JP7423981B2 - アルミニウム合金鍛造材の製造方法 - Google Patents

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本発明は、例えば、4輪自動車に代表される輸送機の車体を支持する足回り部材として好適なアルミニウム6000系合金鍛造材に関する。
近年、自動車業界における環境規制の要求から、自動車に使用される各種部材、例えば車体を支持する足回り部材、特にサスペンションアーム、アッパーアーム、ロアーアーム、タイロッドエンドなどに用いる自動車用足回り部材として、高強度かつ高靭性かつ耐食性に優れるアルミニウム6000系合金(Al-Mg-Si系)が使用されている。
しかしながら近年、より一層の自動車の軽量化が要求されており、この要求を満足させるために、JIS規格6000系合金からより強度を向上させる必要が出てきた。つまりは高強度化することで、部材を薄肉化する必要がある。加えて足回り部材として強度以外にも、応力腐食割れ等の耐食性においても更なる品質向上が求められている。
このような要求に応えるため、自動車足回り部材用の高強度アルミニウム6000系合金として、その組成、製造プロセスを制御することで所要の金属組織を得て課題解決を図る提案がされてきた。具体的には、製造工程の焼入れ工程において、水に焼入れる際のアルミニウム合金鍛造材の姿勢を制御することで、所要の金属組織得て課題解決を図る提案がされてきた(下記特許文献1)。
特開2017-179413号公報
しかしながら、実際の製造工程の焼入れ工程において、姿勢以外にも、外気の温度や、昇温が終わり焼入れされるまでの時間など、外的要因によって所要の特性が得られない恐れがある。
具体的には、外気温が低い場合、あるいは焼き入れされるまでの時間が長い場合、焼き入れされるまでにアルミニウム合金鍛造材の熱が外気へ放熱され、焼き入れ時に所要の温度を下回るため、十分な過飽和固溶体を得ることを損ね、機械的特性が劣ることがある。
また、この場合、アルミニウム合金鍛造材の外周部付近が中心部に比べ優先的に放熱され、アルミニウム合金鍛造材の外周部付近および中心部で温度差が生じた状態で焼入れされると、焼き入れ時の冷却時に収縮が均一にならず、形状不良を引き起こすという問題があった。
また、本課題は熱間鍛造時において、当該アルミニウム合金鍛造材や熱間鍛造時の成形部材として用いられる金型が高温に加熱されているため、その熱源により上昇気流が発生しており、その上昇気流による空気の流れからも影響を受ける。すなわち、風速が早い場合、焼き入れされるまでの間にアルミニウム合金鍛造材の外周部付近の熱を奪い、上記に記したアルミニウム合金鍛造材の外周部および中心部での温度差を生じさせる。これらの温度差は上記と同様に形状不良を引き起こすという問題があった。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、アルミニウム合金鍛造材の製造工程の中の焼入れ工程において、風速を制御することで、アルミニウム合金鍛造材の外周部および中心部での温度差を極力排除し、十分な機械的特性を有し且つ焼き入れ時の収縮過程において形状不良を抑制することができるアルミニウム合金鍛造材の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]溶体化熱処理工程と水焼入れ熱処理工程とを含むアルミニウム合金鍛造材の製造方法であって、
前記溶体化熱処理工程と前記水焼入れ熱処理工程との間の、アルミニウム合金鍛造材の周囲における大気の平均風速が1.0m/sec以下であることを特徴とするアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
[2]アルミニウム合金がAl-Mg-Si系合金である前項1に記載のアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
[3]前記溶体化熱処理工程が鍛造工程における昇温を併用したものである前項1または2に記載のアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
[4]前記水焼入れ熱処理工程における水の温度が40℃~90℃である前項1~3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
[5]前記アルミニウム合金鍛造材が自動車用足回り部材である前項1~4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
[1]の発明では、大気の平均風速を1.0m/sec以下に制御することで、アルミニウム合金鍛造材の外周部および中心部での温度差を極力排除することができ、十分な機械的特性を有し、かつ、焼き入れ時の収縮過程において形状不良を抑制することができる。さらに、熱処理工程に起因する形状変形が少ないアルミニウム合金鍛造材を提供することができる。
[2]の発明では、熱処理工程に起因する形状変形が少ないAl-Mg-Si系合金を提供することができる。
[3]の発明では、熱処理工程に起因する形状変形が少ないアルミニウム合金材を安価に提供することができる。
[4]の発明では、アルミニウム合金部材の熱処理工程に起因する形状変形を更に少なくすることができる。
[5]の発明では、熱処理工程に起因する形状変形が少ないアルミニウム合金製の自動車用足回り部材を提供することができる。
本発明のアルミニウム合金鍛造材の製造方法における工程の一例を示す工程フロー図である。 本発明のアルミニウム合金鍛造材の製造方法における製造過程で形成された切断鋳造材の一例を示す斜視図である。 本発明に係るアルミニウム合金材で形成された鍛造品の一例を示す斜視図である。
以下、本発明に係るアルミニウム合金材および本発明に係るアルミニウム合金鍛造材の製造方法の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は例示に過ぎず、本発明はこれらの例示した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
本発明に係るアルミニウム6000系合金鍛造材は、Al-Mg-Si系合金鍛造材であって、製造過程における焼入れ処理時に、大気に晒され始めてから焼入れされるまでの時間、大気の温度および大気中の風速を一定条件内で制御することを特徴とする。
このような構成であることによって、当該アルミニウム合金鍛造材は外周部および中心部の温度差が極力少ない状態で焼入れされ、十分な過飽和固溶体が得られると同時に、温度差に起因して発生する形状不良を抑制することが可能となる。本発明は上記設計により先述課題を解決し、自動車足回り用部材として好適なアルミニウム6000系合金鍛造材を提供することができる。
本発明のアルミニウム合金鍛造材の製造方法は、溶体化熱処理工程と水焼入れ熱処理工程とを含み、溶体化熱処理工程と水焼入れ熱処理工程との間の、アルミニウム合金鍛造材の周囲における大気の平均風速が1.0m/sec以下であることを特徴とする。
アルミニウム合金鍛造材の周囲における大気の平均風速を1.0m/sec以下に制御する手段としては、例えば、溶体化熱処理工程後、水焼入れ熱処理工程へ移る際のアルミニウム合金鍛造材の搬送区間に、囲いを設けることが挙げられる。このように、囲いを設けることで、搬送区間における大気の風速を制御できる。
また、大気の風速を制御する手段は囲いを設けることに限られず、搬送区間において、大気の平均風速を1.0m/sec以下に制御できればよい。
また、本発明では、大気の平均風速が1.0m/sec以下となるように制御しているが、平均風速が0m/sec、すなわち無風状態であることが好ましい。このようにすることで、同一品質のアルミニウム合金鍛造品をより高精度に製造することができる。
以上のように、溶体化熱処理工程と水焼入れ熱処理工程との間の、アルミニウム合金鍛造材の周囲における大気の平均風速が1.0m/sec以下であることで、アルミニウム合金鍛造材の外周部および中心部での温度差を極力排除することができ、十分な機械的特性を有し、かつ、焼き入れ時の収縮過程において形状不良を抑制することができる。さらに、熱処理工程に起因する形状変形が少ないアルミニウム合金鍛造材を提供することができる。
次に、本発明に係るアルミニウム6000系合金鍛造材の製造方法の一例について詳細に説明する。本製造方法は、Al-Mg-Si系合金の溶湯を得る溶湯形成工程と、前記得られた溶湯を鋳造加工することによって鋳造材を得る鋳造工程と、を含む。
前記溶湯形成工程では、SiおよびMgを0.05質量%~1.3質量%を含み、残部がAl及び不可避不純物からなる組成となるように溶解調製されたアルミニウム合金溶湯を得る。なお本合金溶湯には必要に応じてFe、Cu、Cr、Mn、Ni、Ti、Zr等の金属を添加してもよい。
次に、前記得られた溶湯を鋳造加工することによって鋳造材(鍛造用ビレット)を得る(鋳造工程)。鋳造方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いればよく、例えば、連続鋳造圧延法、半連続鋳造法(DC鋳造法)等が挙げられる。
以下のとおり、必要に応じて、さらに、均質化熱処理工程、熱間鍛造工程、溶体化処理工程、焼入れ処理工程、人工時効硬化処理工程等の工程のうちの1ないし複数の工程を選択して実施するようにしてもよい(図1参照)。
(均質化熱処理工程)
得られた鋳造材に対して均質化熱処理を行うことによって、凝固によって生じたミクロ偏析の均質化、過飽和固溶元素の析出、準安定相の平衡相への変化が行われる。均質化熱処理により、金属間化合物の大きさを小さくすることができる。このように金属間化合物が小さくなることにより、金属間化合物を起点とする破壊が抑制され、引張強さがさらに向上する。また、均質化熱処理を行うことにより、金属間化合物中に含有される各元素が母材中へ均一に拡散するものとなり、固溶強化及び析出化による更なる引張強さの向上が可能となる。
均質化熱処理は、共晶溶融を生じない温度範囲内で、かつ、可能な限り高温で行うことが好ましい。このような条件で均質化熱処理を行うことにより、金属間化合物の母材中への溶解及び拡散が効果的に行われる。その結果、金属間化合物の大きさを小さくすることが可能となる。
次に、前記均質化熱処理を経た後の鋳造材を所定の長さに切断し、鍛造用ビレットを得る。
(熱間鍛造工程)
熱間鍛造の温度条件は、アルミニウム合金の特性をより再現性良く発現させる点で関係性を有し、即ちアルミニウム合金の溶体化処理後のミクロ組織を等軸結晶粒とすることが可能となる。中でも、熱間鍛造は、金型温度を100℃~300℃に設定し、素材温度を400℃~550℃に設定して行うことが好ましい。このような条件で熱間鍛造を行うことによって、アルミニウム合金材の引張強さをより向上させることができる。
(溶体化処理工程、焼入れ処理工程、人工時効硬化処理工程)
次に、溶体化処理工程、焼入れ処理工程、人工時効硬化処理工程について説明する。溶体化処理は、アルミニウム合金を高温で保持した後に急冷し、過飽和固溶体を形成する熱処理である。焼入れ処理は、溶体化処理によって得られた固溶状態を急速に冷却せしめて過飽和固溶体を形成する熱処理である。人工時効硬化処理は、アルミニウム合金を比較的低温で加熱保持して過飽和に固溶した元素を析出させて、適度な硬さを付与するための熱処理である。これらの熱処理(溶体化処理、焼入れ処理、人工時効硬化処理)を行うことによって、微細な析出物が均一に分散し、強度、延性および靱性が高度にバランスしたアルミニウム合金材を得ることができる。
また、溶体化処理工程は鍛造工程における昇温を併用することで、次の通りに省略することも可能である。すなわち鍛造工程時において、鍛造直後で高温に保持されたアルミニウム合金をそのまま急冷し過飽和固溶体を形成する工程である。これらの工程(熱間鍛造、鍛造焼入れ)は、従来の鍛造後に一度徐冷し、連続加熱炉ないし単体炉で再度加熱し溶体化処理を施す工程と比較し、同一品質のアルミニウム合金が得られるばかりでなく、再加熱に要するエネルギーを節約するだけでなく、製造時間を大幅に改善することが可能となる。
このように、溶体化熱処理工程が鍛造工程における昇温を併用することで、熱処理工程に起因する形状変形が少ないアルミニウム合金材を安価に提供することができる。
これらの熱処理条件は、成分組成、要求される特性等に応じて選択すればよい。前記溶体化処理は、特に限定されるものではないが、加熱温度を510℃~560℃、保持時間を0.5時間~6時間に設定して行うことが好ましく、この場合にはコストと特性のバランスがより良好になる。鍛造焼入れ工程においても同様の温度で、鍛造直後の温度を510℃~560℃、保持時間、すなわち鍛造直後から焼入れまでの時間を1秒~30秒に設定して行うことが好ましい。
上記焼入れ工程の際、本発明にかかる設計思想を用いると、下記のようになる。すなわち焼入れ工程または鍛造焼入れ工程において、当該アルミニウム合金鍛造材の昇温が終了してから焼入れされるまでの時間および外気温度を一定範囲内に制御し、外気風速を一定値以下に制御する。このような構成であることによって、焼入れされる際のアルミニウム鍛造材において、アルミニウム鍛造材の外周部および中心部の温度差が極力少ない状態、および十分な過飽和固溶体が得られるだけの温度を保持したまま焼入れされることが可能となる。
前記焼入れ処理は、特に限定されるものではないが、10℃~90℃の水で急冷する(水焼入れ処理する)ことが好ましい。
特に、水の温度は40℃~90℃であることが好ましい。これは、アルミニウム合金部材の熱処理工程に起因する形状変形を更に少なくすることができるからである。
また、前記人工時効硬化処理は、特に限定されるものではないが、加熱温度を160℃~250℃、保持時間を10分間~8時間に設定して行うことが好ましく、この場合にはコストと特性のバランスがより良好になる。
このようにして製造されたアルミニウム合金製品(鋳造品、鍛造品等)は、常温における引張特性に優れ、加えて外的要因を受けやすい面がより高強度となっている特徴を有しているため、例えば、自動車用足回り部品(サスペンションアーム、アッパーアーム、ロアーアーム、タイロッドエンド等)の材料として好適に用いられる。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
Si:1.10質量%、Fe:0.25質量%、Cu:0.40質量%、Mn:0.50質量%、Mg:0.85質量%、Cr:0.15質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金を加熱してアルミニウム合金溶湯を得た後、該アルミニウム合金溶湯を用いて連続鋳造材を得た。得られた連続鋳造材に対して均質化加熱処理を行った後、空冷した。
次いで、空冷後の連続鋳造材を切断した後、該切断鋳造材10(図2参照)に熱間鍛造を行った。得られた鍛造材20(図3参照)を溶体化温度540℃で加熱し50℃の水中に入れて水焼き入れを行った後、180℃で6時間加熱して人工時効硬化処理を施し、鍛造品20を得た。
この水焼き入れを行う際、外気の平均風速は0.8m/secの状態で焼入れを行った。
<実施例2>
Si:1.10質量%、Fe:0.25質量%、Cu:0.40質量%、Mn:0.50質量%、Mg:0.85質量%、Cr:0.15質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金を加熱してアルミニウム合金溶湯を得た後、該アルミニウム合金溶湯を用いて連続鋳造材を得た。得られた連続鋳造材に対して均質化加熱処理を行った後、空冷した。
次いで、空冷後の連続鋳造材を切断した後、該切断鋳造材10(図2参照)に、材料温度530℃、金型温度180℃で熱間鍛造を行った。得られた鍛造材20(図3参照)を鍛造後、熱間鍛造時の加熱が保持されている状態で50℃の水中に入れて水焼き入れを行った。その後180℃で6時間加熱して人工時効硬化処理を施し、鍛造品20を得た。
この水焼き入れを行う際、外気の平均風速は0.8m/secの状態で焼入れを行った。
<比較例1>
Si:1.10質量%、Fe:0.25質量%、Cu:0.40質量%、Mn:0.50質量%、Mg:0.85質量%、Cr:0.15質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金を加熱してアルミニウム合金溶湯を得た後、該アルミニウム合金溶湯を用いて連続鋳造材を得た。得られた連続鋳造材に対して均質化加熱処理を行った後、空冷した。
次いで、空冷後の連続鋳造材を切断した後、該切断鋳造材10(図2参照)に熱間鍛造を行った。得られた鍛造材20(図3参照)を溶体化温度540℃で加熱し50℃の水中に入れて水焼き入れを行った後、180℃で6時間加熱して人工時効硬化処理を施し、鍛造品20を得た。
この水焼き入れを行う際、外気の平均風速は1.1m/secの状態で焼入れを行った。
<比較例2>
Si:1.10質量%、Fe:0.25質量%、Cu:0.40質量%、Mn:0.50質量%、Mg:0.85質量%、Cr:0.15質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金を加熱してアルミニウム合金溶湯を得た後、該アルミニウム合金溶湯を用いて連続鋳造材を得た。得られた連続鋳造材に対して均質化加熱処理を行った後、空冷した。
次いで、空冷後の連続鋳造材を切断した後、該切断鋳造材10(図2参照)に、材料温度530℃、金型温度180℃で熱間鍛造を行った。得られた鍛造材20(図3参照)を鍛造後、熱間鍛造時の加熱が保持されている状態で50℃の水中に入れて水焼き入れを行った。その後180℃で6時間加熱して人工時効硬化処理を施し、鍛造品20を得た。
この水焼き入れを行う際、外気の平均風速は1.1m/secの状態で焼入れを行った。
Figure 0007423981000001
上記のようにして得られた各鍛造品について下記評価法に基づいて各種評価を行った。
<硬度測定>
得られた鍛造品において、表層付近の硬度および中心部の硬度をそれぞれ測定した。具体的には、任意のアーム部を切り出し、当該アーム部の表層付近および中心部から10mm角の硬度測定用サンプルを切り出した。なお、それぞれ硬度測定を行う面は、表層付近は表層から約1mmの部分にあたる面を対象とし、中心部は、表層から反対面の層までの1/2の位置に当たる箇所を硬度測定面とした。10mm角に切り出されたサンプルを樹脂埋めし、対象面をエメリー紙で#2000まで研磨を行ったのち、ビッカース硬度計を用いてビッカース硬度を測定した。ビッカース硬度測定の際の荷重は10gで、1試料に対し10点測定し平均のビッカース硬度を算出した。ビッカース硬度の測定結果を表1に示す。なお、評価方法は、硬度が120以上かつ表層付近と中心部の硬度差が5以下で「〇」、いずれか一方でも満足しない場合又は双方ともに満足しない場合を「×」とした。
表1より、実施例1および2において、表層付近と中心部での硬度差が少なく且つ硬度が高いことが分かる。
また、比較例1および2において、表層付近と中心部での硬度差が実施例1および2に比べ大きくかつ硬度が低いことが分かる。
本発明に係るアルミニウム合金材および本発明の製造方法で得られた足回り用鍛造品は、鍛造品の内部での強度差が少ないため、例えば、自動車用足回りのサスペンションアーム、アッパーアーム、ロアーアーム、タイロッドエンド等の材料として好適に用いられるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
10…鋳造品(鋳造材)
20…鍛造品(鍛造材)

Claims (5)

  1. 溶体化熱処理工程と水焼入れ熱処理工程とを含むアルミニウム合金鍛造材の製造方法であって、
    前記溶体化熱処理工程後、前記水焼入れ熱処理工程へ移る際のアルミニウム合金鍛造材の搬送区間に、囲いを設け、
    前記溶体化熱処理工程と前記水焼入れ熱処理工程との間の、アルミニウム合金鍛造材の周囲における大気の平均風速が1.0m/sec以下であることを特徴とするアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
  2. アルミニウム合金がAl-Mg-Si系合金である請求項1に記載のアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
  3. 前記溶体化熱処理工程が鍛造工程における昇温を併用したものである請求項1または2に記載のアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
  4. 前記水焼入れ熱処理工程における水の温度が40℃~90℃である請求項1~3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
  5. 前記アルミニウム合金鍛造材が自動車用足回り部材である請求項1~4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金鍛造材の製造方法。
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