JP7379738B1 - 座屈拘束ブレース、座屈拘束ブレースの取り付け方法、構造物、および構造物の施工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、構造物の施工時に、構造物の自重や、施工時に構造物にかかる荷重による構造物の各部材の縮み等によって、構造物に取り付けられた座屈拘束ブレースに初期的な軸力が導入される。これにより、座屈拘束ブレースの耐震・制振性能が低下する可能性がある。特許文献1の構造では、座屈拘束ブレースに導入された初期的な軸力を解放することは難しい。
以下、本発明の第1実施形態に係る座屈拘束ブレース10について、図1~図4を参照して説明する。
図1は、座屈拘束ブレース10の側面図である。図2は、座屈拘束ブレース10の片側の端部付近を示す図で、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は(a)のA-A断面図である。以下、座屈拘束ブレース10の軸線に沿う方向を、軸方向という。また、軸方向に沿って、座屈拘束ブレース10の中央側を軸方向の内側といい、その反対側を軸方向の外側という。
図1および図2に示されるように、座屈拘束ブレース10は、芯材20と、拘束部材30と、リブ板40(補剛部材)と、クレビス板50(接合部材)と、第1介在板70(第1プレート)と、を備える。
広幅部20bには、芯材20の軸方向の端から軸方向の内側に向けて延びるスリット21が形成される。スリット21には、リブ板40、クレビス板50、および第1介在板70が配置される。
構造物100は、外形が矩形の枠状をなす複数のフレーム103と、フレーム103の各々のコーナー部分104に配置されたガセットプレート108と、を備える。座屈拘束ブレース10は、ガセットプレート108を介してフレーム103に取り付けられる。
座屈拘束ブレース10の取り付け方法は、位置調整機構を用いて、リブ板40と、クレビス板50との相対位置を調整することにより、クレビス板50の位置を仮決めする位置調整工程と、位置調整機構を用いて、クレビス板50の位置の仮決めを解除することにより、構造物100から座屈拘束ブレース10に負荷された軸力を解放する軸力解放工程と、軸力解放工程の後に、クレビス板50を、リブ板40に接合する本接合工程と、を備える。
また、位置調整機構として長孔52を設けることにより、簡易な構成で、リブ板40とクレビス板50との相対位置を容易に調整することができる。
これにより、座屈拘束ブレース10を、構造物100により確実に取り付けることができ、座屈拘束ブレース10の耐震・制振性能の低下を防止できる。
これにより、芯材20の座屈強度を向上させることができるため、座屈拘束ブレース10の耐震・制振性能がより向上する。
第1介在板70により、一対のリブ板40を補強することができるため、座屈拘束ブレース10の耐震・制振性能がより向上する。
これにより、拘束部材30の外側から、リブ板40とクレビス板50との相対位置を容易に調整することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る座屈拘束ブレース10の取り付け方法について説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
なお、本接合工程の前に、芯材20およびクレビス板50が、軸方向に一直線に配置されるように、座屈拘束ブレース10の各部材の配置を調整するアライメント工程が行われてもよい。
次に、本発明の第3実施形態に係る座屈拘束ブレース10Aについて、図7および図8を参照して説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
また、位置調整機構として長孔52を設けることにより、簡易な構成で、芯材20Aとクレビス板50との相対位置を容易に調整することができる。
これにより、1枚の芯材20を有する座屈拘束ブレース10と比べて、芯材20Aの断面積を増やすことができるため、芯材20Aの降伏耐力が向上する。
第2介在板80により、芯材20Aを補強することができるため、座屈拘束ブレース10Aの座屈強度がより向上し、座屈拘束ブレース10Aの耐震・制振性能がより向上する。
次に、本発明の第4実施形態に係る座屈拘束ブレース10Bについて、図9を参照して説明する。なお、本実施形態においては、第3実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
また、位置調整機構として長孔52を設けることにより、簡易な構成で、芯材20Aとクレビス板50との相対位置を容易に調整することができる。
芯材20Aに加えて一対の第2芯材90が設けられるため、座屈拘束ブレース10、10Aと比べて、芯材20Aの降伏耐力がさらに向上する。
例えば、第1実施形態において、長孔は、リブ板40、およびクレビス板50のうち少なくとも一つに設けられていればよい。例えば、図10に示されるように、リブ板40に、ボルト孔41の代わりに長孔44が形成されており、クレビス板50にはボルト孔が形成されていてもよい。リブ板40およびクレビス板50の双方に長孔が形成されていてもよい。
第3実施形態および第4実施形態において、長孔は、芯材20A、およびクレビス板50のうち少なくとも一つに設けられていればよい。例えば、図11に示されるように、芯材20Aに、ボルト孔22の代わりに長孔23が形成されており、クレビス板50にはボルト孔が形成されていてもよい。芯材20Aおよびクレビス板50の双方に長孔が形成されていてもよい。
20、20A 芯材
30 拘束部材
40、40A リブ板(補剛部材)
50 クレビス板(接合部材)
52 長孔
61 ボルト
62 ピン
70 第1介在板(第1プレート)
80 第2介在板(第2プレート)
90 第2芯材(補剛部材)
Claims (10)
- 構造物に取り付けられる座屈拘束ブレースであって、
板状の芯材と、
前記芯材の外周側を覆う拘束部材と、
前記構造物から前記芯材に地震による振動が生じていない状態で負荷された軸力が解放される又は逃されるよう、前記芯材と前記構造物との相対位置を調整する位置調整機構と、
を有することを特徴とする座屈拘束ブレース。 - 前記位置調整機構は、前記相対位置を前記座屈拘束ブレースの軸方向に移動自在に調整することができる、
ことを特徴とする請求項1に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記位置調整機構は、前記芯材、前記芯材に接合される補剛部材、又は、前記芯材もしくは前記補剛部材に接合される接合部材に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記位置調整機構は、長孔を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の座屈拘束ブレース。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の座屈拘束ブレースを構造物に取り付ける、座屈拘束ブレースの取り付け方法であって、
前記位置調整機構を用いて、前記相対位置を調整することにより、前記芯材の位置を仮決めする位置調整工程と、
前記位置調整機構を用いて、前記芯材の位置の仮決めを解除することにより、前記構造物から前記芯材に負荷された軸力を解放する軸力解放工程と、
前記軸力解放工程の後に、前記構造物に前記芯材を本接合する本接合工程と、
を備えることを特徴とする、座屈拘束ブレースの取り付け方法。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の座屈拘束ブレースを構造物に取り付ける、座屈拘束ブレースの取り付け方法であって、
前記構造物に前記芯材を本接合する本接合工程、
を備え、
前記本接合工程の前において、前記位置調整機構を用いて前記相対位置を前記座屈拘束ブレースの軸方向に移動自在に調整することにより、施工中の前記構造物から前記芯材に負荷される軸力を逃がす、ことを特徴とする、座屈拘束ブレースの取り付け方法。 - 構造物であって、
板状の芯材と、前記芯材の外周側を覆う拘束部材と、を含む座屈拘束ブレースと、
ガセットプレートと、
前記構造物から前記芯材に地震による振動が生じていない状態で負荷された軸力が解放される又は逃されるよう、前記芯材と前記ガセットプレートとの相対位置を調整する位置調整機構と、
を有することを特徴とする構造物。 - 前記位置調整機構は、長孔を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の構造物。 - 請求項7又は8に記載の構造物の施工方法であって、
前記位置調整機構を用いて、前記相対位置を調整することにより、前記芯材の位置を仮決めする位置調整工程と、
前記位置調整機構を用いて、前記芯材の位置の仮決めを解除することにより、前記構造物から前記芯材に負荷された軸力を解放する軸力解放工程と、
前記軸力解放工程の後に、前記構造物に前記芯材を本接合する本接合工程と、
を備えることを特徴とする構造物の施工方法。 - 請求項7又は8に記載の構造物の施工方法であって、
前記構造物に前記芯材を本接合する本接合工程、
を備え、
前記本接合工程の前において、前記位置調整機構を用いて前記相対位置を前記座屈拘束ブレースの軸方向に移動自在に調整することにより、施工中の前記構造物から前記芯材に負荷される軸力を逃がす、ことを特徴とする構造物の施工方法。
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