JP7380127B2 - 自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材の製造方法 - Google Patents

自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、4輪自動車に代表される輸送機の車体を支持する足回り部材として好適なアルミニウム6000系合金の製造方法に関する。
アルミニウム6000系合金(Al-Mg-Si系)は構造部材として過飽和固溶体を得る焼入れ工程が必要となる。従来は焼入れ水の水面に対し製品を縦・斜め方向に焼入れを行い高強度を得る製造方法が提案されていた。(特許文献1)
特開2017-179413号公報
軽金属、1981、Vol.31、No.11、748-757
しかしながら、実際に自動車に組付けされ路面を実走すると、路面からの汚水・融雪剤等による外乱によって腐食が発生する。これらの外乱は路面に散布している雨水、地下水または融雪剤等がタイヤと接触し飛散することで起こりうる。この飛散は路面から車体上部方向に発生するため、車体組付け時に路面側に面する足回り部材の面に積極的に接触し、足回り部材の腐食を発生させる恐れがある。この腐食は繰り返し荷重が負荷される場合、破壊の起点となりうるものであり、車体を支持する足回り部材としての信頼性が低下するという恐れがあった。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、腐食が積極的に発生する面を、腐食が積極的に発生しない面と比較して低強度にすることで、切り欠き感受性を低下させ、腐食による応力腐食割れの発生を抑制することを目的とする。
なお、上記理論は非特許文献1に基づいている。本非特許文献1によると、SCC(応力腐食割れ)は不働態皮膜などの保護皮膜が形成されやすい合金に起こり、GPゾーンが転位によってせん断されることにより保護皮膜が破壊され、金属が露出した状態が生じるため、優先的な腐食反応が促進される、とある。その上で表3(非特許文献1の751ページに記載)によると、冷水中焼入、沸騰水中焼入または空中放冷で焼入れ処理を施したAl-4%Zn-2%Mg合金の応力腐食割れ寿命は、冷水中焼入が24日、沸騰水中焼入が62日、空中放冷が365日後も割れない、となっている。このことから、焼入れ時に焼入れ速度を遅くすると応力腐食割れが抑制できていることが分かる。
本発明はAl-Mg-Si系合金であり、非特許文献1とは合金系が異なるが、保護皮膜を形成しやすいこと、GPゾーンによる強化機構を有していること、さらには、PFZ(粒界近傍に生じる析出物のない無析出物帯)を有していることなどから、応力腐食割れに対する破壊機構は同等であると推定されるため、同様の結果が得られると考えられる。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]熱処理工程として溶体化処理工程、焼入れ処理工程および人工時効硬化処理工程を含む自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材の製造方法であって、
前記焼入れ処理工程は、前記鍛造材を自動車に組付けた際に自動車の接地面側に配置される下面を、前記下面と反対側の上面より後に水に接触させて行われることを特徴とする自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材の製造方法。
[2]アルミニウム合金がAl-Mg-Si系合金である前項1に記載の自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材の製造方法。
[3]前記溶体化処理工程が熱間鍛造工程での昇温を併用したものである前項1または2に記載の自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材の製造方法。
[4]前記焼入れ処理工程における水の温度が40℃~90℃である前項1~3のいずれか1項に記載の自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材の製造方法。
[1]の発明では、自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材を自動車に組付けた際に、自動車の接地面側に配置される下面を、下面と反対側の上面より後に水に接触させて焼入れ処理工程が行われることで、下面は上面に比べて急冷されにくいので、下面が上面より低強度となり、切り欠き感受性が低下するため、応力腐食割れの発生を抑制できる自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材を提供することができる。
[2]の発明では、応力腐食割れの発生を抑制できる自動車足回り用Al-Mg-Si系合金鍛造材を提供することができる。
[3]の発明では、溶体化処理工程が熱間鍛造工程での昇温を併用するため、応力腐食割れの発生を抑制できる自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材を安価で提供することができる。
[4]の発明では、焼入れ処理工程における水の温度を40℃~90℃とすることで、より高強度で、応力腐食割れの発生を抑制できる自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材を提供することができる。
図1は本発明の製造方法における工程を示すフロー図である。 図2は鍛造材を水面に対して角度θの傾きで入水させて焼入れする焼入れ処理工程を概略的に説明する図であって、鍛造材の入水時を示す説明図である。 図3は鍛造材を水面に対して水平に入水させて焼入れする焼入れ処理工程を概略的に説明する図であって、鍛造材の入水時を示す説明図である。 図4は本発明の製造方法で用いられる鋳造品を示す斜視図である。 図5は本発明の製造方法で得られる鍛造品を示す斜視図である。
本発明の自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材の製造方法について詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は例示に過ぎず、本発明はこれらの例示した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
本実施形態の自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材の製造方法は、溶湯形成工程、鋳造工程、均質化熱処理工程、熱間鍛造工程、溶体化処理工程、焼入れ処理工程および人工時効硬化処理工程をこの順に行うことで(図1参照)、図5に示すような自動車足回り用アルミニウム合金鍛造品20を製造するものである。以下、これらの各工程について説明する。
溶湯形成工程は、原料を溶解して組成を調製したアルミニウム合金溶湯を得る工程である。
本実施形態では、Si:1.00質量%~1.20質量%、Fe:0.15質量%~0.30質量%、Cu:0.33質量%~0.45質量%、Mn:0.48質量%~0.54質量%、Mg:0.75質量%~0.95質量%、Cr:0.13質量%~0.17質量%、残部がAl及び不可避不純物からなる組成に溶解調製したAl-Mg-Si系合金溶湯を得る。
鋳造工程は、溶湯形成工程で得られたアルミニウム合金溶湯を鋳造加工することによって鋳造材(鍛造用ビレット)を得る工程である。
鋳造加工する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法が用いられ、例えば、連続鋳造圧延法あるいは半連続鋳造法(DC鋳造法)等が挙げられる。
また、鋳造材の直径は、特に限定されるものではないが、例えば、直径30mm~80mmに設定される。さらに、鋳造材を押出機で押出して鍛造用ビレットを得てもよく、この場合も、例えば、直径30mm~80mmに設定される。
また、鋳造加工では鋳造材の冷却速度を10℃/分~50℃/分に設定することが好ましい。このようにすることで、室温における引張強さが十分に大きいアルミニウム合金製品を製造できるからである。特に鋳造材の冷却速度は15℃/分~30℃/分に設定することが好ましい。
均質化熱処理工程は、鋳造工程で得られた鋳造材に対して均質化熱処理を行うことによって、凝固によって生じたミクロ偏析の均質化、過飽和固溶元素の析出および準安定相の平衡相への変化を行う工程である。
この均質化熱処理を行うことにより、金属間化合物を小さくすることができ、金属間化合物を起点とする破壊が抑制され、引張強さをさらに向上させることができる。
また、均質化熱処理を行うことにより、金属間化合物中に含有される各元素が母材中へ均一に拡散され、固溶強化及び析出化による更なる引張強さの向上が可能となる。
また、均質化熱処理は共晶溶融を生じない温度範囲内で、かつ、可能な限り高温で行うことが好ましい。このような条件で行うことにより、金属間化合物の母材中への溶解及び拡散が効果的に行われ、その結果、金属間化合物を小さくすることが可能となる。
また、均質化熱処理における処理温度は500℃~570℃の範囲に設定することが好ましい。500℃以上の温度で熱処理することで鋳造材の晶出物等の金属間化合物が固溶し十分に均質化を行うことができ、570℃以下の温度で熱処理することでバーニングを防止できるからである。
このような均質化熱処理工程を施した後、鋳造材を所定の長さに切断することで、鍛造用ビレットが得られる。
熱間鍛造工程は、均質化熱処理工程後に得られた鍛造用ビレットを加熱し、プレス機で圧力をかけて金型成型する工程である。
熱間鍛造工程の温度条件は、アルミニウム合金の特性をより再現性良く発現させる点で関係性を有している。すなわち、後述する溶体化処理工程後のアルミニウム合金のミクロ組織を等軸結晶粒とすることが可能となる。特に、熱間鍛造工程は、金型温度を100℃~250℃に設定し、素材温度を400℃~550℃に設定して行うことが好ましい。このような条件で熱間鍛造を行うことによって、アルミニウム合金鍛造材の引張強さをより向上させることができるからである。
次に、溶体化処理工程、焼入れ処理工程および人工時効硬化処理工程について説明する。
溶体化処理工程は、熱間鍛造工程で得られたアルミニウム合金鍛造材を高温で保持した後に急冷し、過飽和固溶体を形成する熱処理である。
溶体化処理工程では、加熱温度を510℃~560℃、保持時間を0.5時間~6時間に設定して行うことが好ましく、このような条件とすることでコストと特性とのバランスをより良好にすることができるからである。
また、溶体化処理工程は熱間鍛造工程での昇温を併用した工程としてもよい。すなわち、熱間鍛造工程が溶体化処理を兼ねた工程とすることで、熱間鍛造工程直後の高温に保持されたアルミニウム合金鍛造材に、そのまま後述する焼入れ処理工程を施すことで、急冷し過飽和固溶体を形成してもよい。
熱間鍛造工程における昇温を併用した工程では、熱間鍛造工程直後の温度を510℃~560℃、熱間鍛造工程直後から焼入れまでの時間を1秒~30秒に設定することが好ましい。このような条件とすることで、溶体化処理工程と同様に、この昇温を併用した工程においても、コストと特性とのバランスをより良好にすることができるからである。
このように熱間鍛造工程における昇温を併用することで、従来の熱間鍛造工程後に一度徐冷し、連続加熱炉ないし単体炉で再度加熱し溶体化処理工程を施す場合と比較して、同一品質のアルミニウム合金が得られ、さらに再加熱に要するエネルギーを節約できるだけでなく、製造時間を大幅に改善することも可能となる。
さらに、応力腐食割れの発生を抑制できる自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材を安価で提供することもできる。
次に、本発明の特徴である焼入れ処理工程は、溶体化処理工程によって得られた固溶状態を急速に冷却せしめて過飽和固溶体を形成する熱処理である。
この焼入れ処理工程は、熱間鍛造工程で得られたアルミニウム合金鍛造材を自動車に組付けた際に、自動車の接地面側に配置される下面を、下面と反対側の上面より後に水に接触させて行われる。
ここで、下面を上面より後に水に接触させるとは、上面の一部が水に接触した後に下面を水に接触させるということである。この中には、上面の全域が水に接触した後に下面の全域を水に接触させることも含まれる。
図2は鍛造材20を水面Wに対して角度θの傾きで入水させて焼入れする焼入れ処理工程を概略的に説明する図であって、鍛造材20の入水時の説明図である。
ここで、角度θとは、鍛造材20の水平面Hと水面Wとのなす角度として定められる。また、鍛造材20の水平面Hとは、図5に示す形状の鍛造材20を例として説明すると、この鍛造材20の2つの組付け穴P1、P2の中心C1、C2が含まれる平面のことであり、中心C1とは組付け穴P1の厚さ方向の中心かつ組付け穴P1の平面視における重心位置として定められ、中心C2も同様に定められる。
なお、図5では鍛造材20として、2つの組付け穴P1、P2を有する形状が例示されているが、組付け穴は3つ以上であってもよい。
本実施形態の焼入れ処理工程では、図2における角度θが10°以内となるように、鍛造材20を入水させることで、鍛造材20の下面21を上面22より後に水に接触させて焼入れ処理を行う。
また、鍛造材20を水面Wに対する角度が10°以内となるように入水させる手段としては、ロボットで鍛造材20を掴んで入水させてもよいし、鍛造材20をカゴに入れて入水させてもよい。さらに、これに限らず、水面Wに対する角度が10°以内となるように入水させることができる手段であればよい。
上述のように、本実施形態の焼入れ処理工程は角度θが10°以内となるように行っており、もちろん、図3に示すように、鍛造材20を水面Wに対して水平に入水させて焼入れ処理を行ってもよい。
また、本発明の焼入れ処理工程では鍛造材20に反りが生じることがあるが、その際は矯正すればよいため、図2または3に示すように、下面21を上面22より後に水に接触させて焼入れ処理を行っている。
また、焼入れ処理工程は10℃~90℃の水で急冷(水焼入れ処理)することが好ましく、中でも、40℃~90℃の水で急冷することが好ましい。
このように、40℃~90℃の水で急冷することで、より高強度で、応力腐食割れの発生を抑制できる自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材を提供することができる。
以上のように、本発明の特徴である焼入れ処理工程では、アルミニウム合金鍛造材を自動車に組付けた際に自動車の接地面側に配置される下面を、上面より後に水に接触させることで、アルミニウム合金鍛造材の下面は上面に比べて、急冷されにくいので、下面が上面より低強度となるため、過剰な過飽和固溶体を保持させなくすることが可能となる。このように、下面は上面に比べて、過剰な過飽和固溶体を保持しないため、後述する人工時効硬化処理工程を行っても過剰な強度を得ることはない。
人工時効硬化処理工程は、アルミニウム合金鍛造材を比較的低温で加熱保持し、過飽和に固溶した元素を析出させて、適度な硬さを付与するための熱処理である。
本実施形態では、加熱温度を160℃~250℃、保持時間を10分間~8時間に設定して行うことが好ましい。このような条件とすることで、コストと特性とのバランスがより良好になるからである。
本実施形態では、上記熱処理(溶体化処理工程、焼入れ処理工程および人工時効硬化処理工程)を行うことによって、微細な析出物が均一に分散し、強度、延性および靱性が高度にバランスしたアルミニウム合金鍛造材を得ることができる。
次に、図5は本発明の製造方法で得られる自動車足回り用アルミニウム合金鍛造品20を示す斜視図である。この鍛造品20は自動車に組付けた際に、厚みT方向よりも厚みT方向に直交する方向に広がり、厚みT方向に大きく突出した部分がない形状となっている。これは、突出部分があると熱間鍛造工程で製造しにくいためである。
上述のように、本発明の自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材の製造方法は、鍛造材を自動車に組付けた際に自動車の接地面側に配置される下面を、下面と反対側の上面より後に水に接触させて焼入れ処理工程が行われることで、下面は上面に比べて急冷されにくいので、下面が上面より低強度となり、切り欠き感受性が低下するため、応力腐食割れの発生を抑制できる自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材を提供することができる。
また、本発明の製造方法で得られる鍛造品20を用いることで、自動車が実際に路面を走行する際、路面からの外的要因(汚水あるいは融雪剤等)により外傷を受けるが、当該外的要因が接触する面は、後に水に接触し焼き入れされた下面、すなわち過剰な強度を有していない面であり、切り欠き感受性が低いため、腐食が発生したとしても応力腐食割れを抑制することが可能となる。
また、鍛造品20は、下面を上面より後に水に接触させて焼入れ処理工程を行うため、下面は上面に比べて、所定の温度まで冷却するのに時間を要することになる。このため、非特許文献1の表3(非特許文献1の751ページに記載)より、下面は上面よりも応力腐食割れによる寿命が高いことが分かる。
このようにして製造されたアルミニウム合金鍛造品は、常温における引張特性に優れ、加えて外的要因を受けやすい面が応力腐食割れに対し低感受性となっている特徴を有しているため、例えば、自動車用足回り部品(サスペンションアーム、アッパーアーム、ロアーアーム、タイロッドエンド等)の材料として好適に用いられる。
本発明の製造方法で得られる自動車足回り用アルミニウム合金鍛造品は、外乱が介入する面が応力腐食割れの感受性が低いため、例えば、自動車用足回りのサスペンションアーム、アッパーアーム、ロアーアーム、タイロッドエンド等の材料として好適に用いられるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
10…鋳造品(鋳造材)
20…鍛造品(鍛造材)
21:下面
22:上面

Claims (4)

  1. 熱処理工程として溶体化処理工程、焼入れ処理工程および人工時効硬化処理工程を含む自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材の製造方法であって、
    前記焼入れ処理工程は、前記鍛造材を自動車に組付けた際に自動車の接地面側に配置される下面を、前記下面と反対側の上面より後に水に接触させて行われることを特徴とする自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材の製造方法。
  2. アルミニウム合金がAl-Mg-Si系合金である請求項1に記載の自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材の製造方法。
  3. 前記溶体化処理工程が熱間鍛造工程での昇温を併用したものである請求項1または2に記載の自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材の製造方法。
  4. 前記焼入れ処理工程における水の温度が40℃~90℃である請求項1~3のいずれか1項に記載の自動車足回り用アルミニウム合金鍛造材の製造方法。



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