構成である。処理部２０ｐは、ＲＡＭ２０ｒと結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部２０ｐは、ＲＡＭ２０ｒへのアクセスにより、データ管理に関連する種々の処理を実行する。記憶部２０ｓには、データ管理に関連するサプライチェーン管理プログラムの一つとして、後述するコード生成処理（図８参照）を処理部２０ｐに実行させるための情報コード生成プログラムが記憶されている。

履歴管理サーバ２０は、入力端末１１からシステムサーバ１０へ送信される基本情報を取得可能である。加えて、履歴管理サーバ２０は、各取引者のコードスキャナ２３から、情報コードＣｄ２の読み取りを行った旨の通知を取得可能である。履歴管理サーバ２０は、入力端末１１及びコードスキャナ２３からの情報取得に基づき、個々の取引者での取引記録を一つのブロックとして連結させてなるブロックチェーンを、取引アイテム毎に生成する。

詳記すると、履歴管理サーバ２０は、入力端末１１からの基本情報を取得すると、当該基本情報を格納した最初のブロックを生成する。さらに、履歴管理サーバ２０は、ＳＨ－２５６等のハッシュ関数に、基本情報を含んだ最初のブロックのデータを入力する処理により、所定のビット数（例えば、２５６ビット）のハッシュ値を算出する。

履歴管理サーバ２０は、バーコードＣｄ１のデータをコード出力機２２から取得すると、後述するコード生成処理（図８参照）により、上述のハッシュ値を記録した情報コードＣｄ２を生成し、コード出力機２２に送信する。これにより、基本情報に基づくハッシュ値が、情報コードＣｄ２に記録されて、取引アイテムと共に流通する。

履歴管理サーバ２０は、コードスキャナ２３からの通知を取得すると、通知元の取引者での取引記録を格納する新たなブロックを生成する。新たなブロックには、今回の取引記録に加えて、一つ前のブロックから算出されたハッシュ値が含まれる。履歴管理サーバ２０は、各取引者間でのアイテムの取引が進むのに合わせて、それまでの流通過程を反映したハッシュ値の算出を繰り返していく。

履歴管理サーバ２０は、取引者が新規の情報コードＣｄ２を必要としている場合、新たなブロックのハッシュ値を算出する。そして、システムサーバ１０は、算出したハッシュ値を記録する情報コードＣｄ２を再生成し、要求元にあるコード出力機２２又はラベルプリンタへ向けて、再生成した情報コードＣｄ２のデータを送信する。

尚、履歴管理サーバ２０にて使用されるハッシュ関数は、暗号学的ハッシュ関数であり、違う入力から同一のハッシュ値を出力することがなく、且つ、出力されたハッシュ値から入力を推測することが実質不可能という特性を有している。例えば、上記のＳＨＡ－２５６に替えて、ＳＨＡ－１、ＳＨＡ－２及びＳＨＡ－３等の暗号化アルゴリズムが、必要とされる出力長（ビット数）に合わせて適宜使用されてよい。

履歴管理サーバ２０は、サプライチェーンＳＣの最終製品ＦＰに付属させるトレース用コードＱＲｔを発行する。トレース用コードＱＲｔは、ＱＲコード（登録商標）等の二次元コードである。トレース用コードＱＲｔは、最終製品ＦＰのパッケージに印刷されるか、又はラベル等の形態で最終製品ＦＰに貼り付けられる。トレース用コードＱＲｔは、最終製品ＦＰを入手した消費者による取引記録の確認を可能にする。トレース用コードＱＲｔには、一例として、ブロックチェーンの最後のブロックから算出したハッシュ値と、取引記録の問い合わせ先を示すＩＰアドレス又はＵＲＬとが記録されている。

最終製品ＦＰの消費者は、例えばスマートフォン及びタブレット端末等のユーザ端末３０を使用し、トレーサビリティ確認アプリを利用することにより、最終製品ＦＰの取引記録を閲覧できる。具体的に、ユーザ端末３０は、最終製品ＦＰに添付されたトレース用コードＱＲｔを読み取ると、問い合わせ先となる履歴管理サーバ２０に、取引記録の参照要求をハッシュ値と共に送信する。履歴管理サーバ２０は、参照要求を受信すると、ハッシュ値に紐づいた取引記録を抽出し、提供用データを生成する。履歴管理サーバ２０は、生成した提供用データを、参照要求の要求元であるユーザ端末３０に送信する。最終製品ＦＰの消費者は、トレーサビリティ確認アプリを利用し、履歴管理サーバ２０から受信した提供用データを展開することにより、取引記録の履歴を確認することができる。

次に、ここまで説明した流通管理システム１１０及びトレーサビリティシステム１２０によって発行されるバーコードＣｄ１及び情報コードＣｄ２の各詳細を、図２～図７に基づき、図１を参照しつつ、以下説明する。

＜バーコードＣｄ１＞
図２に示すバーコードＣｄ１は、複数のバーＢｒと複数のスペースＳｐを含んでいる。個々のバーＢｒとなる領域には、スペースＳｐとなる領域よりも濃くて暗い色が着けられている。一般的に、バーＢｒの領域は、黒色とされる。一方、個々のスペースＳｐの領域は、バーＢｒよりも薄くて明るい色（背景色）となっている。一般的に、スペースＳｐの領域は、白色とされる。

バーコードＣｄ１は、複数のバーＢｒ及び複数のスペースＳｐの配列により、バーコードリーダ１３によって認識されるアイテム情報を記録している。以下の説明では、各バーＢｒが延伸する方向を延伸方向ＥＤとし、延伸方向ＥＤに直交する方向であって、各バーＢｒが並ぶ方向を、バーコードＣｄ１の長手方向ＬＤとする。

バーコードＣｄ１には、一例として、ＪＡＮ（Japanese Article Number）コードが用いられる。バーコードＣｄ１には、例えばＣＯＤＥ３９、ＣＯＤＥ１２８、ＮＷ－７、及びＩＴＦ等のＪＡＮコードとは異なる規格が採用されてもよい。ＪＡＮコードに基づくバーコードＣｄ１には、余白領域ＬＭ，ＲＭ、ガードバーＧｂＬ，ＧｂＲ、センターバーＣＢ、第一データ領域ＤＡ１及び第二データ領域ＤＡ２が規定されている。

余白領域ＬＭ，ＲＭは、バーコードＣｄ１の長手方向ＬＤの両端に規定された空白のエリアである。ガードバーＧｂＬ，ＧｂＲは、左右の余白領域ＬＭ，ＲＭの内側にそれぞれ規定され、二本のバーＢｒを含んでいる。センターバーＣＢは、バーコードＣｄ１の長手方向ＬＤの中央に規定され、二本のバーＢｒを含んでいる。一例として、ガードバーＧｂＬ，ＧｂＲ及びセンターバーＣＢに配置された各バーＢｒは、第一データ領域ＤＡ１及び第二データ領域ＤＡ２に配置された各バーＢｒよりも僅かに長くされている。尚、こうしたバーＢｒの長さは、全て同一であってもよい。

第一データ領域ＤＡ１は、左ガードバーＧｂＬとセンターバーＣＢとの間に規定された領域である。第二データ領域ＤＡ２は、センターバーＣＢと右ガードバーＧｂＲとの間に規定された領域である。各データ領域ＤＡ１，ＤＡ２には、それぞれ六桁の数値が記録されている。各データ領域ＤＡ１，ＤＡ２では、二本のバーＢｒと二つのスペースＳｐとが、一つの数値を記録する一単位とされる。具体的には、ナローバー、ワイドバー、ナロースペース及びワイドスペースの配列により、０～９のいずれか一つの数値が表現される。詳記すると、０～９のデータは、７つの列によって構成された一つのキャラクタにより表現される。一つのキャラクタには、黒二本と白二本とが設けられている。０～９のデータは、１列の黒、２列の黒、３列の黒、４列の黒、１列の白、２列の白、３列の白、４列の白の組み合せによって規定される。５列以上の黒又は白がないのは、５列以上にしてしまうと、他の黒又は白の列が、７つの列内で表記できなくなるためである。さらに、第一データ領域ＤＡ１の各数値の記録態様により、バーコードＣｄ１の一桁目の数値、即ち、左ガードバーＧｂＬの左側に表記された数値が記録されている。

以上のバーコードＣｄ１では、左側の七桁又は九桁の数値が、国コードを含んだ企業コードとされている。さらに、企業コードに続く五桁又は三桁の数値が、商品を識別するためのアイテムコードとされている。そして、最後（右端）の一桁の数値が、読み取りのエラーを検知するためのパリティビットとされている。バーコードリーダ１３では、アイテム情報として、企業コード及びアイテムコードが認識される。

＜情報コードＣｄ２＞
図３～図５に示すパターン１～３の情報コードＣｄ２は、バーコードＣｄ１を基準に生成される。バーコードＣｄ１におけるバーＢｒ及びスペースＳｐの各領域形状は、変更されずに情報コードＣｄ２に踏襲される。情報コードＣｄ２には、コードスキャナ２３によって認識される追跡用情報が追加されている。情報コードＣｄ２には、アイテム情報及び追跡用情報という複数種類（二種類）の情報が少なくとも記録される。

追跡用情報は、ハッシュ値及びＩＰアドレスを少なくとも含む形式で記録されている。ハッシュ値は、上述したように、ブロックチェーンの最新のブロックを、ハッシュ関数を用いてハッシュ化した値である。ＩＰアドレスは、履歴管理サーバ２０に割り当てられたグローバルＩＰアドレスである。ＩＰアドレスは、ハッシュ値及びデータの格納先、即ち、取引が行われた際のデータ送信先、又は取引データを取得するデータ受信元を示している。

図３に示すパターン１の情報コードＣｄ２は、カラーバーコードである。パターン１の情報コードＣｄ２では、複数のバーＢｒ及び複数のスペースＳｐの両方の領域が、互いに色相の異なる複数色の配列により、追跡用情報を記録している。バーＢｒ及びスペースＳｐにそれぞれ設定される複数色は、バーコードリーダ１３によるバーＢｒ及びスペースＳｐの判別を変えないように規定されている。そのため、ヒトによる目視では複数色に塗り分けられていると認識されても、バーコードリーダ１３は、通常のバーコードＣｄ１と同様に、情報コードＣｄ２からアイテム情報を読み取ることができる。

パターン１の情報コードＣｄ２では、バーＢｒの領域の色として、基準色の黒色ＣＬｂｒに加え、赤色ＣＬｂ１、緑色ＣＬｂ２、紺色ＣＬｂ３、紫色ＣＬｂ４及び茶色ＣＬｂ５等の複数色が予め割り当てられている。また、スペースＳｐの領域の色として、基準色の白色ＣＬｗｒに加え、黄色ＣＬｗ１等が予め割り当てられている。

さらに、パターン１の情報コードＣｄ２では、複数のバーＢｒ及び複数のスペースＳｐの各領域は、延伸方向ＥＤにおいて、複数段（六段）に分割されている。延伸方向ＥＤに隣り合う各領域の分割部分は、例えば後述するマスク処理により、互いに異なる配色となるように調整されてよい。こうした配色の調整により、分割された各段の境界が明確になる。

図４に示すパターン２の情報コードＣｄ２は、モノクロバーコードである。パターン２の情報コードＣｄ２でも、複数のバーＢｒ及び複数のスペースＳｐの両方の領域に追跡用情報が記録されている。バーＢｒ及びスペースＳｐの上段及び下段の各領域は、延伸方向ＥＤにおける各長さが概ね等しくなるように、上下に二分割されている。バーＢｒ及びスペースＳｐの各領域は、互いに明度の異なる複数色の配列により、ハッシュ値及びＩＰアドレスを少なくとも含む追跡用情報を記録している。

パターン２の情報コードＣｄ２では、バーＢｒの領域の色として、基準色の黒色ＣＬｂｒに加え、黒色ＣＬｂｒよりも僅かに明度の高い濃いグレー（例えば、７５％グレー）ＣＬｂｎが予め割り当てられている。また、スペースＳｐの領域の色として、基準色の白色ＣＬｗｒに加え、白色ＣＬｗｒよりも僅かに明度の低い薄いグレー（例えば、２５％グレー）ＣＬｗｎが予め割り当てられている。濃いグレーＣＬｂｎ及び薄いグレーＣＬｗｎは、バーコードリーダ１３によるバーＢｒ及びスペースＳｐの判別を変えないように規定されている。

図５に示すパターン３の情報コードＣｄ２は、二次元コード（例えばＱＲコード等）をバーコードＣｄ１に融合させた融合バーコードである。パターン３の情報コードＣｄ２でも、パターン２の情報コードＣｄ２と同様に、明度の異なる複数色の配列により、追跡用情報が記録されている。パターン３の情報コードＣｄ２では、複数のバーＢｒ及び複数のスペースＳｐの各一部の領域に、二次元配列された複数のセルを含んでなる二次元コード部ＣｄＱが形成されている。

二次元コード部ＣｄＱは、バーコードＣｄ１の一部に、追跡用情報を記録させた二次元コードＣｄＯ（図６参照）を重ねる画像処理によって形成されている。二次元コード部ＣｄＱは、左ガードバーＧｂＬの内側のバーＢｒに臨む配置で、バーコードＣｄ１に形成されている。二次元コード部ＣｄＱの延伸方向ＥＤの長さは、第一データ領域ＤＡ１のバーＢｒの長さと実質等しくされている。

情報コードＣｄ２において、二次元コード部ＣｄＱを形成する範囲は、黒色ＣＬｂｒ、濃いグレーＣＬｂｎ、薄いグレーＣＬｗｎ及び白色ＣＬｗｒの四色によって構成されている。二次元コード部ＣｄＱを形成する複数のバーＢｒにおいて、二次元コードＣｄＯの黒セル（濃色セル）に相当する部分は、黒色ＣＬｂｒとなる。一方、二次元コード部ＣｄＱを形成する複数のバーＢｒにおいて、二次元コードＣｄＯの白セル（淡色セル）に相当する部分は、濃いグレーＣＬｂｎとなる。また、二次元コード部ＣｄＱを形成する複数のスペースＳｐにおいて、二次元コードＣｄＯの黒セルに相当する部分は、薄いグレーＣＬｗｎとなる。一方で、二次元コード部ＣｄＱを形成する複数のスペースＳｐにおいて、二次元コードＣｄＯの白セルに相当する部分は、白色ＣＬｗｒとなる。

以上の配色ルールに基づき、コードスキャナ２３の信号処理部２３ｐは、バーＢｒの領域にある濃いグレーＣＬｂｎの部分を白セルに変換し、スペースＳｐの領域にある薄いグレーＣＬｗｎの部分を黒セルに変換する。また、信号処理部２３ｐは、バーＢｒの領域にある黒色ＣＬｂｒの部分をそのまま黒セルとして認識し、スペースＳｐの領域にある白色ＣＬｗｒの部分をそのまま白セルと認識する。以上の結果、信号処理部２３ｐは、図６に示すように、黒セル及び白セルが二次元配列されてなる埋め込み前の二次元コードＣｄＯを復元する。信号処理部２３ｐは、復元した二次元コードＣｄＯから、追跡用情報であるハッシュ値及びＩＰアドレスを読み出し、履歴管理サーバ２０に取引の発生を通知する。

＜情報コードＣｄ２のデータ容量＞
次に、情報コードＣｄ２に必要とされるデータ容量の詳細を、以下説明する。

追跡用情報としてハッシュ値を記録するには、ハッシュ関数として上述のＳＨＡ－２５６を使用する場合、「１６＾６４≒１．１６×１０＾７７」のデータ容量（ビット数）が少なくとも必要となる。また、追跡用情報としてＩＰアドレスを記録するには、「２５５＾４≒４．２３×１０＾９」のデータ容量が少なくとも必要となる。以上の結果、情報コードＣｄ２に確保される望ましいデータ容量は、「１６＾６４×２５５＾４≒４．９０×１０＾８６」以上となる。

ここで、上述のパターン１の情報コードＣｄ２（図３参照）のように、複数行のカラーバーコードのデータ容量は、ＪＡＮ規格のバーコードＣｄ１を前提とした場合、下記の（式１）で算出される。
データ容量＝バーの色数＾（３０×行数）×スペースの色数＾（３１×行数）
… （式１）
以上の（式１）によれば、バーＢｒに六色、スペースＳｐに二色を設定した六行のカラーバーコードの場合、データ容量は、「６＾１８０×２＾１８６≒１．１４×１０＾１９６」となる。即ち、パターン１の情報コードＣｄ２は、ハッシュ値及びＩＰアドレスの記録に十分なデータ容量を有する。

尚、バーＢｒに六色を設定し、スペースＳｐに二色を設定する場合、ハッシュ値及びＩＰアドレスを記録するためには、情報コードＣｄ２を三行以上に分割することが望ましい。また、スペースＳｐを情報の記録に使用しない場合、バーＢｒに六色を設定することを前提とすると、情報コードＣｄ２を四行以上に分割することが望ましい。さらに、情報コードＣｄ２を六行に分割する前提であれば、バーＢｒに三色を設定することで、十分なデータ容量が確保され得る。

また、上述のパターン２の情報コードＣｄ２（図４参照）のように、複数行のモノクロバーコードのデータ容量は、バーＢｒ及びスペースＳｐの設定色がそれぞれ２色であるため、ＪＡＮ規格のバーコードＣｄ１を前提とした場合、下記の（式２）で算出される。
データ容量＝ ２＾（３０×行数）× ２＾（３１×行数） … （式２）
以上の（式２）によれば、モノクロバーコードは、五行に分割した場合、「２＾１５０×２＾１５５≒６．５２×１０＾９１」というデータ容量を獲得する。即ち、上述のハッシュ値及びＩＰアドレスを記録する必要がある場合、五行以上のモノクロバーコードの利用が望ましい。

＜情報コードＣｄ２のサイズ＞
上述のＪＡＮコードでは、バーコードＣｄ１の高さＢＨ（図２参照）の基準値は、２２．８６ｍｍと規定されている。さらにＪＡＮコードでは、バーコードＣｄ１の高さＢＨを削ること（トランケーション）が許容されている。加えて、バーコードＣｄ１全体を、０．８倍に縮小することも、許容されている。以上により、０．８倍のバーコードＣｄ１をトランケーションした場合、バーコードＣｄ１の高さＢＨは、最小で９ｍｍとなる。

ここで、上述の融合バーコード（図５参照）では、二次元コード部ＣｄＱの一辺の長さは、バーコードＣｄ１の高さＢＨと実質的に同一の長さになる。故に、二次元コード部ＣｄＱは、一辺の長さが９ｍｍ程度であっても、コードスキャナ２３による読み取りが可能であることが望ましい。

＜情報コードＣｄ２のフォーマット情報＞
複数パターンの情報コードＣｄ２の使用を想定したトレーサビリティシステム１２０では、いずれの方式で情報を記録しているのかを示すフォーマット情報が、情報コードＣｄ２にさらに記録される。フォーマット情報は、バーコードＣｄ１の長手方向ＬＤの両端にあるガードバーＧｂＬ，ＧｂＲに記録されている。各ガードバーＧｂＬ，ＧｂＲに配置されたバーＢｒ及びスペースＳｐは、フォーマット情報を記録するため、延伸方向ＥＤに四つに分割されている。これにより、各ガードバーＧｂＬ，ＧｂＲの二本のバーＢｒとその間のスペースＳｐは、それぞれ４ビットの情報を記録できる。

図７に一覧にて示すように、フォーマット情報には、情報コードＣｄ２の種別を示す種別情報、使用されている色の数を示す色情報、分割の有無及び分割数を示す行数情報、後述するマスク処理のマスクパターンを示すマスク情報が少なくとも含まれている。尚、図７に示す色情報、行数情報及びマスク情報等の記述ルールは、一例である。例えば、分割部分の黒色、白色及び各グレーと、各項目のオン及びオフとの相関は、図７に記載の内容とは逆の設定であってもよい。

種別情報は、通常のバーコードＣｄ１（図２参照）、カラーバーコード（図３参照）、モノクロバーコード（図４参照）及び融合バーコード（図５参照）のいずれであるのかを示す情報である。種別情報は、左右のガードバーＧｂＬ，ＧｂＲにおいて、対角線上に位置する二箇所に記録されている。一例として、左ガードバーＧｂＬの外側バーＢｒの一段目及び二段目と、右ガードバーＧｂＲの外側バーＢｒの三段目及び四段目に、同一内容の種別情報が記録されている。各バーＢｒの分割部分は、黒色ＣＬｂｒ又は濃いグレーＣＬｂｎの配色により、読み取り対象の種別を示す。

具体的に、読み取り対象が通常のバーコードＣｄ１である場合、二つの分割部分は、共に黒色ＣＬｂｒとなる。読み取り対象がカラーバーコードである場合、上側の分割部分は、黒色ＣＬｂｒとなり、下側（数字側）の分割部分は、濃いグレーＣＬｂｎとなる。読み取り対象がモノクロバーコードである場合、上側の分割部分は、濃いグレーＣＬｂｎとなり、下側の分割部分は、黒色ＣＬｂｒとなる。読み取り対象が融合バーコードである場合、二つの分割部分は、共に濃いグレーＣＬｂｎとなる。

以上のコード設定によれば、コードスキャナ２３は、通常のバーコードＣｄ１と秘匿情報を含んだ情報コードＣｄ２とを、素早く区別できる。また、融合バーコードでは、二次元コード部ＣｄＱ（図５参照）の外周に必要な余白（クワイエットゾーン）を、各ガードバーＧｂＬに効率的に埋め込むことができる。

色情報は、左ガードバーＧｂＬにおいて、中間スペースＳｐの全段と内側バーＢｒの一段目及び二段目とに記録されている。中間スペースＳｐの一段目～四段目は、それぞれ三色～六色の使用及び未使用を示す。同様に、内側バーＢｒの一段目及び二段目は、それぞれ七色及び八色の使用及び未使用を示す。中間スペースＳｐの各分割部分は、白色ＣＬｗｒで「未使用」を通知し、薄いグレーＣＬｗｎで「使用」を通知する。内側バーＢｒの各分割部分は、黒色ＣＬｂｒで「未使用」を通知し、濃いグレーＣＬｂｎで「使用」を通知する。以上によれば、カラーバーコードでない場合、色情報を記録した部分は、通常の白色ＣＬｗｒ及び黒色ＣＬｂｒとなる。

行数情報は、右ガードバーＧｂＲにおいて、内側バーＢｒの三段目及び四段目と、外側バーＢｒの一段目及び二段目とに記録されている。各バーＢｒの分割部分は、黒色ＣＬｂｒ又は濃いグレーＣＬｂｎの配色の組み合せにより、情報コードＣｄ２に規定された行数の値（１～１６）を示す。

マスク情報は、左ガードバーＧｂＬの内側バーＢｒの三段目及び四段目、並びに右ガードバーＧｂＲの内側バーＢｒの一段目及び二段目に記録されている。各バーＢｒの分割部分は、黒色ＣＬｂｒ又は濃いグレーＣＬｂｎの配色の組み合せにより、適用されているマスクパターンに紐づく番号（以下、マスクナンバー，図９参照）を示す。尚、右ガードバーＧｂＲの中間スペースＳｐの各分割部分は、他の情報を記録する箇所として確保されている。

＜コード生成処理及びコード読取処理＞
次に、ここまで説明した情報コードＣｄ２を生成するコード生成処理と、情報コードＣｄ２を読み取るコード読取処理とを、図８～図１０に基づき、図１を参照しつつ、以下説明する。図８に示すコード生成処理は、バーコードＣｄ１のデータをコード出力機２２から受信したことに基づき、履歴管理サーバ２０によって開始される。一方、図１０に示すコード読取処理は、作業者による読み取り操作の入力に基づき、コードスキャナ２３によって開始される。

図８に示すコード生成処理のＳ１１では、コード出力機２２から送信されたバーコードＣｄ１のデータを取得し、Ｓ１２に進む。Ｓ１２では、Ｓ１１にて取得したバーコードＣｄ１に追加する追跡用情報を準備し、Ｓ１３に進む。Ｓ１２では、最新のブロックより演算されたハッシュ値と、予め登録された履歴管理サーバ２０のＩＰアドレスとが、少なくとも準備される。

Ｓ１３では、Ｓ１２にて準備した追跡用情報に基づき、Ｓ１１にて取得したバーコードＣｄ１のバーＢｒ及びスペースＳｐの配色を決定し、Ｓ１４に進む。Ｓ１３では、生成する情報コードＣｄ２のパターン（図３～図５参照）を決定し、当該パターンのデータ形式に従って、ハッシュ値及びＩＰアドレスを、複数色の配列に変換する。

Ｓ１４では、Ｓ１３にて生成した複数色の基準配列に、複数のマスクパターンを個別に適用するマスク処理を実施し、Ｓ１５に進む。Ｓ１４のマスク処理によれば、Ｓ１３にて生成された基準の配色パターンから、複数色の配列が相互に異なる複数の配色パターンが生成される。これら配色傾向が相互に異なる複数の配色パターンは、次のステップにて選択される採用パターンの候補となる。尚、フォーマット情報を記録する左右両端のガードバーＧｂＬ，ＧｂＲは、マスク処理の適用範囲外である。

マスクパターンは、情報コードＣｄ２の種別毎に複数準備されている。加えて、情報コードＣｄ２の行数に応じたマスクパターンが準備される。一例として、図９には、パターン１の情報コードＣｄ２（図３参照）に適用される十六種類のマスクパターンが示されている。各マスクパターンには、マスクナンバーが予め割り振られている。図９に示すマスクパターンでは、一つのセルが情報コードＣｄ２の一つの分割部分に対応している。空白のセルが適用される分割部分では、色の変化が実施されない。一方で、塗りつぶされたセルが適用される分割部分では、色を指定するＲＧＢの各値が所定の規則に従って変換される。一例として、塗りつぶされたセルが適用されるバーＢｒの分割部分は、予め設定された規定色のうちで、変換前の色の補色に近い規定色に変換される。尚、複数のマスクパターンの一つは、色の変換を実施せず、基準の配色パターンをそのまま出力するマスクパターンであってよい。

図８に示すＳ１５では、Ｓ１４のマスク処理によって生成された全ての配色パターンの中から、一つの採用パターンを選択する。Ｓ１５にて、採用パターンを決定する指標は、適宜変更可能であってよい。具体例としては、暖色及び寒色の割合、使用した色の割合、使用する色を印刷したときのインクの消費バランス等が、採用パターンを決定する指標とされる。例えば、使用した色が概ね均等に使用された配色パターン、取引アイテムのパッケージカラー又は取引者のコーポレートカラーに類似する特定色を多く使用している配色パターン等が、上記の指標の設定によって採用される。

Ｓ１６では、Ｓ１５にて選択した採用パターンの配色をバーコードＣｄ１の各領域に適用し、出力用の情報コードＣｄ２を生成する。そして、生成した情報コードＣｄ２のデータをコード出力機２２に出力（送信）し、情報コードＣｄ２の発行を完了する。以上により、コード生成処理は終了となる。尚、ここまで説明したコード生成処理は、取引発生を示す通知をコードスキャナ２３から受信し、情報コードＣｄ２の再発行を必要とすると判断した場合にも実施される。

図１０に示すコード読取処理のＳ２１では、アイテム又はパッケージ等に配置された情報コードＣｄ２の位置を把握し、Ｓ２２に進む。Ｓ２２では、バーコードＣｄ１のガードバーＧｂＬ，ＧｂＲに記録されたフォーマット情報を読み取り、Ｓ２３に進む。Ｓ２３では、Ｓ２２にて読み取ったフォーマット情報に基づき、情報コードＣｄ２が追跡用情報を記録しているフォーマット（情報コードＣｄ２の種別）と、情報コードＣｄ２に適用されているマスクのパターンとを把握し、Ｓ２４に進む。

Ｓ２４では、Ｓ２３にて把握したフォーマット情報の内容に基づき、情報コードＣｄ２の各領域の配色パターンを復号化し、追跡用情報であるハッシュ値及びＩＰアドレスを取得して、Ｓ２５に進む。Ｓ２５では、Ｓ２４にて取得したＩＰアドレスの履歴管理サーバ２０へ向けて、ハッシュ値を送信し、コード読取処理を終了する。Ｓ２５によるハッシュ値の送信は、当該ハッシュ値が紐づくアイテムについての取引発生の通知となる。

＜第一実施形態のまとめ＞
ここまで説明した第一実施形態では、コードスキャナ２３によって認識される追跡用情報がハッシュ値を含む形式で記録されている。こうしたハッシュ値の長さ（ビット数）は、使用するハッシュ関数に応じて予め決まっている。故に、追跡用情報の内容が変化しても、情報コードＣｄ２は、第二情報を適切に記録し得る。以上によれば、追跡用情報として記録できる情報量が限られた情報コードＣｄ２であっても、利便性の確保が可能になる。

加えて第一実施形態のパターン３の情報コードＣｄ２では、コードスキャナ２３によって認識される追跡用情報が、バーコードリーダ１３の判別を変えない範囲で明度の異なる複数色の配列によって記録されている。具体的には、黒色ＣＬｂｒ、濃いグレーＣＬｂｎ、薄いグレーＣＬｗｎ及び白色ＣＬｗｒの配列によって、追跡用情報が記録されている。こうしたモノクロ配色の情報コードＣｄ２であれば、出力手段として利用されるラベルプリンタ１２がカラーに対応していなくても、追跡用情報を記録した情報コードＣｄ２の利用が可能になる。したがって、情報コードＣｄ２の利便性が確保され得る。

また第一実施形態では、複数パターンのマスクを適用するマスク処理により、追跡用情報の記録に利用されている各色の面積割合が調整される。以上によれば、添付されるアイテム等に適した配色パターン（カラーバランス）の情報コードＣｄ２が利用可能になる。その結果、情報コードＣｄ２が添付される取引アイテムの商品価値を損なうことなく、トレーサビリティの導入が可能になる。したがって、情報コードの利便性が確保され得る。

さらに第一実施形態のパターン１の情報コードＣｄ２では、色相の異なる複数色の配列により、追跡用情報が記録されている。このように、色相の違いを利用すれば、バーコードリーダ１３によって黒色ＣＬｂｒと同一視される範囲で、各バーＢｒに割り当てる色数を増やすことができる。以上によれば、情報コードＣｄ２に記録可能な情報量が増加する。したがって、情報コードＣｄ２の利便性は、いっそう向上し得る。

加えて第一実施形態のパターン１の情報コードＣｄ２では、バーＢｒに規定された複数色と、スペースＳｐに規定された複数色とにより、追跡用情報が記録されている。このように、追跡用情報の記録に、バーＢｒ及びスペースＳｐの両方の領域を利用すれば、情報コードＣｄ２に記録可能な情報量が確保され易くなる。その結果、情報コードＣｄ２の利便性も、確保され易くなる。

また第一実施形態のパターン１及びパターン２の情報コードＣｄ２では、バーＢｒ及びスペースＳｐの各領域が、延伸方向ＥＤにおいて、複数段に分割されている。こうした領域の分割によれば、情報コードＣｄ２に記録可能な情報量が増加する。したがって、情報コードＣｄ２の利便性は、さらに向上し得る。

さらに第一実施形態のパターン３の情報コードＣｄ２では、バーＢｒ及びスペースＳｐの各領域に、複数のセルを含んでなる二次元コード部ＣｄＱが形成されている。そして、追跡用情報は、二次元コード部ＣｄＱに記録されている。このように、二次元コード部ＣｄＱを用いれば、情報コードＣｄ２に記録可能な情報量が顕著に増加し得る。したがって、情報コードＣｄ２のいっそうの利便性確保が可能になる。

加えて第一実施形態では、追跡用情報の記録方式をコードスキャナ２３に通知するフォーマット情報が、バーコードＣｄ１にさらに記録されている。そのため、複数パターンの情報コードＣｄ２の利用が可能とされたトレーサビリティシステム１２０であっても、コードスキャナ２３は、情報コードＣｄ２から追跡用情報を高速に読み出すことができる。したがって、利便性の高いコードスキャナ２３の提供が可能になる。

また第一実施形態では、バーコードの長手方向ＬＤの両端に規定された各ガードバーＧｂＬ，ＧｂＲに、フォーマット情報が記録されている。以上のように、フォーマット情報の記録位置が固定されれば、コードスキャナ２３による情報の読み取り速度が高速化され易くなる。

さらに第一実施形態では、左右のガードバーＧｂＬ，ＧｂＲの両方に、同じ情報が記録されている。このように、離れた位置に同じ情報を記録しておけば、情報コードＣｄ２の一部に欠損又は汚損が生じても、コードスキャナ２３は、いずれか一方のガードバーＧｂＬ，ＧｂＲから情報を読み出すことができる。以上によれば、欠損又は汚損への耐性獲得により、情報コードＣｄ２の利便性は、いっそう向上し得る。

加えて第一実施形態では、バーコードリーダ１３が読み取るアイテム情報と、コードスキャナ２３が読み取る追跡用情報とが、一つの情報コードＣｄ２に纏めて記録されている。故に、各情報を個別に記録したバーコード等を並べるよりも、ラベルの面積又はパッケージ上の専有面積を小さく抑えることが可能になる。

また、複数のバーコード等を並べた場合、別のシステム用のバーコードを誤って読み取る虞がある。この場合、エラーとなり、作業性の悪化が懸念される。対して、複数種類の情報を一つの情報コードＣｄ２に纏めて記録すれば、読み取り対象を誤る事態は生じない。その結果、作業性の良好な利便性の高い情報コードＣｄ２が実現され得る。

上記実施形態では、アイテム情報が「第一情報」に相当し、追跡用情報が「第二情報」に相当し、情報コードＣｄ２が印刷されたラベルが「情報コード印刷媒体」に相当する。加えて、バーＢｒが「バー領域」に相当し、スペースＳｐが「スペース領域」に相当し、ガードバーＧｂＬ，ＧｂＲが「（バーコードの長手方向の）両端」に相当する。また、黒色ＣＬｂｒ、赤色ＣＬｂ１、緑色ＣＬｂ２、紺色ＣＬｂ３、紫色ＣＬｂ４、茶色ＣＬｂ５、白色ＣＬｗｒ、黄色ＣＬｗ１、濃いグレーＣＬｂｎ及び薄いグレーＣＬｗｎがそれぞれ「複数色」に相当する。さらに、バーコードリーダ１３が「第一読取機」に相当し、履歴管理サーバ２０が「情報コード生成装置」に相当し、コードスキャナ２３が「第二読取機」及び「情報コード読取装置」に相当する。そして、処理部２０ｐ及び信号処理部２３ｐがそれぞれ「プロセッサ」に相当し、コード生成処理に基づき処理部２０ｐは「情報コード生成方法」を実施し、コード読取処理に基づき信号処理部２３ｐは「情報コード読取方法」を実施する。

（第二実施形態）
図１１～図１３に示す本開示の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態の流通管理システム１１０では、バーコードリーダ１３（図１参照）に替えて、二次元コードを読み取り可能なコードスキャナ２１３が使用されている。コードスキャナ２３は、トレーサビリティシステム１２０のコードスキャナ２３と実質的に同一の構成であり、エリアセンサ及び信号処理部を有している。履歴管理サーバ２０は、バーコードＣｄ１（図１参照）に替えて、二次元コード（以下、アイテム用コードＣｄｉ）を発行する。

第二実施形態のトレーサビリティシステム１２０では、コード出力機２２によって受信されたアイテム用コードＣｄｉが、履歴管理サーバ２０に転送される。履歴管理サーバ２０は、アイテム用コードＣｄｉを受信すると、コード生成処理（図１２参照）を実施し、アイテム用コードＣｄｉを改変してなる情報コードＣｄ２を発行する。

コード生成処理にて履歴管理サーバ２０は、アイテム用コードＣｄｉを取得すると（Ｓ２１１）、ハッシュ値及びＩＰアドレスを少なくとも含む追跡用情報を準備する（Ｓ２１２）。履歴管理サーバ２０は、追跡用情報を記録した二次元コード（以下、追跡用コードＣｄｔ）を、アイテム用コードＣｄｉとは別に生成する（Ｓ２１３）。

アイテム用コードＣｄｉ及び追跡用コードＣｄｔは、共にＱＲコード等の同一の規格に従って生成される。アイテム用コードＣｄｉ及び追跡用コードＣｄｔは、二次元配列された多数のセルＣｅを含んでおり、白セルＣｅｗ及び黒セルＣｅｂの配列によって情報を記録している。追跡用コードＣｄｔの縦横のセルＣｅの数は、アイテム用コードＣｄｉの縦横のセルＣｅの数と同一とされる。

履歴管理サーバ２０は、アイテム用コードＣｄｉ及び追跡用コードＣｄｔを重ね合わせる合成処理により、二次元コードである情報コードＣｄ２を生成し（Ｓ２１４）、生成した情報コードＣｄ２をコード出力機２２へ向けて送信する（Ｓ２１５）。こうして発行された情報コードＣｄ２がラベルプリンタ１２によって印刷される。情報コードＣｄ２を印刷してなるラベルは、取引アイテムに付属されて、取引者間を流通する。

図１２に示すように、情報コードＣｄ２を形成する複数のセルＣｅには、白セルＣｅｗ及び黒セルＣｅｂに加えて、薄いグレーセルＣｅｎ１及び濃いグレーセルＣｅｎ２が含まれている。薄いグレーセルＣｅｎ１は、黒セルＣｅｂよりも白セルＣｅｗに近い中間色である薄いグレーＣＬｗｎとされている。濃いグレーセルＣｅｎ２は、白セルＣｅｗよりも黒セルＣｅｂに近い中間色である濃いグレーＣＬｂｎとされている。コードスキャナ２１３（図１１参照）では、薄いグレーセルＣｅｎ１は、白セルＣｅｗと同じに判別され、濃いグレーセルＣｅｎ２は、黒セルＣｅｂと同じに判別される。

二つのコードを合成する合成処理では、各コードのセルが共に白セルＣｅｗである場合、重ね合わせた情報コードＣｄ２のセルＣｅも白セルＣｅｗとなる。同様に、各コードのセルが共に黒セルＣｅｂである場合、重ね合わせた情報コードＣｄ２のセルＣｅも黒セルＣｅｂとなる。一方、アイテム用コードＣｄｉが白セルＣｅｗであり、追跡用コードＣｄｔが黒セルＣｅｂである場合、重ね合わせた情報コードＣｄ２のセルＣｅは、薄いグレーセルＣｅｎ１になる。また、アイテム用コードＣｄｉが黒セルＣｅｂであり、追跡用コードＣｄｔが白セルＣｅｗである場合、重ね合わせた情報コードＣｄ２のセルＣｅは、濃いグレーセルＣｅｎ２になる。

以上の情報コードＣｄ２にも、第一実施形態のようなマスク処理が適用されてよい。こうしたマスク処理では、白セルＣｅｗ、黒セルＣｅｂ、薄いグレーセルＣｅｎ１及び濃いグレーセルＣｅｎ２の割合が２５％ずつとなるように調整される。こうした調整によれば、リードソロモン符号で実装される誤り訂正を３０％程度に設定することで、特定の一色を全て読み間違えても、正しい情報を読み出すことが可能になる。

コードスキャナ２３（図１１参照）は、白セルＣｅｗと薄いグレーセルＣｅｎ１とを区別する。加えて、コードスキャナ２３は、黒セルＣｅｂと濃いグレーセルＣｅｎ２とを区別する。コードスキャナ２３は、情報コードＣｄ２を読み取るコード読取処理において、薄いグレーセルＣｅｎ１を黒セルＣｅｂと同一とみなし、且つ、濃いグレーセルＣｅｎ２を白セルＣｅｗと同一とみなす。こうした処理により、コードスキャナ２３は、情報コードＣｄ２から追跡用コードＣｄｔを抽出できる、追跡用情報を読み取ることができる。

ここまで説明した第二実施形態の情報コードＣｄ２には、薄いグレーセルＣｅｎ１及び濃いグレーセルＣｅｎ２が、通常の白セルＣｅｗ及び黒セルＣｅｂと共に含まれている。これにより、コードスキャナ２１３により認識されるアイテム情報と、コードスキャナ２３により認識される追跡用情報とが、一つの情報コードＣｄ２に記録可能になっている。さらに、二次元配列された複数のセルＣｅによる情報記録が可能なため、追跡用情報として記録可能な情報量が確保され易くなる。その結果、情報コードＣｄ２の利便性も確保され得る。

加えて第二実施形態では、アイテム用コードＣｄｉ及び追跡用コードＣｄｔが一つの情報コードＣｄ２に纏められているため、これら二次元コードを隣り合わせで並べるよりも、ラベルの面積又はパッケージ上の専有面積を小さく抑えることが可能になる。

また、複数の二次元コードが隣り合って並んでいる場合、コードスキャナ２１３は、流通管理システム１１０のための二次元コードを読もうとしても、トレーサビリティシステム１２０のための二次元コードの読み込みを開始し得る。しかし、複数のシステム用の情報を一つの情報コードＣｄ２に纏めて記録し、旧システム用の情報を公開とし、新システム用の情報を秘匿とすれば、誤ったコードの読み取りが回避される。その結果、作業性の良好な利便性の高い情報コードＣｄ２が実現され得る。

さらに、特定の情報を秘匿して記録可能な二次元コード（例えば、ＳＱＲＣ，登録商標）に複数のシステム用の情報を記録する場合、個々のセルのサイズが小さくなる課題がある。こうした課題も、中間色を使用する上述の情報コードＣｄ２では解決され得る。

尚、第二実施形態では、薄いグレーＣＬｗｎが「第一中間色」に相当し、濃いグレーＣＬｂｎが「第二中間色」に相当し、薄いグレーセルＣｅｎ１が「第一中間色セル」に相当し、濃いグレーセルＣｅｎ２が「第二中間色セル」に相当する。さらに、コードスキャナ２１３が「第一読取機」に相当する。

（第三実施形態）
図１４に示す本開示の第三実施形態は、第一実施形態の別の変形例である。第三実施形態では、流通管理システム１１０のラベルプリンタ１２に、グレースケールに対応しないモノクロプリンタが採用されている。第三実施形態の情報コードＣｄ２は、中間色を出力できないラベルプリンタ１２での印刷を想定し、複数色の配列とは異なる手法で追跡用情報を記録している。

情報コードＣｄ２のバーＢｒ及びスペースＳｐの各領域には、模様が形成されている。一例として、情報コードＣｄ２では、バーＢｒに形成する五種類の模様と、スペースＳｐに形成する一種類の模様とが、予め規定されている。バーＢｒに形成される各模様は、黒色を背景とする白抜きの模様である。スペースＳｐに形成される模様は、白色を背景とする黒色の模様（ドット柄等）である。模様は、ドット模様、斜線模様、ストライプ模様、チェッカー模様等、適宜変更されてよい。バーＢｒ及びスペースＳｐに形成された各模様は、バーコードリーダ１３に認識されない。即ち、バーコードリーダ１３では、模様が形成されたバーＢｒ及びスペースＳｐは、模様が形成されていないバーＢｒ及びスペースＳｐと同一に扱われる。その結果、模様が形成されていても、バーコードリーダ１３は、通常のバーコードＣｄ１と同じように読み込みを実施できる。

情報コードＣｄ２は、模様の無いバーＢｒ及びスペースＳｐの各通常領域Ｐｔｂｘ，Ｐｔｗｘと、模様の形成されたバーＢｒ及びスペースＳｐの各模様領域Ｐｔｂ１～Ｐｔｂ５，Ｐｔｗ１との配列を用いて、追跡用情報を記録している。コードスキャナ２３は、バーＢｒ及びスペースＳｐの各領域Ｐｔｂｘ，Ｐｔｗｘ，Ｐｔｂ１～Ｐｔｂ５，Ｐｔｗ１における模様の有無と、模様形状の違いとを認識する。故に、コードスキャナ２３は、各領域Ｐｔｂｘ，Ｐｔｗｘ，Ｐｔｂ１～Ｐｔｂ５，Ｐｔｗ１の配列によって記録された追跡用情報を読み出すことができる。

ここまで説明した第三実施形態では、バーＢｒ及びスペースＳｐの色に替えて、バーＢｒ及びスペースＳｐに模様が、情報の記録に利用されている。即ち、コードスキャナ２３によって認識される追跡用情報が、予め規定された模様を形成する各領域Ｐｔｂ１～Ｐｔｂ５，Ｐｔｗ１の配列によって記録されている。故に、情報コードＣｄ２の出力手段であるラベルプリンタ１２がカラー出力及び中間色の出力に対応していない場合でも、追跡用情報を記録した情報コードＣｄ２が利用可能になる。したがって、情報コードＣｄ２の利便性が確保され得る。尚、第二実施形態では、模様領域Ｐｔｂ１～Ｐｔｂ５，Ｐｔｗ１が「領域」に相当する。

（他の実施形態）
以上、本開示による複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。

図１５に示す変形例１の情報コードＣｄ２では、各ワイドバーＷＢｒが、長手方向ＬＤにおいて複数の領域に分割されている。言い換えると、バー領域における一つの分割部分の幅は、ナローバーＮＢｒ及びワイドバーＷＢｒに関わらず一定となっている。こうしたワイドバーＷＢｒの分割手法によれば、情報コードＣｄ２に記録可能な情報量の確保がいっそう容易になる。

図１６に示す変形例２の情報コードＣｄ２及び図１７に示す変形例３の情報コードＣｄ２では、パターン１の情報コードＣｄ２（図３参照）と同様に、複数のバーＢｒ及び複数のスペースＳｐの両方の領域に追跡用情報が記録されている。各バーＢｒの領域は、黒色ＣＬｂｒ、赤色ＣＬｂ１、緑色ＣＬｂ２、紺色ＣＬｂ３、紫色ＣＬｂ４及び茶色ＣＬｂ５等のうちのいずれか一つとされている。また、各スペースＳｐの領域は、白色ＣＬｗｒ又は黄色ＣＬｗ１とされている。

一方、変形例２の情報コードＣｄ２は、延伸方向ＥＤに二分割されている。対して、変形例３の情報コードＣｄ２では、各領域は、延伸方向ＥＤに分割されていない。そのため、記録可能な情報量は、変形例２の情報コードＣｄ２が、変形例１の情報コードＣｄ２よりも多くなる。

図１８に示す変形例４の情報コードＣｄ２では、バーＢｒ及びスペースＳｐの各領域のうち、バーＢｒのみが追加情報の記録に用いられている。即ち、バーＢｒが複数色に分割され塗り分けられている一方で、スペースＳｐの全域は、全て白色とされている。バーコードＣｄ１に追加する情報が少ない場合、変形例４の情報コードＣｄ２の利用が可能である。

図１９に示す変形例５の情報コードＣｄ２では、パターン２の情報コードＣｄ２（図４参照）と同様に、黒色、白色、薄いグレーＣＬｗｎ及び濃いグレーＣＬｂｎという明度の異なる複数色を用いて追加情報の記録が実現されている。変形例５の情報コードＣｄ２では、バーＢｒ及びスペースＳｐの両方の領域が情報の記録に用いられている。また、図２０に示す変形例６の情報コードＣｄ２でも、黒色及び濃いグレーＣＬｂｎという明度の異なる複数色を用いて追加情報の記録が実現されている。変形例６の情報コードＣｄ２では、バーＢｒの領域のみが情報の記録に用いられている。即ち、スペースＳｐにおける薄いグレーＣＬｗｎの分割部分は、変形例６において省略されている。

さらに、変形例７の情報コードＣｄ２（カラーバーコード）では、バーＢｒ及びスペースＳｐの各領域のうち、白色ＣＬｗｒ及び黄色ＣＬｗ１の配列パターンを形成するスペースＳｐのみが、追加情報の記録に用いられる。また、変形例８の情報コードＣｄ２（モノクロバーコード）は、バーＢｒ及びスペースＳｐの各領域のうち、白色ＣＬｗｒ及び薄いグレーＣＬｗｎの配列パターンを形成するスペースＳｐのみが、追加情報の記録に用いられる。さらに、上記第三実施形態の変形例９の情報コードＣｄ２（模様入りバーコード）でも、スペースＳｐの領域のみに模様が形成されている。またさらに、色の違いと模様の違いとを組み合せて、記録可能な情報量が確保されてもよい。

上記実施形態の変形例１０の情報コードでは、彩度の異なる複数色の配列を用いて、追加情報が記録されている。また、上記第二実施形態の変形例１１の情報コードＣｄ２では、複数色の組み合せにより、二次元コード部ＣｄＱ（図５参照）がバーコードＣｄ１に秘匿されている。

上記第一実施形態では、黒色ＣＬｂｒ及び白色ＣＬｗｒの分割部分がそれぞれバーＢｒ及びスペースＳｐの両方に残されていた。しかし、変形例１２の情報コードＣｄ２では、全ての分割部分が、有彩色とされる。また、上記第三実施形態では、模様の無い領域Ｐｔｂｘ，ＰｔｗｘがバーＢｒ及びスペースＳｐの両方に残されていた。しかし、変形例１３では、バーＢｒ及びスペースＳｐの全ての領域に模様が形成されている。

上記第三実施形態の変形例１４では、第三実施形態と同様にラベルプリンタが中間色を出せないことに対応し、印刷される斜線密度の粗密が制御される。変形例１４では、斜線密度の制御により、擬似的に濃いグレーＣＬｂｎ及び薄いグレーＣＬｗｎが、紙媒体に再現される。具体的には、斜線密度を高めることで、濃いグレーＣＬｂｎが表現される。また、斜線密度を低くすることで、薄いグレーＣＬｗｎが表現される。こうした手法によれば、黒又は白の印刷出力しかできないラベルプリンタが使用されても、追跡用情報の追記が可能になる。

上記実施形態のトレーサビリティシステム１２０において、情報コードＣｄ２は、紙媒体に印刷されていた。しかし、情報コードＣｄ２は、例えば表示器の画面等に表示されてもよい。バーコードリーダ及びコードスキャナは、画面に表示された情報コードＣｄ２を読み取り可能であってよい。さらに、情報コードＣｄ２を印刷する紙媒体は、転写機能をもった複数枚の用紙を重ねたものであってもよく、一部を切り話し可能に形成したものであってもよい。

上述したように、バーコードＣｄ１及び情報コードＣｄ２等のデータは、画像データ、テキストデータ、及び特定のプログラムコード等、システムが対応可能なデータ形式に変更可能である。さらに、上述の履歴管理サーバ２０にて実施されていたコード生成処理は、エッジ側となるコード出力機２２にて実施されてもよい。こうした形態では、コード出力機２２が「情報コード生成装置」に相当する。

本開示のような既存の流通管理システム１１０が稼働している場合、ブロックチェーンを利用したトレーサビリティシステム１２０を新規で導入しようとすると、通常、流通管理システム１１０に大きな改修が必要となる。この場合、改修のための時間も必要となる。このことが、トレーサビリティシステム１２０の導入を困難にしていた。

そこで本開示のトレーサビリティシステム１２０では、バーコードＣｄ１の機能を維持したまま、追加情報を記録できる情報コードＣｄ２が利用される。これにより、ブロックチェーンによるトレーサビリティの管理機能が容易に追加され得る。即ち、トレーサビリティシステム１２０の旧システムへの適合性が向上し得る。

情報コードＣｄ２に記録される追加用情報（第２情報）の内容は、適宜変更されてよい。例えば、ＩＰアドレスに替えて、履歴管理サーバ２０のＵＲＬが記録されていてもよい。さらに、履歴管理サーバ２０における取引記録の管理に、ブロックチェーンが用いられてなくてもよい。また、サプライチェーンＳＣによって提供される最終製品ＦＰは、上述したような農業製品に限定されない。例えば、最終製品ＦＰは、工業製品及び水産物等であってよい。

上記実施形態にて、履歴管理サーバ等によって提供されていた各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組合せによっても提供可能である。こうした機能がハードウェアとしての電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。

上記実施形態の処理部（信号処理部）等は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）及びＧＰＵ（Graphics Processing Unit）等の演算コアを少なくとも一つ含む構成であってよい。さらに、処理部は、ＦＰＧＡ（Field-Programmable Gate Array）、ＮＰＵ（Neural network Processing Unit）及び他の専用機能を備えたＩＰコア等をさらに含む構成であってよい。また、これらの処理部は、プリント基板に個別に実装された構成であってもよく、またはＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）等に実装された構成であってもよい。

上記実施形態の各記憶部として採用され、本開示の情報コードの生成及び読み取りに関連した各プログラムを記憶する記憶媒体の形態は、適宜変更されてよい。例えば記憶媒体は、回路基板上に設けられた構成に限定されず、メモリカード等の形態で提供され、スロット部に挿入されて、コンピュータのバスに電気的に接続される構成であってよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータへのプログラムのコピー基となる光学ディスク及びのハードディスクドライブ等であってもよい。

本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
（付記１－１）
第一読取機（１３）及び第二読取機（２３）によって読み取られる情報を記録した情報コードであって、
複数のバー領域（Ｂｒ）と、
複数の前記バー領域の間に形成される複数のスペース領域（Ｓｐ）と、を含み、
複数の前記バー領域及び複数の前記スペース領域は、前記第一読取機によって認識される第一情報を記録したバーコード（Ｃｄ１）を形成し、
複数の前記バー領域及び複数の前記スペース領域の少なくとも一方は、前記第一読取機による前記バー領域及び前記スペース領域の判別を変えないよう規定された複数色（ＣＬｂｒ，ＣＬｂ１～ＣＬｂ５，ＣＬｂｎ，ＣＬｗｒ，ＣＬｗ１，ＣＬｗｎ）の配列により、前記第二読取機によって認識される第二情報を、ハッシュ値を含む形式で記録する情報コード。
（付記１－３）
第一読取機（１３）及び第二読取機（２３）によって読み取られる情報を記録した情報コードであって、
複数のバー領域（Ｂｒ）と、
複数の前記バー領域の間に形成される複数のスペース領域（Ｓｐ）と、を含み、
複数の前記バー領域及び複数の前記スペース領域は、前記第一読取機によって認識される第一情報を記録したバーコード（Ｃｄ１）を形成し、
複数の前記バー領域及び複数の前記スペース領域の少なくとも一方は、前記第一読取機による前記バー領域及び前記スペース領域の判別を変えない範囲で明度の異なる複数色（ＣＬｂｒ，ＣＬｂｎ，ＣＬｗｒ，ＣＬｗｎ）の配列により、前記第二読取機によって認識される第二情報を記録する情報コード。
（付記１－５）
第一読取機（１３）及び第二読取機（２３）によって読み取られる情報を記録した情報コードであって、
複数のバー領域（Ｂｒ）と、
複数の前記バー領域の間に形成される複数のスペース領域（Ｓｐ）と、を含み、
複数の前記バー領域及び複数の前記スペース領域は、前記第一読取機によって認識される第一情報を記録したバーコード（Ｃｄ１）を形成し、
複数の前記バー領域及び複数の前記スペース領域の少なくとも一方には、予め規定された模様が形成されており、当該模様が形成された各領域（Ｐｔｂ１～Ｐｔｂ５，Ｐｔｗ１）の配列を用いて、前記第二読取機によって認識される第二情報を記録する情報コード。
（付記１－１１）
第一読取機（２１３）によって読み取られる第一情報、及び第二読取機（２３）によって読み取られる第二情報の両方を、二次元配列された複数のセル（Ｃｅ）に記録した情報コードであって、
複数の前記セルは、
淡色セル（Ｃｅｗ）と、
濃色セル（Ｃｅｂ）と、
前記濃色セルよりも前記淡色セルに近い第一中間色（ＣＬｗｎ）とされ、前記第一読取機では前記淡色セルと同じに判別され、前記第二読取機では前記淡色セルと区別される第一中間色セル（Ｃｅｎ１）と、
前記淡色セルよりも前記濃色セルに近い第二中間色（ＣＬｂｎ）とされ、前記第一読取機では前記濃色セルと同じに判別され、前記第二読取機では前記濃色セルと区別される第二中間色セル（Ｃｅｎ２）と、を含む情報コード。
（付記１－１６）
第一読取機（１３）及び第二読取機（２３）によって読み取られる情報を記録した情報コード（Ｃｄ２）を生成する情報コード生成方法であって、
少なくとも一つのプロセッサ（２０ｐ）にて実行される処理に、
複数のバー領域（Ｂｒ）及び複数のスペース領域（Ｓｐ）を含み、前記第一読取機によって認識される第一情報を記録したバーコード（Ｃｄ１）を取得し（Ｓ１１）、
複数の前記バー領域及び複数の前記スペース領域の少なくとも一方に適用する配色パターンであって、前記第一読取機による前記バー領域及び前記スペース領域の判別を変えないよう規定された複数色（ＣＬｂｒ，ＣＬｂ１～ＣＬｂ５，ＣＬｂｎ，ＣＬｗｒ，ＣＬｗ１，ＣＬｗｎ）を用いた配色パターンを、前記第二読取機に認識させる第二情報に基づき決定し（Ｓ１３）、
前記配色パターンに対して複数パターンのマスクを適用することにより、複数色の配列が相互に異なる複数の候補を生成し（Ｓ１４）、
複数の前記候補の中から一つの採用パターンを選択する（Ｓ１５）、
というステップを含む情報コード生成方法。

１３ バーコードリーダ（第一読取機）、２１３ コードスキャナ（第一読取機）、２０ 履歴管理サーバ（情報コード生成装置）、２０ｐ 処理部（プロセッサ）、２３ コードスキャナ（第二読取機，情報コード読取装置）、２３ｐ 信号処理部（プロセッサ）、Ｂｒ バー（バー領域）、Ｓｐ スペース（スペース領域）、ＧｂＬ，ＧｂＲ ガードバー（バーコードの長手方向の両端）、Ｃｄ１ バーコード、ＣｄＱ 二次元コード部、Ｃｄ２ 情報コード、ＣＬｂｒ 黒色（複数色）、ＣＬｂ１ 赤色（複数色）、ＣＬｂ２ 緑色（複数色）、ＣＬｂ３ 紺色（複数色）、ＣＬｂ４ 紫色（複数色）、ＣＬｂ５ 茶色（複数色）、ＣＬｂｎ 濃いグレー（複数色，第二中間色）、ＣＬｗｒ 白色（複数色）、ＣＬｗ１ 黄色（複数色）、ＣＬｗｎ 薄いグレー（複数色，第一中間色）、Ｃｅ セル、Ｃｅｂ 黒セル（濃色セル）、Ｃｅｗ 白セル（淡色セル）、Ｃｅｎ１ 薄いグレーセル（第一中間色セル）、Ｃｅｎ２ 濃いグレーセル（第二中間色セル）、Ｐｔｂ１～Ｐｔｂ５，Ｐｔｗ１ 模様領域（領域）、ＥＤ 延伸方向、ＬＤ 長手方向

Claims (24)

1. 第一読取機（１３）及び第二読取機（２３）によって読み取られる情報を記録した情報コードであって、
   複数のバー領域（Ｂｒ）と、
   複数の前記バー領域の間に形成される複数のスペース領域（Ｓｐ）と、を含み、
   複数の前記バー領域及び複数の前記スペース領域は、前記第一読取機によって認識される第一情報を記録したバーコード（Ｃｄ１）を形成し、
   複数の前記バー領域及び複数の前記スペース領域の少なくとも一方は、前記第一読取機による前記バー領域及び前記スペース領域の判別を変えないよう規定された複数色（ＣＬｂｒ，ＣＬｂ１～ＣＬｂ５，ＣＬｂｎ，ＣＬｗｒ，ＣＬｗ１，ＣＬｗｎ）の配列により、前記第二読取機によって認識される第二情報を、ハッシュ値を含む形式で記録する情報コード。
2. 前記第二情報は、色相の異なる複数色（ＣＬｂｒ，ＣＬｂ１～ＣＬｂ５，ＣＬｗｒ，ＣＬｗ１）の配列によって記録されている請求項１に記載の情報コード。
3. 第一読取機（１３）及び第二読取機（２３）によって読み取られる情報を記録した情報コードであって、
   複数のバー領域（Ｂｒ）と、
   複数の前記バー領域の間に形成される複数のスペース領域（Ｓｐ）と、を含み、
   複数の前記バー領域及び複数の前記スペース領域は、前記第一読取機によって認識される第一情報を記録したバーコード（Ｃｄ１）を形成し、
   複数の前記バー領域及び複数の前記スペース領域の少なくとも一方は、前記第一読取機による前記バー領域及び前記スペース領域の判別を変えない範囲で明度の異なる複数色（ＣＬｂｒ，ＣＬｂｎ，ＣＬｗｒ，ＣＬｗｎ）の配列により、前記第二読取機によって認識される第二情報を、ハッシュ値を含む形式で記録する情報コード。
4. 前記第二情報は、前記バー領域に規定された複数色と前記スペース領域に規定された複数色との配列によって記録されている請求項１～３のいずれか一項に記載の情報コード。
5. 第一読取機（１３）及び第二読取機（２３）によって読み取られる情報を記録した情報コードであって、
   複数のバー領域（Ｂｒ）と、
   複数の前記バー領域の間に形成される複数のスペース領域（Ｓｐ）と、を含み、
   複数の前記バー領域及び複数の前記スペース領域は、前記第一読取機によって認識される第一情報を記録したバーコード（Ｃｄ１）を形成し、
   複数の前記バー領域及び複数の前記スペース領域の少なくとも一方には、予め規定された模様が形成されており、当該模様が形成された各領域（Ｐｔｂ１～Ｐｔｂ５，Ｐｔｗ１）の配列を用いて、前記第二読取機によって認識される第二情報を、ハッシュ値を含む形式で記録する情報コード。
6. 前記第二情報は、ハッシュ値を含む形式で記録される請求項５に記載の情報コード。
7. 複数の前記バー領域及び複数の前記スペース領域の少なくとも一方は、前記バー領域の延伸方向（ＥＤ）において複数段に分割されている請求項１～６のいずれか一項に記載の情報コード。
8. 複数の前記バー領域及び複数の前記スペース領域は、二次元配列された複数のセルを含んでなる二次元コード部（ＣｄＱ）を形成し、前記二次元コード部に前記第二情報を記録する請求項１～６のいずれか一項に記載の情報コード。
9. 前記バーコードには、前記第二情報の記録方式を前記第二読取機に通知するフォーマット情報がさらに記録されている請求項１～８のいずれか一項に記載の情報コード。
10. 前記フォーマット情報は、前記バーコードの長手方向（ＬＤ）の両端（ＧｂＬ，ＧｂＲ）に記録されている請求項９に記載の情報コード。
11. 二次元配列された複数のセル（Ｃｅ）を有する情報コードであって、前記複数のセルにより第一情報を第一の基準に従って記録し、前記複数のセルにより第二情報を第二の基準に従って記録した情報コードであって、
    前記複数のセルそれぞれは、
    前記第一情報が当該セルにおいて第一の値として示され、前記第二情報が当該セルにおいて前記第一の値として示される場合、淡色セル（Ｃｅｗ）として示され、
    前記第一情報が当該セルにおいて第二の値として示され、前記第二情報が当該セルにおいて前記第二の値として示される場合、前記淡色セルより明度が低い濃色セル（Ｃｅｂ）として示され、
    前記第一情報が当該セルにおいて前記第一の値として示され、前記第二情報が当該セルにおいて前記第二の値として示される場合、前記淡色セルより明度が低く前記濃色セルより明度が高い第一中間色（ＣＬｗｎ）である第一中間色セル（Ｃｅｎ１）として示され、
    前記第一情報が当該セルにおいて前記第二の値として示され、前記第二情報が当該セルにおいて前記第一の値として示される場合、前記第一中間色より明度が低く、前記濃色セルより明度が高い第二中間色（ＣＬｂｎ）である第二中間色セル（Ｃｅｎ２）として示され、
    前記第一の基準に従った第一読取機（１３）において、前記淡色セル及び前記第一中間色セルは、前記第一の値として読み取られ、前記濃色セル及び前記第二中間色セルは、前記第二の値として読み取られ、
    前記第二の基準に従った第二読取機（２３）において、前記淡色セル及び前記第二中間色セルは、前記第一の値として読み取られ、前記濃色セル及び前記第一中間色セルは、前記第二の値として読み取られる、情報コード。
12. 前記第一の基準は、ＱＲコード（登録商標）に従った符号化の基準である、請求項１１に記載の情報コード。
13. 前記情報コードは、前記第一情報及び前記第二情報を、前記第一の値及び前記第二の値の２値で示す、請求項１１又は１２に記載の情報コード。
14. 前記第二情報は、前記情報コードが付されるアイテムの取引記録を追跡するための情報である、請求項１１～１３のいずれか一項に記載の情報コード。
15. 前記第一情報は、前記情報コードが付されるアイテムに関する情報である請求項１１～１４のいずれか一項に記載の情報コード。
16. 前記情報コードは、前記セルを所定の規則に従って異なる色に変換するマスク処理が実施される、請求項１１～１５のいずれか一項に記載の情報コード。
17. 請求項１～１６のいずれか一項に記載の情報コードが印刷された情報コード印刷媒体。
18. 請求項１～１６のいずれか一項に記載の情報コードを生成する情報コード生成装置。
19. 少なくとも一つのプロセッサ（２０ｐ）に、請求項１～１６のいずれか一項に記載の情報コードを生成することを含む処理を実施させる情報コード生成プログラム。
20. 少なくとも一つのプロセッサ（２０ｐ）にて実行される処理に、請求項１～１６のいずれか一項に記載の情報コードを生成するステップを含む情報コード生成方法。
21. 第一読取機（１３）及び第二読取機（２３）によって読み取られる情報を記録した情報コード（Ｃｄ２）を生成する情報コード生成方法であって、
    少なくとも一つのプロセッサ（２０ｐ）にて実行される処理に、
    複数のバー領域（Ｂｒ）及び複数のスペース領域（Ｓｐ）を含み、前記第一読取機によって認識される第一情報を記録したバーコード（Ｃｄ１）を取得し（Ｓ１１）、
    複数の前記バー領域及び複数の前記スペース領域の少なくとも一方に適用する配色パターンであって、前記第一読取機による前記バー領域及び前記スペース領域の判別を変えないよう規定された複数色（ＣＬｂｒ，ＣＬｂ１～ＣＬｂ５，ＣＬｂｎ，ＣＬｗｒ，ＣＬｗ１，ＣＬｗｎ）を用いた配色パターンを、前記第二読取機に認識させる第二情報に基づき決定し（Ｓ１３）、
    前記配色パターンに対して複数パターンのマスクを適用することにより、複数色の配列が相互に異なる複数の候補を生成し（Ｓ１４）、
    複数の前記候補の中から一つの採用パターンを選択する（Ｓ１５）、
    というステップを含み、
    前記採用パターンを示すマスク情報を記録する範囲を、前記マスクの適用範囲外とする情報コード生成方法。
22. 請求項１～１６のいずれか一項に記載の情報コードから前記第二情報を読み取る前記第二読取機（２３）、を少なくとも含む情報コード読取装置。
23. 少なくとも一つのプロセッサ（２３ｐ）に、請求項１～１６のいずれか一項に記載の情報コードから前記第二情報を読み取ることを含む処理を実施させる情報コード読取プログラム。
24. 少なくとも一つのプロセッサ（２３ｐ）にて実行される処理に、請求項１～１６のいずれか一項に記載の情報コードから前記第二情報を読み取るステップを含む情報コード読取方法。

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